JP2002062649A - プリント配線基板用感光性樹脂組成物、プリント配線基板 - Google Patents

プリント配線基板用感光性樹脂組成物、プリント配線基板

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JP2002062649A
JP2002062649A JP2000249557A JP2000249557A JP2002062649A JP 2002062649 A JP2002062649 A JP 2002062649A JP 2000249557 A JP2000249557 A JP 2000249557A JP 2000249557 A JP2000249557 A JP 2000249557A JP 2002062649 A JP2002062649 A JP 2002062649A
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Japan
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printed wiring
wiring board
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photosensitive resin
resin
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Application number
JP2000249557A
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English (en)
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Yasushi Sumi
泰志 墨
Toshifumi Kojima
敏文 小嶋
Yasuhiko Inui
靖彦 乾
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い感光性が得られるとともに、樹脂の信頼
性を低下することがなく、廃棄処理に際しても問題の生
じにくいプリント配線基板用感光性樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 本発明のプリント配線基板用感光性樹脂
組成物は、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート
をアニオン種とし、トリルクメニルヨードニウムをカチ
オン種とする光カチオン重合開始剤と、未硬化熱硬化性
樹脂としてのビスフェノール型エポキシノボラック樹脂
とを含有する。これによりプリント配線基板1の絶縁層
4,14,6,16、ソルダーレジスト層8,18を形
成した場合、各層は高い耐吸湿性と密着性を備えたもの
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線基板
用感光性樹脂組成物に関する。特には、絶縁層、永久レ
ジスト層、ソルダーレジスト層に用いることが可能なプ
リント配線基板用感光性樹脂組成物、及びそれを用いた
プリント配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線基板には、信頼性の高
いエポキシ樹脂を主体とする樹脂組成物が用いられてい
る。フォトビアプロセスを用いたビルドアップ法で多層
プリント配線基板を製造する場合においては、感光性を
有する樹脂組成物を絶縁層やソルダーレジストとして用
いて、露光・現像によってビア等の開口部を形成する必
要がある。
【0003】エポキシ樹脂組成物に感光性を付与する方
法としては、感光性のあるアクリル樹脂をエポキシ樹脂
にブレンドする方法(例えば、特公昭51−40451
号公報)や、エポキシ樹脂にトリアリールスルホニウム
塩からなる光カチオン重合開始剤を添加する方法(例え
ば、特開昭62−102242号公報)が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アクリル樹脂
を添加する方法では、耐吸湿性、密着性、耐熱性等の信
頼性が低下する場合があり、プリント配線基板の製造に
用いるには問題がある。また、トリアリールスルホニウ
ム塩からなる光カチオン重合開始剤を添加する方法で
は、エポキシ樹脂は一般的にカチオン重合性が低いた
め、高い感光性が得られない。カチオン重合性の高い脂
環式エポキシ樹脂を添加する方法も考えられるが、耐吸
湿性が低下する問題がある。また、広く使われている光
カチオン重合開始剤は、そのアニオン種がSbF等で
毒性が有るため、廃液、廃棄物処理に問題がある。
【0005】本発明の課題は、高い感光性が得られると
ともに、樹脂の信頼性を低下することがなく、廃棄処理
に際しても問題の生じにくいプリント配線基板用感光性
樹脂組成物と、それを用いたプリント配線基板とを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために、本発明のプリント配線基板用感光性
樹脂組成物(以下、単に感光性樹脂組成物とも言う)
は、Cl又はFから選ばれる少なくとも一個のハロゲン
で置換されたフェニル基をΦ1とし、F、CN、N
、CFから選ばれる少なくとも一個の置換基で置
換されたフェニル基をΦ2として、 一般式(1):[B(Φ1)m(Φ2)n](mは0
〜3の整数で、nは1〜4の整数であり、m+n=4を
満たす)、で表されるアニオン種を有する光硬化剤と、
未硬化熱硬化性樹脂とを含有することを特徴とする。
【0007】上記構造のアニオン種を有する光硬化剤
は、光照射により酸を発生し、カチオン重合を開始させ
ることが可能な光カチオン重合開始剤(もしくは光酸発
生剤)であって、少量で重合させることが可能で、その
感光性は極めて高いものとなる。また、少量使用のた
め、開始剤成分や発生した酸が硬化後の樹脂中に残存す
ることも少なく、得られるプリント配線基板の信頼性を
高めることが可能で、また、例えばプリント配線基板上
の金属導体層等が上記酸により侵される等の懸念を解消
することが可能となる。
【0008】また、上記一般式(1)で表されるアニオ
ン種は、求核性が低いため重合停止反応が起こり難く、
未硬化硬化性樹脂として一般的に使われるエポキシ樹脂
に対しても、高い反応性(光カチオン重合開始性)を付
与することが可能である。したがって、得られるプリン
ト配線基板において耐吸湿性、密着性が低下することの
ないように、任意のエポキシ樹脂を選択することが可能
となる。さらに、アニオン種としてSbのような重金属
を含まないため、毒性が低く、廃液、廃棄物処理等に際
しても環境を侵す等の問題も生じ難くなる。以上のこと
から、本発明のプリント配線基板用感光性樹脂組成物は
高い感光性を具備し、該感光性樹脂組成物を適用したプ
リント配線基板は、耐吸湿性、密着性等に優れ非常に信
頼性の高い基板となる。
【0009】例えば、上記感光性組成物を用いたプリン
ト配線基板は、フォトビアプロセスを用いたビルドアッ
プ法により製造される多層プリント配線基板とすること
ができる。この場合、本発明のプリント配線基板用感光
性樹脂組成物を層間絶縁膜及びソルダーレジストとして
用い、露光、現像によってビア及びパッド、ランド等を
高い感光性の下で形成することが可能であり、得られた
プリント配線基板は高い信頼性を具備したものとなる。
【0010】上記未硬化熱硬化性樹脂は、ポリフェノー
ルグリシジルエーテルからなるエポキシ樹脂とすること
ができる。このエポキシ樹脂は、他のエポキシ樹脂(グ
リシジルエステル型、アミン型、脂環型等)より耐吸湿
性が高く、得られるプリント配線基板には一層高い信頼
性が得られる。
【0011】ここで、ポリフェノールグリシジルエーテ
ルは、公知の多官能フェノール化合物をエピハロヒドリ
ンでエポキシ化したもので、例えば、ビスフェノール型
エポキシノボラック樹脂を用いることができる。多官能
フェノール化合物としては、具体的には、ビスフェノー
ルA,F,S,AD等のビスフェノール類、フェノール
ノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールノ
ボラック等のノボラック類等を用いることができる。ポ
リフェノールグリシジルエーテルは1種又は2種以上の
混合物でもよい。
【0012】ビスフェノール型エポキシノボラックは、
具体的には、下記の化学式(1)で表される構造のエポ
キシ樹脂を、ホルムアルデヒドと付加縮合して得られる
ものがよい。この場合、高い耐熱性と高い感光性を兼備
したプリント配線基板用感光性樹脂組成物となる。な
お、式中R1は、−CH−、−C(CH−、−
CH(CH)−、−SO−のいずれかである。
【0013】
【化1】
【0014】化学式(1)のエポキシ樹脂をホルムアル
デヒドと付加縮合したビスフェノール型ノボラックを用
いた、本発明のプリント配線基板用感光性樹脂組成物の
硬化物が、高い耐熱性と高い感光性を兼備する理由は定
かではないが、以下のごとく推定される。
【0015】通常のノボラック型エポキシ樹脂は、エポ
キシ基の数が多くなるほど耐熱性が向上するが、一方、
その立体障害のために重合反応が阻害され、感光性が低
下する。ところが、本発明で用いるビスフェノール型ノ
ボラックは、メチレン基で連結されていない芳香族環
(相対的に立体障害の少ない芳香族環)側に飛び出たエ
ポキシ基が存在する。このエポキシ基は立体障害が少な
く反応性が高いため、高い耐熱性と高い感光性を両立で
きるものと思われる。
【0016】ポリフェノールグリシジルエーテルからな
るエポキシ樹脂のエポキシ基の平均官能基数は、2〜5
がよい。平均官能基数が2より小さいと硬化体の耐熱性
が低下し、平均官能基数が5より大きいと露光部と未露
光部とのコントラスト(解像度)が低下して微細なビア
やパッドが形成し難くなるからである。特に好ましくは
2.5〜5、更には2.5〜4.5の範囲がよい。
【0017】エポキシ樹脂の平均官能基数が2〜5の範
囲で良好な解像度(露光部と未露光部とのコントラス
ト)が得られる理由は定かではないが、露光部と未露光
部の現像液への溶解度差が大きいためと推察される。平
均官能基数が5を越えると、エポキシ樹脂の立体障害が
大きくなって重合反応が阻害される一方で、エポキシ基
の一部が反応するのみでも三次元架橋し易くなる。この
ため、平均官能基数が5を超えると、未露光部において
も硬化反応が起こり、露光部と未露光部の溶解度差が小
さくなって解像度が低下すると推察される。
【0018】ここで、平均官能基数は、式:平均官能基
数=数平均分子量/エポキシ当量、によって求めること
ができる。数平均分子量は、GPC(Gel Perm
eation Chromatography)法によ
り求めることができ、エポキシ樹脂が2種以上の混合物
の場合、その平均官能基数は、混合物全体の数平均分子
量と、混合物全体のエポキシ当量から求める。
【0019】一方、光硬化剤の上記一般式(1)で表さ
れるアニオン種としては、[B(C
[B(CCF、[(CBF
、[CBF、[B(C
等を用いることができる。これらアニオン種は、
公知のカチオン種(芳香族スルホニウム、芳香族ヨード
ニウム、鉄−アレーン錯体等)との塩(オニウムホウ酸
塩)として用いることができる。特に好ましいのは、
[B(Cである。
【0020】上記光硬化剤のカチオン種は、具体的には
ジアリールヨードニウムとすることができる。ジアリー
ルヨードニウムは、芳香環を備えているため、イオン性
化合物であるにもかかわらず、上記ビスフェノール型エ
ポキシノボラック樹脂等の未硬化熱硬化性樹脂との溶解
性に優れる。したがって、その開始効率は一層高いもの
となる。特には、アルキル基等の炭化水素系基を有する
ベンゼン環骨格を備えたものが感光性に優れる。アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基等がよい。なお、上記炭化水素系基において、そ
の炭素数が4以下であるものが好ましく、炭素数の多い
炭化水素基を用いた場合、その立体障害により開始効率
が低下する場合がある。
【0021】上記ジアリールヨードニウムは、感光性を
向上させるために、その2つのアリール基に互いに異な
る炭化水素系基が結合された非対称型ジアリールヨード
ニウムとすることができる。ジアリールヨードニウムの
対称性を崩すことで、光に対する活性が増すものと推察
される。アルキル基の組合せとして好ましいのは、メチ
ル基と他のアルキル基との組合せである。例えば、メチ
ル基とエチル基、メチル基とプロピル基、メチル基とイ
ソプロピル基、メチル基とイソブチル基、メチル基とse
c−ブチル基、メチル基とtert−ブチル基の組合せであ
る。特に好ましいのは、メチル基とイソプロピル基を用
いた組合せである。
【0022】ジアリールヨードニウムの対称性を崩した
光硬化剤としては、下記の化学式(2)で表わされるジ
アリールヨードニウムホウ酸塩(トリルクメニルヨード
ニウムホウ酸塩)が特に好ましい。これは、一つのアリ
ール基がメチル基を有するベンゼン環骨格(トリル基)
で、他方のアリール基がイソプロピル基を有するベンゼ
ン環骨格(クメニル基)の組合せを有するものである。
この光硬化剤は、高い重合開始効率を有すると共に、多
くの増感剤(チオキサントン類、フェノチアジン類、ア
ントラセン類、ケトクマリン等の増感色素)によって容
易に増感できるため、絶縁層、ソルダーレジスト層とし
て膜厚が厚い場合においても、優れた光硬化性を発現す
ることが可能である。
【0023】
【化2】
【0024】上記のようなジアリールヨードニウムにお
いては、少なくとも1つのアリール基のヨウ素結合部位
において電子が局在化しているものと考えられる。その
電子の局在化により、カチオン重合の開始効率が向上す
るものと推察され、本発明においては上記のように電子
供与性のジアリールを備えたヨードニウム(電供与性基
含有ヨードニウム)を採用したことにより、電子の局在
化が一層生じやすくなり、高い感光性が得られるものと
思われる。
【0025】なお、光硬化剤は、エポキシ樹脂100重
量部に対し0.1〜10重量部含有させることができ
る。0.1重量部より小さいと、十分な感光性が得られ
ず、10重量部より大きいと、余剰の光硬化剤が硬化後
にも残り、硬化物の信頼性を低下させる懸念があるから
である。光硬化剤の好ましい含有量は0.1〜5.0重
量部、さらに好ましくは0.1〜2.0重量部である。
本発明においては、上記構造のアニオン種及びカチオン
種を採用したため、このような少量の開始剤含有率の場
合にも、高い感光性を具備した樹脂組成物となり、少量
が故に得られたプリント配線基板において余剰の開始剤
が残存することを防止ないし抑制することが可能となっ
た。そのような観点から開始剤の含有量は、0.2〜
1.5重量部、特には、0.5〜1.0重量部とするこ
とも可能である。
【0026】本発明のプリント配線基板用感光性樹脂組
成物には、必要に応じてシリカフィラー等の充填剤、熱
可塑性樹脂等の可撓性付与剤、消泡剤や増感剤等の微量
添加剤、ワニス化する際に使用する揮発性溶剤等を添加
することが可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示す実施例を参照して説明する。図1は、本発明の
一実施例たるプリント配線基板1の一例を示しており、
図2はその断面構造を示している。プリント配線基板1
は、例えば約25mm角、板厚約1mmであり、以下の
ような構造をなす。すなわち、耐熱性樹脂板(例えばビ
スマレイミド−トリアジン樹脂板)や、繊維強化樹脂板
(例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂)等で構成された
板状のコア材2の両表面に、所定のパターンにコア配線
パターン層3,13がそれぞれ形成される。これらコア
配線パターン層3,13はコア材2の表面の大部分を被
覆するように形成され、電源層又は接地層として用いら
れるものである。他方、コア材2には、ドリル等により
穿設されたスルーホール12が形成され、その内壁面に
はコア配線パターン層3,13を互いに導通させるスル
ーホール導体30が形成されている。また、スルーホー
ル12は、エポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材31により
充填されている。
【0028】また、コア配線パターン層3,13の上層
には、感光性エポキシ樹脂等の樹脂により第一樹脂ビル
ドアップ層4,14がそれぞれ形成されている。さら
に、その表面にはそれぞれ第一配線パターン層5,15
がCuメッキにより形成されている。なお、コア配線パ
ターン層3,13と第一配線パターン層5,15とは、
それぞれビア導体32,33により層間接続がなされて
いる。同様に、第一配線パターン層5,15の上層に
は、感光性エポキシ樹脂等の樹脂により第二樹脂ビルド
アップ層6,16がそれぞれ形成されている。その表面
にはそれぞれ第二配線パターン層7,17がCuメッキ
により形成されている。これら第一配線パターン層5,
15と第二配線パターン層7,17とも、それぞれビア
導体34,35により層間接続がなされている。なお、
コア配線パターン3,13、第一配線パターン層5,1
5及び第二配線パターン層7,17の各表面は、上層の
樹脂層との密着強度を上げるために表面粗化処理(例え
ば黒化処理やキレートエッチング処理等の化学的な処理
に基づくもの)が施されている。
【0029】次に、第二樹脂ビルドアップ層6上には、
金属目印層9が形成されている。金属目印層9は、例え
ば最表面部が金メッキ層(例えば厚さ0.04μm)と
して形成され、例えば、図1に示すように、チップ実装
時の基板へのチップ位置合わせ用に使用されるアライメ
ントマーク9aや、基板位置決め用に使用されるフィデ
ィシャルマーク9b等を含むものである。これらはいず
れも表面が平滑で、比較的強い金属光沢外観を示すもの
となっている。さらに、第二樹脂ビルドアップ層6上に
は、第二配線パターン層7と導通する下地導電性パッド
10が多数設けられている。これら下地導電性パッド1
0は、無電解Ni−PメッキおよびAuメッキにより基
板のほぼ中央部分に正方形状に配列し、各々その上に形
成された半田バンプ11とともにチップ搭載部40を形
成している。
【0030】他方、第二配線パターン層7が形成されて
いる側、及び第二配線パターン層17が形成されている
側には、それら配線パターン層7,17を覆う樹脂ソル
ダーレジスト層8,18がそれぞれ形成されている。な
お、配線パターン層7側においては、金属目印層9は樹
脂ソルダーレジスト層8から露出している。このような
構造は、例えば金属目印層を一旦全て覆う形で樹脂ソル
ダーレジスト層を形成し、その後、その樹脂ソルダーレ
ジスト層の、金属目印層に対する被覆部分を除去すれば
得ることができる。
【0031】ここで、絶縁樹脂ビルドアップ層4,1
4,6,16、及び樹脂ソルダーレジスト層8,18
は、層の主体となる樹脂材料が、本発明のプリント配線
基板用感光性樹脂組成物(例えば紫外線(UV)硬化性
エポキシ樹脂)からなる絶縁性プラスチック材料で構成
される。この場合、感光性樹脂組成物を使用すれば、同
時に多数のビアホールを形成できることから生産性向上
を図る上で望ましい。
【0032】具体的に感光性樹脂組成物としては、テト
ラキスペンタフルオロフェニルボレートをアニオン種と
し、トリルクメニルヨードニウムをカチオン種とする光
カチオン重合開始剤(光硬化剤)と、エポキシ樹脂とし
てのビスフェノール型エポキシノボラック樹脂とを含有
するものが採用されている。これら絶縁樹脂ビルドアッ
プ層4,14,6,16、及び樹脂ソルダーレジスト層
8,18は高い耐吸湿性と密着性を備えたものとなって
いる。
【0033】
【実施例】本発明のプリント配線基板用感光性樹脂組成
物について以下の試験を行った。エポキシ樹脂、光カチ
オン重合開始剤(光硬化剤)、増感剤、溶媒を表1に示
す割合で混合し、実施例1〜8、及び比較例1,2のプ
リント配線基板用感光性樹脂組成物を調製した。
【0034】
【表1】
【0035】エポキシ樹脂としては以下のものを採用し
た: ・E157S70:ビスフェノールA型エポキシノボラック樹
脂(油化シェル(株)); ・El032H60:トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキ
シ樹脂(油化シェル(株)); ・EPPN201:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(日
本化薬(株)); ・EOCNl03S:クレゾールノポラック型エポキシ樹脂(日
本化薬(株)); ・E828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
(株)); ・ERL4211:脂環式エポキシ樹脂(ユニオンカーバイ
ド)。
【0036】光カチオン重合開始剤としては以下のもの
を採用した: ・PI2074:(トリルクメニル)ヨードニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート(ローヌプーラン
社); ・SP-170:アニオン種がSbFのスルホニウム塩系光
カチオン重合開始剤(旭電化工業(株))。
【0037】増感剤としては、DETX-S:2,4−ジエチ
ルチオキサントン(日本化薬(株))を採用した。溶媒
は、MEK:メチルエチルケトンを採用した。
【0038】これらのプリント配線基板用感光性樹脂組
成物について、以下の感光性試験及び信頼性試験の各評
価を行った。
【0039】1.感光性試験 表1に示した各プリント配線基板用感光性樹脂組成物を
コア基板上に厚み50μmになるように塗布し、70℃
×30分の条件で乾燥した。次いで、直径100μmの
開口パターンを有するフォトマスクを用いて、高圧水銀
灯で表2に示す各露光量(単位mJ/cm)の紫外線
を照射し、露光後のコア基板を、80℃×30分の条件
でポストベイクした後、トリエチレングリコールジメチ
ルエーテルで現像した。現像後の樹脂膜が硬化している
かどうか、また、フォトマスクに対応するビアが形成さ
れているかどうかを、倍率200倍の拡大鏡で観察し
た。
【0040】2.信頼性試験 表1に示した各プリント配線基板用感光性樹脂組成物を
コア基板上に厚み50μmになるように塗布し、70℃
×30分の条件で乾燥した。次いで、高圧水銀灯で露光
量2000mJ/cmの紫外線を照射し、紫外線照射
後のコア基板を、80℃×30分の条件でポストベイク
した後、さらに170℃×2時間の条件で硬化させて評
価用試料を得た。評価用試料をWet−PCT試験(1
21℃×400時間、湿度100%)にかけた後、倍率
200倍の拡大鏡で外観を観察した。
【0041】各結果を表2に示す。また、数平均分子量
(Mn)、エポキシ当量(WPE)及びこれらから求め
たエポキシ官能基数も表2に併記する。
【0042】
【表2】
【0043】本発明の一態様である実施例1〜8では、
感光性、信頼性ともに良好である。特に、エポキシ基の
平均官能基数が3〜5で、化学式(1)を付加縮合して
得られるビスフェノールA型エポキシノボラック樹脂
と、ジアリールヨードニウムホウ酸塩とを用いた場合に
よいことがわかる。また、光カチオン重合開始剤の添加
量が2重量%以下でも、良好な感光性を示すことがわか
る。
【0044】一方、アニオン種がSbFである光カチ
オン重合開始剤を用いた比較例1は、感光性が殆ど得ら
れなかった。2000mJ/cm以上の紫外線の照射
を行っても硬化せず、膜が現像液に溶解した。添加量も
2重量%未満では感光性を十分に発現できないことも影
響していると推察される。
【0045】また、比較例1に脂環式エポキシ樹脂を添
加した比較例2は、感光性は良好なものの、PCT試験
で樹脂層に膨れが発生する不具合がでた。脂環式エポキ
シ樹脂の添加により、信頼性が低下したものと推察され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント配線基板の一実施例を示す平
面図。
【図2】その断面構造を模式的に示す図。
【符号の説明】
1 プリント配線基板 4,14 第一絶縁樹脂ビルドアップ層 6,16 第二絶縁樹脂ビルドアップ層 8,18 樹脂ソルダーレジスト層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H05K 1/03 610R (72)発明者 乾 靖彦 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA14 AB15 AC01 AD01 CA48 CC20 4J036 AD08 AD21 AF06 AF08 AF19 GA06 GA20 GA21 GA22 GA24 HA02 JA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cl又はFから選ばれる少なくとも一個
    のハロゲンで置換されたフェニル基をΦ1とし、F、C
    N、NO、CFから選ばれる少なくとも一個の置換
    基で置換されたフェニル基をΦ2として、 一般式:[B(Φ1)m(Φ2)n](mは0〜3の
    整数で、nは1〜4の整数であり、m+n=4を満た
    す)、 で表されるアニオン種を有する光硬化剤と、未硬化熱硬
    化性樹脂とを含有することを特徴とするプリント配線基
    板用感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記未硬化熱硬化性樹脂が、ポリフェノ
    ールグリシジルエーテルからなるエポキシ樹脂である請
    求項1記載のプリント配線基板用感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノール型
    エポキシノボラック樹脂である請求項2記載のプリント
    配線基板用感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基
    の平均官能基数が2〜5である請求項1ないし3のいず
    れかに記載のプリント配線基板用感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記光硬化剤のカチオン種が、ジアリー
    ルヨードニウムである請求項1ないし4のいずれかに記
    載のプリント配線基板用感光性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記エポキシ樹脂100重量部に対し
    て、前記光硬化剤を0.1〜10重量部含有する請求項
    1ないし5のいずれかに記載のプリント配線基板用感光
    性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のプ
    リント配線基板用感光性樹脂組成物を用いて製造された
    ことを特徴とするプリント配線基板。
  8. 【請求項8】 ビルドアップ法により製造されるプリン
    ト配線基板であって、その絶縁層又はソルダーレジスト
    層に請求項1ないし6のいずれかに記載のプリント配線
    基板用感光性樹脂組成物が適用されていることを特徴と
    するプリント配線基板。
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