JPH03143600A - 水域底層部の環境を改善する方法及び装置 - Google Patents

水域底層部の環境を改善する方法及び装置

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JPH03143600A
JPH03143600A JP1281929A JP28192989A JPH03143600A JP H03143600 A JPH03143600 A JP H03143600A JP 1281929 A JP1281929 A JP 1281929A JP 28192989 A JP28192989 A JP 28192989A JP H03143600 A JPH03143600 A JP H03143600A
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JP
Japan
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water
oxygen
bottom layer
pipe
surface layer
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JP1281929A
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English (en)
Inventor
Kazuo Sano
和生 佐野
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OGURA BOEKI KK
Original Assignee
OGURA BOEKI KK
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水域底層部の環境を改善する方法に関する。さ
らに詳しく述べると、本発明は、水底汚染により水域底
層部で慢性的におこっている酸素不足とそれによる無酸
素又は貧酸素氷塊の発生を酸素の供給により解消する方
法に関する。本発明はまた、水域底層部の環境を改善す
る装置にも関する。ここで、“水域”とは、濠や池、河
川、湖沼、内湾等の氷の停滞性が高い水域や、各種魚介
類の養殖場等の有機物負荷が高い水域などを意味する。
また、“底層部”とは、水底を含めた水域の底層全般で
底質の改善が望まれている領域を指す。
〔従来の技術〕
最近、水域における水質の悪化が問題となっていること
は周知の通りである。濠や湖沼、内湾水域等、水の停滞
性の高い水域では、陸水の流入によりもたらされる有機
物や、窒素、燐などの栄養塩類により水域内で生産され
る有機物などが水域の底面に沈殿堆積している。また、
魚介類の養殖漁業が行われている水域では、生産活動に
伴う残餌や養殖魚の排泄物などが水域の底面に沈殿堆積
している。さらにまた、釣人が集まる港湾水域や遊漁船
が集中する水域では、コマセとして散布する冷凍あみ等
が沈殿堆積している。このような有機物が水域の底面に
多量に沈殿堆積すると、微生物による有機物の分解作用
に伴って溶存酸素が多量に消費され、したがって、水域
底層部で慢性的な酸素不足がおこることの結果、無酸素
又は貧酸素氷塊が発生し、底生生物は生存が不可能にな
る。
水温が18℃以上に上昇する季節においてはさらに、嫌
気性雰囲気の生成に原因する硫化水素の発生も活発化し
てくる。さらにまた、有機物の分解に伴い発生する栄養
塩類は、水域の富栄養化や赤潮発生の主たる原因になる
。特に養殖漁場では、残餌や排泄物による汚濁が進行し
やすく、水域底層部における還元性物質生成が促進され
てきており、前記した底生生物の死滅はもちろんのこと
、養殖生産そのものにも被害が発生しやすい。
有機物の水域底面における堆積は、上記したように極め
て大きな問題をかかえている。理想的には、水域底面に
おいて堆積物を生じさせないことであるが、これは事実
上不可能であるので、現在、次のような環境改善のため
の解決策がとられている。第1の方法は、水域における
水の停滞性の改善である。この方法は、水の停滞性の高
い水域に博等を造設して、水の流動交換を行うなどして
実施されている。第2の方法は浚渫等による堆積物の除
去である。この方法は、例えば、堆積物の発生水域に浚
渫船を導入するなどして行われている。
第3の方法は水域底層部における好気的条件の保持によ
る方法、換言すると、酸素の十分な供給による方法であ
る。この酸素供給方法は、一般的には、曝気により大気
中の酸素を水中に溶解する形で行われている。従来から
の曝気方法としては、水面で行われる表面機械曝気方式
と水中散気を行う気泡による曝気方式がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
現在用いられている水域底層部の環境改善方法は、しか
し、解決されなければならない問題点を有している。例
えば、上記した第1の方法(水の停滞性の改善)におい
ては、水の流動交換における流速度の垂直分布が、水域
底面の摩擦抵抗により底層部に近いほど低下するため、
底面接触交換水からの堆積物層に対する酸素の供給効率
は高くなく、また、水域の水深が増加すればするほど急
速な底質改善は望めなくなる。さらに、水域底部に凹凸
がある場合には、たとえ全体を流動させても凹み部分の
水の交流は非常に悪い。
また、第2の方法(堆積物の除去)においては、水域が
広範囲に及びかつ水深もさまざまで、莫大な作業量と経
費を要するほか、浚渫した堆積物とそれに伴う余水の処
理、処分が必要であり、また、かかる処理、処分に伴う
埋め立て廃棄場所等の規制の問題があり、一般的な解決
策とは言い難いものがある。さらにまた、この浚渫によ
り堆積物を除去した場合、底層部の還元層部分が新たに
露出してしまうために、底生生物の繁殖はその還元層が
酸化するまでの長い時間を必要とする。加えて、新たに
沈殿堆積する有機物により酸素が消費されるので、浚渫
効果は短命である。養殖漁場の浚渫工事は、その工事の
期間中と水域底面が酸化されるまでの間養殖を停止しな
ければならないので、実用的ではない。
さらにまた、第3の方法(酸素の供給〉も問題をかかえ
ている。従来の酸素供給方法についてみると、表面機械
曝気方式では水深の浅い水域は別として、酸素を溶解さ
せた表層水を水深の深い底層部分にまで循環させること
に問題があり、水深が深くなるほど困難になる。また、
気泡による曝気方式では、気泡曝気に伴うエアリフト作
用による上昇流により、酸素が溶解された水は表層部に
移行し、底層部への酸素供給は表層部から底層への循環
流により行われるので、水深が深くなるほど酸素の供給
は困難である。さらにまた、気泡による曝気は、気泡の
吹き出し水深が溶解効率と特に係わりを持っている。溶
解効率を支配する圧力条件4′!、気泡吹き出し部位と
水面までの水深の1/2に相当する圧力により規定され
ている。この水深による圧力条件が増加すると、吹き込
みに必要な空気圧としては、その水深の圧力を上回らな
ければならない。それは非常に大きな動力消費を必要と
している。しかも酸素溶解水は表層に上昇移行するので
、沈殿堆積汚濁物の分解にその酸素は直接寄与し得ない
以上に詳述したように、従来の水域底層部の環境改善方
法はいずれも、実用的難しい問題を数多くかかえている
。本発明の目的は、したがって、水域底層部に対して酸
素供給を効率よく行い得る方法及び装置を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、従来の方式に代り得る新しい酸素供給方式
を見い出すべく鋭意研究の結果、水域表層部の水を送水
機を用いて、水域の表層部と底層部を連通ずる送水管を
介して、水域の底から少くとも30cm1lれた位置に
乱流で供給してその部位で吐出させることを特徴とする
、酸素の供給により水域底層部の環境を改善する方法を
見い出した。
また、本発明によれば、上記のような方法であって、送
水機に達する前の水域表層部の水に酸素含有気体を気泡
の形で混合して送水管内の水流に前記気泡を同伴させ、
よって、送水管から吐出される水を高酸素溶解水となす
ことを特徴とする方法も提供される。
さらにまた、本発明によれば、酸素の供給により水域底
層部の環境を改善する装置であって、下記の手段: 環境改善水域にほぼ垂直に配設されるものであって、そ
の配設時に送水管の下端が水域の底から少くとも30c
m離れた位置に達し得る長さを有しかつ内径が一定な送
水管、 前記送水管を水域の所定の個所に吊り下げかつ安定的に
固定するための送水管定置手段、そして前記送水管の上
端近傍に設置されるものであって、その運転時に水域表
層部の水を水域の底層部に移送する能力を有する送水機
、 を有してなることを特徴とする、水域底層部の環境を改
善する装置も提供される。
さらにまた、本発明によれば、上記のような装置であっ
て、送水機に達する前の水域表層部の水に酸素含有気体
を混合可能な散気手段が前記送水機の上方に設置されて
いることを特徴とする装置も提供される。
本発明による新しい酸素の供給は、溶存酸素濃度の高い
表層水を、酸素を必要としている底層部に直接送り込む
ことにより行われる。この表層水の送り込みは、表層水
を水域底層部に効率よく移送する送水管と送水のための
送水機及び関連の設備とを用いて行われる。送水管は、
流速変化の発生を回避するため、内径を均一にすること
が好ましい。送水管の内径の好ましい範囲は、環境改善
水域の深さや汚染度、併用する送水機の能力といった種
々のファクタに依存するというものの、−般に約30〜
300cmである。
また、送水管の長さは水域の深さに依存して任意に変更
し得るというものの、一般には、配設時、送水管の下端
(放水口)が水域の底から少くとも30ca+離れた位
置に達し得る長さであることが好ましい。これは、表層
水が水域の底に吹き付けられた時にことさらな泥等の巻
き上げを防止したり、底層水中への表層水の効率の良い
分散を確保したりするために必須である。送水管の下端
は、より好ましくは、水域の底から60cmもしくはそ
れ以上の位置に任意に設定される。
さらにまた、送水管の上端(吸水口)の位置は特に限定
されないというものの、送水管の内径や単位時間当りの
送水量を考慮しかつ特に水位の変化に十分に対応し得る
ように配慮しなければならない。すなわち、特に一部の
海水域においては潮の満ち干による水位の変動がはなは
だしいので、たとえ干潮時でも十分に表層水の取り込み
ができるように配慮しなければならない。本発明者らは
、送水管の上端は水域の表面(海水域等の場合は干潮時
の水面を基準とする)から少くとも30cm離れた位置
とするのが好ましいということを見い出した。送水管の
上端は、さらに好ましくは、水域の表面から約50〜1
50cmの位置に設定される。
送水管は、その設置個所の条件や移設等を考慮している
いろな材料から形成することができる。
例えば、湖水域ではさほど強度、耐錆性を考慮しなくて
もよいけれども、海水域では、長期間にわたって安定に
使用可能とするため、機械的及び化学的強度にすぐれ、
銹などに強い材料を使用しなければならない。適当な送
水管材料としては、例えば、キャンパス地などの布帛、
塩化ビニルなどのプラスチック材料、そしてFRP材料
などをあげることができる。また、この送水管はその長
さに応じて、1本で構成してもよく、さもなければ2本
もしくはそれ以上の管ユニットをフランジ接合するなど
して構成してもよい。送水管の移設などを考慮すると、
送水管が伸縮自在であることが好ましい。また、送水管
は、その平端部前方に邪魔板(バッフル板)を装備する
のが好ましい。邪魔板は水の分散装置、整流装置として
の役割があり、また、水流による底面洗掘による泥の巻
き上げを防止するよう、位置の調整が可能である。邪魔
板の材料及び形状は、化学工学の分野で一般的に用いら
れているもののなかから任意に選ぶことができる。
送水管は、使用時、環境改善水域にほぼ垂直に配設され
る。しかし、必要に応じて、送水管を傾斜させて使用し
ても、もしも所期の効果が得られるのであるならば、さ
しつかえない。また、送水管は、それを水域の所定の個
所に吊り上げかつ安定的に固定するため、任意の送水管
定置手段を併用する。送水管定置手段はいろいろな構成
とすることができ、例えば、アンカーや係留体などでイ
カダ等の浮体を定置したうえで、その浮体から送水管を
ワイヤなどで吊り下げることができる。
送水管の上端近傍には送水機、一般にはプロペラもしく
はスクリュウ型の送水機が設置される。
送水機の設置個所は、その送水機の能力や送水管の長さ
及び内径などによって変更し得るというものの、一般に
送水管上端からおおむね50〜100cm離れているの
が好ましい。送水機の送水管内部への取り付けは、例え
ば、溶接やビス止めなどによって行うことができる。送
水機は、その運転時に水域表層部の水を水域底層部に乱
流で十分に移送し得る能力を有していなければならない
。この送水機の能力を送水速度に関して規定すると、一
般に5〜400cm/秒、特に5〜250cm/秒であ
ることが好ましい。送水機には、その駆動動力の供給の
ため、自家発電装置を接続する。適当な自家発電装置と
しては、例えば太陽電池、風力発電機などがあげられる
けれども、陸地に近い水域等においては、送水機を陸上
の電源からのコードに接続してもよい。後者の場合、例
えば深夜電力を有効利用するなどのメリットがある。ま
た、自家発電装置を使用する場合には、その装置を浮体
上などに取り付けることが一般的である。
本発明はいかなる水深の水域にも有利に適用することが
できるけれども、一般には水深2〜60mの水域に適用
した時に満足すべき効果を得ることができる。水深が6
0mを土建ると、水圧のかなりの上昇を避けることがで
きないので、表層水を水域底層部に期待通りに送り込む
ことができないばかりか、送水機の駆動や送水管の固定
等にかなりの経費をかけなければならない。
本発明のもう■つの面において、本発明による新しい酸
素の供給は、溶存酸素濃度の高い表層水を水域底層部に
直接送り込むことに加えて、表層水の位置の移動により
水圧で酸素を溶解させた水を底層部に送り込むことによ
り行われる。すなわち、この場合には、水域表層部の水
を送水管内に設置された送水機によりその管内を乱流状
態で流動通通せしめると同時に、送水機によるエゼクタ
作用により酸素含有気体を吸引することにより、あるい
は送水機上部に設置した散気手段から発生した気泡を混
入せしめることにより、水流に気泡を同伴させて、酸素
を水に圧力溶解させて水域底層部に供給する。ここで、
前者の場合には、送水機のエゼクタ作用による酸素含有
気体の吸引効果を高めるため、送水機上部の送水管部分
をベンチ、 IJ−管の如く部分的に絞り込むことが推
奨される。絞りの程度は広範囲に変更できるが、4 m
m程度が好ましい。また、後者の場合には、適当な散気
手段、例えばデイフユーザなどを送水機の上方に設置し
て、散気手段から発生した気泡を約30〜300m/秒
、好ましくは50〜260m/秒の流速で水流に同伴混
合することが推奨される。
本発明による環境改善装置は、送水機に散気手段を併用
しない場合も併用する場合も基本的にはほぼ同一である
。しかし、散気手段を併用する場合には、気泡の水流へ
の同伴混合をより効果的に行うため、次のような変更を
加えることが好ましい。
(1)散気手段は、送水管の上端ないし上端から約30
cm銀源の間の任意の位置に設置すること。
(2)管内の送水速度は約50cm/秒以上であること
(3)空気を酸素供給源として使用する場合には、気泡
の混合比率は溶解水の吹き出し水深(送水管の下端の位
置)によって変化するので、水深1m(0,1気圧)当
りの気液混合比率を空気が0.2〜0.4容量%となる
ように調整する。
(4)酸素濃度が90%程度の気体、すなわち、酸素富
化ガスを酸素供給源として使用する場合には、水深1m
(0,i気圧)当りの気液混合比率を気体が0.05〜
0.08容量%となるように調整する。
(5〉散気手段から吹き出される気泡のサイズは061
〜4fflflIとして、好ましくは2〜3mmである
〔作 用〕
本発明による新しい酸素の供給方式は、前記した通り、
溶存酸素濃度の高い表層水を酸素を必要としている底層
部に直接送りこむことにより行われる、また、この場合
の酸素の供給量は表層部から底層部に移送する水量とそ
れに含まれる溶存酸素濃度により決定される。
通常、底層部に移送される表層水の溶存酸素濃度は、植
物の光合成作用による酸素を含む場合は別として、大気
と圧力が平衡している飽和状態にある。また、空気を微
細気泡として表層部から水流に同伴することにより、水
深増加に伴う圧力の増大により、ヘンリーの法則に従っ
た溶存酸素飽和濃度の増加がある。このような溶存酸素
濃度の高い水を多量に移送することにより、底層部と水
底面に対する酸素供給が可能である。また、底面に直接
酸素濃度の高い供給水が接触することにより底面下層部
の還元層に対して酸素が拡散するので、底質は酸化層が
発達し有機物分解が促進されて、無酸素及び貧酸素氷塊
の発生は抑制されるので、底生生物などに好適な環境条
件が形成される。
海底の堆積物による海底面における酸素消費量を、本発
明による方法で処理した前と後の測定値を次の第1表に
示す。処理は直径400mmの送水管により、30cm
/秒の速度で表層水を底層に15日間連続流送しておこ
なったものである。なお、測定点(A)及び(B)はハ
マチ養殖漁場であり、そして測定点(C)は都市下水に
よる内湾汚染水域である。
第1表 海底堆積物による酸素の消費量 (酸素消費量=02mg/m″・時) 1〉処理前 底部水温(℃) 酸化層厚み(a++n) 2)処理後 底部水温(℃) 酸化層厚み(n+[[l) 360 1 50 19.2 6 30 18.5 90 17.0 2 また、上記に関連して、各測定点における処理の前後に
おける溶存酸素濃度の鉛直分布をプロットしたものを第
3図に示す(なお、この図において、水深は潮位の影響
で変化していることを理解されたい)。また、それぞれ
の測定点における鉛直採泥結果から、酸化層が発達して
還元層(黒色の硫化物含有層)が後退していることが判
った。
本発明によれば、上記のように溶存酸素が十分に含まれ
ている表層水を底層部に移送することにより、堆積物の
有機物分解に必要な酸素を供給することにより、有機物
分解の促進による酸素消費量の減少と底質還元性物質の
酸化による酸化層の発達が認められ、底生生物に好適な
環境に改善することができた。ちなみに、この試験によ
る改善範囲は直径70mにも及んでおり、その外側区域
では処理前と同じ水準の酸素消費量を示した。
さらに、本発明においては、上記のような酸素供給方式
に加えて、気泡からの酸素溶解効率が水深による圧力に
支配されることを利用して、気泡の上昇速度以上の流速
により気泡を同伴することにより溶存酸素濃度を高めて
水域底層部に供給することも行う。すなわち: 酸素の水に対する溶解量が圧力に支配されることはヘン
リーの法則で明確である。水深の深い部位に空気を送り
こむには、その圧力に応じた動力消費を必要としている
。つまり、圧力と動力消費量とはほぼ比例関係にある。
水面に近い層に空気を送りこむ場合には圧力が低いため
、これに必要とする所要動力は少なくてよい。本発明で
は、筏などの浮体に設置した、表層水を下層に移送する
送水管とプロペラもしくはスクリュウ型の送水機設備と
を使用し、水流によるエゼクタ作用による吸引空気気泡
もしくは送水管上部で移送水に送風機からの空気または
酸素富化ガス気泡を混合させ、水圧(圧力)の高い底層
部位に気泡を同伴搬送することにより、搬送水深の圧力
条件下で、それが持つ酸素溶存分圧に等しい分圧近くま
で酸素を溶解させて、通常の水域では見られない高酸素
溶解水を作成するものである。
表面の大気圧と平衡状態の溶存酸素に対して、増加圧に
比例して溶存酸素量は増加させられる。
搬送する気体は微細気泡とし、空気量や酸素富化ガス量
としては必要水深に見合った酸素飽和濃度に全量が溶解
できるものとする。空気を対象とした場合には、必要吹
込み空気量としては、20℃の温度条件下で水深10m
(1気圧)当りについて、移送水量当り2容量%を標準
として混入する。
移送木管は好ましくは水面下50cmから(,5mの間
に上端を設置し、管の上下端はどちらも同一内径とする
。これは気泡同伴水流速を均一に保つために必要な条件
である。管の内径が部分的に異なると水の流速を変化さ
せるので、気泡の上昇速度最大値35cm/秒を相対的
に上回る送水速度をどの部分においても保持する必要か
ら、均一であることが必須がある。送水機は送水管の内
部に設置する。気体吸引の場合には送水機の直下にエゼ
クタを設置する。気泡発生機による気泡の吹込みの場合
には送水管上端から30cm以深の部分に散気設備を設
置して送気する。
この一連の操作により、大気圧条件の飽和酸素濃度で規
定されている酸素濃度限界を超えた高溶存酸素濃度の水
を底層部に混入拡散できるので、底層部を効率よく好気
性条件に改善保持することができる。
〔実施例〕
第1図は、本発明による環境改善装置の好ましい一例を
示した略本図である。送水管lは内径が均一なFRP製
円筒体であり、ワイヤ4及び5を介して浮体2から水域
9に垂下されている。また、浮体2は図示される通りに
内部が中空なFRP製フロートの形をしており、ワイヤ
6を介してアンカー3で所定水域に安定的に定置されて
いる。なお、アンカー3は水底10上で、必要に応じて
移動可能である。送水管1の下部にはその管から吐出さ
れる水の分散装置として邪魔板8が取り付けられており
、また、この邪魔板8は、水流による底面洗掘による泥
の巻き上げを防止するよう、位置及び形状の調整が可能
になっている。また、送水管1の内部上方には送水機7
が設置されていて、水域9の表層水を図中矢印で示され
るように底層部に移送可能である。また、この送水機7
には、その運転に必要なエネルギを供給するため、浮体
2上に設置された自家発電設備(図示せず)からの電源
コードが接続されている。
また、第2図は、本発明による環境改善装置のもう1つ
の好ましい例を示した略示図である。送水管11は内径
が均一なキャンパス製円筒体であり、ワイヤ14及び1
5を介して浮体12から水域9に垂下されている。この
例の浮体12は発泡プラスチックH1のいかだの形をし
ており、ワイヤ16を介して係留体13で所定水域に安
定的に定置されている。
保留体13はコンクリート製であり、台風などの場合に
も浮体12が流されないよう、水底10に埋め込まれて
いる。送水管11の下部には前記第■図の場合と同様、
邪魔板18が取り付けられている。なお、これらの邪魔
板8(第1図)及び18(第2図)はケースバイケース
で取り付けられていても取り付けられていなくてもよい
。また、送水管11の内部上方には送水機17及び散気
手段としてのデイフユーザ20が設置されている。送風
機21からの空気がデイフユーザ20にて気泡として散
気される。気泡は、図中矢印で示される水流に同伴され
て、水域9の表層部から底層部に移送され、また、その
際、深度の増加に伴う圧力での分圧条件で平衡溶解する
。なお、図示しないけれども、送水機17及び送風機2
1には浮体12上に設置された自家発電設備からの電源
コードが接続されている。
例1 本例では、第2図に示した環境改善装置の使用について
説明する。
内径40cm、長さ35mのキャンパス製送水管に、送
水能力4.5m’/分及び流速0.58m/秒の送水機
を設置した。送水機の軸動力は1.0kW、回転数は1
330rpmであった。送風機は風量が0.4N−m’
/分、吐出圧力1500mm/水柱のものを使用した。
送風機の動力は0.75kWであった。デイフユーザは
2001/分のものを二連で使用した。気液比率は10
:1であった。
気泡を送水管の送水機の運転により吸い込ませ、水深1
0m間隔での溶存酸素濃度の測定を行った。
得られた結果を次の第2表に示す。なお、試験水域は淡
水で、水温20℃、溶存酸素濃度はDOメーターにより
測定した。
第  2 表 水深と溶存酸素濃度 二の結果から、空気の同伴溶解は酸素供給量を飛躍的に
増加させるということが明らかである。
〔発明の効果〕
本発明によれば、水域底層部に酸素を容易かつ十分に供
給することができるので、湖や内湾などの水域で貧もし
くは無酸素氷塊が発達するのを完全に防止することがで
き、したがって、養殖漁業の発展などに大きく貢献する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による環境改善装置の好ましい一例を
示した略示図、 第2図は、本発明による環境改善装置のもう1つの好ま
しい例を示した略示図、・そして第3図は、溶存酸素濃
度の鉛直分布をプロットしたグラフである。 図中、■は送水管、2は浮体、3はアンカー、4.5及
び6はワイヤ、7は送水機、8は邪魔板、9は水域、モ
して10は水底である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、水域表層部の水を送水機を用いて、水域の表層部と
    底層部を連通する送水管を介して、水域の底から少くと
    も30cm離れた位置に乱流で供給してその部位で吐出
    させることを特徴とする、酸素の供給により水域底層部
    の環境を改善する方法。 2、送水機に達する前の水域表層部の水に酸素含有気体
    を気泡の形で混合して送水管内の水流に前記気泡を同伴
    させ、よって、送水管から吐出される水を高酸素溶解水
    となすことを特徴とする、請求項1に記載の方法。 3、酸素の供給により水域底層部の環境を改善する装置
    であって、下記の手段: 環境改善水域にほぼ垂直に配設されるものであって、そ
    の配設時に送水管の下端が水域の底から少くとも30c
    m離れた位置に達し得る長さを有しかつ内径が一定な送
    水管、 前記送水管を水域の所定の個所に吊り下げかつ安定的に
    固定するための送水管定置手段、そして前記送水管の上
    端近傍に設置されるものであって、その運転時に水域表
    層部の水を水域の底層部に移送する能力を有する送水機
    、 を有してなることを特徴とする、水域底層部の環境を改
    善する装置。 4、送水機に達する前の水域表層部の水に酸素含有気体
    を混合可能な散気手段が前記送水機の上方に設置されて
    いることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
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