JP2002053947A - 真空成膜装置 - Google Patents

真空成膜装置

Info

Publication number
JP2002053947A
JP2002053947A JP2000235377A JP2000235377A JP2002053947A JP 2002053947 A JP2002053947 A JP 2002053947A JP 2000235377 A JP2000235377 A JP 2000235377A JP 2000235377 A JP2000235377 A JP 2000235377A JP 2002053947 A JP2002053947 A JP 2002053947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film forming
substrate
forming apparatus
heating
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000235377A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4459409B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Haji
庸宏 土師
Kiyoshi Takeuchi
清 武内
Yasuhiro Koizumi
康浩 小泉
Kenichi Ogawa
健一 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinmaywa Industries Ltd
Original Assignee
Shin Meiva Industry Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Meiva Industry Ltd filed Critical Shin Meiva Industry Ltd
Priority to JP2000235377A priority Critical patent/JP4459409B2/ja
Publication of JP2002053947A publication Critical patent/JP2002053947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4459409B2 publication Critical patent/JP4459409B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 板状の基材に所定温度で蒸着膜を形成する場
合に、基材に対する蒸着膜の付着力低下を防止すること
が可能な真空成膜装置を提供する。 【解決手段】 板状の基材8の一方の主面に蒸着膜を形
成する真空成膜装置1であって、真空チャンバ2と、真
空チャンバ2内に配設された、基8材を保持するための
基材ホルダ3と、真空チャンバ2内に、基材ホルダ3に
保持される基材8の一方の主面を望むように配置され
た、蒸着膜形成材料を蒸発させるための蒸発装置9と、
基材ホルダ3に保持される基材8の他方の主面を加熱す
るための加熱装置20と、基材ホルダ3に保持される基材
8の一方の主面にビーム状の加熱光14を照射するための
加熱光照射装置105とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空成膜装置に関
し、特に板状の基材の片面に所定温度で蒸着膜を形成す
るものに関する。
【0002】
【従来の技術】真空成膜装置は、真空チャンバ内に基材
ホルダと蒸着膜形成材料からなる蒸発源とが対向するよ
うに配置され、蒸発源から蒸着膜形成材料を蒸発させな
がらそれを基材ホルダに保持された基材の表面に凝縮さ
せて蒸着膜を形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、真空成膜工
程を経て完成される製品の中には、保護膜を有するレン
ズ、ミラーのように、板状の基材の片面に所定温度下で
蒸着膜を形成するものがある。このような製品用の真空
成膜装置では、基材ホルダの背後に加熱ヒータが設けら
れ、その加熱ヒータで板状の基材の背面(蒸着膜を形成
する側と反対側の面)を加熱して、その基材を所定の温
度に維持しながら蒸着膜を形成する。
【0004】しかし、基材の厚みが厚い場合には、該基
材の厚み方向の温度勾配が大きくなって、蒸着膜を形成
する側の面の温度上昇が不十分となり、蒸着された膜の
基材への付着力が弱くなるという問題があった。
【0005】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、板状の基材に所定温度で蒸着膜を
形成する場合に、基材に対する蒸着膜の付着力低下を防
止することが可能な真空成膜装置を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る真空成膜装置は、板状の基材の一方の
主面に蒸着膜を形成する真空成膜装置であって、真空チ
ャンバと、該真空チャンバ内に配設された、上記基材を
保持するための基材ホルダと、上記真空チャンバ内に、
該基材ホルダに保持される上記基材の上記一方の主面を
望むように配置された、蒸着膜形成材料を蒸発させるた
めの蒸発装置と、上記基材ホルダに保持される上記基材
の他方の主面を加熱するための加熱装置と、上記基材ホ
ルダに保持される基材の上記一方の主面にビーム状の加
熱光を照射するための加熱光照射装置とを備えたもので
ある(請求項1)。ここで、本明細書では、加熱光とは
対象物に照射してそれを加熱するための光を意味し、ま
た、光とは可視光のみならず赤外光(赤外線)や紫外光
(紫外線)等の非可視光をも含む意味である。かかる構
成とすると、板状の基材を、背面側からだけでなく、蒸
着膜形成面側からも加熱光で加熱することができるの
で、蒸着膜形成面を容易に所要の温度に維持することが
できるため、基材に対する蒸着膜の膜特性の悪化、例え
ば付着力低下等を防止することができる。また、加熱光
がビーム状であるので光源からの距離が大きくなっても
光強度の低下が少なく、遠くから対象物を加熱すること
ができるため、蒸着膜形成材料の加熱光照射装置への付
着や二次蒸発をほとんど生じることなく、蒸着膜形成を
行うことができる。その結果、良質な蒸着膜を得ること
ができる。
【0007】この場合、上記加熱光がレーザ光であるも
のとしてもよい(請求項2)。かかる構成とすると、容
易にビーム状の加熱光を得ることができ、かつ容易に加
熱容量の大きな加熱光照射装置を得ることができる。
【0008】また、上記レーザ光がCO2レーザにより
発生させたレーザ光であるものとしてもよい(請求項
3)。かかる構成とすると、CO2レーザで発生したレ
ーザ光はほとんどの材質の物で吸収されるので、広範囲
の基材を加工することができ、かつ基材ホルダも同時に
加熱されるので、基材ホルダへの放熱による基材温度の
不均一化を防止することができる。
【0009】また、上記レーザ光が、横断面における出
力密度が略均一なものであるものとしてもよい(請求項
4)。かかる構成とすると、基材の主面のレーザ光照射
部分における出力密度が略均一になるため、基材を略均
一に加熱することができる。
【0010】また、上記加熱光照射装置は、上記レーザ
光を、上記真空チャンバの壁部に配設されたレーザ光を
透過可能な窓を通じて照射するものとしてものよい(請
求項5)。かかる構成とすると、加熱光照射装置を真空
チャンバ外に配置することができるため、蒸着膜形成材
料の加熱光照射装置への付着や二次蒸発を確実に防止す
ることができる。
【0011】この場合、上記窓の上記真空チャンバの内
外を仕切る仕切部材が、上記レーザ光の性状を変化させ
るレンズで構成されてなるものとしてもよい(請求項
6)。かかる構成とすると、所要のレンズが窓の仕切部
材を兼ねるので、構成を簡素化することができる。
【0012】この場合、上記窓は、上記蒸発装置の蒸着
膜形成材料蒸発部から遮蔽されるように配設されてなる
ものとしてもよい(請求項7)。かかる構成とすると、
蒸着膜形成材料の窓への付着や二次蒸発を低減すること
ができ、窓の仕切部材の交換頻度を低減することができ
る。
【0013】また、上記基材ホルダは、ある回転軸の周
りに回転可能に構成され、上記加熱光照射装置は、上記
レーザ光の光軸を上記基材ホルダの回転の半径方向に揺
動可能に構成されてなるものとしてもよい(請求項
8)。かかる構成とすると、レーザ光のスポット径を小
さくすることができ、より均一に多数の基材を加熱する
ことができる。
【0014】この場合、上記加熱光照射装置は、上記レ
ーザ光の光路中に配置されたミラーを所定の回転軸の周
りに回動させることにより、上記レーザ光の光軸を上記
基材ホルダの回転の半径方向に揺動するものとしてもよ
く(請求項9)、また、上記加熱光照射装置は、上記レ
ーザ光の光路中に配置されたレンズを所定の回転軸の周
りに回動させることにより、上記レーザ光の光軸を上記
基材ホルダの回転の半径方向に揺動するものとしてもよ
い(請求項10)。
【0015】また上記の場合、上記加熱光照射装置は、
上記レーザ光を、上記真空チャンバの内面に配設された
ミラーで反射させて上記基材の一方の主面に照射するも
のとしてもよい(請求項11)。かかる構成とすると、
レーザ光を基材に最適に照射するための選択の余地を広
げることができる。
【0016】また、上記の場合、上記加熱光が赤外線で
あるものとしてもよい(請求項12)。かかる構成とす
ると、加熱光照射装置の構成を簡素化することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0018】図1は本実施の形態に係る真空成膜装置の
構成を模式的に示す縦断面図である。図2は集光レンズ
の収束光を揺動せしめる構成を示す図であって、(a)は
側面図、(b)は(a)のA矢視図である。
【0019】本実施の形態では、真空成膜工程を経て得
られる最終製品は、平板状のミラーであり、平板状のガ
ラス基材の片面に、酸化アルミ、フッ化マグネシウム等
からなる蒸着膜が形成されてなるものである。
【0020】図1において、真空成膜装置1は、真空チ
ャンバ2及び加熱光照射装置105を含んで構成されてい
る。
【0021】真空チャンバ2の内部の上部には基材ホル
ダ3が配設されている。基材ホルダ3は、水平方向に延
在する円板状の保持部4の上面中央部に真空チャンバ2
の天井壁を貫通して上方に延びるように回転軸5が配設
され、該回転軸5が軸受け6によって真空チャンバ2の
天井壁に回動自在に取り付けられている。回転軸5の上
端は該回転軸を回転駆動するモータ7に接続されてい
る。基材ホルダ3の保持部4には円形の貫通孔4aが周
方向に所定の間隔で複数穿設され、この貫通孔4a上に
板状の基材8が載置されるようになっている。この基材
8は、上述のように平板状のガラス基材からなってい
る。また、基材ホルダ3の保持部4の材質はレーザ光を
吸収可能でかつ熱伝導率の悪いものが好ましい。具体的
には、例えば、ステンレス、チタン等が用いられる。
【0022】基材ホルダ3の保持部4の上方には加熱ヒ
ータ20が配設されている。加熱ヒータ20は真空チャンバ
2の上部の壁の内面に沿って配設されている。
【0023】真空チャンバ2の内部の下部には、蒸発装
置9が配設されている。蒸発装置9は、本実施の形態で
は抵抗方式によって構成されている。すなわち、容器9
の中に蒸発源10たる蒸着膜形成材料が収容され、図示さ
れない加熱コイルによって加熱溶融されるように構成さ
れている。蒸発源10は基材8の下面を望むように配置さ
れている。つまり、蒸発源10と基材8の下面との間には
他の物が介在しないように構成されている。これは、他
の物が介在すると、その物に蒸着膜形成材料が付着して
そこから二次蒸発し、基材8の下面に形成される蒸着膜
に悪影響を及ぼすからである。
【0024】また、真空チャンバ2の側壁内面には、該
側壁内面と基材ホルダ4の保持部の外周部との隙間を覆
うように遮蔽部材11が配設されている。これは、蒸発源
10から蒸発した蒸着膜形成材料が基材ホルダ3の保持部
4の背後に回り込んで基材8の背面に蒸着されるのを防
止するためである。
【0025】加熱光照射装置105は、レーザ発振器19、
案内筒12を含んで構成されている。真空チャンバ2の側
壁の下部には貫通孔2aが穿設され、該貫通孔2aにレー
ザ光14の案内筒12の一端が接続され、該案内筒12の他端
がレーザ発振器19に接続されている。案内筒12の途中に
は、ミラー18,17、出力密度補正レンズ21、集光レンズ1
6、及び仕切板13が配設されている。なお、真空チャン
バ2の貫通孔2aの断面積は可能な限り小さくするのが
望ましい。断面積が大きいと、後述する仕切板13に付着
する蒸着膜形成材料が多くなるからである。
【0026】レーザ発振器19は、本実施の形態では、C
2レーザで構成されている。CO2レーザで発生したレ
ーザ光は殆どの材質のものに吸収され、それを加熱する
ことが可能であるからである。また、レーザ発振器19
は、略平行光からなるレーザ光14を出射する。ミラー18
は、レーザ発振器19から出射されたレーザ光14をミラー
17に向けて反射するよう配置され、ミラー17は、ミラー
18で反射されたレーザ光14を基材ホルダ3の保持部4の
貫通孔4aに向けて反射するよう配置されている。符号1
5はレーザ光14の光軸を示している。案内筒12はこのよ
うなレーザ光14の経路に沿うように配設されている。出
力密度補正レンズ21は、後述するようにレーザ光14の横
断面における出力密度を均一にするものである。
【0027】集光レンズ16は、ミラー17で反射されたレ
ーザ光14を集光して収束光14aに変えるとともに、後述
するように、その収束光14aの光軸15aを揺動するように
構成されている。
【0028】仕切板13は、ZnSe等のCO2レーザに
よるレーザ光を透過可能な材料で構成され、案内筒12に
気密に取り付けられている。従って、仕切板13の真空チ
ャンバ側は真空に維持され、仕切板13のレーザ発振器側
は大気圧になっている。換言すれば、仕切板13は真空チ
ャンバ2の内外を仕切っている。また、この仕切板13が
真空チャンバ2のレーザ光照射用の窓を構成している。
また、仕切板13は、真空チャンバ2の側壁の貫通孔2a
から案内筒12側に少し引っ込んだ位置に配設されてい
る。これは、真空チャンバ2の側壁の貫通孔2aの下側
部分2bを蒸発源10に対する遮蔽部として利用し、仕切
板13に蒸着膜形成材料が付着して二次蒸発するのを低減
するためである。
【0029】次に、集光レンズ13の収束光14aの光軸15a
を揺動せしめる構成を説明する。図1、図2において、
本実施の形態では、基材ホルダ4の回転軸5の軸芯とレ
ーザ光14の光軸15とは同一の鉛直面内に位置するよう構
成されている。また、集光レンズ16は、片面が凸状に形
成された円板形状を有し、基準状態において、その中心
軸101がミラー17から反射されるレーザ光の光軸15に一
致するように配設されている。そして、集光レンズ16
は、図示されない支持機構によって、その平坦面近傍に
て中心軸101に水平に直交する回転軸102の回りに回動自
在に支持され、かつ図示されない駆動機構によって回動
するよう構成されている。この回動の範囲は、図2(a)
に示すように、集光レンズ16の中心軸101が所定角度θ
1の範囲に亘って揺動し、それにより、図1に示すよう
に、収束光14aの光軸15aが揺動して、収束光14aが、基
材ホルダ3の保持部4の半径方向に所定距離Dの範囲に
亘って往復動するように設定されている。
【0030】次に、出力密度補正レンズ21の機能を図3
を用いて説明する。図3はレーザ光の横断面における径
方向の位置に対する出力の変化、すなわち出力密度を示
す図である。
【0031】図3において、符号31はレーザ発振器19で
発生したままの状態のレーザ光14の出力密度を、符号32
は出力密度補正レンズ21で補正されたレーザ光14の出力
密度を示している。レーザ発振器19で発生したままの状
態のレーザ光14の出力密度31は、図示するように、概ね
中心部から遠ざかるに連れてなだらかに出力密度が減少
する。一方、出力密度補正レンズ21で補正されたレーザ
光14は、中心部からある距離までは出力密度が一定であ
り、そこを過ぎると出力密度が略ゼロになる。つまり、
径方向における出力密度が均一である。従って、このよ
うなレーザ光14を照射することにより、基材8をより均
一に加熱することができる。
【0032】なお、真空チャンバ2及びレーザ発振器19
は図示されない制御部によって自動運転されるように構
成されている。
【0033】次に、以上のように構成された真空成膜装
置の動作を説明する。
【0034】図1、図2において、まず、真空チャンバ
2の基材ホルダ3の保持部4の貫通孔4a上に基材8を
載置する。
【0035】次いで、真空チャンバ2及びレーザ発振器
19を起動する。すると、真空チャンバ2の内部が排気さ
れるとともに基材ホルダ3が回転し、基材8が該基材ホ
ルダ3の回転軸5の回りに回転する。また、加熱ヒータ
20が動作して基材8の上面を加熱する。そして、その状
態で真空チャンバ2内の圧力及び基材8の温度が安定す
るまで待機し、安定すると、レーザ発振器19からレーザ
光14が出射され、基材8の下面に照射される。そして、
その状態で基材8の温度が安定するまで待機し、安定す
ると、蒸発装置9が動作し、蒸発源10から蒸着膜形成材
料が蒸発する。ここで、基材8の温度は、例えば300℃
程度に維持される。これにより、蒸発した蒸着膜形成材
料が基材8の下面に凝縮して付着し、蒸着膜が形成され
る。この際、基材8は背面及び蒸着膜形成面の双方から
加熱されるので、蒸着膜形成面を容易に所要の温度に維
持することができる。そのため、蒸着膜の基材8への付
着力の低下を防止することができる。また、真空チャン
バ2の外部からレーザ光14を照射して基材8を加熱する
ので、蒸発源10と基材8との間に介在する物が存在せ
ず、そのため、蒸着膜形成材料のその介在物への付着や
二次蒸発をほとんど生じることがなく、良質な蒸着膜を
得ることができる。
【0036】図4は基材に照射するレーザ光を揺動する
構成の変形例を模式的に示す図であって、(a)は縦断面
図、(b)はミラーの側面図、(c)は(b)のB矢視図であ
る。
【0037】図4に示すように、本変形例では、ミラー
17が回動するように構成されている。詳しく説明する
と、案内筒12の途中には、ミラー18、コリメータレンズ
33、出力密度補正レンズ21、及びミラー17が配設されて
いる。ミラー18でミラー17に向けて反射された略平行光
のレーザ光14は、コリメータレンズ33でより小さな径の
略平行光に変換され、ミラー17で基材8に向けて反射さ
れる。
【0038】ミラー17は、円板形状を有し、基準状態に
おいて、その中心軸103が鉛直平面内に位置するように
配設されている。そして、ミラー17は、図示されない支
持機構によって、中心軸103に水平に直交する回転軸104
の回りに回動自在に支持され、かつ図示されない駆動機
構によって回動するよう構成されている。この回動の範
囲は、図4(b)に示すように、ミラー17で反射されたレ
ーザ光14bの光軸15bが所定角度θ2の範囲に亘って揺動
し、それにより、図4(a)に示すように、ミラー17で反
射されたレーザ光14bが、基材ホルダ3の保持部4の半
径方向に所定距離Dの範囲に亘って往復動するように設
定されている。
【0039】このような構成としても、図1の場合と同
様に、基材8に照射されるレーザ光14bが基材ホルダの
保持部4の半径方向に揺動し、それにより、基材8がよ
り均一に加熱される。
【0040】図5は仕切部材の変形例を示す縦断面図で
ある。本変形例では、図5に示すように、集光レンズ41
が図1の仕切板13を兼ねている。集光レンズ41は、案内
筒12に気密に固定されており、従って、基材に照射され
る収束光14aは、本変形例では揺動しない。このような
構成とすると、真空チャンバ2の窓部の構成を簡素化す
ることができる。なお、本変形例では集光レンズ41が仕
切板を兼ねたが、図1の出力密度補正レンズ21が仕切板
を兼ねるようにしてもよい。
【0041】図6は基材へのレーザ光照射方法の変形例
を示す縦断面図である。本変形例では、図6に示すよう
に、真空チャンバ2の底壁の内面にミラー34を配設し、
レーザ光14bを、該ミラー34で反射させて、基材ホルダ
3の保持部4の基材8に照射するよう構成されている。
レーザ光14bは、図4の場合と同様にミラー17(図4参
照)で揺動させるように構成されている。もちろんレー
ザ光14bを揺動しないよう構成してもよく、また、レー
ザ光14bは図1の場合のように収束光であってもよい。
このような構成とすると、レーザ光14bを基材8に最適に
照射するための選択の余地を広げることができる。
【0042】次に、基材8の下面を加熱する手段の変形
例を説明する。本変形例では、基材8の下面を加熱する
手段として、ビーム状に形成した赤外線が用いられる。
例えば、赤外線をセラミックヒータで発生させ、その発
生した赤外線をセラミックヒータの背後に設けた反射板
で反射する構成とするとともに、その反射板を適宜な形
状に形成することにより、赤外線をビーム状に形成する
ことができる。この場合、赤外線の出力密度を充分高く
することができるので、離れた位置から基材8の下面を
照射してこれを加熱することができ、従って、図1の場
合と同様の効果を得ることができる。
【0043】なお、本実施の形態では、蒸発装置9を抵
抗加熱方式で構成したが、これを電子ビーム方式、レー
ザ方式、アーク方式で構成してもよい。
【0044】また、本実施の形態では、平板ミラーに本
発明を適用する場合を説明したが、保護膜を有するレン
ズ等、板状基材の片面に蒸着膜を有する他の製品に対し
ても同様に本発明を適用することができる。
【0045】また、本実施の形態では、CO2レーザを
用いたが、他のレーザ、例えばYAGレーザを用いても
構わない。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したような形態で
実施され、以下のような効果を奏する。 (1)蒸着膜形成面を容易に所要の温度に維持すること
ができるので、基材に対する蒸着膜の膜特性の悪化、例
えば付着力低下等を防止することができる。また、遠く
から対象物を加熱することができるため、蒸着膜形成材
料の加熱光照射装置への付着や二次蒸発をほとんど生じ
ることなく、蒸着膜形成を行うことができる。その結
果、良質な蒸着膜を得ることができる。 (2)加熱光がレーザ光であるものとすると、容易にビ
ーム状の加熱光を得ることができ、かつ容易に加熱容量
の大きな加熱光照射装置を得ることができる。 (3)レーザ光がCO2レーザにより発生させたレーザ
光であるものとすると、広範囲の基材を加工することが
でき、かつ基材ホルダへの放熱による基材温度の不均一
化を防止することができる。 (4)レーザ光が、横断面における出力密度が略均一な
ものであるものとすると、基材を略均一に加熱すること
ができる。 (5)加熱光照射装置が、レーザ光を、真空チャンバの
壁部に配設されたレーザ光を透過可能な窓を通じて照射
するものとすると、蒸着膜形成材料の加熱光照射装置へ
の付着や二次蒸発を確実に防止することができる。 (6)窓の真空チャンバの内外を仕切る仕切部材が、レ
ーザ光の性状を変化させるレンズで構成されてなるもの
とすると、構成を簡素化することができる。 (7)窓が、蒸発装置の蒸着膜形成材料蒸発部から遮蔽
されるように配設されてなるものとすると、窓の仕切部
材の交換頻度を低減することができる。 (8)基材ホルダが、ある回転軸の周りに回転可能に構
成され、加熱光照射装置が、レーザ光の光軸を基材ホル
ダの回転の半径方向に揺動可能に構成されてなるものと
すると、より均一に多数の基材を加熱することができ
る。 (9)加熱光照射装置が、レーザ光を、真空チャンバの
内面に配設されたミラーで反射させて基材の一方の主面
に照射するものとすると、レーザ光を基材に最適に照射
するための選択の余地を広げることができる。 (10)加熱光が赤外線であるものとすると、加熱光照
射装置の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る真空成膜装置の構成
を模式的に示す縦断面図である。
【図2】集光レンズの収束光を揺動せしめる構成を示す
図であって、(a)は側面図、(b)は(a)のA矢視図であ
る。
【図3】レーザ光の横断面における出力密度を示す図で
ある。
【図4】基材に照射するレーザ光を揺動する構成の変形
例を模式的に示す図であって、(a)は縦断面図、(b)はミ
ラーの側面図、(c)は(b)のB矢視図である。
【図5】仕切部材の変形例を示す縦断面図である。
【図6】基材へのレーザ光照射方法の変形例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1 真空成膜装置 2 真空チャンバ 2a 貫通孔 3 基材ホルダ 4 保持部 4a 貫通孔 5 回転軸 6 軸受け 7 モータ 8 基材 9 蒸発装置 10 蒸着源 11 遮蔽部材 12 案内筒 13 仕切部材 14,14a,14b レーザ光 15,15a,15b 光軸 16 集光レンズ 17,18 ミラー 19 レーザ発振器 20 加熱ヒータ 21 出力密度補正レンズ 31,32 出力密度 33 コリメータレンズ 34 ミラー 41 集光レンズ 101 中心軸 102 回転軸 103 中心軸 104 回転軸 D 所定距離 θ1,θ2 所定角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小泉 康浩 兵庫県西宮市田近野町6番107号 新明和 工業株式会社開発センタ内 (72)発明者 小川 健一 兵庫県西宮市田近野町6番107号 新明和 工業株式会社開発センタ内 Fターム(参考) 4K029 AA09 BA42 BA44 BD00 CA01 DA08 JA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の基材の一方の主面に蒸着膜を形成
    する真空成膜装置であって、 真空チャンバと、 該真空チャンバ内に配設された、上記基材を保持するた
    めの基材ホルダと、 上記真空チャンバ内に、該基材ホルダに保持される上記
    基材の上記一方の主面を望むように配置された、蒸着膜
    形成材料を蒸発させるための蒸発装置と、 上記基材ホルダに保持される上記基材の他方の主面を加
    熱するための加熱装置と、 上記基材ホルダに保持される基材の上記一方の主面にビ
    ーム状の加熱光を照射するための加熱光照射装置とを備
    えた真空成膜装置。
  2. 【請求項2】 上記加熱光がレーザ光である請求項1記
    載の真空成膜装置。
  3. 【請求項3】 上記レーザ光がCO2レーザにより発生
    させたレーザ光である請求項2記載の真空成膜装置。
  4. 【請求項4】 上記レーザ光は、横断面における出力密
    度が略均一なものである請求項2又は3記載の真空成膜
    装置。
  5. 【請求項5】 上記加熱光照射装置は、上記レーザ光
    を、上記真空チャンバの壁部に配設されたレーザ光を透
    過可能な窓を通じて照射するものである請求項2ないし
    4のいずれか1つの項に記載の真空成膜装置。
  6. 【請求項6】 上記窓の上記真空チャンバの内外を仕切
    る仕切部材が、上記レーザ光の性状を変化させるレンズ
    で構成されてなる請求項5記載の真空成膜装置。
  7. 【請求項7】 上記窓は、上記蒸発装置の蒸着膜形成材
    料蒸発部から遮蔽されるように配設されてなる請求項5
    又は6記載の真空成膜装置。
  8. 【請求項8】 上記基材ホルダは、ある回転軸の周りに
    回転可能に構成され、 上記加熱光照射装置は、上記レーザ光の光軸を上記基材
    ホルダの回転の半径方向に揺動可能に構成されてなる請
    求項5ないし7のいずれか1つの項に記載の真空成膜装
    置。
  9. 【請求項9】 上記加熱光照射装置は、上記レーザ光の
    光路中に配置されたミラーを所定の回転軸の周りに回動
    させることにより、上記レーザ光の光軸を上記基材ホル
    ダの回転の半径方向に揺動するものである請求項8記載
    の真空成膜装置。
  10. 【請求項10】 上記加熱光照射装置は、上記レーザ光
    の光路中に配置されたレンズを所定の回転軸の周りに回
    動させることにより、上記レーザ光の光軸を上記基材ホ
    ルダの回転の半径方向に揺動するものである請求項8記
    載の真空成膜装置。
  11. 【請求項11】 上記加熱光照射装置は、上記レーザ光
    を、上記真空チャンバの内面に配設されたミラーで反射
    させて上記基材の一方の主面に照射するものである請求
    項5ないし10のいずれか1つの項に記載の真空成膜装
    置。
  12. 【請求項12】 上記加熱光が赤外線である請求項1記
    載の真空成膜装置。
JP2000235377A 2000-08-03 2000-08-03 真空成膜装置 Expired - Fee Related JP4459409B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000235377A JP4459409B2 (ja) 2000-08-03 2000-08-03 真空成膜装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000235377A JP4459409B2 (ja) 2000-08-03 2000-08-03 真空成膜装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002053947A true JP2002053947A (ja) 2002-02-19
JP4459409B2 JP4459409B2 (ja) 2010-04-28

Family

ID=18727594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000235377A Expired - Fee Related JP4459409B2 (ja) 2000-08-03 2000-08-03 真空成膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4459409B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114959593A (zh) * 2022-05-30 2022-08-30 咸阳旭光晶圆材料科技有限公司 一种激光晶体镀膜装置及其镀膜方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114959593A (zh) * 2022-05-30 2022-08-30 咸阳旭光晶圆材料科技有限公司 一种激光晶体镀膜装置及其镀膜方法
CN114959593B (zh) * 2022-05-30 2023-09-19 咸阳旭光晶圆材料科技有限公司 一种激光晶体镀膜装置及其镀膜方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4459409B2 (ja) 2010-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4459409B2 (ja) 真空成膜装置
US5468930A (en) Laser sputtering apparatus
JPH08144051A (ja) レーザ・アブレーションを用いた薄膜形成法およびレーザ・アブレーション装置
WO2023079770A1 (ja) 成膜制御装置、成膜装置及び成膜方法
JP4555638B2 (ja) 薄膜蒸着装置
JP2004035958A (ja) 成膜装置
JP6901328B2 (ja) 間接加熱蒸着源
JP2006278846A (ja) 基板加熱装置
JP2002031523A (ja) 薄膜測定装置、薄膜測定方法、および薄膜形成システム
JP2005307302A (ja) 成膜方法
JPH0819517B2 (ja) レ−ザ蒸着方法
TWI720651B (zh) 成膜裝置
JPH0483866A (ja) レーザ蒸着装置
JPH0448070A (ja) レーザpvd装置
JPH0677157A (ja) 導電体層堆積方法及び装置
JP2003201558A (ja) 成膜方法および装置
TW202319561A (zh) 基板前側表面塗佈塗層區域之方法及用於熱蒸鍍系統之設備
JP3433138B2 (ja) ポリテトラフルオロエチレン薄膜及びその作製方法
JP2012153923A (ja) 真空蒸着装置
JP2003096559A (ja) 成膜装置および成膜方法
KR20050109766A (ko) 곡면화된 타겟을 갖는 박막 증착 장치
JPH0368762A (ja) レーザ蒸着装置
JPH02197563A (ja) 真空蒸着装置
JPH11140634A (ja) 光学薄膜成膜装置および光学薄膜成膜方法
WO1999046421A1 (en) Ion assisted electron beam deposition of ring laser gyro mirrors

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060417

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140219

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees