JP2002052951A - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JP2002052951A
JP2002052951A JP2000242814A JP2000242814A JP2002052951A JP 2002052951 A JP2002052951 A JP 2002052951A JP 2000242814 A JP2000242814 A JP 2000242814A JP 2000242814 A JP2000242814 A JP 2000242814A JP 2002052951 A JP2002052951 A JP 2002052951A
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target
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Itsuro Muramoto
逸朗 村本
Nobutaka Takahashi
伸孝 高橋
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先行車追従走行において、エンジン動作点が
最適燃費線から乖離しないように制御して最適燃費を実
現する。 【解決手段】 ステップ101、102で、必要なデー
タに基づいて負荷に応じた無段変速機の設定を行いつつ
現在の変速比を求めるとともに、ステップ103で機構
的に定まる最大変速速度を求める。ステップ104〜1
06で相対速度を求めて追従走行のための目標車間距離
を算出し、ステップ107、108を経てこれを達成す
るための目標駆動力を算出する。この目標駆動力をステ
ップ109で最大変速速度に基づいて最適燃費線上を保
持するため実現可能の範囲に制限して補正したものを、
ステップ110でエンジンおよび変速機コントローラへ
出力する。これにより、先行車の急加速に対して無理に
目標車間距離を実現しようとせず、緩やかな加速で追随
し、最適燃費を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機を備え
た車両の先行車追従走行時などにおける車両駆動力を制
御する車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無段変速機を備えた車両の駆動力制御に
ついては、例えば駆動力指令値に対する応答性改善を目
的として、本出願人が特開平11−105584号公報
で提案したような装置がある。この装置では、駆動力指
令値に加えて、エンジンの運転点を拘束するため例えば
エンジン回転速度指令値を設定するとともに、両者の推
移させるべき過渡値を決定して、これらエンジン回転速
度と駆動力の各指令値に実際値を追従させるためのエン
ジントルク指令値と変速比指令値を演算し、エンジント
ルク指令値にしたがってエンジンを駆動制御し、変速比
指令値にしたがって無段変速機を駆動制御する。これに
より、所望の駆動力が得られるとともに、駆動力指令値
が変化したときの過渡特性を改善しようとするものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
装置では、駆動力指令値からエンジントルク指令値と変
速比指令値を求めるので、例えば先行車に追従走行する
場合に、例えば車間距離の変化に対応して駆動力指令値
が変化するとき、無段変速機に対する変速指令値の変化
速度が機構的な制約上実現可能な速度より大きくなるこ
とがある。そうすると、エンジンにかかわる物理量、例
えば燃費を最適化しようとしている場合に、エンジン動
作点を最適燃費線上に維持しようとして目標駆動力が得
られないこととなるか、あるいは目標駆動力を優先すれ
ばエンジン動作点が最適燃費線から乖離して最適燃費を
実現するのが困難となる。
【0004】すなわち、燃料消費率特性を示す図5にお
いて、等高線状の曲線は等燃料消費率線を表わし、D点
は単位出力あたりの消費燃料が最小になるエンジン動作
点であり、全般にこのD点を底にすり鉢状の特性となっ
ている。図中、太線は各エンジン出力を最小の燃料消費
量で実現するエンジン動作点を繋いだ最適燃費線であ
り、変速比を任意に設定できれば任意の要求駆動力に対
してエンジン動作点を最適燃費線上に持ってくることが
可能である。なお、最適燃費線のうち真っ直ぐ上に向か
う部分は、無段変速機の機構上の制限から最低回転速度
が決定されていることを示している。
【0005】しかしながら、実際には無段変速機の変速
速度には変速機構に用いられている油圧アクチュエータ
をはじめとする機構的な特性や仕様に起因する限界があ
り、限界を越える変速比の変化が要求されると、エンジ
ン動作点を最適燃費線上に保つことができなくなる。
【0006】例えば、目標駆動力が変化してエンジン動
作点が図5におけるA点からC点へ移動する場合、最適
燃費線上をたどるためにA点からB点の間ではエンジン
回転速度を一定に保持する必要があり、車速が変化する
ときの車輪の回転速度とエンジン回転速度の関係は変速
比を変化させることで整合させなければならない。この
際、車速の変化速度に応じた変速速度が必要となるが、
無段変速機がその要求通りに変速できないと、図6に示
すように、B点と同じ駆動力を実現しようとしてエンジ
ン動作点はB点よりエンジン回転速度が高いB1点へ移
動する。同様にして、エンジン動作点はB1から図示の
B2、B3、B4の経路をとってC点へ向かう。このよ
うに最適燃費線をはずれることになれば、燃料消費率が
悪化することとなる。
【0007】したがって本発明は、上記の問題点に鑑
み、先行車に追従走行する間などにおいて、エンジンに
かかわる燃費などの物理量を最適化する動作点からの乖
離を防止するようにした車両の制御装置を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の本
発明は、エンジンに変速比を無段階に変化可能の無段変
速機を連結した駆動系を備える車両において、走行中の
目標車両状態を設定する目標車両状態設定手段と、目標
車両状態を実現するため複数のパラメータを順次演算す
るパラメータ演算手段と、演算されたパラメータに基づ
いてエンジンおよび無段変速機を制御する駆動系制御手
段と、無段変速機の実現可能な変速速度に基づいて、エ
ンジンにかかわる物理量を所定範囲に収めるように、い
ずれかのパラメータに制限を加えるパラメータ制限手段
とを有するものとした。
【0009】請求項2の発明は、とくにエンジンにかか
わる物理量が燃料消費率であり、パラメータ制限手段は
エンジンの動作点を最適燃費線上に保持するようパラメ
ータに制限を加えるようにしたものである。
【0010】請求項3の発明は、目標車両状態が先行車
追従走行における目標車間距離であり、パラメータ演算
手段は、パラメータとして、目標車間距離実現のための
目標車速、および該目標車速実現のための目標駆動力を
順次に演算するものとした。そして請求項4の発明は、
パラメータ制限手段が無段変速機の実現可能な変速速度
に基づいて目標車速の変化速度を制限するものとし、請
求項5の発明は、パラメータ制限手段が無段変速機の実
現可能な変速速度に基づいて目標駆動力を制限するもの
としている。
【0011】請求項6の発明は、目標車両状態設定手段
が先行車追従走行における目標車間距離を設定するもの
において、目標駆動力または目標車速を制限するパラメ
ータ制限手段の代わりに、無段変速機の実現可能な変速
速度に基づいて、エンジンの動作点を最適燃費線上に保
持するように、目標車間距離の変化速度を制限する設定
値制限手段を有するものとしたものである。
【0012】
【発明の効果】請求項1のものでは、設定された目標車
両状態を実現するため順次演算されるパラメータのいず
れかについて、無段変速機の実現可能な変速速度に基づ
いて、エンジンにかかわる物理量を所定範囲に収めるよ
うに制限を加えてエンジンおよび無段変速機が制御され
るので、エンジンにかかわる物理量を最適化する動作点
からの乖離を防止することができる。
【0013】請求項2のものはとくにエンジンにかかわ
る物理量を燃料消費率とし、エンジンの動作点を最適燃
費線上に保持するようパラメータを制限するから、目標
車両状態によって動作点が最適燃費線から乖離するよう
なことがなく、常に燃料消費率が低く抑えられる。
【0014】請求項3のものでは、先行車追従走行にお
ける目標車間距離実現のための目標車速、および該目標
車速実現のための目標駆動力をパラメータとして順次に
演算し、とくに請求項4では無段変速機の実現可能な変
速速度に基づいて目標車速の変化速度を制限し、請求項
5では目標駆動力を制限することにより、いずれにおお
いても、例えば先行車が急加速した場合に、実現可能な
限度で比較的緩やかに加速追従するから、無駄な燃料消
費を招くことがない。
【0015】請求項6のものは、無段変速機の実現可能
な変速速度に基づいて、目標車間距離の変化速度を制限
するので、例えば先行車が急加速した場合に、速度の増
大に対応して変化させる目標車間距離を所定値より早く
拡大させることにより、当該目標車間距離を実現するに
要する自車両の加速度が緩やかになり、同様に、無駄な
燃料消費を招くことがない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により説明する。図1は実施例が適用される車両の駆
動系を含む全体構成を示す。駆動系は、エンジン10に
トルクコンバータ14を介して無段変速機16が連結さ
れ、無段変速機16の出力軸18を最終減速機19を介
して車輪20に連結して構成されている。エンジン10
のスロットルバルブ11にはその開度を検出するスロッ
トル開度センサ22が設けられ、出力軸12にはその回
転速度を検出するエンジン回転センサ23が設けられて
いる。
【0017】トルクコンバータ14の出力側であるター
ビン15と連結される無段変速機16の入力軸17には
その回転速度を検出するタービンセンサ24が設けられ
ている。また、無段変速機16の出力軸18には車速セ
ンサ25が設けられている。無段変速機16の出力軸1
8より後段の最終減速機19の減速比や車輪20の径は
固定であるから、出力軸18の回転速度から車速を検出
することができる。
【0018】エンジン10と無段変速機16に対応させ
てそれぞれエンジンコントローラ30と変速機コントロ
ーラ32が設けられ、変速機コントローラ32はとくに
トルクコンバータ14と無段変速機16とに接続されて
いる。エンジンコントローラ30には、図示省略のアク
セルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ26
のほか、上記のスロットル開度センサ22、エンジン回
転センサ23および車速センサ25が接続され、変速機
コントローラ32には、スロットル開度センサ22、エ
ンジン回転センサ23、タービンセンサ24および車速
センサ25が接続されている。なお、変速機コントロー
ラ32にはさらに油圧制御のためのライン圧や油温等の
情報が図示しないセンサから入力される。
【0019】エンジンコントローラ30と変速機コント
ローラ32は、さらに車両コントローラ40に接続され
ている。変速機コントローラ32は車両コントローラ4
0からの要求に応じて例えば車速センサ25からの車速
データ等を車両コントローラ40へ供給するようになっ
ている。車両コントローラ40は内部に車間距離コント
ローラ42と車速コントローラ44を備えるとともに、
前方道路環境情報検出部27と車間距離センサ28が接
続されている。
【0020】前方道路環境情報検出部27は、ナビゲー
ションシステムやVICS(道路交通情報システム、Ve
hicle Information and Communication System)などの
環境設備との通信に基づいて、車両がこれから通過する
前方道路に関する環境情報として、道路種別や法定走行
速度、また道路交通規制情報や混雑度合い、その他交差
点の信号状態などを検出する。車間距離センサ28は、
光、超音波あるいは電磁波によるレーダやカメラによる
撮像画像の処理装置を用いて先行車両との車間距離を計
測する。
【0021】車両コントローラ40の車間距離コントロ
ーラ42は、前方道路環境情報検出部27からの環境情
報ならびに車間距離センサ28からの車間距離を入力す
るとともに、車間距離の変化から先行車両との相対速度
を演算し、これらのデータに基づいて目標車両状態とし
ての目標車間距離を算出する。そして、実際の車間距離
を目標車間距離に一致させるための第1段階のパラメー
タとして、目標車速を演算して車速コントローラ44へ
出力する。
【0022】車速コントローラ44は、変速機コントロ
ーラ32を介して実際の車速を入力し、これを目標車速
に一致させるための第2段階のパラメータとして目標駆
動力を算出する。そして、この目標駆動力をエンジント
ルクと変速比に割り振って、目標トルクをエンジンコン
トローラ30へ、目標変速比を変速機コントローラ32
へそれぞれ出力する。なお、車両コントローラ40には
キーボード等の手動入力手段46も接続され、先行車両
追随特性や省燃費走行重視度などのドライバによる設定
を可能としている。
【0023】エンジンコントローラ30は、接続された
各センサからの検出信号と予め設定された制御ロジック
に基づいて、スロットルバルブ11の開度、点火時期、
燃料噴射量等を制御する。変速機コントローラ32は、
各センサからの検出信号と予め設定された制御ロジック
に基づいて、無段変速機16の変速比およびトルクコン
バータ14のトルク伝達状態を制御する。
【0024】つぎに、主として変速機コントローラ32
および車両コントローラ40における制御の流れについ
て、図2のフローチャートを参照して説明する。まず、
変速機コントローラ32において、ステップ101で
は、スロットル開度センサ22からのスロットルバルブ
開度、エンジン回転センサ23からのエンジン回転速
度、タービンセンサ24からのタービン回転速度、車速
センサ25からの車速を読み込むとともに、ライン圧や
油温データを読み込む。
【0025】そして、ステップ102において、スロッ
トルバルブ開度とエンジン回転速度に基づいて負荷に応
じたトルクコンバータ14の状態制御や変速比設定を行
いつつ、タービン回転速度と実際の車速の比から現在の
変速比を求める。次のステップ103で、現在の変速比
と、ライン圧や油温から、無段変速機16の機構的に定
まる最大変速速度を求める。この最大変速速度は、計算
式の演算により求めることができ、あるいは予め実験に
より求めた特性マップから読み出すことができる。
【0026】一方、車両コントローラ40の車間距離コ
ントローラ42では、ステップ104において、前方道
路環境情報検出部27からの現在位置周辺の環境情報、
手動入力手段46からのドライバ設定、車間距離センサ
28からの実車間距離、ならびに変速機コントローラ3
2を介しての車速センサ25からの車速の各データを読
み込む。ステップ105では、実車間距離の変化から先
行車両との相対速度を演算する。
【0027】そして、ステップ106において、相対速
度およびステップ104で読み込んだデータに基づいて
先行車との目標車間距離を算出する。 この目標車間距
離は、あらかじめ定めた所定の時間単位で達成されるべ
き自車両と先行車間の車間距離として算出される。つぎ
のステップ107では、実車間距離を目標車間距離に一
致させるための目標車速を演算する。目標車速VTは、
例えば時間積分を含む次式で求められる。 Vt=Krp・(目標車間距離−実車間距離)+Kri
・∫(目標車間距離−実車間距離)dt KrpおよびKriはそれぞれ予め定めた所定のゲイン
である。
【0028】ステップ108では、車速コントローラ4
4において、実際の車速を目標車速に一致させるための
目標駆動力Ftを、時間積分を含む次式により算出す
る。 Ft=Kvp・(実際の車速−目標車速)+Kvi・∫
(実際の車速−目標車速)dt
【0029】ステップ109において、車速コントロー
ラ44では、算出された目標駆動力Ftに対応するエン
ジン動作点が先の図5においてA点からB点に変化する
間は、変速機コントローラ32で求めた最大変速速度に
応じて、ステップ108で求めた目標駆動力の変化速度
に制限を加え、補正目標駆動力Frを算出する。
【0030】すなわち、エンジン動作点がA点からB点
に対応した値に変化する間はエンジン回転速度を一定と
するから、駆動力の変化は変速比を変化させて行うこと
となる。したがって、車体質量をM、無段変速機16の
変速比をRatio、変速比の実現可能な変化速度の最
大値をΔRatio、車輪20の半径をRw、最終減速
機19の減速比をGf、エンジン回転速度をωe、走行
抵抗をTsとして、変速比で対応できる可能駆動力(補
正目標駆動力Fr)は次式で与えられる。なお、この場
合はエンジン回転速度が変化しないのでエンジン慣性力
の変化は考慮しない。 Fr=M・ωe・Rw・ΔRatio/{Gf・( R
atio−ΔRatio )・Ratio}+Ts 一方、目標駆動力Ftに対応するエンジン動作点がB点
からC点に変化する間では、エンジン回転速度を変化さ
せることで目標駆動力Ftの変化に追従できる。
【0031】ステップ110において、車速コントロー
ラ44は、目標駆動力Ftへの変化がエンジン動作点で
A点からB点をたどる間は、目標駆動力を可能駆動力F
rに抑えて、これを実現するための目標変速比を算出
し、変速機コントローラ32へ出力する。また、目標駆
動力Ftへの変化がエンジン動作点でB点以降となる場
合は、その目標駆動力を実現するための目標エンジント
ルクと目標変速比を算出して、それぞれエンジンコント
ローラ30および変速機コントローラ32へ出力する。
【0032】本実施例においては、上記のステップ10
4〜106が発明の目標車両状態設定手段を構成し、ス
テップ107、108がパラメータ演算手段を、ステッ
プ101〜103および109がパラメータ制限手段
を、そしてステップ110が駆動系制御手段を構成して
いる。
【0033】本実施例は以上のように構成され、先行車
追従走行における目標車間距離に基づいて算出した目標
駆動力に対応して、最適燃費を得るエンジン動作点がA
点からB点の間にあるときは、変速比の実現可能な変化
速度に基づいて目標駆動力に制限を加える(可能駆動力
Fr)ことにより目標駆動力の大きな変化を抑えるもの
としたので、例えば先行車の急加速に対して無理に目標
車間距離を実現しようとせず、緩やかな加速で追随し、
燃費の悪化を防止する。
【0034】次に、第2の実施例として、車両コントロ
ーラ40における制御の流れを異ならせたものについて
説明する。図3は、第2の実施例を示すフローチャート
である。ステップ201から207は図2に示した第1
の実施例におけるフローチャートのステップ101から
107と同じである。ステップ208では、車速コント
ローラ44において、変速機コントローラ32で求めた
最大変速速度に応じて、ステップ207で求めた目標車
速に対してその変化速度に制限を加える。
【0035】すなわち、目標駆動力Ftが先の図5にお
いてエンジン動作点がA点からB点に対応した値に変化
中の場合を例にとれば、この間はエンジン回転速度を一
定とするから車速の変化は変速比を変化させて行うこと
となる。したがって、無段変速機の変速比をRati
o、変速比の実現可能な変化速度の最大値をΔRati
o、車輪半径をRw、最終減速機の減速比をGf、エン
ジン回転速度をωeとして、変速比で対応できる目標車
速の変化速度はΔVSPは次式で与えられる。なお、こ
の場合はエンジン回転速度が変化しないのでエンジン慣
性力の変化は考慮しない。 ΔVSP=ωe・Rw・ΔRatio/{Gf・( R
atio−ΔRatio )・Ratio}
【0036】一方、エンジン動作点がB点からC点に対
応する値に変化する間では、エンジン回転速度を変化さ
せることで目標車速の変化に追従することとなる。この
場合、エンジン10の慣性質量の回転速度を上昇させる
ために消費されるエンジントルクを考慮して、目標車速
の変化速度は次式で与えられる。 ΔVSP=Ft/(M+I・Rw) ただし、Ftは当該動作点での目標駆動力、Mは車体質
量、Iはエンジン回転系の等価慣性質量である。
【0037】つぎのステップ209において、車速コン
トローラ44では、上記の変化速度に制限を設けられた
目標車速に基づいて、目標駆動力を算出する。ステップ
210では、前ステップで求めた目標駆動力にしたがっ
て、目標変速比を算出して変速機コントローラ32へ出
力するとともに、目標駆動力を実現するための目標エン
ジントルクを算出してエンジンコントローラ30へ出力
する。その他の構成は前実施例と同じである。
【0038】本実施例においては、上記のステップ20
4〜206が発明の目標車両状態設定手段を構成し、ス
テップ207、209がパラメータ演算手段を、ステッ
プ201〜203および208がパラメータ制限手段
を、そしてステップ210が駆動系制御手段を構成して
いる。
【0039】本実施例は以上のように構成され、先行車
追従走行における目標車間距離に基づいて算出した目標
駆動力に対応して、最適燃費を得るエンジン動作点がA
点からB点の間にあるときは、変速比の実現可能な変化
速度に基づいて目標車速に制限を加えることにより目標
駆動力の大きな変化を抑えるものとしたので、第1の実
施例と同様に、先行車の急加速に対して無理に基準の車
間距離を保持しようとせずスムースな加速で追随し、燃
費の悪化を防止する。
【0040】次に、第3の実施例について、図4のフロ
ーチャートにより説明する。これは無段変速機の変速速
度の限界を考慮して目標車間距離の変化速度に制限を加
えるようにしたものである。ステップ301から306
は、図2に示した第1の実施例におけるフローチャート
のステップ101から106と同じである。ステップ3
06で求められる目標車間距離は、あらかじめ定めた所
定の時間ごとに達成されるべき自車両と先行車間の車間
距離として算出される。
【0041】次のステップ307において、車間距離コ
ントローラ42で、実車間距離の変化と車速から先行車
の加速度を算出し、ステップ308では、算出された先
行車の加速度があらかじめ定めた所定値より大きいかど
うかをチェックする。先行車の加速度が所定値以下のと
きはステップ308からそのままステップ310へ進
む。一方、先行車の加速度が所定値より大きい場合は、
ステップ309において、目標車間距離の変化速度をス
テップ303で求めた最大変速速度に基づいて所定値以
上に制限したうえ、ステップ310へ進む。
【0042】ステップ310では、実車間距離を目標車
間距離に一致させるための目標車速を演算する。ステッ
プ311では、車速コントローラ44において、実際の
車速を目標車速に一致させるための目標駆動力FTを算
出する。これらのステップ310、311は、第1の実
施例におけるフローチャートのステップ107、108
と同じである。
【0043】最後にステップ312において、車速コン
トローラ44は、目標駆動力を実現するための目標エン
ジントルクと目標変速比を算出して、それぞれエンジン
コントローラ30および変速機コントローラ32へ出力
する。
【0044】この制御により次の作用が得られる。すな
わち、通常は、ステップ309をスキップする流れによ
り、先行車が加速すると、走行速度が高くなるのにした
がって必要な車間距離が徐々に増し、これを目標車間距
離として追従のために自車両も加速することになる。し
かし、先行車が所定値より大きい加速度で急加速した場
合には、ステップ309の処理で目標車間距離を速い変
化速度で増大させるから、自車両の加速は目標車間距離
が急速に延びた分だけ緩やかなものとなる。その他の構
成は第1の実施例と同じである。
【0045】本実施例においては、上記のステップ30
4〜306が発明の目標車両状態設定手段を構成し、ス
テップ310、311がパラメータ演算手段を、ステッ
プ307〜309が設定値制限手段を、そしてステップ
312が駆動系制御手段を構成している。
【0046】本実施例は以上のように構成され、先行車
の加速度が所定値より大きいときには、変速比の実現可
能な変化速度に基づいて、目標車間距離の変化速度を所
定値以上にするよう制限を加えるものとしたので、先行
車の急加速に対して無理に加速追従せず、前述の各実施
例と同様に、スムースな加速で追随し、燃費の悪化を防
止する。
【0047】なお、各実施例では、車両コントローラ4
0は車速センサ25その他からの車速データ等を変速機
コントローラ32を介して得るようにしているが、これ
に限らずエンジンコントローラ30を経て、あるいは双
方から入力するようにしてもよい。また、各フローチャ
ートにおけるステップは、当該ステップの処理結果を用
いる他のステップよりも前であれば適宜順番を入れ替え
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例が適用される車両の全体構成を
示す図である。
【図2】第1の実施例における制御の流れを示すフロー
チャートである。
【図3】第2の実施例における制御の流れを示すフロー
チャートである。
【図4】第3の実施例における制御の流れを示すフロー
チャートである。
【図5】エンジン回転速度と出力トルクに対する燃料消
費率特性を示す図である。
【図6】従来の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
10 エンジン 11 スロットルバルブ 14 トルクコンバータ 16 無段変速機 18 出力軸 19 最終減速機 20 車輪 22 スロットル開度センサ 23 エンジン回転センサ 24 タービンセンサ 25 車速センサ 26 アクセルセンサ 27 前方道路環境情報検出部 28 車間距離センサ 30 エンジンコントローラ 32 変速機コントローラ 40 車両コントローラ 42 車間距離コントローラ 44 車速コントローラ 46 手動入力手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/02 301 F02D 29/02 301D F16H 61/00 F16H 61/00 // F16H 59:14 59:14 59:44 59:44 Fターム(参考) 3D041 AA26 AA41 AC08 AC19 AD02 AD04 AD10 AD37 AD46 AD51 AE04 AE36 AF00 3D044 AA17 AA25 AC03 AC05 AC16 AC22 AC26 AC59 AD04 AD17 AE00 AE04 3G093 AA06 BA19 BA23 DA01 DA06 DB01 DB05 DB07 DB09 DB11 DB16 DB21 EA09 EB03 EC04 FA11 FB05 3J552 MA06 MA12 NA01 NB01 PA59 RA01 TA01 VA32Z VA48Z VA53Z VB01W VB08W VB12W VC01Z VC03Z VD02Z VE07Z VE08Z VE09Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに変速比を無段階に変化可能の
    無段変速機を連結した駆動系を備える車両において、走
    行中の目標車両状態を設定する目標車両状態設定手段
    と、目標車両状態を実現するため複数のパラメータを順
    次演算するパラメータ演算手段と、演算されたパラメー
    タに基づいてエンジンおよび無段変速機を制御する駆動
    系制御手段と、前記無段変速機の実現可能な変速速度に
    基づいて、エンジンにかかわる物理量を所定範囲に収め
    るように、いずれかのパラメータに制限を加えるパラメ
    ータ制限手段とを有することを特徴とする車両の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記エンジンにかかわる物理量が燃料消
    費率であり、前記パラメータ制限手段はエンジンの動作
    点を最適燃費線上に保持するようパラメータに制限を加
    えるものであることを特徴とする請求項1記載の車両の
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記目標車両状態が先行車追従走行にお
    ける目標車間距離であり、前記パラメータ演算手段は、
    パラメータとして、目標車間距離実現のための目標車
    速、および該目標車速実現のための目標駆動力を順次に
    演算するものであることを特徴とする請求項2記載の車
    両の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記前記パラメータ制限手段は、無段変
    速機の実現可能な変速速度に基づいて前記目標車速の変
    化速度を制限することを特徴とする請求項3記載の車両
    の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記前記パラメータ制限手段は、無段変
    速機の実現可能な変速速度に基づいて前記目標駆動力を
    制限することを特徴とする請求項3記載の車両の制御装
    置。
  6. 【請求項6】 エンジンに変速比を無段階に変化可能の
    無段変速機を連結した駆動系を備える車両において、先
    行車追従走行における目標車間距離を設定する目標車両
    状態設定手段と、目標車間距離を実現するための目標車
    速、および該目標車速実現のための目標駆動力を順次に
    演算するパラメータ演算手段と、演算されたパラメータ
    に基づいてエンジンおよび無段変速機を制御する駆動系
    制御手段と、前記無段変速機の実現可能な変速速度に基
    づいて、エンジンの動作点を最適燃費線上に保持するよ
    うに、前記目標車間距離の変化速度を制限する設定値制
    限手段とを有することを特徴とする車両の制御装置。
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