JP2002050410A - 二次電池の内部状態検知方法、検知装置、該検知装置を備えた機器、内部状態検知プログラム、および該プログラムを収めた媒体 - Google Patents

二次電池の内部状態検知方法、検知装置、該検知装置を備えた機器、内部状態検知プログラム、および該プログラムを収めた媒体

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JP2002050410A JP2001152874A JP2001152874A JP2002050410A JP 2002050410 A JP2002050410 A JP 2002050410A JP 2001152874 A JP2001152874 A JP 2001152874A JP 2001152874 A JP2001152874 A JP 2001152874A JP 2002050410 A JP2002050410 A JP 2002050410A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 性能の劣化した電池にも対応できる、蓄電量
(残量)、内部抵抗に代表される二次電池の内部状態を
高精度で検出する。 【解決手段】 劣化していない正常な二次電池を各種温
度下、各種電流で充放電したときに計測されるべき電池
電圧、および蓄電量もしくは放電量のデータである基礎
データを予め取得した上で、使用している二次電池の電
圧値もしくは電圧値と電流値を計測し、該基礎データと
比較して、検知対象の二次電池が(a)短絡、(b)内
部抵抗増加、(c)蓄電容量低下、(d)蓄電容量低下
で内部抵抗増加、(e)正常、のいずれかであることを
判定し、その判定結果に沿って、蓄電容量、蓄電量や内
部抵抗に代表される二次電池の内部状態を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池の劣化状
態、または蓄電量、蓄電容量および内部抵抗で代表され
る内部状態を検知する方法およびその装置、該検知装置
を備えた機器、内部状態検知プログラム、および該プロ
グラムを収めた媒体に関する。
【0002】
【従来技術】半導体素子の進歩や、小型、軽量で高性能
な二次電池の開発によって、携帯型パーソナルコンピュ
ータ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話、およ
び携帯端末などのモバイル機器が急激に発展してきてい
る。
【0003】また、環境問題が取り上げられ、大気中に
含まれるCO2ガス量が増加しつつあるため、温室効果
により地球の温暖化が生じると予測されている。このた
め、CO2ガスを多量に排出する火力発電所は、新たに
建設することが難しくなって来ており、火力発電所など
の発電機にて作られた電力の有効利用として、夜間電力
を一般家庭に設置した二次電池に蓄えて、これを電力消
費量が多い昼間に使用して負荷を平準化する、いわゆる
ロードレベリングが提案されている。また、大気汚染物
質を排出しないという特徴を有する電気自動車、大気汚
染物質の排出を抑え燃料効率を高めた二次電池と内燃エ
ンジンもしくは燃料電池を組み合わせたハイブリッド型
電気自動車に、必須な二次電池として、高エネルギー密
度の二次電池の開発が期待されている。
【0004】上記二次電池の使用されているモバイル機
器や電気自動車や前記ロードレベリングのためのロード
コンディショナーでは、二次電池の放電できる容量(残
量)および寿命を精度よく検知できることが、突然の作
動停止を回避する上で重要である。
【0005】前記二次電池の代表としては、リチウム二
次電池(リチウムイオン二次電池も含めてここではリチ
ウムイオンの還元およびリチウムの酸化反応を利用した
電池の総称とする)、ニッケル−水素化物電池(ニッケ
ル水素電池)、ニッケルカドミウム電池、鉛電池など
が、挙げられる。
【0006】残存容量(残量)検知方法の一つとして
は、電池電圧を計測して残存容量を推測し検出する方法
が提案されている。具体的には、負極材料に黒鉛材料以
外の炭素材料を使用したリチウムイオン二次電池に用い
られており、放電電気量に対する電池電圧がなだらかに
低下するため、電池電圧を計測することによって残存容
量の検知がなされている。しかし、上記電池電圧から残
量を算出する方法では、残量が同じであっても流れる電
流により電池電圧が異なるために、精度よく残量を検知
することは困難であった。さらに、寿命に近くなり性能
が劣化した電池では残存容量を検知することは極めて難
しかった。また、上記炭素材料が黒鉛系炭素材料の場
合、放電電気量に対する電池電圧が平坦であり、電池電
圧から残存容量を算出する方法を適用することは容易で
はなかった。
【0007】他の残存容量検知方法としては、積算放電
電気量を記憶し、充電電気量から積算放電電気量を差し
引いて残存容量を算出する方法も提案されている。しか
し、この手法では、常に電流値と放電時間を記憶するこ
とが必要であり、完全放電に至らない蓄電状態で継ぎ足
し充電をする場合には誤差が大きくなる、寿命に近くな
り性能が劣化した電池には対応できない、など精度の高
い残量の検知は望めなかった。
【0008】また、特開平4−2066号公報にはパル
ス放電後の電池電圧の回復特性により鉛蓄電池の容量を
判別する方法が提案され、特開平4−136774号公
報には電源オン時に一時的に大電流で放電し、電圧降下
を検出し、予め設定した電池電圧値と比較し、大きいと
残存容量が不足していると判断する方法が、提案されて
いる。さらには、特開平11−16607号公報に、二
次電池に所定電流を所定時間印加したときの電池電圧を
測定し、予め記録しておいた電池電圧−残存容量対応表
で照合して二次電池の残存容量を検出する方法が提案さ
れている。しかし、上記いずれの提案も劣化して内部抵
抗が高くなったり蓄電容量が低下した電池の残存容量を
検出することは困難であった。
【0009】次いで、特開平9−134742では、放
電終止電圧直前の内部インピーダンスを、蓄電池にイン
ピーダンス測定器で交流電流を流して測定し、劣化を判
定する方法が提案されているが、交流電流を発生してイ
ンピーダンスを計測する測定器が必要であるために、計
測装置が大がかりなものになること、二次電池を使用し
ている間は計測できないことから、実用的ではなかっ
た。
【0010】したがって、各種の二次電池に対応でき、
蓄電容量が低下したり内部抵抗が増大して性能の劣化し
た電池にも対応できる、精度の高い残量を検知する方法
および装置が強く望まれている。さらには、電池の寿命
すなわち性能低下を検知する方法および装置の開発も期
待されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
電池の残存容量(残量)の検知の精度が低いという問題点
を解決し、検知精度を上げ、性能の劣化した電池にも対
応できる、残存容量(残量)を検知する方法および装
置、それを適用した各種機器・機械を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、二次電池の劣化状態、または蓄電容量および内部抵
抗で代表される内部状態の検知方法において、先ず、二
次電池が正常であるか劣化しているか、劣化している場
合の劣化モードは何か判定した後に、二次電池の正常で
あるか劣化しているか劣化はどのような劣化であるかに
合わせて、蓄電量や内部抵抗を算出することで、精度の
高い二次電池の内部状態の検知方法を提供できることを
見出した。
【0013】特に、本発明の好ましい実施の形態によれ
ば、予め取得した正常な電池の特性データから判定モー
ドを作成しその判定モードよって、二次電池が短絡して
いるか否か、内部抵抗は増大しているか否か、蓄電容量
は低下しているか否か、を判定した後に、電池の状態
(休止状態、充電状態、放電状態)によって、劣化の程
度を把握し、蓄電量を算出するために、精度の高い内部
状態の検知が可能になる。さらに、上記本発明の精度の
高い二次電池の内部状態検知方法を機能化した装置を電
池パック(モジュール)や機器・機械に搭載することで、
二次電池並びに二次電池を電源とする機器・機械の性能
を最大限に発揮することができる。
【0014】本発明の二次電池の内部状態検知方法は、
劣化していない正常な二次電池を各種温度下、各種電流
で充放電したときに計測されるべき電池電圧、蓄電量
(放電可能な量)もしくは放電量の基礎データを予め取
得した上で、検知対象の二次電池の電圧値もしくは電圧
値と電流値を計測し、前記基礎データと比較して、
(a)検知対象二次電池が短絡している、(b)検知対
象二次電池の内部抵抗が増加している、(c)検知対象
二次電池の蓄電容量(蓄電可能な電気量)が低下してい
る、(d)検知対象二次電池の蓄電容量が低下しかつ内
部抵抗が増加している、または(e)検知対象二次電池
は劣化していない(正常である)、を判定することを特
徴する。さらに必要に応じて、蓄電量、または機器が使
用可能な電気量である残量を算出することを特徴とす
る。ここで、正常な二次電池とは、製品(二次電池)の公
称容量等の性能の仕様を満たす電池を指す。また、ここ
では蓄電容量とは二次電池に蓄電可能な電気量で製品で
の公称容量に相当する。また、ここでの蓄電量とはその
状態から放電できる電気量を表す。また、本発明では、
上記判定(a)〜(e)のうち2以上の判定をそれぞれ
組合せて用いることができる。
【0015】前記基礎データは、例えば、予め、複数個
の劣化していない正常な二次電池の各種温度下、各種電
流での充放電を行い、計測された電池電圧、および蓄電
量もしくは放電量から得られる平均化したデータや、予
めコンピュータシミュレーションにより得られた基礎デ
ータを用いることができる。コンピュータシミュレーシ
ョンでは、例えば仕様または設計上のデータ、あるい
は、単位セルの構造が同一で出力電流(サイズ)、出力
電圧(直列数)、形状などが異なる類似の電池で得られ
た基礎データ等、既存のデータを元にシミュレーション
を行う。
【0016】次いで、前記基礎データは、例えば以下に
示すもので、 正常な電池の開回路電圧(開放電圧)Vocに対する電
池の放電可能な容量(蓄電量)Qを計測して、得られる
蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)もしくはQ(Voc)の関
係のデータまたは関数式、 満充電の正常な電池の各種温度T下での各種放電電流I
dでの電池電圧Vd、放電を一時停止して開回路電圧Vocを
測定し、得られた電池電圧Vdと、開回路電圧Vocと放電
電流Idおよび電池温度Tの関係のデータあるいは関数式
化したVd(Voc,Id,T)、あるいは、さらに上記の蓄電量
Qに対する開回路電圧Voc(Q)の関係のデータもしくは関
数式から算出される電池電圧Vd(Q,Id,T)もしくはQ(Vd,I
d,T)の、データまたは関数式、 前記において電池の内部抵抗をRdとする時の関係式
Vd=Voc−Id×RdもしくはRd=(Voc−Vd)/Idから算出
される内部抵抗のデータまたはこのデータを関数式化し
たRd(Voc,Id,T)またはRd(Vd,Id,T)、あるいは、さらに
上記の蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)の関係のデ
ータもしくは関数式から得られる内部抵抗Rd(Q,Id,T)も
しくはQ(Rd,Id,T)の、データまたは関数式、 蓄電量がゼロの正常な電池を温度T下で、充電電流Ic
で充電するときの電池電圧Vcを計測し、次いで充電を一
時停止して開回路電圧Vocを測定し、得られた電池電圧V
cと開回路電圧Vocと充電電流Icおよび電池温度Tの関係
のデータまたは関数式化したVc(Voc,Ic,T)、あるいは、
さらに上記の蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)の関
係のデータもしくは関数式から算出される電池電圧V
c(Q,Ic,T)もしくはQ(Vc,Ic,T)の、データまたは関数
式、 前記において電池の内部抵抗をRcとする時の関係式
Vc=Voc+Ic×RcもしくはRc=(Vc−Voc)/Icから算出
される内部抵抗のデータまたはこのデータを関数式化し
たRc(Voc,Ic,T)、あるいは、さらに上記の蓄電量Qに
対する開回路電圧Voc(Q)の関係のデータもしくは関数式
から得られる内部抵抗Rc(Q,Ic,T)もしくはQ(Rc,Ic,T)
の、データまたは関数式、 の上記、、、、から選択される少なくとも一
つ以上のデータもしくは関数式である。
【0017】本発明の二次電池の内部状態検知方法は、
この前記基礎データまたは関数式を元に、二次電池の休
止、充電、放電、状態での、二次電池の開回路電圧、電
池電圧、内部抵抗から選択される情報から、判定モード
にしたがって、前述の二次電池の判定を行う、ことを可
能にする。
【0018】本発明ではさらに、充電電流もしくは放電
電流の変動時の電池電圧の過渡特性がe-t/τ(eは自然
対数の底で、tは時間で、τは電池のインピーダンス等
で決まる時定数)を用いた式で表されると仮定し、その
式に基づいて内部抵抗、内部抵抗の増加率、蓄電容量
(蓄電可能な容量)の低下率等を算出して、蓄電量(放
電可能な容量)を求める、ことができる。
【0019】また、本発明によれば、二次電池を電源に
している機器が作動するために必要な最小な電圧(最低
作動電圧)に到達したときの蓄電量を算出し、機器の消
費電流もしくは消費電力から、残りの作動時間を割り出
すことができる。これにより、突然の機器の作動停止を
未然に防ぎ、しかるべき時に二次電池の交換もしくは充
電を行うことが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明者らは、正常な二次電池の
蓄電量(または放電可能容量)と開回路電圧(開放電
圧)、および蓄電量と内部抵抗の関係のデータもしくは
関数式を基礎データとして取得した上で、使用中の検知
対象の二次電池の電池電圧、電流値を計測し、正常な二
次電池の特性のデータもしくは関数式と比較すること
で、正常であるか劣化しているか先ず判定し、この判定
に基づき蓄電容量や内部抵抗を算出し、精度よく電池の
残存放電容量(蓄電量)を算出することができることを見
出した。
【0021】〔正常な二次電池の基礎データの取得およ
び関数式化〕二次電池の開回路電圧は、負極と正極の化
学ポテンシャルの差に比例し、その時点の負極と正極の
それぞれの化学ポテンシャルによって、放電可能な容量
(蓄電量)が決まる。すなわち、負極と正極のそれぞれ
の化学ポテンシャルは、蓄電量によって変わり蓄電量と
の相関がある。言い換えれば、蓄電量と開回路電圧は相
関がある。また、蓄電量によって状態が変化する負極と
正極は、その時点時点の抵抗も異なり、内部抵抗も異な
る。したがって、電池の内部抵抗と開回路電圧および蓄
電量とは相関がある。また、電池電圧、電流、開回路電
圧、内部抵抗の間には [放電時の電池電圧]=[開回路電圧]−[放電電流]
×[内部抵抗] [充電時の電池電圧]=[開回路電圧]+[充電電流]
×[内部抵抗] の関係があるので、本発明者らは予め前記電池の内部抵
抗と蓄電量、および開回路電圧と蓄電量との相関を求め
ておいて、電池電圧、電流、開回路電圧、内部抵抗の関
係から、放電可能容量(蓄電量)を算出できることを見
出した。
【0022】図18の(1)〜(3)および図19の
(1)〜(2)は、正常な二次電池の蓄電量に対する、
開回路電圧、充電電圧もしくは放電電圧、内部抵抗と開
回路電圧、2種類の放電電流における電池電圧、2種類
の電池温度における放電電圧、の関係をそれぞれ示した
ものである。ここでは、正常な二次電池とは製品として
販売され、使用して容量が低下するとか内部抵抗が増す
とかの劣化をする前の二次電池を示す。
【0023】図18の(1)は二次電池の公称容量Cも
しくは劣化する前の蓄電容量を100%としたときの蓄
電量Qすなわち100×Q/C%に対する開回路電圧Vocの関係
を示したグラフである。二次電池の開回路電圧は概ね二
次電池の温度にはほとんど依存せずその時の蓄電量によ
って決まるので、電池の蓄電量(または放電可能な容
量)Qに対する電池の開回路電圧Vocを計測して、得られ
る蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)もしくはQ(Voc)の
関係のデータまたは関数式が得られる。実際には開回路
電圧Vocが蓄電量Qのn次の関数であると仮定して、Voc
(Q)=cn×Qn+cn-1×Qn-1+cn-2×Qn-2+‥‥+ c1×Q
+c0 (但し、nは正の整数)で表されるVoc(Q)と、実
際に計測した開回路電圧Voc時に放電できた電気量(蓄
電量)Qとを比較し、最小二乗法やニュートン法の手法
を用いて、計測データに最も近い関数式を得ることがで
きる。
【0024】図18の(2)は電池温度が一定の時の二
次電池の公称容量を100%としたときの蓄電量に対す
る開回路電圧Vocと、充電電圧Vc、放電電圧Vdの関係を
示したグラフである。
【0025】図18の(3)は二次電池の公称容量もし
くは劣化する前の蓄電容量を100%としたときの蓄電
量に対する二次電池の内部抵抗Rの関係を示したグラフ
である。これらのグラフに示すデータから、放電時の電
池の内部抵抗をRdとする時の関係式Vd=Voc−Id×Rd
もしくはRd=(Voc−Vd)/Idから算出される内部抵抗の
データあるいはこのデータを関数式化したRd(Voc,Id,T)
またはRd(Vd,Id,T)が得られる。また、充電時の電池の
内部抵抗をRcとする時の関係式Vc=Voc+Ic×R c、もし
くはRc=(Vc−Voc)/Icから算出される内部抵抗のデー
タあるいはこのデータを関数式化したRc(Voc,Ic,T)が得
られる。さらに、これらのデータもしくは関数式と上記
図18の(1)に示すデータから得られた蓄電量Qに対
する開回路電圧Voc(Q)の関係のデータもしくは関数式か
ら内部抵抗Rd(Q,Id,T)もしくはQ(Rd,Id,T)の、データま
たは関数式が得られる。
【0026】図19の(1)は二次電池の公称容量を1
00%としたときの蓄電量に対する放電電流値Id=i1,
i2に対する放電電圧Vdの関係を示したグラフである。放
電電流の大きさによって、電池の内部抵抗も変わり、そ
のため電池電圧も変わる。もちろん、充電時も充電電流
の大きさによって、電池の内部抵抗も変わり、そのため
電池電圧も変わる。
【0027】図19の(2)は二次電池の公称容量もし
くは劣化する前の蓄電容量を100%としたときの蓄電
量に対する電池温度T=T1, T2に対する開回路電圧Vocと
放電電圧Vdの関係を示したグラフである。これより、放
電時の電池電圧Vdと開回路電圧Vocと放電電流Idおよび
電池温度Tの関係のデータあるいは関数式化したVd(Voc,
Id,T)が得られる。さらにこれらのデータもしくは関数
式と上記図18の(1)から得られた蓄電量Qに対する
開回路電圧Voc(Q)の関係のデータもしくは関数式から、
電池電圧Vd(Q,Id,T)もしくはQ(Vd,Id,T)の、データまた
は関数式が得られる。もちろん、充電時の電池電圧Vc
開回路電圧Vocと充電電流Icおよび電池温度Tの関係のデ
ータ、あるいは関数式化したVc(Voc,Ic,T)も得られる。
【0028】上記電池電圧並びに内部抵抗は、二次電池
に用いられる電解液の凝固温度より高く電解液の溶媒の
沸点より低い温度範囲、または二次電池に用いられる固
形化電解質のガラス転移温度より高く固形化電解質の溶
融温度より低い範囲では、電池温度に対して連続する関
数で表せるが、電解液の凝固温度および電解液の溶媒の
沸点、または固形化電解質のガラス転移温度および固形
化電解質の溶融温度を境に不連続となる。不連続となる
のは、電解液あるいは固形化電解質のイオン電導度がこ
れらの境界の温度で急激に変化するためである。
【0029】図18の(1)〜(3)および図19の
(1)〜(2)のような取得データから、二次電池の蓄
電量は開回路電圧の関数、電池電圧は蓄電量と電流と電
池温度による関数、内部抵抗も蓄電量と電流と電池温度
による関数、として表せる。求める関数式は、例えば、
n次(nは正の整数)式で表せる関数として仮定し、デ
ータとの差が最小になるように、ニュートン法や最小二
乗法などの手法を用いて求めることができる。
【0030】また、図19の(3)は二次電池の公称容
量もしくは劣化する前の蓄電容量を100%としたとき
の蓄電量に対する開回路電圧Vocと放電電圧Vdの関係を
放電初期Iと放電中期IIと放電末期IIIに分けて示したグ
ラフである。このように分けることによって、蓄電量に
対する開回路電圧、電池電圧および内部抵抗などの特性
をより簡素化した低次の関数式で表すことも可能にな
る。
【0031】〔二次電池が正常であるか否かの判定〕本
実施形態では、実際の二次電池の蓄電量の算出の前に、
その二次電池が充電も放電も行われていない休止状態
か、充電中であるか、放電中であるか、によって、適し
た判定方法を選択し、二次電池が短絡しているか、蓄電
容量が低下しているか、内部抵抗が増加しているか、正
常であるか、予め取得しておいた正常な電池の特性と比
較して判定する。その後、それぞれの判定にしたがっ
て、蓄電量を算出する。
【0032】上記判定では、先ず、電池が短絡している
かどうか判定し、次に電池の蓄電容量が低下しているか
どうか判定する、または電池の内部抵抗が増大している
かどうか判定する。次いで、本実施形態の検知方法で
は、蓄電量、蓄電容量、内部抵抗、容量低下係数および
寿命などの内部状態を検知する。図1はこの二次電池の
内部状態の検知の流れを示したフローチャートの一例で
ある。図1では、さらに、電池が充電中であれば、満充
電量や充電終了までの所要時間、機器に接続され使用状
態であれば、機器が使用可能な電池の蓄電量(残量)や機
器の作動時間を算出するフローチャートも記載されてい
る。また、図1では短絡を判定した後に、内部抵抗の増
加を判定し、蓄電容量の低下を判定するようになってい
るが、短絡の判定の次に蓄電容量の低下を判定し、つい
で内部抵抗の増加を判定するフローでも良い。
【0033】短絡判定 使用している二次電池が短絡していると判定する場合の
判断基準は、(i)放電も充電も行わない休止時に、経
時(経過時間)に対する開回路電圧の低下がある、(i
i)充電時に電池電圧もしくは開回路電圧の上昇が正常
な電池に比べて小さい、(iii)正常な電池に比較して
開回路電圧が著しく低く、放電時の電池電圧の低下が正
常な電池に比べて著しく大きい、(iv)内部抵抗が正常な
電池に比べて著しく小さい、のいずれかである。図20
は、短絡した電池と短絡していない電池の開回路電圧Vo
cの経時変化を示したものである。
【0034】内部抵抗増 使用している二次電池の内部抵抗が増加していると判定
する場合は、上記短絡と判定した場合に該当せず、かつ
(i)正常な電池に比較して開回路電圧は同等である
が、充電時に電池電圧の上昇が正常な電池に比べて大き
い、(ii)正常な電池に比較して開回路電圧は同等であ
るが、放電時の電池電圧の低下が正常な電池に比べて大
きい、(iii)電池の内部抵抗が正常な電池の内部抵抗
に比べて大きい、のいずれかである。
【0035】図21の(1)は二次電池の公称容量Cも
しくは劣化する前の蓄電容量を100%としたときの蓄
電量Qすなわち100×Q/C %に対する内部抵抗のグラフ
で、内部抵抗が増加した電池の内部抵抗(R'=a×R+
b)を正常な電池の内部抵抗(R)と比較したものであ
る。
【0036】図21の(2)は内部抵抗が増加したもの
(R'=a×Rd+b)と正常なもの(R=Rd)との放電時の
蓄電量%に対する電池電圧Vdの関係を示したグラフであ
る。
【0037】図21の(3)は内部抵抗が増加したもの
(R'=a×Rc+b)と正常なもの(R=Rc)との充電時の
蓄電量%に対する電池電圧Vcの関係を示したグラフであ
る。また、上記内部抵抗の算出は、休止状態からの充電
または放電の開始時の過渡特性から行うことも可能であ
る。
【0038】蓄電容量低下 使用している二次電池の蓄電容量が低下していると判定
する場合は、上記短絡の場合に該当せず、(i)充電時
の電池電圧および開回路電圧の上昇が正常な電池のそれ
らに比べて大きい、(ii)放電時の電池電圧および開回
路電圧の低下が短絡時より小さいが、正常な電池のそれ
らに比べて大きい、のいずれかである。
【0039】使用している二次電池において、内部抵抗
の増加はないが、蓄電容量C'が正常な電池の蓄電容量C
のD倍に低下している場合の蓄電量Q'=D×Q(Q:正常な
電池での蓄電量)と開回路電圧Vocの関係は図22の
(1)のようになる。但し、ここでの蓄電量%は二次電
池の公称容量Cもしくは劣化する前の蓄電容量を100
%としたときの蓄電量Qすなわち100×Q/C %に相当する
ものを表している。
【0040】正常な電池の蓄電量Q%に対する開回路電
圧Vocの関数式Voc(Q)から、容量低下後の蓄電量Q'に対
する開回路電圧の関数式はVoc(Q'/D)と表せる。また、
蓄電量に対する充電時または放電時の電池電圧は図22
の(2)のグラフの関係になる。蓄電容量がCからC'(C'
=D×C)に低下した電池での蓄電量Q'に対する充電時の
電池電圧と放電時の電池電圧はそれぞれ、Vc(Q'/D,Ic,
T)、 Vd(Q'/D,Id,T)と表せることになる。
【0041】正常 使用している二次電池は劣化していない(正常である)と
判定できる場合は、上記短絡、内部抵抗増加、蓄電容量
低下のいずれにも該当しない場合である。
【0042】〔蓄電容量の算出〕正常な二次電池である
と判定できたものであれば、二次電池の開回路電圧Vo
c、または充電電流Iもしくは放電電流Iと電池電圧Vと電
池の温度、を計測することによって、蓄電量Qと開回路
電圧Vocの関係のVoc(Q)か、蓄電容量Qと放電時または充
電時の電流値Iと電池温度Tと電池電圧Vの関係のV(Q,I,
T)から、蓄電量Qを算出することができる。
【0043】蓄電容量が低下した二次電池では、充電前
後もしくは放電前後の開回路電圧Vocの変化とその時の
蓄電量の増減、または、充電時の電池電圧Vcもしくは放
電時の電池電圧Vdの変化とその時の蓄電量の増減、から
容量の低下係数Dを算出することで、その時点の蓄電量
を求めることが可能である。
【0044】内部抵抗が増加しているが蓄電容量低下の
ない二次電池の蓄電容量は、開回路電圧は正常な電池と
同等であるので、開回路電圧の計測で、蓄電量を求める
ことができる。また、二次電池の電流および電池電圧を
計測して、内部抵抗を算出した後、蓄電容量を求めるこ
ともできる。
【0045】蓄電容量が低下し、かつ内部抵抗が増加し
た二次電池の蓄電量は、容量低下係数Dと増加した内部
抵抗R'を算出しつつ、求めることができる。
【0046】〔内部抵抗の算出〕内部抵抗が増大した二
次電池では、増大した抵抗値R'を以下のような元の正常
な抵抗Rの関数、 R'=a×R、もしくはR'=a×R+b、 もしくはR'=an×Rn+an-1×Rn-1+an-2×Rn-2+‥‥+
a1×R+a0 (nは正の整数)、 として仮定することで、電流と電池電圧の複数の計測値
から定数a,b,an,an-1,‥‥,a1,a0を求め、増加した内部
抵抗を求めることができる。
【0047】〔蓄電容量低下率の算出〕蓄電容量が低下
した二次電池では、前述のD倍に容量が低下した後の蓄
電量Q'に対する開回路電圧の関数Voc(Q'/D)、容量低下
後の蓄電量Q'に対する充電時の電池電圧Vc(Q'/D,Ic,T)
もしくは放電時の電池電圧Vd(Q'/D,Id,T)の関係と、実
際の充電前後の蓄電量の増加分もしくは放電前後の蓄電
量の低下分の計算から、容量の低下係数Dを算出するこ
とができる。ついで、これにより実際の蓄電容量Q'も求
めることができる。
【0048】〔実際の機器で使用可能な残容量(残量)と
作動可能時間〕二次電池を電源にした機器では、機器が
作動する最低の電圧がそれぞれの機器によって決められ
ているので、二次電池の電圧が機器の最低作動電圧(機
器を作動するための二次電池の必要な電圧)より低くな
った場合には、放電可能な蓄電量が仮に残っていたとし
ても使用できない。ここでは、機器が使用可能な蓄電量
を残容量(残量)と呼称する。そこで、二次電池の残量
は、現蓄電量から前記機器の最低作動電圧に対応する電
池電圧になった場合の蓄電量を減じた電気量となる。図
23は正常な電池の(公称容量または蓄電容量Cに対す
る)蓄電量%に対する開回路電圧、放電時の電池電圧を
示したもので、使用時点の蓄電量をQ、機器の最低作動
電圧Vminに達したときの蓄電量をQminとしたとき、実際
に機器が使用できる二次電池の蓄電量すなわち残量は
〔Q−Qmin〕である。図24は蓄電容量がCからC'(C'=
D×C)に低下した電池と正常な電池の蓄電量%に対する
電池電圧の関係を示したものである。電池温度T、放電
電流Id、電池電圧Vd、の容量低下電池の蓄電量がQ'であ
る時、正常な電池の蓄電量QはQ=Q'/D(Dは容量低下係
数)となる。また、機器の最低作動電圧Vminに達したと
きの蓄電容量低下の電池の蓄電量がQ'minである時、対
応する正常な電池の蓄電容量はQ min=Q'min/D(Dは容
量低下係数)となる。したがって、放電時の電池電圧の
関係式Vd=Vd(Q'/D,Id,T)とVmin=Vd(Q'min/D,Id,T)か
ら、蓄電量Q'とQ'minが算出でき、蓄電容量低下の電池
の残量は〔Q'−Q'min〕となる。
【0049】機器の作動可能時間は、機器の消費電流で
前記残量を割って得られる時間、もしくは最低作動電圧
になるまでの二次電池の供給エネルギーを機器の消費電
力で割って得られる時間として表せることになる。
【0050】〔二次電池の各使用状況における内部状態
の検知〕休止状態での二次電池の内部状態の検知 〈短絡判定〉電池の開回路電圧Vocの経時変化を計測
し、 I. Vocの低下速度が所定の値v0より大、すなわち-dVoc/
dt>v0>0である場合に、電池が短絡していると判定
し、 II. Vocの低下速度が0≦-dVoc/dt≦v0である場合に、電
池が短絡していないと判定する。図2は、上記二次電池
休止時の短絡の判定をフローチャートにした一例であ
る。
【0051】休止状態から放電操作での二次電池の内部
状態の検知 二次電池が充電も放電もしていない、休止状態にあり、
電池の開回路電圧Voc0の経時変化を計測した後、開回路
電圧Voc0から電流値I1×時間t1の電気量q1だけ放電し放
電を停止するまでの間の電池電圧Vおよび停止後の開回
路電圧Voc1を計測し、電池が正常であるか劣化している
かを判定する。上記操作における電池電圧と電流の経時
変化を示したのが、図25の(1)である。上記放電電
流は矩形波のパルス電流であることが好ましい。
【0052】また、図3は、休止状態から二次電池に放
電操作を加えて、二次電池が正常であるか、内部抵抗が
増加しているのか、蓄電容量が低下しているのか、を判
定するフローチャートの一例を示したものである。図3
のフローチャート中のCase1(S310)は、蓄電容量
が予め取得した正常な電池の蓄電容量より大きいもので
この電池も正常であると見なす。また、Case 2(S3
16)は、内部抵抗が予め取得した正常な電池より小さ
いが短絡していないものでこの電池も正常であると見な
す。なお、内部抵抗増加、容量低下と判定した後の内部
抵抗の算出は、それぞれ図4、図5に示し、後述する。
【0053】〈I.短絡の判定〉開回路電圧Vocの低下速
度が所定の値v0より大、すなわち-dVoc/dt> v0>0であ
る場合に、電池が短絡していると判定する。
【0054】〈II.正常あるいは内部抵抗増加の判定〉
上記Iの短絡に該当しない場合、すなわち開回路電圧の
低下速度がv0以下である場合にこの判定をする。蓄電容
量が低下していない電池であれば、図18の(1)か
ら、蓄電量と開回路電圧は1対1の対応があり、開回路
電圧がわかれば蓄電容量がわかり、蓄電容量がわかれば
開回路電圧がわかる。図25の(1)において、電池の
休止状態で開回路電圧Voc0を測定した後、電流値I1×時
間t1の電気量q1だけ放電し、放電を停止するまでの間の
電池電圧Vを計測し、放電停止後の開回路電圧Voc1も計
測した。いま、この電池が容量低下のない電池であった
なら、開回路電圧Voc0の時の蓄電量はQ0=Q(Voc0)で、
電気量q 1の放電後の蓄電量はQ0-q1、開回路電圧はVoc(Q
0-q1)であるはずである。なお、ここで、蓄電量Qは開回
路電圧Vocの関数式Q=Q(Voc)で表され、、開回路電圧Vo
cは蓄電量Qの関係式Voc=Voc(Q)で表される。
【0055】開回路電圧Voc(Q0-q1)と測定値Voc1の差
が、f0≦[Voc(Q0-q1)−Voc1]≦f1 (f 0<0<f1)で、製品
の特性のバラツキ範囲内にある場合には、実質的に同等
であると見なせるので、電池の容量低下はないと判定す
ることができる。また、放電開始初期の電池電圧の過渡
特性を次式で表せると仮定し、計測した放電時間tに対
する電池電圧Vと 式V=V1+(Voc0−V1)×e-t/τ (但し、V1は時間tを無限大に外挿した時のVでτは電池
の内部抵抗などで決まる時定数である)によって、開回
路電圧Voc0から放電電流I1で放電開始する時の時定数τ
を求めつつ、V1を算出する。図25の(2)は上記式か
ら求められるV1と電池電圧の過渡特性を示したものであ
る。
【0056】さらに、電池の内部抵抗をR1とすると、 式V1=Voc0−I1×R1、R1=(Voc0−V1)/I1 から求めた内部抵抗R1と、予め取得された、開回路電圧
Voc0(もしくは蓄電量Q0)と放電電流I1と電池温度Tに対
する正常な電池の内部抵抗の関係Rd(Voc0,I1,T)(もし
くはRd(Q0,I1,T))を比較して、 (i)内部抵抗R1と正常な電池の内部抵抗Rd(Voc0,I1,
T)(もしくはRd(Q0,I1,T))が実質的に同等、すなわち
製品の内部抵抗のバラツキ範囲のr1≦[R1- Rd(Q0,I 1,
T)]≦r2 (r1<0<r2)である場合には、電池は正常であ
ると判定する。 (ii)[R1- Rd(Q0,I1,T)]>r2 (0<r2)である場合に
は、内部抵抗が増大していると判定する。
【0057】〈III.容量低下の判定〉上記Iの短絡に該
当しない場合で、正常な電池が開回路電圧Voc0の時の蓄
電量Q 0を求め、さらに、正常な電池の蓄電量と開回路電
圧の関係から求まる開回路電圧Voc(Q0-q1)とVoc1の差
が、[Voc(Q0-q1)-Voc1]>f1 (0<f1)である場合には、
電池の容量が低下していると判定する。
【0058】〈内部抵抗増加時の内部抵抗の算出〉上記
II.の(ii)において、内部抵抗が増大していると判定
した場合、内部抵抗が正常な電池の内部抵抗R=Rd(Q,
Id,T)からR'=a×Rd(Q,Id,T)+b(a,bは定数、Qは蓄電
量、Idは放電電流、Tは電池温度)に増加したと仮定す
ると、下記の操作で増加した内部抵抗の値を算出するこ
とができる。図3中のBから続くフローチャートを図4
に示した。
【0059】休止状態から少なくとも2回以上の放電を
行い、すなわち開回路電圧Voc0から電流値I1×時間t1
電気量q1の放電の後、次いで開回路電圧Voc1から電流値
I2×時間t2の電気量q2だけ放電し放電を停止するまでの
間の電池電圧Vおよび停止後の開回路電圧Voc2を計測す
る。放電開始初期の電池電圧の過渡特性が次式で表せる
と仮定し、計測した放電時間tに対する電池電圧Vと 式V=V1+(Voc0−V1)×e-t/τ (但し、V1は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時定
数である)によって、開回路電圧Voc0から放電電流I1
で放電開始する時の時定数τを求めつつ、V1を算出す
る。この時の電池の内部抵抗をR1として、 V1=Voc0−I1×R1、またはR1=(Voc0−V1)/I1 からR1を求める。同様にして、V=V2+(Voc1−V2)×e
-t/τ(但し、V2は時間tを無限大に外挿した時のVでτ
は時定数である)によって、開回路電圧Voc1から放電電
流I2で放電開始する時の時定数τを求めつつ、V2を算
出する。この時の電池の内部抵抗をR2として、 V2=Voc1−I2×R2またはR2=(Voc1−V2)/I2 から内部抵抗R2を求め、R1−[a×Rd(Q0,I1,T)+b]=0
(Q0: 開回路電圧Voc0のときの蓄電量)とR2−[a×R
d(Q0-q1,I2,T)+b]=0(Q1=Q0-q1:開回路電圧Voc1
ときの蓄電量)、もしくはQ1=Q(Voc1)でR2−[a×R
d(Q1,I2,T)+b]=0から定数aおよびbとQ0を求め、増大
した内部抵抗Rd'=a×Rd(Q,Id,T)+bを算出することが
できる。
【0060】上記内部抵抗の算出では、放電電流変動時
の電池電圧を推算するために、前述の時定数τを用いた
式を仮定して使用したが、この式は一例であり、他の近
似できる式を使用しても構わず、この式に何ら限定され
るものではない。
【0061】〈蓄電容量の低下率の算出〉上記III.にお
いて、電池の蓄電容量が低下していると判定された場
合、電池の蓄電容量が正常な電池の蓄電容量のD倍(Dは
定数で0<D<1)になっていると仮定すると、下記の操
作で低下した蓄電容量の値を算出することができる。図
3のCから続くフローチャートを図5に示した。図5中
のCase 2(S334)は、予め取得した正常な電池の内
部抵抗より小さいが短絡していないもので、内部抵抗が
増加していないものと判断する。
【0062】図25の(1)において、休止状態の開回
路電圧Voc0の電池を電流値I1で電気量q1放電した後、開
回路電圧がVoc1になった場合、開回路電圧がVoc0の時の
電池の蓄電量は、電池が正常であればQ0であるが、蓄電
容量がD倍に低下している電池であるのでQ0'とする。
正常な電池の蓄電量Qに対する開回路電圧の関係Voc
(Q),Q (Voc)から、蓄電容量がD倍に低下した電池で
は、蓄電量を1/D倍すれば正常な電池と同じ蓄電量に
なると見なせる。したがって、Voc0=Voc(Q0)=Voc(Q0'
/D)、Q0=Q0'/D=Q(Voc0)となる。また、電気量q1の放
電後の蓄電容量低下の電池の蓄電量をQ1'とすると、 Q1'=Q0'−q1 Voc1=Voc(Q0'/D−q1/D)、Q0'/D−q1/D=Q(Voc1) Q(Voc0)−q1/D=Q(Voc1) q1/D=Q(Voc0)−Q(Voc1) D=q1/〔Q(Voc0)−Q(Voc1)〕 となり、蓄電容量の低下定数Dを求めることができる。
また、このときの電池の蓄電量はQ(Voc1)×Dとなる。
【0063】(i)さらには上記II.で求められる前記R
1から、r1≦[R1−Rd(Q0'/D,I1,T)]≦r 2 (r1<0<r2)で
ある場合には、電池は内部抵抗の増加はないが蓄電容量
が低下していると判定することができる。 (ii)また、上記II.で求められる前記R1から[R1−Rd(Q
0'/D,I1,T)]>r2 (0<r2)である場合には、蓄電容量が
低下しかつ内部抵抗も増大していると判定することがで
きる。
【0064】図25の(2)において、次の2回目の電
気量q2のパルス放電は不図示であるが、開回路電圧Voc0
から電流値I1×時間t1の電気量q1の放電の後、次いで開
回路電圧Voc1から電流値I2×時間t2の電気量q2だけ放電
し放電を停止するまでの間の電池電圧Vおよび停止後の
開回路電圧Voc2を計測し、放電開始初期の電池電圧の過
渡特性が次式で表せると仮定し、計測した放電時間tに
対する電池電圧Vから V=V1+(Voc0−V1)×e-t/τ (但し、V1は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時定
数である)この時の電池の内部抵抗をR1とすると、 V1=Voc0−I1×R1、R1=(Voc0−V1)/I1 同様にして、V=V2+(Voc1−V2)×e-t/τ (但し、V2は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時定
数である)この時の電池の内部抵抗をR2とすると、 式V2=Voc1−I2×R2、R2=(Voc1−V2)/I2 電池の内部抵抗がRd(Q,Id,T)からa×Rd(Q,Id,T)+b(a,
bは定数)に増加したと仮定して、 R1−[a×Rd(Q0,I1,T)+b]=0と R2−[a×Rd(Q1,I2,T)+b]=R2−[a×Rd(Q0−q1/D,I2,T)
+b]=0、 (但し、Q0=Q0'/D, Q1=Q1'/Dで、Q0',Q1'はそれぞれ
開回路電圧がVoc0,Voc1の時の蓄電量である)から定数
aおよびb並びにDとQ0'を求め、蓄電容量低下電池の内部
抵抗増大後の内部抵抗R'=a×Rd(Q'/D,Id,T)+b(Q'は
容量低下時の真の蓄電量)の関係を求めることができ
る。
【0065】休止状態から充電操作での二次電池の内部
状態の検知 二次電池が充電も放電もしていない、休止状態にあり、
電池の開回路電圧Voc0を計測した後、電流値Ic1で充電
を開始し、電池電圧Vcを計測し、電流値Ic1×時間t1×
充放電効率Effの電気量q1だけ充電し電池電圧がVc1にな
った時、充電を停止し開回路電圧Vocの経時変化を計測
し、安定した開回路電圧をVoc1とすることで二次電池の
内部状態の検知する。上記操作における電池電圧と電流
の経時変化を示したのが、図26の(1)である。上記
充電電流は矩形波のパルス電流であることが好ましい。
【0066】充電を停止後の開回路電圧Voc1は、所定の
時間経過後の開回路電圧Voc1を計測するか、過渡特性を
示す式から算出できる。また、図6は、休止状態から二
次電池に充電操作を加えて、二次電池が正常であるか、
内部抵抗が増加しているのか、蓄電容量が低下している
のか、判定するフローチャートの一例を示したものであ
る。なお、内部抵抗増加、容量低下と判定した後の内部
抵抗の算出は、それぞれ図7、図8に示し、後述する。
なお、ここでは休止状態から充電操作を行い二次電池の
内部状態を検知する方法を説明しているが、充電状態か
ら休止パルスの操作を施すことによっても同様に二次電
池の内部状態を検知することができる。
【0067】〈I.短絡の判定〉 (i)正常な電池の蓄電量と開回路電圧の関係Voc(Q)か
ら開回路電圧Voc0の時の蓄電量Q0を求め、さらに開回路
電圧Voc(Q0+q1)とVoc1の差が、[Voc(Q0+q1)−Voc1]>
g1 (g 1>0)である時、(ii)蓄電量と充電電流と電池
温度と正常な電池の電池電圧の関係Vc(Q,Ic,T)により、
[Vc(Q0+q1,Ic,T)−Vc1]>j1(j 1>0)である時、(ii
i)蓄電量もしくは開回路電圧と充電電流と電池温度と
正常な電池の内部抵抗の関係Rc(Voc,Ic,T)より、[Rc1
Rc(Voc1,Ic,T)]<z1(z 1<0、Rc1は電池電圧Vc1時の内
部抵抗)である時の、上記(i)、(ii)、(iii)のい
ずれかの場合に、電池が短絡していると判定する。
【0068】〈II.正常、内部抵抗増加の判定〉正常な
電池の蓄電量と開回路電圧の関係Voc(Q)から開回路電圧
Voc0の時の蓄電量Q0を求め、さらにVoc(Q)の関係から求
まる開回路電圧Voc(Q0+q1)とVoc1の差が、g0≦[Voc(Q0
+q1)−Voc1]≦g1 (g0<0<g1)である場合には、電池の
容量低下はないと判定し、さらに、充電開始初期の電池
電圧の過渡特性が次式で表せると仮定し、計測した充電
時間tに対する電池電圧Vcと 式Vc=V1−(V1−Voc0)×e-t/τ (但し、V1は時間tを無限大に外挿した時のVcでτは電
池の内部抵抗等から決まる時定数である)によって、開
回路電圧Voc0から充電電流Ic1で充電開始した時の時定
数τを求めつつV1を算出する。図26の(2)は上記式
から求められるV1と電池電圧の過渡特性を示したもので
ある。
【0069】また、この時の電池の内部抵抗をRc1とし
て、 V1=Voc0 +Ic1×Rc1、Rc1=(V1−Voc0)/Ic1 から求めた内部抵抗Rc1と、正常な電池の内部抵抗Rc(Vo
c0,Ic1,T)もしくはRc(Q0,Ic1,T)との差から、以下のよ
うに判定する。 (i) z1≦[Rc1−Rc(Q0,Ic1,T)]≦z2 (z1<0<z2)であ
る場合、もしくはj1≦[Vc1-Vc(Q0+q1,Ic,T)]≦j2(j1
<0<j2)である場合に、電池は正常であると判定す
る。上記不等式で表される、内部抵抗、電池電圧は製品
(正常な電池)の特性のバラツキ範囲によるものであ
る。また、このバラツキ範囲(z1,z2、j1,j2、g0
g1)は電池の種類によって異なる。 (ii)[Rc1−Rc(Q0,Ic1,T)]>z2 (0<z2)である場合、
もしくはj2<[Vc1−Vc(Q0+q1,Ic,T)] (0<j2)である
場合に、内部抵抗が増大していると判定する。
【0070】〈III.蓄電容量低下の判定〉前記開回路
電圧Voc(Q0+q1)とVoc1の差が、[Voc(Q0+q1)−Voc1]<
g0 (g0<0)である場合には、電池の容量が低下してい
ると判定する。
【0071】〈増加した内部抵抗の算出〉上記II.の
(ii)の内部抵抗増大の判定の後、一例として、電池の
内部抵抗がR=Rc(Q,Ic,T)からR'=a×Rc(Q,Ic,T)+b
(a,bは定数)に増加したと仮定した場合、下記の操作
で増加した内部抵抗の値を算出することができる。図6
中のFから続くフローチャートを図7に示した。休止状
態から少なくとも2回以上の充電を行い、すなわち開回
路電圧Voc0から電流値Ic1×時間t1の電気量q1の充電の
後、ついで開回路電圧Voc1から電流値Ic2×時間t2の電
気量q2だけ充電し充電を停止するまでの間の電池電圧Vc
および停止後の開回路電圧Voc2を計測して、以下の手順
で、増加した内部抵抗R'=a×Rc(Q,Ic,T)+bを算出す
ることができる。
【0072】充電開始初期の電池電圧の過渡特性を次式
で表せると仮定し、1回目の充電で Vc=V1−(V1−Voc0)×e-t/τ (但し、V1は時間tを無限大に外挿した時のVcでτは電
池の内部抵抗等で決まる時定数である)によって、開回
路電圧Voc0から充電電流Ic1で充電開始した時の時定数
τを求めつつV1を算出できる。この時の電池の内部抵抗
をRc1とすると、 V1=Voc0 +Ic1×Rc1、Rc1=(V1−Voc0)/Ic1 同様にして2回目の充電で Vc=V2−(V2−Voc1)×e-t/τ (但し、V2は時間tを無限大に外挿した時のVcでτは時
定数である)によって、開回路電圧Voc1から充電電流I
c2で充電開始した時の時定数τを求めつつV2を算出で
き、電池の内部抵抗をRc2とすると、 式V2=Voc1 +Ic2×Rc2、 Rc2=(V2−Voc1)/Ic2 から内部抵抗Rc2を求めることができる。
【0073】さらに、電池の内部抵抗がRc(Q,Ic,T)から
a×Rc(Q,Ic,T)+b(a,bは定数)に増加したとの仮定か
ら、 Rc1−[a×Rc(Q0,Ic1,T)+b]=0と Rc2−[a×Rc(Q0+q1,Ic2,T)+b]=0、 もしくはQ1=Q(Voc1)でRc2−[a×Rc(Q1,Ic2,T)+b]=0 と表せ、これらの式を解くことによって、定数aおよびb
を求め、増大した内部抵抗Rc'=a×Rc(Q,Ic,T)+bを算
出することができる。
【0074】上記内部抵抗の算出では、充電電流変動時
の電池電圧を推算するために、前述の時定数τを用いた
式を仮定して使用したが、この式は一例であり、他の近
似できる式を使用しても構わず、この式に何ら限定され
るものではない。
【0075】(蓄電容量の低下係数の算出)上記III.
の蓄電容量低下の判定後、電池の蓄電容量が正常な電池
の蓄電容量のD倍(Dは定数で0<D<1)になっていると
仮定した場合、下記の操作で増加した内部抵抗の値を算
出することができる。図6中のGから続くフローチャー
トを図8に示した。図8中のCase 2(S434)は、
予め取得した正常な電池の内部抵抗より小さいが短絡し
ていないもので、内部抵抗が増加していないものと判断
する。
【0076】図26の(1)において、休止状態の開回
路電圧Voc0の電池を電流値I1で電気量q1充電した後、開
回路電圧がVoc1になった場合、開回路電圧がVoc0の時の
電池の蓄電量は、電池が正常であればQ0であるが、蓄電
容量がD倍に低下している電池であるのでQ0'とする。
正常な電池の蓄電量Qに対する開回路電圧の関係Voc
(Q),Q (Voc)から、蓄電容量がD倍に低下した電池で
は、蓄電量を1/D倍すれば正常な電池と同じ蓄電量に
なると見なせる。したがって、Voc0=Voc(Q0)=Voc(Q0'
/D)、Q0=Q0'/D=Q(Voc0)となる。また、電気量q1の充
電後の蓄電容量低下の電池の蓄電量をQ1'とすると、 Q1'=Q0'+q1 Voc1=Voc(Q0'/D+q1/D)、Q0'/D+q1/D=Q(Voc1) Q(Voc0)+q1/D=Q(Voc1) q1/D=Q(Voc1)−Q(Voc0) D=q1/〔Q(Voc1)−Q(Voc0)〕 となり、蓄電容量の低下定数Dを求めることができる。
また、このときの電池の蓄電量はQ(Voc1)×Dとなる。 (A)さらには上記II.と同様にして求められた前記Rc1
からz1≦[Rc1−Rc(Q0'/D,Ic1,T)]≦z2 (z1<0<z2)で
ある場合には、電池は内部抵抗の増加はないが蓄電容量
が低下していると判定することができる。 (B)また、前記Rc1から[Rc1−Rc(Q0'/D,Ic1,T)]>z
2(0<z2)である場合には、蓄電容量が低下しかつ内部
抵抗も増大していると判定できる。
【0077】次いで、図26の(2)において、2回目
の電気量q2のパルス放電は不図示であるが、1回目の充
電停止から、開回路電圧Voc1から電流値Ic2×時間t2
電気量qc2だけ充電し、充電を停止するまでの間の電池
電圧Vcおよび停止後の開回路電圧Voc2を計測し、次式の
電池電圧の過渡特性を表す、 式Vc=V2−(V2−Voc1)×e-t/τ (但し、V2は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時定
数である)によって、開回路電圧Voc1から充電電流Ic2
で充電開始した時の時定数τを求めつつV2を算出でき
る。この時の電池の内部抵抗をRc2とすると、 V2=Voc1 +Ic2×Rc2、Rc2=(V2−Voc1)/Ic2 から内部抵抗Rc2を求めることができる。
【0078】電池の内部抵抗がRc(Q×D,Ic,T)からa×Rc
(Q×D,Ic,T)+b(a,bは定数)に増加したとの仮定か
ら、以下のように表せ、 Rc1−[a×Rc(Q0'/D,Ic1,T)+b]=0と Rc2−[a×Rc(Q0'/D+q1/D,Ic2,T)+b]=0、 もしくはQ1=Q1'/D=Q(Voc1)でRc2−[a×Rc(Q1'/D,Ic2,
T)+b]=0 これらの式を解くことによって、定数aおよびbを求め、
蓄電容量低下電池の内部抵抗増大後の内部抵抗Rc'=a×
Rc(Q'/D,Ic,T)+bの関係を求めることができる。
【0079】充電終了後の二次電池の内部状態の検知 二次電池の充電を電池電圧VcEで完了した後に、電池電
圧の経時変化を計測し、開回路電圧Vocを決定して二次
電池の内部状態の検知する。図27は、充電時の電池電
圧と充電終了後の開回路電圧の経時変化を示したもので
ある。
【0080】上記開回路電圧の決定は、以下のように行
う。充電終了から所定時間経過後の電池電圧を開回路電
圧VocEとする。または、充電終了からの時間tとその時
の開回路電圧Vocを計測し、開回路電圧Vocが定常状態に
なる開回路電圧をVocEとし、Vocが次式で表されると仮
定し、 式Voc=VocE+(VcE−VocE)×e-t/τ と計測した複数点のVocの値から時定数τを求めつつ、V
ocEを算出して決定する。
【0081】〈短絡の判定〉開回路電圧Vocの経時変化
すなわちVocの低下速度−dVoc/dtが所定の値vcより大き
い、すなわち−dVocE/dt>vc>0である場合短絡と判定
する。また、充電終了時の電池電圧VcEが、正常な二次
電池のそれ(判定用の下限値をm0>0として予め基礎デ
ータに含めておく)より低い(VcE<m0)時も二次電池
は短絡していると判定することができる。図9は上記判
定の流れを示したフローチャートの一例である。
【0082】〔定電流−定電圧充電終了時の判定〕定電
流で充電し所定の電圧VcLに到達したら定電圧VcLの充電
に切り替わり、所定の時間経過後に充電を終了する方法
の、定電流−定電圧充電方法で二次電池を充電する際に
二次電池の内部状態を判定する。上記定電流−定電圧充
電方法で充電が途中で停止することなく、正常に充電が
完了した場合、電池の蓄電量は蓄電容量のほぼ100%
の満充電状態になる。満充電後の二次電池の開回路電圧
がVocEの時、二次電池の内部状態を以下のように判定す
る。
【0083】〈I. 短絡判定〉 (i)電池の満充電後の開回路電圧VocEの経時変化が−
dVocE/dt>vc>0である、(ii)充電終了時の電池電圧
がVcE<m0 (0<m0)である、(iii)定電流充電時の電池
電圧の上昇が正常な電池のそれ(s0:下限値)より小さ
く、dVc/dt<s0 (0<s0)である、(iv) 充電開始時か
ら電池の温度上昇が正常な電池のそれ(u0:上限値)
に比較して大きく、dT/dt>u0 (u0>0)である、のい
ずれかである場合、この電池は短絡していると判定す
る。なお、上記vcは開回路電圧の低下速度から短絡の有
無を判定するためのしきい値、m0は充電終了直前の電池
電圧から短絡の有無を判定するためのしきい値、s0は定
電圧充電に切り替わる前の定電流充電での電池電圧の上
昇速度から短絡の有無を判定するためのしきい値、u0
定電圧充電に切り替わる前の定電流充電時の電池の温度
上昇速度から短絡の有無を判定するためのしきい値、で
ある。
【0084】〈II. 内部抵抗増加の判定〉定電流充電時
の電池電圧の上昇速度dVc/dtが正常な電池の場合より大
きく、かつ検知対象二次電池の満充電後の開回路電圧Vo
cEが正常な電池のそれ(k0:下限値)より小さく、0<V
ocE<k0である時、この電池の内部抵抗は増加している
と判定する。
【0085】〈III. 蓄電容量低下の判定〉所定の電池
電圧から充電の上限電圧VcLに到達するまでの時間が正
常な電池より短いかあるいは定電流充電領域での電池電
圧の上昇速度dVc/dtが正常のものdV cn/dt(上限値をs1
とする)より大きく、dVc/dt>s1>0、かつ検知対象二
次電池の満充電後の開回路電圧VocEが正常な電池のそれ
以上でVocE≧k0(k0>0)である時、この電池の蓄電容
量が低下していると判定する。
【0086】〈IV. 正常であるとの判定〉所定の電池電
圧から充電の上限電圧VcLに到達するまでの時間が正常
な電池のそれと実質的に同等であるか、定電流充電領域
での電池電圧の上昇速度dVc/dtが正常のものdVcn/dtと
実質的に同等、すなわちs0≦dVc/dt≦s1 (0<s0<s1
であり、かつ満充電後の開回路電圧VocEが正常な電池の
それと同等以上である、すなわちk0≦VocE (0<k0)で
ある時、この電池は正常であると判定する。図10のフ
ローチャートは、上記判定の流れを示した一例である。
【0087】〔電池電圧変化もしくは電池温度変化の制
御による充電時の判定〕定電流で二次電池を充電し、電
池の温度の時間変化およびまたは電池電圧の時間変化を
検知して、すなわち充電末期の温度上昇およびまたは充
電末期の電圧の下降を検知して、充電を制御もしくは終
了する充電方式の場合、二次電池の内部状態を以下のよ
うに判定する。
【0088】〈I. 短絡の判定〉 (i)電池の満充電後の開回路電圧VocEの経時変化が−
dVocE/dt>vc>0である、(ii)充電開始時から電池の
温度上昇が正常な電池のそれに比較して大きく、dT/dt
>u0 (u0>0)である、(iii)定電流充電時の電池電
圧の上昇が正常な電池のそれより小さく、dVc/dt<s0
(0<s0)である、のいずれかである場合、この電池は短
絡していると判定する。
【0089】〈II.内部抵抗増加の判定〉定電流充電領
域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/dt)が正常な電池
のそれより大きい、すなわちdVc/dt>s1 (0<s1)で、か
つ電池の満充電後の開回路電圧VocEが正常な電池のそれ
以下である、すなわち0<VocE≦k0 (0<k0)である時、
この電池の内部抵抗は増加していると判定する。
【0090】〈III.蓄電容量低下の判定〉定電流充電領
域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/dt)が正常な電池
のそれより大きい、すなわちdVc/dt>s1 (0<s1)で、か
つ電池の満充電後の開回路電圧VocEが正常な電池のそれ
より大きい、すなわちVocE>k0 (0<k0)である時、こ
の電池の蓄電容量は低下していると判定する。
【0091】〈IV.正常であるとの判定〉定電流充電領
域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/dt)は正常な電池
のそれと実質的に同等、すなわちs0≦dVc/dt≦s1 (0<s
0<s1)で、かつ電池の満充電後の開回路電圧VocEが正常
な電池のそれと実質的に同等以上、すなわちk0≦VocE
(0<k0)である時、この電池は正常であると判定する。
図11のフローチャートは、上記判定の流れを示した一
例である。
【0092】〔定電流充電終了時の判定〕電池の開回路
電圧がある値以下で、定電流充電で所定の時間経過後に
充電を終了する、但し、電池電圧が所定の上限電圧VcL
に達した時には充電を終了する場合、二次電池の内部状
態を以下のように判定する。
【0093】〈I. 短絡の判定〉 (i)電池の満充電後の開回路電圧VocEの経時変化が−
dVocE/dt>vc>0である、(ii)充電終了時の電池電圧
がVcE<m0 (0<m0)である、(iii)定電流充電時の電
池電圧の上昇が正常な電池のそれより小さく、dVc/dt<
s0 (0<s0)である、(iv)充電開始時から電池の温度
上昇が正常な電池のそれに比較して大きく、dT/dt>u0
(u0>0)である、のいずれかである場合、この電池は
短絡していると判定する。
【0094】〈II.内部抵抗増加の判定〉定電流充電領
域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/dt)が正常な電池
の電池電圧の上昇速度(s1)より大きい、すなわちdVc/
dt>s1 (0<s1)で、かつ電池の満充電後の開回路電圧Vo
cEが正常な電池のそれ以下である、すなわち0<VocE≦k
0(0<k0)である時、この電池の内部抵抗は増加してい
ると判定する。
【0095】〈III.蓄電容量低下の判定〉定電流充電領
域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/dt)が正常な電池
のそれより大きい、すなわちdVc/dt>s1 (0<s1)で、
かつ電池の満充電後の開回路電圧VocEが正常な電池のそ
れより高い、すなわちVocE>k0 (0<k0)である時、こ
の電池の蓄電容量は低下していると判定する。
【0096】〈IV.正常であるとの判定〉定電流充電領
域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/dt)は正常な電池
のそれと実質的に同等、すなわちs0≦dVc/dt≦s1 (0<s
0<s1)で、かつ電池の満充電後の開回路電圧VocEが正
常な電池のそれと実質的に同等以上、すなわちk0≦VocE
(0<k0)である時、この電池は正常であると判定す
る。図12のフローチャートは、上記判定の流れを示し
た一例である。
【0097】放電状態での二次電池の内部状態の検知 〈短絡の判定〉二次電池が放電状態にあり、放電電流I
d0と電池電圧Vdを計測し、(i)電池電圧が所定の値未
満である時か、あるいは(ii)電池電圧Vdの低下速度が
所定の値x1より大きい、すなわち−dVd/dt>x1 (0<x1)
の時、電池が放電末期にあるかあるいは短絡していると
判定する。
【0098】電池電圧が所定の値以上である時あるいは
電池電圧Vdの低下速度が所定の値x1以下、すなわち0<
−dVd/dt≦x1の時、電池が正常であるかあるいは短絡以
外の劣化モードにあると判定する。図13のフローチャ
ートは、上記判定の流れを示した一例である。
【0099】〔定常放電状態からの二次電池の内部状態
の検知〕前記放電時の電池電圧の経時変化から短絡でな
いと判定した二次電池が実質的に定常な放電状態にあ
り、電池温度がTで、その時の放電電流がId0で電池電圧
がVd0であり、電気量qだけ放電した後に定常状態の放電
電流Id1で電池電圧はVd1になった時、二次電池が正常で
ある場合、電池電圧がVd0のときの開回路電圧をVoc 0
蓄電量をQ0とすると、予め取得していた正常な電池の特
性の関係からVoc0=Voc(Q0)、Q0= Q(Voc0)、Vd0=Vd
(Id0, Q0,T)、Vd1=Vd(Id1, Q0-q,T)と表せる。これよ
り、以下の判定をすることができる。
【0100】〈I.正常であるとの判定〉予め取得され
た正常な電池の、蓄電量、放電電流、電池温度と電池電
圧の関係から、(i)y1≦[Vd1−Vd(Q0−q,Id1,T)]≦y2
(y1<0<y2)の時、もしくは(ii)w1≦Q(Id1,Vd1,T)
−[Q(Id0,Vd0,T)−q]≦w2(w1<0<w2)の時、二次電池
は正常であると判定する。
【0101】〈II.内部抵抗増加の判定〉予め取得され
た正常な電池の、蓄電量、放電電流、電池温度と電池電
圧の関係から、(i)[Vd1−Vd(Q0−q, Id1,T)]>y2 (0
<y2)の時、もしくは(ii)Q(Id1,Vd1,T)−[Q(Id0,Vd0,
T)−q]>w2 (0<w2)の時、二次電池の内部抵抗は増大し
ていると判定する。
【0102】〈III.蓄電容量低下の判定〉予め取得さ
れた正常な電池の、蓄電量、放電電流、電池温度と電池
電圧の関係から、(i)[Vd1−Vd(Q0−q,Id1,T)]<y
1(y1<0)の時、もしくは(ii)Q(Id1,Vd1,T)−[Q
(Id0,Vd0,T)−q]<w1(w1<0)の時、二次電池の蓄電容
量は低下していると判定する。図14のフローチャート
は、上記各種の判定の流れを示した一例である。なお、
前述の判定基準に使用した各種しきい値(v0, vc, f0,
f1, r1, r2, g0, g1, j1, j2, z1, z2, m0, s0, s1,
u0, x1, w1, w2, y1, y2)は、電池の種類と型式によっ
て異なり、一律に決定されるものではなく、検知する電
池と同種同型の電池の実測値から決定された値である。
【0103】〔定常放電からの放電変動時の二次電池内
部状態の検知〕実質的に定常状態の放電状態にある二次
電池の放電電流がn(nは正の整数で、n=1,2,3,4,
…)回変動した場合、本実施形態では、変動時の電池電
圧の過渡特性を計測して、二次電池の内部状態を検知す
る。図28の(1)と(2)は、一例として定常放電時
に4回の放電電流の変動があった場合の、それぞれ、電
池電圧、放電電流、の経時変化を示したものである。放
電変動は、意図的に起こしてもよく、その場合の変動放
電電流は矩形波のパルス電流であることが好ましい。さ
らに、変動は機器作動に影響を与えなければ、放電の変
動が、放電電流がゼロである休止パルスであっても良
い。
【0104】定常状態にある放電電流がIn0で電池電圧
がVd0である時、放電電流In0がIn1に変動し電流値In1×
時間tn1の電気量qnだけ放電し定常電流での放電に戻っ
た場合、変動時の電池電圧Vを複数点計測し、放電電流
変動時の電池電圧Vの過渡特性が次式で表せると仮定す
ると、放電電流が変動してからの時間tに対する電池電
圧値Vと 式V=Vn1+(Vn0−Vn1)×e-t/τ (但し、Vn1は時間tを無限大に外挿した時のVでτは電
池の内部抵抗等で決まる時定数で、n=1,2,3,4,…であ
る)によって、放電電流変動時の時定数τを求めつつV
n1を算出し、これを用いて、二次電池の状態を検知す
る。図28の(1)中のV11、V21、V31、V41は、放電電
流が4回変動したときの電池電圧の過渡特性が式V=Vn1
+(Vn0−Vn1)×e-t/τで表せるとした場合のVn1(n=1,
2,3,4)に相当する電圧との関係を示した図である。
【0105】〈内部抵抗の算出〉先の定常状態の放電か
らの判定のII.で、二次電池の内部抵抗が増加している
と判定され、電池の内部抵抗が例えばRd(Q,Id,T)からa
×Rd(Q,Id,T)+b(a,bは定数)に増加したと仮定した場
合の、内部抵抗および蓄電量を算出する手順を以下に説
明する。
【0106】定常放電から、少なくとも3回以上の放電
電流の変動する時、すなわち、放電電流I10の定常放電
で電池電圧V10の時、放電電流がI11に変化し電流値I11
×時間t11の放電し、電池電圧V10から電気量q1だけ放電
し電池電圧V20になり、次いで定常放電の放電電流I20
I21に変化し電流値I21×時間t21の放電し、電池電圧V2 0
から電気量q2だけ放電し電池電圧V30になり、次に定常
放電の放電電流I30がI31に変化し電流値I31×時間t31
放電をしたとする。この時、定常放電の放電電流In0がI
n1に変動し電流値In1×時間tn1の電気量qn放電した場合
の、各放電電流変化時の電池電圧の過渡特性が次式で表
せると仮定して、計測した放電電流が変化してからの時
間tに対する電池電圧値Vと 式V=Vn1+(Vn0−Vn1)×e-t/τ (但し、Vn1は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時
定数で、n=1,2,3,…である)によって、放電電流In0
In1に変動した時の時定数τを求めつつVn1を算出する。
次に、放電電流In0で電池電圧Vn0の時の蓄電量を有する
電池の開回路電圧をVocn0とすると、Vocn0=Vn0+In0×
Rd'(Qn0,In0,T)=Vn1+In1×Rd'(Qn0,In1,T)(n=1,2,
3,…)と表せ、電池電圧がV10、V20、V30の時の蓄電量
をそれぞれQ10、Q20、Q30とすると、 Q20=Q10−q1 Q30=Q20−q2= Q10−q1−q2となり、 V10−V11=I11×Rd'(Q10,I11,T)−I10×Rd'(Q10,I10,T) V20−V21=I21×Rd'(Q20,I21,T)−I20×Rd'(Q20,I20,T) V30−V31=I31×Rd'(Q30,I31,T)−I30×Rd'(Q30,I30,T) Rd'(Q10,I10,T)=a×Rd(Q10,I10,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q10,I11,T)=a×Rd(Q10,I11,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q20,I20,T)=a×Rd(Q20,I20,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q20,I21,T)=a×Rd(Q20,I21,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q30,I30,T)=a×Rd(Q30,I30,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q30,I31,T)=a×Rd(Q30,I31,T)+b(a,bは定数) 上記式を解くことによって、蓄電量Q10、定数a、b、を
求めることができ、現在の蓄電量Q30および劣化して内
部抵抗が増大した電池の内部抵抗Rd'(Q,I,T)も算出する
ことができる。
【0107】図15および付随する図17のフローチャ
ートは、図14で内部抵抗が増加していると判定した後
に、上記内部抵抗並びに現在の蓄電量を算出するまでの
流れを示した一例である。
【0108】上記内部抵抗の算出では、放電電流変動時
の電池電圧を推算するために、前述の時定数τを用いた
式を仮定して使用したが、この式は一例であり、他の近
似できる式を使用しても構わず、この式に何ら限定され
るものではない。
【0109】〈蓄電容量低下時の低下係数および内部抵
抗の算出〉先の定常状態の放電からの判定のIII.で、二
次電池の蓄電容量が低下していると判定された場合、蓄
電容量はCからC'=D×C(Dは定数で0<D<1)に低下
し、さらに電池の内部抵抗もRd(Q,Id,T)からRd'(Q,Id,
T)=a×Rd(Q,Id,T)+b (a,bは定数)に増加したと仮定
して、容量低下係数および内部抵抗並びに蓄電量を算出
する手順を以下に説明する。なお、上記蓄電容量の低下
の仮定により、予め取得されている正常な電池の放電電
流および電池電圧の関係から算出される蓄電量Qは実際
はQ'=D×Qに低下していることになる。
【0110】定常放電から、少なくとも4回以上の放電
電流の変動する時、すなわち放電電流I10の定常放電で
電池電圧V10の時、放電電流がI11に変動し電流値I11×
時間t1 1の放電し、電池電圧V10から電気量q1だけ放電し
電池電圧V20になり、次いで定常放電の放電電流I20がI
21に変化し電流値I21×時間t21の放電し、電池電圧V20
から電気量q2だけ放電し電池電圧V30になり、次に定常
放電の放電電流I30がI31に変化し電流値I31×時間t31
放電し、電池電圧V30から電気量q3だけ放電し電池電圧V
40になり、さらに定常放電の放電電流I40がI41に変化し
電流値I41×時間t41の放電した時、定常放電の放電電流
In0がIn1に変動し電流値In1×時間tn1の電気量q n放電
したとする。
【0111】各放電電流変動時の電池電圧の過渡特性が
次式で表せると仮定すると、計測した放電電流が変化し
てからの時間tに対する電池電圧値Vと 式V=Vn1+(Vn0−Vn1)×e-t/τ (但し、Vn1は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時
定数で、n=1,2,3,4,…である)によって、放電電流In0
がIn1に変動した時の時定数τを求めつつVn1を算出でき
る。また、放電電流In0で電池電圧Vn0の時の蓄電量を有
する電池の開回路電圧をVocn0とすると、Vocn0=Vn0+I
n0×Rd'(Qn0,In0,T) =Vn1+ In1×Rd'(Qn0,In1,T)(n
=1,2,3,4,…)と表せ、電池電圧がV10、V20、V30、V40
の時の蓄電量をそれぞれQ10、Q20、Q30、Q40とすると、
Q=Q'/DでQ20'=Q10'−q1、Q30'=Q20'−q2=Q10'−q1
−q2、Q40'=Q30−q3=Q10'−q1−q2−q3、すなわちQ10
=Q10'/D、Q20=(Q10'−q1)/D、Q30=(Q10'−q1−q
2)/D、Q40=(Q10'−q1−q2−q3)/Dで、 V10−V11=I11×Rd'(Q10,I11,T)−I10×Rd'(Q10,I10,T) V20−V21=I21×Rd'(Q20,I21,T)−I20×Rd'(Q20,I20,T) V30−V31=I31×Rd'(Q30,I31,T)−I30×Rd'(Q30,I30,T) V40−V41=I41×Rd'(Q40,I41,T)−I40×Rd'(Q40,I40,T) Rd'(Q10,I10,T)=a×Rd(Q10,I10,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q10,I11,T)=a×Rd(Q10,I11,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q20,I20,T)=a×Rd(Q20,I20,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q20,I21,T)=a×Rd(Q20,I21,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q30,I30,T)=a×Rd(Q30,I30,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q30,I31,T)=a×Rd(Q30,I31,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q40,I40,T)=a×Rd(Q40,I40,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q40,I41,T)=a×Rd(Q40,I41,T)+b(a,bは定数) 上記式を解くことによって、定数a、b、D、 Q10=Q10'
/Dを求め、劣化してD倍になった蓄電容量および増大し
た内部抵抗を算出することができる。
【0112】前述の定常放電からの変動電流は、前記放
電電流In1は定常電流In0より大でIn 1=In0+ΔIdとなる
ように意図的に流すことで、望むときに、より正確な二
次電池の内部状態を検知することができる。また、前記
放電電流In1は、0.5時間率(2C)放電の電流値以下
であることが好ましい。
【0113】図16および付随する図17のフローチャ
ートは、図14で蓄電容量が低下していると判定した後
に、上記内部抵抗並びに現在の蓄電量を算出するまでの
流れを示した一例である。
【0114】正常であると判定した二次電池の蓄電量の
算出 休止状態、充電状態、放電状態、の各種状態において、
正常であると判定された二次電池の蓄電量は以下のよう
にして算出される。 〈I.休止状態の場合〉休止状態で測定された開回路電
圧Voc0と予め取得された蓄電量Qに対する正常な電池の
開回路電圧Vocの関係Voc(Q)から、式Voc(Q0)=Voc0
しくはQ0=Q(Voc 0)と表せ、蓄電量Q0を算出することが
できる。
【0115】〈II.充電中である場合〉 (i)充電電流と電池温度と電池電圧を計測し、予め取
得された蓄電量Qと充電電流Icと電池温度Tに対する正常
な電池の電圧Vcの関係Vc(Q, Ic,T)もしくはQ(Vc,Ic,T)
から、蓄電量Qを求める、(ii)充電の一時停止から、
前述の電池電圧の過渡特性を表す式から時定数τとVoc
を計測してその時点の蓄電量を算出する、(iii)充電
電流Icでの充電終了電圧VcEまたは充電終了後の開回路
電圧VocEの計測値と、予め取得された蓄電量Qと充電電
流Icと電池温度Tに対する正常な電池の電圧Vcの関係式
から、充電終了時の蓄電量をQEとすると、VcE=Vc(QE,I
c,T)、もしくはQ(VcE,Ic,T)、または予め取得された蓄
電量Qに対する正常な電池の開回路電圧Vocの関係の式Vo
c(Q)から得られるVoc(QE)=VocEもしくはQE=Q(VocE)を
用いて、蓄電量QEを求める、上記(i)、(ii)、(ii
i)のいずれかの方法で蓄電量を算出することができ
る。
【0116】〈III.放電中である場合〉 (i)予め取得された蓄電量Qと放電電流Idと電池温度T
に対する正常な電池の電圧Vdの関係の、Vd(Q,Id,T)もし
くはQ(Vd,Id,T)から、蓄電量Qを算出する、(ii)算出
した電池の内部抵抗Rdと、予め取得された蓄電量Qと放
電電流Idと電池温度Tに対する正常な電池の内部抵抗の
関係のQ(Rd,Id,T)から蓄電量Qを求める、上記(i)、
(ii)のいずれかの方法で蓄電量を算出することができ
る。
【0117】内部抵抗増加の二次電池の充電時および充
電終了時の蓄電量の算出 前述の休止状態から充電し休止する操作から、短絡はな
く容量低下もなく内部抵抗が増大していると判定した時
は、増大した充電時の内部抵抗Rc'(Q,Ic,T)を求めた
後、充電時の開回路電圧と電池電圧、充電電流、内部抵
抗の関係の次式 Vc=Voc(Q)+Ic×Rc'(Q,Ic,T) から、充電時および充電終了時の蓄電量を算出すること
ができる。
【0118】内部抵抗増加の二次電池の放電時の蓄電量
の算出 前述の休止から放電し休止する操作、または定常放電中
の放電の変動の計測から、短絡はなく容量低下もなく内
部抵抗が増大していると判定した時は、増大した放電時
の内部抵抗Rd'(Q,Id,T)を前述の方法で求めた後、放電
時の開回路電圧Vocと電池電圧Vd、放電電流Id、内部抵
抗Rd'(Q,Id,T)の関係の次式 Vd=Voc(Q)−Id×Rd'(Q,Id,T) から、放電時の電池電圧Vdを蓄電量Qと放電電流Idと電
池温度Tの関数Vd=Vd'(Q,Id,T)として表せ、電池電圧
Vd、放電電流Id、電池温度Tの計測から放電時の蓄電量Q
を算出することができる。
【0119】蓄電容量の低下した二次電池の充電時およ
び充電終了後の蓄電量の算出 前述の休止状態から充電し休止する操作から、蓄電容量
が低下していると判定した時は、蓄電容量低下係数D(0
<D<1)を求めた後に、以下のように蓄電量を算出す
る。 〈I.内部抵抗は増大していない場合〉正常な電池である
として求めた蓄電量QをD倍したものを実際の蓄電量とす
る。また、充電終了時(満充電時)の蓄電容量は正常な
電池の公称容量のD倍であるとする。 〈II.内部抵抗が増大している場合〉増大した充電時の
内部抵抗Rc'(Q,Ic,T)を前述の方法で求めた後、開回路
電圧と充電時の電池電圧Vc、充電電流Ic、内部抵抗Rc'
(Q,Ic,T)の関係の次式 Vc=Voc(Q)+Ic×Rc'(Q,Ic,T) から、蓄電量Qを算出する。次いで、算出したQをD倍し
た蓄電量Q'=D×Qを実際の蓄電量とする。また、充電終
了時(満充電時)の蓄電容量C'としては正常の電池の蓄
電容量(あるいは公称容量)CをD倍したものとすること
ができる。
【0120】二次電池の公称容量もしくは使用初期の蓄
電容量をCとした場合、劣化後の電池の蓄電容量に関す
る性能をC'/Cもしくは100×C'/C〔%〕として算出す
ることもできる。そして、劣化後の電池の蓄電容量に関
する性能100×C'/C〔%〕が一例として60%未満にな
った時、二次電池が寿命であると判定することも可能で
ある。
【0121】蓄電容量の低下した二次電池の放電時の蓄
電量の算出 前述の休止から放電し休止する操作、または定常放電中
の放電の変動の計測から、蓄電容量が低下していると判
定された時は、 〈I.内部抵抗は増大していない場合〉蓄電容量低下係数
Dを求め、蓄電容量は正常な電池の蓄電量のD倍であると
する。 〈II.内部抵抗が増大している場合〉蓄電容量低下係数D
および増大した放電時の内部抵抗を関数式Rd'(Q,Id,T)
として求めた後、放電時の開回路電圧Voc(Q)と電池電圧
Vd、放電電流Id、内部抵抗Rd'(Q,Id,T)の関係の関係式V
d=Voc(Q)−Id×Rd'(Q,Id,T)から、放電時の電池電圧Vd
を見かけの蓄電量Qと放電電流Idと電池温度Tの関数Vd
Vd'(Q,Id,T)として表せ、電池電圧Vd、放電電流Id、電
池温度Tの計測から見かけの蓄電量Qを算出し、見かけの
蓄電量QをD倍した蓄電量Q'=D×Qを真の蓄電量として算
出することができる。
【0122】充電終了までの時間の算出 前述の方法で、二次電池が充電中に蓄電量Qを求めるこ
とによって、充電終了時の蓄電量に至るまでの時間を算
出することができる。
【0123】機器の使用できる二次電池の蓄電量(残
量)の算出 前述の方法で、二次電池が放電中にある時の蓄電量Qを
求めた後に、二次電池を電源に使用している機器が作動
する最低の電圧Vminになったときの二次電池の蓄電量Q
minを算出することによって、二次電池を電源にする機
器が使用できる二次電池の電気量すなわち残量(Q−Q
min)を算出することができる。
【0124】機器の作動時間の算出 前述の方法で、機器が使用できる電池の電気量すなわち
残量(Q−Qmin)を算出の後、機器の平均消費電流を
i、平均消費電力をpとする時、二次電池を電源にする
機器の作動時間hは、次式の h=(Q−Qmin)/i、もしくは h=(Vd+Vmin)×(Q−Qmin)/2/p で算出することができる。
【0125】上記平均消費電流の値もしくは平均消費電
力の値は、機器使用者の機器操作パターンおよび頻度か
ら算出するのがより好ましい。
【0126】二次電池の内部状態の検知方法適用可能な
二次電池 前述してきた本発明の二次電池の内部状態の検知方法
は、どのような二次電池にも適応可能であり、二次電池
の例としてはリチウム(イオン)電池、ニッケル−水素化
物電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電
池、鉛蓄電池、などが挙げられる。また、一次電池であ
っても、同一製品を用いて、予め、放電電気量と開回路
電圧の関係、放電電流と電池電圧と電池温度と放電電気
量との関係を計測したデータを取得しておけば、放電時
もしくは休止時の蓄電量を算出することも可能であり、
もちろん使用時の機器の使用できる一次電池の大まかな
電気量(残量)も算出することも可能である。
【0127】〔二次電池の内部状態検知装置〕本発明に
係る二次電池の内部状態検知装置は、少なくとも、二次
電池の端子間電圧を検出する手段と、二次電池を流れる
電流(充電または放電電流)を検出する手段と、二次電
池の温度を検出する手段と、予め求めた正常な電池の基
礎データもしくは該基礎データを数式化した関数式を記
憶する手段とを有し、かつ予め入力した正常な電池の基
礎データもしくは基礎データの関数式と、上記検出手段
から得られる情報から、二次電池の内部状態を検知する
装置である。
【0128】また、本発明に係る二次電池の内部状態検
知装置は、前記基礎データと前記検出手段から得られた
情報を加工する演算手段を有していることが好ましい。
前記演算手段が、次の、二次電池の現蓄電量を算出す
る手段、二次電池の内部抵抗を算出する手段、機器
が使用できる二次電池の蓄電量である残量を算出する手
段、平均消費電流の値もしくは平均消費電力の値を算
出する手段、充電終了までに要する時間を算出する手
段、充電終了後の二次電池の蓄電量を算出する手段、
の〜から選択される一種類以上の手段を有している
ことが好ましい。
【0129】さらに、本発明に係る二次電池の内部状態
検知装置は、二次電池が正常であるか劣化しているか、
劣化の前記モードを判定する手段を有することが好まし
い。
【0130】また、本発明に係る二次電池の内部状態検
知装置は、前記検出手段から得られる情報、および又は
前記二次電池の内部状態に関する情報を、出力する手段
や表示する手段を有していることが好ましい。
【0131】本発明に係る二次電池の内部状態検知装置
の構成例 本発明に係る、二次電池の劣化状態、蓄電容量、蓄電
量、内部抵抗で代表される内部状態の検知装置の回路構
成の一例を図29に示す。基本的には、二次電池を本装
置と接続する端子(2101)、二次電池の端子間電圧
を検出する電池電圧検出部(2102)、二次電池の温
度を検出する電池温度検出部(2103)、二次電池の
充電または放電電流を検出するところのセンス抵抗器
(2104)、増幅器(2105)、二次電池に充電ま
たは放電パルス電流を付加するところの抵抗器1(21
06)、抵抗器2(2107)、トランジスタ1(21
08)、トランジスタ2(2109)、制御部(211
0)から構成されている。
【0132】ここで端子(2101)は本発明に係る内
部状態検知方法を実施する対象の二次電池または(二次
電池を1個以上組み込んでパッケージ化された)電池パ
ックもしくは電池モジュール(以下、検知対象二次電池
という)と本装置とを容易かつ確実に電気的に接続する
ことが可能である。電池電圧検出部(2102)は、高
い入力インピーダンスで二次電池正負極間の端子間電圧
を検出し、この電圧情報は制御部(2110)に出力さ
れる。電池温度検出部(2103)は、例えばサーミス
タや熱電対により検知対象二次電池の温度を検出し、こ
の温度情報は制御部(2110)に出力される。二次電
池の充電または放電電流の検出は、センス抵抗器(21
04)により電流電圧変換されて電圧信号として増幅器
(2105)に入力し、この電圧情報は制御部(211
0)に出力される。抵抗器1(2106)、抵抗器2
(2107)、トランジスタ1(2108)、トランジ
スタ2(2109)からなるパルス電流付加部は、制御
部(2110)からの電圧信号波に応じた値で、端子
(2101)に接続された二次電池とセンス抵抗器(2
104)を含んだ系に電流を流すことができる。ここで
の電圧信号波とは、矩形波、階段状波、ノコギリ状波も
しくはこれらを2つ以上組み合わせた波形である。
【0133】制御部(2110)は内部あるいは外部に
メモリを有しており、端子(2101)に接続する、二
次電池に対応する正常な二次電池のデータテーブルまた
は近似曲線の関数式Voc(Q)、Vd(Q,Id,T)、Vc(Q,Ic,T)、
Rd(Q,Id,T)、Rc(Q,Ic,T)、があらかじめ入力されてい
る。ここでQは電池の蓄電量、Vocは電池の開回路電圧、
Tは電池の温度、Idは放電電流、Vdは放電時の電池電
圧、Icは充電電流、Vcは充電時の電池電圧、Rdは放電時
の電池の内部抵抗、Rcは充電時の電池の内部抵抗であ
る。
【0134】端子(2101)に接続する二次電池の温
度T、電流I、電圧Vの検出手段とパルス電流付加手段を
有している本装置は、すでに説明した前述の検知手順の
作業を行うことで、二次電池の内部状態の検知を行うこ
とができる。なお、本装置制御部は二次電池あるいは電
池パックの電圧、電流および電流の変化状態やその頻度
等をデータとして取り込むことによって、本装置および
二次電池あるいは電池パック(二次電池を1個以上組み
込んでパッケージ化されたもの)を接続する機器におい
て、その使用者の機器操作パターンや頻度を把握するこ
ともできる。そこで、把握した操作パターンや頻度をも
とに、本発明に基づき算出した二次電池の残量から、本
二次電池を接続する機器の作動時間を算出するに必要な
平均消費電流値を、現状に即した値に変更していくこと
で、より精度の高い残量検知が可能である。また、本装
置に、算出した電池の蓄電容量、電池残量、電池の蓄電
容量劣化率、電池の寿命判定、あるいは消費電力等の情
報表示機能を設けることで、使用者に対し明確に電池状
態を知らせることが可能となる。
【0135】図29で説明した本発明に係る二次電池の
内部状態検知装置の構成の一例は、単独の装置として、
二次電池と接続し所定の動作を行うことができる。この
時必要となる本装置用の電源は、図示していないが、外
部から供給する以外にも、接続する二次電池から、例え
ばレギュレータを介し、取り込むことも可能である。
【0136】図30は、本装置を二次電池(2111)
と組み合わせ、電池パックに内蔵した一例を示す回路構
成図である。電池パックのプラス端子(2112)、マ
イナス端子(2113)、充電用プラス端子(211
4)(充電用マイナス端子は前記マイナス端子を兼
用)、電池電圧モニタ出力端子(2115)、および接
続する機器との通信機能(2116)を有している。通
信機能を有することにより、本発明に係る二次電池の内
部状態検知装置を内蔵した電池パックは、接続する機器
に二次電池あるいは電池パックの蓄電量や寿命等の内部
の状態情報を知らせること、機器側から放電または充電
電流変動発生の情報を得ることが可能となる。必要に応
じ、図29で説明した動作とあわせ、本装置制御部に、
電池パックに搭載する二次電池の過充電(2117)や
過放電(2118)の保護のための制御を行わせること
もできる。
【0137】また、本装置を二次電池または電池パック
の充電器に内蔵することができ、その場合、対象となる
二次電池または電池パックをセットし、充電を開始する
前や充電中に電池の蓄電量を認識することができる。そ
れにより満充電に要する残り時間を把握し、表示や情報
として外部に知らせることができる。電池の劣化状態や
寿命に関しても同様に外部に知らせることができる。
【0138】さらに本装置は、二次電池を使用する機器
に内蔵することも可能である。この場合、機器について
は、わずかな変更で接続する二次電池あるいは電池パッ
クの残量および寿命に代表される内部状態を知ることが
可能となる。また、本装置制御部機能を機器本体に既存
の制御部に盛り込み、本発明に係る二次電池の内部状態
検知装置専用の制御部を省くこともできる。
【0139】なお、本装置での二次電池の温度T、電流
I、電圧Vの各検出手段と、制御部との間に、直列または
並列に検出信号波形処理部を設けることも有効である。
すなわち、例えば温度T、電流Iの各検出手段の出力に、
制御部と並列に微分器を設け、各情報信号の変化を検出
し、その情報を制御部に通知することで、制御部は温度
T、電流Iを常時監視することなく、これらの変動を検知
することができるので、制御部の負荷の軽減を図ること
ができる。また、例えば電圧Vの検出手段と制御部間に
直列に積分器を設け、制御部で行う信号処理の一部を事
前に行うことでも、制御部の負荷の軽減を図ることがで
きる。
【0140】以上説明した本発明に係る二次電池の内部
状態検知装置の例では、接続もしくは一体とする二次電
池に対応するデータテーブルまたは近似曲線の関数式Vo
c(Q)、Vd(Q,Id,T)、Vc(Q,Ic,T)、Rd(Q,Id,T)、Rc(Q,Ic,
T)をあらかじめ本装置制御部のメモリに入力しておかな
ければならない。すなわち、データテーブルまたは近似
曲線の関数式Voc(Q)、Vd(Q,Id,T)、Vc(Q,Ic,T)、Rd(Q,I
d,T)、Rc(Q,Ic,T)が入力してある二次電池にのみ適応で
きると言うことである。しかし本装置は必要に応じ以下
に示す機能を持たせることで、多種の二次電池に適応可
能とすることができる。すなわち、装置制御部にあらか
じめ複種類の二次電池と同一の種類および型式の正常な
電池の特性のデータテーブルまたは近似曲線の関数式で
ある、Voc(Q)、Vd(Q,Id,T)、Vc(Q,Ic,T)、Rd(Q,Id,T)、
Rc(Q,Ic,T)をそれぞれ入力しておく。その上で、本装置
に適応する二次電池のタイプを選択する手段を設けるこ
とで可能となる。ここでの二次電池のタイプ選択手段
は、例えばスイッチ入力、有線もしくは無線の電気信号
や光信号等での入力、また適応する二次電池もしくは電
池パックが外部との通信機能を有する場合、本装置制御
部に通信機能を持たせ、該二次電池もしくは電池パック
からの情報より認識することもできる。
【0141】先の実施形態では、二次電池を本装置と接
続する端子(2101)、二次電池の端子間電圧を検出
する電池電圧検出部(2102)、二次電池の温度を検
出する電池温度検出部(2103)、二次電池の充電ま
たは放電電流を検出するところのセンス抵抗器(210
4)、増幅器(2105)がそれぞれ1つの場合で説明
したが、本発明の二次電池の内部状態検知装置は、これ
に限定されるものではない。
【0142】さらに本発明に係る装置の別の例を図31
を用いて説明する。図31は本発明に係る二次電池の内
部状態の検知装置の回路構成の一例を示すものである。
基本的にはn個の二次電池を本装置と接続する端子(2
301aから2301n)、n個の二次電池の端子間電圧
を検出する電池電圧検出部(2302aから2302
n)、n個の二次電池の温度を検出する電池温度検出部
(2303aから2303n)、二次電池の充電または
放電電流を検出するところのセンス抵抗器(230
4)、増幅器(2305)、二次電池に充電または放電
パルス電流を付加するところの抵抗器1(2306)、
抵抗器2(2307)、トランジスタ1(2308)、
トランジスタ2(2309)、制御部(2310)から
構成されている。
【0143】ここでn個の端子(2301aから2301
n)は検知対象のn個の二次電池と本装置とを容易かつ
確実に電気的に接続することが可能である。n個の電池
電圧検出部(2302aから2302n)は、高い入力
インピーダンスでそれぞれ対応する二次電池の正負極間
の端子間電圧を検出し、この電圧情報はそれぞれ制御部
(2310)に出力される。n個の電池温度検出部(2
303aから2303n)は、検知対象のn個の二次電池
の温度をそれぞれ検出し、この温度情報はそれぞれ制御
部(2310)に出力される。二次電池または電池パッ
クの充電または放電電流の検出を行うセンス抵抗器(2
304)、増幅器(2305)と、パルス電流の付加を
行う抵抗器1(2306)、抵抗器2(2307)、ト
ランジスタ1(2308)、トランジスタ2(230
9)、および制御部(2310)は図29での説明と同
様である。
【0144】制御部(2310)は内部あるいは外部に
メモリを有しており、n個の端子(2301aから230
1n)に接続する二次電池と同一の種類および型式の正
常な電池の特性のデータテーブルまたは近似曲線の関数
式である、Voc(Q)、Vd(Q,I d,T)、Vc(Q,Ic,T)、Rd(Q,Id,
T)、Rc(Q,Ic,T)があらかじめ入力されている。ここでQ
は電池の蓄電量、Vocは電池の開回路電圧、Tは電池の温
度、Idは放電電流、V dは放電時の電池電圧、Icは充電電
流、Vcは充電時の電池電圧、Rdは放電時の電池の内部抵
抗、Rcは充電時の電池の内部抵抗である。
【0145】n個の端子(2301aから2301n)に
接続するそれぞれの二次電池の温度T、電流I、電圧Vの
検出手段とパルス電流付加手段を有している本装置は、
すでに説明した二次電池の内部状態を検知する手順の作
業を行うことで、それぞれの二次電池の劣化状態、蓄電
容量、蓄電量、内部抵抗で代表される内部状態の検知を
行うことができる。
【0146】ここで、検知対象のn個の二次電池の温度
をそれぞれ検出するため、n個の電池温度検出部(23
03aから2303n)を設けたが、必ずしも必要とは
しない。対象のn個の二次電池がほぼ同じ環境に設置さ
れている場合、いくつかの電池温度検出部を設け、この
温度情報を共用することができる。また本例では、n個
の電池電圧検出部(2302aから2302n)によ
り、それぞれ対応する二次電池の正負極間の端子間電圧
を検出し、この電圧情報をそれぞれ制御部(2310)
に出力しているが、n個の電池電圧検出部の出力を回線
切替器、例えばマルチプレクサに入力し、制御部(23
10)の指令により、任意の二次電池または電池パック
の電圧情報のみを、制御部(2310)に出力すること
もできる。
【0147】また本例では、n個の二次電池が直列に接
続された例で説明したが、n×m個の二次電池が直並列に
接続されている、すなわちn個の二次電池が直列に接続
され1本のストリングスを形成しm本のストリングスが
並列接続されている場合は、それぞれのストリングに二
次電池の充電または放電電流の検出部を設けることで対
応できる。この場合もm個の電流検出部出力は、それぞ
れセンス抵抗器により電流電圧変換された電圧信号であ
るため、回線切替器、例えばマルチプレクサに入力し、
制御部(2310)の指令により、任意のストリングの
電流値情報のみを、制御部(2310)に出力すること
もできる。
【0148】(演算プログラムを収めたメモリ媒体)以
上説明した二次電池の内部状態の検知装置は、基本的に
二次電池の温度T、電流I、電圧Vの検出手段と、必要に
応じパルス電流付加手段を有し、対応する二次電池と同
一の種類および型式の正常な電池の特性のデータテーブ
ルまたは近似曲線の関数式、Voc(Q)、Vd(Q,Id,T)、V
c(Q,Ic,T)、Rd(Q,Id,T)、Rc(Q,Ic,T)、(ここでQは電池
の蓄電量、Vocは電池の開回路電圧、Tは電池の温度、Id
は放電電流、Vdは放電時の電池電圧、Icは充電電流、Vc
は充電時の電池電圧、Rdは放電時の電池の内部抵抗、Rc
は充電時の電池の内部抵抗)を予め取得した上で、測定
した温度T、電流I、電圧Vの情報をもとに演算する機能
を有することに特徴がある。そのため本発明を実施する
際に必須となるハード的手段がすでに備わっている装置
では、本発明を実施する制御プログラムおよび対応する
二次電池のデータテーブルまたは近似曲線の関数式、Vo
c(Q)、Vd(Q,Id,T)、Vc(Q,Ic,T)、Rd(Q,Id,T)、Rc(Q,Ic,
T)を入力することで、本発明の実施が可能となる。従っ
てこの制御プログラムを収めたメモリ媒体が、本発明の
実施形態の一つである。以後詳細に説明する。
【0149】例えば二次電池を接続している携帯型パー
ソナルコンピュータでは、一般的に本体の動作を主に司
る主制御部と、周辺機器とのやりとりを主に司る副制御
部をそれぞれ有している。副制御部では、多くの場合、
搭載もしくは接続している二次電池(もしくは電池パッ
ク)の、端子間電圧、二次電池温度および二次電池が接
続された系内を流れる電流の状態を監視している。上記
監視情報を取得する副制御部に、本発明の制御プログラ
ムおよび対応する二次電池のデータテーブルまたは近似
曲線の関数式、Voc(Q)、Vd(Q,Id,T)、Vc(Q,Ic,T)、R
d(Q,Id,T)、Rc(Q,I c,T)を入力することで、二次電池の
内部状態の検知が可能となる。もちろん、主制御部に入
力しても構わない。上記携帯型パーソナルコンピュータ
では、パルス電流付加手段を有していないが、使用中
の、例えばハードディスクや各種周辺機器にアクセスす
る際には、装置消費電流が変化し、二次電池の放電電流
が変動する。この時の放電電流の変動は、二次電池の内
部状態を検知するためのパルス電流付加手段によって放
電電流を変動させた場合に相当すると見なせる。上記ハ
ードディスクや各種周辺機器へのアクセスは、主あるい
は副制御部の指令により行われるのであるから、本発明
の制御プログラムが入力されている副制御部あるいは主
制御部には、事前にハードディスクや各種周辺機器への
アクセスというイベントが発生することが認識できる。
二次電池を接続している装置でのこのような二次電池の
放電電流の変動は、携帯型パーソナルコンピュータ特有
のものではなく、例えば携帯電話での待機時と送信時の
変化、ビデオカメラの光学ズーム動作時、デジタルカメ
ラ等でのフラッシュ動作時、等に生じる。したがって、
このような機器の消費電流の変動を捕らえて、二次電池
の放電電流の変動を検出し、二次電池の劣化状態、蓄電
容量、蓄電量、内部抵抗で代表される内部状態の検知を
行うことができる。また、これらの二次電池の内部状態
の情報は、本発明を適応する機器の既存部に表示するこ
とも可能である。
【0150】〔二次電池の内部状態検知方法および装置
の応用機器〕前述してきたように、本発明の二次電池の
内部状態検知方法は、二次電池の種別に限定されること
なく、二次電池が充電状態であれ、放電状態であれ、充
電も放電もしていない休止状態であれ、劣化して蓄電容
量の低下や内部抵抗の増加がもたらされた電池であって
も、精度良く蓄電量を算出することができるため、二次
電池を電源として使用する機器においては、機器の作動
時間を精度良く割り出すことができるし、寿命となった
電池の交換時期までわかる。そのため、本発明の二次電
池の内部状態検知方法を使用した二次電池の内部状態検
知装置を、二次電池を電源とする機器に搭載すること
で、機器と機器に搭載している二次電池の性能を最大限
に引き出すことが可能になる。
【0151】本発明の二次電池の内部状態検知装置を付
加して性能が最大限引き出される機器の例としては、情
報通信機能を有する携帯電話や情報端末、コンピュー
タ、電気自動車やハイブリッド型自動車などの二次電池
を電源とする乗り物、が挙げられる。本発明の二次電池
の内部状態検知装置を付加した、電池パック(単数個が
パッケージ化されたもの、または複数個の二次電池が直
列もしくは並列に接合されてパッケージ化されたもの)
や充電器も応用例として挙げられる。上記電池パックに
は二次電池の内部状態の情報を機器とやりとりする通信
機能を持たせても良い。
【0152】その他の本発明の二次電池の内部状態検知
装置を付加して機能が高まる装置やシステムとしては、
製造した二次電池が良品であるか不良品であるか検査す
る機械、電力貯蔵システムが挙げられる。
【0153】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 〔二次電池の特性の基礎データの取得例〕本発明で用い
る二次電池の蓄電量(または放電可能容量)Qに対する
開回路電圧Voc(Q)の関係のデータもしくは数式、および
二次電池の電池温度T、接続された系内を流れる電流I、
蓄電量Qに対する電池電圧V(Q,I,T)、内部抵抗R(Q,I,T)
の関係のデータもしくは関数式を取得する方法の一例を
図32〜34を参照して説明する。
【0154】図32は、サイズが直径17mm高さ67mm
で公称容量が1300mAhの市販のリチウムイオン二次
電池において、次の条件で充電と放電を行った場合の充
放電特性を示す図であり、横軸は時間、縦軸は電池電圧
である。図32において、本二次電池は温度25℃に
て、最大充電電圧を4.2Vとして、充電電流1Aでの定
電流充電後、4.2Vに達した時点で定電圧充電に切り
替え、充電開始から2.5時間で充電を終了する定電流
−定電圧充電方法を採用し充電した。充電完了後、休止
時間を設けた上で、放電を行った。放電は、0.2C
(5時間率)の電流で15分放電(本二次電池公称電気
容量の約5%の電気量の放電)後、休止させるという間
欠放電動作を、電池電圧が事前に設定しているカットオ
フ電圧(2.75V)に達するまで繰り返した。
【0155】図33は、図32で得られた放電時のデー
タの積算放電量に対する放電時の電池電圧および放電休
止時の電池電圧および開回路電圧の関係を示したもので
ある。図33において、点線で示しているのは、間欠放
電後の休止時の電池電圧(開回路電圧)をトレースした
もので、実線で示してあるのが放電時の電池電圧を示
し、角(つの)の部分は放電を停止して休止に入った時
点を表している。上記積算放電量は、二次電池の蓄電容
量もしくは公称容量から、放電可能な電気量(すなわち
蓄電量)を減じた電気量を表すものである。したがっ
て、図33は、蓄電量Qに対する、開回路電圧Voc(点線
の曲線)と放電時の電池電圧Vd(実線の曲線)の関係を
示すものである。さらに、上記放電レート以外の放電レ
ート(例えば0.1C、0.5C、1.0C、2.0C)や1回の間欠で
の放電量を変化させて同様の計測を行ない、上記放電カ
ットオフ電圧に達した時の蓄電量が異なるのみで、蓄電
量Qに対する開回路電圧Vocの関係に違いがないことを確
認した。本実施例では、この様にして得られたカーブか
ら、離散的データとして任意の蓄電量に対する開回路電
圧をそれぞれ読み取り、蓄電量Qに対する開回路電圧Voc
の関係のデータベース(データテーブル)を作成、ある
いは近似曲線の関数式Voc(Q)を求めるという作業を事前
に行った。
【0156】図34は、図32で示したのと同じリチウ
ムイオン二次電池の放電電流をパラメータ(0.1C、0.2
C、0.5C、1.0C、1.5C、2.0C)とした、温度25℃での
放電特性を示す図であり、横軸は積算放電量、縦軸は電
池電圧である。上記積算放電量は、二次電池の蓄電容量
もしくは公称容量から、放電可能な電気量(すなわち蓄
電量)を減じた電気量を表すものである。図34におい
て、各電流で放電を行う前には全て温度25℃にて、最
大充電電圧を4.2Vとして、1Aでの定電流充電で4.
2Vに到達の後、定電圧充電に切り換え、充電開始から
2.5時間行うことで満充電とした後、充分な休止時間
の後に放電を開始した。
【0157】それぞれの放電電流でのカーブを近似曲線
の関数として表わし、本二次電池を搭載する機器の動作
環境である各種温度T(-20℃、-10℃、0℃、40℃、50
℃)にて同様に放電データを取得した。この様にして得
られたカーブから、離散的データとして任意の蓄電量に
対する電池電圧、内部抵抗をそれぞれ読み取り、蓄電量
Qに対する放電時の、電池電圧Vd、内部抵抗Rdの関係の
データベース(データテーブル)を作成、あるいは近似
曲線の関数式Vd(Q,Id,T)、Rd(Q,Id,T)を求めるという作
業を事前に行った。
【0158】表1には、上記操作等で得られた、サイズ
が直径17mm高さ67mmで公称容量が1300mAhの市
販のリチウムイオン二次電池のデータテーブルの一例と
して、蓄電量Q〔Ah〕に対する開回路電圧Voc、および電
池温度25℃での各種定電流Id(=0.13A、0.26A、0.65
A、1.3A、1.95A、2.6A)での放電時の電池電圧Vd〔V〕
の関係を示した。
【0159】
【表1】
【0160】蓄電量もしくは積算放電量の関数である開
回路電圧 また、開回路電圧Vocは蓄電量Qのみで決まる関数と見な
せるので、上記データテーブルの代わりに、開回路電圧
Vocは例えば、以下のように蓄電量Qの関数として表すこ
ともできる。 Voc(Q)=Pn×Qn+Pn-1×Qn-1+Pn-2×Qn-2+・・・+P1
×Q1+P0×Q0 ここで、PnからP0は、二次電池の種類、型式、公称容量
等によって異なる定数である。
【0161】実際に蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)
の近似曲線の関数式を表した一例を以下に示す。二次電
池の蓄電容量(公称容量)をC、ある時点の蓄電量をQとす
ると、積算放電量は(C−Q)と表せる。本例では、開回
路電圧Vocを積算放電量(C−Q)の12次の多項式と仮
定し、サイズが直径17mm高さ67mmで公称容量が13
00mAhの市販のリチウムイオン二次電池について、積
算放電量(C−Q)と開回路電圧Vocに関する取得した基
礎データを元に、蓄電量Qに対する開回路電圧Vocの関数
式を算出した。ここでCの値は、本二次電池の公称容量
(1.3Ah)であり、蓄電量Qのとりうる範囲は、0≦Q≦
Cとする。算出した蓄電量Qに対する開回路電圧Vocの関
数式は以下の通りである。
【0162】Voc(Q)=−661.900042980173225×(C−Q)
12+4678.290484010105502×(C−Q)1 1−14335.21335398
782685×(C−Q)10+24914.67028729754384×(C−Q)9−2
6969.20124879933792×(C−Q)8+18786.93847206758073
×(C−Q)7−8401.942857432433812×(C−Q)6+2331.619
009308063141×(C−Q)5−370.18004193870911×(C−Q) 4
+26.914989189437676×(C−Q)3+0.445460210498741×
(C−Q)2−0.883133725562348×(C−Q)+4.188863096991
684
【0163】蓄電量もしくは積算放電量の関数である内
部抵抗 放電時の電流Id、開回路電圧Voc、電池電圧Vd、内部抵
抗Rdとの関係は、Vd=Voc−Id×Rdと表せ、充電時の電
流Ic、開回路電圧Voc、電池電圧Vc、内部抵抗Rcとの関
係は、Vc=Voc+Ic×Rcと表せる。さらに、上記内部抵
抗は電池温度の関数でもある。そのため、蓄電量Qに対
する、電池電圧の関係、内部抵抗の関係は、それぞれ、
蓄電量Qと電流Iと電池温度Tの関数のV(Q,I,T)、R(Q,I,
T)の近似曲線として表すことができる。
【0164】二次電池の、電池温度をT、放電電流をI、
蓄電容量(公称容量)をC、ある時点の蓄電量をQとする
と、積算放電量は(C−Q)と表せるので、放電時の蓄電
量Qに対する内部抵抗Rd(Q,I,T)の関係式は、例えば蓄電
量もしくは放電量に関するn次の関数式として、以下の
ように表すことができる。蓄電量Qの取り得る範囲は、0
≦Q≦Cとする。 Rd(Q,I,T)=Fn×(C-Q)n+Fn-1×(C-Q)n-1+Fn-2×(C-Q)
n-2+・・・+F1×(C-Q) 1+F0×(C-Q)0 ここで、FnからF0は、例えばFn=Gn(T)×Hn(I)やFn=G
n(T)+Hn(I)の関数式として表すことができ、Gn(T)は電
池温度Tの関数、Hn(I)は電流Iの関数である。
【0165】あるいは、FnからF0は、 Fn=Kn・m×Im+Kn・m-1×Im-1+Kn・m-2×Im-2+・・
・+Kn・1×I1+Kn・0×I 0 Fn-1=Kn-1・m×Im+Kn-1・m-1×Im-1+Kn-1・m-2×I
m-2+・・・+Kn-1・1×I1+Kn-1・0×I0 …… F0=K0・m×Im+K0・m-1×Im-1+K0・m-2×Im-2+・・
・+K0・1×I1+K0・0×I 0 とした上で、さらにKn・mからKn・0、 Kn-1・mからK
n-1・0、・・・、K0・mからK0・0をそれぞれTの関数式
として、表すこともできる。
【0166】上記関数式を求めた実例として、サイズが
直径17mm高さ67mmで公称容量が1300mAhの市販
のリチウムイオン二次電池について、積算放電量もしく
は蓄電量、放電電流、電池温度、に対する内部抵抗の基
礎データを得た後、Rd(Q,I,T)の近似曲線の関数式で表
した一例を以下に示す。本例では、まず内部抵抗Rdを積
算放電量(C−Q)の12次の多項式で表せると仮定し
て、内部抵抗の基礎データにフィッティングするように
関数式を算出した。上記Cの値は、本二次電池の公称容
量(1.3Ah)である。算出できた放電時の内部抵抗Rd(Q,
I,T)の関数式は以下の通りとなった。 Rd(Q,I,T)=F12×(C-Q)12+F11×(C-Q)11+F10×(C-Q)
10+・・・+F1×(C-Q)1+F0×(C-Q)0 ここで、各係数F12からF0はそれぞれ、電流値Iの5次の
多項式で表せた。 F12=K12・5×I5+K12・4×I4+K12・3×I3+K12・2×I
2+K12・1×I1+K12・0×I0 F11=K11・5×I5+K11・4×I4+K11・3×I3+K11・2×I
2+K11・1×I1+K11・0×I0 …… F0=K0・5×I5+K0・4×I4+K0・3×I3+K0・2×I2+K
0・1×I1+K0・0×I0
【0167】さらにK0・0からK12・5までの各係数は以
下に示す電池温度Tの4次の多項式で表せた。 K0・0=0.0000003728422193×T4−0.0004690399886317
×T3+0.219630909372119×T2−45.393541420206056×T
+3495 K1・0=−0.0000179118075830736×T4+0.019047317301
656×T3−7.507153217164846×T2+1295.9001280658558
24×T−82320.66124016915274 K2・0=0.0008393300954506×T4−0.925251141189932×
T3+380.532287220051614×T2−69147.14363160646462
×T + 4 K3・0=−0.017185353004619×T4+19.234599304257944
×T3−8046.433143414219558×T2+1490563.7337557522
11×T−103127364.48805916309 K4・0=0.169551698762352×T4−190.999908140883917
×T3+80470.07880103871866×T2−15024311.891180366
28×T+1.048650819771948e+9 K5・0=−0.955959118340144×T4+1080.7455977585545
95×T3−457103.8624067021883×T2+85709740.9530961
6626×T−6.01059936858493e+9 K6・0=3.375841083746783×T4−3825.451933311166158
×T3+1622083.712826749077×T2−304991211.39405012
13×T+2.145317715502894e+10 K7・0=−7.810843719833634×T4+8866.1835840530511
63×T3−3766345.644136840012×T2+709567942.120452
2848×T−5.001923236648273e+10 K8・0=12.033631252687844×T4−13677.6482444004359
4×T3+5818483.242671614513×T2−1.097858196917345
e+9×T+7.751905044076741e+10 K9・0=−12.238187331253075×T4+13925.33526539518
061×T3−5930710.459638201632×T2+1.1204217610575
57e+9×T−7.921808331037033e+10 K10・0=7.893435909900529×T4−8989.98957545310077
×T3+3832542.024125073105×T2−724796162.16516637
8×T+5.130331180844828e+10 K11・0=−2.925896962983863×T4+3335.077681152527
475×T3−1423000.113370831124×T2+269356095.28033
71549×T−1.908424205759282e+10 K12・0=0.474786593515207×T4−541.575826871208278
×T3+231252.3383636772924×T2−43807985.500712536
28×T+3.106470547152108e+9 K0・1=0.000002810514762×T4−0.002898202547079×T
3+1.105541936798752×T2−184.521855864246987×T
+ 11343 K1・1=0.000551705428643872×T4−0.618741510687609
×T3+259.586933909031927×T2−48283.8549389851905
3×T+3359573.6900693262 K2・1=−0.0195475060621×T4+22.088617721865582×
T3−9341.226422357953197×T2+1752157.602624612628
×T−122996540.8737580031 K3・1=0.325763020172631×T4−369.724916377202248
×T3+157069.7521357303194×T2−29601894.084273174
4×T+2.088209856891993e+9 K4・1=−2.908705926352533×T4+3309.4937167940206
56×T3−1409607.063310474623×T2 + 266370644.6106
990278×T−1.884257213245936e+10 K5・1=15.522568640313624×T4−17689.339928652651
×T3+7546667.398559059016×T2−1.428474185012642e
+9×T+1.012224248948845e+11 K6・1=−52.917599424765683×T4+60369.46012100671
942×T3−25783514.46398825198×T2+4.8860035469766
3e+9×T−3.46629897478479e+11 K7・1=119.343894918586244×T4−136256.58893872058
25×T3 + 58241129.37237557024×T2−1.104580399434
835e+10×T + 7.84285673315848e+11 K8・1=−180.13279743136772×T4+205783.2935366885
795×T3−88013024.84585164488×T2+1.6702622655345
91e+10×T−1.186691748976397e+12 K9・1=179.977612805760856×T4−205704.71388832293
45×T3+88022247.56138792634×T2−1.67126566316023
1e+10×T+1.188005733152792e+12 K10・1=−114.22103353999718×T4+130600.762092854
8568×T3−55907464.3364872858×T2+1.0619439986710
68e+10×T−7.551911324552615e+11 K11・1=41.695827710871889×T4−47691.582289968006
08×T3+20422870.60793861002×T2−3.88062643547476
1e+9×T+2.760661086077543e+11 K12・1=−6.666496484950264×T4 + 7627.4277081156
24228×T3−3267274.46735554561×T2+621019135.6699
528694×T−4.419293458561603e+10 K0・2=−0.0000149877533689156×T4+0.016264765981
062×T3−6.586433677933296×T2+1179.6301276941385
37×T−78854.88604895926256 K1・2=−0.001671225994427×T4+1.877401817058471
×T3−789.07213084094451×T2+147061.7484517464472
×T−10255014.040370674804 K2・2=0.050857806024981×T4−57.421146649059438×
T3+24263.23108479666916×T2−4547478.023707655258
×T+318979066.9375175238 K3・2=−0.767138695737053×T4+869.50158944251495
5×T3−368895.5433750267257×T2+69431079.11021871
865×T−4.891503969447994e+9 K4・2=6.458605207522703×T4−7339.346130055530012
×T3+3122145.968177304138×T2−589259323.27268362
04×T+4.163276005699007e+10 K5・2=−33.210693487729266×T4+37806.52151914418
209×T3−16112231.32226052508×T2+3.0466671024854
37e+9×T−2.156707719286414e+11 K6・2=110.41654910551955×T4−125855.359719541549
6×T3+53705964.79313132912×T2−1.0168738968952e
+10×T+7.208109075952678e+11 K7・2=−244.609733706370236×T4+279071.985944766
2602×T3−119200855.458073914×T2+2.2591456513053
48e+10×T−1.602974000459222e+12 K8・2=364.280446611480329×T4−415899.73787416995
04×T3+177773139.5446700454×T2−3.37170978830763
e+10×T+2.394178279874176e+12 K9・2=−360.133009104473672×T4+411398.578550930
8916×T3−175950132.9841732085×T2+3.339073499857
018e+10×T−2.372399659849292e+12 K10・2=226.571828904114568×T4−258946.2668825854
489×T3+110800467.2156397104×T2−2.1037062187353
03e+10×T+1.495396594538536e+12 K11・2=−82.097460356641946×T4 + 93865.67427578
115894×T3−40180264.4568978697×T2+7.63188399153
4069e+9×T−5.427255754183317e+11 K12・2=13.041315019963541×T4−14915.891227394542
51×T3+6387139.428232744336×T2−1.21360588738028
4e+9×T+8.633362065024582e+10 K0・3=0.0000251678427397413×T4−0.02774941756764
6×T3+11.431003896028034×T2−2085.15997844495950
6×T+142128.8166474564059 K1・3=0.001751449385998×T4−1.965532828562073×T
3+825.198818901071149×T2−153608.5966555425257×
T+10697382.97613775916 K2・3=−0.045992909613442×T4+51.765049403509529
×T3−21800.6951406261469×T2+4071656.86769069451
8×T−284551801.1211410761 K3・3=0.609139955562425×T4−687.607714664136665
×T3+290488.4805661713472×T2−54432601.203375428
92×T+3.817251073175302e+9 K4・3=−4.654946445586634×T4+5267.5150106809996
94×T3−2231088.309676257428×T2+419202946.595656
3354×T−2.948124603910822e+10 K5・3=22.286869517195672×T4−25270.0546774793692
8×T3+10725593.31009998918×T2−2.019626285390959
e+9×T+1.423544581998099e+11 K6・3=−70.273845850297775×T4+79808.32413277083
833×T3−33930159.44685647637×T2+6.4000541810178
41e+9×T−4.51914538369342e+11 K7・3=149.601386715460876×T4−170118.39034500485
29×T3+72421280.32549875974×T2−1.36791112442120
2e+10×T+9.672544733460782e+11 K8・3=−216.080536475273817×T4+245972.965744795
074×T3−104825836.75099624693×T2+1.982151737409
837e+10×T−1.403160810753543e+12 K9・3=208.528016714157587×T4−237582.05180418406
96×T3+101339354.76017145813×T2−1.9179502289465
29e+10×T+1.358957382793612e+12 K10・3=−128.648630272366432×T4+146680.94689830
50902×T3−62612523.06659654528×T2+1.18590019190
9874e+10×T−8.409099766116382e+11 K11・3=45.862214041144405×T4−52323.818265144771
43×T3+22349358.16426483542×T2−4.23578019408004
4e+9×T+3.005522361710247e+11 K12・3=−7.185307946068086×T4+8202.238421019834
277×T3−3505436.076118038502×T2+664747740.96196
7349×T−4.719465114689993e+10 K0・4=−0.0000192255394011085×T4+0.021451855148
696×T3−8.949177062086774×T2+1654.3414246248546
53×T−114347.8315392331278 K1・4=−0.000816454884929378×T4+0.9159633702355
89×T3−384.394885101222144×T2+71516.78036990862
165×T−4977237.941760426387 K2・4=0.018665516848548×T4−20.945499132537545×
T3+8792.787151743495997×T2−1636507.520356033929
×T+113940643.510729596 K3・4=−0.208551404290907×T4+234.06425274610305
1×T3−98280.91590542987979×T2+18297020.93438888
714×T−1.274317674892173e+9 K4・4=1.339574048511812×T4−1503.615180965887021
×T3+631459.032932954724×T2−117585216.071309596
3×T+8.191520568488794e+9 K5・4=−5.41634189133107×T4+6080.27957220633197
7×T3−2553905.465719996486×T2+475671351.9166372
418×T−3.314607225791437e+10 K6・4=14.554042749470186×T4−16340.3533193096936
9×T3+6864766.807159300894×T2−1.278884505325829
e+9×T+8.91410026807912e+10 K7・4=−26.702810592234627×T4+29985.37313494967
748×T3−12599908.78297643736×T2+2.3479234492557
32e+9×T−1.637030338813723e+11 K8・4=33.616003692593779×T4−37755.7951981693113
4×T3+15868689.48295781203×T2−2.957814271722582
e+9×T+2.062859919415767e+11 K9・4=−28.549327238622432×T4+32071.84076537256
988×T3−13482853.98914256319×T2+2.5137512989737
01e+9×T−1.753644153967844e+11 K10・4=15.615889964970963×T4−17546.343094755506
17×T3+7378066.55368669983×T2−1.375903085110361
e+9×T+9.601048284484978e+10 K11・4=−4.961400910069002×T4+5575.897482064596
261×T3−2345115.56629166659×T2 + 437428445.0894
15431×T−3.053090860965102e+10 K12・4=0.695014380923983×T4−781.253406883600064
×T3+328646.8735752489884×T2−61314347.826393604
28×T + 4.280426730538583e+9 K0・5=0.0000055685857458958×T4−0.00626994390377
8×T3+2.640726168426087×T2−493.072682310015125
×T+34439.01298486242012 K1・5=0.000161459388938338×T4−0.181685886575457
×T3+76.48491361543168×T2−14275.91988238808517
×T+996832.7974418463418 K2・5=−0.003644982089995×T4+4.101798825788432
×T3−1726.917806184043457×T2+322373.24708817689
68×T−22513770.08513562009 K3・5=0.040176201294742×T4−45.2111990768366×T3
+19035.3292236953348×T2−3553687.279590429272×T
+248205168.0678731203 K4・5=−0.252724149200711×T4+284.36408897860786
7×T3−119717.74444384659×T2+22349178.4934873431
9×T−1.5609506067017e+9 K5・5=0.99321211747314×T4−1117.34604256486864×
T3+470334.9616640359164×T2−87793226.38023105264
×T+6.13128593721498e+9 K6・5=−2.577149995346287×T4+2898.5680180642266
35×T3−1219882.472908790689×T2+227667403.110611
9156×T−1.589763369995698e+10 K7・5=4.546336695206962×T4−5112.045211581619696
×T3+2150963.609311953653×T2−401358455.53498786
69×T+2.802150292308567e+10 K8・5=−5.493312202741592×T4+6175.2739520808454
47×T3−2597737.064942202996×T2+484624717.211421
0725×T−3.382866307244066e+10 K9・5=4.479715688077147×T4−5034.625069146578426
×T3+2117431.804731178563×T2−394939977.47444033
62×T+2.756315841920568e+10 K10・5=−2.35745032434141×T4+2648.8915921856250
86×T3−1113825.013085700106×T2+207708652.591989
0404×T−1.449351552776621e+10 K11・5=0.722700953370907×T4−811.891530954773657
×T3+341327.5026830868446×T2−63640350.161885716
02×T+4.439957102906778e+9 K12・5=−0.098012110608512×T4+110.0907530503168
49×T3−46276.03871921345126×T2+8626818.39534062
1472×T−601771718.735604167
【0168】上記式において定数項のe+9、e+10、e+1
1、e+12はそれぞれ×109、×1010、×1011、×1012を示
す。以上本例においては、内部抵抗Rd(Q,I,T)の近似曲
線の関数式を、蓄電量Qの12次の多項式、次に各次係
数をそれぞれ電流値Iの5次の多項式、さらにそれぞれ
の係数を電池温度Tの4次の多項式という順で表してい
るが、本発明においては、これらの多項式の次数および
順序に限定されるものではない。また、前述の二次電池
の基礎データを表す関数式がn次の多項式に限定される
ものでもない。
【0169】二次電池の蓄電量の検知 (実施例1)市販の直径17mm高さ67mmの公称容量1
300mAhの市販のリチウムイオン二次電池を3本用意
し、図3のフローチャートの判定部分を用いて、3本す
べてが正常であることを確認した。次に、3本とも、定
電流充電時の電流値を0.7C、定電圧充電時の電圧を
4.2Vに設定した定電流−定電圧充電方法で、3時間
充電した後、0.2C(260mA)の電流で、それぞ
れ公称容量の20%、50%、80%放電し、蓄電量が
それぞれ80%、50%、20%である電池をサンプル
1、サンプル2、サンプル3として用意した。また、上
記サンプルと同じ正常であると確認した市販の直径17
mm高さ67mmの公称容量1300mAhのリチウムイオン
二次電池の充放電から、各種特性を取得し、蓄電量Qと
開回路電圧Vocの関係のデータもしくは関数式Voc(Q)、
またはQ(Voc)等の基礎データを求めた。
【0170】上記準備したサンプル電池3本を、先ず開
回路電圧を計測し、先に求めた正常な電池の蓄電量Qと
電池の開回路電圧Vocの関係Q(Voc)から蓄電量を求め
た。その後、0.2Cの定電流にて放電し放電量を計測
し、放電前の各サンプルの蓄電量を確認した。
【0171】各電池の測定した開回路電圧値と、本発明
の方法にて検知した蓄電量(検知量)と放電量、検知の
精度を示す率としての[(検知量−放電量)/公称容量×
100](%)を、表2にまとめて示した。表2の結果か
ら、検知蓄電量と実際の放電量との公称容量値に対する
割合は1%未満であり、極めて高い精度で検知量と実測
値が一致することが分かった。
【0172】
【表2】
【0173】(実施例2)市販の直径17mm高さ67mm
の公称容量1300mAhのリチウムイオン二次電池を3
本用意し、サンプル1、サンプル2、サンプル3とし、
図3のフローチャートの判定部分を用いて、3本すべて
が正常であることを確認した。次に、0.2Cの電流で
放電した後、0.2Cの電流での定電流充電を行い、充
放電のクーロン効率から計算して、充電量がそれぞれ公
称容量の20%、50%、80%となった時に、休止パ
ルスを入れ、開回路電圧を計測または算出し、図6のフ
ローチャートにしたがって、先の実施例1で求めた正常
な電池の基礎データから蓄電量を求めた。その後、0.
2Cの定電流にて放電し放電量を計測し確認した。
【0174】各電池の測定した開回路電圧値と、本発明
の方法にて検知した蓄電量(検知量)と放電量、検知の
精度を示す率としての[(検知量−放電量)/公称容量×
100](%)を、表3にまとめて示した。表3の結果か
ら、検知蓄電量と実際の放電量との公称容量値に対する
割合は、1%未満であり、極めて高い精度で一致するこ
とが分かった。
【0175】
【表3】
【0176】(実施例3)市販の直径17mm高さ67mm
の公称容量1300mAhのリチウムイオン二次電池を9
本用意し、25℃の温度下、0.2Cの充電電流で10
0%充電した。その後、上記電池を3本ごとのグループ
に分け、次の電池温度Tと放電電流Idの3条件、25
℃、1.0C、0℃、0.2C、40℃、0.5C
で、放電を継続し、各グループの3本の電池の中、1本
を260mAh、1本を650mAh、1本を1040mAh、
放電した時点で、図14のフローチャートにしたがっ
て、検知を開始し、9本全てが正常であると判定した
(S1006)。その後に、前記実施例1の正常な電池
の各種特性の取得で得られた電池の温度T、放電電流
Id、電池電圧Vd、と蓄電量Q関係のデータもしくは関数
式Vd(Q,Id,T)もしくはQ(Vd,Id,T)の基礎データを基に、
各サンプルの蓄電量を検知した。さらに、各々の条件で
放電し放電量を計測し、放電前の各サンプルの検知開始
前の蓄電容量を確認した。
【0177】各電池の測定した電池電圧値と、本発明の
方法にて検知した蓄電量(検知量)と放電量、検知の精
度を示す率としての[(検知量−放電量)/公称容量×10
0](%)を、表4にまとめて示した。表4の結果か
ら、検知蓄電量と実際の放電量との公称容量値に対する
割合は、2%未満であり、極めて高い精度で検知量と実
測値が一致することが分かった。
【0178】
【表4】
【0179】(実施例4)市販の直径17mm高さ67mm
の公称容量1300mAhのリチウムイオン二次電池を用
意し、最大充電電圧4.2V、充電電流1A、充電時間2.
5時間の定電流−定電圧充電後、20分の休止時間を設
けた上で、650mAの定電流で放電を、電池電圧が2.
75Vに達するまで行い、放電完了後20分休止する、
という充放電サイクルを200回繰り返して、本発明の
検知方法にて内部状態を検知するためのサンプルとし
た。
【0180】このサンプルの二次電池を、25℃の温度
下で、前記同様の方法で充電した後、0.5C(650m
A)の定電流で放電を開始し、図14、16および17
のフローチャートにしたがって、上記定放電電流にさら
に650mA×5秒の放電パルス電流を重畳させ4回の放
電の変動を起こして、容量低下係数、増大した内部抵抗
および蓄電量を、前記実施例1の正常な電池の基礎特性
の取得で得られた電池の温度T、放電電流Id、電池電圧V
d、と蓄電量Q関係のデータもしくは関数式Vd(Q,Id,T)も
しくはQ(Vd,Id,T)を基に、サンプルの蓄電量を検知し
た。その後、0.2C(260mA)の定電流にて放電
し、放電量を計測して、放電前のサンプルの蓄電量を確
認した。
【0181】測定した、変動前後の電池電圧値と放電電
流値を表5にまとめて示した。ここで、Vn0はn回目の
変動前の電池電圧値、Vn1は式V=Vn1+(Vn0−Vn1)×e-t
/τから計算される変動後の電池電圧値、In0はn回目
の変動前の放電電流値、In1はn回目の変動後の放電電
流値、を意味する。
【0182】本発明の方法にて検知した蓄電量(検知
量)と放電量、検知の精度を示す率としての[(検知量
−放電量)/公称容量×100](%)、容量低下係数D、増
加した内部抵抗の係数a、bを、表6にまとめて示した。
なお、増加した内部抵抗は、増加前の正常時の内部抵抗
をRとして、R'=a×R+bで表せるとして算出した。
【0183】表6の結果から、サンプル電池は、蓄電容
量が低下し、内部抵抗の増大していることがわかった。
また、公称容量の3.5%程度の誤差の範囲で、算出し
た蓄電量と実際の蓄電量が一致し、性能の劣化した二次
電池においても高い精度で蓄電量を検知できることが分
かった。なお、今回の放電電流の変動回数は算出に必要
な最低限の回数であったが、変動の回数を増すことによ
って、蓄電量の算出精度は上げることは可能である。
【0184】
【表5】
【0185】
【表6】
【0186】(実施例5)本実施例では、実施例1で用
いたリチウムイオン電池に替えて、市販のAAサイズ公称
容量1550mAhのニッケル水素化物二次電池に対し
て、実施例1と同様の操作で電池の内部状態を検知し
た。
【0187】市販のAAサイズで公称容量1550mAhの
ニッケル水素化物二次電池を3本用意し、図3のフロー
チャートの判定部分を用いて、3本すべてが正常である
ことを確認した。次に、0.2Cの定電流充電で、7.
5時間充電した後、0.2C(310mA)の電流で、そ
れぞれ公称容量の20%、50%、80%放電し、蓄電
量がそれぞれ80%、50%、20%となったであろう
電池をサンプル1、サンプル2、サンプル3として用意
した。また、上記サンプルと同じ正常と確認した市販の
AAサイズの公称容量1550mAhのニッケル水素化物二
次電池の充放電から、各種特性を取得し、基礎特性から
蓄電量Qと開回路電圧Vocの関係のデータもしくは関数式
Voc(Q)、またはQ(Voc)等の基礎データを求めた。
【0188】上記準備したサンプル電池3本の開回路電
圧を計測し、先に求めた正常な電池の基礎データの蓄電
量Qと電池の開回路電圧Vocの関係Q(Voc)から蓄電量を求
めた。その後、0.2Cの定電流にて放電し放電量を計
測し、放電前の各サンプルの蓄電量を確認した。
【0189】各サンプル電池の測定した開回路電圧値
と、本発明の方法にて検知した蓄電量(検知量)と放電
量、検知の精度を示す率としての[(検知量−放電量)/
公称容量×100](%)を、表7にまとめて示した。表
7の結果から、検知蓄電量と実際の放電量との差すなわ
ち誤差の公称容量値に対する割合は、1%未満であり、
実施例1のリチウムイオン電池同様に、ニッケル水素化
物電池においても極めて高い精度で一致することが分か
った。
【0190】
【表7】
【0191】(実施例6)本実施例では、実施例3で用
いたリチウムイオン電池に替えて、市販のAAサイズ公称
容量1550mAhのニッケル水素化物二次電池に対し
て、実施例3と同様の操作で本発明の検知方法を適用し
た結果について説明する。
【0192】AAサイズの公称容量1550mAhの市販の
ニッケル水素二次電池を9本用意し、25℃の温度下、
0.2Cの充電電流で7.5時間充電した。その後、上
記電池を3本ごとのグループに分け、次の電池温度Tと
放電電流Idの3条件、25℃、1.0C、0℃、0.
2C、40℃、0.5Cで放電を継続し、各グループ
の3本の電池の中、1本を310mAh、1本を775mA
h、1本を1240mAh、放電した時点で、図14のフロ
ーチャートにしたがって検知を開始し、先の実施例5で
求めた正常な電池の基礎データの温度T、放電電流Id
電池電圧Vd、と蓄電量Qの関係から、サンプル電池の蓄
電量を検知した。その後、各々の条件で放電し放電量を
計測し、サンプル電池の検知開始前の蓄電量を確認し
た。各電池の測定した電池電圧値と、本発明の方法にて
検知した蓄電量(検知量)と放電量、検知の精度を示す
率としての[(検知量−放電量)/公称容量×100]
(%)を、表8にまとめて示した。表8の結果から、検
知蓄電量と実際の放電量との差すなわち誤差の公称容量
値に対する割合は、2%未満であり、実施例3のリチウ
ムイオン電池同様に、ニッケル水素電池においても極め
て高い精度で一致することが分かった。
【0193】
【表8】
【0194】以上、実施例1から実施例6までの評価に
おいて、本発明の二次電池の内部状態を検知する方法を
用いれば、二次電池が正常な状態である劣化状態である
に関わらず、極めて精度の高い蓄電量の検知が可能で、
これにより二次電池を電源にする機器の作動時間も精度
良く検知することができる。寿命に関わる容量低下も検
知することが可能であることが分かった。また、本発明
は各種電池にも適用できることが分かった。
【0195】
【発明の効果】本発明によれば、高精度の二次電池の内
部状態を検知する方法が提供される。これによって、二
次電池を電源に使用した機器および装置の電源制御が容
易になるとともに、作動時間、充電のタイミング、電池
の交換のタイミングなどを容易に知ることが可能にな
る。また、本発明によれば、二次電池の持つエネルギー
を最大限に使用することができ、これにより二次電池を
電源とする機器の作動時間も伸ばすことができる。した
がって、本発明の検知方法による二次電池の内部状態の
検知装置を電池パック、充電器、二次電池を電源とする
機器に付加することによって、二次電池の性能を最大限
に引き出すことができ、機器の性能も最大限に引き出す
ことができる。また、二次電池の出荷前に良品・不良品
を検査する検査機械に、本発明の検知方法による二次電
池の内部状態の検知装置を付加することで、精度の高い
出荷検査を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の二次電池の内部状態の検知およびそ
の適用の流れを示したフローチャートの一例である。
【図2】 上記二次電池休止時の短絡の判定をフローチ
ャートにした一例である。
【図3】 休止状態から二次電池に放電操作を加えて、
二次電池が正常であるか、内部抵抗が増加しているの
か、蓄電容量が低下しているのか、判定するフローチャ
ートの一例である。
【図4】 図3で内部抵抗増加と判定した後の内部抵抗
の算出するフローチャートの一例である。
【図5】 図3で容量低下と判定した後の内部抵抗の算
出フローチャートの一例である。
【図6】 休止状態から二次電池に充電操作を加えて、
二次電池が正常であるか、内部抵抗が増加しているの
か、蓄電容量が低下しているのか、判定するフローチャ
ートの一例である。
【図7】 図6で内部抵抗増加と判定した後の内部抵抗
の算出するフローチャートの一例である。
【図8】 図6で容量低下と判定した後の内部抵抗の算
出フローチャートの一例である。
【図9】 充電が終了した二次電池の短絡の有無の判定
の流れを示したフローチャートの一例である。
【図10】 定電流-定電圧充電時の二次電池が、正常
であるか、内部抵抗が増加しているのか、蓄電容量が低
下しているのか、判定するフローチャートの一例であ
る。
【図11】 電池電圧変化もしくは電池温度変化の制御
による充電の二次電池が、正常であるか、内部抵抗が増
加しているのか、蓄電容量が低下しているのか、判定す
るフローチャートの一例である。
【図12】 定電流充電時の二次電池が、正常である
か、内部抵抗が増加しているのか、蓄電容量が低下して
いるのか、判定するフローチャートの一例である。
【図13】 二次電池の放電中に二次電池の短絡の有無
の判定するフローチャートの一例である。
【図14】 放電中の二次電池が、正常であるか、内部
抵抗が増加しているか、蓄電容量が低下しているか、判
定するフローチャートの一例である。
【図15】 図14で内部抵抗が増加していると判定し
た後に、上記内部抵抗並びに現在の蓄電量を算出するフ
ローチャートの一例である。
【図16】 図14で蓄電容量が低下していると判定し
た後に、上記内部抵抗並びに現在の蓄電量を算出するフ
ローチャートの一例である。
【図17】 図15および図16における放電中割り込
みルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図18】 正常な二次電池の蓄電量に対する、開回路
電圧、充電電圧もしくは放電電圧、内部抵抗と開回路電
圧の関係の一例をそれぞれ示すグラフである。
【図19】 (1)および(2)は、正常な二次電池の
蓄電量に対する、放電電流における電池電圧、電池温度
における放電電圧、の関係の一例をそれぞれ示し、
(3)は蓄電量に対する開回路電圧と放電電圧の関係を
放電初期Iと放電中期IIと放電末期IIIに分けて示したグ
ラフである。
【図20】 短絡した電池と短絡していない電池の開回
路電圧の経時変化の一例を示したグラフである。
【図21】 (1)は、二次電池の蓄電量に対する、内
部抵抗が増加した電池の内部抵抗と正常な電池の内部抵
抗の関係を一例として示したグラフ、(2)は、蓄電量
に対して、内部抵抗が増加した二次電池と正常な二次電
池の放電時の電池電圧の関係の一例を示したグラフ、
(3)は、蓄電量に対して、内部抵抗が増加した二次電
池と正常な二次電池の充電時の電池電圧の関係の一例を
示したグラフである。
【図22】 (1)は、正常な二次電池と蓄電容量が低
下した二次電池の、蓄電量に対する開回路電圧の関係の
一例を示したグラフ、(2)は、蓄電容量が低下した二
次電池の、蓄電量に対する開回路電圧、充電時および放
電時の電池電圧の関係の一例を示したグラフである。
【図23】 正常な電池の蓄電量に対する開回路電圧、
放電時の電池電圧の関係の中で、実際に機器が使用でき
る二次電池の蓄電量(残量)の関係を示したグラフであ
る。
【図24】 蓄電容量が低下した電池と正常な電池の蓄
電量に対する放電時の電池電圧の関係の中で、実際に機
器が使用できる二次電池の蓄電量(残量)の関係を示し
たグラフである。
【図25】 (1)は、休止状態から定電流パルス放電
を行った際の、二次電池の電池電圧と電流の経時変化の
関係の一例を示した曲線、(2)は、休止状態からの定
電流パルス放電時の二次電池の電池電圧の過渡特性と時
定数の式から求まる外挿電圧の関係を示した曲線であ
る。
【図26】 (1)は、休止状態から定電流パルス充電
を行った際の、二次電池の電池電圧と電流の経時変化の
関係の一例を示した曲線、(2)は、休止状態からの定
電流パルス充電時の二次電池の電池電圧の過渡特性と時
定数の式から求まる外挿電圧の関係を示した曲線であ
る。
【図27】 充電時の電池電圧と充電終了後の開回路電
圧の経時変化の関係の一例を示したグラフである。
【図28】 定常放電状態からさらに定電流パルス放電
を行った際の、それぞれ、二次電池の電池電圧の経時変
化と放電電流の経時変化の関係の一例を示した曲線であ
る。
【図29】 本発明に係る二次電池の内部状態検知装置
の一例を示す回路構成図である。
【図30】 図29の内部状態検知装置を二次電池と組
み合わせ、電池パックに内蔵した一例を示す回路構成図
である。
【図31】 n個の二次電池に接続して二次電池の内部
状態検知する本発明に係る装置の一例を示す回路構成図
である。
【図32】 公称容量が1300mAhの市販のリチウム
イオン二次電池を、定電流−定電圧充電後に、放電と放
電停止(休止)を繰り返したときの電池電圧の経時変化
を示した図である。
【図33】 図32で得られた放電時のデータの積算放
電量に対する放電時の電池電圧および放電休止時の電池
電圧(開回路電圧)の関係を示した図である。
【図34】 100%充電した公称容量が1300mAh
の市販のリチウムイオン二次電池を、放電電流を変えて
放電した場合の、積算放電量に対する電池電圧の関係を
示した図である。
【符号の説明】
2101:接続端子、2102:電池電圧検出部、21
03:電池温度検出部、2104:センス抵抗器、21
05:増幅器、2106:抵抗器1、2107:抵抗器
2、2108:トランジスタ1、2109:トランジス
タ2、2110:制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G016 CA03 CA04 CB05 CB06 CB11 CB12 CB21 CB22 CB31 CB33 CC01 CC03 CC04 CC05 CC07 CC09 CC12 CC23 CC27 CC28 CD02 CD04 CD14 CF06 5G003 AA01 BA01 DA07 EA09 5H030 AS06 AS08 AS11 AS14 AS18 FF22 FF41 FF42 FF43 FF44

Claims (81)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次電池の劣化状態、または蓄電容量、
    蓄電量および内部抵抗で代表される内部状態の検知方法
    であって、 劣化していない正常な二次電池を各種温度下、各種電流
    で充放電したときに計測されるべき電池電圧、および蓄
    電量もしくは放電量のデータである基礎データを予め取
    得した上で、 検知対象の二次電池の電圧値、または電圧値と電流値を
    計測し、該基礎データと比較して、(a)検知対象二次
    電池が短絡している、(b)検知対象二次電池の内部抵
    抗が増加している、(c)検知対象二次電池の蓄電容量
    が低下している、(d)検知対象二次電池の蓄電容量が
    低下しかつ内部抵抗が増加している、または(e)検知
    対象二次電池は正常である、を判定することを特徴とす
    る二次電池の内部状態検知方法。
  2. 【請求項2】 二次電池の劣化状態、または蓄電容量、
    蓄電量および内部抵抗で代表される内部状態の検知方法
    であって、 正常な二次電池を各種温度下、各種電流で充放電したと
    きの電池電圧、および蓄電量もしくは放電量のデータで
    ある基礎データを取得した上で、 検知対象二次電池の電圧値、または電圧値と電流値を計
    測し、該基礎データと比較して、(a)検知対象二次電
    池が短絡している、(b)検知対象二次電池の内部抵抗
    が増加している、(c)検知対象二次電池の蓄電容量が
    低下している、(d)検知対象二次電池の蓄電容量が低
    下しかつ内部抵抗が増加している、または(e)検知対
    象二次電池は正常である、を判定した後に、蓄電量、ま
    たは機器が使用可能な電気量である残量を算出すること
    を特徴とする二次電池の内部状態検知方法。
  3. 【請求項3】 前記基礎データが、予め、複数個の劣化
    していない正常な二次電池の各種温度下、各種電流での
    充放電を行い、計測された電池電圧、および蓄電量もし
    くは放電量から得られる平均化したデータであることを
    特徴とする請求項1または2に記載の二次電池の内部状
    態検知方法。
  4. 【請求項4】 前記基礎データが、予めコンピュータシ
    ミュレーションにより得られた基礎データであることを
    特徴とする請求項1または2に記載の二次電池の内部状
    態検知方法。
  5. 【請求項5】 前記基礎データが、前記平均化したデー
    タから成る基礎データ、または前記平均化したデータか
    らなる基礎データと設計仕様、を元にコンピュータシミ
    ュレーションにより得られた基礎データであることを特
    徴とする請求項3に記載の二次電池の内部状態検知方
    法。
  6. 【請求項6】 先ず、検知対象電池が短絡しているか否
    かを判定し、次に該電池の蓄電容量が低下しているか否
    か、または該電池の内部抵抗が増大しているか否か判定
    することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の二次電池の内部状態検知方法。
  7. 【請求項7】 I.検知対象二次電池が、(i)放電も充
    電も行わない休止時に、経過時間に対する開回路電圧の
    低下がある、(ii)充電時に電池電圧もしくは開回路電
    圧の上昇が正常な電池に比べて小さい、(iii)正常な
    電池に比較して開回路電圧が低く、放電時の電池電圧の
    低下が正常な電池に比べて大きい、または(iv)内部抵
    抗が正常な電池に比べて小さい、の場合に、前記検知対
    象二次電池は短絡していると判定し、 II.検知対象二次電池が、上記I.の場合に該当せず、
    (i)正常な電池に比較して開回路電圧は同等である
    が、充電時に電池電圧の上昇が正常な電池に比べて大き
    い、 (ii)正常な電池に比較して開回路電圧は同等である
    が、放電時の電池電圧の低下が正常な電池に比べて大き
    い、または (iii)内部抵抗が正常な電池に比べて大きい、の場合
    に、前記検知対象二次電池は内部抵抗が増加していると
    判定し、 III.検知対象二次電池が、上記I.の場合に該当せず、
    (i)充電に伴う電池電圧および開回路電圧の上昇が正
    常な電池のそれらに比べて大きい、または(ii)放電に
    伴う電池電圧および開回路電圧の低下が短絡時より小さ
    いが、正常な電池のそれらに比べて大きい、の場合に、
    前記検知対象二次電池は蓄電容量が低下していると判定
    し、かつ IV.検知対象二次電池が上記I、II、IIIのいずれにも該
    当しない場合に、前記検知対象二次電池は正常であると
    判定する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の二次電池の内部状態検知方法。
  8. 【請求項8】 前記基礎データが、 正常な電池の蓄電量Qに対する電池の開回路電圧Vocを
    計測して得られる、蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)
    もしくはQ(Voc)の関係のデータまたは関数式、 満充電の正常な電池の各種温度T下での各種放電電流I
    dで測定して得られた電池電圧Vdと放電を一時停止し測
    定して得られた開回路電圧Vocと前記放電電流Idおよび
    電池温度Tの関係のデータあるいは関数式化したVd(Voc,
    Id,T)、またはこれらと上記の蓄電量Qに対する開回路
    電圧Voc(Q)の関係のデータもしくは関数式から算出され
    る電池電圧Vd(Q,Id,T)もしくはQ(Vd,Id,T)の、データま
    たは関数式、 前記において電池の内部抵抗をRdとする時の関係式
    Vd=Voc−Id×RdもしくはRd=(Voc−Vd)/Idから算出
    される内部抵抗のデータ、またはこのデータを関数式化
    したRd(Voc,Id,T)もしくはRd(Vd,Id,T)、あるいはこれ
    らと上記の蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)の関係
    のデータもしくは関数式から得られる内部抵抗Rd(Q,Id,
    T)もしくはQ(Rd,Id,T)の、データまたは関数式、 蓄電量がゼロの正常な電池の各種温度T下での各種充
    電電流Icで測定して得られた電池電圧Vcと充電を一時停
    止し測定して得られた開回路電圧Vocと前記充電電流Ic
    および電池温度Tの関係のデータあるいは関数式化したV
    c(Voc,Ic,T)、またはこれらとさらに上記の蓄電量Qに
    対する開回路電圧Voc(Q)の関係のデータもしくは関数式
    から算出される電池電圧Vc(Q,Ic,T)もしくはQ(Vc,Ic,T)
    の、データまたは関数式、または 前記において電池の内部抵抗をRcとする時の関係式
    Vc=Voc+Ic×RcもしくはRc=(Vc−Voc)/Icから算出
    される内部抵抗のデータあるいはこのデータを関数式化
    したRc(Voc,Ic,T)、またはこれらとさらに上記の蓄電
    量Qに対する開回路電圧Voc(Q)の関係のデータもしくは
    関数式から得られる内部抵抗Rc(Q,Ic,T)もしくはQ(Rc,I
    c,T)の、データまたは関数式、 上記、、、およびから選択される少なくとも
    一つ以上のデータもしくは関数式であることを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載の二次電池の内部
    状態検知方法。
  9. 【請求項9】 検知対象二次電池が充電も放電もしてい
    ない、休止状態にある場合、該電池の開回路電圧Vocの
    経時変化を計測し、 I. Vocの低下速度が所定の値v0より大、すなわち−dVoc
    /dt>v0>0である場合に、該電池が短絡していると判定
    し、 II. Vocの低下速度が0≦−dVoc/dt≦v0である場合に、
    該電池が短絡していないと判定する、ことを特徴とする
    請求項1または2に記載の二次電池の内部状態検知方
    法。
  10. 【請求項10】 検知対象二次電池が充電も放電もして
    いない、休止状態にある場合、前記Q(Voc)の関係のデー
    タまたは関数式から電池の蓄電量Qを算出することを特
    徴とする請求項8に記載の二次電池の内部状態検知方
    法。
  11. 【請求項11】 検知対象二次電池が充電も放電もして
    いない、休止状態にあり、該電池の開回路電圧Voc0の経
    時変化を計測した後、開回路電圧Voc0から電流値I1×時
    間t1の電気量q1だけ放電し該放電を停止するまでの間の
    電池電圧Vおよび停止後の開回路電圧Voc1を計測し、該
    電池が正常であるか劣化しているかを判定することを特
    徴とする請求項8または10に記載の二次電池の内部状
    態検知方法。
  12. 【請求項12】 I.開回路電圧Voc0の低下速度が所定
    の値v0より大、すなわち-dVoc0/dt>v0>0である場合
    に、前記検知対象二次電池が短絡していると判定し、 II.上記I.に該当しない場合であって、請求項8の
    の基礎データから、正常な電池の開回路電圧がVoc0であ
    る時の蓄電量Q0=Q(Voc0)およびそれに次いで電気量q1
    を放電した後の開回路電圧Voc(Q0-q1)を求め、正常な電
    池の開回路電圧Voc(Q0-q1)と検知対象二次電池の開回路
    電圧Voc1との差が、製品特性のバラツキ範囲内のf0≦[V
    oc(Q0-q1)-Voc1]≦f1 (f0<0<f1)である場合には、検
    知対象二次電池の容量低下はないと判定し、かつ放電開
    始初期の電池電圧の過渡特性を次式で表し、計測した放
    電時間tに対する電池電圧Vと 式V=V1+(Voc0−V1)×e-t/τ (但し、V1は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時定
    数である)によって、開回路電圧Voc0から放電電流I1
    放電開始する時の時定数τを求めつつ、V1を算出し、 式V1=Voc0−I1×R1、またはR1=(Voc0−V1)/I1 から求めた検知対象二次電池の内部抵抗R1と前記基礎デ
    ータのRd(Voc,Id,T)もしくはRd(Q,Id,T)から求められる
    正常な電池の内部抵抗Rd(Voc0,I1,T)もしくはRd(Q0,I1,
    T)とを比較して、(i)内部抵抗R1と正常な電池の内部
    抵抗Rd(Voc0,I1,T)もしくはRd(Q0,I1,T)が実質的に同
    等、すなわち製品の許容範囲のr1≦[R1-Rd(Q0,I1,T)]≦
    r2 (r1<0<r 2)である場合には、前記検知対象二次電池
    は正常であると判定し、一方、(ii)[R1−Rd(Q0,I1,
    T)]>r2 (0<r2)である場合には、内部抵抗が増大して
    いると判定し、さらに III.上記I.に該当しない場合であって、前記開回路電
    圧Voc(Q0-q1)とVoc1の差が、[Voc(Q0-q1)-Voc1]>f1 (0
    <f1)である場合には、前記検知対象二次電池の容量が
    低下していると判定する、ことを特徴とする請求項11
    に記載の二次電池の内部状態検知方法。
  13. 【請求項13】 請求項12のII.の(ii)において、検
    知対象二次電池の内部抵抗が増大していると判定した場
    合、前記開回路電圧Voc1からさらに電流値I2×時間t2
    電気量q2の放電を行い該放電を停止するまでの間の電池
    電圧Vおよび停止後の開回路電圧Voc2を計測し、 放電開始初期の電池電圧の過渡特性を請求項12と同様
    な次式で表し、計測した放電時間tに対する電池電圧Vと 式V=V2+(Voc1−V2)×e-t/τ (但しV2は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時定数
    である)によって、開回路電圧Voc1から放電電流I2で放
    電開始する時の時定数τを求めつつ、V2を算出し、 式V2=Voc1−I2×R2、 R2=(Voc1−V2)/I2 から検知対象二次電池の内部抵抗R2を求め、 検知対象二次電池の内部抵抗が正常な電池のRd(Q,Id,T)
    からa×Rd(Q,Id,T)+b(a,bは定数)に増加したと仮定
    して、 R1−[a×Rd(Q0,I1,T)+b]=0 とR2−[a×Rd(Q0-q1,I2,
    T)+b]=0、もしくはQ1=Q0-q1=Q(Voc1)を用いたR2
    [a×Rd(Q1,I2,T)+b]=0 とから定数aおよびbを求め、
    増大した内部抵抗Rd'=a×Rd(Q,Id,T)+bを算出する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の二次電池の内部状
    態検知方法。
  14. 【請求項14】 請求項12のIII.において、検知対象
    電池の蓄電容量が低下していると判定した場合、 検知対象二次電池の蓄電容量Cが正常な電池の蓄電容量C
    のD倍になったと仮定し、検知対象二次電池の蓄電量Q0'
    をQ0'=Q0×D(但し、Q0は正常な電池の蓄電量、Dは定
    数で0<D<1)と置き、開回路電圧Voc0に対応する正常
    な電池の蓄電量Q0および検知対象二次電池の蓄電量Q0'
    =Q0×D、開回路電圧Voc1に対応する正常な電池の蓄電
    量Q1および検知対象二次電池の蓄電量Q1'=Q0'−q1=Q1
    ×D、並びに請求項8のの基礎データから得られる下
    記の式 Voc(Q0)=Voc(Q0'/D)=Voc0および Voc(Q1)=Voc(Q1'/D)=Voc(Q0'/D−q1/D)=Voc1 から定数D、および検知対象二次電池の蓄電量Q1'=Q0'
    −q1=Q1×Dを求め、さらに(i)請求項12のII.で求め
    た前記R1と前記基礎データから求めた内部抵抗Rd(Q0'/
    D,I1,T)との差がr1≦[R1−Rd(Q0'/D,I1,T)]≦r2 (r1<0
    <r2)である場合には、検知対象二次電池は内部抵抗の
    増加はないが蓄電容量が低下していると判定し、(ii)前
    記の差が[R1−Rd(Q0'/D,I1,T)]>r2 (0<r2)である場合
    には、前記検知対象二次電池は蓄電容量が低下しかつ内
    部抵抗も増大していると判定し、かつ前記開回路電圧Vo
    c0から電流値I1×時間t1の電気量q1の放電に次いで開回
    路電圧Voc1から電流値I2×時間t2の電気量q2だけ放電し
    該放電を停止するまでの間の電池電圧Vおよび停止後の
    開回路電圧Voc2を計測し、放電開始初期の電池電圧の過
    渡特性を請求項12と同様な次式で表し、計測した放電
    時間tに対する電池電圧Vと 式V=V2+(Voc1−V2)×e-t/τ (但し、V2は時間tを無限大に外挿した時のV、τは時定
    数である)によって、開回路電圧Voc1から放電電流I2
    放電開始する時の時定数τを求めつつV2を算出し、 式V2=Voc1−I2×R2、R2=(Voc1−V2)/I2 から検知対象二次電池の内部抵抗R2を求め、 検知対象二次電池の内部抵抗が正常な電池のRd(Q,Id,T)
    からa×Rd(Q,Id,T)+b(a,bは定数)に増加したと仮定
    して、 R1−[a×Rd(Q0,I1,T)+b]=0 と R2−[a×Rd(Q1,I2,T)+b]=R2−[a×Rd(Q0−q1/D,I2,T)
    +b]=0 (但し、Q0=Q0'/D, Q1=Q1'/Dであり、Q0',Q1'はそれ
    ぞれ開回路電圧がVoc0,Voc1の時の蓄電量である)とか
    ら定数aおよびbを求め、検知対象二次電池の内部抵抗増
    大後の内部抵抗 R'=a×Rd(Q'/D,Id,T)+b(Q'は容量低下時の真の蓄電
    量) の関係を求める、ことによって蓄電量および劣化状態を
    検出することを特徴とする請求項12に記載の二次電池
    の内部状態検知方法。
  15. 【請求項15】 検知対象二次電池が充電も放電もして
    いない、休止状態にあり、 該電池の開回路電圧Voc0を計測した後、電流値Ic1で充
    電を開始し、電池電圧V cを計測し、 電流値Ic1×時間t1×充放電効率Effの電気量q1だけ充電
    し電池電圧がVc1になった時、充電を停止し開回路電圧V
    ocの経時変化を計測し、安定した開回路電圧をVoc1
    し、該電池の内部状態を検知することを特徴とする請求
    項8または10に記載の二次電池の内部状態検知方法。
  16. 【請求項16】 検知対象二次電池が充電も放電もして
    いない、休止状態にあり、 該電池の開回路電圧Voc0を計測した後、電流値Ic1で充
    電を開始し、電池電圧V cを計測し、 電流値Ic1×時間t1×充放電効率Eff の電気量q1だけ充
    電し電池電圧がVc1になった時、充電を停止し、所定の
    時間経過後の開回路電圧Voc1を計測し、該電池の内部状
    態を検知することを特徴とする請求項8または10に記
    載の二次電池の内部状態検知方法。
  17. 【請求項17】 I.(i)請求項8のの基礎データか
    ら正常な電池が開回路電圧Voc0の時の蓄電量Q0を求め、
    さらに請求項8のの基礎データから蓄電量Q0+q1の時
    の開回路電圧Voc(Q0+q1)を求め、この開回路電圧Voc(Q
    0+q1)と前記計測値Voc1との差が、 [Voc(Q0+q1)−Voc1]>g1 (g1>0)である時、(ii)請求
    項8のの基礎データから求まる正常な電池の電池電圧
    Vc(Q0+q1,Ic,T)と前記電池電圧Vc1との差が[Vc(Q0
    q1,Ic1,T)−Vc1]>j1(j1>0)である時、(iii)請求項
    8のの基礎データから求まる正常な電池の内部抵抗Rc
    (Voc0,Ic,T)とRc1=(Vc1−Voc1)/Ic1で求まる検知対象
    二次電池の内部抵抗Rc1との差が[Rc1−Rc(Voc1,Ic1,T)]
    <z1(z1<0)である時、 上記(i)、(ii)、(iii)のいずれかの場合に、電池が短
    絡していると判定し、一方、 II.前記開回路電圧Voc(Q0+q1)とVoc1の差が、g0≦[Vo
    c(Q0+q1)−Voc1]≦g1 (g0<0<g1)である場合には、検
    知対象二次電池の容量低下はないと判定し、 さらに、充電開始初期の電池電圧の過渡特性を次式で表
    し、計測した充電時間tに対する電池電圧Vcと 式Vc=V1−(V1−Voc0)×e-t/τ (但し、V1は時間tを無限大に外挿した時のVcでτは時
    定数である)によって、開回路電圧Voc0から充電電流I
    c1で充電開始した時の時定数τを求めつつV1を算出し、 式V1=Voc0+Ic1×Rc1またはRc1=(V1−Voc0)/Ic1 から求めた検知対象二次電池の内部抵抗Rc1と請求項8
    のの基礎データから求められる正常な電池の内部抵抗
    Rc(Voc0,Ic1,T)もしくはRc(Q0,Ic1,T)との差が、(i) z
    1≦[Rc1−Rc(Q0,Ic1,T)]≦z2 (z1<0<z2)である場合、
    もしくはj1≦[Vc1−Vc(Q0+q1,Ic,T)]≦j2(j1<0<
    j2)である場合に、検知対象二次電池は正常であると判
    定し、(ii) [Rc1−Rc(Q0,Ic1,T)]>z2 (0<z2)である場
    合、もしくはj2<[Vc1−Vc(Q0+q1,Ic,T)] (0<j2)であ
    る場合に、検知対象二次電池の内部抵抗が増大している
    と判定し、 III.前記開回路電圧Voc(Q0+q1)とVoc1の差が、[Voc(Q
    0+q1)−Voc1]<g0 (g0<0)である場合には、電池の容
    量が低下していると判定する、ことによって蓄電量およ
    び劣化状態を検出する請求項15または16に記載の二
    次電池の内部状態検知方法。
  18. 【請求項18】 請求項17のII.の(ii)において、内
    部抵抗が増大していると判定した場合、前記開回路電圧
    Voc1から電流値Ic2×時間t2の電気量q2だけ充電し充電
    を停止するまでの間の電池電圧Vcおよび停止後の開回路
    電圧Voc2を計測し、 充電開始初期の電池電圧の過渡特性が先と同様に次式で
    表せると仮定し、計測した充電時間tに対する電池電圧V
    と 式Vc=V2−(V2−Voc1)×e-t/τ (但し、V2は時間tを無限大に外挿した時のVcでτは時
    定数である)によって、開回路電圧Voc1から充電電流I
    c2で充電開始した時の時定数τを求めつつV2を算出し、 式V2=Voc1+Ic2×Rc2、Rc2=(V2−Voc1)/Ic2 から検知対象二次電池の内部抵抗Rc2を求め、 検知対象二次電池の内部抵抗が正常な電池のRc(Q,Ic,T)
    からa×Rc(Q,Ic,T)+b(a,bは定数)に増加したと仮定
    して、 Rc1−[a×Rc(Q0,Ic1,T)+b]=0 とRc2−[a×Rc(Q0+q1,
    Ic2,T)+b]=0、もしくはQ1=Q(Voc1)を用いたRc2−[a
    ×Rc(Q1,Ic2,T)+b]=0 とから定数aおよびbを求め、増
    加した内部抵抗Rc'=a×Rc(Q,Ic,T)+bを算出する、こ
    とによって蓄電量および劣化状態を検出することを特徴
    とする請求項17に記載の二次電池の内部状態検知方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項17のIII.において、蓄電容量
    が低下していると判定した場合、 検知対象二次電池の蓄電容量C'が正常な電池の蓄電容
    量CのD倍になったと仮定し、検知対象二次電池の蓄電
    量Q0'をQ0'=Q0×D(但し、Q0は正常な電池の蓄電量、D
    は定数で0<D<1)と置き、開回路電圧Voc0に対応する
    正常な電池の蓄電量Q0および検知対象二次電池の蓄電量
    Q0'=Q0×D、開回路電圧Voc1に対応する正常な電池の蓄
    電量Q1および検知対象二次電池の蓄電量Q1'=Q0'+q1
    Q1×D、並びに請求項8のの基礎データから得られる
    下記の式 Voc(Q0)=Voc(Q0'/D)=Voc0および Voc(Q1)=Voc(Q1'/D)=Voc(Q0'/D+q1/D)=Voc1 から定数D、および検知対象二次電池の蓄電量Q1'=Q0'
    +q1=Q1×Dを求め、さらに(i)請求項17のII.と同様
    にして求められるRc1と前記基礎データから求めた正常
    な電池の内部抵抗Rc(Q0'/D,Ic1,T)との差がz1≦[Rc1−R
    c(Q0'/D,Ic1,T)]≦z2(z1<0<z2)である場合には、検
    知対象二次電池は内部抵抗の増加はないが蓄電容量が低
    下していると判定し、一方、(ii)前記の差が[Rc1−Rc(Q
    0'/D,Ic1,T)]>z2 (0<z2)である場合には、蓄電容量が
    低下しかつ内部抵抗も増大していると判定し、かつ前記
    開回路電圧Voc1から電流値Ic2×時間t2の電気量qc2だけ
    充電し、充電を停止するまでの間の電池電圧Vcおよび停
    止後の開回路電圧Voc2を計測し、 計測した充電時間tに対する電池電圧Vcと 式Vc=V2−(V2−Voc1)×e-t/τ (但しV2は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時定数
    である)によって、開回路電圧Voc1から充電電流Ic2
    充電開始した時の時定数τを求めつつV2を算出し、 式V2=Voc1 +Ic2×Rc2、Rc2=(V2−Voc1)/Ic2 から検知対象二次電池の内部抵抗Rc2を求め、検知対象
    二次電池の内部抵抗が正常な電池の内部抵抗Rc(Q0'/D,I
    c,T)からa×Rc(Q0'/D,Ic,T)+b(a,bは定数)に増加し
    たと仮定して、 Rc1−[a×Rc(Q0'/D,Ic1,T)+b]=0 とRc2−[a×Rc(Q0'/
    D +q1/D,Ic2,T)+b]=0、もしくはQ1=Q1'/D=Q(Voc1)
    を用いたRc2−[a×Rd(Q1'/D,Ic2,T)+b]=0 とから定数
    aおよびbを求め、検知対象二次電池の内部抵抗増大後の
    内部抵抗Rc'=a×Rc(Q'/D,Ic,T)+bを求める、ことによ
    って蓄電量および劣化状態を検出することを特徴とする
    請求項17に記載の二次電池の内部状態検知方法。
  20. 【請求項20】 検知対象二次電池の充電を電池電圧V
    cEで完了した後、開回路電圧Vocの経時変化を計測し、
    該電池が正常であるか劣化しているかを判定することを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電
    池の内部状態検知方法。
  21. 【請求項21】 検知対象二次電池の充電を電池電圧V
    cEで完了した後、所定時間経過後の開回路電圧VocEを計
    測し、該電池が正常であるか劣化しているかを判定する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    二次電池の内部状態検知方法。
  22. 【請求項22】 請求項20において、充電終了からの
    時間tとその時の開回路電圧Vocを計測し、開回路電圧Vo
    cが定常状態になる開回路電圧をVocEとし、Vocが次式で
    表されると仮定し、 式Voc=VocE+(VcE−VocE)×e-t/τ と計測した複数点のVocの値から時定数τを求めつつ、V
    ocEを算出し、該電池が正常であるか劣化しているかを
    判定することを特徴とする二次電池の内部状態検知方
    法。
  23. 【請求項23】 請求項20または請求項21におい
    て、開回路電圧VocまたはVocEの経時変化すなわちVocま
    たはVocEの低下速度−dVoc/dtまたは−dVocE/dtが所定
    の値vc(vc>0)より大きいか、 充電終止電圧VcEが正常な二次電池のそれより低く、VcE
    <m0 (0<m0)である時、のいずれかの場合に検知対象
    二次電池は短絡していると判定することを特徴とする二
    次電池の内部状態検知方法。
  24. 【請求項24】 検知対象二次電池を定電流で充電し所
    定の電圧VcLに到達したら定電圧VcLの充電に切り替えて
    所定の時間経過後に充電を終了する、定電流−定電圧充
    電方法で充電する場合、正常な電池の満充電後の開回路
    電圧がVocnである時、 I. (i) 検知対象二次電池の充電終了後の開回路電圧Vo
    cEの経時変化が所定の値vcより大きく、-dVocE/dt>vc
    >0である、 (ii) 充電終了時の、電池電圧VcEが正常な電池のそれ
    (充電終了時の電池電圧値m0)より低く、VcE<m0 (0<
    m0)である、 (iii) 定電流充電時の、電池電圧Vcの上昇速度dVc/dtが
    正常な電池のそれ(電池電圧Vcの上昇速度の下限値s0
    より小さく、dVc/dt<s0 (0<s0)である、 のいずれかである場合、この電池は短絡していると判定
    する、 II. 定電流充電時の、検知対象二次電池の電池電圧の上
    昇速度dVc/dtが正常な電池のそれ(電池電圧Vcの上昇速
    度の上限値s1)より大きく(dVc/dt>s1>0)、かつ充
    電終了(満充電)後の開回路電圧VocEが正常な電池のそ
    れ(開回路電圧値k0)より小さい(0<VocE<k0)時、こ
    の検知対象二次電池の内部抵抗は増加していると判定す
    る、 III. 所定の電池電圧から充電の上限電圧VcLに到達する
    までの時間が正常な電池より短いかあるいは定電流充電
    領域での電池電圧の上昇速度dVc/dtが正常の電池のdVcn
    /dtの上限値のs1より大きく(dVc/dt>s1>0)、かつ満
    充電後の開回路電圧VocEが正常な電池のそれ(開回路電
    圧値k0)以上(VocE≧k0>0)である時、この検知対象二
    次電池の蓄電容量が低下していると判定する、 IV. 所定の電池電圧から充電の上限電圧VcLに到達する
    までの時間が正常な電池のそれと実質的に同等であるか
    定電流充電領域での電池電圧の上昇速度dVc/dtが正常の
    ものdVcn/dtと実質的に同等、すなわちdVcn/dtの下限値
    と上限値の間の範囲内s0≦dVc/dt≦s1 (0<s0<s1)であ
    り、かつ満充電後の開回路電圧VocEが正常な電池のそれ
    (開回路電圧値k0)と同等以上、すなわちk0≦VocE (0
    <k0)である時、この検知対象二次電池は正常であると
    判定する、 ことによって蓄電量および劣化状態を検出することを特
    徴とする請求項1または2に記載の二次電池の内部状態
    検知方法。
  25. 【請求項25】 電池電圧もしくは電池電圧の時間変化
    およびまたは電池の温度もしくは温度の時間変化を検知
    して充電を終了する場合、 I. (i) 検知対象二次電池の満充電後の開回路電圧VocE
    の経時変化が−dVocE/dt>vc>0である、 (ii) 充電時の電池の温度上昇が正常な電池のそれ(温度
    上昇値u0)に比較して大きく、dT/dt>u0 (u0>0)であ
    る、 (iii) 定電流充電時の電池電圧の上昇が正常な電池のそ
    れ(電池電圧Vcの上昇速度の下限値s0)より小さく、dVc/
    dt<s0 (0<s0)である、 のいずれかである場合、この検知対象二次電池は短絡し
    ていると判定する、 II.定電流充電領域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/d
    t)が正常な電池のそれ(電池電圧Vcの上昇速度の上限
    値s1)より大きい、すなわちdVc/dt>s1 (0<s1)で、
    かつ検知対象二次電池の満充電後の開回路電圧VocEが正
    常な電池のそれ(開回路電圧値k0)以下である、すなわ
    ち0<VocE≦k0である時、この検知対象二次電池の内部
    抵抗は増加していると判定する、 III.定電流充電領域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/d
    t)が正常な電池のそれより大きい、すなわちdVc/dt>s
    1 (0<s1)で、かつ電池の満充電後の開回路電圧VocE
    正常な電池のそれより大きい、すなわちVocE>k0 (0<k
    0)である時、この電池の蓄電容量は低下していると判
    定する、 IV.定電流充電領域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/d
    t)は正常な電池のそれと実質的に同等、すなわちdVcn/
    dtの下限値と上限値の間の範囲内のs0≦dVc/dt≦s 1 (0
    <s0<s1)で、かつ電池の満充電後の開回路電圧VocE
    正常な電池のそれと実質的に同等以上、すなわち k0≦V
    ocE (0<k0)である時、この検知対象二次電池は正常で
    あると判定する、 ことによって蓄電量および劣化状態を検出することを特
    徴とする請求項1または2に記載の二次電池の内部状態
    検知方法。
  26. 【請求項26】 検知対象二次電池の開回路電圧がある
    値以下で、定電流充電で所定の時間経過後に充電を終了
    する、但し電池電圧が所定の上限電圧VcLに達した時に
    は充電を終了する場合、 I. (i) 検知対象二次電池の満充電後の開回路電圧Voc
    Eの経時変化が−dVocE/dt>vc>0である、 (ii) 充電終了時の電池電圧がVcE<m0 (0<m0)である、 (iii)定電流充電時の電池電圧の上昇が正常な電池のそ
    れ(s0)より小さく、dVc/dt<s0 (0<s0)である、 のいずれかである場合、この検知対象二次電池は短絡し
    ていると判定する、 II.定電流充電領域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/d
    t)が正常な電池のそれより大きい、すなわちdVc/dt>s
    1 (0<s1)で、かつ検知対象二次電池の満充電後の開回
    路電圧VocEが正常な電池のそれ以下である、すなわち0
    <VocE≦k0 (0<k0)である時、この検知対象二次電池の
    内部抵抗は増加していると判定する、 III.定電流充電領域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/d
    t)が正常な電池のそれより大きい、すなわちdVc/dt>s
    1 (0<s1)で、かつ電池の満充電後の開回路電圧VocE
    正常な電池のそれより高い、すなわちVocE>k0 (0<k0)
    である時、この検知対象二次電池の蓄電容量は低下して
    いると判定する、 IV.定電流充電領域での電池電圧Vcの上昇速度(dVc/d
    t)は正常な電池のそれと実質的に同等、すなわちs0≦d
    Vc/dt≦s1 (0<s0<s1)で、かつ検知対象二次電池の満
    充電後の開回路電圧VocEが正常な電池のそれと実質的に
    同等以上、すなわちk0≦VocE (0<k0)である時、この電
    池は正常であると判定する、 ことによって蓄電量および劣化状態を検出することを特
    徴とする請求項1または2に記載の二次電池の内部状態
    検知方法。
  27. 【請求項27】 検知対象二次電池が放電状態にあり、
    放電電流Id0と電池電圧Vdを計測し、(i)電池電圧が所
    定の値未満である時か(ii)あるいは電池電圧Vdの低下速
    度が所定の値(短絡の有無を判定するしきい値)x1より
    大きい、すなわち−dVd/dt>x1 (0<x1)の時、 検知対象二次電池が放電末期にあるかあるいは短絡して
    いると判定する、ことを特徴とする請求項1または2に
    記載の二次電池の内部状態検知方法。
  28. 【請求項28】 検知対象二次電池が放電状態にあり、
    放電電流Id0と電池電圧Vdを計測し、電池電圧が所定の
    値以上である時あるいは電池電圧Vdの低下速度が所定の
    値x1以下、すなわち0<−dV/dt≦x1の時、検知対象二次
    電池が正常であるかあるいは短絡以外の劣化モードにあ
    ると判定することを特徴とする請求項1または2に記載
    の二次電池の内部状態検知方法。
  29. 【請求項29】 請求項28において、検知対象二次電
    池が放電状態にあり、実質的に定常状態にありその時の
    放電電流がId0で電池電圧がVd0であり、電気量qだけ放
    電した後に定常状態の放電電流Id1で電池電圧はVd1にな
    っている場合、 請求項8のとの基礎データから、電池電圧がVd0
    ときの正常な電池の蓄電量をQ0とするとき、電池電圧V
    d0=Vd(Q0,Id0,T)あるいは蓄電量Q0=Q(Vd0,Id0,T) 、
    並びに電池電流がId1のときの正常な電池の電池電圧Vd1
    =Vd(Q0-q,Id1,T)および蓄電量Q0-q=Q(Vd1,Id1,T)を求
    め、 I.(i) y1≦[Vd1−Vd(Q0−q,Id1,T)]≦y2(y1<0<
    y2)の時、もしくは(ii) w1≦Q(Vd1,Id1,T)−[Q(Vd0,I
    d0,T)−q]≦w2(w1<0<w2)の時、検知対象二次電池は
    正常であると判定する、 II.(i) [Vd1−Vd(Q0-q,Id1,T)]>y2(0<y2)の時、も
    しくは(ii) Q(Vd1,Id1,T)−[Q(Vd0,Id0,T)−q]>w2(0<
    w2)の時、検知対象二次電池の内部抵抗は増大している
    と判定する、 III.(i) [Vd1−Vd(Q0-q,Id1,T)]<y1(y1<0)の時、も
    しくは(ii) Q(Vd1,Id1,T)−[Q(Vd0,Id0,T)−q]<w1(w1
    <0)の時、二次電池の蓄電容量は低下していると判定す
    る、 ことによって内部状態を検出することを特徴とする二次
    電池の内部状態検知方法。
  30. 【請求項30】 請求項29において、実質的に定常状
    態の放電状態にある検知対象二次電池の放電電流が、 定常状態にある放電電流がIn0で電池電圧がVn0である
    時、放電電流がIn1に変動して電流値In1×時間tn1の電
    気量qnだけ放電した後、定常電流In0での放電に戻ると
    いうようにn(nは正の整数で、n=1,2,3,4,…)回変
    動した場合、 変動時の電池電圧Vを複数点計測し、放電電流変動時の
    電池電圧Vの過渡特性を次式で表し、放電電流が変動し
    てからの時間tに対する電池電圧値Vと 式V=Vn1 +(Vn0−Vn1)×e-t/τ (但しVn1は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時定
    数で、n=1,2,3,4,…である)によって、放電電流変動
    時の時定数τを求めつつVn1を算出し、二次電池の状態
    を判定し、内部状態を検知することを特徴とする二次電
    池の内部状態検知方法。
  31. 【請求項31】 請求項30において、検知対象二次電
    池の放電電流が少なくとも3回以上変動する時、すなわ
    ち放電電流I10の定常放電で電池電圧V10の時、放電電流
    がI11に変化し電流値I11×時間t11の電気量q1だけ放電
    し、電池電圧V 10から電池電圧V20になり、次いで定常放
    電の放電電流I20がI21に変化し電流値I 21×時間t21の電
    気量q2だけ放電し、電池電圧V20から電池電圧V30にな
    り、次に定常放電の放電電流I30がI31に変化し電流値I
    31×時間t31の電気量q3だけ放電をした時、定常放電の
    放電電流In0がIn1に変動し電流値In1×時間tn1の電気量
    qn放電した場合であって、請求項29のII.で、二次電
    池の内部抵抗が増加していると判定した場合、 電池の内部抵抗がRd(Q,Id,T)からa×Rd(Q,Id,T)+b(a,
    bは定数)に増加したと仮定し、各放電電流変化時の電
    池電圧の過渡特性が次式で表せると仮定して、計測した
    放電電流が変化してからの時間tに対する電池電圧値Vと 式V=Vn1+(Vn0−Vn1)×e-t/τ (但しVn1は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時定
    数で、n=1,2,3,…である)によって、放電電流In0がI
    n1に変動した時の時定数τを求めつつVn1を算出し、 放電電流In0で電池電圧Vn0の時、蓄電量Qn0を有する電
    池の開回路電圧Vocn0を、 Vocn0=Vn0+In0×Rd'(Qn0,In0,T)=Vn1+In1×Rd'
    (Qn0,In1,T) (n=1,2,3,…)と表し、 電池電圧がV10、V20、V30の時の蓄電量をそれぞれQ10
    Q20、Q30として、 Q20=Q10−q1 Q30=Q20−q2=Q10−q1−q2 V10−V11=I11×Rd'(Q10,I11,T)−I10×Rd'(Q10,I10,T) V20−V21=I21×Rd'(Q20,I21,T)−I20×Rd'(Q20,I20,T) V30−V31=I31×Rd'(Q30,I31,T)−I30×Rd'(Q30,I30,T) Rd'(Q10,I10,T)= a×Rd(Q10,I10,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q20,I20,T)= a×Rd(Q20,I20,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q30,I30,T)= a×Rd(Q30,I30,T)+b(a,bは定数) 上記式から定数a、b、Q10を求め、劣化して内部抵抗が
    増大した電池の内部抵抗R d'(Q,I,T)および現在の蓄電量
    を求める、ことによって検知対象二次電池の内部状態を
    検出することを特徴とする二次電池の内部状態検知方
    法。
  32. 【請求項32】 請求項30において、放電電流が、放
    電電流I10の定常放電で電池電圧V10の時、放電電流がI
    11に変動し電流値I11×時間t11の電気量q1だけ放電し、
    電池電圧V10から電池電圧V20になり、次いで定常放電の
    放電電流I20がI21に変化し電流値I21×時間t21の電気量
    q2だけ放電し、電池電圧V20から電池電圧V30になり、次
    に定常放電の放電電流I30がI31に変化し電流値I31×時
    間t31の電気量q3だけ放電し、電池電圧V30から電池電圧
    V40になり、さらに定常放電の放電電流I40がI41に変化
    し電流値I41×時間t41の電気量q4だけ放電した時、定常
    放電の放電電流In0がIn1に変動し電流値In1×時間tn1
    電気量qn放電するというように少なくとも4回以上変動
    した場合であって、請求項29のIII.で、検知対象二次
    電池の蓄電容量が低下していると判定した場合、 蓄電容量はCからC'=D×C(Dは定数で0<D<1)に低下
    したと仮定して、蓄電量を正常な電池の蓄電量Qから蓄
    電量Q'=D×Qに低下していると表し、さらに電池の内部
    抵抗もRd(Q,Id,T)からRd'(Q,Id,T)=a×Rd(Q,Id,T)+b
    (a,bは定数)に増加したと仮定し、 各放電電流変動時の電池電圧の過渡特性を次式で表し、
    計測した放電電流が変化してからの時間tに対する電池
    電圧値Vと 式V =Vn1+(Vn0−Vn1)×e-t/τ (但しVn1は時間tを無限大に外挿した時のVでτは時定
    数で、n=1,2,3,4,…である)によって、放電電流In0
    In1に変動した時の時定数τを求めつつVn1を算出し、 放電電流In0で電池電圧Vn0の時、蓄電量Qn0を有する電
    池の開回路電圧をVocn0として、Vocn0=Vn0+In0×Rd'
    (Qn0,In0,T)=Vn1+In1×Rd'(Qn0,In1,T) (n=1,2,3,
    4,…)と表し、 電池電圧がV10、V20、V30、V40の時の蓄電量をそれぞれ
    Q10、Q20、Q30、Q40として、 Q=Q'/D Q20'= Q10'−q1、Q30'=Q20'−q2=Q10'−q1−q2
    Q40'=Q30'−q3= Q10'−q1−q2−q3すなわち、Q10=Q
    10'/D、Q20=(Q10'−q1)/D、Q30=(Q10'−q1
    q2)/D、Q40=(Q10'−q1−q2−q3)/Dを用いた下記
    の式、 V10−V11=I11×Rd'(Q10,I11,T)−I10×Rd'(Q10,I10,T) V20−V21=I21×Rd'(Q20,I21,T)−I20×Rd'(Q20,I20,T) V30−V31=I31×Rd'(Q30,I31,T)−I30×Rd'(Q30,I30,T) V40−V41=I41×Rd'(Q40,I41,T)−I40×Rd'(Q40,I40,T) Rd'(Q10,I10,T)=a×Rd(Q10,I10,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q20,I20,T)=a×Rd(Q20,I20,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q30,I30,T)=a×Rd(Q30,I30,T)+b(a,bは定数) Rd'(Q40,I40,T)=a×Rd(Q40,I40,T)+b(a,bは定数) から定数a、b、D、Q10=Q10'/Dを求め、劣化してD倍に
    なった蓄電容量および増大した内部抵抗を求める、こと
    によって内部状態を検出することを特徴とする二次電池
    の内部状態検知方法。
  33. 【請求項33】 前記放電電流In1は定常電流In0より大
    でIn1=In0+ΔIdと成るような電流ΔIdをさらに意図的
    に流すことを特徴とする請求項30乃至32のいずれか
    1項記載の二次電池の内部状態検知方法。
  34. 【請求項34】 請求項33の前記放電電流In1は、0.5
    時間率(2C)放電の電流値以下であることを特徴とす
    る二次電池の内部状態検知方法。
  35. 【請求項35】 請求項12、17、24、25、26
    または29の、前記正常であると判定した二次電池の内
    部状態を検知する方法において、 I.休止状態の場合、開回路電圧Voc0と請求項8のの
    基礎データから、式Voc(Q0)=Voc0もしくはQ0=Q(Voc0)
    の関係のデータまたは関数式を用いて蓄電量Q0を算出す
    る II.充電中である場合、 (i)充電電流と電池温度と電池電圧を計測し、請求項
    8のの基礎データV c(Q,Ic,T)もしくはQ(Vc,Ic,T)から
    蓄電量Qを求める (ii)充電の一時停止からτとVocを計測してその時点の
    蓄電量を算出する (iii)充電終了電圧VcEまたは充電終了後の開回路電圧Vo
    cEから請求項8のの基礎データVcE(QE,Ic,T)もしくは
    Q(VcE,Ic,T)または請求項8のの式Voc(QE)=VocEもし
    くはQE=Q(VocE)の関係のデータまたは関数式を用いて
    蓄電量QEを求める上記(i)、(ii)、(iii)のいずれかの
    方法で蓄電量を算出する III.放電中である場合、 (i)請求項8ののVd(Q,Id,T)もしくはQ(Vd,Id,T)か
    ら蓄電量Qを算出する(ii)算出した電池の内部抵抗Rと請
    求項8ののQ(Rd,Id,T)から蓄電量Qを求める、上記
    (i)、(ii)のいずれかの方法で蓄電量を算出することに
    より検知対象二次電池の蓄電量を検知することを特徴と
    する二次電池の内部状態検知方法。
  36. 【請求項36】 請求項18の二次電池の内部状態検知
    方法において、 短絡はなく容量低下もなく内部抵抗が増大していると判
    定し、増大した充電時の内部抵抗Rc'(Q,Ic,T)を求めた
    後、充電時の開回路電圧と電池電圧、充電電流、内部抵
    抗の関係の関係式Vc=Voc(Q)+Ic×Rc'(Q,Ic,T)から、
    充電終了時の蓄電容量C'を算出することを特徴とする二
    次電池の内部状態検知方法。
  37. 【請求項37】 請求項13または31の二次電池の内
    部状態を検知する方法において、 短絡はなく容量低下もなく内部抵抗が増大していると判
    定し、増大した放電時の内部抵抗Rd'(Q,Id,T)を求めた
    後、放電時の開回路電圧と電池電圧、充電電流、内部抵
    抗の関係の関係式Vd=Voc(Q)−Id×Rd'(Q,Id,T)から、
    放電時の電池電圧を蓄電量Qと放電電流Idと電池温度Tの
    関数Vd=Vd(Q,Id,T)として表し、電池電圧Vd、放電電流
    Id 、電池温度Tの計測から放電時の蓄電量Qを算出する
    ことを特徴とする二次電池の内部状態検知方法。
  38. 【請求項38】 請求項19の二次電池の内部状態を検
    知する方法において、 蓄電容量が低下していると判定し、蓄電容量低下係数D
    (0<D<1)を求めて I.内部抵抗は増大していない場合、 充電終了時の蓄電容量は正常な電池の公称容量のD倍で
    あるとする、 II.内部抵抗が増大している場合、 開回路電圧と充電時の電池電圧Vc、充電電流Ic、内部抵
    抗Rc'(Q,Ic,T)の関係の関係式Vc=Voc(Q)+Ic×Rc'(Q,I
    c,T)から、求めた充電終了時の蓄電量QをD倍した蓄電量
    を蓄電容量C'として算出することを特徴とする二次電池
    の内部状態検知方法。
  39. 【請求項39】 請求項14または32の二次電池の内
    部状態を検知する方法において、 蓄電容量が低下していると判定し、 I.内部抵抗は増大していない場合、 蓄電容量低下係数Dを求め、蓄電容量は正常な電池の蓄
    電量のD倍であるとする、 II.内部抵抗が増大している場合 蓄電容量低下係数Dおよび増大した放電時の内部抵抗を
    関数式Rd'(Q,Id,T)として求めた後、放電時の開回路電
    圧Voc(Q)と電池電圧Vd、放電電流Id、内部抵抗Rd'(Q,
    Id,T)の関係の関係式Vd=Voc(Q)−Id×Rd'(Q,Id,T)か
    ら、放電時の電池電圧を見かけの蓄電量Qと放電電流Id
    と電池温度Tの関数Vd=Vd(Q,Id,T)として表し、電池電
    圧Vd、放電電流Id、電池温度Tの計測から見かけの蓄電
    量Qを算出し、見かけの蓄電量QをD倍した蓄電量Q'=D×
    Qを真の蓄電量として算出することを特徴とする二次電
    池の内部状態検知方法。
  40. 【請求項40】 請求項35、36または38におい
    て、二次電池が充電中にあり、蓄電量Qを求めた後に、
    さらには充電終了時の蓄電量に至るまでの時間を算出す
    ることを特徴とする二次電池の内部状態検知方法。
  41. 【請求項41】 請求項35、37または39におい
    て、二次電池が放電中にあり、蓄電量Qを求めた後に、
    二次電池を電源に使用している機器の駆動最低電圧Vmin
    になったときの二次電池の蓄電量Qminを算出した後、機
    器が使用できる電池の電気量すなわち残量(Q−Qmin
    を算出することを特徴とする二次電池の内部状態検知方
    法。
  42. 【請求項42】 請求項41において、機器が使用でき
    る電池の電気量すなわち残量(Q−Qmin)を算出の後、
    機器の平均消費電流をi、平均消費電力をpとする時、
    機器の作動時間hを式h=(Q−Qmin)/i、もしくは
    h=(Vd+Vmin)×(Q−Qmin)/2/pで算出することを
    特徴とする二次電池の内部状態検知方法。
  43. 【請求項43】 前記温度Tがマイナス30℃〜プラス
    80℃の範囲であることを特徴とする請求項8に記載の
    二次電池の内部状態検知方法。
  44. 【請求項44】 前記温度Tがマイナス20℃〜プラス
    60℃の範囲であることを特徴とする請求項8に記載の
    二次電池の内部状態検知方法。
  45. 【請求項45】 前記放電電流が矩形波のパルス電流で
    あることを特徴とする請求項11に記載の二次電池の内
    部状態検知方法。
  46. 【請求項46】 前記充電電流が矩形波のパルス電流で
    あることを特徴とする請求項15または16に記載の二
    次電池の内部状態検知方法。
  47. 【請求項47】 前記変動放電電流が矩形波のパルス電
    流であることを特徴とする請求項33に記載の二次電池
    の内部状態検知方法。
  48. 【請求項48】 前記変動放電電流が放電電流ゼロの休
    止パルスであることを特徴とする請求項33に記載の二
    次電池の内部状態検知方法。
  49. 【請求項49】 前記平均消費電流の値もしくは平均消
    費電力の値が、機器使用者の機器操作パターンおよび頻
    度から算出された値であることを特徴とする請求項42
    に記載の二次電池の内部状態検知方法。
  50. 【請求項50】 請求項36または請求項38におい
    て、求められた二次電池の充電終了時の蓄電量をC'と
    し、二次電池の公称容量もしくは使用初期の蓄電容量を
    Cとした場合、劣化後の電池の蓄電容量に関する性能を
    C'/Cもしくは100×C'/C〔%〕として算出することを
    特徴とする二次電池の内部状態検知方法。
  51. 【請求項51】 請求項50において、劣化後の電池の
    蓄電容量に関する性能100×C'/C〔%〕が60%未満に
    なった時、二次電池が寿命であると判定することを特徴
    とする二次電池の内部状態検知方法。
  52. 【請求項52】 前記二次電池が電気化学的にリチウム
    の酸化還元反応を利用した二次電池であることを特徴と
    する請求項1〜51のいずれか1項に記載の二次電池の
    内部状態検知方法。
  53. 【請求項53】 前記二次電池が負極に水素吸蔵合金を
    用いた二次電池であることを特徴とする請求項1〜51
    のいずれか1項に記載の二次電池の内部状態検知方法。
  54. 【請求項54】 前記二次電池が正極に水酸化ニッケル
    を用いた二次電池であることを特徴とする請求項1〜5
    1のいずれか1項に記載の二次電池の内部状態検知方
    法。
  55. 【請求項55】 前記二次電池がニッケル−カドミウム
    蓄電池であることを特徴とする請求項1〜51のいずれ
    か1項に記載の二次電池の内部状態検知方法。
  56. 【請求項56】 前記二次電池が鉛蓄電池であることを
    特徴とする請求項1〜51のいずれか1項に記載の二次
    電池の内部状態検知方法。
  57. 【請求項57】 二次電池の内部状態を検知する装置に
    おいて、前記請求項1〜51のいずれかに記載の検知方
    法を使用したことを特徴とする二次電池の内部状態検知
    装置。
  58. 【請求項58】 前記請求項57記載の装置であって、 二次電池の端子間電圧を検出する手段と、二次電池を流
    れる充電または放電電流を検出する手段と、二次電池の
    温度を検出する手段と、予め求めた正常な電池の基礎デ
    ータもしくは基礎データを数式化した関数式を記憶する
    手段とを有し、 予め入力した正常な電池の基礎データもしくは該基礎デ
    ータの関数式と、上記検出手段から得られる情報から、
    二次電池の内部状態を検知することを特徴とする二次電
    池の内部状態検知装置。
  59. 【請求項59】 前記請求項58記載の装置であって、
    前記二次電池を流れる電流を意図的に変動させる手段を
    有することを特徴とする二次電池の内部状態検知装置。
  60. 【請求項60】 前記請求項58記載の装置であって、
    前記変動手段が、前記二次電池を流れる電流に所定のパ
    ルス電流を付加する手段であることを特徴とする二次電
    池の内部状態検知装置。
  61. 【請求項61】 前記請求項58記載の装置であって、
    前記二次電池を流れる電流の変動を検知する手段を有す
    ることを特徴とする二次電池の内部状態検知装置。
  62. 【請求項62】 前記請求項58記載の装置であって、
    前記各検出手段から得られた出力信号波形を処理する、
    検出信号の波形処理手段を有することを特徴とする二次
    電池の内部状態検知装置。
  63. 【請求項63】 前記請求項58記載の装置であって、
    前記基礎データと前記検出手段から得られた情報を加工
    する演算手段を有することを特徴とする二次電池の内部
    状態検知装置。
  64. 【請求項64】 前記演算手段が、 二次電池の現蓄電量および二次電池の内部抵抗の少な
    くとも一方を算出する手段、 機器が使用できる二次電池の蓄電量である残量および
    平均消費電流もしくは平均消費電力の値の少なくとも一
    方を算出する手段、並びに 充電終了までに要する時間および充電終了後の二次電
    池の蓄電量の少なくとも一方を算出する手段、 の〜から選択される一種類以上の手段を有している
    ことを特徴とする請求項63記載の二次電池の内部状態
    検知装置。
  65. 【請求項65】 前記請求項58記載の装置であって、
    二次電池が正常であるか劣化しているか、および劣化し
    ている場合にはその劣化のモードを判定する手段を有す
    ることを特徴とする二次電池の内部状態検知装置。
  66. 【請求項66】 前記請求項58記載の装置であって、
    前記検出手段から得られる情報および前記二次電池の内
    部状態に関する情報の少なくとも一方を出力する手段を
    有することを特徴とする二次電池の内部状態検知装置。
  67. 【請求項67】 前記請求項66記載の装置であって、
    前記検出手段から得られる情報および前記二次電池の内
    部状態に関する情報の少なくとも一方を表示する手段を
    有することを特徴とする二次電池の内部状態検知装置。
  68. 【請求項68】 前記請求項57〜67のいずれかに記
    載の装置を付加した1個以上の二次電池からなることを
    特徴とする電池パックまたは電池モジュール。
  69. 【請求項69】 前記電池パックまたは電池モジュール
    を電源に使用する機器との通信手段を有していることを
    特徴とする請求項68に記載の電池パックまたは電池モ
    ジュール。
  70. 【請求項70】 前記請求項57〜67のいずれかに記
    載の装置を付加したことを特徴とする機器もしくは機
    械。
  71. 【請求項71】 前記機器もしくは機械が、情報通信機
    能を有することを特徴とする請求項70に記載の機器も
    しくは機械。
  72. 【請求項72】 前記機器が、携帯電話もしくは携帯端
    末であることを特徴とする請求項71に記載の機器。
  73. 【請求項73】 前記機器が、コンピュータであること
    を特徴とする請求項70に記載の機器。
  74. 【請求項74】 前記機械が、乗り物であることを特徴
    とする請求項70に記載の機械。
  75. 【請求項75】 前記乗り物が車輪を有していることを
    特徴とする請求項74に記載の機械。
  76. 【請求項76】 前記機器が、二次電池を充電する充電
    器であることを特徴とする請求項70に記載の機器。
  77. 【請求項77】 前記機器が、製造された二次電池が良
    品であるか不良品であるか検査する機器であることを特
    徴とする請求項70に記載の機器。
  78. 【請求項78】 前記請求項57〜67のいずれかに記
    載の装置を付加したことを特徴とする電力貯蔵システ
    ム。
  79. 【請求項79】 二次電池の内部状態を検知するための
    プログラムにおいて、前記請求項1〜51のいずれかに
    記載の検知方法を盛り込んだプログラムであることを特
    徴とする二次電池の内部状態検知プログラム。
  80. 【請求項80】 請求項79記載の二次電池の内部状態
    を検知するためのプログラムを収めたメモリ媒体。
  81. 【請求項81】 上記判定(a)〜(e)のうち、2以
    上を組合せて用いることを特徴とする請求項1または2
    に記載の二次電池の内部状態検知方法。
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