JP2002053388A - 結晶成長方法 - Google Patents

結晶成長方法

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JP2002053388A
JP2002053388A JP2000236171A JP2000236171A JP2002053388A JP 2002053388 A JP2002053388 A JP 2002053388A JP 2000236171 A JP2000236171 A JP 2000236171A JP 2000236171 A JP2000236171 A JP 2000236171A JP 2002053388 A JP2002053388 A JP 2002053388A
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flow
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JP2000236171A
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English (en)
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Masami Tatsumi
雅美 龍見
Kyoichi Kinoshita
恭一 木下
Hirokazu Kato
浩和 加藤
Satoshi Matsumoto
松本  聡
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National Space Development Agency of Japan
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
National Space Development Agency of Japan
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物濃度が一定な化合物半導体を得ること
ができる結晶成長方法を提供すること。 【解決手段】 不純物を含んだ原料融液Lを縦型容器1
0内で下方から上方に向けて冷却して化合物半導体Sを
析出させる結晶成長方法において、原料融液L中に、縦
型容器10の側壁側を下降して中心軸Z側を上昇する第
1の循環流R1と、第1の循環流R1の上方に位置すると
共に縦型容器10の側壁側を上昇して中心軸Z側を下降
する第2の循環流R2と、を形成し、第1の循環流R1
上部と第2の循環流R2の下部との合流部Xにおける不
純物の拡散によって、第1の循環流R1が流れる領域に
おける不純物の濃度を略一定に保ちながら化合物半導体
Sを析出させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦型容器内で化合
物半導体を析出させる結晶成長方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気抵抗を定めるための不純
物を含んだ原料融液を縦型の容器内に収容し、これを底
部から上部に向けて冷却することで、固体状態の化合物
半導体を析出させるVB法(垂直ブリッジマン法)やV
GF法等の結晶成長方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、縦型容
器内で原料融液を下から上に向けて固化させる従来の結
晶成長方法には、次のような問題があった。すなわち、
液相よりも固相の方が含有できる不純物の量が少ない場
合があるが、このような場合、原料融液が固化して化合
物半導体が析出した領域から固化していない上層の原料
融液に向けて不純物が排出される。すると、成長界面の
直ぐ上の領域すなわち固化していない原料領域の底部に
おいて不純物濃度が徐々に高まり、図7に示すように、
成長した化合物半導体(図7は、不純物としてシリコン
が混入されたGaAsに関するデータを示す)の長手方
向の不純物濃度が不均一になってしまう。化合物半導体
の不純物濃度が不均一になると、電子デバイス等に使用
できない範囲が多発し、歩留まりが低下してしまうとい
う問題があった。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、不純物濃度が一定な化合物半導体を得ること
ができる結晶成長方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、不純物を含んだ原料融液を縦型容器内で
下方から上方に向けて冷却して化合物半導体を析出させ
る結晶成長方法において、原料融液中に、縦型容器の側
壁側を下降して中心軸側を上昇する第1の循環流と、第
1の循環流の上方に位置すると共に縦型容器の側壁側を
上昇して中心軸側を下降する第2の循環流と、を形成
し、第1の循環流の上部と第2の循環流の下部との合流
部における不純物の拡散によって、第1の循環流が流れ
る領域における不純物の濃度を略一定に保ちながら化合
物半導体を析出させることを特徴とする。
【0006】液相よりも固相の方が含有できる不純物の
量が少ない場合、原料融液が下方から固化して化合物半
導体が析出するのに伴って、原料融液に含まれていた不
純物が固相から上層の液相に流れ込む。このため、原料
融液中の第1の循環流が流れる領域は、下方の固相から
吐き出された不純物が溜まって不純物濃度が増加する。
ところが、本発明に係る結晶成長方法では、第1の循環
流の上部と固相から不純物が流れ込んでいない第2の循
環流の下部との合流部において不純物を拡散させ、第1
の循環流が流れる領域の不純物を第2の循環流が流れる
領域に排出することで、化合物半導体の析出中において
第1の循環流における不純物の濃度が略一定に保たれ
る。このため、得られた化合物半導体の不純物濃度は、
略一定とされている。なお、第1の循環流と第2の循環
流との合流部には鉛直方向の流れがないことから、当該
合流部では対流が起こらず、拡散のみが第1の循環流が
流れる領域における不純物濃度を支配することになる。
【0007】また、本発明の結晶成長方法において、第
1の循環流は、原料融液の外周部を放熱させることで形
成し、第2の循環流は、原料融液の外周部を加熱するこ
とで形成してもよい。
【0008】原料融液の外周部を放熱させると、縦型容
器の側壁近傍の放熱された原料融液は密度が増加して下
降し、底部まで下降した後に縦型容器の中心軸に向けて
流れる。これにより、縦型容器の側壁側を下降して中心
軸側を上昇する第1の循環流を容易に形成することがで
きる。一方、原料融液の外周部を加熱すると、縦型容器
の側壁近傍の加熱された原料融液は密度が減少して上昇
し、上部まで上昇した後に縦型容器の中心軸に向けて流
れる。これにより、縦型容器の側壁側を上昇して中心軸
側を下降する第2の循環流を容易に形成することができ
る。
【0009】また、この場合に、放熱を放熱器によって
行うと共に加熱を加熱器によって行い、放熱器の高さ位
置を変化させて第1の循環流の位置を調整し、加熱器の
高さ位置を変化させて第2の循環流の位置を調整しても
よい。
【0010】さらに、縦型容器の高さ方向における放熱
する領域と加熱する領域との割合を変化させることで第
1の循環流及び第2の循環流の大きさを調整しながら、
化合物半導体を析出させてもよい。
【0011】また、本発明に係る他の結晶成長方法は、
不純物を含んだ原料融液を縦型容器内で下方から上方に
向けて冷却して化合物半導体を析出させる結晶成長方法
において、原料融液中に、縦型容器の側壁側を上昇して
中心軸側を下降する第1の循環流と、第1の循環流の上
方に位置すると共に縦型容器の側壁側を下降して中心軸
側を上昇する第2の循環流と、を形成し、第1の循環流
の上部と第2の循環流の下部との合流部における不純物
の拡散によって、第1の循環流が流れる領域における不
純物の濃度を略一定に保ちながら化合物半導体を析出さ
せることを特徴とする。
【0012】液相よりも固相の方が含有できる不純物の
量が少ない場合、原料融液が下方から固化して化合物半
導体が析出するのに伴って、原料融液に含まれていた不
純物が固相から上層の液相に流れ込む。このため、原料
融液中の第1の循環流が流れる領域は、下方の固相から
吐き出される不純物が溜まって不純物濃度が増加する。
ところが、本発明に係る結晶成長方法では、第1の循環
流の上部と固相から不純物が流れ込んでいない第2の循
環流の下部との合流部において不純物を拡散させ、第1
の循環流が流れる領域の不純物を第2の循環流が流れる
領域に排出することで、化合物半導体の析出中において
第1の循環流における不純物の濃度が略一定に保たれ
る。このため、得られた化合物半導体の不純物濃度は、
略一定とされている。なお、第1の循環流と第2の循環
流との合流部には鉛直方向の流れがないことから、当該
合流部では対流が起こらず、拡散のみが第1の循環流が
流れる領域における不純物濃度を支配することになる。
【0013】また、第1の循環流は、原料融液の外周部
を加熱することで形成し、第2の循環流は、原料融液の
外周部を放熱させることで形成してもよい。
【0014】原料融液の外周部を加熱すると、縦型容器
の側壁近傍の放熱された原料融液は密度が減少して上昇
し、その後、縦型容器の中心軸に向けて流れる。これに
より、縦型容器の側壁側を上昇して中心軸側を下降する
第1の循環流を容易に形成することができる。一方、原
料融液の外周部を放熱させると、縦型容器の側壁近傍の
放熱された原料融液は密度が増加して下降し、その後、
縦型容器の中心軸に向けて流れる。これにより、縦型容
器の側壁側を下降して中心軸側を上昇する第2の循環流
を形成することができる。
【0015】また、この場合に、放熱を放熱器によって
行うと共に加熱を加熱器によって行い、加熱器の高さ位
置を変化させて第1の循環流の位置を調整し、放熱器の
高さ位置を変化させて第2の循環流の位置を調整するよ
うにしてもよい。
【0016】さらに、縦型容器の高さ方向における加熱
する領域と放熱する領域との割合を変化させることで第
1の循環流及び第2の循環流の大きさを調整しながら、
化合物半導体を析出させるようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る結晶成長方法の好適な実施形態について詳細に
説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものと
し、重複する説明は省略する。
【0018】[第1実施形態]図1は、本実施形態の結
晶成長方法に使用される結晶成長装置1を示す断面図で
ある。結晶成長装置1は、有底円筒状の収容部3とこれ
の開口部を塞ぐ蓋部5とからなる石英製の縦型容器10
と、この縦型容器10の周囲に配置されたヒータ12
a,12b,12c,12dと、を有している。また、
縦型容器10の内部には、GaAs単結晶からなる種結
晶2と化合物半導体であるGaAsの原料融液Lとが収
容されている。さらに、原料融液Lには、GaAsの電
気抵抗値を調整するための不純物としてのSi(シリコ
ン)が混入されている。
【0019】また、ヒータ12a〜12dは、ヒータ制
御装置20によって各々独立に温度制御される。さら
に、図示は省略するが、各ヒータ12a〜12dには、
縦型容器10に対して鉛直方向にスライドするためのス
ライド機構が各々備えられており、ヒータ制御装置20
は、このスライド機構を介して各ヒータ12a〜12d
の縦型容器10に対する高さ位置を調節する。なお、縦
型容器10を各ヒータ12a〜12dに対して移動させ
るようにしてもよい。
【0020】以上が結晶成長装置1の構成である。次
に、結晶成長装置1を用いてGaAsを析出させる結晶
成長方法を説明する。
【0021】まず、約1240℃〜約1350℃でGa
Asの原料融液Lを縦型容器10で形成した後、ヒータ
制御装置20を操作してヒータ12a,12bを約13
00℃にし、ヒータ12c,12dを約1250℃に設
定する。すなわち、ヒータ12a,12bによって原料
融液Lの上側の外周部は加熱され、ヒータ12c,12
dによって原料融液Lの下側の外周部は放熱されること
になる。次いで、縦型容器10の下端部から図示を省略
する低温領域に移動させる。これにより、下方から上方
に向けて原料融液Lが徐々に固化し、GaAsを析出さ
せることができる。
【0022】ここで、本実施形態では、ヒータ12a,
12b及びヒータ12c,12dをそれぞれ上述のよう
に温度設定していることから、図2に示すように、原料
融液L中に2つのドーナツ状の循環流が形成される。縦
型容器10の底部には、析出したGaAsの固相Sがあ
り、この上に、第1の循環流R1と、当該第1の循環流
1の上方に位置する第2の循環流R2と、が形成されて
いる。
【0023】第1の循環流R1は、縦型容器10の側壁
側を下降して、中心軸Z側を上昇するように循環して流
れ、第2の循環流R2は、縦型容器10の側壁側を上昇
して中心軸Z側を下降するように循環して流れている。
【0024】次に、図3を参照して、第1の循環流R1
及び第2の循環流R2が形成される過程を説明する。図
3は、縦型容器の縦断面図であり、中心軸Zより右側の
みを示している。上述のように、ヒータ12a,12b
は原料融液Lよりも高温に設定されているため加熱器と
して機能し、ヒータ12a,12bにより囲われる原料
融液Lの外周部の領域A2は加熱されることになる。こ
れにより、当該領域A2の原料融液Lは密度が減少して
縦型容器10内を上昇し、上部まで上昇した後に縦型容
器10の中心軸Zに向けて流れ、第2の循環流R2が形
成される。一方、ヒータ12c,12dは原料融液Lよ
りも低温に設定されているため放熱器として機能し、ヒ
ータ12c,12dにより囲われる原料融液Lの外周部
の領域A1は放熱されることになる。これにより、当該
領域A1の原料融液Lは密度が増加して縦型容器10内
を下降し、底部まで下降した後に縦型容器の中心軸Zに
向けて流れて、第1の循環流R1が形成される。
【0025】また、液相よりも固相の方が含有できる不
純物の量が少ない場合、原料融液Lが下方から固化して
GaAsが析出するのに伴って、原料融液Lに含まれて
いた不純物が固相Sから上層の液相に流れ込む。このた
め、原料融液L中の第1の循環流R1が流れる領域は、
下方の固相Sからの不純物が溜まって不純物濃度が増加
する。ところが、本実施形態では、第1の循環流R1
上部と第2の循環流R2の下部との図3中白抜き矢印で
示す合流部Xにおける不純物の拡散によって、第1の循
環流R1が流れる領域における不純物を第2の循環流R2
が流れる領域に排出させて、GaAsの析出中に第1の
循環流R1における不純物の濃度が略一定に保たれるよ
うに第1の循環流R1及び第2の循環流R2を形成する。
これにより、GaAsの不純物濃度を略一定にすること
ができる。なお、GaAsを析出させていくと、固相S
の領域が増加すると共に原料融液Lが徐々に減少してい
くが、第1の循環流R1と第2の循環流R2との間で不純
物の拡散が結晶成長中常に行われるようにするために、
ヒータ制御装置20によって各ヒータ12a〜12dを
原料融液Lが存在する領域の外周を常に覆うように移動
させ、第1の循環流R 1が流れる領域と第2の循環流R2
が流れる領域との割合を結晶成長開始時と同程度に保持
する。
【0026】図4は、従来の垂直ブリッジマン法で得ら
れたGaAsの不純物濃度(破線)と、本実施形態の結
晶成長方法で得られたGaAsの不純物濃度(実線)
と、を示すグラフである。このグラフより、本実施形態
のGaAsでは、不純物濃度の一定の領域が従来よりも
遥かに多いことが分かる。また、図中Xで示した領域
が、電子デバイス等に使用できる範囲であり、従来より
も遥かに歩留まりが高められていることが分かる。
【0027】なお、第1の循環流R1が流れる領域にお
ける不純物濃度は、第1の循環流R1及び第2の循環流
2の高さ位置を調整することで、所望の値に近付ける
ことができる。そして、第1の循環流R1の高さは、ヒ
ータ制御装置20を介してヒータ(放熱器)12c,1
2dの高さ位置を調整することで設定でき、第2の循環
流R2の高さは、ヒータ(加熱器)12a,12bの高
さ位置を調整することで設定できる。
【0028】さらに、第1の循環流R1が流れる領域に
おける不純物濃度は、第1の循環流R1及び第2の循環
流R2の大きさ(鉛直方向の長さ)を調整することによ
っても、所望の値に近付けることができる。そして、第
1の循環流R1及び第2の循環流R2の大きさは、原料融
液Lを放熱する領域と加熱する領域との縦型容器10の
高さ方向における割合を変化させることで設定すること
ができる。また、放熱する領域と加熱する領域との割合
は、ヒータ制御装置20を介して各ヒータ12a〜12
dの高さ位置を調整することで変化させることができ
る。
【0029】[第2実施形態]次に、図5及び図6を参
照して、本発明に係る結晶成長方法の第2実施形態を説
明する。本実施形態では、ヒータ12a,12bの設定
温度を原料融液Lの温度よりも低くし、ヒータ12c,
12dの設定温度を原料融液Lの温度よりも高くする。
また、縦型容器10の上方に、径が縦型容器10よりも
小さなヒータ12eを設置し、この設定温度を原料融液
Lよりも高くする。これにより、図5に示すように、本
実施形態の第1の循環流R1及び第2の循環流R2は、第
1実施形態の各循環流R1,R2と流れが反対になる。す
なわち、本実施形態の第1の循環流R1は、縦型容器1
0の側壁側を上昇して中心軸Z側を下降して流れ、第2
の循環流R2は、縦型容器10の側壁側を下降して中心
軸Z側を上昇するように流れる。
【0030】本実施形態における各循環流R1,R2の形
成過程は、以下の通りである。上述のように、ヒータ1
2a,12bは原料融液Lよりも低温に設定されている
ため放熱器として機能し、ヒータ12a,12bにより
囲われる原料融液Lの外周部の領域A2は放熱されるこ
とになる。これにより、当該領域A2の原料融液Lは密
度が増加して縦型容器10内を下降し、その後、縦型容
器10の中心軸Z側を上昇し、第2の循環流R2が形成
される。一方、ヒータ12c,12dは原料融液Lより
も高温に設定されているため加熱器として機能し、ヒー
タ12c,12dにより囲われる原料融液Lの外周部の
領域A1は加熱されることになる。これにより、当該領
域A1の原料融液Lは密度が減少して縦型容器10内を
上昇し、その後、縦型容器10の中心軸Z側を下降し、
第1の循環流R1が形成される。
【0031】そして、図6に示すように、本実施形態に
おける第1の循環流R1の上部と第2の循環流R2の下部
との合流部Xは、第1実施形態と反対向きになるが、こ
の合流部Xにおいても、第1実施形態と同様に原料融液
Lの鉛直方向の対流は起こらず、拡散のみが第1の循環
流R1が流れる領域の不純物濃度を支配する。そして、
合流部Xにおける不純物の拡散によって第1の循環流R
1が流れる領域における不純物を第2の循環流R2が流れ
る領域に排出し、第1の循環流R1における不純物濃度
が略一定に保たれるように第1の循環流R1及び第2の
循環流R2を形成する。これにより、本実施形態によっ
ても、GaAsの不純物濃度を略一定にすることができ
る。
【0032】また、第1実施形態と同様に、第1の循環
流R1が流れる領域における不純物濃度を所望の値に近
付けるために、第1の循環流R1の高さを、ヒータ制御
装置20を介してヒータ(加熱器)12c,12dの高
さ位置を調整することで設定し、第2の循環流R2の高
さを、ヒータ(放熱器)12a,12bの高さ位置を調
整することで設定してもよい。
【0033】さらに、第1の循環流R1が流れる領域に
おける不純物濃度を所望の値により近付けるために、各
ヒータ12a〜12dの高さ位置を調整することで原料
融液Lを放熱する領域と加熱する領域との縦型容器10
の高さ方向における割合を変化させて、第1の循環流R
1及び第2の循環流R2の大きさを設定してもよい。
【0034】以上、本発明者によってなされた発明を実
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記各実
施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の結
晶成長方法によって、GaAsの他に、InP、ZnS
e、あるいはGaXIn1-XAsのような三元系、多元系
半導体等の種々の化合物半導体を成長させることができ
る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る結晶
成長方法によれば、第1の循環流の上部と固相から不純
物が流れ込んでいない第2の循環流の下部との合流部に
おいて不純物を拡散させ、第1の循環流が流れる領域の
不純物を第2の循環流が流れる領域に排出することで、
化合物半導体の析出中において第1の循環流における不
純物の濃度が略一定に保たれる。このため、得られた化
合物半導体の不純物濃度を略一定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶成長方法を実施するための結晶成
長装置を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の第1の循環流R1及び第2の循
環流R2を示す図である。
【図3】縦型容器の縦断面図であり、第1実施形態の第
1の循環流R1及び第2の循環流R2を示す。
【図4】第1実施形態の結晶成長方法によって得られた
GaAsの不純物濃度を示すグラフである。
【図5】第2実施形態の第1の循環流R1及び第2の循
環流R2を示す図である。
【図6】縦型容器の縦断面図であり、第2実施形態の第
1の循環流R1及び第2の循環流R2を示す。
【図7】縦型容器を用いた従来の結晶成長方法によって
得られたGaAsの不純物濃度を示すグラフである。
【符号の説明】
1…結晶成長装置、10…縦型容器、12a〜12d…
ヒータ、20…ヒータ制御装置、L…原料融液、S…G
aAs(化合物半導体)の固相、R1…第1の循環流、
2…第2の循環流、X…合流部、Z…中心軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 恭一 東京都港区浜松町2丁目4番1号 宇宙開 発事業団内 (72)発明者 加藤 浩和 東京都港区浜松町2丁目4番1号 宇宙開 発事業団内 (72)発明者 松本 聡 東京都港区浜松町2丁目4番1号 宇宙開 発事業団内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BE46 CD02 EB01 EG30 5F053 AA09 AA11 BB04 DD03 DD11 DD16 FF04 GG01 HH04 KK01 RR01 RR13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物を含んだ原料融液を縦型容器内で
    下方から上方に向けて冷却して化合物半導体を析出させ
    る結晶成長方法において、 前記原料融液中に、前記縦型容器の側壁側を下降して中
    心軸側を上昇する第1の循環流と、前記第1の循環流の
    上方に位置すると共に前記縦型容器の側壁側を上昇して
    中心軸側を下降する第2の循環流と、を形成し、 前記第1の循環流の上部と前記第2の循環流の下部との
    合流部における前記不純物の拡散によって、前記第1の
    循環流が流れる領域における前記不純物の濃度を略一定
    に保ちながら化合物半導体を析出させることを特徴とす
    る結晶成長方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の循環流は、前記原料融液の外
    周部を放熱させることで形成し、前記第2の循環流は、
    前記原料融液の外周部を加熱することで形成することを
    特徴とする請求項1記載の結晶成長方法。
  3. 【請求項3】 前記放熱を放熱器によって行うと共に前
    記加熱を加熱器によって行い、前記放熱器の高さ位置を
    変化させて前記第1の循環流の位置を調整し、前記加熱
    器の高さ位置を変化させて前記第2の循環流の位置を調
    整することを特徴とする請求項2記載の結晶成長方法。
  4. 【請求項4】 前記縦型容器の高さ方向における前記放
    熱する領域と前記加熱する領域との割合を変化させるこ
    とで前記第1の循環流及び前記第2の循環流の大きさを
    調整しながら、前記化合物半導体を析出させることを特
    徴とする請求項2又は請求項3記載の結晶成長方法。
  5. 【請求項5】 不純物を含んだ原料融液を縦型容器内で
    下方から上方に向けて冷却して化合物半導体を析出させ
    る結晶成長方法において、 前記原料融液中に、前記縦型容器の側壁側を上昇して中
    心軸側を下降する第1の循環流と、前記第1の循環流の
    上方に位置すると共に前記縦型容器の側壁側を下降して
    中心軸側を上昇する第2の循環流と、を形成し、 前記第1の循環流の上部と前記第2の循環流の下部との
    合流部における前記不純物の拡散によって、前記第1の
    循環流が流れる領域における前記不純物の濃度を略一定
    に保ちながら化合物半導体を析出させることを特徴とす
    る結晶成長方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の循環流は、前記原料融液の外
    周部を加熱することで形成し、前記第2の循環流は、前
    記原料融液の外周部を放熱させることで形成することを
    特徴とする請求項5記載の結晶成長方法。
  7. 【請求項7】 前記放熱を放熱器によって行うと共に前
    記加熱を加熱器によって行い、前記加熱器の高さ位置を
    変化させて前記第1の循環流の位置を調整し、前記放熱
    器の高さ位置を変化させて前記第2の循環流の位置を調
    整することを特徴とする請求項6記載の結晶成長方法。
  8. 【請求項8】 前記縦型容器の高さ方向における前記加
    熱する領域と前記放熱する領域との割合を変化させるこ
    とで前記第1の循環流及び前記第2の循環流の大きさを
    調整しながら、前記化合物半導体を析出させることを特
    徴とする請求項6又は請求項7記載の結晶成長方法。
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