JP2002047808A - 既存建物の耐震補強工法 - Google Patents
既存建物の耐震補強工法Info
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- JP2002047808A JP2002047808A JP2000232498A JP2000232498A JP2002047808A JP 2002047808 A JP2002047808 A JP 2002047808A JP 2000232498 A JP2000232498 A JP 2000232498A JP 2000232498 A JP2000232498 A JP 2000232498A JP 2002047808 A JP2002047808 A JP 2002047808A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スパイラル筋を使用せず、現場での施工性の
向上が図れると共に、枠付き鉄骨ブレースの周辺枠の中
心を柱梁架構の接合面へできるだけ近付け、既存建物の
柱梁架構と枠付き鉄骨ブレースの接合部の力学性状につ
いて従来工法と同等以上に構成できる、既存建物の耐震
補強工法を提供する。 【解決手段】 既存建物の柱梁架構の外側面を接合面と
し、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースとから成る
枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う場合に、
柱梁架構の前記接合面にアンカーボルトを打設する。枠
付き鉄骨ブレースの周辺枠に、柱梁架構の前記接合面と
の間の隙間の側面を塞ぐ鋼板を前記アンカーボルトとの
干渉を避ける配置に通したボルトで固定して取り付けた
後、前記枠付き鉄骨ブレースを柱梁架構の接合位置へ位
置決めする。前記周辺枠及び鋼板並びに柱梁架構の接合
面で囲まれた空間へモルタル等を充填する。
向上が図れると共に、枠付き鉄骨ブレースの周辺枠の中
心を柱梁架構の接合面へできるだけ近付け、既存建物の
柱梁架構と枠付き鉄骨ブレースの接合部の力学性状につ
いて従来工法と同等以上に構成できる、既存建物の耐震
補強工法を提供する。 【解決手段】 既存建物の柱梁架構の外側面を接合面と
し、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースとから成る
枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う場合に、
柱梁架構の前記接合面にアンカーボルトを打設する。枠
付き鉄骨ブレースの周辺枠に、柱梁架構の前記接合面と
の間の隙間の側面を塞ぐ鋼板を前記アンカーボルトとの
干渉を避ける配置に通したボルトで固定して取り付けた
後、前記枠付き鉄骨ブレースを柱梁架構の接合位置へ位
置決めする。前記周辺枠及び鋼板並びに柱梁架構の接合
面で囲まれた空間へモルタル等を充填する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄筋コンクリー
ト造(RC造)又は鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC
造)既存建物の耐震補強工法の技術分野に属し、更に云
えば、前記既存建物の柱梁架構の内周面又は外側面を接
合面とし、この接合面に枠付き鉄骨ブレースを増設して
耐震補強を行う工法に関する。
ト造(RC造)又は鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC
造)既存建物の耐震補強工法の技術分野に属し、更に云
えば、前記既存建物の柱梁架構の内周面又は外側面を接
合面とし、この接合面に枠付き鉄骨ブレースを増設して
耐震補強を行う工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、RC造又はSRC造既存建物の柱
梁架構との適合性を考慮し、且つ高い強度と剛性を付与
する耐震補強技術として、図1又は図2のように、柱梁
架構1、2へ鉄骨周辺枠3と鉄骨ブレース4とから成る
枠付き鉄骨ブレース5を増設して耐震補強を行う工法が
知られている(例えば、実公平7−26520号公報、
特開平9−67939号公報、特開平9−317198
号公報等に関連技術が開示されている。)。
梁架構との適合性を考慮し、且つ高い強度と剛性を付与
する耐震補強技術として、図1又は図2のように、柱梁
架構1、2へ鉄骨周辺枠3と鉄骨ブレース4とから成る
枠付き鉄骨ブレース5を増設して耐震補強を行う工法が
知られている(例えば、実公平7−26520号公報、
特開平9−67939号公報、特開平9−317198
号公報等に関連技術が開示されている。)。
【0003】前記した枠付き鉄骨ブレースを増設する耐
震補強工法は、図1のように、柱梁架構1、2の内周面
を接合面として枠付き鉄骨ブレース5を柱梁架構1、2
の内側へ設置するのが一般的であったが、最近では、所
謂「居ながら補強」のニーズの増大により、図2のよう
に、柱梁架構1、2の外側面を接合面として枠付き鉄骨
ブレース5を外付けするケースも見られるようになっ
た。
震補強工法は、図1のように、柱梁架構1、2の内周面
を接合面として枠付き鉄骨ブレース5を柱梁架構1、2
の内側へ設置するのが一般的であったが、最近では、所
謂「居ながら補強」のニーズの増大により、図2のよう
に、柱梁架構1、2の外側面を接合面として枠付き鉄骨
ブレース5を外付けするケースも見られるようになっ
た。
【0004】この枠付き鉄骨ブレースを増設する耐震補
強工法は、補強架構全体の降伏後における靭性性能に優
れており、安定した補強効果が得られる。また、鉄筋コ
ンクリート壁(RC壁)を増設して耐震補強を行う工法
と比較しても、建物躯体重量の増加が少なく、大きな開
口や通風が確保できる工法である。前記枠付き鉄骨ブレ
ースは予め工場等で加工できるために高い精度が確保で
き、現場での工期を短縮することも可能とする。
強工法は、補強架構全体の降伏後における靭性性能に優
れており、安定した補強効果が得られる。また、鉄筋コ
ンクリート壁(RC壁)を増設して耐震補強を行う工法
と比較しても、建物躯体重量の増加が少なく、大きな開
口や通風が確保できる工法である。前記枠付き鉄骨ブレ
ースは予め工場等で加工できるために高い精度が確保で
き、現場での工期を短縮することも可能とする。
【0005】従来、既存建物がRC造であるかSRC造
であるかの別を問わず、当該既存建物に枠付き鉄骨ブレ
ースを増設して耐震補強を行う方法は、およそ図9に示
した構成と以下の作業手順が実施される。
であるかの別を問わず、当該既存建物に枠付き鉄骨ブレ
ースを増設して耐震補強を行う方法は、およそ図9に示
した構成と以下の作業手順が実施される。
【0006】即ち、既存建物の柱梁架構1、2の内周面
にアンカーボルト6…を打設し、一方、現場で鉄骨周辺
枠3と鉄骨ブレース4により枠付き鉄骨ブレース5を組
み立て、前記周辺枠3のウェブにスタッドボルト16…
を溶接する。この枠付き鉄骨ブレース5を柱梁架構1、
2の接合位置へ位置決めし、その後、スパイラル筋17
を間に取り付ける。最後に、柱梁架構1、2の接合面と
枠付き鉄骨ブレース5の周辺枠3との間の隙間の側面を
塞ぐ型枠工事を行い、しかる後、この隙間へモルタル1
1を充填して接合を行い、前記モルタル11の養生を行
い、強度発現後に脱型を行う。
にアンカーボルト6…を打設し、一方、現場で鉄骨周辺
枠3と鉄骨ブレース4により枠付き鉄骨ブレース5を組
み立て、前記周辺枠3のウェブにスタッドボルト16…
を溶接する。この枠付き鉄骨ブレース5を柱梁架構1、
2の接合位置へ位置決めし、その後、スパイラル筋17
を間に取り付ける。最後に、柱梁架構1、2の接合面と
枠付き鉄骨ブレース5の周辺枠3との間の隙間の側面を
塞ぐ型枠工事を行い、しかる後、この隙間へモルタル1
1を充填して接合を行い、前記モルタル11の養生を行
い、強度発現後に脱型を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】(a) 上記従来技術
の耐震補強工法は、枠付き鉄骨ブレース5を既存建物の
柱梁架構1、2の接合位置へ位置決めした後に、スパイ
ラル筋17を取り付けるので、その取付け作業は大変困
難になっている。そこでスパイラル筋17を枠付き鉄骨
ブレース5の周辺枠3に先付けしてから当該枠付き鉄骨
ブレース5を柱梁架構1、2の接合位置へ位置決めしよ
うとしても、アンカーボルト6…に干渉して施工に支障
をきたす。また、型枠施工時のセパレーターにも干渉す
る。このため現場サイドからはスパイラル筋17を使用
せずに済む工法が求められている。
の耐震補強工法は、枠付き鉄骨ブレース5を既存建物の
柱梁架構1、2の接合位置へ位置決めした後に、スパイ
ラル筋17を取り付けるので、その取付け作業は大変困
難になっている。そこでスパイラル筋17を枠付き鉄骨
ブレース5の周辺枠3に先付けしてから当該枠付き鉄骨
ブレース5を柱梁架構1、2の接合位置へ位置決めしよ
うとしても、アンカーボルト6…に干渉して施工に支障
をきたす。また、型枠施工時のセパレーターにも干渉す
る。このため現場サイドからはスパイラル筋17を使用
せずに済む工法が求められている。
【0008】(b) 上記従来技術の耐震補強工法では
また、鉄骨周辺枠3として通常、200mm×200mmの
H形鋼が多く使用されるが、この周辺枠3の中心から柱
梁架構1、2の接合面(内周面又は外側面)までの距離
は、スパイラル筋17を取り付けるので、少なくとも2
00mm程度は確保しなければならない。構造的に周辺枠
3の中心から柱梁架構1、2の接合面への距離が近いほ
ど、偏心量が小さく、接合部の強度・剛性の点で有利に
なるため、接合部の性能を低下させず、前記距離をでき
るだけ近付けることができる工法も求められている。
また、鉄骨周辺枠3として通常、200mm×200mmの
H形鋼が多く使用されるが、この周辺枠3の中心から柱
梁架構1、2の接合面(内周面又は外側面)までの距離
は、スパイラル筋17を取り付けるので、少なくとも2
00mm程度は確保しなければならない。構造的に周辺枠
3の中心から柱梁架構1、2の接合面への距離が近いほ
ど、偏心量が小さく、接合部の強度・剛性の点で有利に
なるため、接合部の性能を低下させず、前記距離をでき
るだけ近付けることができる工法も求められている。
【0009】したがって、本発明の目的は、スパイラル
筋を使用せず、現場での施工性の向上が図れると共に、
枠付き鉄骨ブレースの周辺枠の中心を柱梁架構の接合面
へできるだけ近付け、既存建物の柱梁架構と枠付き鉄骨
ブレースの接合部の力学性状について従来工法と同等以
上に構成できる、既存建物の耐震補強工法を提供するこ
とである。
筋を使用せず、現場での施工性の向上が図れると共に、
枠付き鉄骨ブレースの周辺枠の中心を柱梁架構の接合面
へできるだけ近付け、既存建物の柱梁架構と枠付き鉄骨
ブレースの接合部の力学性状について従来工法と同等以
上に構成できる、既存建物の耐震補強工法を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、請求項1に記載した発明に係る既存
建物の耐震補強工法は、既存建物の柱梁架構の外側面を
接合面とし、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースと
から成る枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う
工法において、柱梁架構の前記接合面に突き出るアンカ
ーボルトを打設すること、枠付き鉄骨ブレースの周辺枠
に、該周辺枠と柱梁架構の前記接合面との間の隙間の側
面を塞ぐ大きさ、形状の鋼板を、前記アンカーボルトと
の干渉を避ける配置に通したボルトにより固定して取り
付けた後に、前記枠付き鉄骨ブレースを柱梁架構の接合
位置へ位置決めすること、前記周辺枠及び鋼板並びに柱
梁架構の接合面で囲まれた空間へモルタル等を充填し、
前記枠付き鉄骨ブレースを柱梁架構の接合面へ接合する
こと、をそれぞれ特徴とする。
ための手段として、請求項1に記載した発明に係る既存
建物の耐震補強工法は、既存建物の柱梁架構の外側面を
接合面とし、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースと
から成る枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う
工法において、柱梁架構の前記接合面に突き出るアンカ
ーボルトを打設すること、枠付き鉄骨ブレースの周辺枠
に、該周辺枠と柱梁架構の前記接合面との間の隙間の側
面を塞ぐ大きさ、形状の鋼板を、前記アンカーボルトと
の干渉を避ける配置に通したボルトにより固定して取り
付けた後に、前記枠付き鉄骨ブレースを柱梁架構の接合
位置へ位置決めすること、前記周辺枠及び鋼板並びに柱
梁架構の接合面で囲まれた空間へモルタル等を充填し、
前記枠付き鉄骨ブレースを柱梁架構の接合面へ接合する
こと、をそれぞれ特徴とする。
【0011】請求項2に記載した発明に係る既存建物の
耐震補強工法は、既存建物の柱梁架構の内周面を接合面
とし、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースとから成
る枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う工法に
おいて、柱梁架構の前記接合面に突き出るアンカーボル
トを打設すること、枠付き鉄骨ブレースを柱梁架構の前
記アンカーボルトの頭部より内側部位へ嵌め込み、接合
位置へ位置決めした後、前記枠付き鉄骨ブレースの周辺
枠に、該周辺枠と柱梁架構の前記接合面との間の隙間の
側面を塞ぐ大きさ、形状の鋼板を、前記アンカーボルト
との干渉を避ける配置に通したボルトにより固定して取
り付けること、前記周辺枠及び鋼板並びに柱梁架構の接
合面で囲まれた空間へモルタル等を充填し、前記枠付き
鉄骨ブレースを柱梁架構の接合面へ接合すること、をそ
れぞれ特徴とする。
耐震補強工法は、既存建物の柱梁架構の内周面を接合面
とし、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースとから成
る枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う工法に
おいて、柱梁架構の前記接合面に突き出るアンカーボル
トを打設すること、枠付き鉄骨ブレースを柱梁架構の前
記アンカーボルトの頭部より内側部位へ嵌め込み、接合
位置へ位置決めした後、前記枠付き鉄骨ブレースの周辺
枠に、該周辺枠と柱梁架構の前記接合面との間の隙間の
側面を塞ぐ大きさ、形状の鋼板を、前記アンカーボルト
との干渉を避ける配置に通したボルトにより固定して取
り付けること、前記周辺枠及び鋼板並びに柱梁架構の接
合面で囲まれた空間へモルタル等を充填し、前記枠付き
鉄骨ブレースを柱梁架構の接合面へ接合すること、をそ
れぞれ特徴とする。
【0012】請求項3に記載した発明に係る既存建物の
耐震補強工法は、既存建物の柱梁架構の内周面を接合面
とし、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースとから成
る枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う工法に
おいて、柱梁架構の前記接合面に突き出るアンカーボル
トを打設すること、枠付き鉄骨ブレースの周辺枠の片側
に、該周辺枠と柱梁架構の前記接合面との間の隙間の側
面を塞ぐ大きさ、形状の鋼板を、前記アンカーボルトと
の干渉を避ける配置に通したボルトにより仮付けし、こ
の枠付き鉄骨ブレースを前記鋼板を仮付けしていない側
から柱梁架構の前記アンカーボルトの頭部より内側部位
へ嵌め込み、接合位置へ位置決めした後、周辺枠の他側
にも前記ボルトを利用して鋼板を取り付け固定するこ
と、前記周辺枠及び鋼板並びに柱梁架構の接合面で囲ま
れた空間へモルタル等を充填し、前記枠付き鉄骨ブレー
スを柱梁架構の接合面へ接合すること、をそれぞれ特徴
とする。
耐震補強工法は、既存建物の柱梁架構の内周面を接合面
とし、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースとから成
る枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う工法に
おいて、柱梁架構の前記接合面に突き出るアンカーボル
トを打設すること、枠付き鉄骨ブレースの周辺枠の片側
に、該周辺枠と柱梁架構の前記接合面との間の隙間の側
面を塞ぐ大きさ、形状の鋼板を、前記アンカーボルトと
の干渉を避ける配置に通したボルトにより仮付けし、こ
の枠付き鉄骨ブレースを前記鋼板を仮付けしていない側
から柱梁架構の前記アンカーボルトの頭部より内側部位
へ嵌め込み、接合位置へ位置決めした後、周辺枠の他側
にも前記ボルトを利用して鋼板を取り付け固定するこ
と、前記周辺枠及び鋼板並びに柱梁架構の接合面で囲ま
れた空間へモルタル等を充填し、前記枠付き鉄骨ブレー
スを柱梁架構の接合面へ接合すること、をそれぞれ特徴
とする。
【0013】請求項4に記載した発明に係る既存建物の
耐震補強工法は、既存建物の柱梁架構の内周面又は外側
面を接合面とし、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレー
スとから成る枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を
行う工法において、柱梁架構の前記接合面へアンカーボ
ルトを打設し、該アンカーボルトを利用してT字形金物
をそのウェブが内向きとなる配置で仮付けし、同金物の
フランジと柱梁架構の前記接合面との間の隙間へモルタ
ル等を充填して前記T字形金物を固定すること、枠付き
鉄骨ブレースの周辺枠において前記接合面と対向する部
位に固定プレートを外向きに取り付け、枠付き鉄骨ブレ
ースをその周辺枠の前記固定プレートがT字形金物のウ
ェブと重なるように位置決めし、前記固定プレートとT
字形金物のウェブをボルト止めして、前記枠付き鉄骨ブ
レースを柱梁架構の接合面へ接合すること、をそれぞれ
特徴とする。
耐震補強工法は、既存建物の柱梁架構の内周面又は外側
面を接合面とし、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレー
スとから成る枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を
行う工法において、柱梁架構の前記接合面へアンカーボ
ルトを打設し、該アンカーボルトを利用してT字形金物
をそのウェブが内向きとなる配置で仮付けし、同金物の
フランジと柱梁架構の前記接合面との間の隙間へモルタ
ル等を充填して前記T字形金物を固定すること、枠付き
鉄骨ブレースの周辺枠において前記接合面と対向する部
位に固定プレートを外向きに取り付け、枠付き鉄骨ブレ
ースをその周辺枠の前記固定プレートがT字形金物のウ
ェブと重なるように位置決めし、前記固定プレートとT
字形金物のウェブをボルト止めして、前記枠付き鉄骨ブ
レースを柱梁架構の接合面へ接合すること、をそれぞれ
特徴とする。
【0014】
【発明の実施形態及び実施例】請求項1に記載した発明
に係る既存建物の耐震補強工法は、図2に実施形態を示
したように、既存建物の柱梁架構1、2の外側面を接合
面とし、この接合面に鉄骨周辺枠3と鉄骨ブレース4と
から成る枠付き鉄骨ブレース5を増設して耐震補強を行
う工法として好適に実施される。請求項2、3に記載し
た発明に係る既存建物の耐震補強工法は、図1に実施形
態を示したように、既存建物の柱梁架構1、2の内周面
を接合面とし、この接合面に鉄骨周辺枠3と鉄骨ブレー
ス4とから成る枠付き鉄骨ブレース5を増設して耐震補
強を行う工法として好適に実施される。請求項4に記載
した発明に係る既存建物の耐震補強工法は、図1に実施
形態を示した内付け工法、又は図2に実施形態を示した
外付け工法のいずれとしても好適に実施される。
に係る既存建物の耐震補強工法は、図2に実施形態を示
したように、既存建物の柱梁架構1、2の外側面を接合
面とし、この接合面に鉄骨周辺枠3と鉄骨ブレース4と
から成る枠付き鉄骨ブレース5を増設して耐震補強を行
う工法として好適に実施される。請求項2、3に記載し
た発明に係る既存建物の耐震補強工法は、図1に実施形
態を示したように、既存建物の柱梁架構1、2の内周面
を接合面とし、この接合面に鉄骨周辺枠3と鉄骨ブレー
ス4とから成る枠付き鉄骨ブレース5を増設して耐震補
強を行う工法として好適に実施される。請求項4に記載
した発明に係る既存建物の耐震補強工法は、図1に実施
形態を示した内付け工法、又は図2に実施形態を示した
外付け工法のいずれとしても好適に実施される。
【0015】先ず、請求項1に記載した発明に係る既存
建物の耐震補強工法は、図2に示したように、「居なが
ら補強」のために柱梁架構1、2の外側面を接合面と
し、この接合面へ枠付き鉄骨ブレース5を外付けする工
法である。
建物の耐震補強工法は、図2に示したように、「居なが
ら補強」のために柱梁架構1、2の外側面を接合面と
し、この接合面へ枠付き鉄骨ブレース5を外付けする工
法である。
【0016】この耐震補強工法は、図3及び図4に実施
形態を示したように、柱梁架構1、2の接合面に突き出
るアンカーボルト6…を打設し、一方、枠付き鉄骨ブレ
ース5のH形鋼の周辺枠3の各辺には、該周辺枠3と柱
梁架構1、2の前記接合面との間の隙間の側面を塞ぐ、
型枠兼用の鋼板7、7を、前記アンカーボルト6…との
干渉を避ける配置に周辺枠3のフランジに垂直に通した
2段のボルト8、8…の両端にナット9…をそれぞれね
じ込んで固定して取り付ける。その後、前記枠付き鉄骨
ブレース5を柱梁架構1、2の接合位置へ位置決め(外
付け)し固定する。
形態を示したように、柱梁架構1、2の接合面に突き出
るアンカーボルト6…を打設し、一方、枠付き鉄骨ブレ
ース5のH形鋼の周辺枠3の各辺には、該周辺枠3と柱
梁架構1、2の前記接合面との間の隙間の側面を塞ぐ、
型枠兼用の鋼板7、7を、前記アンカーボルト6…との
干渉を避ける配置に周辺枠3のフランジに垂直に通した
2段のボルト8、8…の両端にナット9…をそれぞれね
じ込んで固定して取り付ける。その後、前記枠付き鉄骨
ブレース5を柱梁架構1、2の接合位置へ位置決め(外
付け)し固定する。
【0017】その後、前記周辺枠3及び鋼板7、7並び
に柱梁架構1、2の接合面で囲まれた空間へモルタル1
1を充填し、前記枠付き鉄骨ブレース5を柱梁架構1、
2の前記接合面へ接合する。
に柱梁架構1、2の接合面で囲まれた空間へモルタル1
1を充填し、前記枠付き鉄骨ブレース5を柱梁架構1、
2の前記接合面へ接合する。
【0018】したがって、この請求項1に記載した発明
に係る既存建物の耐震補強工法は、スパイラル筋を使用
しないので、スパイラル筋がアンカーボルト等と干渉す
る問題を回避でき、枠付き鉄骨ブレース5の柱梁架構
1、2への位置決めがスムーズに行える。
に係る既存建物の耐震補強工法は、スパイラル筋を使用
しないので、スパイラル筋がアンカーボルト等と干渉す
る問題を回避でき、枠付き鉄骨ブレース5の柱梁架構
1、2への位置決めがスムーズに行える。
【0019】また、鋼板7、7は、ボルト8…と一緒に
モルタル11の硬化後の剥落防止機能を発揮するだけで
なく、モルタル11の捨て型枠の役割も果たすので、従
来工法では必須の型枠の組立・撤去作業が不要であり、
施工性に優れ、現場での大幅な工期短縮に貢献すると共
に、コスト削減が図れ、経済的に実施することができ
る。
モルタル11の硬化後の剥落防止機能を発揮するだけで
なく、モルタル11の捨て型枠の役割も果たすので、従
来工法では必須の型枠の組立・撤去作業が不要であり、
施工性に優れ、現場での大幅な工期短縮に貢献すると共
に、コスト削減が図れ、経済的に実施することができ
る。
【0020】さらに、枠付き鉄骨ブレース5を従来工法
よりも柱梁架構1、2の接合面へ(図示例では3/4程
度まで)近付けることができるので、偏心量が小さくな
る分、ねじれ等の2次応力の発生が少なくなり、構造的
に有利になる。
よりも柱梁架構1、2の接合面へ(図示例では3/4程
度まで)近付けることができるので、偏心量が小さくな
る分、ねじれ等の2次応力の発生が少なくなり、構造的
に有利になる。
【0021】次に、請求項2に記載した発明に係る既存
建物の耐震補強工法は、図1に示したように、柱梁架構
1、2の内周面を接合面とし、この接合面へ枠付き鉄骨
ブレース5を内付けする工法である。
建物の耐震補強工法は、図1に示したように、柱梁架構
1、2の内周面を接合面とし、この接合面へ枠付き鉄骨
ブレース5を内付けする工法である。
【0022】この耐震補強工法は、図5に実施形態を示
したように、柱梁架構1、2の接合面に突き出るアンカ
ーボルト6…を打設し、一方、枠付き鉄骨ブレース5を
柱梁架構1、2の前記アンカーボルト6…の頭部より内
側部位へ嵌め込み、接合位置へ位置決め(内付け)す
る。その後、前記枠付き鉄骨ブレース5の周辺枠3の各
辺には、該周辺枠3と柱梁架構1、2の前記接合面との
間の隙間の側面を塞ぐ、型枠兼用の鋼板7、7を、前記
アンカーボルト6…との干渉を避ける配置に周辺枠3の
フランジに垂直に通した2段のボルト8、8…の両端に
ナット9…をそれぞれねじ込んで固定して取り付ける。
したように、柱梁架構1、2の接合面に突き出るアンカ
ーボルト6…を打設し、一方、枠付き鉄骨ブレース5を
柱梁架構1、2の前記アンカーボルト6…の頭部より内
側部位へ嵌め込み、接合位置へ位置決め(内付け)す
る。その後、前記枠付き鉄骨ブレース5の周辺枠3の各
辺には、該周辺枠3と柱梁架構1、2の前記接合面との
間の隙間の側面を塞ぐ、型枠兼用の鋼板7、7を、前記
アンカーボルト6…との干渉を避ける配置に周辺枠3の
フランジに垂直に通した2段のボルト8、8…の両端に
ナット9…をそれぞれねじ込んで固定して取り付ける。
【0023】その後、前記周辺枠3及び鋼板7、7並び
に柱梁架構1、2の接合面で囲まれた空間へモルタル1
1を充填し、前記枠付き鉄骨ブレース5を柱梁架構1、
2の前記接合面へ接合する。図5の横断面構造はやはり
図4のようになる。
に柱梁架構1、2の接合面で囲まれた空間へモルタル1
1を充填し、前記枠付き鉄骨ブレース5を柱梁架構1、
2の前記接合面へ接合する。図5の横断面構造はやはり
図4のようになる。
【0024】したがって、この請求項2に記載した発明
に係る既存建物の耐震補強工法は、上記請求項1に記載
した発明に係る既存建物の耐震補強工法と略同様の作用
効果を奏する。
に係る既存建物の耐震補強工法は、上記請求項1に記載
した発明に係る既存建物の耐震補強工法と略同様の作用
効果を奏する。
【0025】請求項3に記載した発明に係る既存建物の
耐震補強工法は、前記請求項2に記載した発明に係る既
存建物の耐震補強工法と同様、図1に示したように、柱
梁架構1、2の内周面を接合面とし、この接合面へ枠付
き鉄骨ブレース5を内付けする工法である。
耐震補強工法は、前記請求項2に記載した発明に係る既
存建物の耐震補強工法と同様、図1に示したように、柱
梁架構1、2の内周面を接合面とし、この接合面へ枠付
き鉄骨ブレース5を内付けする工法である。
【0026】この耐震補強工法は、図6に実施形態を示
したように、柱梁架構1、2の接合面に突き出るアンカ
ーボルト6…を打設し、一方、枠付き鉄骨ブレース5の
周辺枠3の各辺には、その片側に、該周辺枠3と柱梁架
構1、2の前記接合面との間の隙間の側面を塞ぐ、型枠
兼用の鋼板7を、前記アンカーボルト6…との干渉を避
ける配置に周辺枠3のフランジに垂直に通した2段のボ
ルト8、8…の端部にナット9…をそれぞれねじ込んで
仮付けし、この枠付き鉄骨ブレース5を前記鋼板7を仮
付けしていない側から柱梁架構1、2の前記アンカーボ
ルト6…の頭部より内側部位へ嵌め込み、接合位置へ位
置決め(内付け)する。その後、周辺枠3の他側にも前
記ボルト8…の端部にナット9…をそれぞれねじ込んで
鋼板7を取り付け固定する。
したように、柱梁架構1、2の接合面に突き出るアンカ
ーボルト6…を打設し、一方、枠付き鉄骨ブレース5の
周辺枠3の各辺には、その片側に、該周辺枠3と柱梁架
構1、2の前記接合面との間の隙間の側面を塞ぐ、型枠
兼用の鋼板7を、前記アンカーボルト6…との干渉を避
ける配置に周辺枠3のフランジに垂直に通した2段のボ
ルト8、8…の端部にナット9…をそれぞれねじ込んで
仮付けし、この枠付き鉄骨ブレース5を前記鋼板7を仮
付けしていない側から柱梁架構1、2の前記アンカーボ
ルト6…の頭部より内側部位へ嵌め込み、接合位置へ位
置決め(内付け)する。その後、周辺枠3の他側にも前
記ボルト8…の端部にナット9…をそれぞれねじ込んで
鋼板7を取り付け固定する。
【0027】その後、やはり図4、図5のように、前記
周辺枠3及び鋼板7、7並びに柱梁架構1、2の接合面
で囲まれた空間へモルタル11を充填し、前記枠付き鉄
骨ブレース5を柱梁架構1、2の前記接合面へ接合す
る。
周辺枠3及び鋼板7、7並びに柱梁架構1、2の接合面
で囲まれた空間へモルタル11を充填し、前記枠付き鉄
骨ブレース5を柱梁架構1、2の前記接合面へ接合す
る。
【0028】したがって、この請求項3に記載した発明
に係る既存建物の耐震補強工法は、上記請求項1、2に
記載した発明に係る既存建物の耐震補強工法と略同様の
作用効果を奏する。但し、鋼板7、7の取付けについて
請求項2に記載した発明に係る耐震補強工法よりも幾分
施工性の向上が図れる。
に係る既存建物の耐震補強工法は、上記請求項1、2に
記載した発明に係る既存建物の耐震補強工法と略同様の
作用効果を奏する。但し、鋼板7、7の取付けについて
請求項2に記載した発明に係る耐震補強工法よりも幾分
施工性の向上が図れる。
【0029】なお、上記請求項1〜3に記載した発明に
係る既存建物の耐震補強工法の各実施形態では、2段の
ボルト8、8…により鋼板7、7を周辺枠3へ取り付け
たが、前記鋼板7、7として、モルタル11の充填時の
支圧に耐え得る十分な厚さのものを使用すれば、当該鋼
板7、7を1段のボルト8…のみで取り付けた、よりシ
ンプルな構成で実施することもできる。
係る既存建物の耐震補強工法の各実施形態では、2段の
ボルト8、8…により鋼板7、7を周辺枠3へ取り付け
たが、前記鋼板7、7として、モルタル11の充填時の
支圧に耐え得る十分な厚さのものを使用すれば、当該鋼
板7、7を1段のボルト8…のみで取り付けた、よりシ
ンプルな構成で実施することもできる。
【0030】請求項4に記載した発明に係る既存建物の
耐震補強工法は、図1に示したように、柱梁架構1、2
の内周面を接合面とし、この接合面に枠付き鉄骨ブレー
ス5を内付けする工法、又は図2に示したように、「居
ながら補強」のために柱梁架構1、2の外側面を接合面
とし、この接合面へ枠付き鉄骨ブレース5を外付けする
工法のいずれにも適用できる。
耐震補強工法は、図1に示したように、柱梁架構1、2
の内周面を接合面とし、この接合面に枠付き鉄骨ブレー
ス5を内付けする工法、又は図2に示したように、「居
ながら補強」のために柱梁架構1、2の外側面を接合面
とし、この接合面へ枠付き鉄骨ブレース5を外付けする
工法のいずれにも適用できる。
【0031】この耐震補強工法は、図7又は図8に実施
形態を示したように、柱梁架構1、2の接合面へアンカ
ーボルト6…を打設し、該アンカーボルト6…の頭部へ
ナット18をそれぞれねじ込んでT字形金物12をその
ウェブ12bが内向きとなる配置で仮付けし、同金物1
2のフランジ12aと柱梁架構1、2の前記接合面との
間の隙間へモルタル13を充填して前記T字形金物12
を固定する。
形態を示したように、柱梁架構1、2の接合面へアンカ
ーボルト6…を打設し、該アンカーボルト6…の頭部へ
ナット18をそれぞれねじ込んでT字形金物12をその
ウェブ12bが内向きとなる配置で仮付けし、同金物1
2のフランジ12aと柱梁架構1、2の前記接合面との
間の隙間へモルタル13を充填して前記T字形金物12
を固定する。
【0032】枠付き鉄骨ブレース5の周辺枠3において
前記接合面と対向するフランジ面に固定プレート14を
外向きに溶接等で取り付け、枠付き鉄骨ブレース5をそ
の周辺枠3の前記固定プレート14がT字形金物12の
ウェブ12bと重なるように位置決め(内付け又は外付
け)し、前記固定プレート14とT字形金物12のウェ
ブ12bとをボルト(高力ボルト)15の両端にナット
10をねじ込んで固定し、前記枠付き鉄骨ブレース5を
柱梁架構1、2の前記接合面へ接合する。
前記接合面と対向するフランジ面に固定プレート14を
外向きに溶接等で取り付け、枠付き鉄骨ブレース5をそ
の周辺枠3の前記固定プレート14がT字形金物12の
ウェブ12bと重なるように位置決め(内付け又は外付
け)し、前記固定プレート14とT字形金物12のウェ
ブ12bとをボルト(高力ボルト)15の両端にナット
10をねじ込んで固定し、前記枠付き鉄骨ブレース5を
柱梁架構1、2の前記接合面へ接合する。
【0033】なお、前記固定プレート14の周辺枠3の
フランジ面への取付け作業を工場等で予め行えば、より
施工性の向上が図れる。
フランジ面への取付け作業を工場等で予め行えば、より
施工性の向上が図れる。
【0034】したがって、この請求項4に記載した発明
に係る既存建物の耐震補強工法も、上記請求項1〜3に
記載した発明に係る耐震補強工法と同様、スパイラル筋
を使用しないので、スパイラル筋がアンカーボルト等と
干渉する問題を回避でき、枠付き鉄骨ブレース5の柱梁
架構1、2への位置決めがスムーズに行える。
に係る既存建物の耐震補強工法も、上記請求項1〜3に
記載した発明に係る耐震補強工法と同様、スパイラル筋
を使用しないので、スパイラル筋がアンカーボルト等と
干渉する問題を回避でき、枠付き鉄骨ブレース5の柱梁
架構1、2への位置決めがスムーズに行える。
【0035】また、T字形金物12のウェブ12bと固
定プレート14とをボルト(高力ボルト)15で固定し
接合する形式なので、従来工法では必須の型枠の組立・
撤去作業が不要であり、施工性に優れ、現場での大幅な
工期短縮に貢献すると共に、コスト削減が図れ、経済的
に実施できる。
定プレート14とをボルト(高力ボルト)15で固定し
接合する形式なので、従来工法では必須の型枠の組立・
撤去作業が不要であり、施工性に優れ、現場での大幅な
工期短縮に貢献すると共に、コスト削減が図れ、経済的
に実施できる。
【0036】なお、この請求項4に記載した発明に係る
既存建物の耐震補強工法では、特に枠付き鉄骨ブレース
5を外付けする場合に、接合部により大きな強度及び剛
性が要求されるが、ボルト(高力ボルト)15による接
合が可能な範囲内で、枠付き鉄骨ブレース5の周辺枠3
の中心を柱梁架構1、2へできるだけ近付けて施工する
と共に、T字形金物12のウェブ12bと固定プレート
14にその分厚いものを使用して対応すればよい。
既存建物の耐震補強工法では、特に枠付き鉄骨ブレース
5を外付けする場合に、接合部により大きな強度及び剛
性が要求されるが、ボルト(高力ボルト)15による接
合が可能な範囲内で、枠付き鉄骨ブレース5の周辺枠3
の中心を柱梁架構1、2へできるだけ近付けて施工する
と共に、T字形金物12のウェブ12bと固定プレート
14にその分厚いものを使用して対応すればよい。
【0037】図1、図2の実施形態における枠付き鉄骨
ブレース5は、一例として周辺枠3内へ2本のブレース
4をトラス状に配置して組み立てた構成としたが、勿論
これに限定されない。
ブレース5は、一例として周辺枠3内へ2本のブレース
4をトラス状に配置して組み立てた構成としたが、勿論
これに限定されない。
【0038】
【本発明が奏する効果】請求項1〜3に記載した発明に
係る既存建物の耐震補強工法は以下の効果を奏する。 1) スパイラル筋を使用しないので、スパイラル筋が
アンカーボルト等と干渉する問題を回避でき、枠付き鉄
骨ブレースの柱梁架構への位置決めがスムーズに行え
る。 2) 鋼板は、ボルトと一緒にモルタルの硬化後の剥落
防止機能を発揮するだけでなく、モルタルの捨て型枠の
役割も果たすので、従来工法では必須の型枠の組立・撤
去作業が不要であり、施工性に優れ、現場での大幅な工
期短縮に貢献すると共に、コスト削減が図れ、経済的に
実施することができる。 3) 枠付き鉄骨ブレースを従来工法よりも既存柱梁架
構の接合面へ近付けることができるので、偏心量が小さ
くなる分、ねじれ等の2次応力の発生が少なくなり、構
造的に有利になる。
係る既存建物の耐震補強工法は以下の効果を奏する。 1) スパイラル筋を使用しないので、スパイラル筋が
アンカーボルト等と干渉する問題を回避でき、枠付き鉄
骨ブレースの柱梁架構への位置決めがスムーズに行え
る。 2) 鋼板は、ボルトと一緒にモルタルの硬化後の剥落
防止機能を発揮するだけでなく、モルタルの捨て型枠の
役割も果たすので、従来工法では必須の型枠の組立・撤
去作業が不要であり、施工性に優れ、現場での大幅な工
期短縮に貢献すると共に、コスト削減が図れ、経済的に
実施することができる。 3) 枠付き鉄骨ブレースを従来工法よりも既存柱梁架
構の接合面へ近付けることができるので、偏心量が小さ
くなる分、ねじれ等の2次応力の発生が少なくなり、構
造的に有利になる。
【0039】請求項4に記載した発明に係る既存建物の
耐震補強工法は、以下の効果を奏する。 1) 請求項1〜3に記載した発明に係る既存建物の耐
震補強工法と同様、スパイラル筋を使用しないので、ス
パイラル筋がアンカーボルト等と干渉する問題を回避で
き、枠付き鉄骨ブレースの柱梁架構への位置決めがスム
ーズに行える。 2) T字形金物のウェブと固定プレートとをボルト
(高力ボルト)で固定し接合する形式なので、従来工法
では必須の型枠の組立・撤去作業が不要であり、施工性
に優れ、現場での大幅な工期短縮に貢献すると共に、コ
スト削減が図れ、経済的に実施できる。
耐震補強工法は、以下の効果を奏する。 1) 請求項1〜3に記載した発明に係る既存建物の耐
震補強工法と同様、スパイラル筋を使用しないので、ス
パイラル筋がアンカーボルト等と干渉する問題を回避で
き、枠付き鉄骨ブレースの柱梁架構への位置決めがスム
ーズに行える。 2) T字形金物のウェブと固定プレートとをボルト
(高力ボルト)で固定し接合する形式なので、従来工法
では必須の型枠の組立・撤去作業が不要であり、施工性
に優れ、現場での大幅な工期短縮に貢献すると共に、コ
スト削減が図れ、経済的に実施できる。
【図1】枠付き鉄骨ブレースを既存建物の柱梁架構の内
周面に設置した場合の一例を示す正面図である。
周面に設置した場合の一例を示す正面図である。
【図2】枠付き鉄骨ブレースを既存建物の柱梁架構の外
側面に設置した場合の一例を示す正面図である。
側面に設置した場合の一例を示す正面図である。
【図3】請求項1に記載した発明に係る既存建物の耐震
補強工法の実施形態を示す、図2のc−c線矢視又はd
−d線矢視における断面図である。
補強工法の実施形態を示す、図2のc−c線矢視又はd
−d線矢視における断面図である。
【図4】図3のe−e線矢視における断面図である。
【図5】請求項2に記載した発明に係る既存建物の耐震
補強工法の実施形態を示す、図1のa−a線矢視又はb
−b線矢視における断面図である。
補強工法の実施形態を示す、図1のa−a線矢視又はb
−b線矢視における断面図である。
【図6】請求項3に記載した発明に係る既存建物の耐震
補強工法の実施形態を示す、枠付き鉄骨ブレースの周辺
枠を柱梁架構の接合位置へ位置決めした段階の断面図で
ある。
補強工法の実施形態を示す、枠付き鉄骨ブレースの周辺
枠を柱梁架構の接合位置へ位置決めした段階の断面図で
ある。
【図7】請求項4に記載した発明に係る既存建物の耐震
補強工法の内付けによる実施形態を示す、図1のa−a
線矢視又はb−b線矢視における断面図である。
補強工法の内付けによる実施形態を示す、図1のa−a
線矢視又はb−b線矢視における断面図である。
【図8】請求項4に記載した発明に係る既存建物の耐震
補強工法の外付けによる実施形態を示す、図2のc−c
線矢視又はd−d線矢視における断面図である。
補強工法の外付けによる実施形態を示す、図2のc−c
線矢視又はd−d線矢視における断面図である。
【図9】従来の既存建物の耐震補強工法の実施形態を示
す、図1のa−a線矢視又はb−b線矢視における断面
図である。
す、図1のa−a線矢視又はb−b線矢視における断面
図である。
1、2 柱梁架構 3 周辺枠 4 ブレース 5 枠付き鉄骨ブレース 6 アンカーボルト 7 鋼板 8 ボルト 11 モルタル 12 T字形金物 12a (T字形金物の)フランジ 13 モルタル 14 固定プレート 12b (T字形金物の)ウェブ 15 ボルト(高力ボルト)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 斉 広島県広島市中区橋本町10番10号 株式会 社竹中工務店広島支店内 Fターム(参考) 2E176 AA01 BB28
Claims (4)
- 【請求項1】既存建物の柱梁架構の外側面を接合面と
し、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースとから成る
枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う工法にお
いて、 柱梁架構の前記接合面に突き出るアンカーボルトを打設
すること、 枠付き鉄骨ブレースの周辺枠に、該周辺枠と柱梁架構の
前記接合面との間の隙間の側面を塞ぐ大きさ、形状の鋼
板を、前記アンカーボルトとの干渉を避ける配置に通し
たボルトにより固定して取り付けた後に、前記枠付き鉄
骨ブレースを柱梁架構の接合位置へ位置決めすること、 前記周辺枠及び鋼板並びに柱梁架構の接合面で囲まれた
空間へモルタル等を充填し、前記枠付き鉄骨ブレースを
柱梁架構の接合面へ接合すること、をそれぞれ特徴とす
る、既存建物の耐震補強工法。 - 【請求項2】既存建物の柱梁架構の内周面を接合面と
し、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースとから成る
枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う工法にお
いて、 柱梁架構の前記接合面に突き出るアンカーボルトを打設
すること、 枠付き鉄骨ブレースを柱梁架構の前記アンカーボルトの
頭部より内側部位へ嵌め込み、接合位置へ位置決めした
後、前記枠付き鉄骨ブレースの周辺枠に、該周辺枠と柱
梁架構の前記接合面との間の隙間の側面を塞ぐ大きさ、
形状の鋼板を、前記アンカーボルトとの干渉を避ける配
置に通したボルトにより固定して取り付けること、 前記周辺枠及び鋼板並びに柱梁架構の接合面で囲まれた
空間へモルタル等を充填し、前記枠付き鉄骨ブレースを
柱梁架構の接合面へ接合すること、をそれぞれ特徴とす
る、既存建物の耐震補強工法。 - 【請求項3】既存建物の柱梁架構の内周面を接合面と
し、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースとから成る
枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う工法にお
いて、 柱梁架構の前記接合面に突き出るアンカーボルトを打設
すること、 枠付き鉄骨ブレースの周辺枠の片側に、該周辺枠と柱梁
架構の前記接合面との間の隙間の側面を塞ぐ大きさ、形
状の鋼板を、前記アンカーボルトとの干渉を避ける配置
に通したボルトにより仮付けし、この枠付き鉄骨ブレー
スを前記鋼板を仮付けしていない側から柱梁架構の前記
アンカーボルトの頭部より内側部位へ嵌め込み、接合位
置へ位置決めした後、周辺枠の他側にも前記ボルトを利
用して鋼板を取り付け固定すること、 前記周辺枠及び鋼板並びに柱梁架構の接合面で囲まれた
空間へモルタル等を充填し、前記枠付き鉄骨ブレースを
柱梁架構の接合面へ接合すること、をそれぞれ特徴とす
る、既存建物の耐震補強工法。 - 【請求項4】既存建物の柱梁架構の内周面又は外側面を
接合面とし、この接合面に鉄骨周辺枠と鉄骨ブレースと
から成る枠付き鉄骨ブレースを増設して耐震補強を行う
工法において、 柱梁架構の前記接合面へアンカーボルトを打設し、該ア
ンカーボルトを利用してT字形金物をそのウェブが内向
きとなる配置で仮付けし、同金物のフランジと柱梁架構
の前記接合面との間の隙間へモルタル等を充填して前記
T字形金物を固定すること、 枠付き鉄骨ブレースの周辺枠において前記接合面と対向
する部位に固定プレートを外向きに取り付け、枠付き鉄
骨ブレースをその周辺枠の前記固定プレートがT字形金
物のウェブと重なるように位置決めし、前記固定プレー
トとT字形金物のウェブをボルト止めして、前記枠付き
鉄骨ブレースを柱梁架構の接合面へ接合すること、をそ
れぞれ特徴とする、既存建物の耐震補強工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000232498A JP2002047808A (ja) | 2000-07-31 | 2000-07-31 | 既存建物の耐震補強工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000232498A JP2002047808A (ja) | 2000-07-31 | 2000-07-31 | 既存建物の耐震補強工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002047808A true JP2002047808A (ja) | 2002-02-15 |
Family
ID=18725175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000232498A Pending JP2002047808A (ja) | 2000-07-31 | 2000-07-31 | 既存建物の耐震補強工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002047808A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009203764A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-10 | Ando Corp | ピン装置を用いた既存建物の補強方法及び補強構造 |
JP2017061811A (ja) * | 2015-09-25 | 2017-03-30 | 清水建設株式会社 | 建物の耐震補強工法 |
CN113529563A (zh) * | 2021-07-23 | 2021-10-22 | 中铁上海工程局集团有限公司 | 装配式桥梁用具有自锁结构的钢结构组件 |
KR102432031B1 (ko) * | 2021-08-25 | 2022-08-16 | 주식회사 제이원산업 | 내진보강 구조물 및 이를 이용한 내진보강공법 |
Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JP2000073585A (ja) * | 1998-06-19 | 2000-03-07 | Nippon Fuasutemu Kk | 耐震補強工事におけるモルタル注入用型枠とその取付工法 |
JP2001317227A (ja) * | 2000-05-11 | 2001-11-16 | Toda Constr Co Ltd | 制震壁の施工方法及び制震壁取付け構造 |
-
2000
- 2000-07-31 JP JP2000232498A patent/JP2002047808A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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KR102432031B1 (ko) * | 2021-08-25 | 2022-08-16 | 주식회사 제이원산업 | 내진보강 구조물 및 이를 이용한 내진보강공법 |
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