JP2002050858A - フラックス残渣の処理方法 - Google Patents

フラックス残渣の処理方法

Info

Publication number
JP2002050858A
JP2002050858A JP2000235704A JP2000235704A JP2002050858A JP 2002050858 A JP2002050858 A JP 2002050858A JP 2000235704 A JP2000235704 A JP 2000235704A JP 2000235704 A JP2000235704 A JP 2000235704A JP 2002050858 A JP2002050858 A JP 2002050858A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit board
flux residue
flux
electronic circuit
residue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000235704A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyuki Ichikawa
克之 市川
Toshiyuki Shimizu
俊幸 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP2000235704A priority Critical patent/JP2002050858A/ja
Publication of JP2002050858A publication Critical patent/JP2002050858A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水を基材としたフラックスの残渣を処理する
ことにより、電子回路基板の絶縁信頼性を向上させる。 【解決手段】 水を基材としたフラックスを用いた半田
付けによって部品が実装された電子回路基板に対するフ
ラックス残渣を処理する。電子回路基板を100℃〜2
60℃で加熱してフラックス残渣を親水性の強い状態か
ら弱い状態または疎水性に改質する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路基板の電
極間に形成されたフラックス残渣を処理する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板などの回路基板に電子部
品を半田付けにより実装する場合(電子部品を半田付け
により実装した回路基板を以下「電子回路基板」と記載
する。)、回路基板の電極及び電子部品の端子と半田と
の濡れ性を確保し、良好な半田付けを行う目的から、半
田付け前の回路基板に対しフラックスを塗布している。
このフラックスとしては、ロジン系のフラックスや水を
基材としたフラックスなどが用いられている。
【0003】この内、水を基材としたフラックスは、活
性剤成分と水から構成されるものである。水は表面張力
が大きく、しかも回路基板はその表面が疎水性であるた
め、回路基板に水を基材としたフラックスを塗布した後
に、電子部品を回路基板の電極に半田付けすると、電子
回路基板上には電極やその近傍にフラックス残渣が集中
的に付着する。そして、フラックス残渣が回路基板の電
極間に跨って付着した場合、フラックス残渣が吸水性、
吸湿性を有しているため、回路基板の電極間で親水表面
を有する被膜となる。この被膜が電気化学反応の媒体と
なり、結果的にイオンマイグレーションや電解腐食によ
る絶縁劣化の不良を引き起こす。
【0004】特開平5−245622号公報には、この
ようなフラックス残渣による絶縁信頼性の低下を防止す
るため処理方法が記載されている。この方法は、ロジン
を主成分としたフラックスを用いて電子部品を半田付け
した回路基板上に対して行う処理であり、電子部品の半
田付け実装後の電子回路基板を100℃〜180℃で再
加熱して、絶縁劣化不良の原因となるフラックス残渣中
のイオン成分を揮散させて除去している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−24562
2号公報では、100℃〜180℃の温度で電子回路基
板を再加熱しているが、活性開始温度の高い活性剤成分
をフラックスとして使用した場合、上記温度範囲で電子
回路基板を再加熱してもイオン成分(活性剤成分)が揮
散しなかったり、揮散するのに長時間を要するときがあ
り、十分に除去することができない問題を有している。
【0006】また、近年では、鉛フリー半田の使用が増
加する傾向にある。鉛フリー半田は、融点が錫鉛共晶半
田よりも高温になるケースが多く、この場合には、活性
剤成分の活性開始温度も高くなる傾向となる。このこと
からも、100℃〜180℃の温度範囲でイオン成分
(活性剤成分)を十分に揮散させることは難しくなって
いる。
【0007】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であり、フラックス残渣によって電子回路基板の絶縁信
頼性が低下することを簡単に防止することができるフラ
ックス残渣の処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、水を基材としたフラックスを用
いた半田付けによって部品が実装された電子回路基板に
対するフラックス残渣を処理する方法であって、前記フ
ラックス残渣を親水性の強い状態から弱い状態または疎
水性に改質することを特徴とする。
【0009】回路基板の電極に対して電子部品を半田付
けする場合には、半田付け作用を助長するために、フラ
ックスを塗布しており、半田付け後の電子回路基板には
フラックス残渣が付着する。特に、水を基材としたフラ
ックスの場合には、フラックス残渣が強い親水性を有し
ているため、フラックス残渣が電子回路基板の電極間に
跨るように残留した場合には、回路基板の電極と電極と
の間にフラックス残渣の連続体である被膜が形成され
る。この被膜は、多混環境下や結露時に水を表面に吸着
した状態となる。この水が吸着された状態の表面は、電
気化学反応の媒体となり、電極間の絶縁劣化を引き起こ
す。なお、ここで、「電極」と称しているものは、電子
回路基板上の配線部分を含む全ての導電性部分をいう。
【0010】水を基材としたフラックスを用いて回路基
板に電子部品を半田付けした後には、電子回路基板の電
極間にフラックス残渣の連続体の被膜が形成される。請
求項1の発明では、フラックス残渣の連続体の被膜が形
成された電子回路基板を、例えば、高温で加熱すること
によって、フラックス残渣の性質を強い親水性から弱い
親水性または疎水性へ改質させている。このように改質
されたフラックス残渣には、水分が吸着されることがな
いため、電子回路基板の絶縁信頼性を向上させることが
できる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の発明で
あって、前記電子回路基板を100℃〜260℃の温度
範囲内で加熱処理することを特徴とする。
【0012】100℃〜260℃の温度範囲内の加熱に
よって、フラックス残渣を強い親水性から弱い親水性ま
たは疎水性へ改質することができる。この温度範囲で
は、回路基板に実装されている電子部品に熱の悪影響が
なく、電子部品の機能を良好に支持することができる。
【0013】この発明において、100℃未満の温度で
加熱した場合には、フラックス残渣の改質が十分とはな
らない。一方、260℃以上の温度で加熱した場合に
は、実装されている電子部品への熱影響があると共に、
半田が軟質化するため好ましくない。この場合、加熱温
度としては120℃〜240℃の範囲がさらに良好であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】この実施の形態では、活性剤成分
としてアジピン酸[HOOC(CHCOOH]2
重量%含有し、残部が蒸留水からなる水を基材としたフ
ラックス(アジピン酸の融点は約153℃)を用い、こ
のフラックスを確実な半田付けができるように回路基板
に塗布した。次に、回路基板の所定の箇所に電子部品を
錫銀共晶半田(溶融温度;221℃)によってフローソ
ルダリング装置を用いて半田付けし、電子部品が実装さ
れた電子回路基板を得た。
【0015】なお、フラックスの基材である蒸留水に
は、イオン交換水などを用いてもよい。また、この実施
の形態で用いた電子部品は鉛フリー半田に対応してお
り、上記半田付けにおいては耐熱性に問題はない。
【0016】次に、電子部品が実装された電子回路基板
を、熱風を循環させることが可能な恒温槽内に投入し、
100℃〜260℃の加熱雰囲気で一定時間放置した。
この処理は、電子部品が半田付けされた電子回路基板の
電極間に跨って形成された強い親水性を有するフラック
ス残渣を弱い親水性または疎水性に改質するためであ
る。
【0017】上記温度の加熱雰囲気に電子回路基板を曝
すことにより、親水性を有するフラックス残渣が疎水性
に改質され、電子回路基板の絶縁信頼性が向上した。
【0018】この実施の形態では、この効果を確認する
方法として、以下の評価実験を行った。
【0019】水を基材としたフラックスを良好な半田付
けが得られるように回路基板に塗布し、電子部品が半田
付けされた回路基板を、常温常湿の空気中に60分間放
置した後に、100℃の加熱雰囲気となっている恒温槽
の中に、1〜5分間放置することにより加熱して試料を
作製した。また、150℃、180℃、210℃、26
0℃の加熱雰囲気温度についても同様にして試料を作製
した。なお、比較試料として、回路基板にフラックスを
塗布してから半田付けを行った後、常温常湿の空気中に
60分間放置した後に、40℃の加熱雰囲気に放置した
回路基板及びフラックス塗布や半田付けを施さない回路
基板(ブランク基板)を洗浄した後に、常温常湿の空気
中に60分間放置した回路基板を準備した。作製した試
料を、以下の方法によって評価した。
【0020】フラックス残渣による電極間の絶縁劣化
は、フラックス残渣の表面が親水性になることが原因で
発生する。すなわち、フラックス残渣の親水性表面が電
気化学反応の媒体となり、水分子を吸着(吸湿)し、電
気化学反応の結果として、電極や半田材料である銅や
錫、銀などの酸化還元物質を絶縁劣化させる。このよう
なことから、フラックス残渣の水分吸着性が大きい(親
水性の強い)フラックス残渣ほど、絶縁劣化を引き起こ
す危険性が大きくなる。
【0021】一方、フラックス残渣に水分子が吸着した
場合、この状態で電極間に交流電界を加えると、誘電分
散による損失現象が起こる。これはフラックス残渣に吸
着した水の影響で生じる物理現象であり、この際に、著
しいエネルギー損失が起こる。このエネルギー損失は、
誘電正接(以下、tanδ)の増加として観察できる。
このtanδの値は、水分子の吸着量が多いほど、大き
くなる。従って、逆に、フラックス残渣のtanδの挙
動を測定することにより、フラックス残渣の絶縁信頼性
に対する影響を知ることができる。具体的には、加熱処
理した試料のtanδが小さくなっていれば、電極間に
形成されたフラックス残渣の親水性が低下されたことが
証明できる。
【0022】この評価実験では、上記のようにtanδ
の測定を行うことにより、電極間のフラックス残渣が親
水性の強い状態から弱い状態もしくは疎水性へ改質され
たことを確認した。測定は、作製した試料を60分間常
温常湿で放置してから、温度が60℃、相対湿度が90
%RHの加湿雰囲気に1分間放置した時点で行った。ま
た、ブランク基板の測定は、洗浄後、常温常湿の空気中
に60分間放置してから、同じく温度が60℃、相対湿
度が90%RHの加湿雰囲気に1分間放置した時点で行
った。
【0023】図1にtanδの測定結果を示し、縦軸は
tanδの常用対数値、横軸は加熱時間である。それぞ
れの測定結果を比較することによりと、tanδの挙動
に相違があることがわかる。
【0024】すなわち、温度40℃で加熱の処理を施し
た電子回路基板は、時間経過によるtanδの変化は見
られない。これは、時間が経過しても、フラックス残渣
の親水性が弱められることがなかったためである。一
方、高温で加熱処理を施した電子回路基板は、時間経過
とともにtanδの値が小さくなっており、また、加熱
処理温度が高いほどtanδの低下が顕著であることが
判る。特に、加熱処理温度が260℃の場合では、およ
そ1分間の加熱処理であっても、tanδ値が−1.5
程度にまで下がり、半田付け前の回路基板(洗浄基板)
のtanδと同等な値を示しており、フラックス残渣が
疎水性に改質されたことを推測できる。なお、このメカ
ニズムとしては、加熱によって活性剤成分が重合し、重
合体(ポリマー)を生成することが考えられる。
【0025】このように、一且、疎水性に改質されたフ
ラックス残渣は、加混雰囲気においても親水性を示すこ
とが無く、これにより絶縁抵抗が大きく、絶縁劣化の危
険性がないことを示している。
【0026】以上から、フラックス残渣に加熱処理を施
すことによって、親水性を有するフラックス残渣を弱い
親水性または疎水性に改質させることができる。その結
果、電子回路基板の絶縁劣化が抑制され、絶縁信頼性が
向上する。
【0027】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、フラックス残
渣の性質を強い親水性から弱い親水性または疎水性に改
質させることにより、フラックス残渣への水分吸着を防
止できるため、電子回路基板の絶縁信頼性を向上させる
ことができる。
【0028】請求項2の発明によれば、請求項1記載の
発明と同様な効果を得ることができることに加え、実装
されている電子部品に熱影響を与えることなく、フラッ
クス残渣を強い親水性から弱い親水性または疎水性へ改
質することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子回路基板の誘電正接を測定した結果を示す
特性図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を基材としたフラックスを用いた半田
    付けによって部品が実装された電子回路基板に対するフ
    ラックス残渣を処理する方法であって、 前記フラックス残渣を親水性の強い状態から弱い状態ま
    たは疎水性に改質することを特徴とするフラックス残渣
    の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記電子回路基板を100℃〜260℃
    の温度範囲内で加熱処理することを特徴とする請求項1
    記載のフラックス残渣の処理方法。
JP2000235704A 2000-08-03 2000-08-03 フラックス残渣の処理方法 Withdrawn JP2002050858A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000235704A JP2002050858A (ja) 2000-08-03 2000-08-03 フラックス残渣の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000235704A JP2002050858A (ja) 2000-08-03 2000-08-03 フラックス残渣の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002050858A true JP2002050858A (ja) 2002-02-15

Family

ID=18727876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000235704A Withdrawn JP2002050858A (ja) 2000-08-03 2000-08-03 フラックス残渣の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002050858A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3797763B2 (ja) フラックス組成物
DE60118853T2 (de) Leitfähiges Bindemittel und Verpackungsstruktur daraus
EP0710522B1 (en) Flux formulation
Jellesen et al. Corrosion in electronics: Overview of failures and countermeasures
Harris Conductive adhesives: a critical review of progress to date
JP3656213B2 (ja) リフローはんだ付用ソルダーペースト組成物及び回路基板
US4196839A (en) Methods of fabricating printed circuit boards
JP5337520B2 (ja) プレスフィットピン、プレスフィットピン接続構造及びその製造方法
JP2006319269A (ja) フレキシブルプリント配線基板端子部或いはフレキシブルフラットケーブル端子部
JP2002050858A (ja) フラックス残渣の処理方法
US5443659A (en) Flux for soldering and solder composition comprising the same and soldering method using the same
JPH03106594A (ja) ハンダ付け用フラックス組成物
US4604144A (en) Process for cleaning a circuit board
US9754850B2 (en) Circuit carrier including a silicone polymer coating
JP2002178139A (ja) 電子回路基板の絶縁信頼性を向上させる方法
JP2001279491A (ja) 封孔処理剤
Li et al. Comparative study of tripropylamine and naphthylamine as additives in wave solder flux: investigation of solderability and corrosion effects
JP3796669B2 (ja) はんだ付用フラックス
KR100661739B1 (ko) 연성회로기판의 표면처리방법
JP2003133715A (ja) 回路基板、フラックスの除去方法、電子回路基板及び該電子回路基板の製造方法
JP2003041218A (ja) 導電性接着剤およびこれを用いた実装構造体
JPS6345702A (ja) 金属含有ペ−スト
JP3263229B2 (ja) 表面接触抵抗特性に優れた電子機器、電気部品等の端子・コネクター用錫または錫合金めっき材
KR102449786B1 (ko) 무전해 도금 처리된 pcb 배선의 부식 방지 첨가제
JPH0822473B2 (ja) 金属表面を保護しはんだ付けを容易にする方法ならびにそれに使用するフィルムおよび溶液

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071106