JP2002051692A - クルトンの製造方法 - Google Patents
クルトンの製造方法Info
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Abstract
作用をもつ油脂及び澱粉にて皮膜を形成するようコーテ
ィングを実施し、粉末澱粉を固定化することにより、ク
ルトン内部への水分の吸水性を低下させ、その結果、長
時間カリカリした食感を持続できる。 【効果】 スープに浮き身として提供するクルトンのカ
リカリとした食感を長時間持続させることができる。
Description
リカリとした食感を持続させることができるクルトンの
製造法に関する。
トッピング等に利用されており、そのカリカリとした食
感が楽しまれてきた。しかし、スープやサラダドレッシ
ング等の水分の吸水により、クルトン本来のカリカリと
した食感は長い時間持続しないという欠点があった。こ
の問題を解決することを目的として、パン生地にコーン
フラワーを添加する(特開昭49−101555)、パ
ン生地に常温固形脂を配合する(特開昭54−9264
8)、一定量の油脂を含有し、厚い膜構造を形成する
(特開平1−179639)、30〜120℃の植物油
脂を浸漬する(特開平1−187044)、未油ようク
ルトンの表面に固体脂でコーティングする(特開平2−
255035)、パン生地にトランスグルタミナーゼを
添加し作用させる(特開平7−327584)、が提案
されている。
知のクルトンは、その何れもが吸水性及び食感両方にお
いて満足するものが得られていない。吸水性を少なくす
るために常温固形脂をクルトン中に配合したり(特開昭
54−92648)、浸漬したり(特開平1−1870
44)する方法があるが、油脂含量が多くなり食感及び
味が損なわれる。さらには、油脂が多いため酸化劣化の
兆候が顕著に表れる。また、一定量の油脂を含有し、厚
い膜構造を有するクルトン(特開平1−179639)
は、パン内部の気泡が少ない、つまり密な構造のため、
吸水性に関しては低くなるが、パンクルトン本来の食感
を持たずあられ様のクルトンとなってしまう。また、カ
リカリした食感を与えるため、パン生地にコーンフラワ
ーを添加したり(特開昭49−101555)、トラン
スグルタミナーゼを添加したり(特開平7−32758
4)する方法があるが、どちらも食感に関しての改良は
なされているが、吸水性が高いため長時間カリカリした
食感を持続することができない。さらには、クルトン表
面に固形油脂にてコーティングする(特許公報:第29
95480号)方法も公示されているが、カリカリした
食感は有するものの持続することができない。
感両方において満足し、長時間カリカリした食感を持続
するクルトンを開発する必要があった。
な課題を解決すべく鋭意研究の結果、小麦粉重量に対し
1〜10重量%の油脂、20〜40重量%のコーンスタ
ーチを配合し、得られるパン生地を用いて、焼成後比容
積2〜3ml/gのパンを製造し、次いでこのパンを冷
却後、細断または粉砕し、必要に応じて加熱乾燥したク
ルトンに対して、加熱溶解した固形油脂をコーティン
グ、またはα化澱粉溶液にてコーティングし、さらに粉
末澱粉を固定化することを特徴とするクルトンを製造す
ることにより、クルトン内部への水分の吸水性を低下さ
せ、その結果、長時間カリカリした食感を持続できるク
ルトンの開発に至った。
は、油脂コーティングまたはα化澱粉溶液コーティング
後に粉末澱粉を固定化しており、スープに浮遊させた
際、固定化した澱粉粒子が水分及び熱によりα化しクル
トンの周囲を覆う。それにより、クルトン内部への水分
の吸水性が著しく低下し、その結果、長時間カリカリし
た食感を持続できる。
形油脂、コーンスターチ、食塩、上白糖、イースト、イ
ーストフード、ビタミンC、乳製品、卵、その他常用さ
れる原料及び水を加え十分にミキシングしパン生地を生
成する。
ものを示し、ショートニング、マーガリン、バター等で
ある。パン生地に練り込む固形油脂量は、小麦粉重量に
対して1〜10重量%、好ましくは、3〜7重量%であ
る。その理由として、1%未満である場合、添加効果が
得られにくく、10%を超えるとパン自体脆くなり、細
断または粉砕し、必要に応じて加熱乾燥する際に割れ欠
けを生じ易くなる。
小麦粉重量に対して20〜40重量%、好ましくは、2
5〜35重量%である。その理由として、20%未満で
ある場合、添加効果が得られにくく、40%を超えると
クルトン自体にカリカリとした食感が生じるものの、パ
ン粉様の食感となり食味する上で良好ではない。目的の
サイズのクルトンを歩留り良く得るためには、10%以
下にすることが好ましい。
成、冷却という通常の製パン工程と同様の製法にて焼成
後比容積2〜3ml/gのクルトン用パンを生成する。
焼成後比容積2〜3ml/gにする理由として、2ml
/g未満の場合、パンの木目が粗くなり、本発明による
方法を用いても十分な効果が得られない。また、3ml
/gを超えるとパンの木目は細かくなるが、非常に硬い
食感のクルトンとなり、これも食するに適さない。
的のサイズに細断または粉砕し、必要に応じて加熱乾燥
する。
加熱溶解又はエタノール等の溶媒で溶解した固形油脂を
コーティング、またはα化澱粉溶液にてコーティングす
る。ここでいう固形油脂とは、常温にて固体のものを示
し、融点は、25℃以上、好ましくは30℃以上であ
る。その理由として、25℃未満の場合、クルトンをス
ープに浮遊した際、クルトンから油脂が分離する傾向が
非常に強くなり、スープ表面に油滴や油膜を形成し、外
観上においても食味する上においても品質上問題が生じ
る。
温で固形の油脂がすべて使用され、液状のものは水素を
添加して硬化油として使用することができる。油脂の非
限定例としては、次のものが挙げられる:バター、牛
脂、豚脂、鯨油、卵油、イワシ油、イカ油、各種魚油、
ヤシ油、オリーブ油、ヒマシ油、ピーナツ油、菜種油、
ゴマ油、大豆油、綿実油、パーム油、パーム核油等のほ
か、マーガリン、ショートニング等も使用可能である。
ば、馬鈴薯澱粉、とうもろこし澱粉、さつまいも澱粉、
小麦澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉等を用いα化させた澱
粉溶液のことであり、濃度が10〜30重量%、好まし
くは濃度が15〜25重量%である。
量は、皮膜を厚く形成する上では、多い方が好ましい
が、食感においてべたついた食味、又は粉っぽさを感じ
させるため、固形油脂に関しては、乾燥クルトンに対し
て5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%、α化
澱粉溶液に関しては、乾燥クルトンに対して澱粉含量に
換算して5〜20重量%、好ましくは5〜10重量%で
ある。コーティング方法としては、スプレー、浸漬、塗
布等が利用できる。
粉末澱粉は、例えば、馬鈴薯澱粉、とうもろこし澱粉、
さつまいも澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉等が
挙げられる。固定化に用いる粉末澱粉量は、乾燥クルト
ンに対して5〜15重量%、好ましくは7〜12重量%
が適当である。その理由として、5%未満の場合、クル
トン表面を粉末澱粉にて覆うことが困難であり、クルト
ン内部への水分の吸水性を低下させるという効果を十分
得ることが出来ない。また、15%超えると粉っぽさが
非常に強くなり、食味する上において品質上問題があ
る。このような製造方法により、クルトン内部への水分
の吸水性を低下させ、長時間カリカリした食感を持続で
きるクルトンを開発するのに成功した。
る。
0部、イースト2部、イーストフード0.1部、砂糖3
部、ショートニング5部、食塩2部、水60部をミキシ
ングし、第1発酵を行った。次ぎに、各500gずつ分
割し、20分間ベンチタイムをとった。ベンチタイム終
了後圧延処理を行い、型詰め、ホイロへの移動を行い、
第2発酵を行った。最終発酵条件は、38℃、湿度85
%にて80分行った。こうして得られたパン生地をオー
ブンにて焼成を行った。得られたパンの比容積は2.5
ml/gであった。
ーにて7mm角に切断し、流動層乾燥機にて水分4%に
なるまで乾燥しクルトンを得た。このクルトン100部
に対し、硬化パーム油(融点35℃)15部を加熱溶解
しクルトン表面にクルトンを流動させながら噴霧コーテ
ィングを実施した。さらに、馬鈴薯澱粉10部を流動層
内に添加しクルトン表面に付着させ、本発明の新規のク
ルトンを得た。
得て、このクルトン100部に対し、α化馬鈴薯澱粉溶
液(濃度25重量%)30部をクルトン表面にクルトン
を流動させながら噴霧コーティングを実施した。さら
に、馬鈴薯澱粉10部を流動層内に添加しクルトン表面
に付着させ、本発明の新規のクルトンを得た。
燥クルトンを得て、このクルトン100部に対し、硬化
パーム油(融点43℃)10部を加熱溶解しクルトン表
面にクルトンを流動させながら、噴霧コーティングを実
施した。
燥クルトンを得て、クルトン100部に対し加熱溶解し
た硬化パーム油(融点45℃)が35部吸油されるよう
に浸漬した。
び食感を表1にまとめた。その結果から明らかなよう
に、本発明に係るクルトンは、7分もの長時間浮遊する
ことができ、食感もすぐれていることが確認された。な
お、湿潤状況(非吸水度)及び食感(味含む)の表示は
次の意味を表わす。 良好 5← →1 不良 (※):澱粉コーティング7.5部、粉末澱粉10部を
示す。添加油脂量、添加澱粉量は、いずれも、乾燥クル
トン100部に対する添加量を「部」で示したものであ
る。
もつ油脂及び澱粉にて皮膜を形成するようコーティング
を実施し、これらを結着皮膜として粉末澱粉を固定化す
ることにより、クルトン内部への水分の浸透性を低下さ
せ、その結果、長時間カリカリした食感を持続できるク
ルトンを得ることが出来た。本クルトンは、スープの浮
き身やサラダのトッピング等各種の用途に広く利用する
ことができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 小麦粉重量に対して、1〜10重量%の
油脂、20〜40重量%のコーンスターチを配合し、得
られたパン生地を用いて、焼成後比容積2〜3ml/g
のパンを製造し、次いでこのパンを冷却後、細断または
粉砕し、必要に応じて加熱乾燥したクルトンに対して、
溶解した固形油脂をコーティング、またはα化澱粉溶液
にてコーティングし、さらに粉末澱粉を固定化すること
を特徴とするクルトンの製造法。 - 【請求項2】 コーティングする固形油脂として、融点
が25℃以上、乾燥クルトンに対し5〜30重量%のコ
ーティング添加量とすることを特徴とする請求項1記載
のクルトンの製造法。 - 【請求項3】 コーティングするα化澱粉溶液として、
濃度が10〜30重量%、乾燥クルトンに対して澱粉含
量に換算して5〜20重量%のコーティング添加量であ
ることを特徴とする請求項1記載のクルトンの製造法。 - 【請求項4】 固定化する粉末澱粉量として、乾燥クル
トンに対して5〜15重量%とすることを特徴とする請
求項1〜3のいずれか1項に記載のクルトンの製造法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方
法で製造してなるクルトン。
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---|---|---|---|
JP2000238385A JP4108259B2 (ja) | 2000-08-07 | 2000-08-07 | クルトンの製造方法 |
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JP2002051692A true JP2002051692A (ja) | 2002-02-19 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008067647A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Knorr Foods Co Ltd | クルトンの製造方法 |
JP2009159873A (ja) * | 2007-12-29 | 2009-07-23 | Nissin Foods Holdings Co Ltd | 栄養補助食品及び健康食品 |
JP2012231728A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Matsutani Chem Ind Ltd | クルトンの製造方法 |
JP2017038564A (ja) * | 2015-08-20 | 2017-02-23 | ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 | クルトンの食感改善方法 |
-
2000
- 2000-08-07 JP JP2000238385A patent/JP4108259B2/ja not_active Expired - Lifetime
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