JPH07300386A - 半導体結晶の成長方法 - Google Patents

半導体結晶の成長方法

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JPH07300386A
JPH07300386A JP11600394A JP11600394A JPH07300386A JP H07300386 A JPH07300386 A JP H07300386A JP 11600394 A JP11600394 A JP 11600394A JP 11600394 A JP11600394 A JP 11600394A JP H07300386 A JPH07300386 A JP H07300386A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 縦型ブリッジマン法によって半導体結晶を成
長させる際に、混晶比や不純物濃度を結晶の長手方向に
一定に保持できる方法を提供すること。 【構成】 石英るつぼの外側に熱電対を挿入する管を設
ける。ここに熱電対を挿入する。原料を溶融した後、る
つぼを低温の方へ移動させるが、熱電対は原料の融点に
なるようにし、しかも動かないようにする。るつぼの移
動速度又はヒ−タの形成する温度分布を制御して、静止
している熱電対が常に融点を示すようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は縦型ブリッジマン法に
よる半導体結晶の成長方法に関する。半導体結晶の成長
方法には様々な方法が知られている。Si単結晶の場合
はチョクラルスキ−法が最も有力である。ほとんどのS
i単結晶はこの方法で作られる。原料をるつぼに入れて
ヒ−タによって周りから加熱し融液とし、種結晶を上か
ら垂らして種付けし回転させながら種結晶を引き上げる
ことにより単結晶を引き上げる。単結晶の直径は、るつ
ぼの半分以下であることが多い。チョクラルスキ−法は
代表的な結晶成長方法でSi以外にも広く使われる。G
aAs、InPなどの化合物半導体の場合は、V族元素
の蒸気圧が高いのでV族の解離を防ぐための特別の工夫
が必要である。代表的な方法は水平ブリッジマン法と液
体封止チョクラルスキ−法である。
【0002】水平ブリッジマン法は、半円断面のボ−ト
に原料を入れ、これを中間隔壁で仕切られた長い石英管
の一方の空間に入れ、他方の空間にAsやPを入れた状
態で封入し、これを温度勾配のある炉の中へ入れて成長
させるものである。ボ−トの一端には種結晶を置く。全
体を高温に加熱して原料を溶融してから、種結晶の側か
ら徐々に冷却する。種結晶と同じ方位の単結晶が横方向
に成長してゆく。成長方向が水平であるので水平という
限定が付く。
【0003】ブリッジマン法というのは、融液と単結晶
が同じ容器内にあり、断面積も同じであるという特徴が
ある。境界面(固液界面)が少しずつ動いてゆく。温度
勾配のある炉の中を、石英管を動かすことにより固液界
面を動かす。水平ブリッジマン法は、結晶を引き上げる
ということをしないので、応力がかからず歪みの小さい
結晶を得ることができる。ために転位密度の低い良質の
単結晶を製造することができる。発光素子、高周波素子
などの化合物半導体の結晶はこの方法で作られる。
【0004】液体封止チョクラルスキ−法は、るつぼに
原料を入れB23 などの封止剤を更に入れる。高温に
加熱し高圧をかけてV族元素の揮発を防止する。種結晶
を上から垂らして種付けし回転しながら引き上げる。高
圧が封止剤を押さえるのでV族の揮発を防ぐことができ
るが、封止剤の断熱性が大きく温度勾配が大きくなるの
で熱歪みが入りやすい。この方法で作った結晶は転位密
度が高い。
【0005】本発明の対象とする縦型ブリッジマン法は
これらの代表的な化合物半導体の成長方法のいずれとも
異なる。水平ブリッジマンを縦型にしたようなものであ
る。原料を入れた縦型のるつぼを、上が高温、下が低温
の縦型の温度勾配炉に入れ、全体を溶融し融液にしてか
ら、るつぼを下方に移動させて、下方から徐々に原料融
液を固化する。下が固体で上が液体であるので、チョク
ラルスキ−法とは温度勾配が反対になる。
【0006】
【従来の技術】縦型ブリッジマン法がどうして必要なの
かをまず説明する。チョクラルスキ−法は使い慣れた方
法であり、固体と液体の境界がはっきりしており、制御
も容易である。結晶の重量は上軸に取り付けたロ−ドセ
ルにより測定できる。境界は目視観察、テレビカメラで
観察できる。しかし、チョクラルスキ−法は、一様な不
純物濃度のものや、一様な組成の混晶を成長させること
ができない。一般にるつぼ内の原料は、平衡状態で、固
体と液体の界面とで不純物の濃度が異なる。固体中の不
純物濃度を液体(融液)の不純物濃度で割った値は温度
のみによる定数である。この比の値を偏析係数という。
偏析係数が1より小さいと、引き上げとともに融液中の
不純物が濃縮されるので、結晶中の不純物濃度が上昇し
てゆく。偏析係数が1より小さいと反対に不純物濃度が
減少してゆく。
【0007】これは不純物の場合であるが、混晶の場合
も同様である。平行状態にある融液と固体に含まれる原
料組成が同一でない。ために成長とともに混晶比が変動
してくる。一様な組成の混晶を得ることができない。こ
のような欠点は水平ブリッジマン法でも同様である。融
液と固体(結晶)が熱平衡にあるので、固体と融液での
原料組成が同一でない。
【0008】縦型ブリッジマン法により結晶を成長させ
る方法としては、 特開平1−212291号(1989.8.25)…
複数箇所に熱電対を設けて複数箇所での温度を求め、こ
れを基に温度分布を計算推定し、成長界面形状、成長界
面位置の変化を制御する。 PCT出願 WO 91/02832(1991.
3.7)…外部の主ヒ−タの他に、原料融液の内部に円
板状の補助ヒ−タを設けている。補助ヒ−タの作用で原
料融液の動きが抑えられる。これは実効偏析係数をほぼ
1に等しくし、不純物濃度が一定の結晶を成長させるこ
とができるというわけである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】縦型ブリッジマン法
は、混晶や不純物を含む結晶に適する方法と言われてい
るが、必ずしも長手方向に混晶比や、不純物濃度の一定
したものができる訳ではない。この方法は固体部と液体
部の界面がどこであるのかはっきりせず、結晶成長条件
を長手方向に一様に保持するのが難しい。るつぼを一定
方向に一定速度で移動し成長を行う時、るつぼ移動に伴
う機械的ノイズや、るつぼが移動することにより引き起
こる炉内熱環境の変化などの諸要因が成長速度(固液界
面速度)を変化させており、これによりストリエ−ショ
ン(ミクロな組成変動)が生じる。
【0010】混晶半導体の場合は、やはり長手方向に混
晶比が揺らぐ。不純物をド−プした半導体は、長手方向
に不純物濃度が変動する。アンド−プ半導体の場合は双
晶が入りやすく結晶性が悪い。前記のは構造が複雑に
なる。また再現性に問題がある。は原料融液へ不純物
が混入する惧れがある。本発明は、縦型ブリッジマン法
において、原料の結晶化位置(融点位置、あるいは、固
液界面位置)を一定とすることにより、成長速度を一定
とし、不純物濃度や混晶比の安定した結晶を成長させる
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体結晶の成
長方法は、縦型のるつぼと、るつぼを支持し昇降させる
ことのできる下軸と、るつぼの周囲に設けられ縦方向に
温度分布を形成することのできる上下方向に伸びるヒ−
タと、るつぼの外周に設置した温度センサとを含む半導
体結晶の成長装置を用い、るつぼの中に原料固体を収容
し、ヒ−タによってこれを溶融して、原料融液とし、ヒ
−タの出力を調整して上方を高温部、下方を低温部と
し、るつぼ底部の結晶成長開始位置に固定した温度セン
サの温度が成長中において常に融点となるように、ヒ−
タ制御を行いながら、下軸を下げることにより、下方か
ら原料融液を固化し結晶とすることを特徴とする。
【0012】更に、望ましくは、るつぼの外周に断熱材
を設けて、原料融液をヒ−タから遮断し、温度センサに
よる温度測定をより正確なものにすることが望ましい。
ヒ−タからの熱輻射を遮断するので、温度測定が精密に
なる。或いは、融点位置に設定する温度センサの他に、
上にひとつ以上、下にひとつ以上の温度センサを設け
る。温度センサを増やすので、るつぼ外周の温度分布を
より精密に測定することができる。更には、融点の位置
より上方から融点の位置へ流れる熱量が、融点の位置よ
り下方から流れる熱量よりも大きくするのが望ましい。
【0013】
【作用】本発明は、縦型のるつぼに原料を入れて融液と
し、下方が低温、上方が高温とした温度勾配の中を、融
液を下げてゆくことにより、下方から固化させる。るつ
ぼの外周に縦長の空間を形成し、ここに熱電対のような
温度センサを設けて、原料融液の温度を測定する。温度
センサの位置を動かすと測定条件が変わるので、測定結
果の信頼性が低い。本発明は、そうではなくて、温度セ
ンサの位置と原料融点の位置は不変とする。下軸を下方
に変位させることにより、原料融液と結晶を下方へ下げ
て行く。こうすると原料融液が固化する条件が時間的に
変わらない。また原料の融点の位置に温度センサを固定
しているので、原料中の固液界面と、温度センサの関係
が一定である。ために、固液界面の高さが一定となる。
縦型ブリッジマン法の難点は固液界面が分からないこと
にある。しかし本発明は、常に固液界面の位置を精密に
知ることができる。縦型ブリッジマンの欠点を解消する
有力な方法である。
【0014】図1は縦型ブリッジマン装置の概略構成図
である。真空に引くことのできるチャンバ1の内部に
は、独立してパワ−を制御できるヒ−タ2、3、4、5
が縦方向に設置される。これによって、任意の温度分布
を形成することができる。チャンバ1の中央部には、縦
長のるつぼ6があって、内部に原料融液7が収容され
る。るつぼ6の下底は、下軸8によって支持される。る
つぼ6の側方には縦長の熱電対挿入管9が形成される。
熱電対挿入管9には上方から熱電対10が挿入される。
るつぼ6の上部開口は蓋11で閉じられる。この状態で
はすべてが融液である。ヒ−タによる温度環境は、下方
が低温、上方が高温になっている。下軸8を下げること
により、融液が下の方から次第に固化してゆく。熱電対
10の位置は変わらないようにする。しかも熱電対10
は常に固液界面に位置するように調節する。下軸の下降
速度を加減して、このような条件を満足させる。固液界
面の高さが常に一定である。結晶は上下方向に同一の条
件によって成長するということになる。品質の安定し
た、不純物密度の一様な結晶を成長させることができ
る。
【0015】更には、るつぼと温度センサの外周を断熱
材で覆うとなお一層良い。ヒ−タからの輻射が温度セン
サに当ると、測定値が高めに出るが、断熱材で包むと、
輻射が遮られる。熱伝導のみになるので、融液の温度を
より正確に測定することができる。図2にそのような装
置の概略を示す。るつぼ6と熱電対挿入管9を囲むよう
に断熱材12が設けられる。これは下軸8の上頂にあ
り、下軸8、るつぼ6と共に昇降する。ヒ−タ2、3、
4、5からの輻射熱は断熱材の表面に当りこれを強熱す
る。表面が高温になるので、熱が熱伝導により内部に伝
達される。伝導した熱によりるつぼと原料が加熱され
る。るつぼや原料融液からも伝導により熱が外向きに伝
わる。断熱材9を、ヒ−タとるつぼの中間に設けること
は、ヒ−タからの熱の伝達を遮断するので、加熱の効率
が悪い。しかし反面、るつぼ内の温度分布の変化を抑え
るので、温度分布が安定する。また熱電対で温度を測定
する時、輻射を受けないのでより精密に測温することが
できる。
【0016】温度センサの数はひとつでも良いが、複数
にすることにより、るつぼ内の温度分布をより正確に求
めることができるようになる。前記の固液界面に固定す
るものの他に、これより上に一つ以上、下に一つ以上の
温度センサを設ける。この方法では、縦型るつぼの下か
ら固化してゆくので、下の温度センサは結晶の温度を監
視し、上の温度センサは融液温度を監視することができ
る。先述のように縦型ブリッジマンは固液界面が分から
ないという欠点があるが、本発明に於いて、3つ以上の
温度センサを設けることにより、縦方向の原料融液、結
晶の温度分布が求められる。るつぼの下降の速度や、ヒ
−タのパワ−の制御のためのデ−タとして温度分布を用
いることができる。
【0017】図3は3つの熱電対を設けた装置の例を示
す。熱電対挿入管9に、3つの熱電対10、13、14
が挿入されている。中間の熱電対10は、原料の融液7
と、結晶15の境界である固液界面16の高さにある。
一つの熱電対13は、より上方の点にあって、融液の温
度をモニタしている。他の熱電対14はより下方の点に
あって、結晶の温度をモニタしている。上熱電対13、
中間熱電対10、下熱電対14の温度をそれぞれT1
23 とする。T2 は原料の融点に固定してある。T
1 >T2 >T3 である。中間の熱電対10と上方の熱電
対13の高さの差をL1 、中間の熱電対10と下方の熱
電対14の高さの差をL2 とする。
【0018】さらに、優れた結晶性のものを作ろうとす
ると、図4に示すように、原料の固液界面は固体側が凸
に、融液側が凹になっている方が良い。つまり、固液界
面が中央で高く、周辺で低くなるような曲面になってい
るのが結晶性の点で望ましい。このためには、固液界面
へ上方から流入する熱量Q1 と固液界面から下方へ流れ
去る熱量Q2 とを比較し、Q1 がQ2 より大きくすると
良い。図5に熱流の関係を示す。Q1 がQ2 より大きい
と、その差Q3 =Q1 −Q2 は、るつぼの中心へ向かう
熱流となる。
【0019】このような中心に向かう熱流が存在すると
いうことは、原料結晶、融液の外周の方が、中央部より
も温度が高いということである。温度は下方で低く、上
方で高いのであるから、上向きに凸の等温線が形成され
る。このため固液界面が、上向きに凸となる。これによ
り良好な結晶性を持つ結晶ができる。Q1 >Q2 という
条件を温度分布によって書き表わしてみよう。
【0020】縦方向上向きにZ軸を定義する。上向きの
熱流の大きさは、−λ(∂T/∂z)によって表現する
ことができる。ここでλは熱伝導率である。Tは温度、
zはZ軸上の座標である。温度センサを上(融液)、中
(固液界面)、下(結晶)の3つの異なる高さに設けて
いる場合は、これらの点での温度を実測できる。上の温
度センサと、中(固液界面)の温度センサの距離をL
1 、中の温度センサと下(固体)の温度センサの距離を
2 とする。上記の熱流Q1 、Q2 は、これら3点の温
度T1 (融液)、T2 (固液界面)、T3 (結晶)と距
離によって次のように表すことができる。
【0021】融液側から固液界面に向かう下向きの熱流
1 は、Q1 =λl (T1 −T2 )/L1 となる。ここ
でλl は融液中の熱伝導率である。固液界面から結晶側
に流れる下向きの熱流Q2 は、Q2 =λs (T2 −T
3 )/L2 である。λs は固体中の熱伝導率である。固
液界面を上向きに凸型にするためには、Q1 >Q2 であ
れば良いので、結局λl (T1 −T2 )/L1 >λs
(T2 −T3 )/L2 であれば良い。
【0022】
【実施例】
[実施例 1]図1の縦型温度勾配炉を用いて、InG
aAsの混晶を成長させた。目標の混晶比は、In97
%、Ga3%である。予め合成された、In1-x Gax
As(x=0.03)33.25gを、内径12mmの
石英るつぼ6に真空封入した。これを下軸8の上に固定
した。チャンバ1を閉じて真空に引いてからヒ−タに電
流を流し、るつぼ6、原料を加熱した。るつぼを上方に
上げておき、高温に加熱し全体を原料融液にした。熱電
対挿入管9には熱電対10が挿入される。るつぼ6、下
軸8を4mm/hの速度で下降させる。原料融液は下方
から固化し結晶になってゆく。この間、熱電対10の高
さが一定でしかも原料の融点に等しいようにする。
【0023】この場合は、ヒ−タのパワ−を適当に調整
して、熱電対の温度が融点になるようにする。下軸を下
げてゆき、原料の全体を固化させる。全体が結晶にな
る。混晶比の軸方向の変動が問題である。縦型ブリッジ
マンを使うのは一様な組成の混晶を作れる可能性がある
からである。その期待に添うものであるかどうかを確か
めなければならない。そこで、結晶を薄い薄片に切り出
し、その試料中のGaの濃度を調べた。多くの薄片(ウ
エハ)のGa濃度を測定することにより軸方向のGa濃
度の変化を知ることができる。この結果を図6に示す。
横軸は固化率gである。縦軸はGa濃度である。
【0024】固化率というのは原料全体の重量で、結晶
の重量を割った値のことである。しかし固化率はここで
は、結晶の下の端からの距離を表現していると言って良
い。固化率gの点というのは、結晶の下からその点まで
の結晶の重さを、はじめの原料の重さで割った値がgで
ある点ということである。もしも結晶が完全に円柱で、
原料がすべて結晶になったとすれば、測定点までの下か
らの距離をs、結晶半径をr、密度をρ、結晶長さをL
として、g=πρr2 s/πρr2 L=s/Lである。
固化率が低い時(固化の最初の部分)には、Ga濃度は
かなり大きい値になる。固化率が0.1〜0.2の範囲
でGa濃度が急速に下降する。また固化率gが0.3
5.〜0.5の間でGa濃度が大きくばらつく。それ以
後大体Ga濃度が一定値になる。この結果から本発明の
方法では、軸方向にほぼ混晶比の一様な混晶を成長させ
ることができることが分かる。しかし未だ軸方向の一様
性は不十分である。
【0025】[実施例 2]図2の縦型温度勾配炉によ
って実施例1と同じ条件で、InGaAsの混晶を成長
させた。図2の炉は断熱材によりるつぼを覆っているの
で、温度変化が一様になり、熱電対による温度測定が正
確になる。InGaAs(混晶比In97%、Ga3
%)の多結晶原料33.25gを、内径12mmのるつ
ぼに入れて、溶融し、4mm/hの速度で下降させて、
融液を固化してゆく。こうして成長させた結晶をウエハ
に切り出し、Ga濃度を測定した。この結果を図7に示
す。結晶のはじめに、Ga濃度はかなり高い値になって
いる。しかし直ぐにGa濃度が下がり以後ほぼ同じ値を
保持する。固化率が0.05〜0.7の広い範囲でGa
濃度がほとんど変動しない。固化率が0.7を越える
と、Ga濃度が一様に低下してゆく。この結晶は、始端
部と終端部を除けば一様な混晶比のものとなる。一定混
晶比の長さが長いから一定比率の混晶を製造する方法と
して生産性が高い。
【0026】[比較例 1]図1の縦型温度勾配炉を用
い、固液界面の高さを制御しないで、InGaAsの混
晶を成長させた。固液界面を制御しないという他は、実
施例1と同じ条件である。この方法で成長させたInG
aAs混晶のGa濃度の軸方向の変動を図8に示した。
Ga濃度の変化が著しく、一様濃度である部分が殆どな
い。たとえ、始端と終端を切り除いてもGa濃度の一様
な結晶を得ることができない。図8と図6の結果を比べ
てみれば、本発明のように、固液界面の高さを一定に保
ちながら結晶を低温側へ移動して成長させることが、一
様混晶比を得るのに極めて有効であることが分かる。
【0027】[実施例 3]図3の縦型温度勾配炉を用
いてTeド−プGaAsを成長させた。図3の装置は3
つの温度センサを用いて、るつぼの3点の温度を監視す
ることにより成長条件を設定するものである。不純物濃
度の一様性というのは縦型ブリッジマン法の長所であ
る。29.96gのGaAsと、1.2mgのTeを、
内径12mmの石英るつぼに入れて真空に引き密封し
た。これをチャンバに入れ、下軸上に固定した。チャン
バを閉じて真空に引く。ヒ−タに通電し、上が高温、下
が低温になるようにする。るつぼを上方に上げておき、
るつぼと原料を加熱する。GaAsの原料が融液にな
る。全体が融液になった後、下軸を4mm/hの速さで
下降させ、下方から原料融液を固化させる。成長した
後、成長方向と平行な面で結晶を切断した。つまり縦に
結晶を切った。切断面を研磨した。研磨面をクロム酸+
フッ酸よりなるエッチング液に浸した。エッチングされ
た面に光を照射し、成長縞を観察した。成長縞は、成長
方向に凹となっていた。これは、結晶成長の間、固液界
面が融液側へ凸になるような曲面であるということを意
味している。つまり図4のような固液界面ができている
のである。この結果から本発明によれば、固液界面の形
状を制御できることが分かる。
【0028】
【発明の効果】本発明は、縦型温度勾配炉において、一
定高さに保持される熱電対を融点に保つように、るつぼ
の全体を下降また上昇させる。これにより固化の条件を
常に一定に保つことができ、混晶半導体の混晶比や、不
純物ド−プ半導体の不純物濃度を軸方向にほぼ一様にす
ることができる。混晶半導体は、混晶比を変えることに
より、格子定数を変えることができる。本発明は所望の
混晶比のものを作ることができるから、電子デバイスを
混晶を使って製造する際に極めて有効である。更に、ア
ンド−プ半導体の場合でも、双晶の発生を防ぐことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱電対を一つ用いる本発明の実施例に係る半導
体成長装置の概略断面図。
【図2】断熱材でるつぼを覆った本発明の実施例に係る
半導体成長装置の概略断面図。
【図3】熱電対を3つ用いる本発明の実施例に係る半導
体成長装置の概略断面図。
【図4】望ましい固液界面の形状を示す断面図。
【図5】結晶の固液界面近くでの熱流の関係を説明する
概略図。
【図6】図1の装置を用いて固液界面の位置を一定高さ
に保持しながらInGaAsの混晶を成長させた場合
の、軸方向のGa濃度分布の測定値を示すグラフ。
【図7】図2の装置を用い断熱材でるつぼを覆い、固液
界面の位置を一定高さに保持しながらInGaAsの混
晶を成長させた場合の、軸方向のGa濃度分布の測定値
を示すグラフ。
【図8】図1の装置を用いて固液界面の位置を制御せず
に、InGaAsの混晶を成長させた場合の、軸方向の
Ga濃度分布の測定値を示すグラフ。
【符号の説明】
1 チャンバ 2 ヒ−タ 3 ヒ−タ 4 ヒ−タ 5 ヒ−タ 6 るつぼ 7 原料融液 8 下軸 9 熱電対挿入管 10 熱電対 11 蓋 12 断熱材 13 熱電対 14 熱電対 15 結晶 16 固液界面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバと、チャンバに設けられ縦方向
    に並び独立に制御できる複数のヒ−タと、ヒ−タで囲ま
    れる昇降できる下軸と、下軸に設置されるるつぼと、る
    つぼの温度を測定する温度センサとを含む結晶成長装置
    を用いて半導体結晶を成長させる方法であって、半導体
    原料をるつぼに封入し、下軸の上に設置し、ヒ−タで加
    熱し、軸方向に温度勾配のある温度分布を形成し、るつ
    ぼを高温部に位置させて原料を融液にし、るつぼを移動
    させて原料融液を固化させてゆくこととし、一定の高さ
    に固定した原料の温度を測定する温度センサが、原料の
    融点にあって、かつ一定の高さにあるようにヒ−タを制
    御し、るつぼを一定速度で下降することによって半導体
    結晶を成長させるようにしたことを特徴とする半導体結
    晶の成長方法。
  2. 【請求項2】 るつぼの外周を断熱材によって覆うこと
    を特徴とする請求項1に記載の半導体結晶の成長方法。
  3. 【請求項3】 るつぼの外周部に前記の温度センサより
    上に1以上の温度センサと、前記の温度センサより下に
    1以上の温度センサを追加し、るつぼ内の原料の融液部
    と固体部の温度分布を求めるようにしたことを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の半導体結晶の成長方
    法。
  4. 【請求項4】 固液界面近傍にある中間部の温度センサ
    の温度をT2 、融液側の温度センサの温度をT1 、固体
    側の温度センサの温度をT3 とし、融液側温度センサ
    と、固液界面温度センサの距離をL1 、固体側の温度セ
    ンサと固液界面の温度センサの距離をL2 とし、固体の
    熱伝導率をλs 、液体の熱伝導率をλlとして、λl
    (T1 −T2 )/L1 >λs (T2 −T3 )/L2 とし
    たことを特徴とする請求項3に記載の半導体結晶の成長
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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