JP2002059365A - 切削装置の接触原点位置検出方法 - Google Patents

切削装置の接触原点位置検出方法

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JP2002059365A
JP2002059365A JP2000248711A JP2000248711A JP2002059365A JP 2002059365 A JP2002059365 A JP 2002059365A JP 2000248711 A JP2000248711 A JP 2000248711A JP 2000248711 A JP2000248711 A JP 2000248711A JP 2002059365 A JP2002059365 A JP 2002059365A
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cutting
disk blade
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JP2000248711A
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English (en)
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Kazuma Sekiya
一馬 関家
Hideyuki Sando
英之 山銅
Masayoshi Kamigaki
政圭 神垣
Akiji Daii
暁治 台井
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Disco Corp
Original Assignee
Disco Abrasive Systems Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円盤ブレードの被加工物との接触原点位置を
精度良く検出する方法を提供する。 【解決手段】 被加工物保持手段に保持された被加工物
の表面に円盤ブレードを切り込み送りして切り込み溝を
形成し、この切り込み溝の長さを測定する。次に、測定
された切り込み溝の長さと円盤ブレードの半径とから切
り込み溝の深さを求め、この切り込み溝の深さと切り込
み溝を形成したときの円盤ブレードの切り込み送り位置
とに基づいて、円盤ブレードの被加工物表面との接触原
点位置を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイシング装置等
の切削装置における円盤ブレードの被加工物との接触原
点位置を検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】当業者には周知の如く、半導体デバイス
製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハ
を個々のチップに分割して半導体素子を形成している。
半導体素子の放熱性を良好にするためは、半導体素子の
厚さをできるだけ薄く形成することが望ましい。また、
半導体素子を多数用いる携帯電話、スマートカード、パ
ソコン等の小型化を可能にするためにも、半導体素子の
厚さをできるだけ薄く形成することが望ましい。そのた
め、半導体ウエーハを個々のチップに分割する前に、そ
の裏面を研削して所定の厚さに加工している。このよう
な半導体ウエーハの裏面を研削する研削装置は、被加工
物である半導体ウエーハをチャックテーブル上に吸引保
持し、このチャックテーブル上に表面側が吸引保持され
た半導体ウエーハの裏面(上面)を研削手段によって研
削する。しかしながら、半導体ウエーハは例えば100
μm以下の厚さまで研削されると、剛性が低下して全体
に撓みが生じ、搬送およびカセットへの収納が困難にな
るという問題があるとともに、個々の半導体チップに分
割するために切削する際に割れが発生するという問題が
ある。
【0003】個々の半導体チップに分割される半導体素
子の厚さをより薄く加工できる技術として、所謂先ダイ
シングと称する加工方法が実用化されている。この先ダ
イシングは、次の手順によって実行される。 (1)半導体ウエーハに形成されたストリート(切断ラ
イン)に沿って表面から所定深さの切削溝を形成する。 (2)切削溝が形成されていない半導体ウエーハの裏面
を砥粒の粗い砥石によって所定量荒研削する。 (3)次に、半導体ウエーハの裏面を砥粒の細かい砥石
によって仕上げ研削を行い、上記切削溝を裏面に表出さ
せることによって、ストリート(切断ライン)によって
区画された個々の半導体チップに分割する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】而して、先ダイシング
によって欠けの少ない品質の良い半導体チップを生産す
るには、上述した荒研削の時点では半導体ウエーハの表
面に形成された切削溝は裏面に表出せず、上記仕上げ研
削の終盤で全ての切削溝が裏面に表出するという条件を
満たす必要がある。また、半導体ウエーハの切削には、
半導体ウエーハの表面に所定深さのV溝または幅広溝を
形成し、このV溝または幅広溝の底を切削する所謂ステ
ップカットと称する加工方法があるが、安定した品質の
半導体チップを生産するには、上記V溝または幅広溝を
均一な深さに形成する必要がある。しかしながら、個々
の半導体ウエーハの厚さにはバラツキがあり、全ての半
導体ウエーハに所定の切り込み深さで切削溝を形成する
ことは困難である。
【0005】半導体ウエーハ等の被加工物に表面から所
定深さの切削溝を形成するためには、被加工物に切削溝
を形成する円盤ブレードの被加工物との接触原点位置を
求め、この接触原点位置から円盤ブレードを所定量切り
込み送り制御することにより個々の被加工物に対応する
ことができる。円盤ブレードの被加工物との接触原点位
置を求め方として、従来は次の方法が行われている。 (1)円盤ブレードを基準位置から下降せしめて被加工
物を保持するチャックテーブルの表面に当接させ、通電
した時点の円盤ブレードの位置を円盤ブレードのチャッ
クテーブルとの接触原点位置とし検出する。 (2)被加工物の厚さを測定する。 (3)円盤ブレードのチャックテーブルとの接触原点位
置から被加工物の厚さを減算した値を、円盤ブレードの
被加工物との接触原点位置とする。 而して、円盤ブレードをチャックテーブルの表面に当接
させると、円盤ブレードはダイヤモンド砥粒をニッケル
メッキによって固定した耕造であるため、チャックテー
ブルの表面から5μm程度切り込まないとメッキ層とチ
ャックテーブルとが接触せず通電しないので、円盤ブレ
ードのチャックテーブルとの接触原点位置は実際の位置
より下がった位置となる。従って、円盤ブレードの被加
工物との接触原点位置も実際の位置より下がった位置と
認定されるため、被加工物の表面に形成される切削溝の
深さが所定寸法より深くなる場合が多い。
【0006】本発明は上記事実に鑑みてなされたもので
あり、その主たる技術課題は、円盤ブレードの被加工物
との接触原点位置を精度良く検出する方法を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記主たる技術課題を解
決するため、第1の発明にによれば、被加工物を保持す
る被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持され
た被加工物を切削する円盤ブレードを有する切削手段
と、を具備する切削装置の接触原点位置検出方法であっ
て、該被加工物保持手段に保持された被加工物の表面に
対して垂直な方向である切り込み送り方向に該円盤ブレ
ードを回転させつつ任意の切り込み送り位置まで切り込
み送りして被加工物の表面に切り込み溝を形成する第1
の工程と、該円盤ブレードを被加工物から退避させ、該
第1の工程において被加工物の表面に形成された切り込
み溝の長さを測定し記録する第2の工程と、該第2の工
程において測定された切り込み溝の長さと該円盤ブレー
ドの半径とから該切り込み溝の深さを求める第3の工程
と、該第3の工程で求めた切り込み溝の深さと切り込み
溝を形成したときの該円盤ブレードの切り込み送り位置
とに基づいて、該円盤ブレードの被加工物表面との接触
原点位置を求める第4の工程と、を含む、ことを特徴と
する切削装置における被加工物の接触原点位置検出方法
が提供される。
【0008】また、上記主たる技術課題を解決するた
め、第2の発明にによれば、被加工物を保持する被加工
物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工
物を切削する円盤ブレードを有する切削手段と、ダミー
加工物を保持するダミー保持手段と、該被加工物保持手
段に保持された被加工物および該ダミー保持手段に保持
されたダミー加工物の表面位置を検出する非接触式表面
位置検出手段と、を具備する切削装置の接触原点位置検
出方法であって、該非接触式表面位置検出手段により該
ダミー加工物保持手段に保持されたダミー加工物の表面
の位置を検出する第1の工程と、該ダミー加工物保持手
段に保持されたダミー加工物の表面に対して垂直な方向
である切り込み送り方向に該円盤ブレードを回転させつ
つ任意の切り込み送り位置まで切り込み送りしてダミー
加工物の表面に切り込み溝を形成する第2の工程と、該
円盤ブレードをダミー加工物から退避させ、該第2の工
程においてダミー加工物の表面に形成された切り込み溝
の長さを測定し記録する第3の工程と、該第3の工程に
おいて測定された切り込み溝の長さと該円盤ブレードの
半径とから切り込み溝の深さを求める第4の工程と、該
第4の工程で求めた切り込み溝の深さと切り込み溝を形
成したときの該円盤ブレードの切り込み送り位置とに基
づいて、該円盤ブレードのダミー加工物表面との接触原
点位置を求める第5の工程と、該第1の工程で検出され
たダミー加工物の表面の位置と該第5の工程で求められ
た該円盤ブレードのダミー加工物との接触原点位置との
差による調整量を求める第6の工程と、該非接触式表面
位置検出手段により該被加工物保持手段に保持された被
加工物の表面の位置を検出する第7の工程と、該第7の
工程で検出された被加工物の表面の位置と該第6の工程
で求められた調整差に基づいて該円盤ブレードの被加工
物との接触原点位置を求める第8の工程、を含む、こと
を特徴とする切削装置の接触原点位置検出方法が提供さ
れる。
【0009】上記非接触式表面位置検出手段は、背圧セ
ンサー式の表面位置検出機構からなっていることが望ま
しい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明による切削装置の接
触原点位置検出方法の実施形態について、添付図面を参
照して詳細に説明する。
【0011】図1には、本発明による接触原点位置検出
方法を実施する切削装置としてのダイシング装置の斜視
図が示されている。図1に示されたダイシング装置は、
略直方体状の装置ハウジング10を具備している。この
装置ハウジング10内には、図2に示す静止基台2と、
該静止基台2に切削送り方向である矢印Xで示す方向に
移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテーブ
ル機構3と、静止基台2に割り出し方向である矢印Yで
示す方向(切削送り方向である矢印Xで示す方向に垂直
な方向)に移動可能に配設されたスピンドル支持機構4
と、該スピンドル支持機構4に切り込み方向である矢印
Zで示す方向に移動可能に配設されたスピンドルユニッ
ト5が配設されている。
【0012】上記チャックテーブル機構3は、静止基台
2上に配設され複数個の取付けボルト3aによって固定
された支持台31と、該支持台31上に矢印Xで示す方
向に沿って平行に配設された2本の案内レール32、3
2と、該案内レール32、32上に矢印Xで示す方向に
移動可能に配設された被加工物を保持する被加工物保持
手段としてのチャックテーブル33を具備している。こ
のチャックテーブル33は、案内レール32、32上に
移動可能に配設された吸着チャック支持台331と、該
吸着チャック支持台331上に装着された吸着チャック
332と、該吸着チャック332の上面から所定高さ下
方に配設された支持テーブル333を具備しており、該
吸着チャック332上に被加工物である例えば円盤状の
半導体ウエーハを図示しない吸引手段によって保持する
ようになっている。なお、チャックテーブル機構3は、
チャックテーブル33を2本の案内レール32、32に
沿って矢印Xで示す方向に移動させるための駆動手段3
4を具備している。駆動手段34は、上記2本の案内レ
ール32と32の間に平行に配設された雄ネジロッド3
41と、該雄ネジロッド341を回転駆動するためのパ
ルスモータ342(M1)等の駆動源を含んでいる。雄
ネジロッド341は、その一端が上記支持台31に固定
された軸受ブロック343に回転自在に支持されてお
り、その他端が上記パルスモータ342(M1)の出力
軸に図示しない減速装置を介して伝動連結されている。
なお、雄ネジロッド341は、チャックテーブル33を
構成する吸着チャック支持台331の中央部下面に突出
して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された
貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ
342(M1)によって雄ネジロッド341を正転およ
び逆転駆動することにより、チャックテーブル33は案
内レール32、32に沿って矢印Xで示す方向に移動せ
しめられる。また、チャックテーブル機構3は、チャッ
クテーブル33を回転する図示しない回転機構を具備し
ている。
【0013】上記スピンドル支持機構4は、静止基台2
上に配設され複数個の取付けボルト4aによって固定さ
れた支持台41と、該支持台41上に矢印Yで示す方向
に沿って平行に配設された2本の案内レール42、42
と、該案内レール42、42上に矢印Yで示す方向に移
動可能に配設された可動支持基台43を具備している。
この可動支持基台43は、案内レール42、42上に移
動可能に配設された移動支持部431と、該移動支持部
431に取り付けられたスピンドル装着部432とから
なっている。スピンドル装着部432には取付けブラケ
ット433が固定されており、この取付けブラケット4
33を複数個の取付けボルト40aによって移動支持部
431に締結することにより、スピンドル装着部432
は移動支持部431に取り付けられる。また、スピンド
ル装着部432は、上記取付けブラケット433を装着
した面と反対側の面に矢印Zで示す方向に延びる2本の
案内レール432a、432aが平行に設けられてい
る。なお、スピンドル支持機構4は、可動支持基台43
を2本の案内レール42、42に沿って矢印Yで示す方
向に移動させるための駆動手段44を具備している。駆
動手段44は、上記2本の案内レール42、42の間に
平行に配設された雄ネジロッド441と、該雄ねじロッ
ド441を回転駆動するためのパルスモータ442(M
2)等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド441は、
その一端が上記支持台41に固定された図示しない軸受
ブロックに回転自在に支持されており、その他端が上記
パルスモータ442(M2)の出力軸に図示しない減速
装置を介して伝動連結されている。なお、雄ネジロッド
441は、可動支持基台43を構成する移動支持部43
1の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジ
ブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。
従って、パルスモータ442(M2)によって雄ネジロ
ッド441を正転および逆転駆動することにより、可動
支持基台43は案内レール42、42に沿って矢印Yで
示す方向に移動せしめられる。
【0014】上記スピンドルユニット5は、移動基台5
1と、該移動基台51に複数個の取付けボルト5aによ
って固定されたスピンドルホルダ52と、該スピンドル
ホルダ52に取り付けられたスピンドルハウジング53
を具備している。移動基台51は、上記スピンドル支持
機構4のスピンドル装着部432に設けられた2本の案
内レール432a、432aに摺動可能に嵌合する2本
の被案内レール51a、51aが設けられており、この
被案内レール51a、51aを上記案内レール432
a、432aに嵌合することにより、矢印Zで示す方向
に移動可能に支持される。上記スピンドルハウジング5
3内には、切削手段を構成する円盤ブレード54を装着
した回転スピンドル56が回転自在に配設されている。
この回転スピンドル56は、図示しない回転駆動機構に
よって回転駆動されるようになっている。なお、スピン
ドルユニット5は、移動基台51を2本の案内レール4
32a、432aに沿って矢印Zで示す方向に移動させ
るための駆動手段55を具備している。駆動手段55
は、上記駆動手段34および44と同様に案内レール4
32a、432aの間に配設された雄ネジロッド(図示
せず)と、該雄ネジロッドを回転駆動するためのパルス
モータ552(M3)等の駆動源を含んでおり、パルス
モータ552(M3)によって図示しない雄ネジロッド
を正転および逆転駆動することにより、スピンドルユニ
ット5を案内レール432a、432aに沿って矢印Z
で示す方向に移動せしめる。なお、スピンドル装着部4
32には、回転スピンドル56に装着された円盤ブレー
ド54の切り込み方向(Z方向)の位置を検出するリニ
アスケール58(LS)が配設されている。このリニア
スケール58(LS)は、その検出信号を後述する制御
手段に送出する。
【0015】図1に戻って説明すると、図示のダイシン
グ装置は、被加工物である半導体ウエーハ11をストッ
クするカセット12と、被加工物搬出手段13と、被加
工物搬送手段14と、洗浄手段15と、洗浄搬送手段1
6、および顕微鏡やCCDカメラ等で構成されるアライ
メント手段17(AM)を具備している。また、図示の
ダイシング装置は、アライメント手段17(AM)によ
って撮像された画像等を表示する表示手段18(DP)
を具備している。なお、半導体ウエーハ11は、フレー
ム111にテープ112によって装着されており、フレ
ーム111に装着された状態で上記カセット12に収容
される。また、カセット12は、図示しない昇降手段に
よって上下に移動可能に配設されたカセットテーブル1
21上に載置される。
【0016】次に、上述したダイシング装置の加工処理
動作について簡単に説明する。カセット12の所定位置
に収容されたフレーム111に装着された状態の半導体
ウエーハ11(以下、フレーム111に装着された状態
の半導体ウエーハ11を単に半導体ウエーハ11とい
う)は、図示しない昇降手段によってカセットテーブル
121が上下動することにより搬出位置に位置付けられ
る。次に、被加工物搬出手段13が進退作動して搬出位
置に位置付けられた半導体ウエーハ11を被加工物載置
領域19に搬出する。被加工物載置領域19に搬出され
た半導体ウエーハ11は、被加工物搬送手段14の旋回
動作によって上記チャックテーブル機構3を構成するチ
ャックテーブル33の吸着チャック332上に搬送さ
れ、該吸着チャック332に吸引保持される。このよう
にして半導体ウエーハ11を吸引保持したチャックテー
ブル33は、案内レール32、32に沿ってアライメン
ト手段17(AM)の直下まで移動せしめられる。チャ
ックテーブル33がアライメント手段17の直下に位置
付けられると、アライメント手段17(AM)によって
半導体ウエーハ11に形成されているストリート(切断
ライン)が検出され、精密位置合わせ作業が行われる。
【0017】その後、半導体ウエーハ11を吸引保持し
たチャックテーブル33を切削送り方向である矢印Xで
示す方向(円盤ブレード54の回転軸と直交する方向)
に移動することにより、チャックテーブル33に保持さ
れた半導体ウエーハ11は円盤ブレード54により所定
の切断ラインに沿って切削される。即ち、円盤ブレード
54は割り出し方向である矢印Yで示す方向および切り
込み方向である矢印Zで示す方向に移動調整されて位置
決めされたスピンドルユニット5に装着され、回転駆動
されているので、チャックテーブル33を円盤ブレード
54の下側に沿って切削送り方向に移動することによ
り、チャックテーブル33に保持された半導体ウエーハ
11は円盤ブレード54により所定のストリート(切断
ライン)に沿って切削される。この切削には、ストリー
ト(切断ライン)に沿って切断する場合と、半導体ウエ
ーハ11の表面から所定深さの切り込み溝を形成する場
合がある。なお、ストリート(切断ライン)に沿って切
断すると、半導体ウエーハ11は半導体チップに分割さ
れる。分割された半導体チップは、テープ112の作用
によってバラバラにはならず、フレーム111に装着さ
れた半導体ウエーハ11の状態が維持されている。この
ようにして半導体ウエーハ11の切削が終了した後、半
導体ウエーハ11を保持したチャックテーブル33は、
最初に半導体ウエーハ11を吸引保持した位置に戻さ
れ、ここで半導体ウエーハ11の吸引保持を解除する。
次に、半導体ウエーハ11は、洗浄搬送手段16によっ
て洗浄手段15に搬送され、ここで洗浄される。このよ
うにして洗浄された半導体ウエーハ11は、被加工物搬
送手段14によって被加工物載置領域19に搬出され
る。そして、半導体ウエーハ11は、被加工物搬出手段
13によってカセット12の所定位置に収納される。
【0018】上記上述した半導体ウエーハ11の表面か
ら所定深さの切り込み溝を形成する切削においては、円
盤ブレード54の半導体ウエーハ11表面からの切り込
み量を制御するために、円盤ブレード54の半導体ウエ
ーハ11表面との接触原点位置を検出する必要がある。
このために、図示の実施形態におけるダイシング装置
は、背圧センサー式の表面位置検出機構60を具備して
いる。表面位置検出機構60について、図3を参照して
説明する。図示の表面位置検出機構60は、圧縮気体供
給源61と、該圧縮気体供給源61から第1の固定絞り
621および可変絞り622を経て外気に開放する比較
空気回路62と、圧縮気体供給源61から第2の固定絞
り631および近接位置検知ノズル632を経て外気に
開放する検知空気回路63と、第1の固定絞り621と
可変絞り622との中間位置から差圧センサー64(D
S)の比較圧力導入口に連通する比較圧力回路66と、
第2の固定絞り631と近接位置検知ノズル632との
中間位置から差圧センサー64(PD)の検知圧力導入
口に連通する検知圧力回路67と、上記近接位置検知ノ
ズル632をチャックテーブル33上に保持された被加
工物Wの表面に対して垂直方向(図3において上下方
向)に移動せしめる検知ノズル移動手段68とを具備し
ている。検知ノズル移動手段68は、図示しない静止基
台に回転可能に支持された雄ネジロッド681と、上記
近接位置検知ノズル632を装着し雄ネジロッド681
と螺合された検知ノズル支持ブロック682と、雄ネジ
ロッド681を回転駆動するためのパルスモータ683
(M4)とからなっている。このパルスモータ683
(M4)は、その作動が後述する制御手段によって制御
されるようになっている。
【0019】次に、上記のように構成された背圧センサ
ー式の表面位置検出機構60による被加工物Wの表面位
置検出について説明する。表面位置検出機構60におけ
る検知圧力回路67の圧力は、近接位置検知ノズル63
2の先端(開放口)と被加工物Wの表面との間隔によっ
て変化する。即ち、近接位置検知ノズル632と被加工
物Wの表面との間隔が小さい程、検知圧力回路67の圧
力は高くなる。検知圧力回路67の圧力と比較空気回路
62の圧力の差に対応した検出信号を出力する差圧セン
サー64(PS)は、図4で示すように近接位置検知ノ
ズル632と被加工物Wの表面との間隔に対応した電圧
信号を後述する制御手段に出力するように構成されてい
る。従って、パルスモータ683(M4)を所定方向に
駆動して近接位置検知ノズル632を基準位置から下降
せしめ、差圧センサー64(DS)からの出力電圧が例
えば4Vのときパルスモータ683(M4)に印加した
パルス数をカウントし、このパルス数を近接位置検知ノ
ズル632の移動量に換算し、この移動量に上記差圧セ
ンサー64(DS)からの出力電圧4Vに対応する間隔
(図4の例においては30μm)を加算することによっ
て被加工物Wの表面位置を求めることができる。なお、
近接位置検知ノズル632の移動位置の検出は、リニア
スケールを用いて検出してもよい。
【0020】図示の実施形態におけるダイシング装置
は、図1および図3に示すようにダミー加工物DMを保
持するダミー保持手段としてのダミーテーブル70を具
備している。このダミーテーブル70は、被加工物保持
手段としてのチャックテーブル33を構成する支持テー
ブル333上に被加工物保持手段としてのチャックテー
ブル33を構成する吸着チャック332と隣接して配設
されており、その上面にダミー加工物DMを吸着保持す
る。また、図示の実施形態におけるダイシング装置は、
図1に示すように装置ハウジング10の手前側上面に配
設された入力手段80(IU)を備えている。
【0021】図示の実施形態におけるダイシング装置
は、図5に示す制御手段90を具備している。制御手段
90は制御プログラムに従って演算処理する中央処理装
置901(CPU)と、制御プログラムや上述した図4
で示す背圧センサー式の表面位置検出機構60における
間隔に対応した電圧信号との関係マップ等を格納したリ
ードオンリメモリ902(ROM)と、演算結果等を格
納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ903
(RAM)と、入力インターフェース904および出力
インターフェース905等を備えている。このように構
成された制御手段90の入力インターフェース904に
は、上記リニアスケール58(LS)、アライメント手
段17(AM)、背圧センサー式の表面位置検出機構6
0の差圧センサー64(DS)、入力手段80(IU)
等からそれぞれ信号が入力される。そして、出力インタ
ーフェース905からは、パルスモータ342(M
1)、パルスモータ442(M2)、パルスモータ55
2(M3)、パルスモータ683(M4)、表示手段1
8(DP)等に制御信号を出力する。
【0022】次に、上述したダイシング装置によって、
円盤ブレード54のチャックテーブル33上に保持され
た被加工物W表面との接触原点位置を検出する方法の一
実施形態(第1の発明)について、図6を参照して説明
する。先ず、図6の(a)に示すようにチャックテーブ
ル33上に被加工物Wを保持する。次に、被加工物Wを
保持したチャックテーブル33をアライメント手段17
の直下まで移動し、アライメント手段17(AM)によ
って被加工物Wに形成されているストリート(切断ライ
ン)を検出して、精密位置合わせ作業を行う。そして、
被加工物Wを保持したチャックテーブル33を円盤ブレ
ード54の直下まで移動した後、円盤ブレード54を図
6の(b)において2点鎖線で示す基準位置(Z=Z
0)から回転させつつ被加工物Wの表面に対して垂直な
方向に実線で示す位置まで切り込み送りして、被加工物
Wの表面に切り込み溝100を形成する(第1の工
程)。なお、円盤ブレード54の切り込み送り量は、円
盤ブレード54がチャックテーブル33の表面に接触し
ない程度の任意の送り量でよい。なお、切り込み溝10
0は上記のようにストリート(切断ライン)上を切削し
てもよいが、品質に影響しない領域、例えばオリフラの
近傍を切削することが望ましい。このときの円盤ブレー
ド54の切り込み位置(Z=Z1)は、リニアスケール
58によって検出されて制御手段90に送られ、ランダ
ムアクセスメモリ903(RAM)に格納される。
【0023】次に、円盤ブレード54を被加工物Wから
退避させ、上記基準位置(Z=Z0)に位置付ける。そ
して、上記第1の工程によって被加工物Wの表面に形成
された切り込み溝100の長さ(L)を測定する。この
測定は、例えば被加工物Wを保持したチャックテーブル
33をアライメント手段17の直下まで移動し、図6の
(c)に示すようにアライメント手段17(AM)によ
って被加工物Wに形成された切り込み溝100を撮像し
所定の倍率で拡大して表示手段18に表示し、実測する
ことによって読み取ることができる。このようにして測
定した切り込み溝100の長さ(L)を入力手段80に
よって入力し、ランダムアクセスメモリ903(RA
M)に格納する(第2の工程)。なお、アライメント手
段17を構成するCCDカメラによって生成された多値
データ信号を2値化処理して切り込み溝100の長さ
(L)を求めてもよい。
【0024】上記第2の工程において被加工物Wに形成
された切り込み溝100の長さ(L)を測定したなら
ば、この切り込み溝100の長さ(L)と円盤ブレード
54の半径(R)から切り込み溝100の深さ(D)を
求める(第3の工程)。即ち、切り込み溝100の深さ
(D)は、次の数式1によって求めることができる。
【0025】
【数1】
【0026】なお、数式1は制御手段90のリードオン
リメモリ902(ROM)に格納されている。従って、
円盤ブレード54の半径(R)を入力手段80によって
入力することにより、この円盤ブレード54の半径
(R)と上記第3の工程においてランダムアクセスメモ
リ903(RAM)に格納された被加工物Wに形成され
た切り込み溝100の長さ(L)を用いて、中央処理装
置901(CPU)は数式1に基づいて切り込み溝10
0の深さ(D)を演算する。そして、演算した切り込み
溝100の深さ(D)をランダムアクセスメモリ903
(RAM)に格納する。
【0027】上記第3の工程において切り込み溝100
の深さ(D)を求めたならば、この切り込み溝100の
深さ(D)と上記円盤ブレード54の切り込み位置(Z
=Z1)から円盤ブレード54の被加工物W表面との接
触原点位置(Z=Z2)を求める(第4の工程)。即
ち、接触原点位置(Z=Z2)は、次の数式2によって
求めることができる。
【0028】
【数2】Z2=Z1−D
【0029】なお、数式2は制御手段90のリードオン
リメモリ902(ROM)に格納されている。従って、
上記第3の工程において求められた切り込み溝100の
深さ(D)と、上記第2の工程において検出された円盤
ブレード54の切り込み位置(Z=Z1)を用いて、中
央処理装置901(CPU)は数式2に基づいて接触原
点位置(Z=Z2)を演算する。そして、制御手段90
は演算した接触原点位置(Z=Z2)をランダムアクセ
スメモリ903(RAM)に格納し、この接触原点位置
(Z=Z2)を原点として被加工物Wの表面からの切り
込み量を制御する。
【0030】以上のように、第1の発明においては、チ
ャックテーブル33上に保持された被加工物Wに円盤ブ
レード54によって任意の切り込み溝100を形成し、
この切り込み溝100の長さに基づいて円盤ブレード5
4の被加工物W表面との接触原点位置(Z=Z2)を求
めるので、接触原点位置を精度良く検出することができ
る。
【0031】次に、本発明による被加工物の接触原点位
置検出方法他の実施形態(第2の発明)について、図7
を参照して説明する。先ず、図7の(a)に示すように
ダミーテーブル70上にダミー加工物DMを保持すると
ともに、チャックテーブル33上に被加工物Wを保持す
る。次に、ダミー加工物DMを保持したダミーテーブル
70を背圧センサー式の表面位置検出機構60の近接位
置検知ノズル632の直下まで移動し、近接位置検知ノ
ズル632を図7の(b)において2点鎖線で示す基準
位置からパルスモータ683(M4)(図3参照)を所
定方向に駆動して下降せしめる。そして、差圧センサー
64(DS)からの出力電圧が設定された所定値(例え
ば4V)になったとき、制御手段90はパルスモータ6
83(M4)によって得られる位置(Z=Zd3)をダ
ミーテーブル70上に保持されたダミー加工物DMの表
面位置(Z=Zd3)として検出する(第1の工程)。
このダミー加工物DMの表面位置(Z=Zd3)をラン
ダムアクセスメモリ903(RAM)に格納する。な
お、ダミー加工物DMの実際の表面位置は、上述したよ
うにパルスモータ683(M4)によって得られる位置
(Z=Zd3)に差圧センサー64(DS)からの出力
電圧4Vに対応する間隔(図4の例においては30μ
m)を加算して求めるが、本発明においては後述する第
7工程における被加工物Wの表面位置の検出においても
差圧センサー64(DS)からの出力電圧を4Vに設定
すればパルスモータ683(M4)によって得られる位
置(Z=Zd3)をダミー加工物DMの表面位置として
用いることができる。
【0032】次に、ダミー加工物DMを保持したダミー
テーブル70を円盤ブレード54の直下まで移動した
後、円盤ブレード54を図7の(c)において2点鎖線
で示す基準位置(Z=Z0)から回転させつつダミー加
工物DMの表面に対して垂直な方向に実線で示す位置ま
で切り込み送りして、ダミー加工物DMの表面に切り込
み溝110を形成する(第2の工程)。なお、円盤ブレ
ード54の切り込み送り量は、円盤ブレード54がダミ
ーテーブル70の表面に接触しない程度の任意の送り量
でよい。このときの円盤ブレード54の切り込み位置
(Z=Zd1)は、リニアスケール58により検出され
て制御手段90に送られ、ランダムアクセスメモリ90
3(RAM)に格納される。
【0033】次に、円盤ブレード54をダミー加工物D
Mから退避させ、上記基準位置(Z=Z0)に位置付け
る。そして、上記第2の工程によってダミー加工物DM
の表面に形成された切り込み溝110の長さ(Ld)を
測定する。この測定は、上記第1の発明と同様に例えば
ダミー加工物DMを保持したチャックテーブル33をア
ライメント手段17の直下まで移動し、アライメント手
段17(AM)によって被加工物Wに形成された切り込
み溝110を撮像して図7の(d)に示すように表示手
段18に表示することによって読み取ることができる。
このようにして測定した切り込み溝110の長さ(L
d)を入力手段80によって入力し、ランダムアクセス
メモリ903(RAM)に格納する(第3の工程)。
【0034】上記第3の工程においてダミー加工物DM
に形成された切り込み溝110の長さ(Ld)を測定し
たならば、この切り込み溝110の長さ(Ld)と円盤
ブレード54の半径(R)から切り込み溝110の深さ
(Dd)を求める(第4の工程)。即ち、切り込み溝1
10の深さ(Dd)は、上記数式1によって求めること
ができる。即ち、円盤ブレード54の半径(R)を入力
手段80によって入力することにより、この円盤ブレー
ド54の半径(R)と上記第3の工程においてランダム
アクセスメモリ903(RAM)に格納されたダミー加
工物DMに形成された切り込み溝110の長さ(Ld)
を用いて、中央処理装置901(CPU)は上記数式1
に基づいて切り込み溝110の深さ(Dd)を演算す
る。そして、演算した切り込み溝110の深さ(Dd)
をランダムアクセスメモリ903(RAM)に格納す
る。
【0035】上記第4の工程において切り込み溝110
の深さ(Dd)が求められたならば、この切り込み溝1
10の深さ(Dd)と上記円盤ブレード54の切り込み
位置(Z=Zd1)から円盤ブレード54とダミー加工
物DMの表面との接触原点位置(Z=Zd2)を求める
(第5の工程)。接触原点位置(Z=Zd2)は、上記
数式2によって求めることができる。即ち、上記第3の
工程において切り込み溝110の深さ(Dd)と上記第
2の工程において検出された円盤ブレード54の切り込
み位置(Z=Zd1)を用いて、中央処理装置901
(CPU)は上記数式2に基づいて接触原点位置(Z=
Zd2)を演算する。そして、制御手段90は演算した
接触原点位置(Z=Zd2)をランダムアクセスメモリ
903(RAM)に一時格納する。
【0036】次に、上記第1の工程によって背圧センサ
ー式の表面位置検出機構60によって検出されたダミー
加工物DMの表面位置(Z=Zd3)と、第5の工程に
よって求められたダミー加工物DMの表面との接触原点
位置(Z=Zd2)との差、即ち調整量(ΔZ)を求め
る(第6の工程)。即ち、調整量(ΔZ)は、次の数式
3によって求めることができる。
【0037】
【数3】ΔZ=Zd3−Zd2
【0038】なお、数式3は制御手段90のリードオン
リメモリ902(ROM)に格納されている。従って、
上記第1の工程によって背圧センサー式の表面位置検出
機構60によって検出されたダミー加工物DMの表面位
置(Z=Zd3)と、第5の工程によって求められたダ
ミー加工物DMの表面との接触原点位置(Z=Zd2)
を用いて、中央処理装置901(CPU)は数式3に基
づいて調整量(ΔZ)を演算する。そして、制御手段9
0は演算した調整量(ΔZ)をランダムアクセスメモリ
903(RAM)に格納する。
【0039】次に、チャックテーブル33上に保持した
被加工物Wを背圧センサー式の表面位置検出機構60の
近接位置検知ノズル632の直下まで移動し、近接位置
検知ノズル632を図7の(e)において2点鎖線で示
す基準位置からパルスモータ683(M4)を所定方向
に駆動して下降せしめる。そして、差圧センサー64
(DS)からの出力電圧が設定された所定値(例えば4
V)になったとき、制御手段90はパルスモータ683
(M4)によって得られる位置(Z=Z3)をチャック
テーブル33上に保持された被加工物Wの表面位置(Z
=Z3)として検出する(第7の工程)。この被加工物
Wの表面位置(Z=Z3)をランダムアクセスメモリ9
03(RAM)に格納する。
【0040】上記第7の工程において背圧センサー式の
表面位置検出機構60による被加工物Wの表面位置(Z
=Z3)を検出したならば、この被加工物Wの表面位置
(Z=Z3)と、上記第6の工程で求めた調整量(Δ
Z)から円盤ブレード54の被加工物Wの表面との接触
原点位置(Z=Z2)を求める(第8の工程)。即ち、
接触原点位置(Z=Z2)は、次の数式4によって求め
ることができる。
【0041】
【数4】Z2=Z3−ΔZ
【0042】なお、数式4は制御手段90のリードオン
リメモリ902(ROM)に格納されている。従って、
上記第7の工程で検出された被加工物Wの表面位置(Z
=Z3)と、上記第6の工程で求めた調整量(ΔZ)を
用いて、中央処理装置801(CPU)は数式2に基づ
いて接触原点位置(Z=Z2)を演算する。なお、上記
調整量(ΔZ)が零(0)であれば、接触原点位置(Z
=Z2)は被加工物Wの表面位置(Z=Z3)となる。
そして、制御手段90は演算した接触原点位置(Z=Z
2)をランダムアクセスメモリ903(RAM)に格納
し、接触原点位置(Z=Z2)を原点として被加工物W
の表面からの切り込み量を制御する。
【0043】以上のように、第2の発明においては、背
圧センサー式の表面位置検出機構60等の非接触式表面
位置検出手段によって検出されたダミー加工物DMの表
面位置(Z=Zd3)および被加工物Wの表面位置(Z
=Z3)と、ダミー加工物DMに円盤ブレード54によ
って形成された任意の切り込み溝100の長さに基づい
て円盤ブレード54の被加工物W表面との接触原点位置
(Z=Z2)を求めるので、接触原点位置を精度良く検
出することができる。また、第2の発明においては、被
加工物Wの表面に検出器を当接することなく接触原点位
置(Z=Z2)を検出することができるので、接触によ
り被加工物Wを損傷することがないため、精密な回路が
形成されている半導体ウエーハの切削に最適である。
【0044】
【発明の効果】本発明による切削装置の接触原点位置検
出方法は以上のように構成されているので、次の作用効
果を奏する。
【0045】即ち、本発明によれば、被加工物保持手段
に保持された被加工物に円盤ブレードによって切り込み
溝を形成し、この切り込み溝の長さに基づいて円盤ブレ
ードの被加工物表面との接触原点位置を求めるので、接
触原点位置を精度良く検出することができる。従って、
上記のようにして検出された接触原点位置を切り込み量
の基準位置として円盤ブレードを制御することにより被
加工物の表面から所定深さの溝を形成することができ
る。
【0046】また、本発明によれば、非接触式表面位置
検出手段によって検出されたダミー加工物の表面位置お
よび被加工物の表面位置と、ダミー加工物に円盤ブレー
ドによって形成された切り込み溝の長さに基づいて円盤
ブレードの被加工物表面との接触原点位置を求めるの
で、接触原点位置を精度良く検出することができるとと
もに、被加工物の表面に検出器を当接することなく接触
原点位置を検出することができるため、接触により被加
工物を損傷することがなく、精密な回路が形成されてい
る半導体ウエーハ等の切削に最適である。更に、本発明
によれば、上記非接触式表面位置検出手段として背圧セ
ンサー式の表面位置検出機構を用いたので、被加工物の
表面にガラス質の層があってもレーザーセンサーのよう
に透過しないため、被加工物の表面位置を確実に検出す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による接触原点位置検出方法を実施する
切削装置としてのダイシング装置の斜視図。
【図2】図1に示すダイシング装置の要部斜視図。
【図3】図1に示すダイシング装置に装備される背圧セ
ンサー式の表面位置検出機構の概略構成図。
【図4】図4に示す背圧センサー式の表面位置検出機構
を構成する差圧センサーの特性線図。
【図5】図1に示すダイシング装置に装備される制御手
段のブロック図。
【図6】本発明による接触原点位置検出方法の一実施形
態を示す説明図。
【図7】本発明による接触原点位置検出方法の他の実施
形態を示す説明図。
【符号の説明】
2:静止基台 3:チャックテール機構 31:チャックテーブル機構の支持台 32:チャックテーブル機構の案内レール 33:チャックテーブル機構のチャックテーブル 34:チャックテーブル機構の駆動手段 342:パルスモータ(M1) 4:スピンドル支持機構 41:チャックテーブル機構の支持台 42:チャックテーブル機構の案内レール 43:チャックテーブル機構の可動支持基台 44:チャックテーブル機構の駆動手段 442:パルスモータ(M2) 5:スピンドルユニット 53:スピンドルユニットのスピンドルハウジング 54:切削ブレード 55:駆動手段 552:パルスモータ(M3) 56:回転スピンドル 58:リニアスケール(LS) 60:背圧センサー式の表面位置検出機構 61:圧縮気体供給源 62:比較空気回路 621:第1の固定絞り 622:可変絞り 63:検知空気回路 631:第2の固定絞り 632:近接位置検知ノズル 64:差圧センサー(DS) 66:比較圧力回路 67:検知圧力回路 68:検知ノズル移動手段 683:パルスモータ(M4) 70:ダミーテーブル 80:入力手段(IU) 90:制御手段 10:装置ハウジング 12:カセット 13:被加工物搬出手段 14:被加工物搬送手段 15:洗浄手段 16:洗浄搬送手段 17:アライメント手段(AM) 18:表示手段(DP)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神垣 政圭 東京都大田区東糀谷2丁目14番3号 株式 会社ディスコ内 (72)発明者 台井 暁治 東京都大田区東糀谷2丁目14番3号 株式 会社ディスコ内 Fターム(参考) 3C034 AA19 BB94 CA13 DD12 3C058 AA03 BA01 BA07 BB02 BC02 DA17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を保持する被加工物保持手段
    と、該被加工物保持手段に保持された被加工物を切削す
    る円盤ブレードを有する切削手段と、を具備する切削装
    置の接触原点位置検出方法であって、 該被加工物保持手段に保持された被加工物の表面に対し
    て垂直な方向である切り込み送り方向に該円盤ブレード
    を回転させつつ任意の切り込み送り位置まで切り込み送
    りして被加工物の表面に切り込み溝を形成する第1の工
    程と、 該円盤ブレードを被加工物から退避させ、該第1の工程
    において被加工物の表面に形成された切り込み溝の長さ
    を測定し記録する第2の工程と、 該第2の工程において測定された切り込み溝の長さと該
    円盤ブレードの半径とから該切り込み溝の深さを求める
    第3の工程と、 該第3の工程で求めた切り込み溝の深さと切り込み溝を
    形成したときの該円盤ブレードの切り込み送り位置とに
    基づいて、該円盤ブレードの被加工物表面との接触原点
    位置を求める第4の工程と、を含む、 ことを特徴とする切削装置の接触原点位置検出方法。
  2. 【請求項2】 被加工物を保持する被加工物保持手段
    と、該被加工物保持手段に保持された被加工物を切削す
    る円盤ブレードを有する切削手段と、ダミー加工物を保
    持するダミー保持手段と、該被加工物保持手段に保持さ
    れた被加工物および該ダミー保持手段に保持されたダミ
    ー加工物の表面位置を検出する非接触式表面位置検出手
    段と、を具備する切削装置の接触原点位置検出方法であ
    って、 該非接触式表面位置検出手段により該ダミー加工物保持
    手段に保持されたダミー加工物の表面の位置を検出する
    第1の工程と、 該ダミー加工物保持手段に保持されたダミー加工物の表
    面に対して垂直な方向である切り込み送り方向に該円盤
    ブレードを回転させつつ任意の切り込み送り位置まで切
    り込み送りしてダミー加工物の表面に切り込み溝を形成
    する第2の工程と、 該円盤ブレードをダミー加工物から退避させ、該第2の
    工程においてダミー加工物の表面に形成された切り込み
    溝の長さを測定し記録する第3の工程と、 該第3の工程において測定された切り込み溝の長さと該
    円盤ブレードの半径とから切り込み溝の深さを求める第
    4の工程と、 該第4の工程で求めた切り込み溝の深さと切り込み溝を
    形成したときの該円盤ブレードの切り込み送り位置とに
    基づいて、該円盤ブレードのダミー加工物表面との接触
    原点位置を求める第5の工程と、 該第1の工程で検出されたダミー加工物の表面の位置と
    該第5の工程で求められた該円盤ブレードのダミー加工
    物との接触原点位置との差による調整量を求める第6の
    工程と、 該非接触式表面位置検出手段により該被加工物保持手段
    に保持された被加工物の表面の位置を検出する第7の工
    程と、 該第7の工程で検出された被加工物の表面の位置と該第
    6の工程で求められた調整差に基づいて該円盤ブレード
    の被加工物との接触原点位置を求める第8の工程、を含
    む、 ことを特徴とする切削装置の接触原点位置検出方法。
  3. 【請求項3】 該非接触式表面位置検出手段は、背圧セ
    ンサー式の表面位置検出機構からなっている、請求項2
    記載の切削装置の接触原点位置検出方法。
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