JP2002047908A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

内燃機関の動弁装置

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JP2002047908A JP2001106081A JP2001106081A JP2002047908A JP 2002047908 A JP2002047908 A JP 2002047908A JP 2001106081 A JP2001106081 A JP 2001106081A JP 2001106081 A JP2001106081 A JP 2001106081A JP 2002047908 A JP2002047908 A JP 2002047908A
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L2305/00Valve arrangements comprising rollers

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  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動弁装置において,特別の位置決め手段を設
けずとも,主及び副バルブリフタ相互のガタの無い回り
止めを可能し,部品点数の削減を図る。 【解決手段】 隣接する主及び副バルブリフタ11,1
2と,主及び副バルブリフタ11,12にそれぞれ摺接
する主及び副カム15,16と,主及び副バルブリフタ
11,12に設けられる主及び副ガイド孔24,25,
及びこれら主及び副ガイド孔24,25の両方に嵌合し
て両バルブリフタ11,12間を連結する連結部材30
を有する連結手段33とを備えたものにおいて,主及び
副バルブリフタ11,12を,相対摺動可能に重なる平
坦面11c,12cを有して,共通のリフタガイド孔8
に摺動可能に嵌合するように構成し,主及び副ガイド孔
24,25を対応する平坦面11c,12cに開口する
よう主及び副バルブリフタ11,12に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の動弁装置
に関し,特に,内燃機関のバルブに開閉動作を与える昇
降可能な主バルブリフタと,この主バルブリフタに隣接
していてそれと相対的に昇降可能な副バルブリフタと,
主バルブリフタを作動する主カムと,この主カムより大
なるリフト量をもって副バルブリフタを作動する副カム
と,主及び副バルブリフタに設けられてそれらの作動方
向と直交する方向に延びる主及び副ガイド孔,及びこれ
ら主及び副ガイド孔の一方にのみ嵌合する非連結位置
と,両ガイド孔の両方に嵌合する連結位置との間を移動
する連結部材を有する連結手段とを備え,前記バルブに
少なくとも二つの異なる作動態様を付与するようにした
ものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝる内燃機関の動弁装置は,例えば特
開平9−184409号公報に開示されているように,
既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のかゝる動弁装置
では,円筒状の内側バルブリフタと,中空円筒状の外側
バルブリフタとが相対摺動可能に嵌合されると共に,外
側の副バルブリフタが機関本体のリフタガイド孔に摺動
可能に嵌合される。また内側及び外側バルブリフタには
半径方向の主及び副ガイド孔が設けられ,両ガイド孔に
わたり連結プランジャが嵌合することにより,両バルブ
リフタ間が連結されるようになっている。
【0004】こうしたものでは,内側及び外側バルブリ
フタ間に,それらの主及び副ガイド孔を同一線上に整合
させるための,高精度の位置決め手段を設ける必要があ
る。
【0005】しかしながら,そのような位置決め手段
は,動弁装置の部品点数を増加させるのみならず,加工
工数の増加をも招くので,コストの低減の妨げとなる。
【0006】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,特別の位置決め手段を設けずとも,主及び副バル
ブリフタ相互のガタの無い回り止めを可能にして,部品
点数の削減,延いてはコストの低減に寄与し得る,前記
内燃機関の動弁装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,機関本体に取付けられたバルブと動作を
一にする主バルブリフタと,この主バルブリフタに隣接
していてそれと相対的に摺動し得る副バルブリフタと,
主バルブリフタを介してバルブに第1の作動態様を与え
る主カムと,この主カムより大なるリフト量をもって副
バルブリフタをバルブの開き方向に作動し得る副カム
と,主及び副バルブリフタに設けられてそれらの作動方
向と直交する方向に延びる主及び副ガイド孔,及びこれ
ら主及び副ガイド孔の一方にのみ嵌合する非連結位置と
両ガイド孔の両方に嵌合する連結位置との間を移動する
連結部材を有する連結手段とを備え,連結手段の連結状
態による主及び副バルブリフタ相互の連結時には,副カ
ムがバルブに,該バルブを第1の作動態様より大きく開
弁する第2の作動態様を与えるようにした,内燃機関の
動弁装置において,主及び副バルブリフタを,互いに相
対摺動可能に重なる平坦面を有して,機関本体の共通す
るリフタガイド孔に摺動可能に嵌合するように構成し,
前記平坦面は,これがリフタガイド孔の軸線と平行に延
びるように形成され,主及び副ガイド孔を,それぞれ対
応する前記平坦面に開口するよう主及び副バルブリフタ
に設けたことを第1の特徴とする。
【0008】この第1の特徴によれば,広い平坦面の当
接により主及び副バルブリフタ相互の回り止めをガタ無
く果たすことができ,したがって特別な位置決め手段を
設けずとも,両バルブリフタのガイド孔の合致を容易,
的確に図ることができ,部品点数を削減できて,コスト
の低減に寄与し得る。
【0009】また本発明は,第1の特徴に加えて,主バ
ルブリフタに隣接して単一の副バルブリフタを配設した
ことを第2の特徴とする。
【0010】この第2の特徴によれば,少ない部品点数
をもって機関のバルブに二つの異なる作動態様を与える
ことができる。
【0011】さらに本発明は,第2の特徴に加えて,主
バルブリフタを,優弧の外周面を持つ欠円状に形成する
一方,副バルブリフタを,劣弧の外周面を持つ欠円状に
形成し,主バルブリフタの主ガイド孔を副バルブリフタ
の副ガイド孔より長く形成し,この主ガイド孔で連結部
材を支持するようにしたことを第3の特徴とする。
【0012】この第3の特徴によれば,主バルブリフタ
に長い主ガイド孔を形成することが容易となり,この主
ガイド孔で支持される連結プランジャの支持スパンを長
くして,連結プランジャの倒れを極小に抑えることがで
き,したがって連結手段の連結状態では両バルブリフタ
の良好な連結状態を得ることができる。
【0013】さらにまた本発明は,第1の特徴に加え
て,一対の副バルブリフタをバルブリフタの両側に一対
配設し,この両副バルブリフタに対応して同一形状の一
対の副カムを配設し,主バルブリフタを一対の連結部材
を介して両副バルブリフタに連結し得るようにしたこと
を第4の特徴とする。
【0014】この第4の特徴によれば,主バルブリフタ
を一対の連結部材を介して両副バルブリフタに連結する
と,主バルブリフタの両側部に両副バルブリフタが連結
され,両副カムの作動力が両バルブリフタ及び両連結部
材を介して主バルブリフタの両側部に均等に加わること
になるから,主バルブリフタを傾きのない適正な姿勢で
作動させることができる。
【0015】さらにまた本発明は,第1の特徴に加え
て,主バルブリフタの両側に第1及び第2副バルブリフ
タを配設し,これら第1及び第2バルブリフタに対応し
て互いにリフト量を異にする第1及び第2副カムを配設
し,主バルブリフタを第1及び第2連結部材を介して第
1及び第2副バルブリフタに個別に連結し得るようにし
たことを第5の特徴とする。
【0016】この第5の特徴によれば,主バルブリフタ
から第1及び第2両副バルブリフタを分離したり,主バ
ルブリフタに第1副バルブリフタのみを連結したり,主
バルブリフタに第2副バルブリフタを連結したりする
と,主カム,第1副カム及び第2副カムとの協働によ
り,機関のバルブに三つの異なる作動態様を与えること
ができる。
【0017】さらにまた本発明は,第1〜第5の特徴に
加えて,一対の円形リフタガイド孔を,それらの一部を
互いにラップさせて配置し,これらリフタガイド孔に嵌
装される2組の主及び副バルブリフタには,両リフタガ
イド孔の境界部で互いに当接する平坦面を形成したこと
を第6の特徴とする。
【0018】この第6の特徴によれば,2組の主及び副
バルブリフタを隣接配置する場合,それらに形成された
平坦面を一対のリフタガイド孔の境界部で当接させるこ
とにより,2組の主及び副バルブリフタが互いに回転を
拘束し合うため,各組の主及び副バルブリフタとリフタ
ガイド孔との間に回り止め手段を講ずる必要をなくし
て,構成の簡素化を図ることができると共に,2組の主
及び副バルブリフタ,並びにこれらによって作動される
一対のバルブの近接配置を可能し,機関のコンパクト化
をも図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0020】図1本発明の第1実施例を示す2バルブ・
ツインカム軸型内燃機関の動弁装置の平面図,図2は図
1の2−2線断面図,図3は図2の3−3線断面図,図
4は図3の4−4線断面図,図5は図4の5−5線拡大
断面図(低速モードを示す),図6は図5の6−6線断
面図,図7は高速モードへの切換準備状態を示す,図5
に対応した作用説明図,図8は高速モードを示す,図5
に対応した作用説明図である。図9は本発明の第2実施
例を示す4バルブ・ツインカム軸型内燃機関の動弁装置
の縦断面図,図10は図9の10−10線断面図,図1
1は本発明の第3実施例を示す,図9に対応した断面
図,図12は図11の12−12線断面図,図13は本
発明の第4実施例を示す4バルブ・シングルカム軸型内
燃機関の動弁装置の平面図である。図14は本発明の第
5実施例を示す4バルブ・シングルカム軸型内燃機関の
動弁装置の縦断正面図,図15は図14の15−15線
断面図,図16は図14の16−16線拡大断面図,図
17は図14の要部拡大図(低速モードを示す),図1
8は高速モードを示す作用図である。図19は本発明の
第6実施例を示す4バルブ・シングルカム軸/3モード
型内燃機関の動弁装置の縦断正面図,図20は図19の
要部拡大図(低速モードを示す),図21は中速モード
を示す,図20に対応した作用説明図,図22は高速モ
ードを示す,図20に対応した作用説明図である。
【0021】先ず,図1〜図8に示す本発明の第1実施
例の説明から始める。
【0022】図1ににおいて,機関本体の一部を構成す
るシリンダヘッド1に,一つのシリンダボア2に対応し
て吸気バルブ3及び排気バルブ4が一本宛設けられ,こ
れら吸気及び排気バルブ3,4の直上に吸気用カム軸5
及び排気用カム軸6が配設される。これらカム軸5,6
は,従来普通のように図示しないクランク軸からタイミ
ング伝動装置を介して駆動される。
【0023】各カム軸5,6と各バルブ3,4との間に
本発明の動弁装置Dが設けられるが,それぞれの動弁装
置Dは同一の構成を有するので,これらを代表して吸気
バルブ3側の動弁装置Dについて以下に説明する。
【0024】図2及び図3に示すように,吸気バルブ3
は,シリンダヘッド1に設けられた吸気ポート1iの開
閉に供させるもので,このバルブ3の上方でシリンダヘ
ッド1に円形のリフタガイド孔8が設けられており,こ
れに主及び副バルブリフタ11,12が摺動自在に嵌合
される。主バルブリフタ11は,リフタガイド孔8の内
周面に対応した優弧の外周面と,その両端縁間を接続す
る軸方向の平坦面11cとを有して,欠円状をなしてお
り,また副バルブリフタ12は,同じくリフタガイド孔
8の内周面に対応した劣弧の外周面と,その両端縁間を
接続する平坦面12cとを有して,欠円状をなしてい
る。そして両バルブリフタ11,12は,それぞれの平
坦面11c,12cを合わせたとき,一つの円筒形を形
成するようになっている。両バルブリフタ11,12
は,それらの平坦面11c,12cを合わせて共通のリ
フタガイド孔8に摺動可能に嵌装される。その際,両バ
ルブリフタ11,12の平坦面11c,12cは,両バ
ルブリフタ11,12間を縦断するようにリフタガイド
孔8の軸線と平行して配置され,軸方向に相対摺動が可
能であり,両バルブリフタ11,12のリフタガイド孔
8での個別摺動を許容する。
【0025】主及び副バルブリフタ11,12の少なく
とも一方とシリンダヘッド1との間には回り止めキー1
0が介裝される。
【0026】主及び副バルブリフタ11,12は,厚肉
のヘッド部11a,12aと,これらヘッド部11a,
12a下面から,それぞれの円弧状外周面に連続して下
方へ延びる薄肉の円弧状のスカート部11b,12bと
を有する。
【0027】一方,カム軸5には,主バルブリフタ11
の上面に摺接する主カム15と,副バルブリフタ12の
上面に摺接する副カム16とが形成され,主及び副カム
15,16のベース円部には高低差が無いが,副カム1
6のリフト部16aは,主カム15のリフト部15aよ
り高く形成される。したがって,主カム15は低速用,
副カム16は高速用である。
【0028】主バルブリフタ11のヘッド部11a下面
には,リフタガイド孔8の中心に配置されたバルブ3の
ステムヘッドがシム28を介して当接する。このバルブ
3のステムに固定されるフランジ状のリテーナ21とシ
リンダヘッド1との間に,バルブ3を閉じ方向,即ち主
カム15側に付勢するコイル状のバルブスプリング22
が装着される。また主及び副バルブリフタ11,12の
ヘッド部11a,12a下面とシリンダヘッド1との間
には,両バルブリフタ11,12を主及び副カム15,
16側に付勢する,共通のコイル状リフタスプリング2
3がスカート部11b,12bの内面に近接して装着さ
れる。
【0029】主バルブリフタ11のヘッド部11aに
は,その平坦面11cに開口する主ガイド孔24と,こ
の主ガイド孔24に環状段部26を介して連なると共に
外周側に開口する油圧室27とが設けられ,副バルブリ
フタ12のヘッド部12aには,その平坦面12cに直
交して開口する有底の副ガイド孔25が設けられる。前
記主ガイド孔24は,この副ガイド孔25より長く形成
される。
【0030】主ガイド孔24には連結プランジャ30が
摺動自在に嵌合され,副ガイド孔25には戻しピストン
31が摺動自在に嵌合されと共に,これを主バルブリフ
タ11側へ付勢する戻しばね32が収容される。主及び
副ガイド孔24,25は同径に形成されていて,主及び
副カム15,16が主及び副バルブリフタ11,12の
上面に同時に接触するとき,即ち両バルブリフタ11,
12の上面が揃ったとき連結プランジャ30が副バルブ
リフタ12の副ガイド孔25に出入りし得るようになっ
ている。上記連結プランジャ30,戻しピストン31,
戻しばね32及び油圧室27により連結手段33が構成
される。
【0031】而して,戻しピストン31及び連結プラン
ジャ30が一斉に油圧室27側に移動して,戻しピスト
ン31が環状段部26に当接することにより連結手段3
3の非連結状態が確立する。このとき連結プランジャ3
0は,主及び副バルブリフタ11,12の相対摺動を妨
げない位置を占めるようになっている。また戻しピスト
ン31及び連結プランジャ30が一斉に副ガイド孔25
側に移動して,戻しピストン31が副ガイド孔25の端
壁に当接することにより,連結手段33の連結状態が確
立する。このとき連結プランジャ30は,両バルブリフ
タ11,12の境界を横切って,その両者11,12の
相対摺動を拘束する位置を占める。
【0032】図4及び図5において,連結手段33の非
連結状態のとき,製作誤差による連結プランジャ30の
先端と副バルブリフタ12との干渉,或いは戻しピスト
ン31の先端と主バルブリフタ11との干渉を避けるた
めに,主及び副バルブリフタ11,12の対向する平坦
面11c,12cの少なくとも一方,図示例では副バル
ブリフタ12の平坦面12cに軸方向に延びる逃げ凹部
34が設けられ,この逃げ凹部34で,連結プランジャ
30及び戻しピストン31の両当接端面を受容するよう
になっている。この逃げ凹部34は,図6に示すよう
に,副バルブリフタ12の上面に開放するUの字状をな
していて,その加工を容易にすると共に,潤滑オイルの
保持を可能にしている。
【0033】シリンダヘッド1には,油圧室27に連通
する油路35が設けられ,この油路35には,これを油
圧ポンプ等の油圧供給源と低圧の油溜めとに選択的に接
続する切換弁(図示せず)が設けられる。
【0034】次に,この第1実施例の作用について説明
する。
【0035】内燃機関の低速ないし中速運転域では,油
路35を通して油圧室27を油溜めに開放して,連結手
段33を連結解除状態にする。すると,図5に示すよう
に,戻しピストン31が戻しばね32の付勢力をもって
連結プランジャ30を主ガイド孔24の環状段部26と
の当接位置に保持する。このとき連結プランジャ30は
その先端を逃げ凹部34に臨ませ,連結手段33は両バ
ルブリフタ11,12の相対摺動を可能にする非連結状
態となり,動弁装置Dは低速モードとなる。
【0036】したがって,カム軸5が回転すると,主カ
ム15は,バルブスプリング22と協働しながら,主バ
ルブリフタ11を介してバルブ3に開閉動作を与える
が,副カム16は,リフタスプリング23と協働して,
副バルブリフタ12を主バルブリフタ11より大なるス
トロークをもって無為に往復動させるだけで,バルブ3
の開閉には関与しない。したがって,この場合のバルブ
3の開閉特性は,低いリフト部15aを持つ主カム15
のカムプロファイルによって決定されることになり,機
関の低速ないし中速性能の向上を図ることができる。
【0037】尚,リフタスプリング23の上端は,主及
び副バルブリフタ11,12の両方のヘッド部11a,
12aの下面に当接しているので,主及び副カム15,
16のリフト差による両バルブリフタ11,12の相対
移動に伴って傾くことになるが,上記リフト差は比較的
少ないから,その傾きも僅かであって,リフタスプリン
グ23の負担とはならない。
【0038】ところで,主バルブリフタ11を副カム側
に付勢するリフタスプリング23は,その固定端,即ち
下端をシリンダヘッド1に支持させているので,このリ
フタスプリング23が副カム16から受ける荷重はシリ
ンダヘッド1に直接受け止めさせることになり,バルブ
3には全く影響しない。したがって,副バルブリフタ1
2が主バルブリフタ11より大きいストロークで往復動
してリフタスプリング23を大きく撓ませても,それに
伴う副バルブリフタ12及びリフタスプリング23の大
なる慣性力がバルブ3に作用することはなく,バルブ3
のジャンピングの発生を防ぐと共に,主カム15からバ
ルブ3に至る摺動部及び当接部における面圧の無用な増
大を抑えて,それらの摩耗を極力防ぐことができ,また
カム軸5の負荷を無用に増大させることもない。
【0039】次に機関が高速運転域に達し,油路35か
ら油圧室27に油圧を供給すると,連結プランジャ30
が油圧室27の油圧より戻しピストン31を戻しばね3
2の付勢力に抗して押圧するが,このとき主及び副カム
15,16がそれぞれベース円部以外のところで主及び
副バルブリフタ11,12の上面に接触していれば,主
ガイド孔24と副ガイド孔25との位置が食い違ってい
るので,図7に示すように,連結プランジャ30は,副
バルブリフタ12の側面,即ち逃げ凹部34の底面に当
接した位置で一旦停止し,切換準備状態となる。
【0040】この状態から主及び副カム15,16の各
ベース円部が主及び副バルブリフタ11,12の上面に
同時に接触するようになると,主及び副ガイド孔24,
25が相互に合致し,両ベース円部が両バルブリフタ1
1,12に接触している期間が比較的長いこともあっ
て,連結プランジャ30は,油圧室27の油圧をもって
戻しピストン31を戻しばね32の付勢力に抗し押動し
て,戻しピストン31を主ガイド孔24の端壁に当接さ
せるに至り(図8参照),連結手段33は,両バルブリ
フタ11,12の相対摺動を不能にする連結状態とな
り,動弁装置Dは高速モードとなる。
【0041】したがって,高いリフト部16aを持つ副
カム16がバルブスプリング22と協働しながら,両バ
ルブリフタ11,12を介してバルブ3を開閉し,主カ
ム15の低いリフト部15aは主バルブリフタ11に対
して空回りするようになる。この場合のバルブ3の開閉
特性は,高いリフト部16aを持つ副カム16のカムプ
ロファイルによって決定されることになり,機関の高速
性能の向上を図ることができる。
【0042】この場合,並列関係にあるバルブスプリン
グ22及びリフタスプリング23が連結状態で両バルブ
リフタ11,12に対し反発力を発揮するので,その反
発力の総和が両バルブリフタ11,12に加わることに
なる。したがって,両バルブリフタ11,12が一体化
して,慣性マスが増大したにも拘らず,両バルブリフタ
11,12の慣性力を効果的に抑えて,バルブ3のジャ
ンピングを防ぐのみならず,両バルブリフタ11,12
の戻り応答性,延いてはバルブ3の閉弁応答性を高め,
高速性能の一層の向上に寄与し得る。
【0043】機関が再び低速ないし中速運転域に戻り,
油圧室27の油圧を油溜めに解放すれば,戻しピストン
31が戻しばね32の反発力をもって連結プランジャ3
0を当初の位置に押し返すので,連結手段33は,主及
び副バルブリフタ11,12の相対摺動が可能な非連結
状態となることは明らかであろう。
【0044】ところで,主及び副バルブリフタ11,1
2は,平坦面11c,12cを合わせると一つの円筒体
を形成するよう,それぞれ欠円状に形成され,主バルブ
リフタ11には,その平坦面11cに開口して連結プラ
ンジャ30を嵌合させる主ガイド孔24が,また副バル
ブリフタ12には,その平坦面12cに開口して戻しピ
ストン31を嵌合させる副ガイド孔25がそれぞれ設け
られるので,広い平坦面11c,12cの当接により主
及び副バルブリフタ11,12相互の回り止めをガタ無
く果たすことができ,したがって特別な位置決め手段を
設けずとも,主及び副ガイド孔24,25の合致を容
易,的確に図ることができる。しかも連結手段33にお
いて使用する摺動部材は,連結プランジャ30及び戻し
ピストン31と2個で足りるので,部品点数の大幅な削
減をもたらすことができる。
【0045】また主バルブリフタ11は優弧の欠円状と
され,これに設けられた比較的長い主ガイド孔24で連
結プランジャ30が支持されるので,連結プランジャ3
0の長い支持スパンを確保することができ,したがって
連結手段33の連結状態では,連結プランジャ30の倒
れを極小に抑えて,両バルブリフタ11,12の良好な
連結状態を得ることができる。
【0046】次に,図9及び図10に示す本発明の第2
実施例について説明する。
【0047】この実施例は,吸気用及び排気用として,
それぞれ平行する一対のバルブ3,3(排気用は図示せ
ず)を備えた4バルブ型内燃機関に適用したもので,各
一対の吸気バルブ3,3及び排気バルブの直上に,それ
ぞれの配列方向に沿って延びる吸気用カム軸5及び排気
用カム軸(図示せず)が配設される。一対のバルブ3,
3に対応して2組の主及び副バルブリフタ11,12;
11,12が設けられる。その際,各組の主バルブリフ
タ11,11の外周面の一側に平坦面46,46が形成
され,これら平坦面46,46を相互に当接させるよう
にして,2組の主及び副バルブリフタ11,12;1
1,12は隣接配置される。この2組の主及び副バルブ
リフタ11,12;11,12を摺動自在に嵌合すべく
シリンダヘッド1に設けられる一対のリフタガイド孔
8,8は,一部をラップさせて配置される。またこの両
リフタガイド孔8,8の境界部に前記平坦面46,46
は配置される。
【0048】このようにすると,2組の主及び副バルブ
リフタ11,12;11,12の近接配置,換言すれば
一対のバルブ3,3の近接配置を可能にして,機関のコ
ンパクト化を図ることができる。しかも隣接する主バル
ブリフタ11,11が平坦面46,46の当接により互
いに回転を拘束し合うため,各組の主及び副バルブリフ
タ11,12とリフタガイド孔8との間に回り止めキー
を挿入する必要がなくなり,構成の簡素化にも寄与し得
る。
【0049】また,隣接する主バルブリフタ11,11
の油圧室27,27に接続する油路35は,共通1本に
纏められる。こうすることにより,動弁装置D全体の油
路35を簡素化し得る。
【0050】その他の構成は前記第1実施例と同様であ
るので,図9及び図10中,第1実施例と対応する部分
には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0051】次に,図11及び図12に示す本発明の第
3実施例について説明する。
【0052】この第3実施例は,左右一対の吸気バルブ
3′3のうち,左側の吸気バルブ3′を機関の低速運転
域で休止させるようにしたものである。左側の吸気バル
ブ3′を休止可能とするため,左側の主カム15′は実
質上リフト部を備えないものとされる。しかしながら,
吸気バルブ3′の休止時,対応する吸気ポート1i′に
燃料が滞留することを避けるために,機関の吸気行程で
は,この吸気バルブ3′に微小開度を与え得るよう,主
カム15′に極めて低いリフト部を形成することもあ
る。左右の油圧室27′,27には,一対の油路3
5′,35をそれぞれ通して個別に油圧を供給するよう
になっている。
【0053】その他の構成は,前記第2実施例と同様で
あるので,図11及び図12中,第2実施例と対応する
部分には同一の参照符号を付して,それらの説明を省略
する。
【0054】而して,機関の低速域では,左右の油圧室
27′,27を,それぞれの油路35′,35を通して
油溜めに開放して,左右の連結手段33,33を連結解
除状態にする。したがって,左右の吸気バルブ3′,3
にそれぞれ対応する主及び副バルブリフタ11,12は
個別に作動可能であるから,無リフトの主カム15′に
摺接する主バルブリフタ11は実質的に作動せず,吸気
バルブ3′は対応するバルブスプリング22によって閉
弁した休止状態に保持される一方,リフト部15aを有
する右側の主カム15は,機関の吸気行程でこれまでの
実施例と同様に対応する主バルブリフタ11を介して吸
気バルブ3を開弁するので,右側の吸気ポート1iのみ
を通してシリンダボア内に空気が燃料と共に吸入され,
スワールを生じて空気と燃料の混合を良好にし,希薄混
合気の燃焼を可能にし,燃費の低減に寄与し得る。
【0055】機関が中速運転域に移ると,右側の油圧室
27にのみ油路35を通して油圧を供給し,右側の連結
手段33のみを連結状態にする。したがって,機関の吸
気行程で右側の副カム16の高いリフト部16aによ
り,右側の主及び副バルブリフタ11,12を介して右
側の吸気バルブ3を大きく開くことになるので,混合気
の吸入量の増加が可能となり,機関の中速出力性能の向
上を図ることができる。
【0056】機関が高速運転域に達し,左右両方の油圧
室27′,27に油路35′,3535から油圧を供給
して,両方の連結手段33,33を連結状態にし,各組
で主及び副バルブリフタ11,12相互を連結する。し
たがって,機関の吸気行程で左右の副カム16,16の
高いリフト部16a,16aより,それぞれ対応する両
バルブリフタ11,12;11,12を介して両吸気バ
ルブ3′,3を大きく開くことになるので,大量の混合
気の吸入が可能となって,機関の高速出力性能の向上を
図ることができる。
【0057】次に,図13に示す本発明の第4実施例に
ついて説明する。
【0058】この実施例は,各一対の吸気バルブ3,3
及び排気バルブ4,4を共通1本のカム軸50により開
閉するようにした4バルブ型内燃機関に適用したもので
ある。即ち,カム軸50には,各一対の吸気バルブ3,
3及び及び排気バルブ4,4に対応して主及び副15,
16が複数組形成され,各対応する主カム15と主バル
ブリフタ11,副カム16と副バルブリフタ12の各間
がシリンダヘッド1に揺動自在に軸支された主及び副ロ
ッカアーム51,52を介してそれぞれ連動連結され
る。符号53はロッカアーム51,52群を支持するロ
ッカ軸である。
【0059】その他の構成は上記第2実施例と同様であ
るので,図15中,第2実施例との対応部分には同一の
参照符号を付して,その説明を省略する。
【0060】次に,図14〜図18に示す本発明の第5
実施例について説明する。
【0061】この第5実施例は,吸気用及び排気用とし
て,それぞれ平行する一対のバルブ3,3(排気用は図
示せず)を備えた4バルブ型内燃機関に適用したもので
あるが,吸気及び排気バルブの動弁装置は基本的に同一
の構成であるので,それらを代表して,吸気バルブ3,
3の動弁装置について説明する。
【0062】吸気バルブ3,3の直上に,両吸気バルブ
3,3の配列方向に沿って延びる吸気用カム軸5が配設
される。一対のバルブ3,3に対応して設けられる二組
のバルブリフタは,それぞれ中央の主バルブリフタ11
と,この主バルブリフタ11の両側に隣接して配置され
る一対の副バルブリフタ12,12とで構成される。そ
の際,二組の主バルブリフタ11,11の内側に配置さ
れる副バルブリフタ12,12の外周面には相互に当接
する平坦面46,46が形成される。この2組のバルブ
リフタを摺動自在に嵌合すべくシリンダヘッド1に設け
られる一対のリフタガイド孔8,8は,一部をラップさ
せて配置される。またこの両リフタガイド孔8,8の境
界部に前記平坦面46,46は配置される。
【0063】各組の主及び両副バルブリフタ11,1
2,12は,厚肉のヘッド部11a,12a,12a
と,これらヘッド部11a,12a,12a下面から,
それぞれの円弧状外周面に連続して下方へ延びる薄肉の
円弧状のスカート部11b,12b,12bとを有す
る。主及び両副バルブリフタ11,12,12のヘッド
部11a,12a,12aには主及び両副ローラハウジ
ング13,14,14が設けられ,これらに主及び両副
ローラ19,20,20が収容される。主及び両副ロー
ラ19,20,20は,主及び両副バルブリフタ11,
12,12に圧入される主及び両副ローラ支軸17,1
8,18にそれぞれニードルベアリング37,38,3
8を介して回転自在に支承される。
【0064】一方,カム軸5には,主ローラ19の上面
に接する主カム15と,両副ローラ20,20の上面に
接する同一形状の一対の副カム16,16とが形成され
る。主及び両副カム15,16,16のベース円部には
高低差が無いが,両副カム16のリフト部16aは,主
カム15のリフト部15aより高く形成される。したが
って,主カム15は低速用,両副カム16は高速用であ
る。これら主及び両副カム15,16,16と主及び両
副バルブリフタ11,12,12の上端面との干渉を回
避するため,主及び両副ローラ19,20,20は,そ
れらの上面が主及び両副バルブリフタ11,12,12
の上端面より所定高さ突出するように配置される。
【0065】両副ローラハウジング14,14は,主バ
ルブリフタ11のヘッド部11aを極力軽量化すべく両
副ローラ20,20の下面をも露出させるように底面を
開放しているが,主ローラハウジング13には,主ロー
ラ19の下面を覆う底壁13aが設けられ,この底壁1
3a下面に,リフタガイド孔8の中心に配置されたバル
ブ3のステムエンドがシム28を介して当接する。この
バルブ3のステムに固定されるフランジ状のリテーナ2
1とシリンダヘッド1との間に,バルブ3を閉じ方向,
即ち主カム15側に付勢するコイル状のバルブスプリン
グ22が装着される。また主及び両副バルブリフタ1
1,12,12のヘッド部11a,12a,12a下面
とシリンダヘッド1との間には,主及び両副バルブリフ
タ11,12,12を主及び両副カム15,16,16
側に付勢する,共通のコイル状リフタスプリング23が
スカート部11b,12b,12bの内面に近接して装
着される。
【0066】主ローラ支軸17は,その両端面が主バル
ブリフタ11の両側の平坦面11c,11cに連続する
ように,また各副ローラ支軸18は,その両端面が対応
する副バルブリフタ12及び外周面に連続するように,
それぞれ形成される。そして主ローラ支軸17には,そ
の両端面に開口すると共に,中央の環状位置決めストッ
パ45を挟んで同軸状に並ぶ一対の主ガイド孔24,2
4とが設けられる。また各副ローラ支軸18には,平坦
面12cに開口する副ガイド孔25と,この副ガイド孔
25に環状段部40を介して連なる油圧室27とが設け
られる。
【0067】両副ガイド孔25,25には連結プランジ
ャ30,30がそれぞれ摺動自在に嵌合され,また両主
ガイド孔25,25には戻しピストン31,31がそれ
ぞれ摺動自在に嵌合されと共に,これらを上記連結プラ
ンジャ30,30側へ付勢する共通の戻しばね32が収
容される。主及び両副ガイド孔24,25,25は同径
に形成されていて,主及び両副カム15,16,16が
主及び両副バルブリフタ11,12,12の上面に同時
に接触するとき,即ち全部のバルブリフタ11,12,
12の上面が揃ったとき連結プランジャ30,30が主
バルブリフタ11の対応する副ガイド孔25,25に出
入りし得るようになっている。上記連結プランジャ3
0,戻しピストン31,戻しばね32及び油圧室27に
より連結手段33が構成される。
【0068】連結手段33の非連結状態のとき,製作誤
差による各連結プランジャ30の先端と,それに対応す
る主ガイド孔25の開口部との干渉,或いは戻しピスト
ン31の先端と,それに対応する副ガイド孔24の開口
部との干渉を避けるために,主及び各副バルブリフタ1
1,12の対向する平坦面11c,12cの少なくとも
一方に,前記第1実施例の場合と同様な逃げ凹部34が
設けられる。
【0069】シリンダヘッド1には,前記両油圧室2
7,27に連通する油路35,35が設けられる。これ
ら油路35,35は共通の切換弁(図示せず)を介して
油圧ポンプ等の油圧供給源と低圧の油溜めとに選択的に
接続されるようになっている。
【0070】次に,この第5実施例の作用について説明
する。
【0071】内燃機関の低速ないし中速運転域では,油
路35,35を通して両油圧室27,27を油溜めに開
放して,連結手段33を連結解除状態にする。すると,
図17に示すように,戻しピストン31,31が戻しば
ね32の付勢力をもって連結プランジャ30,30を副
ガイド孔24,24の環状段部40,40との当接位置
に保持する。このとき各連結プランジャ30はその先端
を逃げ凹部34に臨ませ,連結手段33は主及び副バル
ブリフタ11,12,12の相対摺動を可能にする非連
結状態となり,動弁装置Dは低速モードとなる。この低
速モードでカム軸5が回転すると,主及び副カム15,
16,16は,常に対応する主及び副ローラ19,2
0,20に接しながら回転するので,主及び副ローラ1
9,20,20の回転により主及び副カム15,16,
16のプロフィルに対応した動きを主及び副バルブリフ
タ11,12,12にスムーズに与えることができる。
しかも,主及び副カム15,16,16とは摺接しない
主及び副バルブリフタ11,12,12の上端面は,主
及び副ローラハウジング13,14,14を開口させる
だけの広さがあればよいから,主及び副バルブリフタ1
1,12,12の小径化,延いては動弁装置Dの小型化
を図ることができる。
【0072】而して,主カム15は,バルブスプリング
22と協働しながら主バルブリフタ11を介してバルブ
3に開閉動作を与えるが,副カム16,16は,リフタ
スプリング23と協働して,副バルブリフタ12,12
を主バルブリフタ11より大なるストロークをもって無
為に往復動させるだけで,バルブ3の開閉には関与しな
い。したがって,この場合のバルブ3の開閉特性は,低
いリフト部15aを持つ主カム15のカムプロファイル
によって決定されることになり,機関の低速ないし中速
性能の向上を図ることができる。
【0073】この場合,リフタスプリング23の上端
は,主バルブリフタ11の両側に配置された一対の副バ
ルブリフタ12,12のヘッド部12a,12aの下面
に支持されているから,主及び副カム15,16,16
のリフト差による主及び副バルブリフタ11,12,1
2間の相対移動によるもリフタスプリング23が傾くこ
とはなく,偏加重を回避することができる。
【0074】機関が高速運転域に達し,油路35,35
から油圧室27,27に油圧を供給すると,連結プラン
ジャ30,30が油圧室27の油圧より戻しピストン3
1,31を戻しばね32の付勢力に抗して押圧するが,
このとき主及び副カム15,16,16がそれぞれベー
ス円部以外のところで主及び副ローラ19,20,20
に接していれば,主ガイド孔24と副ガイド孔25との
位置が食い違っているので,連結プランジャ30は,主
バルブリフタ11の側面に当接した位置で一旦停止し,
切換準備状態となる。
【0075】この状態から主及び副カム15,16,1
6の各ベース円部が主及び副ローラ19,20,20に
同時に接するようになると,各主及び副ガイド孔24,
25が相互に合致し,主及び副カム15,16,16の
ベース円部が主及び副ローラ19,20,20に接して
いる期間が比較的長いこともあって,各連結プランジャ
30は,油圧室27の油圧をもって戻しピストン31を
戻しばね32の付勢力に抗して押動し,戻しピストン3
1を主ガイド孔24の環状ストッパ45に当接させるに
至り(図18参照),連結手段33は,主及び副バルブ
リフタ11,12,12の相対摺動を不能にする連結状
態となり,動弁装置Dは高速モードとなる。
【0076】したがって,高いリフト部16aを持つ副
カム16,16がバルブスプリング22と協働しなが
ら,主及び副バルブリフタ11,12,12を介してバ
ルブ3を開閉し,主カム15の低いリフト部15aは主
ローラ19に対して空振りするようになる。この場合の
バルブ3の開閉特性は,高いリフト部16aを持つ副カ
ム16のプロファイルによって決定されることになり,
機関の高速性能の向上を図ることができる。
【0077】この場合,並列関係にあるバルブスプリン
グ22及びリフタスプリング23は共に,連結状態の主
及び副バルブリフタ11,12,12に対し反発力を発
揮するので,その反発力の総和が全バルブリフタ11,
12,12に加わることになる。したがって,全バルブ
リフタ11,12,12が一体化して,慣性マスが増大
したにも拘らず,全バルブリフタ11,12,12の慣
性力を効果的に抑えて,バルブ3のジャンピングを防ぐ
のみならず,全バルブリフタ11,12,12の戻り応
答性,延いてはバルブ3の閉弁応答性を高め,高速性能
の一層の向上に寄与し得る。
【0078】しかも,この高速モードでは,主バルブリ
フタ11の両側部に一対の副バルブリフタ12,12が
連結され,一対の副カム16,16の作動力が両副バル
ブリフタ12,12及び両連結プランジャ30,30を
介して主バルブリフタ11の両側部に均等に加わること
になるから,主バルブリフタ11を傾きのない適正な姿
勢で作動させることができる。
【0079】機関が再び低速ないし中速運転域に戻り,
油圧室27,27の油圧を油溜めに解放すれば,各戻し
ピストン31が戻しばね32の反発力をもって対応する
連結プランジャ30を当初の位置に押し返すので,連結
手段33は,主及び副バルブリフタ11,12,12の
相対摺動が可能な非連結状態となることは明らかであろ
う。
【0080】その他の構成は前記第1実施例と同様であ
るので,図14〜図18中,第1実施例と対応する部分
には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0081】最後に,図19〜図22に示す本発明の第
6実施例について説明する。
【0082】この第6実施例も,吸気用及び排気用とし
て,それぞれ平行する一対のバルブ3,3(排気用は図
示せず)を備えた4バルブ型内燃機関に適用したもので
あるが,吸気及び排気バルブの動弁装置は基本的に同一
の構成であるので,それらを代表して,吸気バルブ3,
3の動弁装置について説明する。
【0083】吸気バルブ3,3の直上に,両吸気バルブ
3,3の配列方向に沿って延びる吸気用カム軸5が配設
される。一対のバルブ3,3に対応して設けられる二組
のバルブリフタは,それぞれ中央の主バルブリフタ11
と,この主バルブリフタ11の両側に隣接して配置され
る第1及び第2副バルブリフタ12,12′とで構成さ
れる。その際,二組の主バルブリフタ11,11の内側
に配置される第1副バルブリフタ12,12の外周面に
は相互に当接する平坦面46,46が形成される。
【0084】各組の主及び第1,第2副バルブリフタ1
1,12,12′は,厚肉のヘッド部11a,12a,
12a′と,これらヘッド部11a,12a,12a′
下面から,それぞれの円弧状外周面に連続して下方へ延
びる薄肉の円弧状のスカート部11b,12b,12
b′とを有する。主及び第1,第2副バルブリフタ1
1,12,12′のヘッド部11a,12a,12a′
には主及び第1,第2副ローラハウジング13,14,
14′が設けられ,これらに主及び第1,第2副ローラ
19,20,20′が収容される。主及び第1,第2副
ローラ19,20,20′は,主及び第1,第2副バル
ブリフタ11,12,12′に圧入される主及び第1,
第2副ローラ支軸17,18,18′にそれぞれニード
ルベアリング37,38,38′を介して回転自在に支
承される。
【0085】一方,カム軸5には,主ローラ19の上面
に接する主カム15と,第1,第2副ローラ20,2
0′の上面に接して主カム15に両側に位置する第1,
第2副カム16,16′とが形成される。主及び第1,
第2副カム15,16,16′のベース円部には高低差
が無いが,第1,第2副カム16,16′のリフト部1
6a,16a′は,何れも主カム15のリフト部15a
より高く形成され,また第1副カム16のリフト部16
aは第2副カム16′のリフト部16a′より高く形成
される。したがって主カム15は低速用,第1副カム1
6は中速用,第2副カム16′は高速用である。これら
主及び第1,第2副カム15,16,16′と主及び第
1,第2副バルブリフタ11,12,12′の上端面と
の干渉を回避するため,主及び第1,第2副ローラ1
9,20,20′は,それらの上面が主及び第1,第2
副バルブリフタ11,12,12′の上端面より所定高
さ突出するように配置される。
【0086】その他,各組の主バルブリフタ11の外側
に配置される第2副バルブリフタ12′側の部材や部分
の参照符号に「′」を付した点,並びに油圧室27,2
7′に連なる油路35,35′を,それぞれ個別に作動
する切換弁(図示せず)を介して油圧ポンプ等の油圧供
給源と低圧の油溜めとにそれぞれ選択的に接続してある
点を除けば,前第5実施例と同様の構成である。したが
って,図19〜図22中,前第5実施例と対応する部分
には,「′」付きの参照符号以外,同一の参照符号を付
して,それらの説明を省略する。
【0087】この第6実施例の作用について説明する
と,内燃機関の低速運転域では,油路35,35′を通
して第1,第2副バルブリフタ12,12′側の両油圧
室27,27′を油溜めに開放して,連結手段33,3
3′を連結解除状態にする。すると,図21に示すよう
に,戻しピストン31,31が戻しばね32の付勢力を
もって連結プランジャ30,30′を副ガイド孔24,
24′の環状段部40,40′との当接位置に保持す
る。このとき各連結プランジャ30,30′はその先端
を逃げ凹部34に臨ませ,連結手段33,33′は,何
れも主及び第1,第2副バルブリフタ11,12,1
2′の相対摺動を可能にする非連結状態となり,動弁装
置Dは低速モードとなる。この低速モードでカム軸5が
回転すると,主及び第1,第2副カム15,16,1
6′は,常に対応する主及び第1,第2副ローラ19,
20,20′に接しながら回転するので,主及び第1,
第2副ローラ19,20,20′の回転により主及び第
1,第2副カム15,16,16′のプロフィルに対応
した動きを主及び第1,第2副バルブリフタ11,1
2,12′にスムーズに与えることができる。
【0088】而して,主カム15は,バルブスプリング
22と協働しながら主バルブリフタ11を介してバルブ
3に開閉動作を与えるが,第1,第2副カム16,1
6′は,リフタスプリング23と協働して,第1,第2
副バルブリフタ12,12′を主バルブリフタ11より
大なるストロークをもって無為に往復動させるだけで,
バルブ3の開閉には関与しない。したがって,この場合
のバルブ3の開閉特性は,低いリフト部15aを持つ主
カム15のカムプロファイルによって決定されることに
なり,機関の低速性能の向上を図ることができる。
【0089】次に機関が中速運転域に入ったときは,一
方の油路35から第1副バルブリフタ12側の油圧室2
7にのみ油圧を供給する。すると,連結プランジャ30
が油圧室27の油圧より戻しピストン31を戻しばね3
2の付勢力に抗して押圧するが,このとき主及び第1副
カム15,16がそれぞれベース円部以外のところで主
及び第1副ローラ19,20に接していれば,主ガイド
孔24と第1副ガイド孔25との位置が食い違っている
ので,連結プランジャ30は,主バルブリフタ11の側
面に当接した位置で一旦停止し,切換準備状態となる。
【0090】この状態から主及び第1副カム15,16
の各ベース円部が主及び第1副ローラ19,20に同時
に接するようになると,主及び第1副ガイド孔24,2
5が相互に合致し,主及び第1副カム15,16のベー
ス円部が主及び第1副ローラ19,20に接している期
間が比較的長いこともあって,連結プランジャ30は,
油圧室27の油圧をもって戻しピストン31を戻しばね
32の付勢力に抗して押動し,戻しピストン31を主ガ
イド孔24の環状ストッパ45に当接させるに至り,連
結手段33は,主及び第1副バルブリフタ11,12の
相対摺動を不能にする連結状態となり,動弁装置Dは中
速モードとなる。
【0091】したがって,中間高さのリフト部16aを
持つ第1副カム16がバルブスプリング22と協働しな
がら,主及び第1副バルブリフタ11,12を介してバ
ルブ3を開閉し,主カム15の低いリフト部15aは主
ローラ19に対して空振りするようになるから,この場
合のバルブ3の開閉特性は,中間高さのリフト部16a
を持つ第1副カム16のプロファイルによって決定され
ることになり,機関の中速性能の向上を図ることができ
る。
【0092】機関が高速運転域に達したときは,前記油
圧室27の油圧を保持したまゝで,他方の油路35′か
ら第2副バルブリフタ12′側の油圧室27′に油圧を
供給する。すると,連結プランジャ30′が油圧室2
7′の油圧より戻しピストン31′を戻しばね32の付
勢力に抗して押圧するが,このとき主及び第2副カム1
5,16′がそれぞれベース円部以外のところで主及び
第2副ローラ19,20′に接していれば,主ガイド孔
24と第2副ガイド孔25′との位置が食い違っている
ので,連結プランジャ30′は,主バルブリフタ11の
側面に当接した位置で一旦停止し,切換準備状態とな
る。
【0093】この状態から主及び第2副カム15,1
6′の各ベース円部が主及び第2副ローラ19,20′
に同時に接するようになると,主及び第2副ガイド孔2
4,25′が相互に合致し,主及び第2副カム15,1
6′のベース円部が主及び第2副ローラ19,20′に
接している期間が比較的長いこともあって,連結プラン
ジャ30′は,油圧室27′の油圧をもって戻しピスト
ン31′を戻しばね32の付勢力に抗して押動し,戻し
ピストン31′を主ガイド孔24の環状ストッパ45に
当接させるに至り,連結手段33′も,主及び第2副バ
ルブリフタ11,12′の相対摺動を不能にする連結状
態となり,動弁装置Dは中速モードとなる。
【0094】したがって,最大高さのリフト部16a′
を持つ第2副カム16′がバルブスプリング22と協働
しながら,主及び第2副バルブリフタ11,12′を介
してバルブ3を開閉し,第2副カム16′のリフト部1
6a′より低い主及び第1副カム15,16のリフト部
15a,16aは主及び第1副ローラ19,20に対し
て空振りするようになるから,この場合のバルブ3の開
閉特性は,最大高さのリフト部16aを持つ第2副カム
16のプロファイルによって決定されることになり,機
関の高速性能の向上を図ることができる。
【0095】この高速モードでは,第1副バルブリフタ
12側の連結手段33の連結状態を持続させておいても
よいが,バルブ3,3系の慣性マスを極力減少するため
には,図22に示すように,第1副バルブリフタ12側
の油圧室27の油圧を油溜めに解放して該連結手段33
を非連結状態し,第1副バルブリフタ12を主バルブリ
フタ11から切り離すことは有効である。
【0096】機関が再び低速運転域に戻り,両油圧室2
7,27′の油圧を油溜めに解放すれば,各戻しピスト
ン31,31′が戻しばね32の反発力をもって対応す
る連結プランジャ30,30′を当初の位置に押し返す
ので,両連結手段33,33′は,主及び第1,第2副
バルブリフタ11,12,12′の相対摺動が可能な非
連結状態となることは明らかであろう。
【0097】このように,この第6実施例によれば,主
バルブリフタ11から第1及び第2両副バルブリフタ1
2,12′を分離したり,主バルブリフタ11に第1副
バルブリフタ12のみを連結したり,主バルブリフタ1
1に第2副バルブリフタ12′を連結したりして,主カ
ム15,第1副カム16及び第2副カム16′との協働
により,機関のバルブ3,3に三つの異なる作動態様を
与えることができる。
【0098】本発明は上記各実施例に限定されるもので
はなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が
可能である。例えば本発明の動弁装置Dは,吸気バルブ
3及び排気バルブ4の一方側のみに設けることもでき
る。また,主及び副カム15,16と主及び副バルブリ
フタ11,12の上面とは,第1〜第4実施例では直接
接触させて,また第5〜第6実施例では主及び副ローラ
19,20を介して接触させて,それぞれ主及び副カム
15,16のプロフィルに対応した動きを主及び副バル
ブリフタ11,12に与えているが,直接接触させる
か,ローラを介して接触させるかの選択は自由である。
即ち,直接接触の場合は,軽量化と相俟って高速時にお
いて摩擦抵抗が比較的小さくなるため,高速型に有利で
あり,また各バルブリフタ上面を曲面化すれば,カムの
実質接触長さも短くすることができ,コンパクト化に資
することもできる。一方,ローラを使用する場合は,低
速時でも摩擦抵抗の影響を少なくし得るため,低速型に
有利であり,カムの実質接触長さも短くすることができ
る。これらが設計に際して考慮される。
【0099】
【発明の効果】以上のように本発明によれば,内燃機関
のバルブに開閉動作を与える昇降可能な主バルブリフタ
と,この主バルブリフタに隣接していてそれと相対的に
昇降可能な副バルブリフタと,主バルブリフタを作動す
る主カムと,この主カムより大なるリフト量をもって副
バルブリフタを作動する副カムと,主及び副バルブリフ
タに設けられてそれらの作動方向と直交する方向に延び
る主及び副ガイド孔,及びこれら主及び副ガイド孔の一
方にのみ嵌合する非連結位置と両ガイド孔の両方に嵌合
する連結位置との間を移動する連結部材を有する連結手
段とを備えた,内燃機関の動弁装置において,主及び副
バルブリフタを,互いに相対摺動可能に重なる平坦面を
有して,機関本体の共通するリフタガイド孔に摺動可能
に嵌合するように構成し,前記平坦面は,これがリフタ
ガイド孔の軸線と平行に延びるように形成され,主及び
副ガイド孔を,それぞれ対応する前記平坦面に開口する
よう主及び副バルブリフタに設けたので,広い平坦面の
当接により主及び副バルブリフタ相互の回り止めをガタ
無く果たすことができ,したがって特別な位置決め手段
を設けずとも,両バルブリフタのガイド孔の合致を容
易,的確に図ることができ,部品点数を削減できて,コ
ストの低減に寄与し得る。
【0100】また本発明の第2の特徴によれば,第1の
特徴に加えて,主バルブリフタに隣接して単一の副バル
ブリフタを配設したので,少ない部品点数をもって機関
のバルブに二つの異なる作動態様を与えることができ
る。
【0101】さらに本発明の第3の特徴によれば,第2
の特徴に加えて,主バルブリフタを,優弧の外周面を持
つ欠円状に形成する一方,副バルブリフタを,劣弧の外
周面を持つ欠円状に形成し,主バルブリフタの主ガイド
孔を副バルブリフタの副ガイド孔より長く形成し,この
主ガイド孔で連結部材を支持するようにしたので,主バ
ルブリフタに長い主ガイド孔を形成することが容易とな
り,この主ガイド孔で支持される連結プランジャの支持
スパンを長くして,連結プランジャの倒れを極小に抑え
ることができ,したがって連結手段の連結状態では両バ
ルブリフタの良好な連結状態を得ることができる。
【0102】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,
第1の特徴に加えて,一対の副バルブリフタをバルブリ
フタの両側に配設し,この両副バルブリフタに対応して
同一形状の一対の副カムを配設し,主バルブリフタを一
対の連結部材を介して両副バルブリフタに連結し得るよ
うにしたので,主バルブリフタを一対の連結部材を介し
て両副バルブリフタに連結すると,主バルブリフタの両
側部に両副バルブリフタが連結され,両副カムの作動力
が両バルブリフタ及び両連結部材を介して主バルブリフ
タの両側部に均等に加わることになり,主バルブリフタ
を傾きのない適正な姿勢で作動させることができる。
【0103】さらにまた本発明の第5の特徴によれば,
第1の特徴に加えて,主バルブリフタの両側に第1及び
第2副バルブリフタを配設し,これら第1及び第2バル
ブリフタに対応して互いにリフト量を異にする第1及び
第2副カムを配設し,主バルブリフタを第1及び第2連
結部材を介して第1及び第2副バルブリフタに個別に連
結し得るようにしたので,主バルブリフタから第1及び
第2両副バルブリフタを分離したり,主バルブリフタに
第1副バルブリフタのみを連結したり,主バルブリフタ
に第2副バルブリフタを連結したりすると,主カム,第
1副カム及び第2副カムとの協働により,機関のバルブ
に三つの異なる作動態様を与えることができる。
【0104】さらにまた本発明の第6の特徴によれば,
第1〜第5の特徴に加えて,一対の円形リフタガイド孔
を,それらの一部を互いにラップさせて配置し,これら
リフタガイド孔に嵌装される2組の主及び副バルブリフ
タには,両リフタガイド孔の境界部で互いに当接する平
坦面を形成したので,2組の主及び副バルブリフタを隣
接配置する場合,それらに形成された平坦面を一対のリ
フタガイド孔の境界部で当接させることにより,2組の
主及び副バルブリフタが互いに回転を拘束し合うため,
各組の主及び副バルブリフタとリフタガイド孔との間に
回り止め手段を講ずる必要をなくして,構成の簡素化を
図ることができると共に,2組の主及び副バルブリフ
タ,並びにこれらによって作動される一対のバルブの近
接配置を可能し,機関のコンパクト化をも図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す2バルブ・ツインカ
ム軸型内燃機関の動弁装置の平面図。
【図2】図1の2−2線断面図。
【図3】図2の3−3線断面図。
【図4】図3の4−4線断面図。
【図5】図4の5−5線拡大断面図(低速モードで示
す)。
【図6】図5の6−6線断面図。
【図7】高速モードへの切換準備状態を示す,図5に対
応した作用説明図。
【図8】高速モードを示す,図5に対応した作用説明
図。
【図9】本発明の第2実施例を示す,4バルブ・ツイン
カム軸型内燃機関の動弁装置の縦断面図。
【図10】図9の10−10線断面図。
【図11】本発明の第3実施例を示す,図9に対応した
断面図。
【図12】図11の12−12線断面図。
【図13】本発明の第4実施例を示す,4バルブ・シン
グルカム軸型内燃機関の動弁装置の平面図。
【図14】本発明の第5実施例を示す4バルブ・シング
ルカム軸型内燃機関の動弁装置の縦断正面図。
【図15】図14の15−15線断面図。
【図16】図14の16−16線拡大断面図。
【図17】図14の要部拡大図(低速モードを示す)。
【図18】高速モードを示す作用図。
【図19】本発明の第6実施例を示す4バルブ・シング
ルカム軸/3モード型内燃機関の動弁装置の縦断正面
図。図11の12−12線断面図。
【図20】図19の要部拡大図(低速モードを示す)。
【図21】中速モードを示す,図20に対応した作用説
明図。
【図22】高速モードを示す,図20に対応した作用説
明図。
【符号の説明】
D・・・・・動弁装置 1・・・・・機関本体(シリンダヘッド) 3,3′・・バルブ(吸気バルブ) 4・・・・・バルブ(排気バルブ) 11・・・・主バルブリフタ 11c・・・平坦面 12・・・・副バルブリフタ 12,12′・・副バルブリフタ(第1,第2副バルブ
リフタ) 12c・・・平坦面 12c′・・平坦面 15・・・・主カム 16・・・・副カム 16,16′・・副カム(第1,第2副カム) 24・・・・主ガイド孔 25,25′・・副ガイド孔 30,30・・・連結部材(連結プランジャ) 33,33′・・連結手段 46・・・・平坦面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関本体(1)に取付けられたバルブ
    (3,3′,4)と動作を一にする主バルブリフタ(1
    1)と,この主バルブリフタ(11)に隣接していてそ
    れと相対的に摺動し得る副バルブリフタ(12,1
    2′)と,主バルブリフタ(11)を介してバルブ
    (3,3′,4)に第1の作動態様を与える主カム(1
    5,15′)と,この主カム(15,15′)より大な
    るリフト量をもって副バルブリフタ(12,12′)を
    バルブ(3,3′,4)の開き方向に作動し得る副カム
    (16,16′)と,主及び副バルブリフタ(11,1
    2,12′)に設けられてそれらの作動方向と直交する
    方向に延びる主及び副ガイド孔(24;25,2
    5′),及びこれら主及び副ガイド孔(24;25,2
    5′)の一方にのみ嵌合する非連結位置と両ガイド孔
    (24;25,25′)の両方に嵌合する連結位置との
    間を移動する連結部材(30,30′)を有する連結手
    段(33,33′)とを備え,連結手段(33)の連結
    状態による主及び副バルブリフタ(11,12)相互の
    連結時には,副カム(16,16′)がバルブ(3,
    3′,4)に,該バルブを第1の作動態様より大きく開
    弁する第2の作動態様を与えるようにした,内燃機関の
    動弁装置において,主及び副バルブリフタ(11;1
    2,12′)を,互いに相対摺動可能に重なる平坦面
    (11c;12c,12c′)を有して,機関本体
    (1)の共通するリフタガイド孔(8)に摺動可能に嵌
    合するように構成し,前記平坦面(11c;12c,1
    2c′)は,これがリフタガイド孔(8)の軸線と平行
    に延びるように形成され,主及び副ガイド孔(24;2
    5,25)を,それぞれ対応する前記平坦面(11c;
    12c,12c′)に開口するよう主及び副バルブリフ
    タ(11;12,12′)に設けたことを特徴とする,
    内燃機関の動弁装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の動弁装置にお
    いて,主バルブリフタ(11)に隣接して単一の副バル
    ブリフタ(12)を配設したことを特徴とする,内燃機
    関の動弁装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の内燃機関の動弁装置にお
    いて,主バルブリフタ(11)を,優弧の外周面を持つ
    欠円状に形成する一方,副バルブリフタ(12)を,劣
    弧の外周面を持つ欠円状に形成し,主バルブリフタ(1
    1)の主ガイド孔(24)を副バルブリフタ(12)の
    副ガイド孔(25)より長く形成し,この主ガイド孔
    (24)で連結部材(30)を支持するようにしたこと
    を特徴とする,内燃機関の動弁装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の内燃機関の動弁装置にお
    いて,一対の副バルブリフタ(12,12)を主バルブ
    リフタ(11)の両側に配設し,この両副バルブリフタ
    (12,12)に対応して同一形状の一対の副カム(1
    6,16)を配設し,主バルブリフタ(11)を一対の
    連結部材(30,30)を介して両副バルブリフタ(1
    2,12)に連結し得るようにしたことを特徴とする,
    内燃機関の動弁装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の内燃機関の動弁装置にお
    いて,主バルブリフタ11の両側に第1及び第2副バル
    ブリフタ(12,12′)を配設し,これら第1及び第
    2バルブリフタ(12,12′)に対応して互いにリフ
    ト量を異にする第1及び第2副カム(16,16′)を
    配設し,主バルブリフタ(11)を第1及び第2連結部
    材(30,30′)を介して第1及び第2副バルブリフ
    タ(12,12′)に個別に連結し得るようにしたこと
    を特徴とする,内燃機関の動弁装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の内燃機関の動弁装置
    において,一対の円形リフタガイド孔(8,8)を,そ
    れらの一部を互いにラップさせて配置し,これらリフタ
    ガイド孔(8,8)に嵌装される2組の主及び副バルブ
    リフタ(11,12,12′;11,12,12′)に
    は,両リフタガイド孔(8,8)の境界部で互いに当接
    する平坦面(46,46)を形成したことを特徴とす
    る,内燃機関の動弁装置。
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