JP2002059187A - 底層曝気装置及びその装置を備えた構造体 - Google Patents

底層曝気装置及びその装置を備えた構造体

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JP2002059187A
JP2002059187A JP2000252829A JP2000252829A JP2002059187A JP 2002059187 A JP2002059187 A JP 2002059187A JP 2000252829 A JP2000252829 A JP 2000252829A JP 2000252829 A JP2000252829 A JP 2000252829A JP 2002059187 A JP2002059187 A JP 2002059187A
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air
riser
pipe
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Yasuji Uemori
保治 上森
Kimito Fujimura
公人 藤村
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Marsima Aqua System Corp
Original Assignee
Marsima Aqua System Corp
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
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  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浅い河川等の一定方向の水流がある環境下に
使用することができる底層曝気装置等を提供すること。 【解決課題】 本底層曝気装置は、エアリフトポンプを
用いて上流側の底層から底層水を取り込み曝気する取水
手段と、曝気された底層水を上流側の底層と略同レベル
にある下流側の底層に排水する排水手段とを備え、上記
取水手段は、上昇管11と、その下部に形成された取り
込み口16と、取り込み口16内に散気する散気ディフ
ューザ17と、上昇管11内の上部に連通する気水分離
部15とを備え、上記排水手段は、気水分離部15に連
通する下降管12と、その下部に形成された出口19と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川等の一定方向
の水流がある環境下で使用される底層曝気装置及びその
装置を備えた構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ダム湖において水温が急激に変
化する水温躍層が形成されると、水温躍層下方の深層水
には湖面や流入水からの酸素の供給が絶たれる一方、湖
水や底泥に含まれる有機物等の分解に伴い溶存酸素の消
費が進み、深層では無酸素の状態となる。その結果、底
泥に含まれる、鉄、マンガン、硫化水素等が溶出し、出
水による放流の際に異臭を放ったり、上水の異臭、着色
障害の発生の原因となる。また、植物性プランクトンの
栄養源となり易い無機態の窒素、リンが還元状態で溶出
した際には水温躍層が破壊される循環期に表層に浮上
し、新たな栄養源となり、植物性プランクトンの異状発
生による、カビ臭や浄水場の濾過障害等の水質障害の懸
念される。このため、水温躍層を破壊せずに深層水の溶
存酸素濃度を回復させる底層(深層)曝気装置を設置す
ることがある(ダム技術No.164(2000.5)
参照)。
【0003】ここでは、浮上槽にそれぞれ上部を連通さ
せた上昇管と下降管とを蛇腹で構成し、嫌気状況にある
区域(湖底からある水深までの区域が改善対象域とな
る。)の水を装置内に取り込み、これを曝気して酸素を
溶け込ませた好気状態の水(循環水)を対象域に戻すよ
うにしている。この際、循環水が再度装置内に吸い込ま
れないように、取り込み口と出口とを十分に離すべく、
出口のレベルを取り込み口のレベルよりも高く設置して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の底層曝
気装置では、浅い河川等の一定方向の流れがある環境下
に使用することができなかった。すなわち、従来装置の
場合、対象区域の水深が浅いときには、取り込み口と出
口とを十分に離すことができないので、適応水深に制限
がある。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、浅い河川等の一定方向の水流がある環境下に使用す
ることができる底層曝気装置及びその装置を備えた構造
体を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
一定方向の水流がある環境下で使用される底層曝気装置
であって、エアリフトポンプを用いて上流側の底層から
水を取り込んで曝気する取水手段と、曝気された水を上
流側の底層と略同レベルにある下流側の底層に排出する
排水手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】上記構成によれば、エアリフトポンプを用
いて上流側の底層から水が取り込まれて曝気され、該曝
気された水が上流側の底層と略同レベルにある下流側の
底層に排出される。このような循環水の流れは、装置外
部の水流に逆らわないものであり、むしろ装置外部の水
流による動圧が積極的に活用されうるものである。すな
わち、上流側の底層から水を取り込む際には水流により
正圧が働きこれがエアリフトポンプの作用を補助するの
で、水の取り込みが容易に行われるようになり、その結
果、エア消費量も少なくなる。その一方、下流側の底層
へ水を排出する際には水流により負圧が働きこれが水の
排出を補助するので、水の排出が容易に行われるように
なる。しかも、水を取り込む位置と水を排出する位置と
は同レベルで互いに反対方向に向いているので、一方流
れのある場所では対象区域の水深が浅くても、曝気され
た水を再度装置に吸い込むことが確実に防止される。
【0008】例えば、請求項2記載の発明のように、取
水手段は、上流側の底層に向けて開口され、水を取り込
む取り込み口と、取り込み口から取り込まれた水中に散
気して気水混合体を生じさせる散気ディフューザと、気
水混合体を上昇させつつ曝気する上昇管と、上昇管で上
昇させた気水混合体を気水分離して大気開放する気水分
離部とを備え、排水手段は、気水分離部で空気と分離さ
れた水を降下させる下降管と、下流側の底層に向けて開
口され、下降管で降下させた水を排水する排水口とを備
えたものとすればよい。
【0009】ところで、上記循環水の流量と曝気の空気
量とは略比例関係にあり、曝気量を多くすると流量は多
くなり、その逆に曝気量を少なくすると流量は少なくな
る。一方、酸素の溶け込み量は空気量に比例する。した
がって、溶存酸素量を多くしたいために曝気量を上げる
と、流量も多くなるので、結果的に水の単位体積当たり
の酸素量濃度は大きくならない。このため、流量を固定
したのでは、酸素の溶け込む効率(曝気効率)が低下す
る。水流のある環境下では、流速の季節変動等があるの
で、特にその傾向が顕著となる。そこで、請求項3記載
の発明のように、上昇管と下降管の少なくとも一方の上
部に流量調整用の絞り部を備えれば、簡単に流量調整が
なされるので、上記流速の季節変動等に対処可能とな
る。例えば、上昇管の上端に管内の所要断面積分を覆う
ような蓋を設け、この蓋により上昇管出口面積を加減し
て流量を調整する。これにより、曝気量に関係なく流量
が調整でき、必要な溶存酸素濃度にコントロールされ
る。
【0010】また、曝気効率は水中に散気される空気の
気泡径を小さくする程良くなる。そのためには、空気を
噴出する散気ディフューザの空気孔の口径を小さくすれ
ばよいが、そうすると、停止中に川底等のヘドロ,粘土
質,水中に浮遊する有機物等により空気孔の目詰まりが
起こりやすく清掃を頻繁にする必要がある。清掃は水中
作業となり、潜水士の手が必要で非常に面倒な作業とな
り、空気孔の口径をあまり小さくできないという制限を
受ける。水流のある環境下では、特に、水流による巻き
上げにより川底等のヘドロ,粘土質が水中に混在し,水
中に浮遊する有機物等も多いので、その傾向が顕著であ
る。そこで、請求項4記載の発明のように、散気ディフ
ューザは上昇管内に吊り下げられた空気供給用のエアホ
ースの先端に取り付けられ、該散気ディフューザはエア
ホースとともに上昇管の上方に引き上げ可能とすれば、
エアーホースを引き上げることにより、散気ディフュー
ザを上昇管の上端から取り出せるので、清掃が容易とな
る。したがって、目詰まりを考慮して口径の大きな空気
孔とする必要がなくなり、口径の小さな空気孔を有する
散気ディフューザの採用が可能とされる。
【0011】請求項5記載の発明のように、上昇管と下
降管との上部にフロートが取り付けられるとともに、両
管の下部の水流に向かって左右両側にアンカーが取り付
けられていれば、水中に装置を設置すると、水流が作用
しても装置本体は左右から拘束されているので回転しな
い。したがって、水の取り込み口は出口よりも常に上流
側に維持される。
【0012】請求項6記載の発明のように、河川構造体
に、請求項1〜4のいずれかに記載の底層曝気装置を備
えることができる。河川構造体としては、橋脚や水門ピ
アなどが含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図2は本装置を設
置した河川の横断面図である。
【0014】従来例では、一定方向の水流がある河川等
でしかも浅層水域については使用できないという問題点
があった。ここで浅層水域とは、水深10m程度以下の
水域をいい、底層とはこの浅層水域の底から1〜3m程
度の層をいう。通常の河川はこのような環境下にあるも
のが多く、その横断面はすり鉢状となって、両岸から河
川中央部に向かう程水深が深くなっている。
【0015】本実施形態1に係る底層曝気装置1は、図
2に示すように、河川2の略中央部に浮遊させて使用す
るものであるが、曝気等に用いられるエアは河川岸の上
に設置したエア供給源3からエアホース4で供給され
る。エアホース4は、エアにより水面に浮上しないよう
にしたいわゆる水没式ホースを使用する。
【0016】本装置1の構成は詳しくは後述するが、河
川2の上流側の底層から水を取り込んで曝気し、その水
を河川2の下流側の底層へ吐出するようになっている。
また、エア供給源3としては、オイルミストを含まない
クリーンなエアを供給するため、いわゆるオイルフリー
タイプのブロアやコンプレッサ等が用いられる。これ
は、河川の底層からの散気させるためのエアを発生させ
るが、その吐出圧と供給量は水深とエアホース4内での
圧力損失を考慮したものである。なお、エア供給源3
は、河川の岸に設置されるので、低騒音型のものとし、
ほぼ連続的に使用されるので、複数台のブロア等を設け
て交互に切り換えて運転するのが好ましい。
【0017】さらに、エアホース4としては、耐久性に
富むゴムホースやSUS製ホース等が用いられ、エア供
給源3で発生させたエアを本装置1に供給するために必
要な長さと口径を有している。なお、河川の増水時には
流れが非常に速くなって、上下攪拌が進むので、底層に
おいても貧酸素化しにくい。したがって、本装置1は、
予め設定された河川2の基準レベル(N.W.L)〜低
レベル(L.W.L)間で比較的緩やかではあるが、安
定した一定方向の水流がある時に使用するのが好まし
い。
【0018】図1は本発明の一実施形態に係る底層曝気
装置の全体構成を示す図であって、(a)は上面図、
(b)は側断面図、(c)は底面図、(d)は正面図で
ある。また、図3は散気ディフューザの詳細構成を示す
図であって、(a)は正面図、(b)は底面図である。
なお、図中の白抜きの太い矢印は河川の流れ方向を示し
ており、細い矢印は取り込まれる底層水と排出される底
層水の流れ方向を示している。
【0019】図1(a)〜(d)に示すように、本装置
1は、エアリフトポンプを用いて上流側の底層から水を
取り込んで曝気する取水手段と、曝気された水を上流側
の底層と略同レベルにある下流側の底層に排水する排水
手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】本装置1の本体10は、その大部分が比重
が軽く腐食に強いFRP(ガラス繊維強化プラスチッ
ク)製等であって、同径でかつ同じ長さの上昇管11と
下降管12とを2枚の側板13,13で一体化するとと
もに、その上部に各管11,12の対向する壁面を一部
切り欠いて中底板14を設けることにより長円筒形状の
気水分離部15を形成している。気水分離部15の上部
は無蓋で大気開放している。この本体10の上部付近の
両側面にはフロート50,50が取り付けられ、本体1
0の下部の両側面にはアンカー60,60が取り付けら
れている。
【0021】上記取水手段は、上昇管11と、気水分離
部15と、上昇管11内の下部に形成された水の取り込
み口16と、取り込み口16内に散気する散気ディフュ
ーザ17と、上昇管11の上部に形成された流量調整用
の蓋(絞り部)18とを備え、上記排水手段は、下降管
12と、下降管12内の下部に形成された水の出口19
を備えている。
【0022】取り込み口16と出口19とは互いに反対
方向に開口されているが、その開口形状は縮流を抑えて
圧力損失を少なくするように末広がりになっており、か
つ十分な断面積が与えられている。
【0023】散気ディフューザ17は、腐食に強いSU
S(ステンレス鋼)製等であって、図3(a),(b)
に示すように、上記気水分離部15から引き込まれた空
気供給用のエアホース4に接続された円筒部17aと、
この円筒部17aから放射状に延びる8本の枝管部17
bとを備え、この枝管部17bの下方に立てた法線に対
し略45度振り分けで複数の空気孔17cが略等間隔に
形成されている。空気孔17cの口径は後述するエアリ
フトポンプとしての性能面から求められる値に、以下の
観点から求められる値を加味して決定される。
【0024】すなわち、酸素の溶け込み効率(曝気効
率)は曝気の気泡径を小さくする程良い。そのために
も、空気を噴出する散気ディフューザ17の空気孔17
cを小さくすればよいが、そうすると、停止中に川底等
のヘドロ,粘土質,水中に浮遊する有機物等により空気
孔17cの目詰まりが起こりやすく清掃を頻繁にする必
要がある。清掃は水中作業となり、潜水士の手が必要で
非常に面倒な作業となり、空気孔17cの口径をあまり
小さくできないという制限を受ける。本実施形態1のよ
うに、水流のある環境下では、特に、水流による巻き上
げにより川底等のヘドロ,粘土質が水中に混在し,水中
に浮遊する有機物等も多いので、その傾向が顕著であ
る。そこで、本実施形態1では、散気ディフューザ17
は上昇管11内に吊り下げられた空気供給用のエアホー
ス4の先端に取り付けられ、該散気ディフューザ17は
エアホース4とともに上昇管の上方に引き上げ可能とし
ている。このようにすれば、エアーホース4を引き上げ
ることにより、散気ディフューザ17を上昇管11の上
端から取り出せるので、清掃が容易となる。したがっ
て、目詰まりを考慮して口径の大きな空気孔17cとす
る必要がなくなり、口径の小さな空気孔17cを有する
散気ディフューザ17の採用が可能とされる。
【0025】蓋(図1(a)中、ハッチングを付して示
している。)18は、例えば平板状であって、上昇管1
1の上端にある中底板(同図中、蓋18と逆方向のハッ
チングを付して示している。)14上をA方向にスライ
ドさせて上昇管11の上端開口面積を調整するようにな
っている。或いは、大きさの異なる蓋18をいくつか用
意しておいて、適宜取り替えることで上昇管11の上端
開口面積を調整することとしてもよいし、その他の適当
な絞り機構を設けてもよい。この蓋18を設けたのは、
以下の理由による。
【0026】すなわち、上昇管11内を流れる水(循環
水)の流量と曝気の空気量とは略比例関係にあり、曝気
量を多くすると流量は多くなり、その逆に曝気量を少な
くすると流量は少なくなる。一方、酸素の溶け込み量は
空気量に比例する。したがって、溶存酸素量を多くした
いために曝気量を上げると、流量も多くなるので、結果
的に水の単位体積当たりの酸素量濃度は大きくならな
い。このため、流量を固定したのでは、曝気効率が低下
する。本実施形態1のように水流のある環境下では、流
速の季節変動等があるので、特にその傾向が顕著とな
る。そこで、本実施形態1では、上昇管11の上端に上
記蓋18を設け、循環水の流量調整を行うこととしてい
る。
【0027】フロート50は、上述したように、本体1
0の上部付近の両側面に取り付けられるが、その寸法形
状等は、大気開放される気水分離部15の上端を水面上
に出した状態で本体10を浮遊させるのに十分な浮力を
得るように決定される。フロート50としては、市販の
FRP製ブイ等を使用すればよい。上記したような取り
付け位置としたのは、本体10が水中でほぼ直立姿勢に
なるようにするとともに、流れがあっても本体10の上
記姿勢を維持するためである。また、本体10の上記姿
勢を維持できる限り、フロート50の取り付け位置と数
は任意に設定できる。例えば、本体10の上部の周囲に
ドーナッツ状のフロートを1個だけ取り付けてもよい。
【0028】アンカー60も、上述したように、本体1
0の下部両側面に取り付けられるが、本体10へは2本
のアンカーチェーン61を介して取り付けられる。アン
カー60としてはコンクリートアンカー等を使用し、ア
ンカーチェーン61としてはSUS製チェーン等を使用
すればよい。上記したような取り付け位置としたのは、
上記フロート位置とも相俟って、本体10が水中でほぼ
直立姿勢になるようにするとともに、流れがあっても本
体10の取り込み口16と出口19との位置が反転しな
いようにするためである。また、本体10の上記したよ
うな姿勢を保持できる限り、アンカー60の取り付け位
置と数は任意に設定できる。例えば、水流により本体1
0が下流側に傾斜する角度を少なくするために、本体1
0の下部の上流側にアンカー60をもう1箇所設けて3
点支持してもよい。
【0029】以下、上昇管11と下降管12内を流れる
水量(流量)等について説明する。
【0030】上昇管11内を流れる水量は、その管径、
エア供給量、水深により決定される。本実施形態1で
は、蓋18を中底板14上でスライド等させて上昇管1
1の上端開口面積を調整することにより、上昇管11内
を流れる水量の調整を行う。一方、下降管12内を流れ
る水量は、上昇管11と下降管12とのヘッド差△hで
重力落下する。吐出流は河川の流れに乗って拡散する。
【0031】このような循環水の流れは、装置外部の水
流に逆らったものではなく、むしろ装置外部の水流によ
る動圧が積極的に活用されうるものである。すなわち、
上流側の底層から水を取り込む際には水流により正圧が
働きこれがエアリフトポンプの作用を補助するので、水
の取り込みが容易に行われるようになり、その結果、エ
ア消費量も少なくなる。その一方、下流側の底層へ水を
排出する際には水流により負圧が働きこれが水の排出を
補助するので、水の排出が容易に行われるようになる。
【0032】上記流量調整用の蓋18は、流量調整のし
易さという点では、上昇管11の上部に設けるのが好ま
しい。ただし、上記ヘッド差△hで気水分離部15から
オーバーフローするおそれのない場合には、下降管12
の上部に蓋18を設けることも可能であり、その場合、
下降管12の口径は上昇管11の最大流量を吐出できる
程度とすればよい。また、下降管12を上下伸縮自在と
しておき、吐出位置を上下方向に変化可能とすることと
してもよい。
【0033】以下、本装置1の動作について説明する。
【0034】本装置1を、図2に示したように、河川の
略中央部に浮遊させて、上流側の底層に取り込み口16
を開口させ、これと反対側でかつ同レベルの下流側の底
層に出口19を開口させた状態で、エア供給源3を駆動
し、エアホース4を介して散気ディフューザ17に空気
を供給する。
【0035】すると、図1に示すように、取り込み口1
6内で、散気ディフューザ17から無数の微細な空気泡
が発生する。この空気泡が上昇管11内の水中を上昇し
ていき、水を攪拌して気水混合体をつくる。その気水混
合体の見かけ上の比重は外部の水の比重よりも小さくな
るので、エアリフトポンプの原理により、気水混合体は
空気泡の浮力と外部の水圧(静圧+動圧)との作用によ
って押し上げられるようにして取り込み口16から上昇
管11を介して気水分離部15に順次に汲み上げられ
る。
【0036】その際、上昇管11内で気水混合体となっ
た空気泡と水とが接触して、空気泡中の酸素が水に溶け
込んで曝気されていくが、空気泡が微細であるほど、水
との接触面積が大きくなるので、高い曝気効率が得られ
る。
【0037】気水分離部15に汲み上げられる気水混合
体の流量調整は、上述したように、蓋18を中底板14
上でスライド等させて上昇管11の上端の開口面積を調
整して行う。気水分離部15に汲み上げられた気水混合
体は、ここで気水分離され、余剰の空気泡が大気開放さ
れる。その際にも、空気泡がはじけるときの飛沫によ
り、酸素が水に溶け込んで曝気されていく。そして、曝
気されて酸素が十分に溶け込んだ水が下降管12内を上
記ヘッド差△hと外部の圧力との作用により重力落下し
ていき、出口19から外部に吐出される。
【0038】以上のように、上流側の底層水を曝気して
酸素豊富な水として下流側に流すことで、上下流ともに
貧酸素状況を改善することができる。
【0039】このとき、一方方向の流れがある場所では
対象区域の水深が浅くても、取り入込み側を上流側に向
け、排水側を下流側に向けているので、曝気された底層
水を再度装置に吸い込むことが確実に防止される。
【0040】また、上昇管11の上端部に設けた蓋18
により上昇管出口面積を加減して流量を調整されるの
で、曝気量に関係なく流量が調整でき、必要な溶存酸素
濃度にコントロールでき、水流のある環境下での流速の
季節変動等にも簡単に対処できる。
【0041】また、水流のある環境下での水中の浮遊物
により散気ディフューザ17に目詰まりがあっても、エ
アーホース4を引き上げることにより、散気ディフュー
ザ17を上昇管11の上端から取り出せるので、清掃が
容易となる。したがって、目詰まりを考慮して空気孔1
7cの口径を大きくとりすぎことがなくなり、小さな口
径の空気孔17cを有する散気ディフューザ17の採用
が可能となるので、エアリフトポンプとしての性能のみ
ならず、曝気効率をも向上させることができる。
【0042】また、上昇管11と下降管12との上部に
は、フロート50,50が取り付けられ、両管の下部の
水流に向かって左右両側にはアンカー60,60が取り
付けられているので、本体10の左右方向が拘束され
る。したがって、水流により本体10が回転せず、水流
により本体10が若干傾斜した場合であっても、底層水
の取り込み口16は出口19よりも常に上流側に維持さ
れる。必要に応じて、アンカー60,60を切り離すこ
とにより、本体10を簡単に移動させることもできる。
【0043】(実施形態2)上記実施形態1では、本体
10をフロート50,50で浮遊させる一方、アンカー
60,60で川底に固定しているが、通常、河川には道
路橋等がかかっているので、その構造体である橋脚を利
用することができる。その構成例を図4に示す。
【0044】図4において、符号100は道路、200
は橋脚、300は本装置である。本装置300は、水の
取り入れ口301と、上昇管302と、散気ディフュー
ザ303と、気水分離室304と、空気抜き管305
と、下降管306と、出口307とを備えている。これ
らの詳細構成は上記実施形態1の各要素(11〜19)
とほぼ同様であり、上記実施形態1と同様の作用効果を
奏する。
【0045】本装置300は、図4に示すように、各要
素は全て橋脚200の強度を確保できる範囲でそれに内
蔵してもよいし、或いは、橋脚200に外付けすること
としてもよい。
【0046】この場合にも、上流の底層水を曝気して酸
素豊富な水として下流に流すことで、上下流ともに貧酸
素状況を改善することができる。また、メンテナンスと
しては、散気ディフューザ303の清掃作業が要るが、
上記実施形態1のように、散気ディフューザ303を上
昇管302の上部に引き上げる構造とすることにより、
その清掃作業が簡単になる。
【0047】(実施形態3)また、河川用水門を締め切
ると、上流側が滞留域となるので、河川底層部が貧酸素
化する。このような状況下で、水門のフラッシング操作
により底層水を下流側に流出させる等の手段がとられ
る。しかし、その場合、下流側に貧酸素水が流入してく
るので、下流域で貧酸素化することになる。このため、
上流の底層水を曝気して酸素豊富な水として下流に流す
ことで、上下流ともに貧酸素状況を改善することができ
る。その構成例を図5に示す。
【0048】図5において、符号500は水門ピア、6
00は本装置を示す。本装置600は、水取り入れ口6
01と、上昇管602と、散気ディフューザ603と、
気水分離室604と、空気抜き管605と、下降管60
6と、出口607とを備えている。これらの詳細構成は
上記実施形態1の各要素(11〜19)とほぼ同様であ
り、上記実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0049】本装置600は、図5に示すように、各要
素は全て水門ピア500の強度を確保できる範囲でそれ
に内蔵してもよいし、扉体608自体に内蔵することと
してもよい。或いは、水門ピア500に外付けすること
としてもよい。
【0050】この場合にも、上流の底層水を曝気して酸
素豊富な水として下流に流すことで、上下流ともに貧酸
素状況を改善することができる。また、メンテナンスと
しては、散気ディフューザ603の清掃作業が要るが、
上記実施形態1のように、散気ディフューザ603を上
昇管602の上部に引き上げる構造とすることにより、
その清掃作業が簡単になる。
【0051】なお、上記実施形態1〜3では、散気ディ
フューザ17として放射形状のものを使用しているが、
リング形状のものを使用してもよい。
【0052】また、上記実施形態2,3では、河川構造
体として、橋脚や水門ピアを説明したが、本発明の適用
範囲はこれに限らず、例えば堰等の構造体にも応用可能
である。
【0053】
【発明の効果】請求項1,2記載の発明によれば、一方
方向の流れがある場所では対象区域の水深が浅くても、
取り入込み側を上流側に向け、排水側を下流側に向ける
ことにより、曝気された底層水を再度装置に吸い込むこ
とがなくなるので、浅い河川等の流れのある環境下に使
用することができる。
【0054】請求項3記載の発明によれば、簡単に流量
調整がなされる。例えば、上昇管の上端部に管内の所要
断面積分を覆うような蓋を設け、この蓋により上昇管出
口面積を加減して流量を調整する。これにより、曝気量
に関係なく流量が調整でき、必要な溶存酸素濃度にコン
トロールできるので、水流のある環境下での流速の季節
変動等にも簡単に対処できる。
【0055】請求項4記載の発明によれば、水流のある
環境下での水中の浮遊物により散気ディフューザの目詰
まりがあっても、エアーホースを引き上げて散気ディフ
ューザを上昇管の上端から取り出せるので、清掃が容易
となる。したがって、目詰まりを考慮して空気孔の口径
を大きくとりすぎことがなくなり、小さな口径の空気孔
を有する散気ディフューザを採用してエアリフトポンプ
性能と曝気効率をともに向上させることができる。
【0056】請求項5記載の発明によれば、水流により
本体が傾斜した場合であっても、底層水の取り込み口は
出口よりも常に上流側に維持できる。また、必要に応じ
て、アンカーを切り離すことにより、装置本体を簡単に
移動させることもできる。
【0057】請求項6記載の発明によれば、橋脚や水門
ピアに装備した場合にも上記請求項1〜4のいずれかの
底層曝気装置と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る底層曝気装置の全体
構成を示す図であって、(a)は上面図、(b)は側断
面図、(c)は底面図、(d)は正面図である。
【図2】本装置を設置した河川の横断面図である。
【図3】散気ディフューザの詳細構成を示す図であっ
て、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図4】橋脚に本装置を適用した場合の構成を示す側断
面図である。
【図5】水門ピアに本装置を適用した場合の構成を示す
側断面図である。
【符号の説明】
1 底層曝気装置 2 河川 3 エア供給源 4 エアホース 10 本体 11 上昇管(取水手段) 12 下降管(排水手段) 13 側板 14 中底板 15 気水分離部(取水手段) 16 取り込み口(取水手段) 17 散気ディフューザ(取水手段) 18 流量調整用蓋(絞り部) 19 出口(排水手段) 50 フロート 60 アンカー 61 アンカーチェーン 100 道路 200 橋脚 300 底層曝気装置 500 水門ピア 600 底層曝気装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定方向の水流がある環境下で使用され
    る底層曝気装置であって、エアリフトポンプを用いて上
    流側の底層から水を取り込んで曝気する取水手段と、曝
    気された水を上流側の底層と略同レベルにある下流側の
    底層に排出する排水手段とを備えたことを特徴とする底
    層曝気装置。
  2. 【請求項2】 取水手段は、上流側の底層に向けて開口
    され、水を取り込む取り込み口と、取り込み口から取り
    込まれた水中に散気して気水混合体を生じさせる散気デ
    ィフューザと、気水混合体を上昇させつつ曝気する上昇
    管と、上昇管で上昇させた気水混合体を気水分離して大
    気開放する気水分離部とを備え、排水手段は、気水分離
    部で空気と分離された水を降下させる下降管と、下流側
    の底層に向けて開口され、下降管で降下させた水を排水
    する排水口とを備えたことを特徴とする請求項1記載の
    底層曝気装置。
  3. 【請求項3】 上昇管と下降管の少なくとも一方の上部
    に流量調整用の絞り部を備えたことを特徴とする請求項
    2記載の底層曝気装置。
  4. 【請求項4】 散気ディフューザは上昇管内に吊り下げ
    られた空気供給用のエアホースの先端に取り付けられ、
    該散気ディフューザはエアホースとともに上昇管の上方
    に引き上げ可能であることを特徴とする請求項2又は3
    記載の底層曝気装置。
  5. 【請求項5】 上昇管と下降管との上部にフロートが取
    り付けられるとともに、両管の下部の水流に向かって左
    右両側にアンカーが取り付けられていることを特徴とす
    る請求項2〜4のいずれかに記載の底層曝気装置。
  6. 【請求項6】 河川にあって、請求項1〜4のいずれか
    に記載の底層曝気装置を備えたことを特徴とする構造
    体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010104968A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Shimizu Corp 河川の水質改善システムおよび方法
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CN115611440A (zh) * 2022-12-14 2023-01-17 山东地平线建筑节能科技有限公司 一种涂料生产用废水杂质曝气悬浮装置

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