JP2002053111A - 空缶の滅菌方法と装置 - Google Patents

空缶の滅菌方法と装置

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JP2002053111A JP2000244139A JP2000244139A JP2002053111A JP 2002053111 A JP2002053111 A JP 2002053111A JP 2000244139 A JP2000244139 A JP 2000244139A JP 2000244139 A JP2000244139 A JP 2000244139A JP 2002053111 A JP2002053111 A JP 2002053111A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滅菌ラインを長くすることなしに十分な滅菌
時間を確保でき、且つ低温滅菌でエネルギーコストが低
減できると共に、循環使用薬剤の汚れを軽減できて、し
かも熱可塑性フィルムをラミネートした缶にも適用で
き、経済的且つ確実に空缶を滅菌する。 【解決手段】 アセプティック充填ステムにおいて空缶
の内外面の滅菌を、温水滅菌と薬剤滅菌の複合滅菌で、
且つ多列搬送しながら行う。温水滅菌は、クリーンルー
ム10内の温水滅菌チャンバー6で温水で空缶の内面及
び外面を滅菌する。薬剤滅菌は、薬剤滅菌チャンバー1
6で薬剤を満注充填して缶内面を所定時間薬剤と接触さ
せて内面滅菌処理を行うと共に、缶外周面に胴部滅菌ノ
ズル23と底部滅菌ノズル24により薬剤を噴射して外
周面滅菌処理を行い、多列吸着反転コンベアに移載して
コンベアが反転することにより缶から排液を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空缶の滅菌方法と
装置、特にアセプティック充填システムにおける空缶の
滅菌を短時間に効率的に且つ確実に行うようにした空缶
の滅菌方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホットパック充填方式では、洗浄
した空缶に65〜90℃の内容液を熱間充填し巻締後に
所定時間高温状態を維持するか、又はレトルトにより所
定時間加熱して滅菌を行っている。一方、アセプティッ
ク充填方式では、空缶と蓋の滅菌、内容液の滅菌、無菌
下での充填によって、レトルト滅菌を不要にし、例えば
果汁飲料等内容物の加熱によるフレーバーの低下を防止
し、高品質の缶詰を得ている。そのために、アセプティ
ック充填方式では、それだけ空缶を高度に滅菌し、その
滅菌状態を維持して内容物を充填する必要がある。従
来、アセプティック充填方式における空缶の滅菌方法と
して、空缶を1列状態でコンベアで搬送しながら、空缶
外面に薬剤を噴霧し、その後内面にも薬剤を噴霧し、内
外面に薬剤が噴霧された空缶をオーブン内で熱風によっ
て加熱することによって滅菌処理を行なうと同時に空缶
に付着した薬剤を熱により分解・除去し、その後無菌水
を噴霧することにより冷却して、充填機に供給する方式
(例えば、特開平10−211912号)、あるいは搬
送中の空缶に熱水又は蒸気を噴射することによって空缶
を滅菌する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のアセプティック
充填方式における空缶の滅菌装置は、空缶を1列状態で
搬送しながら滅菌処理を行っているため、滅菌装置の搬
送スピードは下流側の充填機の処理速度と同期させる必
要があり、近年の高速ラインでは50m/分以上のスピ
ードを必要としている。一方、薬剤及び又は加熱による
空缶の滅菌は、所定の滅菌効果得るためには、薬剤を空
缶に所定時間以上接触させる又は所定時間以上加熱する
ことが必要である。そのための滅菌時間を稼ぐために、
滅菌ゾーンの搬送コンベアを長くしなければならず、ラ
インが長くなる欠点があると共に、大量の熱水や蒸気を
必要としランニングコストが嵩む等の問題点がある。
【0004】また、薬剤を噴霧してオーブン内で加熱、
又は熱水や蒸気による加熱滅菌の場合は、加熱工程及び
冷却工程を必要とし、工程及び装置が複雑になると共
に、缶の内外面に熱可塑性フィルムをラミネートした缶
体の場合は高温加熱が適用できない等の問題点がある。
さらに、アセプティック充填方式の場合、一般に缶の滅
菌処理はクリーンルーム内で行っており、缶はクリーン
ルーム外に設置されているデパレタイザーからコンベア
によりクリーンルーム内に導入される。そのため、缶底
はコンベアとの接触により静電気で埃が付着し易くなっ
ており、そのままの状態でクリーンルーム内に導入され
るとクリーンルームの清浄度を阻害すると共に、缶外面
を滅菌する薬剤の汚れがはやくなり、循環繰返し使用に
制限を受け不経済となる等の問題点がある。
【0005】そこで、本発明は、従来のアセプティック
充填システムにおける空缶滅菌方法や装置の上記問題点
を解決しようとするものであり、空缶の滅菌が短時間で
効率良くできてラインを長くすることなしに確実に滅菌
することができ、及び又はコンベアの速度を低速化でき
てラインを長くすることなしに所定の滅菌時間を確保で
きて確実に滅菌することができ、且つ滅菌中の搬送制御
も容易で装置が簡単であり、しかも低温で滅菌すること
ができてエネルギーコストが低減できると共に、熱可塑
性フィルムをラミネートした缶にも適用できる空缶の滅
菌方法及び装置を提供することを第1の目的とし、薬剤
の循環使用時間を長くすることができて経済的且つ確実
に滅菌できる空缶の滅菌方法及びその装置を提供するこ
とを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決する本発
明の空缶の滅菌方法は、外面滅菌工程、内面滅菌工程、
薬剤排出工程及びリンス工程を有し、前記内面滅菌工程
が、65℃以上の温水を空缶内面に接触させる温水内面
滅菌工程と、空缶内に薬剤を満注充填して缶内面を所定
時間薬剤と接触させる薬剤満注滅菌工程との組合せから
なることを特徴とする。それによって、上記第1の目的
と第2の目的を同時に果たすことができる。前記温水内
面滅菌工程は、薬剤満注滅菌工程前に設けても、前記薬
剤満注滅菌工程及び薬剤排出工程の後に設けてリンス工
程と兼ねてもよい。
【0007】また、本発明の他の空缶の滅菌方法は、外
面滅菌工程、内面滅菌工程、薬剤排出工程及びリンス工
程を有し、前記内面滅菌工程が、空缶を多列状態で搬送
しながら空缶内に薬剤を満注充填して缶内面を所定時間
薬剤と接触させる多列搬送処理による薬剤満注滅菌工程
を有することを特徴とする構成からなるものである。
【0008】前記両発明において、外面滅菌工程は、缶
底及び又は缶胴外周面に温水を噴射して接触させる温水
滅菌工程と、缶底及び又は缶胴外周面に薬剤を噴射して
接触させる薬剤滅菌工程とで構成するか、又は缶底及び
又は缶胴外周面に薬剤を噴射して接触させる薬剤滅菌工
程のみを設けてもよい。その場合は、外面滅菌工程の前
に缶底を洗浄する缶底洗浄工程を設けるのが望ましい。
また、前記外面滅菌工程、内面滅菌工程の温水内面滅菌
工程と薬剤満注滅菌工程、薬剤排出工程は、空缶を多列
搬送しながら行う多列搬送処理であるのが望ましい。さ
らに、前記空缶滅菌工程における薬剤満注滅菌工程で
は、35〜70℃に加温した過酢酸系薬剤を使用するこ
とによって、滅菌時間を短縮できると共に薬剤の消耗を
減少させて効率よく滅菌することができ、しかも低温で
滅菌でき、熱可塑性フィルムをラミネートした缶にも適
用できる。
【0009】空缶の滅菌方法を実施するための本発明の
空缶の滅菌装置は、空缶外面を滅菌する外面滅菌手段、
空缶内面を滅菌する内面滅菌手段、薬剤排出手段、及び
リンサーを備え、前記内面滅菌手段は、温水を空缶内面
に接触させる温水内面滅菌手段と、空缶内に薬剤を満注
充填して缶内面を所定時間薬剤と接触させる薬剤満注滅
菌手段との組合せからなり、該薬剤満注滅菌手段は、空
缶を所定間隔を有して搬送するコンベアからなる搬送手
段と、該コンベアの上流側の上方に配置され、コンベア
により搬送される空缶に薬剤を満注充填する充填ノズル
を有する薬剤充填装置からなることを特徴とするもので
ある。
【0010】また、空缶の滅菌方法を実施するための本
発明の他の空缶の滅菌装置は、空缶外面を滅菌する外面
滅菌手段、空缶内面を滅菌する内面滅菌手段、薬剤排出
手段、リンサーを備えてなり、前記内面滅菌手段は、空
缶を所定間隔を有して多列状態で搬送するネットコンベ
アからなる搬送手段と、該ネットコンベアの上流側の上
方に配置され、多列状態で搬送される空缶に薬剤を満注
充填する充填ノズルを有する薬剤充填装置を有すること
を特徴とするものである。
【0011】上記両発明の滅菌装置において、ネットコ
ンベアの上流側に、空缶を吸着して搬送できる吸着コン
ベアと、該吸着コンベアで底部を吸着されて反転状態で
搬送される空缶内部に温水を噴出する温水噴射ノズルで
構成される温水内面滅菌手段を設けることが望ましい。
また、外面滅菌手段としては、例えば前記ネットコンベ
アで搬送される空缶の底部に前記ネットコンベアの下方
から薬剤を噴霧する底部滅菌ノズルと、前記ネットコン
ベアで搬送される空缶の列間に配置され、搬送中の空缶
の胴部外周面に薬剤を噴霧する胴部滅菌ノズルとで構成
することができる。
【0012】前記薬剤充填装置の下流側に、薬剤満注状
態で搬送される缶の薬剤こぼれ分を補充する補充ノズル
を有する薬剤補充充填装置を配置することによって、よ
り確実に薬剤満注状態を維持することができる。また、
前記内面滅菌手段、外面滅菌手段、薬剤排出手段、及び
リンサーは、クリーンルーム内に配置され、且つ前記内
面滅菌手段、外面滅菌手段の前記ネットコンベアの上流
側端部がクリーンルームへの缶供給口に面して配置され
ており、該缶供給口に通じるクリーンルーム入口部に缶
底外面を洗浄する缶底洗浄手段を配置することによっ
て、缶底を洗浄してからクリームルーム内に導入するこ
とができる。
【0013】前記缶底洗浄手段を、多列で搬送される空
缶の開口頂部を吸着して懸垂状に搬送する無端状の吸着
コンベアと、該吸着コンベアで搬送される空缶の底部外
面に洗浄水を噴射する洗浄水噴射ノズルとで構成するこ
とによって、缶底を確実に洗浄することができる。ま
た、前記缶底洗浄手段又は外面温水滅菌装置の上流側
に、単列状態で搬送されてくる空缶を正立密集状態で搬
送する集合コンベア、該正立密集状態で搬送されてくる
空缶を多列状態に振り分けて搬送する振り分け装置を配
置し、該振り分け装置で空缶を各列の間隔が所定間隔と
なるように多列に振り分け、その下流端部で前記吸着コ
ンベアに缶が吸着するようにすることによって、デパレ
タイザーから単列状態で搬送されてくる空缶を確実に多
列状態、しかも各缶が接触していない状態で次工程に空
缶を供給することができるので、缶外周面全体に確実に
薬剤を接触させることができ、滅菌効果を向上させるこ
とができる。
【0014】前記排液手段を、缶を多列状態で吸着保持
して搬送できる無端状の吸着反転コンベアで構成して、
薬剤が充填された缶の底部を吸着して多列状態で搬送
し、該コンベアの復路で缶が反転することにより、薬剤
を排出し、往路で正立した缶を、前記整列手段に正立状
態で排出するようにすることによって、多列の缶を同時
に排液でき、しかも排液時間を長く設定でき缶付着薬剤
を減らせることができる。また、前記整列手段が、前記
排液手段の吸着反転コンベアから移載される缶群をその
下流端部で1列状態に整列してリンサーに供給するコン
ベアと、ライン停止時に薬剤満注缶を排液して待機する
セービングコンベアを備えることによって、ライン停止
時に薬剤満注充填状態にしておくことが回避できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態図面に基
づき詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る空
缶滅菌装置の概略平面図、図2はその正面図である。本
発明における空缶滅菌装置は、空缶(以下、単に缶とい
う)を多列状態に振り分けて搬送して多列同時に滅菌処
理できるようになっており、それによりコンベア速度を
単列の場合と比べて遅くして短いラインで十分に滅菌時
間を確保でき、省スペースを図ることができるものであ
る。本実施形態の空缶滅菌装置の基本的構成は、1列状
態で搬送されてくる缶を多列状態に振り分けた後、外
面温水滅菌、内面温水滅菌、内面の薬剤満注滅菌、
外面薬剤滅菌、薬剤排出、集合及びセービング、
リンスの各工程からなり、〜の各工程はクラス1
0,000程度のクリーンルーム内に設置され、且つそ
れぞれが囲われて所定のクリーン度に維持されるチャン
バー内で行われる。即ち、クリーンルーム10内には、
順に温水滅菌チャンバー6、薬剤滅菌チャンバー16、
滅菌済み缶の整列チャンバー36、リンスチャンバー3
7にそれぞれ区画配置されている。
【0016】図中、1はデパレタイザーから缶を1列正
立状態で搬送する高速の単列コンベア、2は該単列コン
ベアから搬送されてくる缶cを多列密集状態に集合して
搬送する集合コンベアであり、エアコンベアで構成さ
れ、エアにより缶を密集状態で搬送する。3はエアコン
ベアの端部に配置された振り分け装置であり、無端状ベ
ルトコンベアからなる振り分けコンベンヤ3’とその上
方に配置された缶列ガイド(図示されてない)とで構成
され、密集状態で搬送される缶を、後工程の外面滅菌工
程で缶の外周を満遍なく滅菌可能にするために、幅方向
に所定間隔を有するように多列(図の実施形態では5
列)に振り分けて搬送する。
【0017】4は主に缶底を集中的に温水で滅菌する外
面温水滅菌装置であり、クリーンルーム10の入口内部
に配置された内外面温水滅菌チャンバー6内に配置さ
れ、クリーンルーム10の缶搬入口11を貫通して設け
られ、振り分けコンベア3’の端部に到達した缶の開口
頂部を吸着して中継コンベア9まで懸垂状に搬送する無
端状の吸着コンベア5と、該吸着コンベアによって吸着
搬送される缶の底部外面に向けて清水を噴射する温水噴
射ノズルを備えた温水噴射手段7とから構成されてい
る。吸着コンベア5の吸着手段は、取り扱う缶の材質に
応じて、磁石又はバキューム等が適宜採用できる。な
お、噴射した温水はドレン口8から排水される。吸着コ
ンベア5は、前記振り分けコンベアよりもやや高速で運
転され、振り分けコンベアで列方向に連なって搬送され
てきた缶は、吸着コンベアによって搬送方向にも所定間
隔を有して搬送され、缶底を含む缶胴外面に温水が接触
し易くして効果的に温水滅菌ができるように工夫されて
いる。
【0018】中継コンベア9に移載された缶は、次に反
転コンベア12と温水噴射手段13で構成される内面温
水滅菌手段に移載される。反転コンベア12は、中継コ
ンベア9の下流端にそれと直交して配置され、磁石又は
バキュームによって缶底を吸着保持できるように構成さ
れ、外面が温水滅菌された缶が中継コンベアから反転コ
ンベア12上に缶移載ガイド151に沿って押し出され
ると缶底を吸着保持し、その状態で復路で反転すること
によって缶を倒立状態で搬送できる。反転コンベアの復
路に沿って、倒立状態で搬送される缶の内部に向けて温
水を噴射する多数の温水噴射ノズルを有する缶内面温水
噴射手段13が配置され、搬送中缶内に温水が噴射され
て缶内面を洗浄滅菌するようになっている。温水滅菌さ
れた缶は、反転コンベアが反転することによって再度正
立状態となり、缶移載ガイド15 2によって薬剤滅菌チ
ャンバー16内に配置されたネットコンベア17に送ら
れる。前記缶移載ガイド151、152は、それぞれ直交
配置されている中継コンベア−反転コンベア間、及び反
転コンベア−ネットコンベア間を複数列(本実施形態で
は5列)を維持した状態で缶を直角に搬送ガイドするた
めに屈曲部を有してコンベアの上方を複数本平行設けら
れている。
【0019】ネットコンベア17は、薬剤滅菌チャンバ
ー内に配置され、該ネットコンベア上に前記反転コンベ
ア12から缶が多列状態で移載される。ネットコンベア
の上面には、図3及び図4に示すように、各列毎に缶を
案内する一対のガイド14が、幅方向に所定間隔をおい
て5組配置されている。
【0020】そして、ネットコンベア17の上流側の上
方には、所定区間にわたって搬送中に缶に薬剤を満注状
態に充填するための薬剤充填タンク18が配置されてい
る。該薬剤タンクの下面には、図3に示すようにネット
コンベアで搬送中の缶の各列の上方に沿って位置するよ
うに、薬剤充填ノズル19が設けられている。該薬剤充
填ノズル19は、搬送方向に沿ってスリットを形成した
スリットノズル、若しくは複数個のシャワーノズル等で
形成されている。また、該薬剤充填タンク18より所定
距離離れた下流側に、搬送中に発生する薬剤こぼれ分を
補充充填するための薬剤補充タンク20が設けられ、缶
内を常に満注中状態に保って缶内面に滅菌洩れが生じる
のを防止している。
【0021】薬剤充填タンク18は、図3に示すように
所定ヘッド位置にオーバーフローパイプ21が設けら
れ、ノズルから流下する薬剤の流下圧が強過ぎないよう
に設定された液面高さを、常に保つことができるように
なっている。それにより、常に一定状態で安定して薬剤
を充填することができる。オーバーフローした薬剤は、
後述するように外面洗浄のために噴霧された薬剤、及び
缶内に充填されて明けられた薬剤と共に、缶滅菌チャン
バーの下方から図示しない薬剤回収タンクに回収され、
再び薬剤供給パイプ22を介して薬剤充填タンク18内
に循環供給される。薬剤補充タンク20も同様な構造と
なっている。
【0022】また、ネットコンベア17の搬送経路に
は、缶の胴部外面を滅菌するための胴部滅菌ノズル23
と、底部外面を滅菌するための底部滅菌ノズル24とが
配置されている。これらのノズルは、薬剤を噴霧するス
プレーノズル構造となっており、薬剤を微粒状態にして
噴霧することによって、薬剤が缶の外周面に長時間付着
し易くなり、外周面の滅菌効果を向上させることができ
る。前記胴部滅菌ノズル23は、図4に示すように、ネ
ットコンベア17で搬送される缶列の各列中間部に搬送
方向に沿って各列交互に千鳥状に設けられ、且つ搬送方
向の左側及び右側に位置する胴部滅菌ノズル23の噴霧
軸線を結ぶ線が搬送方向に対して斜めに(図6の実施形
態では45°)なるように配置することによって、胴部
全体に薬剤が噴霧されるようになっている。そして、胴
部滅菌ノズル23を缶の高さをカバーできる大きさの縦
方向スリット噴霧ノズルに構成し、且つ図5に示すよう
に搬送方向に沿って斜めに傾斜して、搬送中の缶に対し
て必ず左右何れかのノズルからの噴霧液が連続して当た
るようにすることによって、少ないノズル本数と噴霧量
で、噴霧ムラが生じることなく効率良く缶胴外面の滅菌
ができる。
【0023】一方、底部滅菌ノズルは、ネットコンベア
の缶が通過する下方に設けられ、缶の搬送方向に沿って
形成されたスリット噴霧ノズル又は複数個の噴霧ノズル
列として設けられている。従って、缶搬送中にネットコ
ンベアの網目を通して缶底に薬剤を噴霧することがで
き、缶の内面薬剤滅菌と同時に缶底及び缶胴の外面薬剤
滅菌が1工程でできる。
【0024】25は排液装置であり、本実施形態では前
記ネットコンベアの端部に面して該ネットコンアと直角
に配置した幅広の無端ベルト状の吸着反転コンベア26
で構成されている。排液装置を構成する吸着反転コンベ
ア26は、缶ガイド27に案内されてネットコンベアか
ら満注状態の缶群を移載されることによって、缶底を吸
着保持し、その状態で排液コンベアが復路で反転するこ
とによって、缶が反転され薬剤が排液される。排液され
た缶は、コンベアが反転することによって再度正立状態
となり、缶ガイド28に案内されて整列コンベア30に
送られる。
【0025】以上のネットコンベア17、薬剤充填タン
ク18、薬剤補充タンク20、排液装置25は、底壁が
薬剤受けとなっている薬剤滅菌チャンバー16内に配置
され、薬剤を回収して循環使用できると共に薬剤から発
する異臭がクリーンルーム内に分散しないように適宜の
手段で外部に排気している。
【0026】30は整列コンベアであり、滅菌液が排出
されて多列集合状態で吸着反転コンベアから移載された
缶を次第に1列状態に整列させて、次工程のリンサー3
5に1列状態で送るようにしたものである。本実施形態
では、整列コンベアは、ライン停止時には薬剤満注ゾー
ンの缶を排液して待機できるようにセービングコンベア
を兼ねるものであり、図1に示すように下流端が搬送方
向にずれている3列の平行コンベア311、312、31
3で構成されている。3列のコンベアの下流側には該コ
ンベアの端部を斜めに横切って缶整列ガイド32が配置
され、その端部で缶は1列に整列されてリンサーへの供
給コンベア34に移載される。また、3列の平行コンベ
アのうち、313はセービングコンベアとして機能する
ものであり、ライン停止時に薬剤満注された缶から薬剤
を排液した状態で該セービングコンベア上で待機できる
ようにしたものである。通常は缶は平行コンベア3
1、312を通って供給コンベア34に供給されるが、
ラインが停止した場合缶はセービングコンベアに移載さ
れて長時間薬剤と接触した状態を解除することができ、
缶を保護する。
【0027】以上の整列コンベア30及びリンサー35
への供給コンベア34は、クリーンルーム内をさらに囲
って形成した滅菌済み缶整列チャンバー36内に配置さ
れ、該チャンバー内には、高度の無菌エアーが供給され
てクラス100程度に維持され、クリーンルーム10内
よりもさらに高清浄状態に維持されている。
【0028】本実施形態の空缶の滅菌装置は、以上のよ
うに構成され、デパレタイザーから単列コンベア1で1
列状態で送られてくる空缶は、集合コンベア2上で多列
密集状態で搬送され、振り分けコンベア3’で5列状態
に振り分けられ、その先端部で吸着コンベア5により開
口端部が吸着されて、底部が開放された状態で搬送され
る。その際、吸着コンベア5は、前記振り分けコンベア
よりもやや高速で運転され、振り分けコンベアで列方向
に連なって搬送されてきた缶は、吸着コンベアによって
搬送方向にも所定間隔を有して搬送されて、クリーンル
ーム内の温水滅菌チャンバー6に配置されているネット
コンベア17上に移載される。吸着コンベアで搬送中
に、空缶の搬送路下方に設けられた温水噴射ノズル7か
ら温水を缶底外面に噴射することによって、缶底外面を
集中的に洗浄滅菌すると共に缶胴外面も滅菌する。温水
による外面滅菌は、65℃以上の温水を約3秒以上噴射
することが望ましい。缶の上部を吸着して缶底外部を露
出状態で搬送して缶底に向けて温水噴射することによっ
て、静電気作用等により汚れが付着し易い缶底外面が効
果的に滅菌される。
【0029】外面が温水滅菌された缶は、吸着コンベア
5から中継コンベア9上に移載され、次いで反転コンベ
ア12上に移載される。反転コンベア12の反転経路で
缶が反転した状態で缶内面温水噴射手段ノズルから缶胴
内面に向けて、65℃以上、望ましくは75〜90℃の
温水を3秒以上噴射して、缶内面を温水滅菌を行う。缶
の内外面が温水滅菌された缶は、次いで薬剤滅菌チャン
バー16内に配置されているネットコンベア17上に移
載される。反転コンベア12上で多列密集状態なってい
る缶は、移載されるに際してネットコンベアとの速度差
により搬送方向に所定間隔に拡げられると共に、缶ガイ
ド14によって幅方向にも拡げられてネットコンベアに
よって搬送される。
【0030】薬剤滅菌チャンバー16内では、ネットコ
ンベアの上方に設けられた薬剤充填タンク18の薬剤充
填ノズル19から缶の搬送路上方に沿って薬剤が一定流
量で流下しており、缶がその下を通過することにより、
薬剤が満杯に充填される。本実施例で使用される薬剤
は、35〜70℃に加温された過酢酸系薬剤であるが、
必ずしもそれに限るものではない。前記35〜70℃の
温度範囲は、缶内面を例えばPETフィルム等でラミネ
ートした缶に熱的影響を与えないで短時間に効果的に滅
菌できる範囲である。過酢酸系薬剤の場合、薬剤を満注
状態にして缶内面に10数秒から数分程度保持すること
によって、缶内面を十分に滅菌することができるので、
滅菌時間を短縮することができる。ネットコンベアは、
必要とする滅菌時間を稼ぐことができる程度の長さであ
れば良いので、滅菌時間が短縮できればその分ネットコ
ンベアの長さも短くすることができる。その上、本実施
形態では、缶を5列で搬送して多列処理しているので、
従来の単列処理の場合と比べネットコンベアは1/5の
速度にすることができ、搬送中の液こぼれが低減でき、
確実な滅菌が可能となる。そして、従来よりも低速で運
転することができるので、コンベアの耐久性も向上す
る。
【0031】以上のように本実施形態によれば、ネット
コンベアが低速運転されるので、満注状態に充填された
缶からの液こぼれは単列処理の場合と比べて特段に少な
いが、より確実を期すために、本実施形態では薬剤充填
タンク18の下流側にさらに薬剤補充タンク20が設け
られている。従って、たとえ液こぼれが生じても、その
位置を通過することにより液こぼれ分が補充充填され、
缶内面全体を薬剤と所定時間以上確実に接触させること
ができ、滅菌洩れが生じることはない。
【0032】一方、ネットコンベア17で搬送中に、各
列の搬送路間に設けられた胴部滅菌ノズル23及びネッ
トコンベアの下方に設けられた底部滅菌ノズル24か
ら、図4〜図6に示すように、胴部及び缶底の缶外周面
全体に薬剤が噴霧される。その上、図5〜図6に示すよ
うに、少ない本数のノズルで、そこを通過する缶胴の全
周に薬剤を付着させることができるように、胴部滅菌ノ
ズル23の配置及びノズル孔の形状が工夫されているの
で、外周面滅菌のための薬剤使用量を減らすことができ
る。
【0033】薬剤を充填され且つ外周面が滅菌された缶
は、ネットコンベア17の端部に達すると、それと直交
して配置されている吸着反転コンベア26に上に押し出
される。吸着反転コンベア26は定速運転されており、
押し出された缶は該コンベアに設けた吸着手段により底
部が吸着されて抵抗を受けながら缶ガイド27によって
案内されてコンベア幅方向全体に密集状態で広がり、そ
の状態で缶底が吸着されて、吸着反転コンベア26が復
路で反転することによって、缶が反転して薬剤が排出さ
れる。缶は復路全長に亘って反転状態となるので、排液
時間が長く設定でき、その分缶内に付着する薬剤量を減
らすことができる利点がある。
【0034】以上のように、缶滅菌チャンバー内で使用
した薬剤は、吸着反転コンベア26から整列コンベアに
移載される缶に付着している僅かの薬剤を除き缶滅菌チ
ャンバーの底壁に落下して回収され、図示しない回収タ
ンクに送られ、その汚れ具合に応じて再び循環使用され
る。本実施形態では、上述のように、該缶滅菌チャンバ
ー内に搬入される缶は、最も埃が付着し易い缶底をはじ
め缶胴が薬剤滅菌チャンバー16ヘ搬入直前に温水で滅
菌洗浄されているので、薬剤の汚れ具合が少なく、循環
使用回数を増やすことができる。
【0035】排液して空になった缶は、吸着反転コンベ
ア26が復路から往路に変転する際、再び正立状態とな
り、缶ガイド28が設けられている位置に達すると該ガ
イドにより誘導されて整列コンベア30上に押し出され
る。整列コンベア30の下流側に設けられた整列ガイド
32の作用により、空缶は中央のコンベア311からそ
の隣のコンベア312に次第に移動し、コンベア312
下流端で1列に整列されてリンサー35への供給コンベ
ア34に移載される。リンサー35で缶は、内面及び外
面が無菌水で洗浄されて内外面に付着している薬剤を完
全に除去して、図示しない次の内容物充填工程へと搬送
される。
【0036】以上のように、本実施形態では缶内画面の
滅菌を温水滅菌と薬剤滅菌の組合せたものであり、それ
により薬剤滅菌の場合と比べて次のような利点がある。
過酢酸系薬剤の滅菌効果管理には過酢酸濃度を管理して
いるが、薬剤の加熱温度により過酢酸分解率が異なる。
温度により過酢酸分解率は、例えば薬剤温度65℃を1
とすると、50℃では1/(2〜3)、40℃では1/
(6〜10)程度となる。一方、滅菌時間については、
薬剤温度65℃を1とすると、同じ滅菌価を得るには5
0℃では約3倍、40℃では約9倍の滅菌時間が必要な
る。以上のことから、薬剤温度を上げた方がコンパクト
なシステムを構築できる利点はあるが、反面薬剤コスト
が高くなる。従って、例えば65℃以上の温水50℃の
薬剤の複合滅菌とすると、65℃薬剤と同等の滅菌効果
を確保でき、薬剤コストを約1/2にすることができる
利点がある。
【0037】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記実施形態に限るものでなく、その技
術思想の範囲内で種々の設計変更が可能である。例え
ば、前記実施形態では、缶の温水内面滅菌工程及び温水
外面滅菌工程は、薬剤滅菌チャンバーに設けられた、吸
着コンベア5と温水噴射ノズル7からなる温水外面滅菌
装置4と、反転コンベア12と缶内面温水噴射手段13
とからなる温水内面滅菌装置で行われているが、温水滅
菌チャンバー6を温水タンクとして構成して、65℃以
上の温水が貯留された温水タンク内をシュート等の搬送
手段によって通過させることによって、温水内面滅菌工
程及び温水外面滅菌工程を同時に達成できるようにして
も良い。また、他の方法して、温水内面滅菌工程を、薬
剤滅菌工程後の排液装置25の吸着反転コンベア26を
共用して行っても良い。その場合、吸着反転コンベア2
6のネットコンベア側の半分を薬剤滅菌チャンバー16
内に位置させ、整列コンベア側の半分を新たに形成した
温水内面滅菌チャンバー内に位置させるようにして、温
水内面滅菌チャンバー内に吸着反転コンベアで吸着され
缶が通過する経路に缶内面温水噴射手段を配置して、薬
剤滅菌チャンバー16内で排液が終了した缶が温水内面
滅菌チャンバー内を反転状態を維持したまま通過する際
に、缶内面に温水を噴射するようにすれば良い。さらに
他の方法として、温水滅菌工程をリンス工程と兼用する
ことも可能である。その場合、リンサーで缶の内外面同
時に65℃以上の温水を噴射することによって達成する
ことができる。
【0038】また、上記実施形態では、クリーンルーム
に搬入前に缶列を多列に振り分けてあるが、少なくとも
空缶薬剤滅菌工程中が多列であれば良い。さらに、前記
実施形態では、滅菌のためネットコンベアと排液コンベ
アを別個に設けてあるが、例えば取り扱う缶がスチール
製であれば、缶滅菌のためのネットコンベアを磁石コン
ベアで構成し、薬剤満注状態の缶をそのままネットコン
ベアで吸着保持し、その戻り工程で缶が倒立することに
よって排液するようにすれば、ネットコンベアが排液コ
ンベアを兼ねるように構成することも可能である。ま
た、整列コンベアは必ずしも複数の平行コンベアで構成
する必要はなく、その下流端部で1列に整列できれば良
く、種々の手段が採用できる。
【0039】上記実施形態の空間の滅菌方法では、温水
滅菌と薬剤滅菌工程の組合せで行ったが、薬剤滅菌工程
のみでも可能である。図7及び図8はその場合の実施形
態の概略図である。以下、本実施形態について、前記実
施形態と共通する部分については同一符号を付し、相違
する部分のみを説明する。
【0040】本実施形態では、温水滅菌工程は設けられ
てなく、薬剤滅菌工程の前に、缶底洗浄工程を設けてあ
る点が相違している。缶底洗浄を行う缶底洗浄装置50
は、振り分けコンベア3’とクリーンルーム10内の薬
剤滅菌チャンバー16内に配置されたネットコンベア1
7間に配置され、クリーンルーム10の缶搬入口11に
達するように形成された缶底洗浄チャンバー51内を貫
通して設けられ、振り分けコンベア3’の端部に到達し
た缶の開口頂部を吸着してネットコンベア17まで懸垂
状に搬送する無端状の吸着コンベア52と、該吸着コン
ベアによって吸着搬送される缶の底部外面に向けて洗浄
水を噴射する洗浄水噴射ノズル(洗浄水噴射手段)53
とから構成されている。噴射した洗浄液はドレン口54
から回収される。吸着コンベア52は、前記振り分けコ
ンベアよりもやや高速で運転され、振り分けコンベアで
列方向に連なって搬送されてきた缶は、吸着コンベアに
よって搬送方向にも所定間隔を有して搬送されて、クリ
ーンルーム内に配置されているネットコンベア17上に
移載されるようになっている。
【0041】以上のように、本実施形態では薬剤滅菌チ
ャンバー内に搬入される缶cを多列状態で吸着保持し
て、底部外面に向けて洗滌水を噴射することにより、缶
底を確実に洗浄することができ、その状態で薬剤滅菌チ
ャンバー内に搬入されるので、循環使用される薬剤の汚
れを軽減でき、薬剤の循環使用時間を長くすることがで
き、経済的である。薬剤滅菌チャンバー内以下の各工程
は前記実施形態と同様である。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、空缶を一
定時間薬剤満注状態に保持するので、缶内面全体に一様
に滅菌剤を接触させることができて滅菌ムラがなく確実
に滅菌することができる。また、従来のように缶をオー
ブンで加熱する必要がなく、低温で確実な滅菌ができる
ので、エネルギーコストが低減できると共に、合成樹脂
フィルムをラミネートした缶にも適用可能である。そし
て、本発明の空缶の滅菌装置は、オーブンや冷却装置を
必要としないので、その分装置全体を単純化することが
でき、缶アセプティック充填システムを低コストで効果
的に確立することができる。
【0043】その上、本願の請求項1及び請求項9の発
明によれば、温水滅菌と薬剤満注滅菌との複合滅菌であ
るので、薬剤コストを低減でき低コストで効果的に空缶
を滅菌することができる。また、請求項4及び請求項1
0の発明によれば、缶を多列処理するので、コンベアス
ピードが低速に設定できるため液こぼれがなく、且つ十
分な滅菌時間が稼げるので、確実な滅菌が可能となり、
コンベアの耐久性を講じると共にライン全体を短くする
ことができ、小型化、省スペースを図ることができる。
【0044】薬剤滅菌工程で35〜70℃に加温した過
酢酸系薬剤を使用することにより、効果的に且つ短時間
で滅菌が可能となる。特に、温水滅菌と組み合わせて複
合滅菌することにより、薬剤温度を低温加温で高温の場
合と同等の滅菌価を得ることができ、その分過酢酸分解
率の低い状態で使用を可能にし、薬剤コストを飛躍的に
低減させることができる。また、薬剤充填装置の下流側
に薬剤補充充填装置を設けることにより、満注状態で搬
送される缶にたとえ液こぼれが発生してもすぐに補充充
填されるので、常に満注状態を維持することができ、内
部に滅菌もれが生じるおそれはない。
【0045】また、外面滅菌手段を、ネットコンベア上
で下方から底部外面に向けて薬剤を噴射する底部滅菌ノ
ズルと胴部外周面に薬剤を噴出する胴部滅菌ノズルとで
構成することにより、胴部外周面も確実に滅菌すること
ができる。さらに、クリーンルーム入口で缶底外面を洗
浄することにより、クリーンルームの清浄度を高め、且
つ循環使用薬剤の汚れを軽減でき、薬剤の循環使用時間
を長くすることができて経済的に且つ確実に滅菌でき
る。さらに、また薬剤排出手段として、吸着反転コンベ
アを設けることにより、排液時間が長く設定でき、缶付
着薬剤を減らすことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空缶の滅菌装置の概略
平面図である。
【図2】その正面図である。
【図3】ネットコンベア上での缶内周面の滅菌作動状態
を示す概略図である。
【図4】ネットコンベア上での缶外周面の滅菌作動状態
を示す概略図である。
【図5】図4に示す缶外周面の滅菌する胴部滅菌ノズル
の配置及び作動状態を示す正面模式図である。
【図6】その平面模式図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る空缶の滅菌装置の
概略平面図である。
【図8】その正面図である。
【符号の説明】
1 単列コンベア 2 集合コンベア 3 振り分け装置 4 外面温水滅菌
装置 5 吸着コンベア 6 温水滅菌チャ
ンバー 7 洗浄水噴射ノズル 9 中継コンベア 10 クリーンルーム 12 反転コンベ
ア 13 内面温水噴射手段 14 缶ガイド 16 薬剤滅菌チャンバー 17 ネットコン
ベア 18 薬剤充填タンク 19 薬剤充填ノ
ズル 20 薬剤補充タンク 21 オーバーフ
ローパイプ 23 胴部滅菌ノズル 24 底部滅菌ノ
ズル 25 排液装置 26 吸着反転コ
ンベア 30 整列コンベア 34 供給コンベ
ア 35 リンサー 36 クリーンチ
ャンバー 50 缶底洗浄装置 51 缶底洗浄チ
ャンバー 52 吸着コンベア 53 洗浄水噴射
ノズル

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面滅菌工程、内面滅菌工程、薬剤排出
    工程及びリンス工程を有し、前記内面滅菌工程が、65
    ℃以上の温水を空缶内面に接触させる温水内面滅菌工程
    と、空缶内に薬剤を満注充填して缶内面を所定時間薬剤
    と接触させる薬剤満注滅菌工程との組合せからなること
    を特徴とする空缶の滅菌方法。
  2. 【請求項2】 前記温水内面滅菌工程が、薬剤満注滅菌
    工程前に行われる請求項1記載の空缶の滅菌方法。
  3. 【請求項3】 前記温水内面滅菌工程が、前記薬剤満注
    滅菌工程及び薬剤排出工程の後に行われ、リンス工程と
    兼ねている請求項1記載の空缶の滅菌方法。
  4. 【請求項4】 外面滅菌工程、内面滅菌工程、薬剤排出
    工程及びリンス工程を有し、少なくとも前記内面滅菌工
    程が、空缶を多列状態で搬送しながら空缶内に薬剤を満
    注充填して缶内面を所定時間薬剤と接触させる多列搬送
    処理による薬剤満注滅菌工程を有することを特徴とする
    空缶の滅菌方法。
  5. 【請求項5】 前記外面滅菌工程が、缶底及び又は缶胴
    外周面に温水を噴射して接触させる温水滅菌工程と、缶
    底及び又は缶胴外周面に薬剤を噴射して接触させる薬剤
    滅菌工程を有する請求項1又は4記載の空缶の滅菌方
    法。
  6. 【請求項6】 少なくとも薬剤滅菌工程の前に缶底を洗
    浄する缶底洗浄工程を設けてなる請求項1、4又は5記
    載の空缶の滅菌方法。
  7. 【請求項7】 前記空缶滅菌工程における薬剤満注滅菌
    工程は、35〜70℃に加温した過酢酸系薬剤を缶内に
    満注充填して行われる請求項1〜6何れか記載の空缶の
    滅菌方法。
  8. 【請求項8】 空缶外面を滅菌する外面滅菌手段、空缶
    内面を滅菌する内面滅菌手段、薬剤排出手段、及びリン
    サーを備え、前記内面滅菌手段は、温水を空缶内面に接
    触させる温水内面滅菌手段と、空缶内に薬剤を満注充填
    して缶内面を所定時間薬剤と接触させる薬剤満注滅菌手
    段との組合せからなり、該薬剤満注滅菌手段は、空缶を
    搬送するコンベアからなる搬送手段と、該コンベアの上
    流側の上方に配置され、コンベアにより搬送される空缶
    に薬剤を満注充填する充填ノズルを有する薬剤充填装置
    からなることを特徴とする空缶の滅菌装置。
  9. 【請求項9】 空缶外面を滅菌する外面滅菌手段、空缶
    内面を滅菌する内面滅菌手段、薬剤排出手段、リンサー
    を備えてなり、前記内面滅菌手段は、空缶内に薬剤を満
    注充填して缶内面を所定時間薬剤と接触させる薬剤満注
    滅菌手段を有し、該薬剤満注滅菌手段は、空缶を所定間
    隔を有して多列状態で搬送するネットコンベアからなる
    搬送手段と、該ネットコンベアの上流側の上方に配置さ
    れ、多列状態で搬送される空缶に薬剤を満注充填する充
    填ノズルを有する薬剤充填装置とからなることを特徴と
    する空缶の滅菌装置。
  10. 【請求項10】 前記薬剤満注滅菌手段の上流側に、空
    缶を吸着して搬送できる吸着コンベアと、該吸着コンベ
    アで底部を吸着されて反転状態で搬送される空缶内部に
    温水を噴出する温水噴射ノズルからなる温水内面滅菌手
    段が設けられている請求項8又は9記載の空缶の滅菌装
    置。
  11. 【請求項11】 前記外面滅菌手段は、前記ネットコン
    ベアで搬送される空缶の底部に前記ネットコンベアの下
    方から薬剤を噴霧する底部滅菌ノズルと、前記ネットコ
    ンベアで搬送される空缶の列間に配置され、搬送中の空
    缶の胴部外周面に薬剤を噴霧する胴部滅菌ノズルを有す
    る請求項8、9又は10記載の空缶の滅菌装置。
  12. 【請求項12】 前記薬剤充填装置の下流側に、薬剤満
    注状態で搬送される缶の薬剤こぼれ分を補充する補充充
    填ノズルを有する薬剤補充充填装置を配置した請求項8
    〜11何れか記載の空缶の滅菌装置。
  13. 【請求項13】 前記ネットコンベアの上流側端部に、
    多列で搬送される空缶の開口頂部を吸着して懸垂状に搬
    送する吸着コンベアと、該吸着コンベアで搬送される空
    缶の底部外面に洗浄水を噴射する洗浄水噴射ノズルから
    なる缶底洗浄手段が配置されている請求項8〜12何れ
    か記載の空缶の滅菌装置。
  14. 【請求項14】 前記缶底洗浄手段又は外面温水滅菌装
    置の上流側に、単列状態で搬送されてくる空缶を正立密
    集状態で搬送する集合コンベア、該正立密集状態で搬送
    されてくる空缶を多列状態に振り分けて搬送する振り分
    け装置が配置され、該振り分け装置で空缶を各列の間隔
    が所定間隔となるように多列に振り分けるようになって
    いる請求項8又は13記載の空缶の滅菌装置。
  15. 【請求項15】 前記排液手段は、缶を多列状態で吸着
    保持して搬送できる無端状の多列吸着反転コンベアで構
    成され、薬剤が充填された缶の底部を吸着して多列状態
    で搬送し、該コンベアの復路で缶が反転することによ
    り、薬剤を排出し、往路で正立した缶を、前記整列手段
    に正立状態で排出するようにしてなる請求項4〜8何れ
    か記載の空缶の滅菌装置。
  16. 【請求項16】 前記整列手段は、前記排液手段の多列
    吸着反転コンベアから移載される缶群をその下流端部で
    1列状態に整列してリンサーに供給するコンベアと、ラ
    イン停止時に薬剤満注缶を排液して待機するセービング
    コンベアを備えてなる請求項4〜8何れか記載の空缶の
    滅菌装置。
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CN101910005B (zh) * 2007-12-28 2012-07-04 东洋制罐株式会社 盖杀菌清洗方法及装置

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