JP3709635B2 - 容器洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は容器洗浄装置に係り、特に、ボトルグリッパによって把持した容器を反転させ倒立状態にして洗浄を行なう容器洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の容器洗浄装置の一例を示す概略平面図、図7はこの容器洗浄装置による洗浄工程を説明するフロー図であり、容器搬送コンベア104によって搬送されてきた容器102は、びん口洗浄ノズル106によってびん口102bが洗浄された後、入口スターホイール110を介して回転体116内に導入され、この回転体116に円周方向等間隔で設けられた複数のボトルグリッパ(図示せず)にそれぞれ引き渡される。容器102を保持したボトルグリッパは、カムレール120等の反転機構によって反転されて各容器102を倒立状態にする。この容器反転ゾーン100Bにはびん底洗浄ノズル128が設けられており、反転途中の容器102の底面102aに洗浄水を噴射してこの底面102aを洗浄する。
【0003】
前記反転ゾーン100Bに続く洗浄ゾーン100cでは、回転体116に設けられてボトルグリッパと一体的に移動する高圧の内洗ジェットノズル117から容器102内に洗浄水が噴射されて容器102内が洗浄されるとともに、本体に固定された外洗ノズル122によって容器102の外面に洗浄液が噴射されて容器外面が洗浄される。その後、容器102は、水切りゾーン100Dを倒立状態のまま搬送されて水切りが行なわれた後、排出側反転ゾーン100Eで再び反転されて元の正立状態に戻され、排出スターホイール124を介して前記搬送コンベア104上に排出されて次の工程に送られる。
【0004】
容器102を搬送する搬送コンベア104には、薬液を流してその表面と容器102の底面102aとの間の摩擦および騒音を低減するようになっており、搬送コンベア104から容器洗浄装置内に供給される容器102の底面102aには薬液が付着している。従って、前述のように容器102を反転させて洗浄するタイプの容器洗浄装置の場合には、反転させる前に、容器102の底面102aに付着している薬液を完全に除去しておかないと、反転時に、底面102aに付着している薬液や汚れが容器102の側面を伝わって回り込み容器102の口部102bやボトルグリッパに付着してしまうおそれがあるため衛生上問題があった。
【0005】
また、PET容器等の場合には薬液を流す必要はないので、薬液が容器102の口部102b等に付着するという問題はないが、搬送コンベア104の汚れが容器102の底面102aに付着しているので、反転させる前にこの汚れを落しておく必要がある。そこで、前記のように、反転ゾーン100B内にびん底洗浄ノズル128を設けて、反転中の傾斜した容器102の底面102aに向かって側方から洗浄液を噴射して洗浄を行なっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように反転の途中で洗浄液を噴射する構成では、容器の底面が早い速度で反転移動しているので充分な洗浄が行なえないため、残留している薬液や汚れが容器の側面から回り込んでびん口に付着してしまうおそれがあるという問題があった。また、容器の高さが変ると反転中のびん底の通過位置が変化するため、びん底洗浄ノズルの位置を変更する必要があった。さらに、一本のノズルから噴射してビン底全面を洗浄するためには、洗浄液の圧力を強くする必要があるが、噴射圧力を強くすると、洗浄液がはねて排出側の洗浄後の容器に汚れを付着させてしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は前記欠点を除くためになされたもので、容器の高さが変ってもびん底洗浄ノズルの位置を調整する必要がなく、しかも、びん底全体を確実に洗浄することができ、また、容器の口部等に汚れが付着してしまうおそれのない容器洗浄装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る容器洗浄装置は、容器を保持する複数のグリッパと、これらのグリッパを所定の経路に沿って循環搬送する搬送機構と、前記各グリッパに容器を供給するスターホイールと、容器を把持したグリッパを反転させて容器を倒立状態にする反転機構と、倒立した容器に洗浄流体を噴射して洗浄するノズルとを備えており、特に、前記グリッパに把持された容器が反転を開始する位置よりも上流側の、この容器の底面よりも下方に、容器の幅全域に渡って洗浄流体を噴射可能な洗浄手段を設け、グリッパによって把持されて正立状態で移動する容器の底面を洗浄するようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明について説明する。図1は本発明に係る容器洗浄装置の一実施の態様を示す概略平面図、図2はその要部の拡大図である。多数の容器2を連続的に搬送する容器搬送コンベア4の両側に、多数のノズル6aを備えた予備洗浄部6が設けられ(図1では簡略化して示す)、これらのノズル6aから搬送中の容器2に洗浄水を噴射して予備洗浄を行なう。予備洗浄部6の下流側には、インフィードスクリュー8が配置され、コンベア4上を連続的に搬送されてくる容器2を所定のピッチに間隔調整する。搬送コンベア4の側部には、前記インフィードスクリュー8と同期して回転する入口スターホイール10が配置され、各ポケット10a内に容器2を受け取って回転搬送する。入口スターホイール10の下方には、ほぼ半円弧状のフェリープレート12が配置されており、入口スターホイール10のポケット10a内に保持されて回転移動される容器2の底面2aを支持する。また、入口スターホイール10による搬送中の容器2は、ガイド部材14によって外周面を案内される。
【0010】
入口スターホイール10によって回転搬送された容器2は、回転体16に設けられたボトルグリッパ18(図1および図2では図示を省略してあるので図3を参照)に引き渡される。ボトルグリッパ18は、回転体16の外周側に円周方向等間隔で設けられており、入口スターホイール10から供給された容器2を把持して所定の経路に沿って搬送する。ボトルグリッパ18は反転可能に構成されており、回転体16によって回転移動する間に、カムレール20等の反転機構によって180度反転されて把持している容器2を倒立状態にし、また、容器2の洗浄終了後には、再度反転されて容器2を正立状態に戻す。なお、ボトルグリッパの詳細は図示しないが、特公平5−85227号等に記載された従来周知の構成を適用することができる。
【0011】
入口スターホイール10からボトルグリッパ18へ容器2の引き渡しが行なわれる引き渡し位置Aの下流側に、供給側反転ゾーンBが設けられており、回転体12の外側で容器2を把持していたボトルグリッパ18が、前記カムレール20に案内されて回転体12の内側へ向けて反転し、正立状態で把持していた容器2を180度回転させて倒立状態にする。
【0012】
供給側反転ゾーンBに続いて、洗浄ゾーンCが設けられており、ボトルグリッパ18によって倒立状態で搬送されている容器2の洗浄を行なう。この洗浄ゾーンCには、ボトルグリッパ18によって搬送されている容器2の外面に洗浄水を噴射する外洗スプレーノズル22が機枠側に固定されており、通過する容器2の外面に洗浄水を噴射して洗浄を行なう。また、回転体16には、各ボトルグリッパ18に対応して内洗ジェットノズル(図示せず)が設けられており、これら内洗ノズルは、各ボトルグリッパ18の移動に追従して移動し、この洗浄ゾーンCにおいて、容器2内に洗浄水を噴射して容器2内面の洗浄を行なう。
【0013】
前記洗浄ゾーンCに続いて水切りゾーンDが設けられており、内面および外面に洗浄水が噴射されて洗浄された容器2は、ボトルグリッパ18によって倒立状態で把持されたまま一定区間搬送されて水切りが行なわれる。水切りゾーンDの下流側には、排出側の反転ゾーンEが設けられており、この排出側反転ゾーンEで、カムレール20によってボトルグリッパ18が前記供給側反転ゾーンBと逆方向に180度反転されることにより、洗浄および水切りが終了した容器2は再び元の正立状態に戻される。正立状態になった容器2は、排出スターホイール24の前面の容器排出位置Fでボトルグリッパ18から解放されてこの排出スターホイール24に引き渡され、前記搬送コンベア4上に排出される。
【0014】
さらに、本実施例に係る容器洗浄装置には、容器2の底面2aを洗浄するびん底洗浄機構26が設けられている。このびん底洗浄機構26は、洗浄水を噴射する噴射部28を備えており、接続ホース30を介して供給された洗浄水を容器2の底面2aに向けて噴射する。この洗浄水の噴射部28は、入口スターホイール10の下方に配置されているフェリープレート12よりも下流側で(図2および図3参照)、かつ、ボトルグリッパ18が供給側反転ゾーンBにおいて反転を開始する位置よりも上流側に設けられている。しかも、このびん底洗浄機構26の噴射部28には、図3に示すように、多数の洗浄水噴射口28aが設けられており、また、図4に示すように、その噴射部28の表面28bが前記フェリープレート12の容器搬送面12aよりも僅かに低い高さ(両者の差がL1 )になるように配置されている。
【0015】
この実施例では、フェリープレート12に底面2aを支持されてスターホイール10によって回転搬送されている容器2を、ボトルグリッパ18によって把持し、後に反転を開始するまでは、その高さのまま容器2を搬送するようになっているので、洗浄水噴射部28の表面28aを、容器2の底面2aの高さよりも僅かに下方に位置させることにより、ボトルグリッパ18によって把持されて搬送される容器2の底面2aが接触しないようになっている。また、洗浄水噴射部28の幅は、少なくとも容器2の底面2aの幅方向(回転体16による容器2の搬送方向と直交する方向)の全域に渡って洗浄水を噴射可能な大きさを有している。さらに、この洗浄水噴射部28は、図3に示すように、前記噴射口28aから噴射される洗浄水の圧力を調整する制御弁32が設けられており、通常は、噴射される洗浄水の高さ(H1 )が、容器口2bの高さ(H2 )以下となるように設定されている(図5参照)。なお、洗浄水の飛散によって容器口2bが再汚染されることを防止するカバー等を設ければ、洗浄水の噴射高さ(H1 )を容器2の高さ(H2 )以下に設定しなくとも良い。
【0016】
以上の構成に係る容器洗浄装置の作動について説明する。搬送コンベア4によって搬送されてきた多数の容器2は、予備洗浄機構6により予備洗浄された後、インフィードスクリュー8によって所定のピッチに間隔が空けられて入口スターホイール10に引き渡される。これら容器2は、入口スターホイール10のポケット10aに保持され、外周面をガイド部材14に案内されて回転搬送される。搬送される容器2は底面2aがフェリープレート12によって支持されており、このフェリープレート12上を滑って移動する。
【0017】
入口スターホイール10によって回転搬送される各容器2は、このスターホイール10と同期して回転する回転体16の各ボトルグリッパ18に引き渡される。ボトルグリッパ18に把持された容器2は、直立した状態で同じ高さのまま搬送されてフェリープレート12上を通過し、びん底洗浄機構26の上方に移動する。この洗浄機構26では、噴射部28の多数の洗浄水噴射口28aから洗浄水を噴射しており、直立した状態で移動する容器2の底面2aに洗浄水が吹付けられて洗浄される。
【0018】
このように容器2が直立した状態で、その底面2aに垂直方向下方から洗浄水を噴射するようにしたので、容器2の高さが異なる場合でも、びん底洗浄機構26の噴射部28の位置を調整する必要がなく、各種サイズの容器2に兼用化することが可能である。また、多数の噴射口28aを有する噴射部28によって洗浄水を噴射するので、従来の装置のように、反転中の容器に洗浄水を噴射して洗浄する場合よりも比較的長い時間に渡って洗浄することができ、潤滑用の薬液や汚れを確実に除去することができる。さらに、多数の噴射口28aから洗浄水を噴射するようにして、洗浄水の噴射圧力を従来よりも弱くし、噴射された洗浄水の高さが容器2の高さを越えないようにしたので、洗浄水が排出側まで飛散して洗浄後の容器2に付着してしまうことがない。
【0019】
びん底洗浄機構26によって底面2aが洗浄された容器2は、供給側反転ゾーンBに移動し、180度回転されて倒立状態になる。その後、洗浄ゾーンCにおいて、外洗スプレーノズル22および内洗ジェットノズル(図示せず)によって外面および内面が洗浄される。続いて、水切りゾーンDを倒立状態のまま搬送されて水切りが行なわれる。洗浄後水切りが行なわれた容器2は、排出側反転ゾーンEで再度180度反転されて正立状態に戻され、容器排出位置Fで排出スターホイール24に引き渡される。この排出スターホイール24によって前記搬送コンベア4上に排出され、次の工程に送られる。
【0020】
なお、上記実施例では、ロータリ式リンサについて説明したが、ロータリ式に限るものではなく、容器を反転させて洗浄を行なうタイプの容器洗浄装置であれば適用可能であり、前記実施例と同様の効果を奏することができる。また、洗浄水噴射部28は、図3に示すような縦横各方向に複数の洗浄水噴射口28aを有するものに限らず、図8に示すように、複数の洗浄水噴射口28aが幅方向に一列に配置されたものであっても、容器2の進行によってその底部2a全域を洗浄可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、容器を保持する複数のグリッパと、これらのグリッパを所定の経路に沿って循環搬送する搬送機構と、前記各グリッパに容器を供給するスターホイールと、容器を把持したグリッパを反転させて容器を倒立状態にする反転機構と、倒立した容器に洗浄流体を噴射して洗浄するノズルとを備えた容器洗浄装置において、前記グリッパに把持された容器が反転を開始する位置よりも上流側の、この容器の底面よりも下方に、容器の幅全域に渡って洗浄流体を噴射可能な洗浄手段を設け、グリッパによって把持されて正立状態で移動する容器の底面を洗浄するようにしたことにより、容器のサイズが異なる場合でもびん底洗浄ノズルの位置を調整する必要がなく、また、容器底面を充分に洗浄して汚れ等を確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る容器洗浄装置の全体を簡略化して示す概略平面図である。
【図2】前記容器洗浄装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図3】前記容器洗浄装置の作動を説明する要部斜視図である。
【図4】容器洗浄装置に設けられた容器底部の洗浄機構の側面図である。
【図5】前記容器底部の洗浄機構から噴射される洗浄流体の高さを説明する説明図である。
【図6】従来の容器洗浄装置の全体を簡略化して示す概略平面図である。
【図7】前記従来の容器洗浄装置の作動を説明するフロー図である。
【図8】洗浄水噴射部の他の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
2 容器
2a 容器の底面
10 スターホイール(入口スターホイール)
20 反転機構(カムレール)
26 洗浄手段(洗浄機構)
28 洗浄手段(洗浄水噴射部)
Claims (2)
- 容器を保持する複数のグリッパと、これらのグリッパを所定の経路に沿って循環搬送する搬送機構と、前記各グリッパに容器を供給するスターホイールと、容器を把持したグリッパを反転させて容器を倒立状態にする反転機構と、倒立した容器に洗浄流体を噴射して洗浄するノズルとを備えた容器洗浄装置において、
前記グリッパに把持された容器が反転を開始する位置よりも上流側の、この容器の底面よりも下方に、容器の幅全域に渡って洗浄流体を噴射可能な洗浄手段を設け、グリッパによって把持されて正立状態で移動する容器の底面を洗浄することを特徴とする容器洗浄装置。 - 前記洗浄手段から噴射される洗浄流体の圧力を制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の容器洗浄装置。
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- 1996-11-22 JP JP32773396A patent/JP3709635B2/ja not_active Expired - Fee Related
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