JP5140032B2 - ガス絶縁電気装置の部分放電診断方法 - Google Patents

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Description

この発明は、ガス絶縁電気装置の部分放電診断方法に関するものである。
従来のガス絶縁電気装置の部分放電診断方法においては、部分放電を検出するスペクトルアナライザにより電圧位相に対して数秒から数百秒間の最大値による分布パターン及び1周期の最大値による分布パターンを同時取得する。そして、2種の電荷量分布パターンを比較することにより内部部分放電と外部放電ノイズとの区別を行う(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−26649号公報(第2−3頁、図2)
従来のガス絶縁電気装置の部分放電診断方法では、2種の電荷量分布パターンを比較することにより内部部分放電と外部放電ノイズとの区別をしているため、形態の異なる部分放電の種類を特定することが困難であるという問題点があった。
さらに、部分放電による欠陥の進展度を判定することが困難であるという問題点があった。
この発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、形態の異なる部分放電の種類を特定することができ、また部分放電による欠陥の進展度を判定することができるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法を得るものである。
この発明に係るガス絶縁電気装置の部分放電診断方法においては、電気機器が収納されて絶縁ガスが充填された金属容器内の部分放電による異常判定を行うガス絶縁電気装置の部分放電診断方法において、部分放電により検出された部分放電信号の発生時間間隔値を算出し、上記電気機器に印加されている印加電圧の極性別に統計的処理により上記発生時間間隔を使ってワイブル分布を求めて、上記発生時間間隔の50%確率値が時間と共に小さくなるとき絶縁破壊の可能性があると判断するようにしたものである。
この発明は、部分放電により検出された部分放電信号の発生時間間隔値を算出し、電気機器に印加されている印加電圧の極性別に統計的処理により発生時間間隔を使ってワイブル分布を求め、上記発生時間間隔の50%確率値が時間と共に小さくなることを検出して部分放電による欠陥の進展度を判定することにより、絶縁破壊の可能性を診断することができる。
この発明の実施の形態1におけるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法を実施するための構成図である。 この発明の実施の形態1におけるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法において、印加電圧と部分放電信号とを示す説明図である。 この発明の実施の形態1におけるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法において、部分放電診断方法を示す説明図である。 図4はSFガス中及び空気中の針先放電において検出された部分放電パルスを示す説明図である。 実施の形態1の他の実施例であるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法を実施するための構成図である。 この発明の実施の形態2における部分放電信号の処理方法を示す説明図である。 実施の形態2における部分放電信号の処理方法を示す説明図である。 実施の形態2における絶縁スペーサの沿面に付着した金属異物による部分放電メカニズムの説明図である。 実施の形態2における部分放電信号の処理方法を示す説明図である。 この発明の実施の形態3におけるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法の説明図である。 この発明の実施の形態4におけるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法の説明図である。 この発明の実施の形態4におけるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法の説明図である。 この発明の実施の形態4におけるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法の説明図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法を実施するための構成図である。図1において、絶縁ガスのSF6ガスが充填された金属容器1、2内に交流の高電圧が印加される高圧導体の電気機器3が収納されている。そして、各金属容器1、2間に挿入された絶縁スペーサ4により電気機器3が支持されている。電気機器3の一端側はブッシング5を介して外部機器(図示せず)と接続されている。金属容器1、2内から絶縁スペーサ4を介して気中へ漏洩する部分放電により発生した電磁波信号を金属容器1、2の外部に配置されたアンテナ6で受信する。アンテナ6で受信された電磁波信号を信号増幅器7で増幅し、続いてA/D変換器8でA/D変換した部分放電信号をコンピュータ9へ送る。
一方、電気機器3に印加される印加電圧を分圧器10で所定の電圧にして、さらにA/D変換器11でA/D変換したデジタルデータの印加電圧信号をコンピュータ9へ送る。コンピュータ9で演算処理されたデータは記憶手段12に記憶される。さらに、コンピュータ9で演算された結果は出力手段(図示せず)へ出力される。
図2は、印加電圧と部分放電信号とを示す説明図である。図1及び図2において、電気機器3に印加されている印加電圧波形13に対してコンピュータ9に取り込まれた部分放電信号14a、14b、14cが示されている。
Tnは部分放電が発生した時刻、qnは部分放電信号14a〜14cの大きさ(絶対値)、φnは部分放電が発生した時刻Tnにおける印加電圧の電圧位相、Vnは部分放電が発生したときの印加電圧瞬時値である。Δtは部分放電の発生時間間隔値で、時刻Tnから時刻Tn−1を引いたものである。さらに、部分放電の発生時点から次の発生時点までの印加電圧の差電圧ΔVnは時刻Tnにおける印加電圧瞬時値Vnから時刻Tn−1における印加電圧瞬時値Vn−1を引いたものである。
次に動作について説明する。図3は部分放電診断方法を示す説明図である。図1から図3において、絶縁スペーサ4から漏洩する部分放電により発生した電磁波信号をアンテナ6が受信する。アンテナ6で受信された電磁波信号は信号増幅器7及びA/D変換器8を介してデジタルデータの部分放電信号としてコンピュータ9へ入力される。一方、分圧器10及びA/D変換器11を介してデジタルデータの印加電圧信号もコンピュータ9へ入力される。コンピュータ9は入力された部分放電信号及び印加電圧信号をデータの順に1からN個までカウントして記憶手段12に保存する。さらに、コンピュータ9は前段の部分放電信号14aと続いて発生した後段の部分放電信号14bとの発生時間間隔値Δt(Δt=Tn−Tn−1)、及び部分放電信号14bが発生したときに電気機器3に印加されている印加電圧の電圧位相φnから演算処理により、図3に示すように部分放電信号の発生時間間隔値Δtと電気機器3に印加されている印加電圧の電圧位相φとの相関図を作成する。
ここで、接地側で部分放電する場合について説明する。絶縁ガスのSFガス及び空気中の針先放電を比較すると図3に示すように顕著な差異がある。図3(a)はSFガス中の針先放電における相関図であり、図3(b)は空気中の針先放電における相関図である。図3から次のことが判る。
(1)針先がマイナス、即ち印加電圧の電圧位相が正極性の場合、SFガス中での針先放電はある電圧位相φにおける部分放電信号の発生時間間隔値Δtが10−3〜10−9秒の広範囲に分布する放電パターンを示す(図3(a)参照)。一方、空気中ではΔtが狭い範囲に集中した放電パターンを示す(図3(b)参照)。
(2)針先がプラス、即ち印加電圧の電圧位相が負極正の場合、SFガス中での針先放電は発生時間間隔値Δtが分布15、16のように二つの領域に存在する(図3(a)参照)。一方、空気中では分布領域が分離した現象が見られない。
ここで、図3に示す部分放電信号の発生時間間隔値Δtの分布について説明する。図4はSFガス中及び空気中の針先放電において検出された部分放電パルスを示す説明図である。図4(a)に示すようにSFガス中では部分放電パルスが密集して発生するが、発生時間間隔値Δtが一定ではなく、ばらついている。一方、空気中では針先が負極正の場合、部分放電パルスを「トリチェリパルス」と呼称し、図1に示す電気機器3の印加電圧に依存して発生時間間隔が規則的に発生する特徴がある。このように空気中ではSFガス中とは物理現象が異なるので、SFガス中の針先放電と空気中の針先放電とを区別することができる。
従って、電気機器3の加工時におけるバリや付着したごみ等の突起物(導体固定)による部分放電か、金属容器1、2側のバリや付着したごみ等の突起物(タンク固定)による部分放電かの識別は図3の相関図により可能である。即ち、図1及び図3において、電気機器3に印加されている印加電圧の電圧位相が180度から360度の範囲に分布15,16のように時間領域が発生すれば、コンピュータ9は「タンク固定の突起物による部分放電である」と判別する。一方、電圧位相が0度から180度の範囲に分布15、16の時間領域が発生すれば、コンピュータ9は「導体固定の突起物による部分放電である」と判別する。
以上のように、部分放電信号の発生時間間隔値と部分放電信号が検出されたときに電気機器3に印加されている印加電圧の電圧位相との相関図を作成し、相関図上の放電パターンにより金属容器1、2内で発生した部分放電を検出するようにしたことにより、絶縁ガス中の部分放電か空気中の部分放電かを判別できると共に、電気機器3側の部分放電か金属容器1,2側の部分放電かを判別することができる。
実施の形態1において、アンテナ6を金属容器1、2の外部に配置したものについて説明したが、図5のガス絶縁電気装置の部分放電診断方法を実施するための構成図に示すように、例えば金属容器1内に配置した内部電極型センサで部分放電信号を受信するようにしてもよい。これにより、他相で発生した空気中での部分放電信号を受信するのを防止できるので、部分放電型センサが受信した部分放電信号は部分放電型センサが配置された相で発生した部分放電のものと特定することができる。
実施の形態2.
図6は実施の形態2における部分放電信号の処理方法を示す説明図である。
まず、ガス絶縁電気装置における浮き電極の放電について説明する。浮き電極とは、金属容器1、2や電気機器3から絶縁された金属であり、例えばガス絶縁電気装置を構成する金属部品の一つが、ボルトの締め付け不良等で電気的に接触不良の状態にある場合に締め付け不良の金属製部品を浮き電極と呼ぶ。
浮き電極の放電は、金属容器1、2や電気機器等との接触不良で発生、あるいは絶縁スペーサ4等との微少ギャップで発生し、部分放電の発生時点から次の発生時点までの印加電圧の差電圧ΔVnがほぼ一定の値となる特徴がある。さらに、部分放電は図2に示すようにΔV=Vn−Vn−1のようにΔVがプラス(+)になる場合と、ΔVn+1=Vn+1−VnのようにΔVがマイナス(−)になる場合とがあり、極性効果によりそれぞれの大きさが多少ばらつくことがある。
図6は図1に示す金属容器1、2内で発生した部分放電による部分放電信号が検出されたときに電気機器3に印加されていた印加電圧の印加電圧瞬時値Vnと、続いて発生した部分放電による部分放電信号が検出されたときに電気機器3に印加されていた印加電圧の印加電圧瞬時値Vn+1 とのデータを連続的にプロットして作成した相関図である。図6は横軸が時刻Tnにおける印加電圧瞬時値Vn、縦軸が次に部分放電が発生したときの時刻Tn+1における印加電圧瞬時値Vn+1であり、コンピュータ9により各データを1からN個までプロットして、リターンプロットを作成する。なお、図6においては電気機器3に印加される印加電圧の波高値を基準値1p.u.(per unitの略)として示してある。
ここで、例えば差電圧ΔVが一定であり、部分放電のばらつきがない場合は、データのプロットは2個所に集中する。しかし、実際には部分放電のばらつきがあるためにデータのプロットがばらついて、図6に示すようにほぼΔVの間隔を保って直線上に並んでプロットされる。電気機器3に印加される印加電圧が変化すると差電圧ΔVの値も相対的に変化するため、図6におけるプロットの軌跡も印加電圧の値に合わせて変化するが、放電形態が変わらない限り直線上にプロットされて図7に示すような放電パターン18a、18bが得られる。
一方、絶縁スペーサ4の沿面に付着した沿面付着異物による部分放電は図8に示すように2種類がある。図8は絶縁スペーサ4の沿面に付着した金属異物による部分放電メカニズムの説明図である。図8において、電気機器3を支持している絶縁スペーサ4の沿面上に金属異物19が静電力により付着している。
ここで、金属異物19から放電形態20、21の部分放電が発生している。放電形態20の部分放電は金属異物19と絶縁スペーサ4との間で形成される一般にトリプルジャンクションと呼ばれるギャップ間で発生し、浮き電極と同様のメカニズムで発生する。従って、放電形態20における部分放電による差電圧ΔVのプロットは図9に示すように、浮き電極の場合(図7参照)と同様に直線上にプロットされた放電パターン22a、22bが得られる。なお、図9は部分放電信号の処理方法を示す説明図である。
次に、放電形態21の部分放電は金属異物19から金属容器1、2内の絶縁ガス空間に向かって発生する部分放電であり、電極に固定された針と同様のメカニズムで放電する。従って、絶縁スペーサ4の沿面に付着した金属異物19の部分放電については、部分放電により発生した部分放電信号が検出されたときに電気機器3に印加されていた印加電圧の印加電圧瞬時値と、続いて発生した部分放電信号が検出されたときに電気機器3に印加されていた印加電圧の印加電圧瞬時値との相関図を作成して図9の放電パターン22a、22bを得ることにより、浮き電極による放電形態20の部分放電を検出することができる。さらに、実施の形態1と同様に部分放電信号の発生時間間隔値と部分放電信号が検出されたときに電気機器3に印加されている印加電圧の電圧位相との相関図を作成して図9に示す放電パターン23a、23bを得ることにより、針先放電による放電形態21の部分放電を検出することができる。
また、図6から部分放電開始電圧と部分放電消滅電圧を推測することができる。部分放電開始電圧とは、電気機器3に印加する印加電圧を零から徐々に上昇させていくときに、部分放電が始まる最小の印加電圧である。また、部分放電消滅電圧とは、部分放電が発生している状態から印加電圧を徐々に下降させていき、完全に部分放電がなくなるときの最小の印加電圧である。
一般的な部分放電では、部分放電開始電圧より部分放電消滅電圧の方が低くなる。浮き電極の場合は帯電等の現象を除けば、最初に放電が開始し得る印加電圧は印加電圧のピーク値がΔVに達したときである。一方、放電が消滅するのはΔVが印加電圧のピーク値の1/2倍の値に達したときである。例えば、印加電圧100kV0−pで、ΔVが図6の相関図により90kV0−pと求められた場合、部分放電開始電圧は90kV0−p、部分放電消滅電圧は45kV0−pとなる。
実施の形態3.
図10は、この発明の実施の形態3におけるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法の説明図である。図1、図2及び図10において、電気機器3に印加されている印加電圧の電圧位相φn−1における前段の部分放電が発生したときの印加電圧瞬時値Vn−1と、電圧位相φnにおける後段の部分放電が発生したときの印加電圧瞬時値Vnとの差電圧ΔVnをコンピュータ9により算出する。さらに、部分放電信号の大きさqが分圧器10及びA/D変換器11を介してコンピュータ9に入力される。コンピュータ9は図10に示すように、部分放電信号の大きさqに差電圧ΔVを乗じたq×ΔVと、電気機器3に印加されている印加電圧の電圧位相φとの関係を順次プロットした放電パターン24a、24b,24cとなる相関図を作成する。部分放電信号の大きさqと差電圧ΔVは、それぞれ浮き電極に蓄積された電荷と、例えば浮き電極と金属容器1、2等の対向電極とのギャップ間にかかる電圧との比例関係にあると考えられる。従って、q×ΔVは浮き電極をコンデンサと仮定した場合のエネルギーに比例していると考えられるので、部分放電の性質を表すパラメータとなり得る。
ここで、浮き電極の部分放電信号の大きさqは差電圧ΔVに依存する性質を有する。また、絶縁ガス中の浮き電極は基本的に差電圧ΔVが一定であると共に部分放電信号の大きさqも一定である性質を有する。従って、q×ΔVの値は印加電圧の電圧位相φに依存せずに一定値となるので、浮き電極の判断が可能となる。
実施の形態3において、q×ΔVと電圧位相φとの相関図を作成して浮き電極の判断をするものについて説明したが、差電圧ΔV及び部分放電信号の大きさqが共に一定であるので、電圧位相φと差電圧ΔVとの相関図、又は電圧位相φと部分放電信号の大きさqとの相関図を作成することでも浮き電極の判断をすることができる。
また、浮き電極をコンデンサと考えると、q/ΔVの値は浮き電極の容量に比例した値となる。絶縁ガス中の浮き電極は容量が一定値であるため、電圧位相φに依存することなく一定値となるため、q/ΔVと電圧位相φとの相関図を作成することでも浮き電極の判断をすることができる。
実施の形態4.
図11から図13は実施の形態4におけるガス絶縁電気装置の部分放電診断方法の説明図である。図11は電気機器へ印加される印加電圧と部分放電の発生状況を示す説明図である。図12はワイブル分布を使用した統計的処置を示す。図13は電気機器へ印加される印加電圧と部分放電信号の発生時間間隔値との相関図である。
図1において、絶縁ガスが封入された金属容器1中で針先放電が発生するように設置して、電気機器3の印加電圧を上昇させて図11の部分放電信号を観測する。印加電圧を0Vから上昇させると、図11(a)に示すように100μsecオーダーの範囲の発生時間間隔値Δtでパルス状の部分放電信号が発生する。続いて、印加電圧を上昇させると、図11(b)に示すように10μsecオーダーの範囲の発生時間間隔値Δtで部分放電信号が発生する。さらに、印加電圧を上昇させると、図11(c)に示すように1μsecオーダーの範囲の発生時間間隔値Δtで部分放電信号が発生する。そして、印加電圧の上昇を続けると、針先放電は遂に電気的な破壊をして電気機器3と金属容器1間で短絡する。
以上の結果から、部分放電信号の発生時間間隔値Δtは針先放電による破壊を予測することができる。
部分放電信号の発生時間間隔値Δtは、図3に示すように10−3〜10−9秒の広範囲に分布している。そこで、図12に示すように発生時間間隔値Δtについてデータの1個目からN個目まで、電気機器3に印加される印加電圧の極性別にワイブル分布を使って統計的に処理する。図12(a)は針先が負極性の放電であり、図12(b)は針先が正極性の放電についてのワイブル分布である。 図12(a)より、負極性放電のΔt分布は印加電圧を上昇させると、傾きを同じくしてΔtが小さくなる傾向を示す。一方、図12(b)より、正極性放電のΔt分布は、印加電圧の上昇に伴って負極性放電と同様にΔtの低い方へ移行する傾向を示すものの、複雑な混合ワイブル分布となる。
ここで、図12に示すワイブル分布から、例えば発生時間間隔値Δtの50%確率値の分布を数値化して、図13に示すように印加電圧との関係を整理する。
図12の縦軸は、一般的によく知られているワイブルプロット確率紙に使われている関数であり、F(Δt)は累積確率分布関数として示される。通常、ワイブルプロットの50%確率値とは、F(Δt)=0.5のことであり、具体的な計算値で示すと、縦軸(Y)の値lnln(1/(1−F(Δt)))=lnln(1/(1−0.5))=―0.36651・・となる。図12の負極性放電で印加電圧が36KVの条件のとき、50%値つまりY軸の値が―0.36651となる時のΔt50%値は、0.035msecとなる。このΔt50%値=0.035msecと印加電圧値=36KV(0.36p.u)の交点を図13にプロットする。以下、同様にΔtの50%値と印加電圧との関係をプロットしたものが図13となる。なお、図13において、横軸の印加電圧は破壊電圧の波高値を基準値1p.u.とする。
針先放電は針の長さ、設定場所、ガス絶縁電気装置の構造等によって針先端の電界が変わるので、放電開始電圧や破壊電圧が変化するため、破壊電圧や部分放電の進展状態を印加電圧から推測するのは困難であった。しかし、ガス絶縁電気装置において針先放電による部分放電信号が検出されたときに図13(a)(b)のいずれかの分布により、部分放電が発生する印加電圧が破壊電圧に対して何%に相当するかを推定することができる。これにより針先放電の進展度(破壊電圧までのマージン)を検出することができる。
例えば、図13の分布(a)から負極性Δt50%=0.15msecとなるときの印加電圧は0.27p.uとなり、破壊電圧までのマージンは1−0.27=0.73p.uとなり、破壊電圧まで73%のマージンがあると推定することができる。また、図13の分布(a)から負極性Δt 50% =0.006msecとなるときの印加電圧は0.6p.uとなり、破壊電圧までのマージンは1−0.6=0.4p.uとなり、破壊電圧まで40%のマージンがあると推定することができる。
実施の形態4において、針先放電の進展度を検出するものについて説明したが、図8に示す絶縁スペーサ4の沿面に付着した金属異物19のように針先放電の形態を含む複合的な部分放電に対しても同様の効果を期待することができる。
1,2 金属容器、3 電気機器。

Claims (1)

  1. 電気機器が収納されて絶縁ガスが充填された金属容器内の部分放電による異常判定を行うガス絶縁電気装置の部分放電診断方法において、部分放電により検出された部分放電信号の発生時間間隔値を算出し、上記電気機器に印加されている印加電圧の極性別に統計的処理により上記発生時間間隔を使ってワイブル分布を求めて、上記発生時間間隔の50%確率値が時間と共に小さくなるとき絶縁破壊の可能性があると判断するガス絶縁電気装置の部分放電診断方法。
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