JPH10169423A - 内燃エンジンの動弁機構 - Google Patents

内燃エンジンの動弁機構

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JPH10169423A
JPH10169423A JP9274161A JP27416197A JPH10169423A JP H10169423 A JPH10169423 A JP H10169423A JP 9274161 A JP9274161 A JP 9274161A JP 27416197 A JP27416197 A JP 27416197A JP H10169423 A JPH10169423 A JP H10169423A
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valve
rocker arm
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valve operating
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Katsumi Ochiai
克美 落合
Noriyuki Kurihara
仙幸 栗原
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中速域において十分なエンジン性能を確保し
つつ、低速・低負荷域における混合気の安定燃焼を可能
とする内燃エンジンの動弁機構を提供すること。 【構成】 2つのカムA,B(A’,B’)にそれぞれ
当接する第1及び第2ロッカアーム9−1,9−2(9
−1’,9−2’)を有し、第1ロッカアーム9−1
(9−1’)をロストモーション機構に、第2ロッカア
ーム9−2(9−2’)を吸気弁にそれぞれ当接せしめ
るとともに、両ロッカアーム9−1,9−2(9−
1’,9−2’)を連結又は連結解除してカムA,B
(A’,B’)の一方を選択してそのリフトを吸気弁に
伝達する切換手段を設けて構成される動弁ユニットI,
IIを設けるとともに、各動弁ユニットI,IIに含まれる
前記カムA,B,A’,B’の少なくとも一方を低リフ
トカム、低速用カム又は中速用カムとし、他方をそれよ
りも高リフトのカムとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の吸気弁又は
排気弁の各々を2つのカムの何れかを選択して駆動する
ようにした内燃エンジンの動弁機構に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃エンジンにおいては、燃焼室に開口
する吸気ポートと排気ポートが吸気弁と排気弁によって
それぞれ適当なタイミングで開閉されて所要のガス交換
がなされるが、内燃エンジンにおいては、高速時におい
て吸気又は排気の流れを促進し、高い充填効率を確保し
て高出力を実現し、且つ、低速時において高い燃焼効率
を確保して高出力と低燃費及び良好な排ガス特性を得る
ためには、吸気弁又は排気弁のリフト量と開閉タイミン
グの何れか一方又は双方を高速時と低速時において変更
する必要がある。
【0003】そこで、吸・排気弁を駆動する動弁機構と
して、高速用カムの両側に第1低速用カムと第2低速用
カムを設け、各カムに摺接するロッカアームの相互に隣
接するもの同士を連結又は連結解除する連結切換手段を
2つ設け、各連結切換手段を各々独立に作動せしめるよ
うにしたものが提案されている(特公平2−50282
号公報参照)。
【0004】上記動弁機構によれば、両連結切換手段を
非作動としてロッカーアームを連結解除状態に保つこと
によって2つの吸気弁又は排気弁を第1及び第2低速用
カムで駆動し、何れか一方の連結切換手段を作動せしめ
て一方の低速用ロッカアームと高速用ロッカアームとを
連結することによって一方の吸気弁又は排気弁を高速用
カムで駆動し、他方の吸気弁又は排気弁を第1又は第2
低速用カムで駆動し、両連結切換手段を作動せしめて両
低速用ロッカアームと高速用ロッカアームを連結するこ
とによって2つの吸気弁又は排気弁を共に高速用カムで
駆動することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案に係る従来の動弁機構においては、一方の連結切換手
段が作動して一方の吸気弁が高速用カムによって駆動さ
れる場合には、吸気の慣性・脈動効果が高速用バルブタ
イミングに合致するため、中速域において十分なエンジ
ン性能を確保することが困難であるという問題がある。
【0006】従って、本発明の目的とする処は、中速域
において十分なエンジン性能を確保しつつ、低速・低負
荷域における混合気の安定燃焼を可能とする内燃エンジ
ンの動弁機構を提供することにある。
【0007】又、吸・排気弁を駆動する動弁機構とし
て、低速用カム、高速用カムにそれぞれ当接する2つの
ロッカアームを連結又は連結解除する連結切換手段を有
し、低速時には両ロッカアームを連結解除して2つの吸
気弁又は排気弁を低速用カムと高速用カムでそれぞれ独
立に駆動し、高速時には両ロッカアームを連結して2つ
の吸気弁又は排気弁を共に高速用カムで駆動するように
したものが提案されている(特公平2−43003号公
報参照)。
【0008】しかしながら、上記提案に係る従来の動弁
機構においては、高速時には1種類の高速用カムによっ
て2つの吸気弁又は排気弁が駆動され、低速時には2つ
の吸気弁又は排気弁の一方が低速用カムによって駆動さ
れ、他方が高速用カムによって駆動されるため、低・中
速時に十分なエンジン性能を確保することができないと
いう問題がある。
【0009】従って、本発明の目的とする処は、低・中
速域においては混合気のシリンダ内での乱れを促進して
燃焼効率と充填効率の向上を図るとともに、高速時にお
いては十分な混合気をシリンダ内に供給して高出力を得
ることができるようにした内燃エンジンの動弁機構を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、2つのカムA,Bにそれぞ
れ当接する第1及び第2ロッカアームを有し、第1ロッ
カアームをロストモーション機構に、第2ロッカアーム
を弁にそれぞれ当接せしめるとともに、両ロッカアーム
を連結又は連結解除してカムA,Bの一方を選択してそ
のリフトを弁に伝達する切換手段を設けて構成される動
弁ユニットを有することを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記カムA,Bの少なくとも一方を低リフ
トカム、低速用カム又は中速用カムとし、他方をそれよ
りも高リフトのカムとしたことを特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記動弁ユニットを2つ設け、各動弁ユニ
ットの第2ロッカアームを各気筒の中央に隣接して配置
し、その両外側に各動弁ユニットの第1ロッカアームを
配置したことを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記動弁ユニットを2つ設け、各動弁ユニ
ットの第1ロッカアームを各気筒の中央に隣接して配置
し、その両外側に各動弁ユニットの第2ロッカアームを
配置したことを特徴とする。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項3又は4記
載の発明において、一方の動弁ユニットのカムAを高速
用カム、カムBを第1中速用カムとし、他方の動弁ユニ
ットのカムAを第2中速カム、カムBを低リフトカムと
したことを特徴とする。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項3又は4記
載の発明において、一方の動弁ユニットのカムAを第1
高速用カム、カムBを低速用カムとし、他方の動弁ユニ
ットのカムAを第2高速カム、カムBを低リフトカムと
したことを特徴とする。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項1〜5又は
6記載の発明において、各動弁ユニットに含まれる前記
切換手段を前記第2ロッカアームに設けたことを特徴と
する。
【0017】請求項8記載の発明は、請求項1記載の発
明において、3つのカムA,B,Cを連設して成るカム
軸と、該カム軸のカムA,B,Cにそれぞれ当接する第
1、第2及び第3ロッカアームを有し、第1ロッカアー
ムをロストモーション機構に、第2ロッカアームを第1
弁に、第3ロッカアームを第2弁にそれぞれ当接せしめ
るとともに、第1ロッカアームと第2ロッカアームを連
結又は連結解除して前記カムA又はカムBを選択してそ
のリフトを第1弁に伝達する切換手段を設けたことを特
徴とする。
【0018】請求項9記載の発明は、請求項8記載の発
明において、前記カムAを高速用カム、カムBを低リフ
トカム、カムCを中速用カムとしたことを特徴とする。
【0019】請求項10記載の発明は、請求項8記載の
発明において、前記カムA,Cを高速用カム、カムBを
低リフトカムとしたことを特徴とする。
【0020】請求項11記載の発明は、請求項8記載の
発明において、前記カムA,Cを高速用カム、カムBを
低速用カムとしたことを特徴とする。
【0021】請求項12記載の発明は、請求項10又は
11記載の発明において、前記第1及び第2弁を吸気弁
で構成するとともに、第2弁連通する吸気通路に吸気制
御弁を設けたことを特徴とする。
【0022】請求項13記載の発明は、請求項8〜11
又は12記載の発明において、前記切換手段を前記第2
ロッカアームに設けたことを特徴とする。
【0023】請求項14記載の発明は、請求項1〜12
又は13記載の発明において、前記第1ロッカアームと
第2ロッカアームとをシムを介して当接させたことを特
徴とする。
【0024】従って、請求項1〜7記載の発明によれ
ば、例えば複数の弁が吸気弁であって、動弁ユニットが
2つ設けられ、一方の動弁ユニットのカムAを高速用カ
ム、カムBを第1中速用カムとし、他方の動弁ユニット
のカムAを第2中速カム、カムBを低リフトカムとした
場合、低速・低負荷域において、両切換手段を共に非作
動として両動弁ユニットの第1及び第2ロッカアームを
連結解除(非連結)状態に保てば、一方の吸気弁は第1
中速用カムによって駆動され、他方の吸気弁は低リフト
カムによって駆動されるため、混合気が主に一方の吸気
弁からシリンダ内に流入する片側吸気となって混合気の
シリンダ内での乱れが促進され、混合気の希薄安定燃焼
が実現して燃費と排ガス特性が改善される。
【0025】又、中速域においては、一方の動弁ユニッ
トの切換手段を作動せしめて当該動弁ユニットの第1及
び第2ロッカアームを連結すれば、吸気弁は第1及び第
2中速用カムによって駆動されるため、高い充填効率が
得られ、高出力を得ることができる。
【0026】そして、高速域においては、両動弁ユニッ
トの切換手段を共に作動せしめて各動弁ユニットの第1
及び第2ロッカアームを連結すれば、一方の吸気弁は高
速用カムによって駆動され、他方の吸気弁は第2中速用
カムによって駆動されるが、特に一方の吸気弁が高速用
カムによって駆動されるために該高速域に合致した慣性
・脈動効果が得られ、エンジン出力の向上を図ることが
できる。
【0027】請求項8〜13記載の発明によれば、2つ
のカムA,Bのうちの一方を選択して一方の第1弁を駆
動することができるため、例えば第1及び第2弁が吸気
弁である場合、カムAを高速用カム、カムBを低リフ
ト、カムCを中速用カムに設定すれば、低・中速域にお
いては第1弁を低リフトカムで駆動し、第2弁を中速用
カムで駆動して混合気のシリンダ内での乱れを促進して
燃焼効率と充填効率の向上を図ることができる。又、高
速域においては第1弁を高速用カムで駆動し、第2弁を
中速用カムで駆動することができ、十分な量の混合気を
シリンダ内に供給して高出力を得ることができる。
【0028】請求項14記載の発明によれば、第1ロッ
カアームと第2ロッカアームとをシムを介して当接させ
たため、カムA,Bを第1ロッカアームの第2ロッカア
ームへの当接部に平面視でオーバーラップして軸方向に
詰めて配置することができ、カムA,Bの幅を広げてそ
の面圧を下げ、或は軸方向寸法を詰めてエンジンのコン
パクト化を図ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0030】<実施の形態1>図1は本発明の実施の形
態1に係る動弁機構を示すエンジンの部分平面図、図2
は同動弁機構の構成を示す分解平面図、図3は切換手段
が非作動状態にあるときの図1のE−E線断面図、図4
は切換手段が非作動状態にあるときの図1のF−F線断
面図、図5は図1のG−G線断面図、図6は非作動状態
にある切換機構の状態を示す断面図、図7は図6のH−
H線断面図、図8は切換手段が作動状態にあるときの図
1のE−E断面図、図9は作動状態にある切換機構の状
態を示す断面図、図10は図9のJ−J線断面図であ
る。
【0031】図3及び図4において、1は4サイクル内
燃エンジンのシリンダヘッドであり、該シリンダヘッド
1には各気筒について2つの吸気ポート2が形成されて
おり、これらの吸気ポート2は第1吸気弁3−1(図3
参照)と第2吸気弁3−2(図4参照)によって適当な
タイミングで開閉され、各吸気弁3−1,3−2は本発
明に係る動弁機構によって駆動される。ここで、第1及
び第2吸気弁3−1,3−2は、シリンダヘッド1に圧
入されたバルブガイド4に摺動自在に挿通保持されると
ともに、シリンダヘッド1とリテーナ5との間に縮装さ
れたバルブスプリング6によって閉じ側に付勢されてい
る。
【0032】尚、図示しないが、シリンダヘッド1には
排気ポートが形成されており、この排気ポートは排気弁
によって適当なタイミングで開閉される。
【0033】而して、本実施の形態においては、図1及
び図2に示すように、動弁機構は第1動弁ユニットIと
第2動弁ユニットIIによって構成されており、前記第1
吸気弁3−1は第1動弁ユニットIによって駆動され、
第2吸気弁3−2は第2動弁ユニットIIによって駆動さ
れる。
【0034】ところで、シリンダヘッド1の上方にはカ
ム軸7が図3乃至図5の紙面垂直方向に長く配されてお
り、図2に示すように、該カム軸7には各気筒について
4つのカムA,B,A’,B’が一体に連設されてい
る。そして、前記第1動弁ユニットIは、カムA,Bと
これらのカムA,Bにそれぞれ当接する第1及び第2ロ
ッカアーム9−1,9−2及び第2ロッカアーム9−2
に組み込まれた切換手段20(図3参照)を含んで構成
され、第2動弁ユニットIIも同様にカムA’,B’とこ
れらのカムA’,B’にそれぞれ当接する第1及び第2
ロッカアーム9−1’,9−2’及び第2ロッカアーム
9−2’に組み込まれた切換手段20’(図4参照)を
含んで構成されている。
【0035】上記各ロッカアーム9−1,9−2,9−
1’,9−2’はカム軸7の下方に該カム軸7と平行に
配された中空状のロッカシャフト8に回動自在に軸支さ
れており、各動弁ユニットI,IIの第1ロッカアーム9
−1,9−1’の各中間部にはタペットねじ11,1
1’が、第2ロッカアーム9−2,9−2’各一端部に
はタペットねじ10,10’がそれぞれ進退可能に螺着
されている。そして、第1ロッカアーム9−1のタペッ
トねじ11が設けられる側とは反対側の端部は、図5に
示すように、ホルダー16を介してシリンダヘッド1側
に支持されたロストモーション機構12に当接してい
る。
【0036】ここで、上記ロストモーション機構12
は、ホルダー16に保持された下方が開口するシリンダ
13内にピストン14を摺動自在に嵌装するとともに、
該ピストン14をロストモーションスプリング15によ
って下方に付勢して構成されており、ピストン14の下
端には第1ロッカアーム9−1の端部が当接している。
従って、第1ロッカアーム9−1はロストモーションス
プリング15によってロッカシャフト8を中心として図
5の時計方向に付勢されており、その端部のカムスリッ
パ部9aが図示のように前記カムAに当接されている。
尚、図5には第1動弁ユニットI側のロストモーション
機構12のみを示すが、第2動弁ユニットII側のロスト
モーション機構も同様に構成されており、該第2動弁ユ
ニットIIの第1ロッカアーム9−1’もその端部のカム
スリッパ部9a’(図1及び図2参照)が前記カムA’
に当接されている。
【0037】又、第1及び第2動弁ユニットI,IIの各
第2ロッカアーム9−2,9−2’の端部に螺着された
前記タペットねじ10,10’は第1吸気弁3−1、第
2吸気弁3−2の各弁軸の頂部にそれぞれ当接するとと
もに、そのカムスリッパ部9b,9b’がカムB,B’
にそれぞれ当接されている。
【0038】ところで、第1動弁ユニットIの第2ロッ
カアーム9−2に組み込まれた切換手段20は、第1ロ
ッカアーム9−1と第2ロッカアーム9−2を連結又は
連結解除してカムA又はカムBを選択してそのリフトを
第1吸気弁3−1に伝達するものであり、第2動弁ユニ
ットIIの第2ロッカアーム9−2’に組み込まれた切換
手段20’は、第1ロッカアーム9−1’と第2ロッカ
アーム9−2’を連結又は連結解除してカムA’又はカ
ムB’を選択してそのリフトを第2吸気弁3−2に伝達
するものである。尚、本実施の形態においては、第1動
弁ユニットIのカムAは高速用カム、カムBは第1中速
用カムで構成され、又、第2動弁ユニットIIのカムA’
は第2中速用カム、カムB’は低リフトカムで構成され
ており、第1中速用カムBと第2中速用カムA’の各プ
ロフィールは互いに異なっている。
【0039】ここで、第1動弁ユニットI側の切換手段
20の構成の詳細を図6及び図7に基づいて説明する。
尚、第2動弁ユニットII側の切換手段20’も同様であ
るため、これについての説明は省略する。
【0040】図6に示すように、第2ロッカアーム9−
2には大小異径の円孔21,22が互いに直交する方向
に形成されており、一方の円孔21内にはピストン23
が摺動自在に嵌装されている。そして、このピストン2
3は、これとキャップ24との間に縮装されたスプリン
グ25によって斜め上方に付勢されて第1ロッカアーム
9−1に螺着された前記タペットねじ11の下端に当接
している。
【0041】又、上記ピストン23の前記円孔22が開
口する側の外周面には所定深さのガイド溝23aが該ピ
ストン23の摺動方向に沿って形成されており、同ピス
トン23にはこれの摺動方向に直交する方向に円孔23
bが貫設されている。そして、この円孔23b内にはリ
テーナ26が嵌着されるとともに、スライダ27が摺動
自在に嵌合保持されており、該スライダ27は、これと
リテーナ27との間に縮装されたスプリング28によっ
て外側方(円孔22の方向)に付勢されている。
【0042】他方、前記円孔22内にはストッパ29が
嵌着されるとともに、ピン30が摺動自在に嵌装されて
おり、同円孔22内にはストッパ29とピン30によっ
て区画される油室Sが形成されている。そして、この油
室Sには、第2ロッカアーム9−2とロッカシャフト8
に形成された油孔31を介してロッカシャフト8内の油
路8aが連通している。尚、ピストン23に貫設された
前記円孔23bと第2ロッカアーム9−2に形成された
円孔22及びスライダ27とピン30とはそれぞれ同径
に形成され、且つ、同軸に配されている。
【0043】次に、本発明に係る動弁機構の作用を説明
する。
【0044】エンジン回転数及び負荷が低い低速・低負
荷時においては、両動弁ユニットI,IIの各第2ロッカ
ーアーム9−2,9−2’に設けられた切換手段20,
20’は非作動状態にあって、油圧は油室Sに供給され
ず、例えば切換手段20においては、図6及び図7に示
すように、ピン30はスプリング28によって付勢され
たスライダ27によって押圧されてストッパ29に当接
しており、その一部はピストン23に形成された前記ガ
イド溝23aに係合している。この状態では、ピストン
23は円孔21内を自由に摺動し得ることとなり、第1
動弁ユニットIの第1ロッカアーム9−1と第2ロッカ
アーム9−2とは連結解除(非連結)状態にある。同様
に、第2動弁ユニットIIの第1ロッカアーム9−1’と
第2ロッカアーム9−2’も連結解除(非連結)状態に
ある。
【0045】而して、上記状態においてカム軸7が所定
の速度(不図示のクランク軸の1/2の速度)で回転駆
動されると、該カム軸7に連設されたカムA,B,
A’,B’に当接する第1動弁ユニットIの第1ロッカ
アーム9−1と第2ロッカアーム9−2及び第2動弁ユ
ニットIIの第1ロッカアーム9−1’と第2ロッカアー
ム9−2’はそれぞれカムA,B,A’,B’のプロフ
ィールに応じてロッカシャフト8を中心として揺動する
が、この低速域においては、前述のように第1動弁ユニ
ットIの第1ロッカアーム9−1と第2ロッカアーム9
−2及び第2動弁ユニットIIの第1ロッカアーム9−
1’と第2ロッカアーム9−2’は連結解除(非連結)
状態にあるため、これらの第1ロッカアーム9−1,9
−1’と第2ロッカアーム9−2,9−2’はそれぞれ
独立に揺動し、第1吸気弁3−1は第1動弁ユニットI
の第2ロッカアーム9−2を介して第1中速用カムBに
よって駆動され、第2吸気弁3−2は第2動弁ユニット
IIの第2ロッカアーム9−2’を介して低リフトカム
B’によって駆動される。
【0046】従って、低速・低負荷域においては、吸気
の大部分は相対的にリフト量の大きな第1中速用カムB
によって駆動される第1吸気弁3−1を通ってシリンダ
内に流入するため、吸気のシリンダ内への非対称流れが
促進されるとともに、絞りによって吸気の流速が高めら
れて該吸気のシリンダ内での乱れが促進され、燃焼効率
と充填効率が高められる。又、吸・排気弁オーバーラッ
プ時の既燃ガスの吸気への逆流による内部EGR量を低
減せしめて安定した燃焼状態と良好な排ガス特性を得る
ことができる。特に、安定した燃焼が実現することによ
って燃料の薄い希薄燃焼領域を拡大することができ、こ
れによって燃費の改善を図ることができる。
【0047】尚、この低速・低負荷域においては、第1
ロッカアーム9−1,9−1’の揺動は各切換手段2
0,20’のピストン23の摺動によって吸収され、第
2ロッカアーム9−2,9−2’へは伝達されない。
【0048】次に、エンジン回転数が増大してエンジン
の運転状態が中速域に達すると、第2動弁ユニットIIの
切換手段20’が作動して該第2動弁ユニットIIの第1
ロッカアーム9−1’と第2ロッカアーム9−2’が連
結される。
【0049】従って、この状態では第1ロッカアーム9
−1’と第2ロッカアーム9−2’が連結され、第2ロ
ッカアーム9−2’は第1ロッカアーム9−1’に押さ
れて該第1ロッカアーム9−1’と共に揺動し、第2中
速用カムA’のリフトは第1ロッカアーム9−1’及び
第2ロッカアーム9−2’を経て第2吸気弁3−2に伝
達され、第2吸気弁3−2は第2中速用カムA’によっ
て駆動される。
【0050】一方、第1動弁ユニットIにおいては切換
手段20は非作動状態を維持するため、低速時と同様に
第1吸気弁3−1は第1中速用カムBによって駆動され
る。
【0051】以上のように、中速域においては、第1吸
気弁3−1は第1中速用カムBによって駆動され、第2
吸気弁3−2は第2中速用カムA’によって駆動される
ため、第1及び第2吸気弁3−1,3−2のリフト量及
び開閉タイミングは中速域に最適な値に設定され、シリ
ンダへの吸気の充填効率が高められて高出力が得られ
る。
【0052】そして、エンジン回転数が所定値を超える
高速域においては、第1動弁ユニットIの切換手段20
も作動して該第1動弁ユニットIの第1ロッカアーム9
−1と第2ロッカアーム9−2が連結される。即ち、ロ
ッカシャフト8内の油路8aから油孔31を経て第1動
弁ユニットIの切換手段20の油室S内に油圧が供給さ
れると、図8乃至図10に示すように、ピン30が油圧
によって摺動し、該ピン30がピストン23の円孔23
bに嵌入してスライダ27をスプリング28の付勢力に
抗して移動させるため、ピストン23の摺動がピン30
によってロックされる。
【0053】従って、第2ロッカアーム9−2は第1ロ
ッカアーム9−1に押されて該第1ロッカアーム9−1
と共に揺動し、高速用カムAのリフトは第1ロッカアー
ム9−1及び第2ロッカアーム9−2を経て第1吸気弁
3−1に伝達され、第1吸気弁3−1は高速用カムAに
よって駆動される。
【0054】従って、高速域においては、第1吸気弁3
−1は高速用カムAによって駆動され、第2吸気弁3−
2は第2中速用カムA’によって駆動されるが、特に一
方の第1吸気弁3−1が高速用カムAによって駆動され
るために該高速域に合致した慣性・脈動効果が得られ、
エンジン出力の向上が図られる。
【0055】又、本実施の形態においては、低・中速時
に揺動量の小さな第2ロッカアーム9−2,9−2’に
切換手段20,20’を設けたため、第1ロッカアーム
9−1,9−1’に設けた場合に比して、この領域(低
・中速域)におけるロッカアーム9−1,9−1’,9
−2,9−2’全体に作用する慣性力(慣性力の総和)
を小さく抑えることができる。
【0056】尚、以上は特に吸気弁を開閉駆動する動弁
機構について述べたが、本発明は排気弁を開閉駆動する
動弁機構に対しても同様に適用可能であることは勿論で
ある。
【0057】ところで、以上説明した実施の形態では、
第1及び第2動弁ユニットI,IIの第2ロッカアーム9
−2,9−2’を各気筒の中央に隣接して配置し、その
両外側に各動弁ユニットI,IIの第1ロッカアーム9−
1,9−1’を配置したが、図11及び図12に示すよ
うに、第1及び第2動弁ユニットI,IIの第1ロッカア
ーム9−1,9−1’を各気筒の中央に隣接して配置
し、その両外側に各動弁ユニットI,IIの第2ロッカア
ーム9−2,9−2’を配置しても良い。
【0058】又、以上の実施の形態では、図5に示すよ
うにロストモーション機構12をホルダー16に保持せ
しめたが、図13に示すようにロストモーション機構1
2をシリンダヘッド1に直接設けても良い。
【0059】<実施の形態2>次に、本発明の実施の形
態2を図14及び図15に基づいて説明する。尚、図1
4は本実施の形態に係る動弁機構を示すエンジンの部分
平面図、図15は図14のK−K線断面図であり、これ
らの図においては図1乃至図3において示したと同一要
素には同一符号を付しており、以下、それらについての
説明は省略する。
【0060】前記実施の形態1では、第1ロッカアーム
9−1,9−1’の第2ロッカアーム9−2,9−2’
への当たりの調整はタペットねじ11,11’によって
なされているが、このような構成を採用すると、図1及
び図2に示すように、第1ロッカアーム9−1(9−
1’)のカムスリッパ部9a(9a’)と第2ロッカア
ーム9−2(9−2’)のカムスリッパ部9b(9
b’)及びカムA(A’)とカムB(B’)をタペット
ねじ11(11’)を避けて軸方向に罹患させて形成す
る必要があり、これらの幅が狭くなってその面圧が高く
なる他、エンジンの全長が長くなってしまう。
【0061】そこで、本実施の形態では、各動弁ユニッ
トI,II(図15では一方の動弁ユニットIのみ示す)
の第1ロッカアーム9−1の第2ロッカアーム9−2へ
の当接をタペットねじに代えて厚さ調整が可能なシム4
0を介して行う構成を採用した。
【0062】而して、上述の構成を採用することによっ
てカムA(A’)とカムB(B’)を第1ロッカアーム
9−1(9−1’)の第2ロッカアーム9−2(9−
2’)への当接部に平面視でオーバーラップして軸方向
に詰めて配置することができ、これらのカムA
(A’),B(B’)の幅を広げてその面圧を下げ、或
は軸方向寸法を詰めてエンジンのコンパクト化を図るこ
とができる。
【0063】<実施の形態3>次に、本発明の実施の形
態3を図16乃至図24に基づいて説明する。
【0064】図16は本発明の実施の形態3に係る動弁
機構を示すエンジンの部分平面図、図17は同動弁機構
の構成を示す分解平面図、図18は切換手段が非作動状
態にあるとき(低・中速時)の図16のL−L線断面
図、図19は非作動状態にある切換手段の状態を示す断
面図、図20は図19のM−M線断面図、図21は図1
6のP−P線断面図、図22は切換手段が作動状態にあ
るとき(高速時)の図16のL−L線断面図、図23は
作動状態にある切換手段の状態を示す断面図、図24は
図23のQ−Q線断面図である。
【0065】図18において、1は4サイクル内燃エン
ジンのシリンダヘッドであり、該シリンダヘッド1には
各気筒について2つの吸気ポート2が形成されており、
これらの吸気ポート2は第1吸気弁3−1と第2吸気弁
3−2(不図示)によって適当なタイミングで開閉され
る。ここで、第1及び第2吸気弁3−1,3−2は、シ
リンダヘッド1に圧入されたバルブガイド4に摺動自在
に挿通保持されるとともに、シリンダヘッド1とリテー
ナ5との間に縮装されたバルブスプリング6によって閉
じ側に付勢されている。
【0066】尚、図示しないが、シリンダヘッド1には
排気ポートが形成されており、この排気ポートは排気弁
によって適当なタイミングに開閉される。
【0067】又、シリンダヘッド1の上方にはカム軸7
が図3の紙面垂直方向に長く配されており、図17に示
すように、該カム軸7には各気筒について3つのカム
A,B,Cが一体に連設されている。尚、本実施の形態
では、カムAは高速用カム、カムBは低リフトカム、カ
ムCは中速用カムにそれぞれ設定されている。
【0068】そして、上記カム軸7の下方には、中空状
のロッカシャフト8がカム軸7と平行に配置されてお
り、該ロッカシャフト8には、カム軸7の前記カムA,
B,Cにそれぞれ当接する第1、第2及び第3ロッカア
ーム9−1,9−2,9−3が回動自在に軸支されてい
る。
【0069】而して、上記第1ロッカアーム9−1の中
間部には進退自在なタペットねじ11が螺着され、第2
及び第3ロッカアーム9−2,9−3の各一端部には進
退自在なタペットねじ10,10’がそれぞれ螺着され
ている。そして、第1ロッカアーム9−1のタペットね
じ11が設けられる側とは反対側の端部は、図21に示
すように、ホルダー16に設けられたロストモーション
機構12に当接している。
【0070】ここで、上記ロストモーション機構12
は、ホルダー16に保持された下方が開口するシリンダ
13内にピストン14を摺動自在に嵌装するともに、該
ピストン14をロストモーションスプリング15によっ
て下方に付勢して構成されており、ピストン14の下端
には第1ロッカアーム9−1の端部が当接している。従
って、第1ロッカアーム9−1はロストモーションスプ
リング15によってロッカシャフト8を中心として図6
の時計方向に付勢されており、その端部のカムスリッパ
部9aが図示のように前記カムAに当接せしめられてい
る。
【0071】又、前記第2及び第3ロッカアーム9−
2,9−3の各端部に螺着されたタペットねじ10,1
0’は第1及び第2吸気弁3−1,3−2の各弁軸の頂
部に当接するとともに、その各カムスリッパ部9b,9
cがカムB,Cにそれぞれ当接せしめられている。
【0072】ところで、第2ロッカアーム9−2内に
は、第1ロッカアーム9−1と該第2ロッカアーム9−
2を連結又は連結解除してカムA又はカムBを選択して
そのリフトを第1吸気弁3−1に伝達するための切換手
段20が設けられている。ここで、この切換手段20の
構成の詳細を図19及び図20に基づいて説明する。
【0073】図19に示すように、第2ロッカアーム9
−2には大小異径の円孔21,22が互いに直交する方
向に形成されており、一方の円孔21内にはピストン2
3が摺動自在に嵌装されている。そして、このピストン
23は、これとキャップ24との間に縮装されたスプリ
ング25によって斜め上方に付勢されて前記第1ロッカ
アーム9−1に螺着されたタペットねじ11の下端に当
接している。
【0074】又、上記ピストン23の前記円孔22が開
口する側の外周面には所定深さのガイド溝23aが該ピ
ストン23の摺動方向に沿って形成されており、同ピス
トン23にはこれの摺動方向と直交する方向に円孔23
bが貫設されている。そして、この円孔23b内にはリ
テーナ26が嵌着されるとともに、スライダ27が摺動
自在に嵌合保持されており、該スライダ27は、これと
リテーナ26との間に縮装されたスプリング28によっ
て外側方(円孔22の方向)に付勢されている。
【0075】他方、前記円孔22内にはストッパ29が
嵌着されるとともに、ピン30が摺動自在に嵌装されて
おり、同円孔22内にはストッパ29とピン30によっ
て区画される油室Sが形成されている。そして、この油
室Sには、第2ロッカアーム9−2とロッカシャフト8
に形成された油孔31を介してロッカシャフト8内の油
路8aが連通している。尚、ピストン23に貫設された
前記円孔23bと第2ロッカアーム9−2に形成された
円孔22及びスライダ27とピン30とはそれぞれ同径
に形成され、且つ、同軸に配されている。
【0076】次に、本発明に係る動弁機構の作用を説明
する。
【0077】エンジン回転数が比較的低い低・中速域に
おいては、第2ロッカアーム9−2に設けられた切換手
段20は非作動状態にあって、油圧は油室Sに供給され
ず、図18乃至図20に示すように、ピン30はスプリ
ング28によって付勢されたスライダ27によって押圧
されてストッパ29に当接しており、その一部はピスト
ン23に形成された前記ガイド溝23aに係合してい
る。この状態では、ピストン23は円孔21内を自由に
摺動し得ることとなり、第1ロッカアーム9−1と第2
ロッカアーム9−2は連結解除(非連結)状態にある。
【0078】而して、上記状態においてカム軸7が所定
の速度(不図示のクランク軸の1/2の速度)で回転駆
動されると、該カム軸7に連設されたカムA,B,Cに
それぞれ当接する第1、第2及び第3ロッカアーム9−
1,9−2,9−3はカムA,B,Cのプロフィールに
応じてロッカシャフト8を中心として揺動するが、この
低・中速域においては、前述のように第1ロッカアーム
9−1と第2ロッカアーム9−2は連結解除(非連結)
状態にあるため、両者9−1,9−2及び第3ロッカア
ーム9−3はそれぞれ独立に揺動し、第1吸気弁3−1
は第2ロッカアーム9−2を介して低リフトカムBで駆
動され、第2吸気弁3−2は第3ロッカアーム9−3を
介して中速用カムCで駆動される。尚、第2吸気弁3−
2はエンジン回転数に拘らず、常に中速用カムCによっ
て駆動される。
【0079】従って、低・中速域においては、吸気の大
部分は相対的にリフト量の大きな第2吸気弁3−2を通
ってシリンダ内に流入するため、吸気のシリンダ内への
非対称流れが促進されるとともに、絞りによって吸気の
流速が高められて該吸気のシリンダ内での乱れが促進さ
れ、燃焼効率と充填効率が高められる。又、吸・排気弁
オーバーラップ時の既燃ガスの吸気への逆流による内部
EGR量を低減させて安定した燃焼状態と良好な排ガス
特性を得ることができる。特に、安定した燃焼が実現す
ることによって燃料の薄い希薄燃焼領域を拡大させるこ
とができ、これによって燃費の改善を図ることができ
る。
【0080】尚、この低・中速域においては、第1ロッ
カアーム9−1の揺動は切換手段20のピストン23の
摺動によって吸収され、第2ロッカアーム9−2へは伝
達されない。
【0081】次に、エンジン回転数が所定値を超える高
速域においては、ロッカシャフト8内の油路8aから油
孔31を経て切換手段20の油室S内に油圧が供給され
る。すると、切換手段20が作動し、図22乃至図24
に示すように、ピン30が油圧によって摺動し、該ピン
30がピストン23の円孔23bに嵌入してスライダ2
7をスプリング28の付勢力に抗して移動させるため、
ピストン23の摺動がピン30によってロックされる。
従って、この状態では第1ロッカアーム9−1と第2ロ
ッカアーム9−2が連結され、第2ロッカアーム9−2
は第1ロッカアーム9−1によって押されて該第1ロッ
カアーム9−1と共に揺動し、高速用カムAのリフトは
第1ロッカアーム9−1及び第2ロッカアーム9−2を
経て第1吸気弁3−1に伝達され、この結果、高速域に
おいては、第1吸気弁3−1は高速用カムAによって駆
動され、第2吸気弁3−2は低・中速域と同様に中速用
カムCによって駆動される。ここで、油室Sをロッカシ
ャフト8内の油路8aよりも下方に設けたため、該油室
Sに気泡が滞留することがなく、切換手段20が確実に
作動せしめられる。
【0082】而して、高速域においては、上述のように
第1吸気弁3−1は高速用カムAによって駆動され、第
2吸気弁3−2は中速用カムCによって駆動されるた
め、第1及び第2吸気弁3−1,3−2には十分なリフ
ト量が確保され、十分な量の吸気をシリンダ内に供給し
て高出力を得ることができる。
【0083】又、本実施の形態においては、低・中速時
において揺動量が小さな第2ロッカアーム9−2に切換
手段20を設けたため、切換手段20を第1ロッカアー
ム9−1に設けた場合に比して、低・中速域におけるロ
ッカアーム9−1〜9−3全体に作用する慣性力(慣性
力の総和)を小さく抑えることができる。
【0084】尚、以上は吸気弁のリフト量と開閉タイミ
ングを低・中速時と高速時において切り換える場合につ
いて述べたが、排気弁のリフト量と開閉タイミングも同
様の機構によって切り換えることができる。
【0085】<実施の形態4>次に、本発明の実施の形
態4について説明する。
【0086】本実施の形態は、前記実施の形態1におけ
るカムCをカムAと同じプロフィールを有する高速用カ
ムで構成したものであって、他の構成は実施の形態1の
構成と全く同様である。従って、以下の説明においては
実施の形態1と同様の要素は図16乃至図24に示した
と同一の符号を用いる。
【0087】而して、本実施の形態によれば、低・中速
域においては、第1吸気弁3−1は低リフトカムBによ
って駆動され、第2吸気弁3−2は高速用カムCによっ
て駆動される。従って、実施の形態1と同様に吸気の大
部分は相対的にリフト量の大きな第2吸気弁3−2を通
ってシリンダ内に流入するため、吸気のシリンダ内での
乱れが促進されて燃焼効率と充填効率が高められるとと
もに、安定した燃焼状態と良好な排ガス特性を得ること
ができる。
【0088】又、高速域においては、第1吸気弁3−1
は高速用カムAによって駆動され、第2吸気弁3−2は
高速用カムAと同じプロフィールを有する高速用カムC
によって駆動されるため、第1及び第2吸気弁3−1,
3−2には十分なリフト量が確保され、十分な量の吸気
をシリンダ内に供給して高出力を得ることができる。
【0089】<実施の形態5>次に、本発明の実施の形
態5について説明する。
【0090】本実施の形態では、前記実施の形態2にお
いてカムBを低速用カムで構成するとともに、図25に
模式的に示すように、第2吸気弁3−2に連通する吸気
通路2−2に吸気制御弁32を設けている。尚、図25
において、2−1は第1吸気弁3−1に連通する吸気通
路、33はサージタンク、34はスロットル弁、34は
吸気制御弁32を駆動するアクチュエータ、36はスロ
ットル弁34の開度αとエンジン回転数Nをパラメータ
としてアクチュエータ35の駆動(つまり、吸気制御弁
32の開度)を制御するECU(エンジンコントロール
ユニット)である。
【0091】而して、本実施の形態によれば、低・中速
域においては、第1吸気弁3−1は低速用カムBによっ
て駆動され、第2吸気弁3−2は高速用カムCによって
駆動されるが、吸気制御弁32は閉じられる。
【0092】従って、低・中速域においては、吸気は低
速用カムBによって駆動される第1吸気弁3−1を通っ
てシリンダ内に流入するため、吸気のシリンダ内での乱
れが促進されて燃焼効率と充填効率が高められるととも
に、安定した燃焼状態と良好な排ガス特性を得ることが
できる。尚、第2吸気弁3−2と吸気制御弁32との間
の吸気通路2−2内への既燃ガスの進入を防ぐために吸
気制御弁32を僅かに開き、第2吸気弁3−2からシリ
ンダへの吸気の微小流れを形成しても良い。
【0093】そして、この低・中速域においては、エン
ジン回転数の増大と共に吸気制御弁32を開いてシリン
ダ内での吸気の流動を徐々に抑制するとともに、第2吸
気弁3−2からシリンダへの吸気量を増大させて所謂中
速域におけるノッキング(異常燃焼)の発生を抑え、十
分な量の吸気をシリンダに供給することによって中速域
におけるトルク特性を改善する。
【0094】又、高速域においては、第1吸気弁3−1
は高速用カムAによって駆動され、第2吸気弁3−2は
高速用カムCによって駆動され、吸気制御弁32は全開
とされる。従って、この高速域においては実施の形態2
と同様に第1及び第2吸気弁3−1,3−2には十分な
リフト量が確保され、吸気抵抗が低く抑えられて十分な
量の吸気がシリンダ内に供給されるため、高い充填効率
が確保されて高出力が得られる。
【0095】尚、一対の排気弁を吸気弁と同様の切換態
様で開閉駆動すれば、低速域での既燃ガスの吸気通路へ
の吹き返しを更に抑制するとともに、高速域での充填効
率を更に高めることができる。
【0096】又、コスト抑制の観点から吸気制御弁32
の開閉制御を所謂ON−OFF制御とし、吸気制御弁3
2を低・中速域において全閉とし、高速域において全開
とするようにしても良い。
【0097】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
〜7記載の発明によれば、2つのカムA,Bにそれぞれ
当接する第1及び第2ロッカアームを有し、第1ロッカ
アームをロストモーション機構に、第2ロッカアームを
弁にそれぞれ当接せしめるとともに、両ロッカアームを
連結又は連結解除してカムA,Bの一方を選択してその
リフトを弁に伝達する切換手段を設けて構成される動弁
ユニットを複数設けるとともに、各動弁ユニットに含ま
れる前記カムA,Bの少なくとも一方を低リフトカム、
低速用カム又は中速用カムとし、他方をそれよりも高リ
フトのカムとしたため、中速域において十分なエンジン
性能を確保しつつ、低速・低負荷域における混合気の安
定燃焼を実現することができるという効果が得られる。
【0098】又、請求項8〜13記載の発明によれば、
一対の第1及び第2弁を開閉する内燃エンジンの動弁機
構を、3つのカムA,B,Cを連設して成るカム軸と、
該カム軸のカムA,B,Cにそれぞれ当接する第1、第
2及び第3ロッカアームを有し、第1ロッカアームをロ
ストモーション機構に、第2ロッカアームを第1弁に、
第3ロッカアームを第2弁にそれぞれ当接せしめるとと
もに、第1ロッカアームと第2ロッカアームを連結又は
連結解除して前記カムA又はカムBを選択してそのリフ
トを第1弁に伝達する切換手段を設けたものとしたた
め、低・中速域においては混合気のシリンダ内での乱れ
を促進して燃焼効率と充填効率の向上を図ることができ
るとともに、高速時においては十分な混合気をシリンダ
内に供給して高出力を得ることができるという効果が得
られる。
【0099】更に、請求項14記載の発明によれば、第
1ロッカアームと第2ロッカアームとをシムを介して当
接させたため、カムA,Bを第1ロッカアームの第2ロ
ッカアームへの当接部に平面視でオーバーラップして軸
方向に詰めて配置することができ、カムA,Bの幅を広
げてその面圧を下げ、或は軸方向寸法を詰めてエンジン
のコンパクト化を図ることができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る動弁機構を示すエ
ンジンの部分平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る動弁機構の構成を
示す分解平面図である。
【図3】切換手段が非作動状態にあるときの図1のE−
E線断面図である。
【図4】切換手段が非作動状態にあるときの図1のF−
F線断面図である。
【図5】図1のG−G線断面図である。
【図6】非作動状態にある切換機構の状態を示す断面図
である。
【図7】図6のH−H線断面図である。
【図8】切換手段が作動状態にあるときの図1のE−E
断面図である。
【図9】作動状態にある切換機構の状態を示す断面図で
ある。
【図10】図9のJ−J線断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る動弁機構の別配
置例を示すエンジンの部分平面図である。
【図12】本発明の実施の形態1に係る動弁機構の別配
置例を示す分解平面図である。
【図13】ロストモーション機構の別配置例を示す断面
図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る動弁機構を示す
エンジンの部分平面図である。
【図15】図14のK−K線断面図である。
【図16】本発明の実施の形態3に係る動弁機構を示す
エンジンの部分平面図である。
【図17】本発明の実施の形態3に係る動弁機構の構成
を示す分解平面図である。
【図18】切換手段が非作動状態にあるとき(低・中速
時)の図16のL−L線断面図である。
【図19】非作動状態にある切換手段の状態を示す平面
図である。
【図20】図19のM−M線断面図である。
【図21】図14のP−P線断面図である。
【図22】切換手段が作動状態にあるとき(高速時)の
図16のL−L線断面図である。
【図23】作動状態にある切換手段の状態を示す断面図
である。
【図24】図23のQ−Q線断面図である。
【図25】本発明の実施の形態5に係る動弁機構を示す
エンジンの吸気系の模式図である。
【符号の説明】
I 第1動弁ユニット II 第2動弁ユニット A,B,A’,B’ カム 2,2−1,2−2 吸気通路 3−1 第1吸気弁(弁) 3−2 第2吸気弁(弁) 7 カム軸 9−1,9−1’ 第1ロッカアーム 9−2,9−2’ 第2ロッカアーム 9−3 第3ロッカアーム 12 ロストモーション機構 20,20’ 切換手段 32 吸気制御弁 40 シム

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つのカムA,Bにそれぞれ当接する第
    1及び第2ロッカアームを有し、第1ロッカアームをロ
    ストモーション機構に、第2ロッカアームを弁にそれぞ
    れ当接せしめるとともに、両ロッカアームを連結又は連
    結解除してカムA,Bの一方を選択してそのリフトを弁
    に伝達する切換手段を設けて構成される動弁ユニットを
    有することを特徴とする内燃エンジンの動弁機構。
  2. 【請求項2】 前記カムA,Bの少なくとも一方を低リ
    フトカム、低速用カム又は中速用カムとし、他方をそれ
    よりも高リフトのカムとしたことを特徴とする請求項1
    記載の内燃エンジンの動弁機構。
  3. 【請求項3】 前記動弁ユニットを2つ有し、各動弁ユ
    ニットの第2ロッカアームを各気筒の中央に隣接して配
    置し、その両外側に各動弁ユニットの第1ロッカアーム
    を配置したことを特徴とする請求項1記載の内燃エンジ
    ンの動弁機構。
  4. 【請求項4】 前記動弁ユニットを2つ有し、各動弁ユ
    ニットの第1ロッカアームを各気筒の中央に隣接して配
    置し、その両外側に各動弁ユニットの第2ロッカアーム
    を配置したことを特徴とする請求項1記載の内燃エンジ
    ンの動弁機構。
  5. 【請求項5】 一方の動弁ユニットのカムAを高速用カ
    ム、カムBを第1中速用カムとし、他方の動弁ユニット
    のカムAを第2中速カム、カムBを低リフトカムとした
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の内燃エンジンの
    動弁機構。
  6. 【請求項6】 一方の動弁ユニットのカムAを第1高速
    用カム、カムBを低速用カムとし、他方の動弁ユニット
    のカムAを第2高速カム、カムBを低リフトカムとした
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の内燃エンジンの
    動弁機構。
  7. 【請求項7】 各動弁ユニットに含まれる前記切換手段
    を前記第2ロッカアームに設けたことを特徴とする請求
    項1〜5又は6記載の内燃エンジンの動弁機構。
  8. 【請求項8】 一対の第1及び第2弁を開閉する機構で
    あって、3つのカムA,B,Cを連設して成るカム軸
    と、該カム軸のカムA,B,Cにそれぞれ当接する第
    1、第2及び第3ロッカアームを有し、第1ロッカアー
    ムをロストモーション機構に、第2ロッカアームを第1
    弁に、第3ロッカアームを第2弁にそれぞれ当接せしめ
    るとともに、第1ロッカアームと第2ロッカアームを連
    結又は連結解除して前記カムA又はカムBを選択してそ
    のリフトを第1弁に伝達する切換手段を設けたことを特
    徴とする請求項1記載の内燃エンジンの動弁機構。
  9. 【請求項9】 前記カムAを高速用カム、カムBを低リ
    フトカム、カムCを中速用カムとしたことを特徴とする
    請求項8記載の内燃エンジンの動弁機構。
  10. 【請求項10】 前記カムA,Cを高速用カム、カムB
    を低リフトカムとしたことを特徴とする請求項8記載の
    内燃エンジンの動弁機構。
  11. 【請求項11】 前記カムA,Cを高速用カム、カムB
    を低速用カムとしたことを特徴とする請求項8記載の内
    燃エンジンの動弁機構。
  12. 【請求項12】 前記第1及び第2弁を吸気弁で構成す
    るとともに、第2弁連通する吸気通路に吸気制御弁を設
    けたことを特徴とする請求項10又は11記載の内燃エ
    ンジンの動弁機構。
  13. 【請求項13】 前記切換手段を前記第2ロッカアーム
    に設けたことを特徴とする請求項8〜11又は12記載
    の内燃エンジンの動弁機構。
  14. 【請求項14】 前記第1ロッカアームと第2ロッカア
    ームとをシムを介して当接させたことを特徴とする請求
    項1〜12又は13記載の内燃エンジンの動弁機構。
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