JP2009213379A - 低蛋白菓子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ケーキ全体中の蛋白量が0.5重量%以下で、ボリューム、食感共に良好なる半生低蛋白ケーキ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 小麦粉100重量部に対して、低蛋白調整米粉130〜150重量部、卵40〜50重量部、水220〜260重量部、油脂75〜95重量部、起泡性ショートニング75〜95重量部、砂糖200〜220重量部、膨張剤3〜6重量部を含む生地を焼成してなる半生低蛋白ケーキの製造方法であって、100gあたりの蛋白量が0.5g以下であることを特徴とする半生低蛋白ケーキの製造方法に従って、ケーキを作製すること。
【選択図】 なし
【解決手段】 小麦粉100重量部に対して、低蛋白調整米粉130〜150重量部、卵40〜50重量部、水220〜260重量部、油脂75〜95重量部、起泡性ショートニング75〜95重量部、砂糖200〜220重量部、膨張剤3〜6重量部を含む生地を焼成してなる半生低蛋白ケーキの製造方法であって、100gあたりの蛋白量が0.5g以下であることを特徴とする半生低蛋白ケーキの製造方法に従って、ケーキを作製すること。
【選択図】 なし
Description
ケーキ全体中の蛋白量が0.5重量%以下の半生低蛋白ケーキ及びその製造方法に関する。
腎臓病患者向けとしては、低蛋白食による食事療法がおこなわれ、様々の食品が利用されている。しかし、嗜好品としての菓子類に関しては、クッキー、ビスケットなどの乾き菓子や、ゼリー、ババロアなどのデザート類は製造されているが、半生焼き菓子(水分量40重量%以下の菓子、例えばマドレーヌ、バターケーキ、カップケーキ等)については、これまで作られていなかった。これは、生地の骨格となる蛋白が少ない為、焼成してもボリュームがでず、食感も口溶けの悪いものとなり、商品価値としては、満足のいくものができなかったからである。
登録実用新案第3086215号公報
本発明の目的は、ケーキ全体中の蛋白量が0.5重量%以下で、ボリューム、食感共に良好なる半生低蛋白ケーキ及びその製造方法を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の配合、製造方法を用いて焼成してなる低蛋白の半生ケーキを作製することで、ケーキ全体中の蛋白量を0.5重量%以下にすることができ、ボリューム、食感ともに満足のゆくケーキが作製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、小麦粉100重量部に対して、低蛋白調整米粉130〜150重量部、卵40〜50重量部、水220〜260重量部、油脂75〜95重量部、起泡性ショートニング75〜95重量部、砂糖200〜220重量部、膨張剤3〜6重量部を含む生地を焼成してなる半生低蛋白ケーキの製造方法であって、100gあたりの蛋白量が0.5g以下であることを特徴とする半生低蛋白ケーキの製造方法に関する。好ましい実施態様は、ショートニング、マーガリンを含有し、しっとりとした口溶けのよい食感を特徴とする上記記載の半生低蛋白ケーキの製造方法に関する。より好ましくは、蛋白質調整米粉(木徳神糧)を使用することを特徴とする上記記載の半生低蛋白ケーキの製造方法に関する。本発明の第二は、小麦粉100重量部に対して、低蛋白調整米粉130〜150重量部、卵40〜50重量部、水220〜260重量部、油脂75〜95重量部、起泡性ショートニング75〜95重量部、砂糖200〜220重量部、膨張剤3〜6重量部、香料1〜2重量部を含有し、ケーキ全体中の蛋白量が0.5重量%以下である半生低蛋白ケーキ用生地に関する。本発明の第三は、ケーキ全体中の水分量が40重量%以下且つ蛋白量が0.5重量%以下の半生低蛋白ケーキであって、低蛋白調整米粉130〜150重量%、卵由来の固形分36〜45重量%、油脂74〜94重量%、起泡性ショートニング75〜95重量%、砂糖200〜220重量%、膨張剤3〜6重量%を含有し、生地比重が0.54〜0.63の半生低蛋白ケーキに関する。
本発明に従えば、ケーキ全体中の蛋白量が0.5重量%以下で、ボリューム、食感共に良好なる半生低蛋白ケーキ及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明による半生低蛋白ケーキは、低蛋白調整米粉、小麦粉、油脂、砂糖を主体とする生地を用いて焼成したもので、他に卵、水、起泡性ショートニングを含有し、ケーキ全体中の蛋白量が0.5重量%以下であることを特徴とする。本発明を逸脱しない限り、必要に応じて洋酒や香料などを添加しても良い。水分量が、ケーキ全体中40重量%以下と少ないため日持ちがし、低蛋白であるにも関わらず、ボリュームが出る。また、本発明における蛋白量とは、一般的に行われるケルダール法(全窒素量からの粗蛋白量換算法)による数値である。
本発明における小麦粉は、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、特級薄力粉等が挙げられるが、中でも蛋白量の少ない薄力粉、特級薄力粉が好ましい。薄力粉は大凡8.5重量%以下、特級薄力粉は大凡6.0重量%以下の蛋白質を含む。
本発明における卵は、特に限定はしないが、液全卵、生卵黄、生卵白、凍結卵黄、凍結卵白等が挙げられ、中でも液全卵を用いることが好ましい。卵の割合は、半生低蛋白ケーキ用生地中の小麦粉100重量部に対して、40〜50重量部が好ましく、より好ましくは42〜48重量部である。50重量部より多いと、蛋白量がオーバーする場合がある。また、40重量部より少ないと、蛋白量はオーバーしないが、風味が乏しく、食感は硬くなり、焼成後の色も薄くなり好ましくない場合がある。焼成後は卵固形分として、半生低蛋白ケーキ中に36〜45重量%含有される。
本発明における米粉は、低蛋白調整米粉であることが好ましく、低蛋白調整米粉の割合は、半生低蛋白ケーキ用生地中の小麦粉100重量部に対して、130〜150重量部が好ましく、より好ましくは135〜145重量部である。なお、焼成後も生地中の絶対量の変化は殆どない。低蛋白調整米粉中の蛋白質含量は、約1.5重量%である。
本発明における半生低蛋白ケーキ用生地中に添加する水分量は、小麦粉100重量部に対して220〜260重量部であることが好ましく、より好ましくは230〜250重量部である。なお、焼成後は生地中に殆ど残らないが、半生低蛋白ケーキ中の水分量が、他の原材料由来のものも含めて、小麦粉100重量部に対して、55〜65重量部であることが好ましい。
本発明における油脂の種類は、特に限定はしないが、牛脂、豚脂、バターなどの動物油、菜種油、コーン油、パーム油、綿実油などの植物油、それらをエステル交換、分別、硬化したものが挙げられ、少なくとも1種使用できるが、中でも常温で液体の油脂が好ましい。油脂の割合は、半生低蛋白ケーキ用生地中の小麦粉100重量部に対して、好ましくは75〜95重量部、より好ましくは78〜92重量部である。75重量部より少ないと、生地の粘度が上がり、食感も硬くなる場合がある。95重量部より多いと、火通りが悪くなり、食感もねちゃつく場合がある。
本発明における砂糖は、上白糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖、液糖等の一般的な糖質であればよいが、蛋白量が少ない為、メイラード反応による褐変は少ないので、果糖、ぶとう糖を併用するのが好ましい。砂糖の割合は、半生低蛋白ケーキ用生地中の小麦粉100重量部に対して、好ましくは200〜220重量部、より好ましくは205〜215重量部である。200重量部より少ないと、甘さの足りない、淡白な味になる場合がある。220重量部より多いと、甘さが強く、濃厚な味になりすぎる場合がある。
本発明における起泡性ショートニングとしては、例えば、「Nスーパーブレンド」(商品名、株式会社カネカ社製)等が挙げられる。起泡性ショートニングの配合割合は、半生低蛋白ケーキ用生地中の小麦粉100重量部に対して、好ましくは75〜95重量部、より好ましくは80〜90重量部である。75重量部より少ないと、所定の生地比重までホイップできない場合がある。95重量部より多いと、油分が多くなり、べたついた食感になる場合がある。
本発明における膨張剤は、例えば、重曹等が挙げられる。膨張剤の割合は、半生低蛋白ケーキ用生地中の小麦粉100重量部に対して、3〜6重量部が好ましい。
本発明における半生低蛋白ケーキ用生地及び半生低蛋白ケーキの製法は、例えば以下の手順で行う。まず、卵、水、砂糖、起泡性ショートニングを加え混合する。次に、予め篩った小麦粉、米粉、膨張剤と、香料を順次加え、均一に混合する。次に、所定の比重になるまで攪拌する。最後に、液体マーガリンを加え均一に混合する。得られた生地を型に充填し、温度180〜185℃のオーブンで、15〜20分焼成することにより、半生低蛋白ケーキを得ることができる。焼成後に得られた本発明の半生低蛋白ケーキは、低蛋白量であるにも関わらず、ボリュームが出るため、その比重を好ましくは0.7〜0.8、より好ましくは0.6〜0.7に容易に調整することができる。また焼成後の半生低蛋白ケーキ全体中の各成分量は、水分量が40重量%以下且つ蛋白量が0.5重量%以下であり、低蛋白調整米粉130〜150重量%、卵由来の固形分36〜45重量%、油脂74〜94重量%、起泡性ショートニング75〜95重量%、砂糖200〜220重量%、膨張剤3〜6重量%を含有する。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
(実施例1)
卵(市販品、蛋白量12.3%)45部、水240部、砂糖210部、起泡性ショートニング(商品名:Nスーパーブレンド、(株)カネカ社製)85部を加え混合する。次に、薄力粉(商品名:バイオレット、日清製粉(株)社製、蛋白量7.1%)100部、米粉(商品名:低蛋白米粉、木徳神糧(株)社製、蛋白量1.5%)140部、膨張剤4.5部を一緒に篩い加える。次に、洋酒15部、香料1.5部を加え、比重0.7まで攪拌する。最後に、マーガリン(商品名:NSM、(株)カネカ社製)85部を加え均一に混合する。これを焼成型に15g充填し、180℃で18分焼成した。焼成後の半生低蛋白ケーキは、焼き色、形状、食感の良好なものが得られた。
卵(市販品、蛋白量12.3%)45部、水240部、砂糖210部、起泡性ショートニング(商品名:Nスーパーブレンド、(株)カネカ社製)85部を加え混合する。次に、薄力粉(商品名:バイオレット、日清製粉(株)社製、蛋白量7.1%)100部、米粉(商品名:低蛋白米粉、木徳神糧(株)社製、蛋白量1.5%)140部、膨張剤4.5部を一緒に篩い加える。次に、洋酒15部、香料1.5部を加え、比重0.7まで攪拌する。最後に、マーガリン(商品名:NSM、(株)カネカ社製)85部を加え均一に混合する。これを焼成型に15g充填し、180℃で18分焼成した。焼成後の半生低蛋白ケーキは、焼き色、形状、食感の良好なものが得られた。
(実施例2)
実施例1において、比重を0.6にした以外は同様の方法にて焼成してなる半生低蛋白ケーキを作製した。食感、口溶けは良好だが、ボリュームがやや不足した。
実施例1において、比重を0.6にした以外は同様の方法にて焼成してなる半生低蛋白ケーキを作製した。食感、口溶けは良好だが、ボリュームがやや不足した。
(実施例3)
実施例1において、比重を0.9にした以外は、同様の方法にて焼成してなる半生低蛋白ケーキを作製した。形状、口溶けは良好だが、食感はやや硬くなった。
実施例1において、比重を0.9にした以外は、同様の方法にて焼成してなる半生低蛋白ケーキを作製した。形状、口溶けは良好だが、食感はやや硬くなった。
(比較例1)
実施例1において、比重を0.6より低くした以外は、同様の方法にて焼成してなる半生低蛋白ケーキを作製した。食感は軽過ぎ、ボリュームが不足した。
実施例1において、比重を0.6より低くした以外は、同様の方法にて焼成してなる半生低蛋白ケーキを作製した。食感は軽過ぎ、ボリュームが不足した。
(比較例2)
実施例1において、比重を0.9より高くした以外は、同様の方法にて焼成してなる半生低蛋白ケーキを作製した。食感は硬く、口溶けも悪くなった。
実施例1において、比重を0.9より高くした以外は、同様の方法にて焼成してなる半生低蛋白ケーキを作製した。食感は硬く、口溶けも悪くなった。
Claims (5)
- 小麦粉100重量部に対して、低蛋白調整米粉130〜150重量部、卵40〜50重量部、水220〜260重量部、油脂75〜95重量部、起泡性ショートニング75〜95重量部、砂糖200〜220重量部、膨張剤3〜6重量部を含む生地を焼成してなる半生低蛋白ケーキの製造方法であって、半生低蛋白ケーキ100gあたりの蛋白量が0.5g以下であることを特徴とする半生低蛋白ケーキの製造方法。
- ショートニング、マーガリンを含有し、しっとりとした口溶けのよい食感を特徴とする請求項1記載の半生低蛋白ケーキの製造方法。
- 蛋白質調整米粉(木徳神糧)を使用することを特徴とする請求項2記載の半生低蛋白ケーキの製造方法。
- 小麦粉100重量部に対して、低蛋白調整米粉130〜150重量部、卵40〜50重量部、水220〜260重量部、油脂75〜95重量部、起泡性ショートニング75〜95重量部、砂糖200〜220重量部、膨張剤3〜6重量部、香料1〜2重量部を含有し、ケーキ全体中の蛋白量が0.5重量%以下である半生低蛋白ケーキ用生地。
- ケーキ全体中の水分量が40重量%以下且つ蛋白量が0.5重量%以下の半生低蛋白ケーキであって、低蛋白調整米粉130〜150重量%、卵由来の固形分36〜45重量%、油脂74〜94重量%、起泡性ショートニング75〜95重量%、砂糖200〜220重量%、膨張剤3〜6重量%を含有し、生地比重が0.54〜0.63の半生低蛋白ケーキ。
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JP2012125168A (ja) * | 2010-12-14 | 2012-07-05 | Nisshin Oillio Group Ltd | 米粉使用の焼菓子生地の製造方法 |
JP2012179026A (ja) * | 2011-03-02 | 2012-09-20 | National Agriculture & Food Research Organization | 洋菓子類製造用米粉ブレンド粉とそれを用いた洋菓子類 |
JP2018121554A (ja) * | 2017-01-31 | 2018-08-09 | 日清フーズ株式会社 | 焼き菓子用ミックス |
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- 2008-03-07 JP JP2008058528A patent/JP2009213379A/ja active Pending
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