JP2002053548A - 重水素を有するテルペノイド類の製造方法 - Google Patents

重水素を有するテルペノイド類の製造方法

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JP2002053548A
JP2002053548A JP2000242393A JP2000242393A JP2002053548A JP 2002053548 A JP2002053548 A JP 2002053548A JP 2000242393 A JP2000242393 A JP 2000242393A JP 2000242393 A JP2000242393 A JP 2000242393A JP 2002053548 A JP2002053548 A JP 2002053548A
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carbon
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JP2000242393A
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Hideki Hashimoto
秀樹 橋本
Motoya Abe
元哉 阿部
Takashi Yamada
隆 山田
Takayoshi Kobayashi
孝嘉 小林
Toshiki Mori
俊樹 森
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便で、かつ高選択的に重水素を有するテルペ
ノイド類を製造できる方法を提供する。 【解決手段】一般式(2)で表されるケトンに、アルカ
リ金属重水素化アセトニトリル塩を作用させて一般式
(3)で表される化合物および/または一般式(4)で
表される化合物を得、次いで一般式(3)で表される化
合物および/または一般式(4)で表される化合物にヨ
ウ素を作用させることを特徴とする一般式(1)で表さ
れる重水素を有するテルペノイド類の製造方法。 【化1】 (式中、nは0または1を表し、Xは水素原子または重
水素原子を表し、Dは重水素原子を表し、側鎖中の炭素
−炭素二重結合による立体配置はシス型またはトランス
型のどちらでもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式(1)
【0002】
【化5】
【0003】(式中、nは0または1を表し、Xは水素
原子または重水素原子を表し、Dは重水素原子を表し、
側鎖中の炭素−炭素二重結合による立体配置はシス型ま
たはトランス型のどちらでもよい。)で表される重水素
を有するテルペノイド類の製造方法に関する。
【0004】重水素を有するテルペノイド類のうち、重
水素を有するレチノイド類は、生体内におけるタンパク
質と機能性色素分子との相互作用を分子の固有振動のプ
ローブとして解明する際に不可欠な化合物であり、さら
には、2次非線形光学材料などの光学材料や色素などと
しても有用である。また、重水素を有するβ−イオニリ
デン誘導体は、上記の重水素を有するレチノイド類の製
造原料として有用な化合物である。本発明により提供さ
れる、テルペノイド類はそれ自身有用な化合物である
が、保有するニトリル基を官能基変換することによりβ
−(10−2H)イオニリデンアセトアルデヒド、β−
(10−2H)イオニリデンメタノール、β−(10−2
H)イオニリデン酢酸などのβ−(10−2H)イオニ
リデン誘導体、(14−2H)または(10,14−2
2)レチナール、(14−2H)または(10,14−2
2)レチノール、(14−2H)または(10,14−
22)レチノイン酸などの(14−2H)または(1
0,14−22)レチノール誘導体の製造原料としても
用いることができる。
【0005】
【従来の技術】従来、レチノイド骨格の14位に重水素
を有するレチナールの合成方法としては、1,5−ジア
ザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンを用いる、下
記の反応式で示される方法が知られている(J.A.P
ardoenら、Trav.Chim.Pays−Ba
s 105,92−98(1986)参照)。なお、A
2Oは無水酢酸を意味し、DMAPは4−(ジメチル
アミノ)ピリジンを意味し、DBNは1,5−ジアザビ
シクロ[4.3.0]ノン−5−エンを意味し、Dib
alは水素化ジイソブチルアルミニウムを意味する。
【0006】
【化6】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来法では、化
合物Aからアセテート体の製造工程、アセテート脱
離工程の2工程で化合物Bが製造されている。また、一
般に重水素を有する化合物を製造するには重水素の位置
選択性と高い重水素化率が要求されるが、従来法ではア
セテート脱離工程において塩基性が高いDBNを使用す
るため、高い重水素化率を有する目的物を得るには、反
応操作、後処理操作などにおいて細心の注意を払う必要
がある。
【0008】したがって、本発明の目的は、簡便に、か
つ高選択的に、重水素を有するテルペノイド類を製造で
きる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、一般式(2)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、nは0または1を表し、Xは水素
原子または重水素原子を表し、側鎖中の炭素−炭素二重
結合による立体配置はシス型またはトランス型のどちら
でもよい。)で表されるケトン(以下、これをケトン
(2)と称することがある)に、アルカリ金属重水素化
アセトニトリル塩を作用させて一般式(3)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、Dは重水素原子を表し、nおよび
Xは前記定義のとおりであり、側鎖中の炭素−炭素二重
結合による立体配置はシス型またはトランス型のどちら
でもよい。)で表される化合物(以下、これを化合物
(3)と称することがある)および/または一般式
(4)
【0014】
【化9】
【0015】(式中、n、XおよびDは前記定義のとお
りであり、側鎖中の炭素−炭素二重結合による立体配置
はシス型またはトランス型のどちらでもよい。)で表さ
れる化合物(以下、これを化合物(4)と称することが
ある)を得、次いで得られた化合物(3)および/また
は化合物(4)にヨウ素を作用させることを特徴とする
一般式(1)
【0016】
【化10】
【0017】(式中、n、XおよびDは前記定義のとお
りであり、側鎖中の炭素−炭素二重結合による立体配置
はシス型またはトランス型のどちらでもよい。)で表さ
れる重水素を有するテルペノイド類(以下、これをテル
ペノイド類(1)と称することがある)の製造方法を提
供することによって達成される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明における原料であるケトン
(2)は次の方法により容易に入手できる。例えば、一
般式(2)においてnが0を表すケトンは、β−ヨノン
として工業的に入手可能である。一般式(2)において
nが1を表し、かつXが水素原子を表すケトンは、β−
ヨノンとジエチルフォスフォノアセトニトリルのウィテ
ィッヒ−ホルナー(Wittig−Horner)反応
でニトリル体を得、次いで該ニトリル体を水素化ジイソ
ブチルアルミニウムで還元してβ−イオニリデンアセト
アルデヒドとした後、アセトンとアルドール縮合させる
ことにより製造することができる。また、一般式(2)
においてnが1を表し、かつXが重水素原子を表すケト
ンは、本発明により得られる一般式(1)においてnが
0を表すテルペノイド類を、水素化ジイソブチルアルミ
ニウムで還元してアルデヒドとし、次いでアセトンとア
ルドール縮合させることにより製造することができる。
【0019】上記のケトン(2)に、アルカリ金属重水
素化アセトニトリル塩を作用させることにより化合物
(3)および/または化合物(4)が製造される。
【0020】アルカリ金属重水素化アセトニトリル塩
は、例えば、重水素化アセトニトリルとアルカリ金属ア
ミドから調製することができる。アルカリ金属アミドと
しては、例えばリチウムジイソプロピルアミド、ナトリ
ウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルア
ミド、リチウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウ
ムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチ
ルシリルアミドなどが使用される。
【0021】上記のアルカリ金属アミドは、アルカリ金
属アミドを溶解することができる溶媒中で、n−ブチル
リチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムな
どの有機リチウム化合物や、金属リチウム、金属カリウ
ム、金属ナトリウムなどのアルカリ金属と、相当するア
ミンとを反応させることにより調製される。上記の溶媒
としては、例えばテトラヒドロフランなどのエーテル;
ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベン
ゼン、トルエンなどの炭化水素などが挙げられ、これら
は単独で、または二種以上を組み合わせて使用される。
なお、アルカリ金属を使用する場合に、ブタジエン、イ
ソプレン、スチレンなどの化合物を共存させると、アル
カリ金属アミドを収率良く得ることができる。また、ア
ルカリ金属アミドとして、購入品をそのまま使用するこ
ともできる。
【0022】また、重水素化アセトニトリルは、アセト
ニトリルの3つの水素原子がすべて重水素化されたもの
であることが望ましい。
【0023】重水素化アセトニトリルとアルカリ金属ア
ミドとの反応は溶媒の存在下で行うのが好ましく、溶媒
としては、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ルなどのエーテル;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素など
が使用される。これらの溶媒は単独で、または混合して
用いられる。溶媒の使用量は特に制限されるものではな
いが、使用する重水素化アセトニトリルに対して1〜5
000重量倍の範囲であるのが好ましく、3〜200重
量倍の範囲であるのがより好ましい。反応温度は−10
0〜10℃の範囲が好ましく、−80〜−50℃の範囲
がより好ましい。反応時間は反応温度などにより変化す
るが、1分〜1時間程度が適当である。
【0024】上記の反応により得られたアルカリ金属重
水素化アセトニトリル塩の溶液にケトン(2)を添加し
て反応させるのが簡便である。ケトン(2)はそのまま
添加することもできるが、アルカリ金属重水素化アセト
ニトリル塩の調製に使用した溶媒と同じ溶媒に溶解させ
て添加してもよい。反応温度は−100〜10℃の範囲
であるのが好ましく、−80〜−30℃の範囲であるの
がより好ましい。反応時間は反応温度などにより変化す
るが、5分〜10時間程度が適当である。
【0025】反応液に水、塩化アンモニウム水溶液、硫
酸アンモニウム水溶液などを加えることにより反応を停
止させた後、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキ
サン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素;
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテルなどのエーテル
などの抽出溶剤を用いて目的物を抽出し、必要に応じて
抽出液を水、食塩水などで洗浄し、溶剤を除去すること
により化合物(3)および/または化合物(4)の粗生
成物を得る。この粗生成物はそのまま次の反応に用いる
ことができるが、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
や晶析などにより、化合物(3)および化合物(4)を
それぞれ単離して次の反応に用いることもできる。
【0026】化合物(3)および化合物(4)に、ヨウ
素を作用させることによりテルペノイド類(1)を得る
ことができる。ヨウ素の使用量は、化合物(3)および
/または化合物(4)に対して0.001〜1.0重量
倍の範囲であるのが好ましく、0.005〜0.1重量
倍の範囲であるのがより好ましい。この反応は、例えば
ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素などの溶媒中
で行うのが好ましい。溶媒の使用量は特に限定されない
が、化合物(3)および/または化合物(4)に対して
0.5〜1000重量倍の範囲であるのが好ましく、5
〜300重量倍の範囲であるのがより好ましい。反応温
度は10〜150℃の範囲であるのが好ましく、50〜
120℃の範囲であるのがより好ましい。反応時間は反
応温度などにより変化するが、5分〜10時間程度が適
当である。
【0027】反応後、反応液を亜硫酸水素ナトリウム水
溶液などで洗浄し、得られた有機層を必要に応じて水ま
たは食塩水で洗浄後、溶媒を除去することにより粗生成
物を得る。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーや晶析などにより精製することにより、テルペ
ノイド類(1)が得られる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0029】実施例1 β−ヨノンから(10,10−22)C15β−ヒドロキ
シニトリル〔一般式(3)においてnが0を表す化合
物〕および(10−2H)C15ニトリル〔一般式(4)
においてnが0を表す化合物〕の合成
【0030】
【化11】
【0031】窒素雰囲気下、ジイソプロピルアミン3
0.3g(0.3mol)のテトラヒドロフラン(20
0ml)溶液に、−78℃でn−ブチルリチウムのヘキ
サン溶液188ml(1.6mol/リットル濃度、
0.3mol)を滴下して室温で10分間攪拌後、再び
−78℃に冷却し、(23)アセトニトリル13.2g
(0.3mol)のテトラヒドロフラン(50ml)溶
液を滴下した。そのまま30分攪拌後、β−ヨノン5
7.6g(0.3mol)のテトラヒドロフラン(10
0ml)溶液を滴下した。2時間攪拌後、反応混合液に
塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させ、ヘキ
サンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、得ら
れた残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開溶剤:ジエチルエーテル/ヘキサン=40/60)で
精製することにより、(1,1−22)C15β−ヒドロ
キシニトリル39.6g(0.169mol:収率5
6.3%)および(1−2H)C15ニトリル20.9g
(0.0889mol:収率29.7%)を得た。
【0032】実施例2 (10,10−22)C15β−ヒドロキシニトリルから
(10−2H)β−イオニリデンアセトニトリル〔一般
式(1)においてnが0を表す化合物〕の合成
【0033】
【化12】
【0034】(10,10−22)C15β−ヒドロキシ
ニトリル39.6g(0.169mol)のn−ヘキサ
ン(400ml)溶液にヨウ素1.08gを入れ、2時
間加熱還流した。冷却後、反応混合液に5%亜硫酸水素
ナトリウム水溶液を加えて分液し、有機層を飽和食塩水
で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧
下で除去し、(10−2H)β−イオニリデンアセトニ
トリルを含む残渣物42.0gを得た。得られた生成物
1H−NMR測定によりC10位のプロトンに相当す
るピークが観測されなかったことから、10位の重水素
化率は99%以上であることを確認した。得られた生成
物の1H−NMRデータを以下に示す。
【0035】δ(ppm、CDCl3、300MHz)
1.03(6H,s,1−gem−Me)、1.48
(2H,m,2−H)、1.62(2H,m,3−
H)、1.71(3H,s,5−Me)、2.04(2
H,t,J=6.6Hz,4−H)、2.20(3H,
s,9−Me)、6.18(1H,d,J=16.2H
z,8−H)、6.54(1H,d,J=16.2H
z,7−H)
【0036】実施例3 (10−2H)C15ニトリルから(10−2H)β−イオ
ニリデンアセトニトリルの合成
【0037】
【化13】
【0038】(10−2H)C15ニトリル19g(8
8.0mmol)のn−ヘキサン(300ml)溶液に
ヨウ素1.2gを入れ、2時間加熱還流した。冷却後、
反応混合液に5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加えて
分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、(10−
2H)β−イオニリデンアセトニトリルを含む残渣物2
2gを得た。この残渣物と、実施例2で得られた(10
2H)β−イオニリデンアセトニトリルを含む残渣物
42.0gを合わせ、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶剤:ジエチルエーテル/ヘキサン=25/
75)で精製することにより、(10−2H)β−イオ
ニリデンアセトニトリル12.2g(0.056mo
l:収率33%)を得た。
【0039】実施例4 C18ケトン〔一般式(2)においてnが1を表し、かつ
Xが水素を表す化合物〕から(10,10−22)C20
β−ヒドロキシニトリル〔一般式(3)においてnが0
を表し、かつXが水素を表す化合物〕および(10−2
H)C20ニトリルの合成
【0040】
【化14】
【0041】窒素雰囲気下、ジイソプロピルアミン5.
09g(50.4mmol)のテトラヒドロフラン(8
0ml)溶液に、−78℃でn−ブチルチリウムのヘキ
サン溶液31.6ml(1.6mol/リットル濃度、
50.4mmol)を滴下し、室温で10分間攪拌後、
再び−78℃に冷却し、(23)アセトニトリル2.2
2g(50.4mmol)のテトラヒドロフラン(50
ml)溶液を滴下した。そのまま30分攪拌後、C18
トン10g(38.8mmol)のテトラヒドロフラン
(100ml)溶液を滴下した。1時間攪拌後、反応混
合液に塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止さ
せ、ヘキサンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除
去し、得られた残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶剤:ジエチルエーテル/ヘキサン=20
/80)で精製することにより、(10,10−22
20β−ヒドロキシニトリルおよび(10−2H)C20
ニトリルの混合物5.89g(19.6mmol:収率
50.4%)を得た。
【0042】実施例5 (10,10−22)C20β−ヒドロキシニトリルおよ
び(10−2H)C20ニトリルから(14−2H)レチノ
ニトリル〔一般式(1)においてnが1を表し、かつX
が水素を表す化合物〕の合成
【0043】
【化15】
【0044】(10,10−22)C20β−ヒドロキシ
ニトリルおよび(10−2H)C20ニトリルの混合物
3.82g(12.7mol)のn−ヘキサン(200
ml)溶液にヨウ素0.085gを入れ、2時間加熱還
流した。冷却後、反応混合液に5%亜硫酸水素ナトリウ
ム水溶液を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除
去し、得られた残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶剤:ジエチルエーテル/ヘキサン=20
/80)で精製することにより、(14−2H)レチノ
ニトリル1.23g(4.38mmol:収率34.5
%)を得た。
【0045】参考例1 (10−2H)β−イオニリデンアセトニトリルから
(10−2H)β−イオニリデンアセトアルデヒドの合
【0046】
【化16】
【0047】窒素雰囲気下、(10−2H)β−イオニ
リデンアセトニトリル12.2g(56.5mol)の
n−ヘキサン(300ml)溶液に、−78℃で水素化
ジイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液56.5ml
(1.0mol/リットル濃度、56.5mmol)を
滴下した。1時間攪拌後、酒石酸水溶液を加えて反応を
停止させ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を
減圧下で除去した。得られた残渣物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶剤:ジエチルエーテル/ヘ
キサン=20/80)で精製することにより、(10−
2H)β−イオニリデンアセトアルデヒド8.43g
(38.5mmol:収率68.1%)を得た。得られ
た生成物の 1H−NMR測定によりC10位のプロトン
に相当するピークが観測されず、さらにC11位のプロ
トンのピークが一重線であることから、10位の重水素
化率は99%以上であることを確認した。得られた生成
物の1H−NMRデータを以下に示す。
【0048】δ(ppm、CDCl3、300MHz)
0.99(6H,s,1−gem−Me)、1.42
(2H,m,2−H)、1.55(2H,m,3−
H)、1.65(3H,s,5−Me)、2.96(2
H,t,J=6.6Hz,4−H)、2.23(3H,
s,9−Me)、6.16(1H,d,J=16.2H
z,8−H)、6.69(1H,d,J=16.2H
z,7−H)、10.04(1H,s,11−H)
【0049】参考例2 (14−2H)レチノニトリルから(14−2H)レチナ
ールの合成
【0050】
【化17】
【0051】窒素雰囲気下、(14−2H)レチノニト
リル1.23g(4.38mol)のn−ヘキサン20
0ml溶液に、−78℃で水素化ジイソブチルアルミニ
ウムヘキサン溶液4.83ml(1.0mol/リット
ル濃度、4.83mmol)を滴下した。1時間攪拌
後、反応混合液に酒石酸水溶液を加えて反応を停止さ
せ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下
で除去した。得られた残渣物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開溶剤:ジエチルエーテル/ヘキサン
=20/80)で精製することにより、(14−2H)
レチナール0.4g(1.4mmol:収率30.8
%)を得た。得られた生成物の1H−NMR測定によ
り、C14位のプロトンに相当するピークが観測され
ず、またC15位のプロトンのピークが一重線であるこ
とから、14位の重水素化率は99%以上であることを
確認した。得られた生成物の1H−NMRデータを以下
に示す。
【0052】δ(ppm、CDCl3、300MHz)
1.04(6H,s,1−gem−Me)、1.49
(2H,m,2−H)、1.62(2H,m,3−
H)、1.72(3H,s,5−Me)、2.03(3
H+2H,s+m,13−Me+4−H)、2.33
(3H,s,9−Me)、6.18(2H,m,8−H
+10−H)、6.40(2H,m,7−H+12−
H)、7.13(1H,d−d,J=11.4Hz+1
5.0Hz,11−H)10.10(1H,s,15−
H)
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、重水素を有するテルペ
ノイド類を、簡便かつ高選択的に製造することができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 森 俊樹 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC14 AC41 AC54 AC84 BD70 BE53 UC12 4H039 CA40 CJ10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(2) 【化1】 (式中、nは0または1を表し、Xは水素原子または重
    水素原子を表し、側鎖中の炭素−炭素二重結合による立
    体配置はシス型またはトランス型のどちらでもよい。)
    で表されるケトンに、アルカリ金属重水素化アセトニト
    リル塩を作用させて一般式(3) 【化2】 (式中、Dは重水素原子を表し、nおよびXは前記定義
    のとおりであり、側鎖中の炭素−炭素二重結合による立
    体配置はシス型またはトランス型のどちらでもよい。)
    で表される化合物および/または一般式(4) 【化3】 (式中、n、XおよびDは前記定義のとおりであり、側
    鎖中の炭素−炭素二重結合による立体配置はシス型また
    はトランス型のどちらでもよい。)で表される化合物を
    得、次いで得られた一般式(3)で表される化合物およ
    び/または一般式(4)で表される化合物にヨウ素を作
    用させることを特徴とする一般式(1) 【化4】 (式中、n、XおよびDは前記定義のとおりであり、側
    鎖中の炭素−炭素二重結合による立体配置はシス型また
    はトランス型のどちらでもよい。)で表される重水素を
    有するテルペノイド類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006265106A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Tokuyama Corp アルコラート化合物の製造方法

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