JP2003096559A - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents

成膜装置および成膜方法

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JP2003096559A
JP2003096559A JP2001288312A JP2001288312A JP2003096559A JP 2003096559 A JP2003096559 A JP 2003096559A JP 2001288312 A JP2001288312 A JP 2001288312A JP 2001288312 A JP2001288312 A JP 2001288312A JP 2003096559 A JP2003096559 A JP 2003096559A
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film forming
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JP2001288312A
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Kazuo Kamiya
一夫 上谷
Kiyoshi Takeuchi
清 武内
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Shinmaywa Industries Ltd
Original Assignee
Shin Meiva Industry Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材の構成物質が膜へ拡散するのを防止しつ
つ基材を効果的に加熱することができ、かつ装置の低価
格化および小型化を図ることが可能な成膜装置および成
膜方法を提供する。 【解決手段】 内部に対向するようにターゲット12と
基材13とが配置された成膜装置100の真空チャンバ
1内にレーザ光分配装置16を設けることにより、レー
ザ光発生器3から出射されたレーザ光20を基材13を
加熱するためのレーザ光20aとターゲット12を蒸発
させるためのレーザ光20bとに分配するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成膜装置および成
膜方法に関し、特に、レーザビームをターゲットの蒸発
および基材の加熱に利用するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の成膜装置として、薄膜形成材料か
らなるターゲットを真空チャンバ内に配置し、このター
ゲットにレーザ光を照射することにより薄膜形成材料を
蒸発させるとともにこれを成膜対象の基材表面に析出さ
せて薄膜を形成するように構成されたものがある。
【0003】一方、特開平4−214008号に開示さ
れた成膜装置においては、ターゲットにアプレーション
用レーザビームを照射してターゲットから飛散した粒子
を基材表面に堆積させ薄膜を基材表面に形成するととも
に、基材の加熱のために、アプレーションレーザビーム
とは異なるレーザビーム源から得られた加熱用レーザビ
ームを基材の前記堆積面に向けて照射している。このよ
うなレーザビームによる基材加熱では、基材表面のみが
加熱されるので、ヒータ加熱よりも加熱時間を短縮でき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにターゲットの蒸発に用いるアプレーションレーザビ
ームとは別に基材の加熱に用いる加熱用レーザビームを
設ける場合には、それぞれのレーザビームを出射するレ
ーザ発生器が個々に必要となり、1つの成膜装置に2つ
のレーザ発生器が必要となる。このため、装置全体の価
格が高くなるとともに装置が大型化する。
【0005】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、基材を効果的に加熱して加熱時間
を短縮することができ、かつ装置の低価格化および小型
化を図ることが可能な成膜装置および成膜方法を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る成膜装置お
よび成膜方法は、ターゲットを蒸発させて基材の表面に
実質的にターゲットの材料からなる膜を形成する成膜装
置および成膜方法であって、前記ターゲットと前記基材
とを真空チャンバの内部に配置し、レーザ光発生器から
前記ターゲットを蒸発させるとともに前記基材を加熱す
るためのレーザ光を出射させ、レーザ光分配手段によ
り、前記レーザ光発生器から出射されたレーザ光を前記
基材を照射する第1のレーザ光と前記ターゲットを照射
する第2のレーザ光とに分配するものである(請求項
1,6)。
【0007】かかる構成とすると、レーザ光発生器から
出射されたレーザ光をレーザ光分配手段により第1およ
び第2のレーザ光に分配することができるため、1つの
レーザ光発生器から出射されたレーザ光により基材の加
熱とターゲットの加熱との両方を行うことが可能とな
る。したがって、基材およびターゲットの加熱のために
別々にレーザ光発生器を設ける必要がなく、よって、装
置の低価格化および小型化を図ることが可能となる。
【0008】また、この場合においては第1のレーザ光
により基材の加熱を行うため、基材表面のみが加熱され
るので基材をヒーターで加熱した場合よりも加熱時間を
短縮できる。
【0009】また、前記レーザ光分配手段は、稜部を構
成する第1および第2の反射面を有し、前記稜部を含む
前記第1および第2の反射面に前記レーザ光発生器から
出射されたレーザ光が入射し、前記第1および第2の反
射面で反射されたレーザ光がそれぞれ前記第1および第
2のレーザ光を構成するように配置された反射体を備え
てもよい(請求項2,7)。
【0010】かかる構成とすると、レーザ光発生器から
出射されたレーザ光が、前記反射体の第1および第2の
反射面で反射され、それぞれ第1および第2のレーザ光
に分配される。したがって、このような反射体を備えた
レーザ光分配手段を用いることにより、レーザ光発生器
から出射されたレーザ光を第1および第2のレーザ光に
容易に分配することが可能となる。
【0011】また、前記反射体が、前記反射体に入射す
る前記レーザ光の光軸と前記稜部の延在方向とを含む平
面に非平行な方向に移動可能であってもよい(請求項
3,8)。
【0012】かかる構成とすると、前記反射体を移動さ
せることにより、第1および第2のレーザ光の分配比率
を容易に調整することが可能となる。このため、ターゲ
ットおよび基材のうちのいずれを選択的に加熱するかを
所望により容易に選択することが可能となる。
【0013】また、前記反射体が、前記反射体に入射す
る前記レーザ光の光軸と非平行な軸回りに回転可能であ
っても良い(請求項4,9)また、前記反射体の第2の
面が凹状放物面形状を有し、前記第2の面で反射された
前記第2のレーザ光が集光されて前記ターゲットに照射
されてもよい(請求項5)。
【0014】かかる構成とすると、集光レンズを用いな
くてもターゲット上に第2のレーザ光を集光させること
が可能となるため、集光レンズが不要となる。したがっ
て、装置の小型化が図られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。ここでは、本発明に係る成膜
装置をイオンプレーティング装置に適用する場合につい
て説明する。
【0016】図1は本発明の実施の形態に係る成膜装置
の構成を示す模式図である。
【0017】図1において、成膜装置100は、成膜対
象たる基材13および蒸発源となるターゲット12が内
部の空間に配置される真空チャンバ1と、真空ポンプ2
と、レーザ光発生器3とを備えている。
【0018】真空チャンバ1は排気口18を介して真空
ポンプ2に接続されており、真空チャンバ1の内部の空
間は真空ポンプ2により排気口18を介して排気され、
成膜上所要の真空雰囲気とされる。
【0019】また、レーザ光発生器3は真空チャンバ1
の外部に設けられており、レーザ光発生器3より出射さ
れたレーザ光20は、真空チャンバ1の側部に設けられ
た窓11を通して真空チャンバ1内に導入される。窓1
1は、レーザ光20の波長の光に対して透明な材質で形
成される。このようなレーザ光発生器3は、一般に入手
可能な各種のレーザ発生器を用いることができ、各種の
気体レーザ装置や固体レーザ装置を用いることができ
る。例えば、レーザ光発生器3として、炭酸ガスレーザ
装置やエキシマレーザ装置等の気体レーザ装置の他、Y
AGレーザ等の固体レーザ装置を用いることができる。
【0020】真空チャンバ1内の下部には、薄膜形成材
料からなるターゲット12が配置される。ターゲット1
2は、レーザ光20bが照射される表面が基材13に対
向するようにターゲット用回転テーブル14によって保
持される。ターゲット用回転テーブル14は、モータ等
の回転駆動手段(図示せず)により支持シャフト14a
の中心軸C1回りに回転駆動されるように構成されてお
り、ターゲット12を軸C1回りに回転させつつ保持で
きるように構成されている。
【0021】真空チャンバ1内の上部には、成膜対象た
る基材13を背面側から保持するための基材ホルダ15
が設けられている。基材ホルダ15には、基材13を回
転させながら成膜できるように回転駆動される回転軸が
設けられている。すなわち、基材ホルダ15はモータ等
の回転駆動手段(図示せず)により回転軸の軸回りに回
転駆動されるように構成されている。そして、基材ホル
ダ15は、その回転する回転軸に接触しつつ電力の伝達
が可能な機構(図示せず)を介して、電源ユニット34
からの電力を供給できるように構成されている。
【0022】電源ユニット34は、ターゲット12より
蒸発した薄膜形成材料からなる粒子群25をさらに励起
してイオン化を促進させるとともに、イオン化した薄膜
形成材料を基材13に向かって電界により加速させるた
めの電力を供給する。電源ユニット34は、高周波電力
を出力する高周波電源(RF)31と直流電力を出力す
る直流電源(DC)32とを備えている。高周波電源3
1は、マッチングボックス(MB)33と直流ブロッキ
ングコンデンサ(図示せず)とを介して基材ホルダ15
に電力を伝達するように、基材ホルダ15と電気的に接
続される。また、直流電源32は、チョークコイル(図
示せず)を介して基材ホルダ15と電気的に接続され
る。
【0023】マッチングボックス33は、高周波電源3
1のインピーダンスと真空チャンバ1側のインピーダン
スとをマッチングさせるべくマッチング動作する。ま
た、高周波電源31および直流電源32と真空チャンバ
1側とを接続するにあたり、導電性材料で形成される真
空チャンバ1が接地されるとともに、高周波電源31の
基材ホルダ15に接続されていない出力端子が接地され
る。また、直流電源33は、基材ホルダ15側が負極と
なり、他方側が接地される接続とされる。
【0024】なお、上記基材ホルダ15を回転手段によ
り回転駆動しつつ電源ユニット34に電力を供給するた
めの構造については、従来のイオンプレーティング法に
基づく成膜装置で用いられる各種の公知技術(例えば、
特公平1−48347号等参照)を適用することができ
る。
【0025】一方、真空チャンバ1の内部には、ターゲ
ット12と基材13との間に位置しかつ窓11と一直線
上に位置するようにレーザ光分配装置101が設けられ
ている。このレーザ光分配装置101は、反射体16
と、アクチュエータ27と制御装置26とを有してい
る。
【0026】図2に示すように、反射体16は、三角柱
形状を有し、ガラス等の透明な材料や銅、アルミ等の金
属材料で形成され、表面がミラー状に形成されている。
この反射体16は、長軸が、ターゲット12、基材1
3、および窓11を含む平面に略垂直となり、かつ1つ
の稜線16cがレーザ光発生器3から出射されたレーザ
光20の到来方向を向くように配置されている。そし
て、反射体16の稜線16cを挟む2つの側面からなる
第1の反射面16aおよび第2の反射面16bのレーザ
光20の光軸102に対する角度θ1,θ2は、第1およ
び第2の反射面16a,16bの各々で反射されたレー
ザ光20a,20bが、それぞれ、基材13及びターゲ
ット12に照射されるような角度に設定される。そし
て、この反射体16は、アクチュエータ27によって稜
線16cおよびレーザ光20の光軸に垂直な方向(矢印
Xの方向)に移動可能に設けられており、アクチュエー
タ27の動作は制御装置26によって制御されている。
これにより、反射体16を制御装置26によって所望の
方向におよび所望の速度で移動させることができる。
【0027】さらに、上記のレーザ光分配装置16とタ
ーゲット12との間には、集光レンズ17が配置されて
いる。なお、集光レンズ17は支持手段(図示せず)に
より支持されている。
【0028】次に、上記のような構成を有する成膜装置
100を用いたイオンプレーティング法による基板13
への薄膜の成膜方法について説明する。
【0029】成膜時においては、図1に示すように、レ
ーザ光発生器3から出射されたレーザ光20が真空チャ
ンバ1の窓部11を通して真空チャンバ1内に導入さ
れ、レーザ光分配装置101の反射体16に照射され
る。反射体16に照射されたレーザ光20は、反射体1
6の第1の面16aおよび第2の面16b(図2)にお
いてそれぞれ反射され、前記基板13に照射されるレー
ザ光20aと前記ターゲット15に照射されるレーザ光
20bとにそれぞれ分配される。
【0030】ここで、成膜時の初期段階においては、ま
ず図2(a)に示すように、基材13側に分配されるレ
ーザ光20aとターゲット12側に分配されるレーザ光
20bとの比率が等しくなるように、その移動方向(矢
印Xの方向)における反射体16の位置を調整する。そ
れにより、基材13およびターゲット12の表面に等し
い光量のレーザ光20a,20bが照射されて基材13
およびターゲット12の加熱が行われる。なお、反射体
16によりターゲット12側に分配されたレーザ光20
bは、集光レンズ17により集光されてターゲット12
の表面を照射する。
【0031】レーザ光20aの照射によりある程度まで
基材13が加熱された後には、図2(b)に示すよう
に、反射体16を基材13側(矢印Xの方向の上側)に
移動させてレーザ光20a,20bの分配比率を調整
し、基材13側に分配されるレーザ光20aの光量を少
なくするとともにターゲット12側に分配されるレーザ
光20bの光量を多くする。
【0032】さらに、基材13の温度がある一定温度に
なった後には、図2(c)に示すように、反射体16を
さらに基材13側(矢印Xの方向のさらに上側)に移動
させてレーザ光20a,20bの分配比率をさらに調整
し、ターゲット12側のみにレーザ光20bを照射す
る。
【0033】このようなターゲット12へのレーザ光2
0bの照射により、ターゲット12より薄膜形成材料か
らなる粒子群25(図1)を上方に蒸発させるととも
に、前記粒子群25にレーザ光20bを吸収させ励起さ
せてイオン化を促進させる。このようにターゲット12
から蒸発した薄膜形成材料からなる粒子群25には、薄
膜形成材料の元素がプラズマ化しているものが多く含ま
れている。
【0034】そして、前記薄膜形成材料の粒子群25が
ターゲット12より蒸発している状態で、上記電源ユニ
ット34を動作させた真空チャンバ1内に高周波電力お
よび直流電流を供給すると、前記蒸発した粒子群25を
さらに励起するとともに、薄膜形成材料のイオンを基材
13に入射させて成膜できる。すなわち、真空チャンバ
1内に高周波電力を供給することで前記蒸発した粒子群
25を高周波電界で励起してイオン化を促進させること
ができる。そして、イオン化した薄膜形成材料は直流電
界により基材13に向かって加速される。そして、基材
13に入射したイオンが基材13に付着して薄膜が形成
される。
【0035】続いて、上記のようにして基材13の表面
に薄膜を形成した後に、この薄膜の表面をアニールす
る。アニールの際には、図2(d)に示すように、反射
体16をターゲット側(矢印Xの方向の下側)に移動さ
せてレーザ光20a,20bの分配比率を調整し、基材
13側のみにレーザ光20aが照射されるようにして基
材13を加熱する。なお、このような基材13の表面の
アニールは必須ではなく、必要なときに行われるもので
ある。
【0036】以上のように、成膜装置100において
は、レーザ光発生器3から出射されたレーザ光20をレ
ーザ光分配装置101により基材13側とターゲット1
2側とにそれぞれ分配することが可能であるため、1つ
のレーザ光発生器3から出射されたレーザ光20により
基材13の加熱とターゲット12の加熱との両方を行う
ことができる。このように、本実施の形態の成膜装置1
00においては基材13およびターゲット12の加熱の
ために別々にレーザ光発生器を設ける必要がないため、
装置の低価格化および小型化を図ることが可能となる。
【0037】また、本実施の形態の成膜装置100にお
いては、図2に示すようにレーザ光分配装置101の反
射体16を移動させることにより容易に基材13側およ
びターゲット側12に分配するレーザ光20a,20b
の分配比率を調整することが可能であるため、成膜時の
各工程において基材13およびターゲット12のいずれ
を選択的に加熱するかを所望により容易に選択すること
が可能である。
【0038】また、本実施の形態の成膜装置100にお
いては、レーザ光20aにより基材13の加熱を行うた
め、基材表面のみが加熱されるのでヒーターで加熱を行
う場合よりも効果的に加熱を行うことができ、加熱時間
を短縮できる。
【0039】また、本実施の形態の変形例として、図3
に示すように、ターゲット12側にレーザ光20bを分
配する第2の反射面16bが凹状曲面になった反射体1
6’を用いても良い。この場合においては、反射体1
6’の第2の反射面16bにより分配されるレーザ光2
0bを集光レンズ17(図1)を用いることなく集光し
てターゲット12の表面に照射することが可能となる。
【0040】なお、本実施の形態においてはレーザ光分
配装置101が真空チャンバ1の内部に設けられている
が、レーザ光分配装置101を真空チャンバ1の外部に
設けても良い。この場合においては、真空チャンバ1の
外壁に2つの窓を設けるか大きな窓を1つ設ける。それ
により、真空チャンバ1の外部において基材13側とタ
ーゲット12側に分配されたレーザ光20a,20bを
この窓を通してそれぞれ真空チャンバ1の内部に導くこ
とが可能となる。
【0041】また、本実施の形態においては、図1に示
すように、レーザ光20がミラー等の光学系を介さずに
直接真空チャンバ1内に導かれ、かつレーザ光20aが
光学系を介さずに直接基材13側に導かれるとともにレ
ーザ光20bがレンズ17以外の光学系を介さずにター
ゲット12側に導かれているが、これらのレーザ光2
0,20a,20bの経路にミラー等の光学系を設け、
この光学系を介してレーザ光20,20a,20bを目
的対象物に導いても良い。
【0042】また、本実施の形態におけるレーザ光分配
装置101の反射体16は図2に示すような断面形状を
有しているが、レーザ光分配装置の反射体の断面形状は
これに限定されるものではなく、種々の三角形の断面形
状を有する三角柱形状の反射体を用いることも可能であ
る。例えば、断面が直角二等辺三角形形状である反射体
を用いても良く、この場合には、レーザ光発生器から出
射されたレーザ光の光軸および反射体16の長軸に垂直
な方向において基材側およびターゲット側に反射体を移
動させることにより非常に容易にレーザ光の分配比率を
調整することが可能となる。また、断面形状が三角形以
外の多角形形状である反射体を用いることも可能であ
る。さらに、断面形状における稜線16cを含む稜部
は、本実施の形態のように尖った形状以外に丸みを帯び
た形状であっても良い。
【0043】また、本実施の形態においては、レーザ光
分配装置101の反射体16をレーザ光発生器3から出
射されたレーザ光20の光軸および反射体16の長軸に
対して垂直な方向において基材側およびターゲット側に
移動させることによりレーザ光20a,20bの分配比
率を調整しているが、レーザ光20a,20bの分配比
率の調整方法はこの方法に限定されるものではなく、例
えば、反射体16を前記方向以外に直線移動させたりあ
るいは回転移動させることにより分配比率の調整を行っ
ても良い。また、反射体として多角錐、例えば光軸に対
して異なる傾斜面を有する四角錐を光軸に平行な方向に
設けておき、そのうちの対向する2つの側面で反射され
たレーザ光を第1および第2のレーザ光として利用し、
この四角錐を反射体に入射するレーザ光の光軸に平行な
方向に90°回転させても良い。あるいは反射体は固定
されていても良い。
【0044】また、本実施の形態においては本発明に係
る成膜装置をイオンプレーティング装置に適用する場合
について説明したが、本発明に係る成膜装置は、イオン
プレーティング装置以外にも、例えば蒸着装置等に対し
ても適用可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したような形態で
実施され、以下のような効果を奏する。
【0046】(1)1つのレーザ光発生器から出射され
たレーザ光により基材の加熱とターゲットの加熱との両
方を行うことができるため、基材およびターゲットの加
熱のために別々にレーザ光発生器を設ける必要がなく、
よって、装置の低価格化および小型化を図ることが可能
となる。また、成膜時の各工程において基材およびター
ゲットのいずれを選択的に加熱するかを所望により容易
に選択することが可能となる。さらに、基材を効果的に
加熱することが可能となる。
【0047】(2)レーザ光分配手段が、稜部を構成す
る第1および第2の反射面を有し、稜部を含む第1およ
び第2の反射面にレーザ光発生器から出射されたレーザ
光が入射し、第1および第2の反射面で反射されたレー
ザ光がそれぞれ第1および第2のレーザ光を構成するよ
うに配置された反射体を備えるものとすると、レーザ光
発生器から出射されたレーザ光を第1および第2のレー
ザ光に容易に分配することが可能となる。
【0048】(3)反射体が、反射体に入射するレーザ
光の光軸と稜部の延在方向とを含む平面に非平行な方向
に移動可能であるとすると、ターゲットおよび基材のう
ちのいずれを選択的に加熱するかを所望により容易に選
択することが可能となる。
【0049】(4)反射体の第2の面が凹状放物面形状
を有し、第2の面で反射された第2のレーザ光が集光さ
れてターゲットに照射されるとすると、集光レンズが不
要となり装置の小型化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る成膜装置の構成を示
す模式図である。
【図2】図1の成膜装置のレーザ光分配装置によるレー
ザ光の分配比率の調整方法を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態の変形例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 2 真空ポンプ 3 レーザ光発生器 11 窓 12 ターゲット 13 基材 14 ターゲット用回転テーブル 15 基材ホルダ 16 反射体 16a 第1の面 16b 第2の面 17 集光レンズ 18 排気口 20,20a,20b レーザ光 31 高周波電源 32 直流電流 33 マッチングボックス 34 電源ユニット 100 成膜装置 101 レーザ光分配装置 102 レーザ光の光軸

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲットを蒸発させて基材の表面に実
    質的にターゲットの材料からなる膜を形成する成膜装置
    であって、 内部に前記ターゲットと前記基材とが配置される真空チ
    ャンバと、 前記ターゲットを蒸発させるとともに前記基材を加熱す
    るためのレーザ光を出射するレーザ光発生器と、 前記レーザ光発生器から出射されたレーザ光を、前記基
    材を照射する第1のレーザ光と前記ターゲットを照射す
    る第2のレーザ光とに分配するレーザ光分配手段とを備
    えた成膜装置。
  2. 【請求項2】 前記レーザ光分配手段は、稜部を構成す
    る第1および第2の反射面を有し、前記稜部を含む前記
    第1および第2の反射面に前記レーザ光発生器から出射
    されたレーザ光が入射し、前記第1および第2の反射面
    で反射されたレーザ光がそれぞれ前記第1および第2の
    レーザ光を構成するように配置された反射体を備える請
    求項1記載の成膜装置。
  3. 【請求項3】 前記反射体が、前記反射体に入射する前
    記レーザ光の光軸と前記稜部の延在方向とを含む平面に
    非平行な方向に移動可能である請求項2記載の成膜装
    置。
  4. 【請求項4】 前記反射体が、前記反射体に入射する前
    記レーザ光の光軸に非平行な軸回りに回転可能である請
    求項2記載の成膜装置。
  5. 【請求項5】 前記反射体の第2の面が凹状放物面形状
    を有し、前記第2の面で反射された前記第2のレーザ光
    が集光されて前記ターゲットを照射する請求項2記載の
    成膜装置。
  6. 【請求項6】 ターゲットを蒸発させて基材の表面に実
    質的にターゲットの材料からなる膜を形成する成膜方法
    であって、 前記ターゲットと前記基材とを真空チャンバの内部に配
    置し、 レーザ光発生器から、前記ターゲットを蒸発させるとと
    もに前記基材を加熱するためのレーザ光を出射させ、 レーザ光分配手段により、前記レーザ光発生器から出射
    されたレーザ光を、前記基材を照射する第1のレーザ光
    と前記ターゲットを照射する第2のレーザ光とに分配す
    る成膜方法。
  7. 【請求項7】 前記レーザ光分配手段は、稜部を構成す
    る第1および第2の反射面を有し、前記稜部を含む前記
    第1および第2の反射面に前記レーザ光発生器から出射
    されたレーザ光が入射し、前記第1および第2の反射面
    で反射されたレーザ光がそれぞれ前記第1および第2の
    レーザ光を構成するように配置された反射体を備える請
    求項6記載の成膜方法。
  8. 【請求項8】 前記反射体を、前記反射体に入射する前
    記レーザ光の光軸と前記稜部の延在方向とを含む平面に
    非平行な方向に移動させる請求項7記載の成膜方法。
  9. 【請求項9】 前記反射体を、前記反射体に入射する前
    記レーザ光の光軸に非平行な軸回りに回転させる請求項
    7記載の成膜方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005079245A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Institute Of Physical & Chemical Research 金属配線形成方法および金属配線形成装置
JP2013122065A (ja) * 2011-12-09 2013-06-20 Sumitomo Electric Ind Ltd 機能性薄膜の成膜方法および成膜装置

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