JP2002053571A - 脂環構造を有する新規ラクトン化合物及びその製造方法 - Google Patents

脂環構造を有する新規ラクトン化合物及びその製造方法

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JP2002053571A
JP2002053571A JP2001146056A JP2001146056A JP2002053571A JP 2002053571 A JP2002053571 A JP 2002053571A JP 2001146056 A JP2001146056 A JP 2001146056A JP 2001146056 A JP2001146056 A JP 2001146056A JP 2002053571 A JP2002053571 A JP 2002053571A
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誠一郎 橘
Jun Hatakeyama
畠山  潤
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記一般式(1)で示されるラクトン化
合物。 【化1】 (式中、R1は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、
分岐状又は環状のアルキル基を示す。R2は水素原子、
又は炭素数1〜15のアシル基もしくはアルコキシカル
ボニル基を示し、構成炭素原子上の水素原子の一部又は
全部がハロゲン原子に置換されていてもよい。Zは、炭
素数1〜15の2価の有機基を示し、式(1)中のカル
ボニルオキシ基と共にラクトン環を形成する。kは0又
は1、mは0≦m≦5を満たす整数である。) 【効果】 本発明のラクトン化合物を重合することによ
り得られるポリマーを用いて調製したレジスト材料は、
高エネルギー線に感応し、感度、解像性、エッチング耐
性に優れ、電子線や遠紫外線による微細加工に有用であ
る。特に、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレ
ーザーの露光波長での吸収が小さく、かつ基板密着性に
優れるため、微細でしかも基板に対して垂直なパターン
を容易に形成でき、超LSI製造用の微細パターン形成
材料として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細加工技術に適
した化学増幅型レジスト材料のベース樹脂用のモノマー
として有用な新規ラクトン化合物及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIの高集積化と高速度化に伴
い、パターンルールの微細化が求められているなか、次
世代の微細加工技術として遠紫外線リソグラフィーが有
望視されている。中でもKrFエキシマレーザー光、A
rFエキシマレーザー光を光源としたフォトリソグラフ
ィーは、0.3μm以下の超微細加工に不可欠な技術と
してその実現が切望されている。
【0003】エキシマレーザー光、特に波長193nm
のArFエキシマレーザー光を光源としたフォトリソグ
ラフィーで用いられるレジスト材料に対しては、該波長
における高い透明性を確保することは当然として、薄膜
化に対応できる高いエッチング耐性、高価な光学系材料
に負担をかけない高い感度、そして何よりも、微細なパ
ターンを正確に形成できる高い解像性能を併せ持つこと
が求められている。それらの要求を満たすためには、高
透明性、高剛直性かつ高反応性のベース樹脂の開発が必
至であるが、現在知られている高分子化合物の中にはそ
れらの特性を全て備えるものがなく、未だ実用に足るレ
ジスト材料が得られていないのが現状である。
【0004】高透明性樹脂としては、アクリル酸又はメ
タクリル酸誘導体の共重合体、ノルボルネン誘導体由来
の脂肪族環状化合物を主鎖に含有する高分子化合物等が
知られているが、そのいずれもが満足のいくものではな
い。例えば、アクリル酸又はメタクリル酸誘導体の共重
合体は、高反応性モノマーの導入や酸不安定単位の増量
が自由にできるので反応性を高めることは比較的容易だ
が、主鎖の構造上剛直性を高めることは極めて難しい。
一方、脂肪族環状化合物を主鎖に含有する高分子化合物
については、剛直性は許容範囲内にあるものの、主鎖の
構造上ポリ(メタ)アクリレートよりも酸に対する反応
性が鈍く、また重合の自由度も低いことから、容易には
反応性を高められない。加えて、主鎖の疎水性が高いた
めに、基板に塗布した際に密着性が劣るという欠点も有
する。従って、これらの高分子化合物をベース樹脂とし
てレジスト材料を調製した場合、感度と解像性は足りて
いてもエッチングには耐えられない、あるいは許容でき
るエッチング耐性を有していても低感度、低解像性で実
用的でないという結果に陥ってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、300nm以下の波長、特にArF
エキシマレーザー光を光源としたフォトリソグラフィー
において、密着性と透明性に優れたフォトレジスト材料
製造用のモノマーとして有用な新規ラクトン化合物及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、後述の方法により、下記一般式(1)で示されるラ
クトン化合物が高収率かつ簡便に得られること、更に、
このラクトン化合物を用いて得られた樹脂が、エキシマ
レーザーの露光波長での透明性が高く、これをベース樹
脂として用いたレジスト材料が、密着性に優れることを
知見した。
【0007】即ち、本発明は下記一般式(1)で示され
るラクトン化合物を提供する。
【0008】
【化4】 (式中、R1は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、
分岐状又は環状のアルキル基を示す。R2は水素原子、
又は炭素数1〜15のアシル基もしくはアルコキシカル
ボニル基を示し、構成炭素原子上の水素原子の一部又は
全部がハロゲン原子に置換されていてもよい。Zは、炭
素数1〜15の2価の有機基を示し、式(1)中のカル
ボニルオキシ基と共にラクトン環を形成する。kは0又
は1、mは0≦m≦5を満たす整数である。)
【0009】また、本発明は、下記一般式(2)で示さ
れるカルボニル化合物に下記一般式(3)で示される金
属エノラートを付加反応させることを特徴とする下記一
般式(4)で示されるラクトン化合物の製造方法を提供
する。
【0010】
【化5】 (式中、k、m、R1、Zは上記と同様である。MはL
i、Na、K、MgY又はZnYを示す。Yはハロゲン
原子を示す。)
【0011】また、本発明は、下記一般式(4)で示さ
れる化合物の水酸基をアシル化反応又はアルコキシカル
ボニル化反応させることを特徴とする下記一般式(5)
で示されるラクトン化合物の製造方法を提供する。
【0012】
【化6】 (式中、k、m、R1、Zは上記と同様である。R3は炭
素数1〜15のアシル基もしくはアルコキシカルボニル
基を示し、構成炭素原子上の水素原子の一部又は全部が
ハロゲン原子に置換されていてもよい。)
【0013】以下、本発明につき更に詳細に説明する。
本発明のラクトン化合物は、下記一般式(1)で示され
るものである。
【0014】
【化7】
【0015】式中、R1は水素原子、又は炭素数1〜6
の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、アルキ
ル基として具体的には、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル、tert−アミル、n−ペ
ンチル、n−ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル等を例示できる。R2は水素原子、又は炭素数1〜1
5のアシル基もしくはアルコキシカルボニル基を示し、
構成炭素原子上の水素原子の一部又は全部がハロゲン原
子に置換されていてもよい。具体的には、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ピバロイル、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、3,
3,3−トリフルオロプロピオニル等を例示できる。Z
は、炭素数1〜15の2価の有機基を示し、式(1)中
のカルボニルオキシ基と共にラクトン環を形成する。具
体的には、下記部分構造
【化8】 として、ラクトン構造
【化9】 又は、これらにシクロアルカン、シクロアルケン、芳香
族炭化水素などの炭化水素環又はヘテロ原子を含有する
複素環が縮合した構造を例示できる。
【0016】kは0又は1である。mは0≦m≦5を満
たす整数である。より好ましくは0≦m≦3である。
【0017】上記一般式(1)で示されるラクトン化合
物として、具体的には下記のものを例示できる。
【0018】
【化10】
【0019】本発明のラクトン化合物は、例えば、下記
の方法にて製造できるが、これに限定されるものではな
い。
【0020】まず、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲
気下、溶媒中ラクトン化合物(6)に塩基を作用させ、
金属エノラート(3)を調製し、このエノラート溶液と
カルボニル化合物(2)を反応させ、ヒドロキシラクト
ン化合物(4)を得る。この場合、塩基の使用量は、ラ
クトン化合物(6)1モルに対して0.8〜2.0モ
ル、特に1.0〜1.5モルとすることが好ましく、カ
ルボニル化合物(2)の使用量は、ラクトン化合物
(6)1モルに対して0.8〜2.0モル、特に0.9
〜1.5モルとすることが好ましい。
【0021】
【化11】 (式中、k、m、R1、R2、Zは上記と同様である。M
はLi、Na、K、MgY又はZnYを示す。Xは水素
原子又はハロゲン原子、Yはハロゲン原子を示す。)
【0022】用いられる塩基として、具体的にはXが水
素原子の場合はナトリウムアミド、カリウムアミド、リ
チウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピル
アミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、カリウムジ
シクロヘキシルアミド、リチウム2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、リチウムビストリメチルシリルア
ミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウ
ムビストリメチルシリルアミド、リチウムイソプロピル
シクロヘキシルアミド、ブロモマグネシウムジイソプロ
ピルアミド等の金属アミド類、ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシド、リチウムメトキシド、リチウム
エトキシド、リチウムtert−ブトキシド、カリウム
tert−ブトキシド等のアルコキシド類、水酸化ナト
リウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化バリ
ウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム等の無機
水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸リチウム、炭酸カリウムなどの無機炭酸塩類、水素化
ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化
カルシウムなどの金属水素化物類、トリチルリチウム、
トリチルナトリウム、トリチルカリウム、メチルリチウ
ム、フェニルリチウム、sec−ブチルリチウム、te
rt−ブチルリチウム、エチルマグネシウムブロマイド
等のアルキル金属化合物類を、Xがハロゲン原子の場合
は亜鉛、マグネシウム等の金属類を例示できるが、これ
に限定されるものではない。溶媒としてテトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、
1,4−ジオキサン等のエーテル類、n−ヘキサン、n
−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等
の炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコー
ル類、液体アンモニア、メチルアミン等のアミン類、ジ
メチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等
の非プロトン性極性溶媒類を反応条件により選択して単
独又は混合して用いることができる。また、N,N,
N',N'−テトラメチルエチレンジアミン(TMED
A)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、
N,N'−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンン(DMI)
等の配位子を持った化合物を補助的に用いることも可能
である。反応温度、時間は使用する出発原料により種々
異なるが、例えば原料として式(6)においてXが水素
原子であるラクトン化合物及びリチウムビストリメチル
シリルアミド等の強塩基を用いる場合は、生じる金属エ
ノラートが熱的に不安定なため、これにカルボニル化合
物(2)を反応させる場合の反応温度を−80〜−20
℃の低温に保ち、反応時間を0.5〜3時間程度とする
のが好ましい。一方、式(6)においてXがハロゲン原
子であるα−ハロラクトン化合物及び亜鉛等の金属を用
いる場合は、通常反応温度を0〜80℃に保ち反応時間
を1〜20時間程度とするのが好ましいが、これに制限
されるものではない。求核付加物を含む反応混合物から
通常の水系後処理(aqueous work−up)
により目的物のヒドロキシ化合物(4)を得る。必要が
あれば目的物(4)は蒸留、クロマトグラフィー、再結
晶などの常法に従って精製する。
【0023】ここで得られたヒドロキシ化合物(4)を
エステル化することにより、対応するアシル化物又はア
ルコキシカルボニル化物(5)を得る。
【0024】
【化12】
【0025】エステル化剤としてR3W(Wは水酸基、
ハロゲン原子、アシロキシ基、アルコキシカルボニルオ
キシ基、p−ニトロフェニルオキシ基等の脱離基を示
す)をヒドロキシ化合物(4)1モルに対し1〜5モ
ル、好ましくは1〜2モル用い、常法によって行うこと
ができる。エステル化剤R3Wとして、例えば、ギ酸等
のカルボン酸類(W=OHの場合)、塩化アセチル、臭
化アセチル、塩化プロピオニル等の酸ハライド類(W=
ハロゲン原子の場合)、無水酢酸、無水トリフルオロ酢
酸、ギ酸酢酸混合酸無水物、二炭酸ジ−t−ブチル等の
酸無水物類(W=アシロキシ基又はアルコキシカルボニ
ルオキシ基の場合)、酢酸p−ニトロフェニル、プロピ
オン酸p−ニトロフェニル等の活性化エステル類(W=
p−ニトロフェニルオキシ基などの脱離基の場合)を挙
げることができる。反応は、無溶媒あるいは塩化メチレ
ン、クロロホルム、トリクレン等の塩素系溶媒類、テト
ラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエ
ーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類、n−ヘキ
サン、n−ヘプタン、べンゼン、トルエン、キシレン、
クメン等の炭化水素類から選択した単独又は混合溶媒中
で行う。エステル化剤がカルボン酸である場合(W=O
Hの場合)を除き、ヒドロキシ化合物(4)1モルに対
し1〜30モル、好ましくは1〜5モルの塩基を用いる
ことが望ましい。この塩基の例としてトリエチルアミ
ン、ピリジン、ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノ
ピリジン等を挙げることができる。これらの塩基は単独
又は混合して用いることができる。エステル化剤と塩基
は順次又は同時に加え、必要に応じ、冷却あるいは加熱
する等して反応を進行させる。反応進行後、エステル化
物を含む反応混合物から通常の水系後処理(aqueo
us work−up)により目的物のエステル化合物
(5)を得る。必要があれば目的物(5)は蒸留、クロ
マトグラフィー、再結晶などの常法に従って精製する。
【0026】本発明のラクトン化合物をモノマーとして
用い、そのポリマーを製造する場合、一般的には、上記
モノマー類と溶媒を混合し、触媒又は重合開始剤を添加
して、場合によっては、加熱あるいは冷却しながら重合
反応を行う。これらの重合は、常法に従って行うことが
できる。
【0027】上記の重合により得られたポリマーをベー
スポリマーとしたレジスト材料は、これに有機溶剤と酸
発生剤を加えて調製する方法が一般的である。更に必要
に応じて、架橋剤、塩基性化合物、溶解阻止剤等を加え
ることができる。これらのレジスト材料の調製は、常法
に従って行うことができる。
【0028】
【発明の効果】本発明のラクトン化合物を重合すること
により得られるポリマーを用いて調製したレジスト材料
は、高エネルギー線に感応し、感度、解像性、エッチン
グ耐性に優れ、電子線や遠紫外線による微細加工に有用
である。特に、ArFエキシマレーザー、KrFエキシ
マレーザーの露光波長での吸収が小さく、かつ基板密着
性に優れるため、微細でしかも基板に対して垂直なパタ
ーンを容易に形成でき、超LSI製造用の微細パターン
形成材料として好適である。
【0029】
【実施例】以下、合成例(実施例)及び参考例を示して
本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制
限されるものではない。 [合成例]本発明のラクトン化合物を以下に示す処方で
合成した。 [合成例1]α−{ヒドロキシ(5−ノルボルネン−2
−イル)メチル}−γ−ブチロラクトン(monome
r 1)の合成 まず、窒素雰囲気下、無水テトラヒドロフラン1kg
中、−60℃でリチウムビス(トリメチルシリル)アミ
ド184gとγ−ブチロラクトン86gを反応させてリ
チウムエノラートを調製した。続いて5−ノルボルネン
−2−カルバルデヒド122gを徐々に添加、その後1
時間かけて−20℃まで昇温し、反応を行った。次に飽
和塩化アンモニウム水溶液1kgを添加して反応を停止
後、ヘキサン抽出した。有機層を水洗、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水、濾過後、減圧濃縮した。シリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより精製を行い、α−{ヒドロキ
シ(5−ノルボルネン−2−イル)メチル}−γ−ブチ
ロラクトン198gを得た(収率95%)。 IR (KBr): ν=3436(br.),305
8,2966,2867,1740,1385,133
6,1219,1184,1024cm-1 主要ジアステレオマーの1H−NMR(270MHz,
in CDCl3): δ=0.52(1H,m),
1.20−1.45(2H,m),1.55−3.25
(9H,m),4.30−4.45(2H,m),6.
02(1H,m),6.20(1H,m)ppm.
【0030】[合成例2]α−{ヒドロキシ(5−ノル
ボルネン−2−イル)メチル}−γ−ブチロラクトン
(monomer 1)の合成 亜鉛粉末98g、α−ブロモ−γ−ブチロラクトン24
7g、5−ノルボルネン−2−カルバルデヒド122
g、無水テトラヒドロフラン2kgを混合し、窒素雰囲
気下10時間加熱還流し、付加反応を行った。次に冷却
後、希塩酸を加えて中和反応を行った。ヘキサン抽出に
より得られた有機層を水洗、無水硫酸ナトリウムで脱
水、濾過後、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより精製を行い、α−{ヒドロキシ(5−
ノルボルネン−2−イル)メチル}−γ−ブチロラクト
ン148gを得た(収率71%)。
【0031】[合成例3]α−{アセトキシ(5−ノル
ボルネン−2−イル)メチル}−γ−ブチロラクトン
(monomer 2)の合成 α−{ヒドロキシ(5−ノルボルネン−2−イル)メチ
ル}−γ−ブチロラクトン(monomer 1)20
8gをピリジン127g中、4−ジメチルアミノピリジ
ン6gの存在下、無水酢酸123gと25℃で10時間
反応させた。水30gを加えて反応を停止後、ヘキサン
抽出した。有機層を水洗、無水硫酸ナトリウムで脱水、
濾過、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにより精製を行い、α−{アセトキシ(5−ノルボル
ネン−2−イル)メチル}−γ−ブチロラクトン245
gを得た(収率98%)。 IR (KBr): ν=3061,2974,287
0,1761,1728,1375,1244,116
1,1153,1026cm-1 主要ジアステレオマーの1H−NMR(270MHz,
in CDCl3): δ=0.58(1H,ddd,
J=11.6,4.9,2.4Hz),1.30(1
H,m),1.41(1H,m),1.70−2.50
{2.11(3H,s)を含む6H,m},2.55−
3.05(4H,m),4.05−4.30(2H,
m),4.60(1H,dd,J=11.1,2.4H
z),5.87(1H,m),6.18(1H,m)p
pm.
【0032】[合成例4]α−{1−ヒドロキシ−2−
(5−ノルボルネン−2−イル)エチル}−γ−ブチロ
ラクトン(monomer 3)の合成 5−ノルボルネン−2−カルバルデヒドの替わりに(5
−ノルボルネン−2−イル)アセトアルデヒドを用いた
以外は合成例1と同様の方法により、α−{1−ヒドロ
キシ−2−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル}−
γ−ブチロラクトンを合成した(収率93%)。 IR (KBr): ν=3404(br.),305
7,2962,2937,2866,1749,138
0,1213,1178,1024cm-1 主要ジアステレオマーの1H−NMR(270MHz,
in CDCl3): δ=0.51(1H,m),
0.95−2.90(12H,m),3.67(1H,
ddd,J=10.0,7.8,2.7Hz),4.1
0−4.30(2H,m),5.92(1H,m),
6.12(1H,m)ppm.
【0033】[合成例5]α−{1−アセトキシ−2−
(5−ノルボルネン−2−イル)エチル}−γ−ブチロ
ラクトン(monomer 4)の合成 α−{ヒドロキシ(5−ノルボルネン−2−イル)メチ
ル}−γ−ブチロラクトン(monomer 1)の替
わりにα−{1−ヒドロキシ−2−(5−ノルボルネン
−2−イル)エチル}−γ−ブチロラクトン(mono
mer 3)を用いた以外は合成例3と同様の方法によ
り、α−{1−アセトキシ−2−(5−ノルボルネン−
2−イル)エチル}−γ−ブチロラクトンを合成した
(収率98%)。 IR (薄膜): ν=3057,2964,286
8,1772,1738,1373,1238,117
1,1161,1026cm-1 主要ジアステレオマーの1H−NMR(270MHz,
in CDCl3): δ=0.55(1H,m),
1.15−2.95{2.07(3H,s)を含む14
H,m},4.10−4.40(2H,m),5.36
(1H,m),5.93(1H,m),6.11(1
H,m)ppm.
【0034】
【化13】
【0035】[参考例]上記合成例で得られたラクトン
化合物を用いて高分子化合物を合成し、ベース樹脂とし
て配合したレジスト材料の基板密着性を調べた。
【0036】5−ノルボルネン−2−カルボン酸ter
t−ブチル、monomer 1及び無水マレイン酸
を、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)を開始剤に用いて重合させ、[5−ノルボルネン
−2−カルボン酸tert−ブチル]−[α−{ヒドロ
キシ(5−ノルボルネン−2−イル)メチル}−γ−ブ
チロラクトン]−[無水マレイン酸]交互共重合体(共
重合比4:1:5)を得た。この高分子化合物を用い
て、下記に示す組成でレジスト材料を調製した。このも
のを、90℃、40秒間ヘキサメチルジシラザンを噴霧
したシリコンウエハー上へ回転塗布し、110℃、90
秒間の熱処理を施して、厚さ500nmのレジスト膜を
形成した。これをKrFエキシマレーザー光で露光し、
110℃、90秒間の熱処理を施した後、2.38%の
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて
60秒間浸漬現像を行い、1:1のライン・アンド・ス
ペース・パターンを形成した。現像済ウエハーをSEM
で観察したところ、0.26μmのパターンまで剥れず
に残っているのが確認された。
【0037】なお、レジスト材料の組成は、次の通りで
ある。 ベース樹脂:80重量部 酸発生剤 :トリフルオロメタンスルフォン酸トリフェ
ニルスルフォニウム1.0重量部 溶剤 :プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート480重量部 その他 :トリブチルアミン0.08重量部
【0038】[比較参考例]比較のため、[5−ノルボ
ルネン−2−カルボン酸tert−ブチル]−[無水マ
レイン酸]交互共重合体(共重合比1:1)を用いて、
上記参考例と同様の組成でレジスト材料を調製した。こ
のものを上記と同様の条件で露光し、基板密着性を評価
したところ、0.50μm以下のパターンは残っていな
かった。
【0039】以上の結果より、本発明のラクトン化合物
を原料とした高分子化合物が、従来品に比べ、極めて高
い基板密着性を有していることが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 502R (72)発明者 渡辺 武 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内 (72)発明者 西 恒寛 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内 (72)発明者 中島 睦雄 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内 (72)発明者 橘 誠一郎 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内 (72)発明者 畠山 潤 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA09 AA14 AB16 AC04 AC08 AD03 BE00 BE10 BG00 BJ10 CB08 CB41 4C037 EA01 EA10 4J032 CA32 CA36 CG00 4J100 AK32Q AR11P BA04P BA11P BC27P BC53P CA01 CA03 CA04 JA38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるラクトン化
    合物。 【化1】 (式中、R1は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、
    分岐状又は環状のアルキル基を示す。R2は水素原子、
    又は炭素数1〜15のアシル基もしくはアルコキシカル
    ボニル基を示し、構成炭素原子上の水素原子の一部又は
    全部がハロゲン原子に置換されていてもよい。Zは、炭
    素数1〜15の2価の有機基を示し、式(1)中のカル
    ボニルオキシ基と共にラクトン環を形成する。kは0又
    は1、mは0≦m≦5を満たす整数である。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で示されるカルボニル
    化合物に下記一般式(3)で示される金属エノラートを
    付加反応させることを特徴とする下記一般式(4)で示
    されるラクトン化合物の製造方法。 【化2】 (式中、k、m、R1、Zは上記と同様である。MはL
    i、Na、K、MgY又はZnYを示す。Yはハロゲン
    原子を示す。)
  3. 【請求項3】 下記一般式(4)で示される化合物の水
    酸基をアシル化反応又はアルコキシカルボニル化反応さ
    せることを特徴とする下記一般式(5)で示されるラク
    トン化合物の製造方法。 【化3】 (式中、k、m、R1、Zは上記と同様である。R3は炭
    素数1〜15のアシル基もしくはアルコキシカルボニル
    基を示し、構成炭素原子上の水素原子の一部又は全部が
    ハロゲン原子に置換されていてもよい。)
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JP2007517967A (ja) * 2004-01-14 2007-07-05 プロメラス, エルエルシー ペンダントラクトン又はスルトン基を含むノルボルネン型モノマー及びポリマー
CN112585094A (zh) * 2018-08-22 2021-03-30 国立大学法人北海道大学 氮化处理液、氮化处理金属氧化物的制造方法以及氮化处理氧化铟膜

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CN112585094B (zh) * 2018-08-22 2023-05-02 国立大学法人北海道大学 氮化处理液、氮化处理金属氧化物的制造方法以及氮化处理氧化铟膜

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