JP6910897B2 - 部分放電検出装置および部分放電検出方法 - Google Patents

部分放電検出装置および部分放電検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力機器で発生する部分放電を高感度で検出する部分放電検出装置および部分放電検出方法に関する。
高圧配電線を開閉したり事故から保護するために、遮断器などを保護継電器と一緒に金属製ボックス(箱体)に収めた電力機器(以下これを「スイッチギヤ」と称す)がある。このスイッチギヤは、箱体の外部からの目視では内部の機器の劣化や故障の診断ができないことから、通常、箱体の内部で発生する部分放電を検出することが行われている。
従来、スイッチギヤのような箱体内に遮断器などを収納する電力機器は、箱体に複数の部分放電センサを取り付け、部分放電が発生する位置を特定するものが知られている。部分放電センサでは、浮遊容量を介して伝搬する部分放電パルスによる信号を検出し、到達するまでの時間差から三次元位置も特定できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
一方、主回路導体のような電気部材を絶縁材料でモールドしたスイッチギヤでは、接地層の表面に表面電位を検出する複数の電極を設け、所定のものを基準電極とし、他のものを測定電極とし、基準電極から測定電極の表面電位を減算して電位差を求め、部分放電を検出するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、表面電位を検出する一対の電極を準備し、一方の電極を接地層の表面に取り付け、他方の電極を接地層と非接触として配設し、これらの出力を差分してS/N比を向上させるものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
これら従来の部分放電検出装置は、箱体やモールド部材が単独構成のものに取り付けて、内部で発生する部分放電の発生位置の特定や検出感度を向上させるものである。
ところで、上述したようなスイッチギヤは、複雑な電力系統を構成する上で、複数の箱体を列盤(並べて配置)して構成することが多い。列盤されたスイッチギヤは、他の電力系統に接続されたり、電力変換器やモータなどの電力機器が接続されたりするため、複雑なノイズ(BGN)が発生および侵入し、電源信号に重畳される。
特開2011−149896号公報 特開2012−220209号公報 特開2012−220208号公報
このようなスイッチギヤ、つまり電力機器では、周波数成分やパワーの異なるノイズの除去には限界があり、ノイズが多く含まれる環境で微弱な信号である部分放電を検出して部分放電の発生場所(箱体)をつき止めることは困難である。このため、複雑なノイズが侵入し易い箱体が列設された電力機器の部分放電を高感度に検出できるものが望まれる。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、電源系統に接続されて大きなノイズが重畳される配電回路を収容する複数の箱体で構成される電力機器において、部分放電を高感度に検出し部分放電発生元を箱体単位につき止めることができる部分放電検出装置および部分放電検出方法を提供することにある。
本発明の部分放電検出装置は、抽出部と判定部を備える。抽出部は、電源系統に接続される配電回路を収容する箱体を複数列設した電力機器に箱体毎に取り付けられた複数の電極により検出されるそれぞれの表面電位の検出信号から第1の帯域の信号と第2の帯域の信号とを抽出する。判定部は、電極毎の第1の帯域の信号および第2の帯域の信号を基に部分放電の発生タイミングを検出し、電極毎に抽出された第1の帯域の複数の信号を基に部分放電発生元の箱体を特定する。
一つの実施の形態の部分放電検出システムの概要構成を示す図である。 図1の部分放電検出システムの部分放電検出装置の構成を示す図である。 図2の部分放電検出装置の信号処理部(第1実施形態)の構成を示す図である。 表面電位検出信号の周波数と信号レベルの対応関係を示す図である。 箱体毎に検出信号から抽出される高周波信号と低周波信号を示す図である。 検出信号から部分放電を特定する様子を示す図である。 信号処理部の他の構成例(第2実施形態)を示す図である。 信号処理部の他の構成例(第3実施形態)の構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1〜図6を参照して第1実施形態の部分放電検出システムを説明する。図1は第1実施形態の部分放電検出システムの概要構成を示す図、図2は図1の部分放電検出システムの部分放電検出装置の構成を説明する図、図3は図2の部分放電検出装置の信号処理部の構成を説明する図、図4は電源信号の信号レベルと周波数との対応関係を示す図、図5は箱体毎に検出信号から抽出される高周波信号と低周波信号を示す図、図6は検出信号から部分放電を特定する様子を示す図である。
図1に示すように、第1実施形態の部分放電検出装置システムは、遮断器や主回路導体などの配電回路が収納された複数の第1〜第nの箱体1a〜1nからなる電力機器としてのスイッチギヤ1と、各箱体1a〜1nに一つずつ取り付けられたセンサ電極としての第1〜第nの電極2a〜2nと、これら第1〜第nの電極2a〜2nに配線(同軸ケーブルなど)を介して接続された部分放電検出装置3とを備える。
複数の第1〜第nの箱体1a〜1nは、扉などの開閉部を正面に向けて横一列でほぼ直線状に並べて配置(並設、列設などともいう)されており、内部に収容した配電回路により所定の電源系統が構成されている。
第1〜第nの箱体1a〜1nは、ケースが正面板、天井板、背面板、床板、側面板で構成されており、いずれかの板面に第1〜第nの電極2a〜2nが接触固定される。このため、正面板、天井板、背面板、床板、側面板のそれぞれを個々の箱体を構成する構成板と称する。構成板は、接地極6(以下「グランド6」と称す)に接続(接地)された接地母線5に接続される。接地母線5は第1〜第nの箱体1a〜1nの下部に、各箱体と共通の配線として配設されている。
第1〜第nの電極2a〜2nは、第1〜第nの箱体1a〜1n内にそれぞれ収納される配電回路との間で形成される浮遊容量を介して表面電位を検出する。つまり第1〜第nの電極2a〜2nはそれぞれの箱体1a〜1nの表面電位を検出するものである。
第1〜第nの電極2a〜2nは、電源系統に接続される配電回路を収容する箱体1a〜1nを複数列設したスイッチギヤ1に、箱体1a〜1n毎に取り付けられている。第1〜第nの電極2a〜2nにより検知された検知信号は、検知信号より得られる微弱な信号を基に部分放電の発生元を特定する部分放電検出装置3に入力される。
図2に示すように、上記部分放電検出装置3は、端子3a〜3n、抽出部31および信号処理部40などを有する。端子3a〜3nは、第1〜第nの電極2a〜2nに接続されている。端子3a〜3nには、電源系統に接続される配電回路を収容する箱体1a〜1nを複数列設したスイッチギヤ1に、箱体1a〜1n毎に取り付けられた複数のセンサ電極2a〜2nにより検出されるそれぞれの表面電位の検出信号が入力される。
端子3a〜3nには、抽出部31が接続されている。抽出部31では、端子3a〜3nからの信号線が2つに分岐し、一方の信号線は第1〜第nの電極2a〜2nの出力の高周波信号を抽出するためのハイパスフィルタ32(以下「HPF32」と標記する)を介して信号処理部40に接続されている。HPF32は検出信号より数100MHz帯に主成分を持つ電磁波由来の高周波信号を通過させる。したがって、数100MHz帯よりも下の周波数帯の信号成分はカットされる。この一方の信号線からHPF32を介して信号処理部40に入力される信号を2a(H)〜2n(H)という。
他方の信号線はそのまま信号処理部40に接続されている。他方の信号線には、グランド6からさまざまなノイズが接地母線5に侵入し数MHz〜数10MHz帯に主成分を持つ接地電流由来の低周波信号として信号処理部40に入力される。なおグランド6から接地母線5に侵入するノイズを「接地ノイズ」と称す。他方の信号線からそのまま信号処理部40に入力される信号を2a(L)〜2n(L)という。なお他方の信号線に1MHz〜20MHz帯の周波数帯域を通過させるローパスフィルタを設けてもよいが、この帯域であればそのままの信号でも影響はない。
抽出部31は、第1〜第nの電極2a〜2nなどの複数の電極により検出されるそれぞれの表面電位の検出信号から第1の帯域(100MHz以上の帯域(例えば数100MHz帯など))の信号S1と第2の帯域(1MHz〜20MHzの帯域)が含まれる信号S2とを抽出する。すなわち、抽出部31では、検出信号から少なくとも信号S1を分離し、分離した信号S1と信号S2とを信号処理部40に入力すればよい。
図3に示すように、信号処理部40は、減算部41、特定部42、表示部43を有する。減算部41には第1〜第nの電極2a〜2nからのHPF32を介した高周波信号2a(H)〜2n(H)が入力される。
信号処理部40は、第1〜第nの電極2a〜2n毎の信号S1および信号S2を基に部分放電の発生タイミングを検出し、異なる電極2a〜2nで検出された高周波信号2a(H)〜2n(H)を基に部分放電発生元の箱体(箱体1a〜1nのうちのいずれか)を特定する。
減算部41は、第1の帯域(数100MHz帯)の複数の信号2a(H)〜2n(H)を相互に減算してそれぞれの信号の電位差を求める。特定部42には、第1〜第nの電極2a〜2nの検出信号(低周波信号2a(L)〜2n(L))と、減算部41が高周波信号2a(H)〜2n(H)を相互に減算したそれぞれの信号の電位差が入力される。
特定部42は、電極2a〜2n毎の第1の帯域(数100MH帯)の信号S1および第2の帯域(1MHz〜20MHz帯)の信号S2を基に検出した部分放電の発生タイミングで、複数の第1の帯域(数100MHz帯)の信号2a(H)〜2n(H)のうち予め設定された電位差の条件を満たした信号が検出された箱体1aを部分放電発生元として特定する。
電位差の条件を満たした信号とは、例えば予め設定された信号レベルの閾値を超える最も大きなピーク値を持つものなどである。この他、電位差の条件としては、例えば閾値を超える電位差が維持される継続時間、閾値を超える発生頻度などであってもよい。このように電位差の条件としてはピーク値、継続時間、発生頻度のうち少なくとも一つを用いる。
すなわち、特定部42は、高周波信号S1と低周波信号S2とから部分放電の発生タイミングを特定し、その特定したタイミングで、減算部41により減算して得られた複数の信号2a(H)〜2n(H)の電位差を基に(電位差の大小関係から)部分放電発生元を特定し、特定した部分放電発生元の情報を表示部43に表示する。
なお、信号が識別し易いように、1つの箱体(例えば箱体1a)で検出される検出信号S(図6参照)に含まれる高周波成分(数100MHz帯域成分)の信号をS1といい、低周波成分(1MHz〜20MHz帯域成分)の信号をS2といい、複数の箱体でそれぞれ抽出される複数の高周波信号を2a(H)〜2n(H)といい、複数の低周波信号を2a(L)〜2n(L)という。
具体的に、特定部42は、電極2a〜2n毎の第1の帯域(数100MHz帯)の信号S1および第2の帯域(1MHz〜20MHz帯)の信号S2を基に同じタイミングで一定以上のレベルの信号が生じるタイミングを検出し、電極2a〜2n毎に抽出された第1の帯域(数100MHz帯)の複数の信号2a(H)〜2n(H)を基に部分放電発生元の箱体(箱体1a〜1nのうち例えば箱体1aなど)を特定する。
次に、図4乃至図6を参照して部分放電の特定(判定)動作を説明する。
図4に示すように、部分放電が発生するとき、電極2a〜2n毎に、数MHz〜数10MHzの周波数帯域に主成分を持つ接地電流由来の低周波信号S1と、100MHz以上の周波数帯域に主成分を持つ電磁波由来の高周波信号S2とが同時に検出される。
ここで、接地電流由来の低周波信号S2は、接地母線5(導体)を通じて伝搬され、接地フィールドにおける背景雑音と競合するために検出感度は低い。一方、高周波信号S1は、接地フィールドの背景雑音に対して検出感度が高い。さらに、高周波信号S1は、部分放電の放射電磁波(空中波)を検出した信号であることから、部分放電が発生している部位(箱体)から離れるにつれて、信号レベルが小さくなる。
例えば第1の箱体1a内で部分放電が発生したとき、信号処理部4には、図5に示すように、箱体1aの内部に上下に模式的に示しているような2つの信号(上は電磁波由来の高周波信号2a(H)、下はノイズが重畳された接地電流由来の低周波信号2a(L))が入力される。
高周波信号2a(H)は、放電発生のタイミングで振幅が大きく変化(振動)し、その振幅が大きくなったときの時間は、例えば50nsec〜100nsec程度である。また、低周波信号2a(L)は、定常的に例えば1μsec〜5μsec程度の周期で、ノイズの影響を受けてランダムに振動する。
一方、部分放電が発生していない他の箱体、例えば図5の第2の箱体1bで検出される検出信号に部分放電の成分が含まれていたとしても、抽出される高周波信号2b(H)の振幅は部分放電発生場所(第1の箱体1a)から一箱分隣に位置するため、その距離に応じて小さくなる(図5の右の箱1b内の波形参照)。このため、信号レベルの大小を比較することで、信号レベルが一定値以上の大きな振幅の発生場所を特定できる。なお大きな振幅といっても、これだけではそれが部分放電であるとは特定できない。また部分放電信号の低周波信号2b(L)と接地ノイズは同程度の大きさのものが検出される。
そこで、信号処理部40では、部分放電の信号とその発生タイミングを以下の動作で特定する。
信号処理部40の減算部41では、各電極(第1〜第nの電極2a〜2n)から入力される高周波信号2a(H)〜2n(H)に対して相互減算し、その減算結果(電位差)を特定部42に出力する。
特定部42は、まず、減算部41から入力された減算結果の信号、つまり電極2a〜2n毎の高周波信号2a(H)〜2n(H)と低周波信号2a(L)〜2n(L)を基に部分放電の発生タイミングを検出する。
具体的には、第1の箱体1a内で部分放電が発生したとき、特定部42は、図6に示すように、第1の電極2aで検出した検出信号Sから分離した100MHz帯の信号S1と1MHz〜20MHz帯の信号S2とをマッチングし、同じタイミングでそれぞれの信号の閾値以上の電位差が発生した箇所(振幅波形の部分)を部分放電の発生箇所であるもの、つまり部分放電発生のタイミングを特定(判定)する。
続いて、特定部42は、特定した部分放電発生のタイミングで、図5に示した要領で、減算部41から入力された複数の信号2a(H)〜2n(H)の減算結果(電位差)の大小を比較することで、電位差が最も大きい信号2a(H)〜2n(H)のいずれかを部分放電の信号Sxと判定し、その信号を検出した電極(例えば電極2a)が取り付けられている第1の箱体1aを部分放電発生元として特定する。
第1〜第nの箱体1a〜1nに収容されている回路は、接地母線5に接続されていることから、接地母線5からのノイズは全ての構成板で同程度のものが検出され、部分放電によるものは当該箱体のみで大きく検出されるものとなる。
これらの処理を第1〜第nの電極2a〜2nの相互間で行い、特定部42は、予め設定されている閾値を超える電位差が検出されると、その信号の検出元の箱体(部分放電発生場所)を特定し、表示部43に表示する。なお、箱体を特定する上では、第1〜第nの電極2a〜2nの識別情報と箱体1a〜1nの識別情報とを対応付けて予めメモリなどに記憶しておくものとする。
なお、表示の仕方については、例えば画面に表示した列盤の図面のうち、対象の箱体のみ色付けするとか色を変えるとか、図面などではなく、ダイアログボックスに対象の箱体のIDを表示するなどしてもよい。
また、メモリなどに、予め電位差のピーク値、継続時間、発生頻度などの閾値を設定しておき、特定部42は、検出値と閾値との比較でいずれかの項目でメモリの閾値を超えたときに部分放電の発生と判定してもよい。
また、これらピーク値、継続時間、発生頻度を乗算して放電エネルギーを算出したものを閾値として用いてもよい。さらに、部分放電は、間欠放電が多いため、閾値を超えた部分放電の回数をメモリに計数しておき、部分放電として検出した回数が一定回数以上計数されたとき(閾値以上の検出が複数回続いたとき)に、部分放電の発生と判定するようにすれば、たまたまタイミングが重なったノイズを部分放電と誤検出することを防止できる。
このようにこの第1実施形態の部分放電検出システムによれば、第1〜第nの箱体1a〜1nが列盤されたスイッチギヤ1において、部分放電の発生を箱体単位に高精度に検出することができる。
スイッチギヤ1では、他電力系統やノイズを出し易い電力機器が接続され、周波数成分やパワーの異なる複雑で大きなノイズが主回路に重畳されるが、部分放電信号の高周波成分は信号強度が異なり、かつ第1〜第nの箱体1a〜1n全体に重畳された低周波ノイズは無視することができる。
なお、部分放電の発生箱体が特定された場合には、他の箱体と切り離して一般的な部分放電測定器を用いて発生個所を見つけだし、その発生箇所の状況に応じて保守を行うものとする。具体的には部品交換や箱体全体の交換などを行う。
すなわち、この第1実施形態によれば、列盤された複数の第1〜第nの箱体1a〜1nの構成板にそれぞれ第1〜第nの電極2a〜2nを接触固定し、これらの高周波成分を持つ複数の検出信号を信号処理部40の減算部41で減算し、主回路に重畳された低周波ノイズを打ち消すので、周波数成分やパワーの異なる複雑で大きなノイズでも確実に除去し、列盤(列設)された複数の第1〜第nの箱体1a〜1nのいずれかに発生した部分放電を、部分放電が発生した箱体を特定した上で高感度に検出することができる。
この第1実施形態では、スイッチギヤ1を複数の第1〜第nの箱体1a〜1nからなるものとして説明したが、これ以外に、例えば真空バルブや主回路導体のような電気機器を絶縁材料でモールドし、これらのモールド部材を複数接続したスイッチギヤについても、各モールド部材の接地層に第1〜第nの電極2a〜2nを取り付け、それぞれの検出信号の高周波信号を抽出し、これらを減算部41でモールド部材の単位で相互減算することにより、部分放電を高い検出感度で計測することができる。
(第2実施形態)
次に、図7を参照して部分放電検出装置の信号処理部40の他の構成例(第2実施形態)を説明する。図7は第2実施形態の信号処理部の回路構成を示す図である。なおこの第2実施形態において第1実施形態の信号処理部(図3)と同様の構成要素については同一の符号を付しその説明は省略する。
図7に示すように、第2実施形態の信号処理部40は、減算部の前段に平均化部44を有する。平均化部44は、抽出部31から入力されたそれぞれの高周波信号2a(H)〜2n(H)を前回までの信号の電圧レベルに加えて平均化し、平均化した結果を減算部41に入力する。つまり平均化部44は、複数の電極2a〜2nにより検出される各検出信号から抽出した第1の帯域(数100MHz帯)のそれぞれの信号2a(H)〜2n(H)のレベルを平均化して減算部41に出力する。
この第2実施形態では、平均化部44がそれぞれの高周波信号を平均化処理し、平均化処理した結果を用いて部分放電の有無や場所を特定するので、突発的な信号による検出を抑えることができ、部分放電検出の正確性(検出感度)を向上させることができる。
このようにこの第2実施形態によれば、第1実施形態による効果が得られる他に、平均化部44を設けたことで突発的に発生する信号での検出を除外し、部分放電検出の正確性(検出感度)を向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、図8を参照して部分放電検出装置の信号処理部40の他の構成例(第3実施形態)を説明する。図8は第3実施形態の信号処理部の回路構成を示す図である。なおこの第3実施形態において第2実施形態の信号処理部(図7)と同様の構成要素については同一の符号を付しその説明は省略する。
図8に示すように、第3実施形態の信号処理部40は、特定部42の前段にウェーブレット変換部45を有する。
ウェーブレット変換部45は、電極2a〜2n毎の第1の帯域(数100MHz帯)の信号S1と第2の帯域(1MHz〜20MHz帯)の信号S2とを含む検出信号Sをウェーブレット変換して特定部42へ出力する。
この第3実施形態では、特定部42の前段にウェーブレット変換部45を設けて、高周波信号S1が発生しているタイミングで周波数1MHz〜20MHzに高い結果が検出されたときに、絶縁物からの部分放電と判定する。
このようにこの第3実施形態の部分放電検出装置によれば、第2実施形態による効果が得られる他に、ウェーブレット変換部45にて混合信号をウェーブレット変換することにより、多くのノイズが含まれる信号の中から部分放電を浮かび上がらせて、部分放電をより確実に検出することができる。
以上説明した実施形態によれば、列盤された複数の箱体1a〜1nの構成板にそれぞれ表面電位を検出する電極2a〜2nを取り付け、これら電極2a〜2nの検出信号を高周波信号とそれ以外の信号に分けて信号処理部40に入力し、信号処理部40において電極2a〜2n毎の高周波信号S1および低周波信号S2を基に部分放電の発生タイミングを検出し、検出したタイミングでの、電極2a〜2n毎に抽出された複数の高周波信号2a(H)〜2n(H)の信号レベルの大小関係から部分放電発生元の箱体(例えば箱体1a)を特定するので、各種の電源系統や電力機器に接続されて大きなノイズが重畳される複数の箱体1a〜1nが列設された中で、部分放電の発生元を箱体単位につき止めることができる。
また、各箱体1a〜1nの高周波信号を相互に減算して電位差を求めるので、大きなノイズを確実に除去し差分の信号を箱体単位で比較することができ、微弱な信号の部分放電を高感度で検出することができる。
本発明の実施の形態を説明したが、この実施の形態は、例として示したものであり、この他の様々な形態で実施が可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の省略、置き換え、変更を行うことができる。
また上記の実施の形態に示した部分放電検出装置3の各構成要素を、コンピュータのハードディスク装置などのストレージにインストールしたプログラムで実現してもよく、また上記プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体:electronic mediaに記憶しておき、プログラムを電子媒体からコンピュータに読み取らせることで本発明の機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。電子媒体としては、例えばCD−ROM等の記録媒体やフラッシュメモリ、リムーバブルメディア:Removable media等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。
1…スイッチギヤ、1a-1n…箱体、2a-2n…センサ電極(電極)、3a-3n…端子、3…部分放電検出装置、5…接地母線、6…接地極(グランド)、31…抽出部、32…ハイパスフィルタ(HPF)、40…信号処理部、41…減算部、42…特定部、43…表示部、44…平均化部、45…ウェーブレット変換部。

Claims (7)

  1. 電源系統に接続される配電回路を収容する箱体を複数列設した電力機器に箱体毎に取り付けられた複数の電極により検出されるそれぞれの表面電位の検出信号から第1の帯域の信号と第2の帯域の信号とを抽出する抽出部と、
    前記電極毎の前記第1の帯域の信号および前記第2の帯域の信号を基に部分放電の発生タイミングを検出し、異なる電極で検出された前記第1の帯域の複数の信号を基に部分放電発生元の箱体を特定する信号処理部と
    を具備する部分放電検出装置。
  2. 前記信号処理部は、
    前記第1の帯域の複数の信号を相互に減算してそれぞれの信号の電位差を求める減算部と、
    前記減算部により減算して得られた各信号の電位差を基に部分放電発生元を特定する特定部と
    を具備する請求項1項に記載の部分放電検出装置。
  3. 前記特定部は、
    前記電極毎の前記第1の帯域の信号および前記第2の帯域の信号を基に検出した部分放電の発生タイミングで、複数の前記第1の帯域の信号のうち予め設定された電位差の条件を満たした信号が検出された箱体を部分放電発生元として特定する請求項2項に記載の部分放電検出装置。
  4. 前記電位差の条件が、ピーク値、継続時間、発生頻度のうち少なくとも一つである請求項3項に記載の部分放電検出装置。
  5. 前記信号処理部は、
    前記複数の電極により検出される各検出信号から抽出した第1の帯域のそれぞれの信号のレベルを平均化する平均化部を具備する請求項1乃至請求項4いずれか1項に記載の部分放電検出装置。
  6. 前記電極毎の前記第1の帯域の信号と前記第2の帯域の信号とを含む検出信号をウェーブレット変換して特定部へ出力するウェーブレット変換部を具備する請求項1乃至請求項5いずれか1項に記載の部分放電検出装置。
  7. 電源系統に接続される配電回路を収容する箱体を複数列設した電力機器に箱体毎に取り付けられた複数の電極が接続された部分放電検出装置による部分放電検出方法であって、
    前記複数の電極により検出されたそれぞれの表面電位の検出信号から第1の帯域の信号と第2の帯域の信号とを抽出し、
    前記電極毎の前記第1の帯域の信号および前記第2の帯域の信号を基に部分放電の発生タイミングを検出し、
    異なる電極で検出された前記第1の帯域の複数の信号を基に部分放電発生元の箱体を特定する部分放電検出方法。
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