JP2002049039A - 液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子

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JP2002049039A JP2000235617A JP2000235617A JP2002049039A JP 2002049039 A JP2002049039 A JP 2002049039A JP 2000235617 A JP2000235617 A JP 2000235617A JP 2000235617 A JP2000235617 A JP 2000235617A JP 2002049039 A JP2002049039 A JP 2002049039A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラビング処理によっては液晶分子がラビング
方向に直交に配向し、プレチルト角が0度であり、焼き
付きが良好でしかも電圧保持率が高く、および/また
は、偏光パルスレーザ照射による配向処理では液晶分子
を偏光方向と平行方向に配向させる液晶配向剤を提供す
ること。 【解決手段】 下記式(I) 【化1】 式(I)中、R1およびR2は、それぞれ同一または異な
る一価の有機基またはハロゲン原子を示し、aおよびb
はそれぞれ0〜5の整数であり、R1およびR2が複数存
在する場合は、これらは同一であってもよいし、異なっ
ていてもよい、で表されるテトラカルボン酸二無水物と
ジアミン化合物を反応させて得られるポリアミック酸、
並びにこれらのポリアミック酸を脱水閉環して得られる
イミド化重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の重合体を含有する液晶配向剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶配向剤、液晶配
向膜の形成方法および液晶表示素子に関する。さらに詳
しくは、ラビングおよび/または偏光パルスレーザ照射
により液晶配向能を付与することが可能な液晶配向膜の
形成に使用される液晶配向剤、それから液晶配向膜を形
成する方法並びにその液晶配向膜を備えた液晶表示素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としては、透明電極
が設けられている基板の当該表面に液晶配向膜を形成し
て液晶表示素子用基板とし、その2枚を対向配置してそ
の間隙内に、例えば正の誘電異方性を有するネマチック
型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、当
該液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かっ
て連続的に90度捩れるようにした、いわゆるTN(T
wisted Nematic)型液晶セルを有するT
N型液晶表示素子が知られている。
【0003】このTN型液晶表示素子などの液晶表示素
子における液晶分子の配向は、通常、ラビング処理によ
り液晶分子に対する配向能が付与された液晶配向膜によ
り実現される。このような液晶表示素子を一定のフレー
ム周期で駆動させる場合において、焼き付きのない良好
な表示を得るためには、その液晶配向方向をラビングの
方向に対して直交方向にし、プレチルト角を0度にする
ことが望ましい。しかしながら、従来の液晶配向膜はそ
の液晶表示素子においては、その液晶配向方向がラビン
グの方向に対して平行方向になってしまい、また液晶の
プレチルト角が1度〜10度と高く、焼きつきに悪影響
を及ぼしているのが現状である。
【0004】また一方、ラビング処理には、次のような
問題点が指摘されている:TFT素子の破壊につなが
るので、その製造装置には静電対策がさなれているが、
ラビング処理により発生する静電気に対しては完全では
ない、ラビング処理は塵を発生するため、引き続いて
洗浄を必要とし工程数が増加する、段差部を有する配
向膜では、段差部と平坦部のラビング条件が異なる場合
があり、配向規制力およびチルト角の不均一を生じやす
い、ラビング方向が単一であるため、分割配向画素か
らなる配向膜の製造には工程が煩雑になる、大型基
板、例えば550×650mm2以上の大型基板の配向
膜を均一にラビングするためには特別の装置を必要とす
る、フィルム等の比較的柔らかい部材を基板として用
いた場合、基板の配向膜を均等にラビングすることは実
際上難しいか、あるいは工程が煩雑になる。
【0005】上記のごとき問題を避けるために、ラビン
グ処理を行わずに液晶配向膜に液晶分子に対する配向能
を付与する方法も開発されている。そのような方法の1
つとして、液晶配向膜にレーザを照射する方法がある。
特開平2−196219号公報には、液晶表示装置にお
ける電極基板上の高分子フィルム表面に高強度の紫外線
レーザ、例えばXeF、XeCl、KrF、ArFある
いはF2エキシマレーザを照射して周期的な模様を形成
し、液晶配向膜を製造する方法が開示されている。
【0006】特開平6−130390号公報には、真空
容器内において、その内部を真空排気しながら、基板上
に形成されている液晶分子を一定方向に配向させるため
の配向膜に対して、多数の互いに平行なスリット穴を有
するマスクを通してエキシマレーザ光を照射する方法が
開示されている。また、特開平5−232473号公報
には、一対の透明基板の相互に対向する表面に配向膜を
形成し、その間に液晶を封入してなる電気光学装置を製
造する方法であって、前記透明基板の相互に対向する表
面に、液晶層を支持するためのスペーサーを混入させた
配向膜を形成した後に、前記配向膜にレーザ光を照射し
て配向処理していく方法が開示されている。
【0007】上記方法では、いずれの方法でも液晶配向
膜にレーザ光を照射した際に、配向膜表面の高分子があ
る周期をもって切断され、切断された原子もしくは分子
が酸化されて気化するため、配向膜の表面に周期的な凹
凸が生じる。そのため、この方法では、気化された分解
物によってクリーンルームの環境が悪化し、また表面の
周期的な凹凸が高分子の分解に起因しているため、表面
の電気特性が十分でないという欠点があった。
【0008】さらにまた、平岡らは、塵や分解物を生じ
ることなく、配向膜の表面の分子を配向させる偏光パル
スレーザ照射による配向処理方法を提案している(特開
平11−152475号公報参照)。平岡らの方法によ
れば、偏光されたパルスレーザの照射により、配向膜表
面の分子を分解することなく非分解的に、配向膜の表面
に液晶分子に対する配向能を付与することができる。こ
のとき、液晶分子の配向方向は、照射する偏光パルスレ
ーザの照射エネルギーを適切に設定することにより、照
射したパルスレーザの偏光方向に平行な方向あるいは直
交する方向に、任意に制御することができる(以下、そ
れぞれ「平行配向」および「直交配向」という)。
【0009】しかしながら、上記方法で液晶分子を配向
させた場合、良好な視覚特性を維持しながらプレチルト
角を得るのが困難であるという問題があった。すなわ
ち、直交配向が得られる偏光パルスレーザ照射条件でプ
レチルト角を得るためには、偏光パルスレーザ照射を照
射方向を変えて2段階で行う必要があり、この方法によ
った場合、工程数の増加のみならず、液晶配向の安定性
が低下しドメインが発生しやすくなるという問題があっ
た。また、平行配向が得られる偏光パルスレーザ照射条
件では、照射条件を適切に選択することにより、一段階
の偏光パルスレーザ照射でプレチルト角を有する液晶配
向を実現できるが、その場合には、配向膜表面に、照射
した偏光パルスレーザの偏光方向に平行した周期的な凹
凸形状を伴うことになる。配向膜表面に形成された周期
的な凹凸を持つ液晶配向膜を液晶表示素子に用いた場
合、光の干渉、あるいは対向配置した基板間の間隙が不
均一になることでドメインが生じ、十分な視覚特性を維
持できないという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ラビ
ング処理によって液晶配向能を付与した際に、液晶の配
向方向がラビング方向に対して直交方向になり、かつプ
レチルト角が0度であり、一定のフレーム周期で駆動さ
せる場合において好適に用いられる液晶配向膜を与える
ことができる液晶配向剤を提供することにある。本発明
の他の目的は、偏光パルスレーザの照射によって、表面
に実質的な形状変化を伴わずに液晶分子に対する平行配
向能が付与されそして適切な偏光パルスレーザ照射条件
によって有意なプレチルト角を付与する性能を備えた液
晶配向剤を提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、本発明の上記
液晶配向剤から液晶配向膜を形成する方法を提供するこ
とにある。本発明のさらに他の目的は、上記液晶配向膜
を備えた液晶表示素子を提供することにある。本発明の
さらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかに
なろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に、下記式(I)
【0013】
【化2】
【0014】式(I)中、R1およびR2は、それぞれ同
一または異なる一価の有機基またはハロゲン原子を示
し、aおよびbはそれぞれ0〜5の整数であり、R1
よびR2が複数存在する場合は、これらは同一であって
もよいし、異なっていてもよい、 で表されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物
を反応させて得られるポリアミック酸、並びにこれらの
ポリアミック酸を脱水閉環して得られるイミド化重合体
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体を含有
することを特徴とする液晶配向剤によって達成される。
【0015】本発明によれば、本発明の上記目的および
利点は、第2に、本発明の液晶配向剤を基板に塗布して
有機膜を形成し、そして該有機膜に偏光パルスレーザー
を照射して液晶配向能を付与することを特徴とする液晶
配向膜の形成方法によって達成される。また、本発明に
よれば、本発明の上記目的および利点は、第3に、本発
明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜を具備すること
を特徴とする液晶表示素子によって達成される。以下、
本発明について具体的に説明する。
【0016】液晶配向剤 <ポリアミック酸>本発明の液晶配向剤を構成する樹脂
として使用されるポリアミック酸は、上記式(I)で表
されるテトラカルボン酸二無水物(以下「特定酸無水
物」という)と、ジアミン化合物とを反応させることに
より得られる。
【0017】上記式(I)において、R1およびR2で表
される一価の有機基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル
基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、
n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n
−ヘキサデシル基、n−エイコシル基などの炭素数1〜
20のアルキル基;トリフルオロメチル基、トリクロロ
メチル基、ペンタフルオロエチル基などの炭素数1〜2
0のハロゲン化アルキル基等を好ましいものとして挙げ
ることができる。また、ハロゲン原子としては、例えば
フッ素、塩素および臭素を好ましいものとして挙げるこ
とができる。
【0018】本発明の液晶配向剤を構成するポリアミッ
ク酸には、本発明の効果を損なわない程度に、特定酸無
水物以外の他のテトラカルボン酸二無水物を用いること
もできる。かかる他のテトラカルボン酸二無水物として
は、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2
−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シク
ロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−
シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無
水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢
酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラ
カルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フ
ラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオ
ン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチ
ル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−
5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)
−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,
3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テト
ラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒ
ドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,
2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,
9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒ
ドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,
2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオ
キソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,
2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカル
ボン酸二無水物、下記式(II)および(III)で表され
る化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二
無水物;
【0019】
【化3】
【0020】(式中、R3およびR5は、芳香環を有する
2価の有機基を示し、R4およびR6は、水素原子または
アルキル基を示し、複数存在するR4およびR6は、それ
ぞれ同一でも異なっていてもよい。) ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二
無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシラン
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラ
フェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,
4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフ
ィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロ
パン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプ
ロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)
フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレ
ン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェ
ニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス
(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエー
テル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,
4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール
−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリ
コール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−
ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、
1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリ
テート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒド
ロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)
などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることが
できる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせ
て用いられる。テトラカルボン酸二無水物のうち、特定
酸無水物の割合としては、本発明の効果を確実に発揮さ
せるという観点から30〜100モル%が好ましく、よ
り好ましくは50〜100モル%である。
【0021】本発明に用いられるジアミン化合物として
は、例えば1,2−フェニレンジアミン、3−メチル−
1,2−フェニレンジアミン、4−メチル−1,2−フェ
ニレンジアミン、4,5−ジメチル−1,2−フェニレン
ジアミン、3−エチル−1,2−フェニレンジアミン、
3−メチル−1,2−フェニレンジアミン、4−エチル
−1,2−フェニレンジアミン、4,5−ジエチル−1,
2−フェニレンジアミン、3−メトキシ−1,2−フェ
ニレンジアミン、4−メトキシ−1,2−フェニレンジ
アミン、4,5−ジメトキシ−1,2−フェニレンジアミ
ン、3−エトキシ−1,2−フェニレンジアミン、4−
エトキシ−1,2−フェニレンジアミン、3−クロロ−
1,2−フェニレンジアミン、4−クロロ−1,2−フェ
ニレンジアミン、3−フルオロ−1,2−フェニレンジ
アミン、4−フルオロ−1,2−フェニレンジアミン、
1,3−フェニレンジアミン、2−メチル−1,3−フェ
ニレンジアミン、4−メチル−1,3−フェニレンジア
ミン、5−メチル−1,3−フェニレンジアミン、2−
エチル−1,3−フェニレンジアミン、4−エチル−1,
3−フェニレンジアミン、5−エチル−1,3−フェニ
レンジアミン、2−メトキシ−1,3−フェニレンジア
ミン、4−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、5
−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、4−エトキ
シ−1,3−フェニレンジアミン、5−エトキシ−1,3
−フェニレンジアミン、4−クロロ−1,3−フェニレ
ンジアミン、5−クロロ−1,3−フェニレンジアミ
ン、4−フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、5−
フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニ
レンジアミン、2−メチル−1,4−フェニレンジアミ
ン、2,3−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、
2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2,3−ジエ
チル−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジエチル−
1,4−フェニレンジアミン、2,6−エチル−1,4−
フェニレンジアミン、2−メトキシ−1,4−フェニレ
ンジアミン、2−エトキシ−1,4−フェニレンジアミ
ン、2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン、2,3−
ジクロロ−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジクロ
ロ−1,4−フェニレンジアミン、2,6−ジクロロ−
1,4−フェニレンジアミン、2−フルオロ−1,4−フ
ェニレンジアミン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニ
レンジアミン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン
ジアミン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンジア
ミン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル
−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,5,5’−テ
トラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−
ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビ
フェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビ
フェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフ
ルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスア
ニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデ
ン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノジ
フェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’
−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,
4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリ
ン)、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフ
ルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプ
ロパン、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジアニリ
ン、ジアミノ4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリ
フルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェ
ニル、2,7−ジアミノフルオレン、5−アミノ−1−
(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルイン
ダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−
1,3,3−トリメチルインダンなどを挙げることができ
る。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上
組み合わせて使用することができる。
【0022】これらのうち、1,4−フェニレンジアミ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、4,4’−(9−フルオレ
ニリデン)ジアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミ
ノフェニキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(p−
フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリンは、これ
らを含有してなる液晶配向剤によって形成される液晶配
向膜が長期にわたって良好な液晶配向性を有するので、
好ましい。これらジアミン化合物は、単独でまたは2種
以上組み合わせて用いることができる。
【0023】ポリアミック酸の合成反応に供されるテト
ラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、
ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テ
トラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量
となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2
当量となる割合である。
【0024】テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合
物とによるポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中に
おいて、好ましくは0〜150℃、より好ましくは0〜
100℃の温度条件下で、好ましくは1〜48時間行わ
れる。なお、反応条件により、ポリアミック酸の一部が
イミド化される場合があるが、本発明を構成する液晶配
向膜を形成する樹脂として使用することに何ら問題はな
い。この反応に用いられる有機溶媒としては、反応生成
物であるポリアミック酸を溶解し得るものであれば特に
制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,
N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テ
トラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなど
の非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノー
ル、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノー
ル系溶媒を挙げることができる。また、有機溶媒の使用
量は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物
の総量が、反応溶液の全量に対して0.1〜30重量%
になる量であることが好ましい。
【0025】なお、この有機溶媒には、ポリアミック酸
の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類および炭化水素類
を、生成するポリアミック酸が析出しない程度の割合で
併用することができる。かかる貧溶媒としては、例えば
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリ
エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−エ
チル−3−メトキシブタノールの如きアルコール類;ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−
2−ペンタノンの如きケトン類;酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチ
ル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、
ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブ
タン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−
メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン
酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルの如きエス
テル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールメチル
エーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレ
ングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコ
ール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n
−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−ヘキシル
エーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチ
レングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエ
チルエーテルアセテート、エチレングリコール−n−プ
ロピルエーテルアセテート、エチレングリコール−i−
プロピルエーテルアセテート、エチレングリコール−n
−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコール−n
−ヘキシルエーテルアセテート、テトラヒドロフランの
如きエーテル類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエ
タン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、ク
ロルベンゼン、o−ジクロルベンゼンの如きハロゲン化
炭化水素類およびヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベン
ゼン、トルエン、キシレンの如き炭化水素類を挙げるこ
とができる。これらは単独でまたは2種以上組み合わせ
て用いることができる。
【0026】<イミド化重合体>液晶配向膜を構成する
樹脂として使用されるイミド化重合体は、下記方法
(1)または方法(2)あるいは方法(3)により調製
することができる。このイミド化重合体は、通常ポリイ
ミドまたはポリイソイミドである。
【0027】方法(1):上記のポリアミック酸を加熱
する。この方法における反応温度は、通常60〜250
℃とされ、好ましくは100〜170℃とされる。反応
温度が60℃未満ではイミド化反応が十分に進行せず、
反応温度が250℃を超えると得られるイミド化重合体
の分子量が低下することがある。
【0028】方法(2):ポリアミック酸を有機溶媒に
溶解し、この溶液中に脱水剤を添加し必要に応じて加熱
することにより、イミド化反応させる。この方法におい
て、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いること
ができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返
し単位1モルに対して1.5〜20モルとするのが好ま
しい。なお、脱水反応に用いられる有機溶媒としては、
ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した
有機溶媒と同じものを挙げることができる。脱水反応の
反応温度は、好ましくは0〜180℃、より好ましくは
60〜150℃である。
【0029】方法(3):特定酸無水物とジアミン化合
物を有機溶媒に溶解し、HIGH PERFORMAN
CE POLYMERS,1,1,3−16(198
9)記載の方法によってイミド化重合体を得る。なお、
上記イミド化反応の反応条件をコントロールすることに
よって、イミド化率を任意に調整することができる。こ
こでいう「イミド化率」とは、重合体の全繰返し単位中
イミド環またはイソイミド環を有する繰返し単位の割合
を示す。
【0030】液晶配向膜を構成するポリアミック酸およ
びイミド化重合体は、末端修飾型のものであってもよ
い。末端修飾型のポリアミック酸およびイミド化重合体
は、その分子量が好適な範囲に調節され、末端修飾型の
重合体を含有させることにより、本発明の効果が損われ
ることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することが
できる。このような末端修飾型の重合体は、ポリアミッ
ク酸またはそのイミド化重合体を合成する際に、酸一無
水物やモノアミン化合物などを反応系に添加することに
より合成することができる。ここで、酸一無水物として
は、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコ
ン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシル
サクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック
酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物、n
−オクタデシルサクシニック酸無水物などを挙げること
ができる。モノアミン化合物としては、例えばアニリ
ン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペ
ンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミ
ン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシ
ルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミ
ン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、
n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n
−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−
エイコシルアミンなどを挙げることができる。
【0031】液晶配向膜を構成するポリアミック酸およ
びイミド化重合体の前駆体であるポリアミック酸は、そ
の対数粘度(ηln)の値が0.05〜10dl/gで
あることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜5d
l/gである。なお、この明細書における対数粘度(η
ln)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒とし
て用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶
液について30℃で粘度の測定を行い、下記式によって
求められるものである。
【0032】
【数1】
【0033】溶剤 本発明の液晶配向剤は、前記の有機ポリマーを含有する
重合体の溶液から成る。この際用いられる溶剤として
は、該重合体を溶解し得る有機溶剤であれば特に制限は
なく、具体的には、ポリアミック酸の合成に用いられる
ものとして例示した有機溶媒と同じものなどを用いるこ
とができる。これらは単独または2種以上を組み合わせ
て使用できる。
【0034】その他の添加剤 本発明の液晶配向剤は、プレチルト角の安定化および塗
膜強度アップのために、種々の熱硬化性の架橋剤を含有
することができる。熱硬化性架橋剤としては、多官能エ
ポキシ含有化合物が有効であり、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキ
シ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジ
ルジアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、エ
ポキシ基含有アクリル樹脂などが使用できる。市販品で
は、例えばエポライト400E、同3002(共栄社油
脂化学工業(株)製)、エピコート828、同152、
エポキシノボラック180S(油化シェルエポキシ
(株)製)などを挙げることができる。さらに、前述の
多官能エポキシ含有化合物を使用する際、架橋反応を効
率良く起こす目的で、1−ベンジル−2−メチルイミダ
ゾールなどの塩基触媒を添加することができる。
【0035】また、本発明の液晶配向剤は、基板との接
着性を改善する目的で、官能性シラン含有化合物を含有
することができる。官能性シラン含有化合物としては、
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレ
イドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピ
ルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカル
ボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、
N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミ
ン、10−トリメトキシイシリル−1,4,7−トリアザ
デカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリア
ザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノ
ニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジ
アザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチ
レン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエト
キシシランおよび特開昭63−291922号公報記載
のテトラカルボン酸二無水物とアミノ基含有シラン化合
物との反応物などを挙げることができる。
【0036】液晶配向膜 本発明の液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成する方法
としては、例えば次の方法が挙げられる。まず、透明導
電膜が設けられた基板の透明導電膜側に、本発明の液晶
配向剤をロールコーター法、スピンナー法、印刷法等に
より塗布し、例えば40〜250℃の温度で加熱して塗
膜を形成させる。塗膜の膜厚は、好ましくは0.001
〜1μm、より好ましくは0.005〜0.5μmであ
る。前記基板としては、例えばフロートガラス、ソーダ
ガラスの如きガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポ
リカーボネートの如きプラスチックフィルム等からなる
透明基板を用いることができる。
【0037】前記透明導電膜としては、SnO2からな
るNESA膜、In23−SnO2からなるITO膜等
を用いることができ、これらの透明導電膜のパターニン
グには、フォト・エッチング法、予めマスクを用いる方
法等が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板
および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にする
ために、基板および透明導電膜上に、予め官能性シラン
含有化合物、チタネート等を塗布することもできる。
【0038】次いで、前記塗膜に、通常のラビング処
理、或いは、偏光されたパルスレーザを、光照射による
有機膜の分解が起こる最低限界パルスエネルギーよりも
はるかに低いパルスエネルギーで照射する。この照射に
より、有機膜の表面の分子が配向せしめられて液晶配向
膜を生成する。レーザとしては、例えばArF、Kr
F、XeCl、XeF等のエキシマレーザ:半導体(ダ
イオード)やフラッシュランプなどで励起された、例え
ばNd:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:Y
NO4レーザ、Ti−サファイアレーザ、OPO(オプ
ト−パラメトリックオッシレータ)の如き固体レーザ:
あるいは色素レーザを挙げることができる。これらのう
ち、エキシマレーザは、ブラスター角にある水晶フィル
ターの如き偏光板と一緒に用いられる。
【0039】本発明の液晶配向剤から得られる有機膜
は、偏光パルスレーザによる配向処理を施した場合、偏
光されたパルスレーザーの光照射による高分子の分解が
起こる最低限界パルスエネルギー(有機膜種、および照
射条件によって異なるが、例えば20mJ/cm2)よ
りもはるかに低いパルスレーザーエネルギー(有機膜
種、および照射条件によって異なるが、例えば1〜6m
J/cm2)で照射されることにより、表面に偏光パル
スレーザーの照射による同期的凹凸を形成せずに、液晶
分子が照射した偏光パルスレーザーの偏光方向に対して
平行に配向する性能を付与される。なお、本発明の液晶
配向剤から得られる有機膜は、ラビング処理を施した場
合、液晶の配向方向がラビング方向に対して直交方向に
なり、かつプレチルト角が0度である液晶配向能を付与
される。
【0040】液晶表示素子 本発明の液晶表示素子は、前記液晶配向膜が形成された
2枚の基板を、それぞれの液晶配向膜におけるラビング
処理においてはラビング方向、あるいは偏光パルスレー
ザ処理においてはレーザの偏光方向が所定の角度となる
ように、間隙(セルギャップ)を介して対向させ、基板
の間の周辺部をシール剤でシールし、液晶を充填し、充
填孔を封止して液晶セルを構成する。そして、その両面
に偏光板の偏光方向が配向処理により付与された液晶配
向の方位角方向と所定の角度を成すように偏光板を張り
合わせることにより、液晶表示素子とする。液晶配向膜
が形成された2枚の基板における、配向処理により付与
された配向方向の方位角方向およびそれぞれの基板と偏
光板との角度を調整することにより、TN型またはST
N型液晶セルを有する液晶表示素子を任意に得ることが
できる。前記シール剤としては、例えば硬化剤およびス
ペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有したエポキ
シ樹脂等を用いることができる。
【0041】前記液晶としては、ネマティック型液晶、
スメクティック型液晶などを用いることができる。TN
型液晶セルの場合、ネマティック型液晶を形成させるも
のが好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系
液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液
晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニル
シクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン
系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶等が
用いられる。またSTN型液晶セルの場合、前記液晶
に、例えばコレステリルクロライド、コレステリルノナ
エート、コレステリルカーボネート等のコレステリック
液晶や商品名C−15,CB−15(メルク社製)とし
て販売されているようなカイラル剤等をさらに添加して
使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジ
リデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメート等
の強誘電性液晶も使用することができる。
【0042】液晶セルの外側に使用される偏光板として
は、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ
素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース
保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏
光板等を挙げることができる。
【0043】プレチルト角 [Y.J.Schffer,et al.,J.App
l.Phys.,19,2013(1980)]に記載
の方法に準拠し、He−Neレーザ光を用いる結晶回転
法により行った。液晶分子の配向方向 [Y.Makita,et al.,J.Photop
olymer,Sci.Tech,11,187(19
98)]に記載の方法に準拠し、液晶に混入した二色性
色素の535nm光に対する吸収の二色比測定から行っ
た。
【0044】
【実施例】以下に、本発明を下記実施例により詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0045】実施例1特定酸無水物の合成 [HIGH PERFORMANCE POLYME
R,VOL 1,NO.1,3−16頁(1989)]
記載の方法で、3,6−ジフェニルピロメリット酸二無
水物(3,6−Diphenylpyromellit
ic dianhydride)(以下、DPPMDA
と言う)を合成した。ポリアミック酸の重合 DPPMDA0.1モル(37.0g)と4,4’−ジア
ミノジフェニルエ−テル0.1モル(20.0g)をN−
メチル−2−ピロリドン510gに溶解させ、60℃で
6時間反応させた。次いで、反応混合物を大量のメタノ
−ルに注ぎ、反応生成物を沈殿させた。その後、メタノ
ールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、ポ
リアミック酸(以下、「重合体1a」という)64.8
gを得た
【0046】液晶配向膜 前記重合体1aを有機ポリマーとして用いた。この重合
体1aをγ―ブチロラクトンに溶解させて、固形分濃度
4重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルタ
ーで濾過し、本発明の液晶配向剤を調整した。この液晶
配向剤を、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の
透明電極面に、膜厚が0.1μmになるようにスピンナ
ーを用いて塗布し、250℃で1時間処理し薄膜を形成
した。上記薄膜表面に、Quanta−Ray Pro
−210(SppectraPhysics社製)によ
り、266nmの波長を主とする偏光されたNd:YA
Gレーザを、窒素雰囲気下で強度20mJ/cm2、パ
ルス頻度10Hz、入射角度20度で照射し、液晶配向
膜を形成した。
【0047】次に、上記液晶配向膜が形成された一対の
基板の、液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径1
7μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を
スクリーン印刷塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面
が相対するように、しかもパルスレーザの偏光方向が直
交するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させ
た。
【0048】次いで、液晶注入口より一対の基板間に、
ネマティック型液晶(メルク社製、ZLI−1565)
を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止
し、基板の外側の両面に偏光板を、偏光板の偏光方向が
それぞれの基板の液晶配向膜へ照射したパルスレーザ偏
光方向と一致するように張りあわせ、液晶表示素子を作
製したところ、液晶配向性は良好であった。電圧5Vを
印加したところ、印加した電圧のON−OFFに対応し
て、液晶表示素子の明暗の変化が観察された。液晶分子
の配向方向は、照射した偏光パルスレーザ光の偏光方向
に対して平行であった。プレチルト角を測定したところ
0.7度であった。
【0049】実施例2 実施例1において用いた配向処理方法を偏光パルスレー
ザ照射に代え、ラビング処理を行い、また偏光パルスレ
ーザの偏光方向の変わりにラビング方向を用いた以外
は、実施例1と全く同様にして、実施例1と同様の観察
ができた。液晶分子の配向方向は、ラビング方向に対し
て直交であった。プレチルト角は0度であった。
【0050】実施例3ポリアミック酸の重合 実施例1の4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルに代
えて、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジアニリン
を用いた以外は実施例1と全く同様にしてポリアミック
酸(以下、「重合体2a」という)64.8gを得た。
また、実施例1における重合体1aに代えて重合体2a
を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様
の観察ができた。液晶分子の配向方向は、照射した偏光
パルスレーザ光の偏光方向に対して平行であった。プレ
チルト角は0.8度であった。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、偏光パルスレーザの照
射によって、液晶分子に対する平行配向能が付与され、
有意なプレチルト角を付与する性能を備える一方、ラビ
ング処理によっては液晶の配向方向がラビング方向に対
して直交方向になり、プレチルト角が0度である液晶配
向膜を与えることができる液晶配向剤、それから液晶配
向膜を形成する方法並びに液晶配向膜を備えた液晶表示
素子が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 汪 映寒 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 松木 安生 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB08Y KA05 LA02 MA10 MB01 MB12 4J043 PA02 QB31 RA34 RA35 SA06 TA22 UA061 UA121 UA131 UA142 UA241 UA261 UB121 UB382 XA03 XA16 ZB23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 式(I)中、R1およびR2は、それぞれ同一または異な
    る一価の有機基またはハロゲン原子を示し、aおよびb
    はそれぞれ0〜5の整数であり、R1およびR2が複数存
    在する場合は、これらは同一であってもよいし、異なっ
    ていてもよい、 で表されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物
    を反応させて得られるポリアミック酸、並びにこれらの
    ポリアミック酸を脱水閉環して得られるイミド化重合体
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体を含有
    することを特徴とする液晶配向剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶配向剤を基板に塗布
    して有機膜を形成し、そして該有機膜に偏光パルスレー
    ザを照射して液晶配向能を付与することを特徴とする液
    晶配向膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液晶配向剤から得られる
    液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子。
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