JP2002058343A - 減反政策における発芽玄米飼料の供給方法 - Google Patents

減反政策における発芽玄米飼料の供給方法

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JP2002058343A JP2001267200A JP2001267200A JP2002058343A JP 2002058343 A JP2002058343 A JP 2002058343A JP 2001267200 A JP2001267200 A JP 2001267200A JP 2001267200 A JP2001267200 A JP 2001267200A JP 2002058343 A JP2002058343 A JP 2002058343A
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Takao Momose
孝夫 百瀬
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OMUSUBI KORORIN HONPO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】減反対象の田に作付けを行った転作作物として
の飼料用稲から得られた玄米を、毒素の問題もなく、栄
養価の高い発芽玄米として与えられる飼料を得ることが
できる減反政策における発芽玄米飼料の供給方法を提供
すること。 【解決手段】減反対象の田に、食料用稲の転作作物とし
て飼料用稲の作付けを行い栽培し、収穫した飼料用稲を
脱穀して取り出した玄米から発芽玄米を製造し、該発芽
玄米を飼料として又は飼料の構成成分として用いる減反
政策における発芽玄米飼料の供給方法であって、発芽玄
米の製造方法が特定の構成の薄層・短時間・滅菌(殺
菌)処理であることを特徴とする減反政策における発芽
玄米飼料の供給方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、減反政策によって
食料用稲の作付けを行っていない田を利用して飼料用稲
の作付けを行い、収穫した飼料用稲から発芽玄米を製造
して飼料として供給する技術に関する。尚、本明細書に
おいて、「%」は特に断りのない限り「重量%」を表
す。
【0002】
【従来技術】1970年代から始まった米の生産調整で
ある減反政策によって、水田の休耕地化や他の作物への
転作化が行われている。
【0003】稲作を行わなくなった稲田を休耕地のまま
にしておくと荒れ地化が急速に進むだけでなく土地がや
せてしまうため、いざ稲作を再開しようにも、すぐには
復帰できる状態とはならない。
【0004】また、休耕地とはせずに転作作物の作付け
を行った場合、該転作作物として麦、大豆、たばこ等を
選択して栽培を行った場合、連作障害によって土地がや
せてしまうという問題点を有している。
【0005】一方、食料用稲と栽培方法が同じで連作障
害のない飼料用稲が知られている。飼料用稲を休耕地で
栽培する場合、この飼料用稲は、食料用稲と栽培方法が
同じであるだけでなく、食料用稲を栽培していた水田が
有している貯水能力や有害微生物廃絶機能などの多面的
機能をも同様に維持することができる。
【0006】更に飼料用稲の栽培は、大豆やたばこ等の
他の転作作物の連作によって既にやせてしまった土壌の
クリーニング作用を有していることも判っている。
【0007】このような飼料用稲は、子実が完熟する前
の黄熟期に籾も葉も茎も分けずに全て刈り取って飼料化
する、いわゆる稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレー
ジ)として用いられることが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は転作作物と
して栽培した飼料用稲を稲発酵粗飼料ではなく、栄養学
的に優れている発芽玄米の状態で飼料として用いること
により合成飼料等に頼らない安全な状態での栄養補給・
成長促進が可能な飼料化について検討した。
【0009】しかし、発芽玄米は玄米を吸水させ加温培
養して得られるものであり、発芽適温の30〜38℃の
培養は、同時に細菌類の繁殖適温でもあるので、セレウ
ス菌などが増殖して吐出される毒素が発芽玄米に蓄積さ
れる。家畜やペット等の動物は、人間より毒素に弱いと
されており、飼料用の玄米や白米(精米)では菌数が少
ないために毒素の吐出がなく、問題にならない毒素につ
いても、発芽培養した後には格別の配慮が必要となる。
従って、栄養価の高い発芽玄米であっても、この問題を
解決しないと飼料として利用できないことが判明した。
【0010】そこで、本発明の課題は、転作作物として
の飼料用稲から得られた玄米を、毒素の問題もなく、栄
養価の高い発芽玄米として与えられる飼料を得ることが
できる減反政策における発芽玄米飼料の供給方法を明ら
かにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の構成
によって解決される。
【0012】1.減反対象の田に、食料用稲の転作作物
として飼料用稲の作付けを行い栽培し、収穫した飼料用
稲を脱穀して取り出した玄米から発芽玄米を製造し、該
発芽玄米を飼料として又は飼料の構成成分として用いる
減反政策における飼料の供給方法であって、発芽玄米の
製造方法が下記構成であることを特徴とする減反政策に
おける発芽玄米飼料の供給方法。 [発芽玄米の製造方法](1)玄米を清浄水で洗浄処理
後、(2)浸漬或いはシャワー浴などにより、玄米の水
分含有量が概ね40%となるまで吸水処理し、(3)つ
いで吸水玄米に培養前殺菌処理を施し、(4)吸水玄米
を10cm以内の薄層で盛りつけた上で、30〜38
℃、10〜13時間の範囲において発芽培養処理し、
(5)胚芽部分の発芽に伴う膨出により表皮の一部が破
裂ないし欠損し乍ら芽の部分が表皮の外部に露出しない
か、又は芽が3mm以下の露出状態で発芽活動を停止・
殺菌処理すること。
【0013】2.前記発芽玄米の製造方法中の(2)吸
水処理及び(3)培養前殺菌処理が、次亜塩素酸ソーダ
0.05%を含む清浄水で行なわれることを特徴とする
上記1に記載の減反政策における発芽玄米飼料の供給方
法。
【0014】3.前記発芽玄米の製造方法中の(3)培
養前殺菌処理が、減圧及び加圧に耐える密閉タンク内に
吸水玄米を10cm以内の薄層で盛りつけたトレイを収
納し、密閉タンクの空気を吸引除去してから、水に可溶
性の炭酸ガスを封入して吸水玄米の浸漬水のpHを微酸
性にして行われることを特徴とする上記1又は2に記載
の減反政策における発芽玄米飼料の供給方法。
【0015】4.前記発芽玄米の製造方法中の(5)発
芽活動の停止・殺菌処理が、減圧及び加圧に耐える密閉
タンク内に温度制御可能な多段の加温盤を設けた構成に
おいて、10〜13時間発芽培養し、胚芽部分の発芽に
伴う膨出により表皮の一部が破裂しながら、芽が概ね3
mm以上外部に露出しない状態で加温を停止し、加温盤
を80℃以上(好ましくは100℃〜120℃)に昇温し
て10〜20分間殺菌することによって行われることを
特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の減反政策にお
ける発芽玄米飼料の供給方法。
【0016】5.前記発芽玄米の製造方法中の(5)発
芽活動の停止・殺菌処理が、減圧及び加圧に耐える密閉
タンク内に温度制御可能な多段の加温盤を設けた構成に
おいて、10〜13時間発芽培養した最適発芽状態で加
温盤を80℃以上(好ましくは100℃〜120℃)に昇
温して10〜20分間殺菌処理を行った後、真空脱気を
行うことにより発芽玄米に付着している水分の気化潜熱
により、15℃以下(好ましくは10℃以下)に冷却す
ることによって行われることを特徴とする上記1〜3の
いずれかに記載の減反政策における発芽玄米飼料の供給
方法。
【0017】6.前記発芽玄米の製造方法中の(5)発
芽活動の停止・殺菌処理が、出来上がった発芽玄米を洗
浄してから、減圧及び加圧に耐える密閉タンクに納めて
80℃以上(好ましくは100〜120℃)に昇温して
10〜20分間殺菌し、これを24時間以上、例えば袋
に納めたまま常温に放置した後、再度同条件で加熱殺菌
を行う間歇殺菌により、有胞子細菌を無菌化することを
特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の減反政策にお
ける発芽玄米飼料の供給方法。
【0018】7.収穫した飼料用稲を発芽させた後、水
分15%以下に乾燥した後に脱穀して発芽玄米を得るこ
とを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の減反政策
における発芽玄米飼料の供給方法。
【0019】本発明の作用は、次の通りである。 (1)培養時間13時間(従来比8〜10時間短縮)以
内とし、培養中の菌増殖を抑制すること。 (2)次亜塩素酸ソーダによる初期殺菌とpH酸性化に
よる中間滅菌により滅菌培養すること。 (3)発芽玄米を洗浄後加圧殺菌し、再度24時間後に
間歇加圧殺菌して芽胞菌を無菌化すること。 本発明が注目したセレウス菌(Bacillus ce
reus)嫌気性芽胞性グラム陽性桿菌は、1×107
/g〜1×1010/gの菌量の摂取で動物が食中毒を起
こす。土壌に1×102/g〜1×106/g分布してい
て、減反対象の田から収穫した玄米も汚染されている。
玄米の段階では菌数が少ないので無害であるが、発芽玄
米の製造工程で1×107/g以上に増殖すると毒素を
吐出し、最終工程で殺菌しても毒素が残るので危険であ
る。本発明は、発芽工程における培養液菌数を1×10
6/g以下に抑える新製法である。玄米を酸性水洗浄と
次亜塩素酸ソーダの吸水処理により初期殺菌、次いで薄
層培養により均一発芽させるため、約13時間で最適発
芽状態に達するので、有害菌の増殖も発芽終了時で1×
106/g以下に抑えられる。更にCO2pH酸性化によ
る中間滅菌を施すことにより、13時間培養後でも1×
103/g以下の菌の少ない発芽玄米を得ることが可能
である。
【0020】本発明の好ましい実施態様は次の通りであ
る。
【0021】1.前記発芽玄米の製造方法中の(2)吸
水処理が、(A)減圧及び加圧に耐える密閉タンクを減
圧して行われ、または(B)減圧及び加圧に耐える密閉
タンクを減圧後、無害の炭酸ガス又は窒素ガスを封入し
て嫌気状態で行われること。
【0022】2.前記発芽玄米の製造方法中の(3)培
養前殺菌処理が、減圧及び加圧に耐える密閉タンク内に
吸水玄米を盛りつけたトレイを収納し、発芽促進のため
の加温を開始する前に、密閉タンク内の空気を吸引除去
してからオゾンを封入することにより行われること。
【0023】3.前記発芽玄米の製造方法中の(4)発
芽培養処理の温度制御が、吸水玄米を10cm以内の薄
層で盛りつけたトレイ(皿)を多段式キャリッジ(棚台
車)に積載して密閉室内に収納し、全てのトレイが30
℃〜38℃の範囲の温度環境に置かれるように空気循環
を実施することによって行われること。
【0024】4.前記発芽玄米の製造方法中の(4)発
芽培養処理の温度制御が、密閉室内に温度制御可能な多
段の加温盤を設けて、吸水玄米を10cm以内の薄層で
盛りつけたトレイを加温盤の間に挿入して、全てのトレ
イが30℃〜38℃の範囲の温度環境に置かれるように
加温盤の温度を制御して発芽を促進し、発芽可能な玄米
の全粒をムラなく均一に発芽させることにより発芽所要
時間を短縮することによって行われること。
【0025】5.前記密閉室が、減圧及び加圧に耐える
密閉タンク又は常圧で外気を遮断できる気密室であるこ
と。
【0026】6.前記発芽玄米の製造方法中の(4)発
芽培養処理の温度制御が、密閉室内に吸水玄米を10c
m以内の薄層で盛りつけたトレイを収納し、これを加温
して発芽を促進する際、給水玄米が浸る程度に水を加え
ることにより、水面から露出した発芽玄米が空気に触れ
て変色しないように実施することによって行われるこ
と。
【0027】7.前記発芽玄米の製造方法中の(4)発
芽培養処理の温度制御が、密閉室内に吸水玄米を10c
m以内の薄層で盛りつけたトレイを収納し、これを加温
して発芽を促進する際、浸る程度に水に浸漬した玄米が
水面に露出すると変色するので、これを防止するため
に、トレイの表面を布または耐熱性プラスチックシート
で覆って培養することによって行われること。
【0028】8.前記発芽玄米の製造方法中の(4)発
芽培養処理の温度制御が、減圧及び加圧に耐える密閉タ
ンクを減圧して低酸素状態で行われること。
【0029】9.前記発芽玄米の製造方法中の(4)発
芽培養処理の温度制御が、減圧及び加圧に耐える密閉タ
ンクを一旦真空にしてから窒素ガス又は炭素ガスを封入
して嫌気状態で行われること。
【0030】10.前記発芽玄米の製造方法中の(4)
発芽培養処理における培養時間の短縮が、減圧及び加圧
に耐える密閉タンク内又は常圧の気密室内に吸水玄米を
10cm以内の薄層で盛りつけたトレイを収納した後、
発芽の進行に伴い発生し、浸る程度に水に浸漬状態の吸
水玄米層に残留して発芽現象を阻害するガスを吸引除去
し、その後、無菌濾過空気を封入するなどで発芽環境を
最適状態に保ちつづけることで行われること。
【0031】11.減反対象の田に、食料用稲の転作作
物として飼料用稲の作付けを行い栽培し、収穫した飼料
用稲を脱穀・籾摺して取り出した玄米から下記の製造方
法によって発芽玄米を製造し、該発芽玄米を飼料として
又は飼料の構成成分として用いること。 [発芽玄米の製造方法](1)玄米を有機酸又は無機酸
でpH3.0〜6.0の微酸性に調整された清浄水で洗
浄処理後、(2)浸漬或いはシャワー浴などにより、玄
米の水分含有量が概ね40%となるまで吸水処理し、
(3)吸水玄米を約10cm以内の薄層でトレイにも盛
りつけ、(4)密閉室または減圧及び加圧に耐える密閉
タンクに収納し、(5)吸水玄米が浸る程度に水を加
え、(6)発芽促進のための加温を開始する前に、密閉
室または密閉タンク内空気を吸引除去してから炭酸ガス
を封入して吸水玄米の浸漬水のpHを微酸性にし、
(7)全てのトレイが30℃〜38℃の範囲の温度環境
に置かれるように温度を制御して10〜13時間に亘っ
て発芽を促進し、(8)胚芽部分の発芽に伴う膨出によ
り表皮の一部が破裂しながら、芽が概ね3mm以上外部
に露出しない状態で加温を停止し、密閉タンクにあって
は真空脱気により発芽玄米に付着している水分の気化潜
熱により15℃以下に冷却して発芽培養を停止し、
(9)清浄水で水洗し、(10)80℃以上(好ましく
は100℃〜120℃)に昇温して10分〜20分間殺
菌し、(11)密閉タンク内で真空脱気を行って発芽玄
米に付着している水分の気化潜熱により、15℃以下
(好ましくは10℃以下)に冷却し、(12)更に20
時間以上経過後に、再度80℃以上(好ましくは100
℃〜120℃)に昇温して10分〜20分間殺菌し、
(13)密閉タンク内に収納して真空脱気を行って発芽
玄米に付着している水分の気化潜熱により、15℃以下
(好ましくは0℃以下)に冷却して冷蔵保存すること。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る減反政策にお
ける発芽玄米飼料の供給方法について詳述する。
【0033】図1は本発明にかかる減反政策における発
芽玄米飼料の供給方法の一実施例を示すブロック図であ
る。図1に示すように本発明は、減反対象の田に、食料
用稲の転作作物として飼料用稲の作付けを行い栽培し、
収穫した飼料用稲を脱穀して取り出した玄米から発芽玄
米を製造し、該発芽玄米を飼料として又は飼料の構成成
分として用いるものである。用いられる玄米は脱穀した
後のものを用いることが好ましいが、脱穀前に下記工程
によって発芽した後に水分15%以下に乾燥後、脱穀し
た発芽玄米も本発明に包含される。
【0034】発芽玄米の製造方法としては、下記の製造
方法が好ましい。以下、図2及び図3に基づき発芽玄米
の好ましい製造方法について説明する。但し、以下に
「玄米」とは、上記飼料用稲から得た玄米をいう。図2
は本発明に用いられる玄米の処理工程を示すブロック
図、図3は本発明に用いられる玄米の処理工程の代表例
を示す概略説明図である。
【0035】第1工程(洗浄処理) 清浄水にて玄米の洗浄を行う。洗浄処理は、清浄水は有
機酸又は無機酸でpH3.0〜6.0の微酸性に調整
し、その温度は15℃以下であることが好ましい。
【0036】第2工程(吸水処理) 洗浄処理が終了した玄米を水切りし、次亜塩素酸ソーダ
0.05%を添加した水温15℃程度の清浄水に10〜
15時間浸漬し、浸漬玄米の水分含量が概ね40%とな
るまで吸水処理を行うと同時に殺菌処理を行うことが好
ましい。
【0037】吸水処理は、減圧及び加圧に耐える密閉タ
ンクを300Torr以下に減圧して行うことで、発根
生長を抑えるほか吸水時間も短縮できる。または脱気し
たのち無害の窒素ガスを封入して嫌気状態で行われるこ
とも好ましい。
【0038】第3工程(培養前殺菌処理) 培養前殺菌処理は、次塩素酸ソーダ0.05%添加によ
る他、減圧及び加圧に耐える密閉タンク内に浸漬玄米を
盛りつけたトレイを収納し、発芽促進のための加温を開
始する前に、密閉タンク内空気を吸引除去(減圧は約3
00〜30Torrの範囲が好ましい。)してから、オ
ゾンを封入することにより行われることも好ましい。
【0039】培養前殺菌処理は、減圧及び加圧に耐える
密閉タンクの空気を吸引除去してから、水に可溶性の炭
酸ガスを封入して、吸水玄米の浸漬水のpHを微酸性に
して行われてもよい。この場合、次亜塩素酸ソーダ0.
05%液との併用により殺菌効果が高まる。
【0040】第4工程(発芽培養処理) 発芽培養処理における温度制御は、吸水玄米を10cm
以内の薄層(5cm以内の薄層が好ましい)で盛りつけ
たトレイ(皿)を多段式キャリッジ(棚段台車)に数十
枚積載して密閉室内に収納し、全てのトレイが30℃〜
38℃の範囲の温度環境に置かれるように、特に、この
30℃〜38℃内の特定温度±2℃未満の範囲内の温度
環境(以下、30℃〜38℃の範囲の一定の温度環境と
いう。)に置かれるように空気循環を行うことが好まし
い(図3上半部参照)。
【0041】発芽培養処理における温度制御は、減圧及
び加圧に耐える密閉タンク内に温度制御可能な多段の加
温盤を設けて、吸水玄米を10cm以内の薄層(5cm
以内の薄層が好ましい)で盛りつけたトレイを加温盤と
加温盤の間に挿入して、全てのトレイが30℃〜38℃
の範囲の一定の温度環境に置かれるように加温盤の温度
を正確に制御して発芽を促進し、発芽可能な玄米の全粒
をムラなく均一に発芽させることにより、目的とする成
分の蓄積がムラなくかつ短い所要時間で可能となる。し
かも菌の増殖を1×106/g以下に抑えられる(通常
の製造方法では20〜24時間かかるが、本製造方法に
よると大幅に時間短縮でき、10〜13時間の範囲内で
終了できる)。
【0042】発芽培養処理において、吸水玄米を盛りつ
けたトレイを加温して発芽を促進する際、吸水玄米が水
面に露出すると加温空気に触れて変色するので、これを
防止するために、吸水玄米が浸る程度の水を加え、また
トレイの表面を布又は耐熱性プラスチックシートで覆っ
て培養することが好ましい。
【0043】また、発芽促進の培養処理において、減圧
及び加圧に耐える密閉タンクを一旦真空(減圧は約30
0〜30Torrの範囲が好ましい。)して低酸素状態
で行われ、又無害の窒素ガスを封入して嫌気状態で行わ
れることも好ましい。
【0044】更に又、発芽培養処理における培養時間の
短縮は、常圧又は減圧及び加圧に耐える密閉タンク内に
吸水玄米を盛りつけたトレイを収納した後、発芽の進行
に伴い発生し、水に浸漬状態の吸水玄米層に残留して発
芽現象を阻害するガスを吸引除去し、代わりに、無菌濾
過空気を封入して発芽環境を最適状態に保ちつづけるこ
とで行われることが好ましい。
【0045】第5工程(発芽活動の停止・殺菌処理) 次に、発芽活動の停止・殺菌処理は、減圧及び加圧に耐
える密閉タンク内に温度制御可能な多段の加温盤を設け
た発芽促進装置を用いて、発芽玄米が最適発芽状態とな
った時点で、加温盤を80℃以上(好ましくは100℃
〜120℃)に昇温して10分間以上殺菌することによ
って行われることが好ましい。
【0046】また、発芽活動の停止・殺菌処理は、温度
制御可能な多段の加温盤を設けた減圧及び加圧に耐える
密閉タンクを用いて、最適発芽状態で加温盤を80℃以
上(好ましくは100℃〜120℃)に昇温して10分間
以上殺菌処理を行った後、真空脱気(減圧300Tor
r〜30Torrの範囲が好ましい)を行うことにより
発芽玄米に付着している水分の気化潜熱により、無菌的
に短時間で15℃以下(好ましくは10℃以下)に冷却
することによって行われることが好ましい(通風冷却で
は冷却空気中の菌により、汚染される恐れがある)。
【0047】本発明における玄米の発芽は、鞘葉部分の
生長を主眼としており、胚芽部分の表皮が3mm以下、
好ましくは0.5〜1mm程度膨出し、表皮の一部が破
裂乃至欠損した段階を最適発芽状態として、発芽培養処
理を終了することが好ましい。
【0048】本発明に係わる発芽玄米の製造方法では、
吸水処理乃至発芽培養処理を低酸素状態で行なうことが
好ましい。低酸素状態の維持は、例えば、減圧及び加圧
に耐える密閉タンクで行い、減圧にして低酸素状態と
し、または減圧にしてから窒素ガス置換を行なうこと
で、発根生長を抑えた良質の発芽玄米の生産ができる。
【0049】本発明における無菌発芽玄米製造法におい
ては、減圧および加圧に耐える密閉タンクを用いて、第
三工程の吸水玄米の培養前殺菌処理、第四工程の発芽促
進の培養処理及び第五工程の発芽活動の停止・殺菌処理
まで、同一装置内で一貫して実施することも好ましい。
【0050】以上、工程ごとに詳述したように、本発明
に用いられる無菌発芽玄米の製造方法は、第二工程(吸
水処理)で次亜塩素酸ソーダ(0.05%)を添加した
水温15℃程度の清浄水に10〜15時間浸漬して無菌
吸水し、第三工程(培養前殺菌処理)で炭酸ガスを封入
して浸漬水のpHを微酸性にして減菌し、または密閉タ
ンクにオゾンを封入して培養前殺菌を行い、第四工程
(発芽培養処理)で容易に洗浄殺菌できるトレイに吸水
玄米を薄層で盛りつけ、短時間培養を行なって均一発芽
させることにより、発芽所要時間を大幅に短縮して、菌
の相対的増殖と毒素の蓄積を抑え、第五工程(発芽活動
の停止・殺菌処理)で80℃以上(好ましくは100℃
〜120℃)に昇温して殺菌を行なうことにより、発芽
のバラツキ、即ち有効成分のバラツキが少なく、成分蓄
積の多い無菌発芽玄米を飼料として提供できる。
【0051】発芽玄米の製造方法において最も好ましい
実施態様は、(1)玄米を、pH3.0〜6.0の微酸
性の清浄水で洗浄処理後、(2)次亜塩素酸ソーダ0.
05%を添加した水温15℃程度の清浄水に10〜15
時間浸漬して、水分含有量が40%程度となるまで吸水
処理し、(3)吸水玄米を洗浄・殺菌したトレイに、1
0cm以内(望ましくは5cm以内)の薄層で盛りつ
け、(4)減圧及び加圧に耐える密閉タンクに収納し、
(5)吸水玄米が浸る程度にトレイに水を加え、(6)
トレイの表面を布又は耐熱性シートで覆って、(7)発
芽促進の加温を開始する前に、密閉タンク内の空気を吸
引除去してから炭酸ガスを封入して吸水玄米の浸漬水の
pHを微酸性にし、(8)全てのトレイが30℃〜38
℃、10〜13時間の範囲の一定の温度環境に置かれる
ように温度を制御して短時間発芽を促進し、(9)最適
発芽状態において、密閉タンク内の加温棚を80℃以上
(好ましくは100℃〜120℃)に昇温して10〜20
分間殺菌し、(10)密閉タンクを真空脱気すること
で、発芽玄米に付着している水分の気化潜熱により無菌
的に短時間で15℃以下(好ましくは10℃以下)に冷
却して常温に保持し、(11)24時間以上経過後に、
加圧殺菌装置に収納して、再度80℃以上(好ましくは
100℃〜120℃)に昇温して10〜20分間殺菌
し、(12)再度密閉タンク内に収納して真空脱気を行
うことにより、無菌的に短時間で15℃以下(好ましく
は0℃以下)に冷却した後、保冷保蔵することである。
【0052】本発明の製造法によって得られた発芽玄米
は、未発芽の玄米とは異なり、発芽により表皮が僅か欠
損し、かつ従来の大型タンクに大量の培養液と玄米を投
入して攪拌しながら発芽させる方法と異なり、発芽玄米
の成分分解物や蓄えられた微量栄養素が培養液中に再滲
出して失われることが少ない利点がある。更に洗浄、吸
水、培養前、培養後の各工程で殺菌処理を実施すること
により、雑菌増殖による異臭発生、毒素汚染の害を防止
できる。また培養は薄層で行うため、均一発芽が可能
で、従って全ての玄米粒の成分も略均一となるため、他
の製造法と比べて培養時間を大幅に短縮でき、培養時間
が短いことで毒素の発生も抑制できる利点がある。
【0053】詳しく述べれば、次の利点がある。 (1)培養時間13時間(従来比8〜10時間短縮)以
内で全粒の均一発芽が可能であるため、培養中の菌増殖
を抑制できる。 (2)次亜塩素酸ソーダによる初期殺菌と炭酸ガス吸入
によるpH酸性化による中間滅菌により減菌培養が可能
である。 (3)発芽玄米を密閉タンクに収納したままで、培養後
引続き加圧殺菌し、これをタンク外に保存しておき、再
度24時間後に間歇加熱殺菌して芽胞菌を無菌化するこ
とも可能である。 (4)セレウス菌(Bacillus cereus)
嫌気性芽胞性グラム陽性桿菌は、土壌に1×102/g
〜1×105/g分布していて本発明に用いる玄米も例
外なく汚染されているが、本発明は、発芽工程における
培養液菌数を1×106/g以下に抑える新製法であ
り、玄米を次亜塩素酸ソーダの吸水処理により初期殺
菌、次いで薄層培養法により高精度の温度管理を行って
均一発芽を促して13時間以下で最適発芽状態に達する
ので、有害菌の増殖も発芽終了時で106/g以下に抑
えられる。 (5)更に炭酸ガス封入pH酸性化による中間滅菌を施
すことにより、1×10 3/g以下まで減菌可能であ
る。
【0054】上記の製造方法によって得られ、上記の利
点及び効果を有する発芽玄米を家畜用又はペット用の飼
料として用いるには、そのまま用いてもよいし、粉・粒
体・ペレット体等として用いてもよい。また、炊飯(加
熱処理を含む)してそのまま団塊化し、又は炊飯後乾燥
した状態で圧扁し、更に粉・粒化して用いてもよい。
【0055】また、飼料の配合成分として用いるには、
そのままの含水状態で他の原料と混合してもよいし、粉
・粒体・ペレット体等として混合して用いてもよい。他
の原料と混合する場合、炊飯(加熱処理を含む)してそ
のまま、又は炊飯後乾燥した状態で、若しくはその後圧
扁し、更に粉・粒化して用いてもよい。混合した後、他
の原料と共に加熱処理してもよい。例えば、下記のドッ
グフード・キャットフード等の穀類又は穀粉類として用
いれればよい。
【0056】ドッグフードやキャットフードは、取り扱
いが便利ではあるが嗜好性に劣るドライフード及びセミ
モイストフードと、嗜好性に優れたウェットフード等の
形で製造されたものがある。ドライフードは、トウモロ
コシや小麦粉等の穀類又は穀粉類にミートミール、チキ
ンミール、大豆油絞り滓、ビール酵母、各種ビタミン、
カルシウム等のミネラル類を加え、加圧下で加熱しつつ
混練し、押し出し成形機(エクストルーダー)でペレッ
ト状に成形され、必要に応じ、これに嗜好性を付与する
ために各種の肉汁や内蔵から得たエキス類、バターや牛
脂等の油脂類、フレーバー等をコーティングして得られ
るものであり、また、セミモイストフードは、ドライフ
ードと基本的に同じ配合原料に保湿剤や防黴剤等の薬品
を加え、若干異なる製法によって得られるものであり、
ウェットフードは缶詰に充填して得られるものである。
本発明では、これらのドッグフードやキャットフード、
その他飼料に配合することができる。
【0057】家畜用の飼料としては、従来から知られて
いる公知公用の家畜飼料と同様の方法によって得られる
ものに、上記の製造方法によって得られた発芽玄米を、
そのまま或いは乾燥後に粉砕等して用いることができ
る。
【0058】本発明によれば、発芽玄米から得られる飼
料は、従来の飼料製造と同様の条件で加熱処理を行うこ
とができるので、他の共存する原料の栄養成分を損なう
ことなく、発芽玄米の持つ豊富な栄養成分を消化し易い
形態で飼料化が可能となる。例えば、ドッグフードやキ
ャットフード等のペットフードの場合において、従来は
別途に添加していたビタミン類やミネラル成分等が、発
芽玄米の成分中に安定した形態で保持されている他、神
秘的とも言える発芽効果で神経伝達物質ギャバ(γアミ
ノ酪酸)は玄米の5倍以上に増加している他、ビタミン
E、トコトリエノール等の抗酸化物質の生成が報告され
ている。このためペットフード自体の酸化変質を防止し
ながら飼料としての効果を高めることが可能となる。
【0059】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0060】実施例1 (1)回転羽根を備えたSUS製の攪拌槽に、ホシュタ
カ、タカナリ、ふくひびきの三種の飼料用米から得られ
た玄米(残留農薬を検出しない玄米)4kg(水分含量
15%)を投入し、清浄水(水温17℃)で洗浄する。 (2)同攪拌槽に次亜塩素酸ソーダ0.05%添加した
清浄水(水温17℃)を貯溜し、洗浄玄米を投入して1
2時間に亘って吸水処理を行い、水分含量41%の無菌
吸水玄米5.7kgを得る。 (3)吸水玄米5.7kgを洗浄殺菌したトレイ(0.
7m×0.5m)に盛りつけ(約3cmの層)、約5リ
ットルの無菌水をトレイに注入して、吸水玄米が水面に
出ないようにし、表面を布で覆ってから、真空タンク中
に設けた加温盤と加温盤の間に挿入した(図2下半部参
照)。 (4)次いで真空タンク内の空気を吸引除去してから、
炭酸ガス封入して培養前殺菌処理を施し、次いで35℃
±2℃で13時間の温度管理を行ったところ、0.5〜
1.0mmの均一な発芽が確認された。 (5)発芽活動停止のため、清浄水で洗浄、水切り後、
加圧蒸煮釜に納めて105℃で15分間蒸気殺菌を行っ
て、5.5kgの蒸煮発芽玄米が得られた。 (6)これを−30℃に急速冷凍した後、最高品温50
℃まで真空凍結乾燥処理を行って、水分含量1.5%の
乾燥発芽玄米3.15kgが得られた。
【0061】三種の飼料用米から得られた発芽玄米から
調製した飼料を豚に3ヶ月間与えた。
【0062】比較例1 実施例1と同様に栽培された三種の飼料用米から得られ
た同様の玄米を未発芽状態のまま飼料を調製し、別区画
の豚に3ヶ月間与えた。
【0063】実施例1は比較例1に比べて、健康状態及
び生育状態がよく、体重増加率が10%高かった。
【0064】実施例2 実施例1と同様の発芽玄米を粉砕したもの10%と、粗
粉砕したトウモロコシ粉30%と、小麦粉10%と、ミ
ートミール15%と、チキンミール15%と、乾燥オカ
ラ粉末10%と、炭酸カルシウム3%と、牛骨粉4%
と、食塩その他のミネラル及びビタミン3%とを混合し
て粉砕機にかけて粉砕した後、これに高温蒸気と水を加
えて水分含量を30%前後に調整し、エクストルーダー
において高温高圧下で混練して成形ダイから押し出しつ
つ、7mm前後に切断機によって切断し、更に熱風乾燥
機によって水分が10%程度になるように乾燥してドラ
イドッグフードを得た。得られたドライドッグフード
を、犬に3ヶ月間与えた。
【0065】比較例2 実施例1と同様に栽培された三種の飼料用米から得られ
た同様の玄米を未発芽状態のまま粉砕したものに代えた
以外は実施例2と同様にしてドライドッグフードを調製
し、実施例2と同品種の犬に3ヶ月間与えた。
【0066】実施例2は比較例2に比べて、健康状態及
び生育状態がよく、体重増加率が高く、さらに毛の艶が
増しているのが目視で確認できた。
【0067】実施例3 実施例1と同様の発芽玄米を粉砕したもの20%と、ト
ウモロコシ20%と、小麦粉15%と、フィッシュミー
ル15%と、チキンミール15%と、乾燥オカラ粉末5
%と、ビール酵母5%と、炭酸カルシウム2%と、ミネ
ラル及びビタミン3%とを混合して粉砕機にかけて粉砕
した後、これに高温蒸気と水を加えて水分含量を30%
前後に調整し、加熱加圧式押し出し機によってペレット
化し、乾燥機によって水分が10%程度になるように乾
燥してドライキャットフードを得た。得られたドライキ
ャットフードを、猫に3ヶ月間与えた。
【0068】比較例3 実施例1と同様に栽培された三種の飼料用米から得られ
た同様の玄米を未発芽状態のまま粉砕したものに代えた
以外は実施例3と同様にしてドライキャットフードを調
製し、実施例3と同品種の猫に3ヶ月間与えた。
【0069】実施例3は比較例3に比べて、健康状態及
び生育状態がよく、体重増加率が高く、さらに毛の艶が
増しているのが目視で確認できた。
【0070】セレウス菌が食中毒原性を発揮するために
は、少なくとも1×107/g〜1×1010/gの菌の
摂取が必要である。病原性は下痢性のエンテロトキシン
(腸管毒)、嘔吐毒、セレオリジン(溶血毒)、ホスホ
リバーゼCなどの毒素によって発現する。
【0071】実施例1〜3によって得られた発芽玄米
は、上記エンテロトキシン(腸管毒)、嘔吐毒、セレオ
リジン(溶血毒)、ホスホリバーゼCなどの毒素が1×
106/g以下の1×103/gであった。
【0072】実施例1において、培養時間を16時間に
したところ、上記エンテロトキシン(腸管毒)、嘔吐
毒、セレオリジン(溶血毒)、ホスホリバーゼCなどの
毒素が1×10-6/gを超える1×107/gであっ
た。
【0073】
【発明の効果】本発明に係る減反政策における飼料の製
造方法によれば、食料用稲の作付けが行われていない減
反中の田を利用して、食料用稲と同じ栽培方法の飼料用
稲を栽培して得られた玄米から減菌培養により毒性のな
い発芽玄米を製造し、該発芽玄米を飼料として又は飼料
の構成成分として用いることにより、栄養学的に優れた
飼料が製造可能となるのは勿論、発芽玄米中に生成蓄積
されたビタミンE、トコトリエノール等の抗酸化物質
や、神経伝達物質ギャバが天然状態で動物の口に入るた
め、従来のような合成飼料等に頼らない安全な状態での
栄養補給・成長促進が期待でき、しかも本発明によれ
ば、発芽玄米が毒性を持たないので、減反政策における
休耕田から安全な飼料が製造可能となる。
【0074】更に飼料と用いられる発芽玄米は、詳しく
述べれば、次の利点がある。 (1)吸水玄米を、トレイに盛りつけるので清浄、殺菌
が容易である。 (2)10cm以下の薄層で培養すること、就中5cm
程度の薄層で培養することが好ましく、これによって吸
水玄米全体が均一に加温できる利点がある。 (3)培養温度は、(30〜38℃)±2℃未満で精度
よく温度制御するので、発芽が均一となり、このように
発芽を均一にすると、粒毎の成分も均一となり、また、
大幅な培養時間短縮によりセレウス菌が抑制され、毒物
の吐出が行われない効果もある。 (4)吸水玄米が浸る程度の水を加え、表面を布又は耐
熱性プラスチックで覆う態様によれば、一旦蓄積された
成分が再び培養液に成分移行することが少なく、かつト
レイ表面の発芽玄米も変色しない利点がある。 (5)最適発芽状態で、加温棚を80℃以上(好ましく
は100℃〜120℃)に昇温して殺菌する態様によれ
ば、加温培養に引き続き殺菌できるので、人手がかから
ない利点がある。 (6)耐圧タンクを、真空にして冷却する態様によれ
ば、通常行われているコンベア方式の通風冷却に比べて
菌の二次汚染が防止できる。 (7)殺菌は、1)洗浄時、2)吸水時、3)加温前、
4)培養後に行うので、いわゆる「無菌発芽玄米」が得
られる。特に、1回目は「洗浄から加温前までに」、2回
目は培養終了後に、2回行うので、いわゆる無菌発芽玄
米が得られる。
【0075】更にまた飼料として用いられる発芽玄米か
らは、特に、次の効果が得られる。 (1)トレイ等の培養容器が清浄・殺菌容易であって、
培養装置からの雑菌汚染が無い。 (2)薄層培養で均一加熱ができるので、粒毎の発芽の
バラツキが少なく、従って適温管理可能のため、短時間
(13時間以内)で培養終了し、成分蓄積も良好である。
この点、大量の培養液に大量の玄米を投入して発芽させ
る従来方法では、発芽玄米に蓄えた有効成分が培養液中
に再移行損失することとなる。また、従来方法のような
15時間を超える培養時間ではセレウス菌が急激に増殖
し毒素を吐出して発芽玄米を汚染することになる。 (3)加温開始前に、次亜塩素酸0.05%で殺菌後、
真空にして無害の炭酸ガスを封入する態様によると滅菌
効果は相乗的に高まることが判明した。 (4)培養→殺菌→真空冷却→フリーズドライまで、一
貫生産が可能でコストダウンできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる減反政策における発芽玄米飼料
の供給方法の一実施例を示すブロック図
【図2】本発明による発芽玄米の処理工程を示すブロッ
ク図
【図3】本発明による発芽玄米の処理工程の代表例を示
す概略説明図

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減反対象の田に、食料用稲の転作作物とし
    て飼料用稲の作付けを行い栽培し、収穫した飼料用稲を
    脱穀して取り出した玄米から発芽玄米を製造し、該発芽
    玄米を飼料として又は飼料の構成成分として用いる減反
    政策における飼料の供給方法であって、発芽玄米の製造
    方法が下記構成であることを特徴とする減反政策におけ
    る発芽玄米飼料の供給方法。 [発芽玄米の製造方法](1)玄米を清浄水で洗浄処理
    後、(2)浸漬或いはシャワー浴などにより、玄米の水
    分含有量が概ね40%となるまで吸水処理し、(3)つ
    いで吸水玄米に培養前殺菌処理を施し、(4)吸水玄米
    を10cm以内の薄層で盛りつけた上で、30〜38
    ℃、10〜13時間の範囲において発芽培養処理し、
    (5)胚芽部分の発芽に伴う膨出により表皮の一部が破
    裂ないし欠損し乍ら芽の部分が表皮の外部に露出しない
    か、又は芽が3mm以下の露出状態で発芽活動を停止・
    殺菌処理すること。
  2. 【請求項2】前記発芽玄米の製造方法中の(2)吸水処
    理及び(3)培養前殺菌処理が、次亜塩素酸ソーダ0.
    05%を含む清浄水で行なわれることを特徴とする請求
    項1に記載の減反政策における発芽玄米飼料の供給方
    法。
  3. 【請求項3】前記発芽玄米の製造方法中の(3)培養前
    殺菌処理が、減圧及び加圧に耐える密閉タンク内に吸水
    玄米を10cm以内の薄層で盛りつけたトレイを収納
    し、密閉タンクの空気を吸引除去してから、水に可溶性
    の炭酸ガスを封入して吸水玄米の浸漬水のpHを微酸性
    にして行われることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の減反政策における発芽玄米飼料の供給方法。
  4. 【請求項4】前記発芽玄米の製造方法中の(5)発芽活
    動の停止・殺菌処理が、減圧及び加圧に耐える密閉タン
    ク内に温度制御可能な多段の加温盤を設けた構成におい
    て、10〜13時間発芽培養し、胚芽部分の発芽に伴う
    膨出により表皮の一部が破裂しながら、芽が概ね3mm
    以上外部に露出しない状態で加温を停止し、加温盤を8
    0℃以上(好ましくは100℃〜120℃)に昇温して1
    0〜20分間殺菌することによって行われることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の減反政策におけ
    る発芽玄米飼料の供給方法。
  5. 【請求項5】前記発芽玄米の製造方法中の(5)発芽活
    動の停止・殺菌処理が、減圧及び加圧に耐える密閉タン
    ク内に温度制御可能な多段の加温盤を設けた構成におい
    て、10〜13時間発芽培養した最適発芽状態で加温盤
    を80℃以上(好ましくは100℃〜120℃)に昇温し
    て10〜20分間殺菌処理を行った後、真空脱気を行う
    ことにより発芽玄米に付着している水分の気化潜熱によ
    り、15℃以下(好ましくは10℃以下)に冷却するこ
    とによって行われることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の減反政策における発芽玄米飼料の供給方
    法。
  6. 【請求項6】前記発芽玄米の製造方法中の(5)発芽活
    動の停止・殺菌処理が、出来上がった発芽玄米を洗浄し
    てから、減圧及び加圧に耐える密閉タンクに納めて80
    ℃以上(好ましくは100〜120℃)に昇温して10
    〜20分間殺菌し、これを24時間以上、例えば袋に納
    めたまま常温に放置した後、再度同条件で加熱殺菌を行
    う間歇殺菌により、有胞子細菌を無菌化することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の減反政策におけ
    る発芽玄米飼料の供給方法。
  7. 【請求項7】収穫した飼料用稲を発芽させた後、水分1
    5%以下に乾燥した後に脱穀して発芽玄米を得ることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の減反政策に
    おける発芽玄米飼料の供給方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011193858A (ja) * 2010-03-24 2011-10-06 National Agriculture & Food Research Organization γ−アミノ酪酸含有飼料とその製造方法、並びにそれを用いた家畜の飼育方法
CN110447340A (zh) * 2019-08-30 2019-11-15 王小改 一种牲畜发芽饲料的制作方法

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