JP2002046101A - 丸鋸の平行度微調整装置 - Google Patents

丸鋸の平行度微調整装置

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JP2002046101A
JP2002046101A JP2000236085A JP2000236085A JP2002046101A JP 2002046101 A JP2002046101 A JP 2002046101A JP 2000236085 A JP2000236085 A JP 2000236085A JP 2000236085 A JP2000236085 A JP 2000236085A JP 2002046101 A JP2002046101 A JP 2002046101A
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JP2000236085A
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Akio Takamura
暁夫 高村
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Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 丸鋸の鋸刃と定盤との平行度の微調整を簡易
に行う。 【解決手段】 丸鋸の鋸刃の側面に平行に設けられるべ
き定盤(11)の側面(11b,11c)に、この側面
(11b,11c,36a)の長手方向の少なくとも二
箇所でワークに当接する案内手段(20a,20b)が
設けられ、鋸刃による鋸挽き方向と案内手段(20a,
20b)による案内方向とを平行にする微調整手段(2
4)が案内手段(20a,20b)と定盤(11)との
間に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、丸鋸の平行度微調
整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平6−312402号、特開平9−
174502号、特開平11−268001号、特開2
000−6102号の各公報は携帯用の丸鋸について開
示する。これらの携帯用の丸鋸は、図21に示すよう
に、モータ等を収納するハウジングからなる丸鋸本体1
と、丸鋸本体1の側面に配置される上記モータにより回
転する鋸刃2と、丸鋸本体1の底部に配置されるワーク
に当てるための定盤3とを具備する。丸鋸本体1は鋸刃
2を覆うソーカバー4や丸鋸を操作するハンドル5等を
有している。
【0003】図21又は図22に示すように、これらの
携帯用の丸鋸でワーク8を正確に切断しようとする場
合、定規6,7が用いられる。その丸鋸の定盤3の側面
の案内面9を直線定規6や角度定規7に当てて定盤3を
これらの定規6,7に沿って滑らせることで、ワーク8
を正確に切断することができる。
【0004】しかし、正確に切削をすることができる前
提として、定盤3の案内面3aが鋸刃2の側面と平行に
なっていなければならない。定盤3と鋸刃2の平行度が
狂っていれば、鋸刃2による鋸挽き方向Aと案内面3a
による案内方向Bとが平行でなくなり、図21に示すよ
うに、鋸挽き方向AがA1になったりA2になったりし、
ワーク8の加工面が捩れたり鋸挽きそのものの続行が困
難になったりする。工場で組立直後には精度が確保され
ているが、運搬時の振動や使用時に作用する力等により
この平行度に狂いが生じることがある。
【0005】そこでユーザが定盤3と鋸刃2の平行度を
容易に調整することができるようにするため、例えば特
開平9−174502号、特開平11−268001号
が開示するような平行度微調整装置が設けられている。
特開平9−174502号の平行度微調整装置は、定盤
に対する丸鋸本体の連結軸を鋸刃の軸方向に移動可能と
し、この連結軸を挟んで対向する二本の調整ネジを螺進
退させることで平行度を微調整するようになっている。
特開平11−268001号の平行度微調整装置は、上
記連結軸を偏心軸で構成し、この偏心軸を回すことで平
行度を微調整するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、丸鋸本体と
定盤は鋸刃の前後二箇所で連結されているので、特開平
9−174502号、特開平11−268001号の平
行度微調整装置のように一箇所のみの位置調整を行うと
連結部やソーカバー等に無理な力が作用して歪、磨耗等
を生じたり、平行度が再び狂ったり、支点部分の穴が変
形しガタツキが発生したりするおそれがある。
【0007】また、丸鋸の定盤には、特開平6−312
402号、特開2000−6102号が開示するように
定規が連結される場合があるが、このような定規の案内
面も鋸刃との間で平行度を保つ必要があり、定規のため
の平行度微調整手段の要請がある。
【0008】本発明はこのような諸問題点を解決するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、図3、図6、図11又は図
14に示すように、丸鋸の鋸刃(10)の側面に平行に
設けられるべき定盤(11)の側面(11b,11c)
又は定盤(11)に取り付けられる定規(36)の側面
(36a)に、この側面(11b,11c,36a)の
長手方向の少なくとも二箇所でワーク(8)に当接する
案内手段(20a,20b,31,32,47)が設け
られ、上記鋸刃(10)による鋸挽き方向(B)と上記
案内手段(20a,20b,31,32,47)による
案内方向(A)とを平行にする微調整手段(24,3
3,51)が上記案内手段(20a,20b,31,3
2,47)と上記定盤(11)又は上記定規(36,4
7)との間に設けられている丸鋸の平行度微調整装置を
採用する。
【0010】また、請求項2に係る発明は、図6及び図
7に示すように、上記案内手段が上記定盤(11)又は
上記定規(36)の側面(11b,11c,36a)か
ら突出した二つの突起(31,32)であり、一方の突
起(32)が上記微調整手段を(33)介し上記定盤
(11)又は上記定規(36)に支持された請求項1に
記載の丸鋸の平行度微調整装置を採用する。
【0011】また、請求項3に係る発明は、図3、図1
1又は図14に示すように、上記案内手段が上記定盤
(11)又は上記定規(36)の側面(11b,11
c,36a)に沿って伸びる当て板(20a,20b,
47)であり、この当て板(20a,20b,47)と
上記定盤(11)又は上記定規(36)との間に上記微
調整手段(24,51,41)が設けられている請求項
1に記載の丸鋸の平行度微調整装置を採用する。
【0012】また、請求項4に係る発明は、図3に示す
ように、上記当て板(20a,20b)が上記定盤(1
1)又は上記定規(36)に二箇所において連結され、
この二箇所の中央を対称軸として対称形に形成されてい
る請求項3に記載の丸鋸の平行度微調整装置を採用す
る。
【0013】また、請求項5に係る発明は、図13に示
すように、上記定規(36)が上記定盤(11)にガイ
ドバー(35a,35b)を介して取り付けられるよう
になっており、上記定盤(11)側に取り付けられる当
て板(20a,20b)にこのガイドバー(35a,3
5b)と干渉しないように逃げ溝(55,56,57,
58)が形成されている請求項3又は請求項4に記載の
丸鋸の平行度微調整装置を採用する。
【0014】また、請求項6に係る発明は、図14及び
図15に示すように、上記定規(36)が上記定盤(1
1)にガイドバー(35a,35b)を介して取り付け
られるようになっており、上記ガイドバー(35a,3
5b)を上記定盤(11)に固定する固定手段(41,
42)が上記微調整手段を介することにより上記当て板
(20a,20b)を上記定盤(11)に取り付けてい
る請求項3又は請求項4に記載の丸鋸の平行度微調整装
置を採用する。
【0015】また、請求項7に係る発明は、図8、図9
又は図10に示すように、丸鋸の定盤(11)にガイド
バー(35a,35b)を介して定規(36)が取り付
けられ、この定規(36)の案内面(36a)による案
内方向(B)と丸鋸の鋸刃(10)による鋸挽き方向
(A)とを平行にする微調整手段(24,46)がこの
定規(36)と上記ガイドバー(35a,35b)との
間又は上記定盤(11)と上記ガイドバー(35a,3
5b)との間に設けられている丸鋸の平行度微調整装置
を採用する。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0017】<実施の形態1>図1及び図2に示すよう
に、この携帯用の丸鋸は、ハウジング9a,9bを主体
とする丸鋸本体9と、鋸刃10と、定盤11とを具備す
る。
【0018】ハウジング9aはモータ12を覆い、この
ハウジング9aと一体化される他のハウジング9bは鋸
刃10と、モータ12から鋸刃10への動力伝達装置と
を覆っている。モータ12はハウジング9a内に横置き
され、その出力軸12aの先には冷却ファン13が取り
付けられている。出力軸12aの冷却ファン13よりも
先には動力伝達装置が設けられている。この動力伝達装
置は、出力軸12aの先端に取り付けられた小歯車1
4、大歯車15等からなっている。大歯車15の軸には
鋸刃10の軸10aが連結されている。モータ12の出
力軸12aの回転は小歯車14及び大歯車15の噛み合
いにより減速された後、鋸刃10に伝達される。
【0019】鋸刃10は丸鋸本体9の片側に配置され、
その上部はハウジング9bと一体のソーカバー16によ
って覆われ、その下部はロアカバー17によって覆われ
ている。ロアカバー17は鋸刃10の軸10aに回転可
能に支持されている。
【0020】ハウジング9aの上部におけるこの丸鋸の
重心の真上あたりには、ハウジング9aと一体のハンド
ル18が設けられている。
【0021】定盤11は丸鋸本体9の下部に連結されて
いる。定盤11の略中央部には鋸刃10やロアカバー1
7が定盤11下に通る刃口19が形成されている。この
丸鋸はワーク8(図22参照)に対する切込みの深さや
切込みの斜度を設定することができるように図示しない
設定装置を備え、定盤11はこの設定装置を介して丸鋸
本体9に連結されている。この設定装置は公知であるか
ら、その詳細な説明は省略する。
【0022】定盤11の下面は水平な定盤面11aにな
っており、この定盤面11aをワーク8に接触させつつ
丸鋸を滑らせることでワーク8を切断することができ
る。また、図21又は図22で示したように、直線定規
6や角度定規7を使ってワーク8を切断する場合は鋸刃
10の側面に平行に設けられる定盤11の右側又は左側
の案内面3a,3bが定規6,7に添えられる。既述の
ようにこの案内面3a,3bは鋸刃10との間で平行度
が保たれるように設計されてはいるが、輸送時の振動や
使用時に作用する力等によりこの平行度に狂いが生じる
ことがある。そこでこの平行度の狂いを解消するため、
図3乃至図5に示すような平行度微調整装置が設けられ
ている。
【0023】すなわち、この平行度微調整装置は、定盤
11の上記右側又は左側の案内面自体を微調整して平行
度を是正しようという考えに基づくもので、丸鋸の鋸刃
10の側面に平行に設けられる定盤11の側面11b又
は11cに、側面11b又は11cの長手方向の少なく
とも二箇所でワーク8に当接する案内手段が設けられ、
鋸刃10による鋸挽き方向A(図21参照)と案内手段
による案内方向B(図21参照)とを平行にする微調整
手段が案内手段と定盤11との間に設けられた構成とさ
れる。
【0024】案内手段は、具体的には定盤11の側面1
1b,11cに沿って伸びる当て板20a,20bであ
る。当て板20a,20bは側面11b,11cを覆う
程度の大きさの金属製の板材で出来ており、側面11
b,11cとの間に若干の隙間が空くように配置され
る。当て板20a,20bの表面は平滑面であり、各種
定規6,7(図21又は図22参照)に沿って滑らかに
スライドするようになっている。また、図2に示すよう
に、定盤11の定盤面11aとワーク8との間の滑りを
阻害しないように、当て板20a,20bの下縁は定盤
面11aから微小距離aだけ若干上側になっている。
【0025】微調整手段は、各当て板20a,20bの
案内方向B(図21参照)上の二箇所から定盤11の上
面に向かって突出する二本のアーム21,22と、一方
のアーム22を定盤11上に連結する垂直な枢軸23
と、他方のアーム21を定盤11上に連結するラック2
4及びピニオン25とで構成される。図4に示すよう
に、枢軸23は具体的には止めねじで構成され、当て板
20a,20bはこの止めねじのネジ軸を支点にして回
動可能となり、この回動により鋸刃10に対する平行度
が加減される。図3及び図5に示すように、ラック24
は他方のアーム21に一体的に形成される。ピニオン2
5は定盤11上に螺合するピン軸26に回転可能に支持
され、同じくピン軸26に回転可能に支持されるダイア
ル27と一体化される。ダイアル27を持ってピニオン
25を微小量回転させることで当て板20a,20bを
上記枢軸23を支点にして微小量回動させ、これにより
当て板20a,20bと鋸刃10との平行度の狂いを修
正することができる。
【0026】このラック24及びピニオン25により動
かされるアーム21には望ましくは浮き上り防止手段が
施される。一方のアーム22は枢軸23を構成する止め
ねじの頭部で押さえられるので定盤11上への浮き上り
が防止されるが、他方のアーム21は例えばダイアル2
7のボスにより押さえられるだけであるので浮き上りを
防止する上で不充分な場合がある。そこで、浮き上り防
止手段として、アーム21に形成される長穴28と、こ
の長穴28を貫通する定盤11上に設けられたネジ軸2
9と、ネジ軸29に螺合するナット30とが設けられて
いる。ナット30を締めることでアーム21を定盤11
上に固定し当て板20a,20bの浮き上りを確実に防
止することができる。もちろんネジ軸29及びナット3
0に代えてボルトを用い、このボルトを長穴28から定
盤11へと通すようにしてもよい。
【0027】当て板20a,20bは、定盤11の片方
の側面11b又は11c上にのみ設けてもよいし、図3
に示すように左右両側面11b,11c上に設けてもよ
い。左右両側面11b,11c上に設ける場合は、望ま
しくは全当て板20a,20bは、定盤11に連結され
る二箇所のアーム21,22間の中央を対称軸として対
称形に形成される。すなわち、各当て板20a,20b
の本体、アーム21,22、ラック24、枢軸23の通
される丸穴、ネジ軸29が通される長穴28等は上記対
称軸に関し対称形に形成される。これにより、図3に示
すように、同じ形状の二個の当て板20a,20bを単
に向きを変えるだで使用することができる。
【0028】次に、上記構成の丸鋸の平行度微調整装置
の作用について説明する。
【0029】丸鋸の鋸刃10と定盤11の案内面との平
行度を調整するには、ダイアル27を持ってピニオン2
5を何れかの向きに回転させる。当て板20a,20b
は、その一方のアーム21のラック24がピニオン25
と噛み合っており、他方のアーム22が枢軸23で定盤
11に支持されているので、枢軸23を支点に定盤面1
1aと平行に延びる水平面上で微小角回動する。このよ
うなダイアル27の操作により、当て板20a,20b
の表面と鋸刃10との間の平行度が調整される。
【0030】また、平行度の調整の際は、浮き上り防止
手段のナット30が予め緩められており、ダイアル27
の回動操作に伴い、アーム21の長穴28とネジ軸29
とが相対的に移動する。平行度の調整が完了した後、ナ
ット30を締め付けアーム21を定盤11上に固定する
ことで、当て板20a,20bは定盤11上への浮き上
りを阻止される。
【0031】丸鋸の鋸刃10と定盤11の案内面との平
行度の微調整が終了した後、図21又は図22に示した
と同様な要領でこの丸鋸とワーク8上に取り付けられる
直線定規6、角度定規7等とを使用して切断作業を行う
と、当て板20a,20bによる案内方向Bと鋸刃10
による鋸挽き方向Aとが平行になり、丸鋸は円滑に進行
すると共に、ワーク8に対する加工も正確となる。
【0032】<実施の形態2>図6及び図7に示すよう
に、この実施の形態2における丸鋸の平行度微調整装置
は、丸鋸の鋸刃10(図2参照)の側面に平行に設けら
れる定盤11の側面にその長手方向の二箇所でワーク8
(図22参照)に当接する案内手段が設けられ、鋸刃1
0による鋸挽き方向A(図21参照)と案内手段による
案内方向B(図21参照)とを平行にする微調整手段が
案内手段と定盤11との間に設けられた構成となってい
る。
【0033】案内手段は、具体的には定盤11の側面1
1b又は11cから突出した二つの突起31,32であ
り、両突起31,32の先端はワーク8と滑らかに接触
するように曲面になっている。二つの突起31,32の
うち一方の突起31は側面11b又は11c上に固定さ
れているが、他方の突起32は微調整手段を介し定盤1
1に支持されている。微調整手段は具体的には調整ネジ
33であり、この調整ネジ33の先端に上記一方の突起
32が形成されている。調整ネジ33の雄ネジが定盤1
1に形成された雌ネジに螺合し、調整ネジ33の後端に
取り付けられたツマミ34を持って調整ネジ33を回す
ことで一方の突起32の側面11b又は11c上への突
出量が加減される。
【0034】このように高さ調節された突起32と固定
された突起31とが直線定規6、角度定規7等に当てら
れることで鋸刃10と定盤11の案内面との平行度が修
正され、当て板20a,20bによる案内方向Bと鋸刃
10による鋸挽き方向Aとが平行になる。
【0035】なお、この実施の形態では両突起31,3
2の先端は曲面に形成してあるが、平面等任意の形状を
採用可能である。
【0036】<実施の形態3>図8に示すように、この
実施の形態3における丸鋸は、その定盤11にガイドバ
ー35a,35bを介して定規36が取り付けられるよ
うになっている。
【0037】この定盤11に接続される定規36は定盤
11の側面11b又は11cが担う案内面に対峙する案
内面36aを有し、円滑且つ正確な加工を行うためには
この定規36側の案内面36aも鋸刃10との間で平行
度が保たれる必要がある。
【0038】定盤11の上面には側面11b,11cに
直角な方向に二本の溝37,38が形成され、各溝3
7,38内にガイドバー35が嵌め込まれる。また、各
溝37,38上には定盤11と一体のブラケット39,
40が掛け渡されており、各ブラケット39,40には
溝37,38側へ貫通する固定ネジ41,42が螺合す
る。固定ネジ41,42は例えば手で回すことができる
蝶ネジであり、固定ネジ41,42をブラケット39,
40に対し回すことによりネジの先端でガイドバー35
a,35bを溝底上に押し付けガイドバー35a,35
bを定盤11上に固定することができる。各ガイドバー
35a,35bの先端は下方に屈曲し、その屈曲端に定
規36が止めネジ43,43で固定されている。
【0039】定規36は丸鋸による加工内容に応じてガ
イドバー35a,35bごと定盤11に対し着脱される
ので、その案内面36aの平行度に正確を期し難い。そ
こで、定規36の案内面36aと鋸刃10との平行度を
調整するため、定盤11とガイドバー35aとの間に微
調整手段が設けられている。この微調整手段は、実施の
形態1における場合と同様にラック24とピニオン25
とで構成される。ラック24は一方のガイドバー35a
の側縁に形成され、ピニオン25は図5に示したと同様
にピン軸26により定盤11上に支持され、ダイアル2
7により操作されるようになっている。
【0040】この丸鋸の平行度微調整装置により平行度
を調整するには、一方のガイドバー35bを固定ネジ4
2により定盤11上に固定した上で、他方のガイドバー
35a側のダイアル27を回しラック24とピニオン2
5との噛み合いによりガイドバー35aを溝37内で多
少スライドさせ、平行度が修正されたところで固定ネジ
41を締めてガイドバー35aを定盤11上に固定す
る。これにより、定規36の案内面36aと鋸刃10と
の平行度が修正される。
【0041】このように平行度が調整された後、この丸
鋸の定規36の案内面36aをワーク8の端縁に沿って
滑らせるようにすると、ワーク8の端縁に沿って正確に
ワーク8を切断することができる。
【0042】<実施の形態4>図9に示すように、この
実施の形態4における丸鋸の定盤11(図8参照)に
は、実施の形態3の丸鋸と同様にガイドバー35a,3
5bを介し定規36が取り付けられている。しかし、実
施の形態3の場合と異なり、微調整手段がこの定規36
とガイドバー35a,35bとの間に設けられている。
この微調整手段は、図9に示すように定規36を一方の
ガイドバー35bに止めるための止めネジ44と、図1
0に示すように他方のガイドバー35aに形成された長
穴45と、長穴45に挿入して定規36を他方のガイド
バー35aに止めるための他の止めネジ46とで構成さ
れる。定規36はこの止めネジ46を緩めておくことで
一方の止めネジ44を支点にして長穴45の長さ分に対
応した角度だけ回動可能であり、この止めネジ46を緩
めて定規36を鋸刃10(図2参照)に対して平行に調
整した後再び締め付けると定規36の案内面36aと鋸
刃10との平行度を維持することができる。他の止めネ
ジ46は具体的には蝶ネジであり、従って平行度の調整
を工具を使用することなく手で行うことができる。
【0043】<実施の形態5>図11に示すように、こ
の実施の形態5における丸鋸は、実施の形態3の丸鋸と
同様に、その定盤11(図8参照)にガイドバー35
a,35bを介して定規36が取り付けられるようにな
っている。しかし、実施の形態3の場合と異なり、定盤
11の側面11bに対峙する定規36の側面36bに案
内手段を備え、案内手段と定規36との間に微調整手段
を備えている。
【0044】案内手段は実施の形態1におけるとほぼ同
様な構成の当て板47であり、この当て板47の表面が
平滑な案内面となっている。当て板47は定規36の側
面36bとの間に平行度調整用の小さな隙間が形成され
るよう定規に連結されている。
【0045】微調整手段は、図11及び図12に示すよ
うに、当て板47をその長手方向上の二箇所において定
規36に連結するよう定規36の上面に向かって突出す
る二本のアーム48,49と、一方のアーム49を定規
36上に連結する垂直な枢軸50と、他方のアーム48
を定規36上に連結する調整ネジ51及びブラケット5
2とで構成される。枢軸50は具体的には止めねじで構
成され、当て板47はこの止めねじのネジ軸を支点にし
て水平面内で回動可能となり、この回動により鋸刃10
に対する平行度が加減される。調整ネジ51のネジ軸は
ガイドバー35aと平行に伸びて定規36に螺合し、そ
の先端がブラケット52の穴に回転自在に嵌め込まれて
いる。ブラケット52はアーム48の先端から当て板4
7の案内面と平行に起立している。
【0046】ブラケット52が設けられたアーム48に
は必要に応じて長穴53が形成され、この長穴53に定
規36側から起立する位置決めピン54が挿入される。
当て板47は平行度の微調整時にこの位置決めピン54
に案内されて回動する。
【0047】調整ネジ51の操作により定規36と鋸刃
10との平行度が調整された後、定規36の当て板47
における案内面をワーク8の端縁に沿って滑らせるよう
にすると、ワーク8の端縁に沿って正確にワーク8を切
断することができる。
【0048】<実施の形態6>図13に示すように、こ
の実施の形態6における丸鋸はその定盤11の側面上に
当て板20aを備えている。また、この当て板20aを
備えた上でなお定規36(図8参照)も取り付けること
ができるようになっている。すなわち、定規36を定盤
11に取り付けるためのガイドバー35a,35b(図
8参照)と干渉しないように当て板20aに逃げ溝5
5,56,57,58が形成されている。これらの逃げ
溝55,56は、当て板20aを定盤11に連結するた
めの二本のアーム21,22間の中央を対称軸として対
称形に形成されている。これにより、当て板20aを定
盤11の反対側の側面11c(図8参照)に取り付けた
場合であっても、ガイドバー35a,35bを定盤11
に挿入し、定規36を取り付けることができる。
【0049】<実施の形態7>図14に示すように、こ
の実施の形態7における丸鋸の定盤11は実施の形態3
の定盤11(図8参照)と同じ構造のものであり、実施
の形態3の定盤11に取り付けられていた定規36のガ
イドバー35a,35bに代えて当て板20bを取り付
けている。
【0050】すなわち、ガイドバー35a,35bを定
盤11に固定する固定手段を利用することにより当て板
20bが定盤11に取り付けられている。定盤11の上
面にはガイドバー35a,35bが嵌め込まれる二本の
溝37,38が定盤11の側面11b,11cに直角な
方向に形成され、各溝37,38内にはガイドバー35
a,35bに代えて当て板20bのアーム21,22が
嵌め込まれる。また、図15に示すように、各溝37,
38上には定盤11と一体のブラケット39,40が掛
け渡されており、各ブラケット39,40には溝37,
38側へ貫通する固定ネジ41,42が螺合する。固定
ネジ41,42は例えば手で回すことができる蝶ネジで
あり、固定ネジ41,42をブラケット39,40に対
し回すことによりネジの先端でガイドバー35a,35
bを溝底上に押し付けガイドバー35a,35bを定盤
11上に固定することができる。このガイドバー固定用
ネジ41,42によりアーム35a,35bが溝底上に
固定される。
【0051】また、当て板20bの案内面を鋸刃10
(図2参照)と平行にするため、上記固定手段は微調整
手段を備えている。この微調整手段は固定手段の固定ネ
ジ41,42を含み、溝37,38とアーム21,22
との間の隙間等も含んでいる。
【0052】この丸鋸の平行度を調整するには、当て板
20bの二本のアーム21,22を各溝37,38内に
挿入し一方のアーム22を固定ネジ42により定盤11
上に固定した上で、上記隙間を利用して他方のアーム2
1を溝37内で少し動かし適正な平行度を得る。平行度
が修正されたところで他方の固定ネジ41を締めてアー
ム35aを定盤11上に固定する。これにより、当て板
20bの案内面と鋸刃10との平行度が適正化される。
【0053】このように平行度が調整された後、この丸
鋸の当て板20bの案内面をワーク8(図22参照)の
端縁やワーク8上に置いた各種の定規6,7(図21又
は図22参照)に沿って滑らせるようにすると、ワーク
8の端縁やワーク8上に置いた定規6,7に沿って正確
にワーク8を切断することができる。
【0054】なお、図14に示すように、この実施の形
態では定盤11の当て板20bの端部が定規6,7に引
っ掛かったり端部の返りにより平行度に狂いが生じない
ように、当て板20bの一端部に折曲部20cが形成さ
れている。
【0055】<実施の形態8>図16及び図17に示す
ように、この実施の形態8における丸鋸は、定盤11に
刃口板59を備えている。
【0056】刃口板59は、ワーク8(図22参照)の
切断部にバリ、ケバ立ち等が発生しないように、鋸刃1
0がワーク8の切断面から出る箇所に設けられることに
より、切断面を上から押さえつけるようになっている
が、従来の刃口板は金属製であることから鋸刃10に接
触させることができず、従って刃口板によるバリ等の防
止効果が薄れている。
【0057】そこで、この実施の形態では刃口板59を
木板等の可削材で構成し、鋸刃10がワーク8の切断面
から出る箇所を覆うと共に鋸刃10に接触しうるように
この刃口板59を定盤11に取り付けている。刃口板5
9は例えば止めネジ60によって定盤11下に着脱自在
に固定され、その下面は定盤11下の定盤面11aと同
一面とされる。
【0058】この刃口板59の丸鋸への取り付けは、図
16に示すように鋸刃10が定盤11下に浅く突出する
ように切込み量を少なくする調節を行ったうえで行う。
次に、鋸刃10を矢印C方向に回転させながら定盤11
下に下ろしつつ刃口板59に切込みを入れる。この後、
この丸鋸を使ってワーク8を切断すると、鋸刃10がワ
ーク8の切断面から出る箇所を刃口板59が押さえ付け
るので、ワーク8の切断部にバリ、ケバ立ち等が発生せ
ず、綺麗な切断面を得ることができる。
【0059】<実施の形態9>図18に示すように、こ
の実施の形態9における丸鋸の刃口板59は、定盤11
に対し工具を用いることなくワンタッチで着脱し得るよ
うになっている。すなわち、図19(A)(B)及び図
20に示すように、刃口板59の両側には突起61が形
成され、図18及び図20に示すように、定盤11の刃
口板59が装着される箇所には突起61が嵌り込む溝6
2が形成されている。突起61と溝62を利用して刃口
板59を定盤11上でスライドさせることにより刃口板
59を定盤11に着脱することができる。また、定盤1
1には溝62を横切るようにラッチ63が設けられ、こ
のラッチ63がスプリングにより刃口板59側へと常時
付勢されている。刃口板59にはラッチ63に合致する
切欠64が形成されている。
【0060】刃口板59を定盤11に装着するには、刃
口板59の突起61を定盤11の溝62内に挿入してス
ライドさせればよく、スライドの完了によりラッチ63
が切欠64内に自動的に入り込み刃口板59の抜け出し
を防止する。刃口板59を交換する場合は、ラッチ63
をスプリングの付勢力に抗して定盤11内へと引っ込め
た上で刃口板59を定盤11から引き抜けばよい。
【0061】なお、図18に示すように、この実施の形
態では定盤11の当て板20bの端部が定規6,7に引
っ掛かったり端部の返りにより平行度に狂いが生じない
ように、当て板20bの一端部に折曲部20cが形成さ
れている。
【0062】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、丸鋸の鋸
刃の側面に平行に設けられるべき定盤の側面又は定盤に
取り付けられる定規の側面に、この側面の長手方向の少
なくとも二箇所でワークに当接する案内手段が設けら
れ、鋸刃による鋸挽き方向と案内手段による案内方向と
を平行にする微調整手段が案内手段と定盤又は定規との
間に設けられている丸鋸の平行度微調整装置であること
から、丸鋸のハウジングと定盤との連結部やソーカバー
等に無理な力を作用させることなく簡易且つ正確に平行
度を調整することができ、また一旦調整した平行度に狂
いが生じ難くすることができる。
【0063】請求項2に係る発明によれば、案内手段が
定盤又は定規の側面から突出した二つの突起であり、一
方の突起が微調整手段を介し定盤又は定規に支持された
請求項1に記載の丸鋸の平行度微調整装置であることか
ら、案内手段の構成を簡素化することができ、取り扱い
やすくすることができる。
【0064】請求項3に係る発明によれば、案内手段が
定盤又は定規の側面に沿って伸びる当て板であり、この
当て板と定盤又は定規との間に微調整手段が設けられて
いる請求項1に記載の丸鋸の平行度微調整装置であるこ
とから、案内手段による案内をより円滑且つ正確に行う
ことができる。
【0065】請求項4に係る発明によれば、当て板が定
盤又は定規に二箇所において連結され、この二箇所の中
央を対称軸として対称形に形成されている請求項3に記
載の丸鋸の平行度微調整装置であることから、定盤の両
側に取り付ける当て板を同じ構造のものとすることがで
きる。
【0066】請求項5に係る発明によれば、定規が定盤
にガイドバーを介して取り付けられるようになってお
り、定盤側に取り付けられる当て板にこのガイドバーと
干渉しないように逃げ溝が形成されている請求項3又は
請求項4に記載の丸鋸の平行度微調整装置であることか
ら、定規と当て板の双方を定盤に取り付けることができ
る。
【0067】請求項6に係る発明によれば、定規が定盤
にガイドバーを介して取り付けられるようになってお
り、ガイドバーを定盤に固定する固定手段が微調整手段
を介することにより当て板を定盤に取り付けている請求
項3又は請求項4に記載の丸鋸の平行度微調整装置であ
ることから、ガイドバーの固定手段と当て板の固定手段
とを共用することができ、丸鋸の構造を簡素化すること
ができる。
【0068】請求項7に係る発明によれば、丸鋸の定盤
にガイドバーを介して定規が取り付けられ、この定規の
案内面による案内方向と丸鋸の鋸刃による鋸挽き方向と
を平行にする微調整手段がこの定規とガイドバーとの間
又は定盤とガイドバーとの間に設けられている丸鋸の平
行度微調整装置であることから、定規の案内面の平行度
を簡易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平行度微調整装置を備えた丸鋸の
立面図である。
【図2】図1中II−II線矢視断面図である。
【図3】定盤の部分を取り出して示す平面図である。
【図4】図3中IV−IV線矢視断面図である。
【図5】図3中V−V線矢視断面図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態に係る平行度微調整
装置を示す平面図である。
【図7】図6に示される定盤の背面図である。
【図8】本発明の第三の実施の形態に係る平行度微調整
装置を示す平面図である。
【図9】本発明の第四の実施の形態に係る平行度微調整
装置を示す平面図である。
【図10】(A)は図9中局所の拡大図であり、(B)
は(A)中ネジを切断して示す同様な拡大図である。
【図11】本発明の第五の実施の形態に係る平行度微調
整装置を示す平面図である。
【図12】図11中局所の拡大図である。
【図13】本発明の第六の実施の形態に係る平行度微調
整装置を備えた丸鋸の立面図である。
【図14】本発明の第七の実施の形態に係る平行度微調
整装置を示す平面図である。
【図15】図14中XV−XV線矢視断面図である。
【図16】本発明の第八の実施の形態に係る丸鋸を示す
立面図である。
【図17】刃口板を加工中の丸鋸を示す立面図である。
【図18】本発明の第九の実施の形態に係る丸鋸の定盤
を示す平面図である。
【図19】刃口板を示し、(A)はその正面図、(B)
は平面図である。
【図20】図18中XX−XX線矢視断面図である。
【図21】従来の丸鋸を直線定規で案内しつつ切断作業
を行っている状態を示す平面図である。
【図22】従来の丸鋸を角度定規で案内しつつ切断作業
を行っている状態を示す平面図である。
【符号の説明】
A…案内方向 B…鋸挽き方向 8…ワーク 10…鋸刃 11…定盤 11b,11c,36a…側面 20a,20b,47…当て板 24…ラック 31,32…突起 33,51…調整ネジ 35a,35b…ガイドバー 36…定規 41,42…固定ネジ 46…止めネジ 55,56,57,58…逃げ溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 丸鋸の鋸刃の側面に平行に設けられるべ
    き定盤の側面又は定盤に取り付けられる定規の側面に、
    この側面の長手方向の少なくとも二箇所でワークに当接
    する案内手段が設けられ、上記鋸刃による鋸挽き方向と
    上記案内手段による案内方向とを平行にする微調整手段
    が上記案内手段と上記定盤又は上記定規との間に設けら
    れていることを特徴とする丸鋸の平行度微調整装置。
  2. 【請求項2】 上記案内手段が上記定盤又は上記定規の
    側面から突出した二つの突起であり、一方の突起が上記
    微調整手段を介し上記定盤又は上記定規に支持されたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の丸鋸の平行度微調整装
    置。
  3. 【請求項3】 上記案内手段が上記定盤又は上記定規の
    側面に沿って伸びる当て板であり、この当て板と上記定
    盤又は上記定規との間に上記微調整手段が設けられてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の丸鋸の平行度微調
    整装置。
  4. 【請求項4】 上記当て板が上記定盤又は上記定規に二
    箇所において連結され、この二箇所の中央を対称軸とし
    て対称形に形成されていることを特徴とする請求項3に
    記載の丸鋸の平行度微調整装置。
  5. 【請求項5】 上記定規が上記定盤にガイドバーを介し
    て取り付けられるようになっており、上記定盤側に取り
    付けられる当て板にこのガイドバーと干渉しないように
    逃げ溝が形成されていることを特徴とする請求項3又は
    請求項4に記載の丸鋸の平行度微調整装置。
  6. 【請求項6】 上記定規が上記定盤にガイドバーを介し
    て取り付けられるようになっており、上記ガイドバーを
    上記定盤に固定する固定手段が上記微調整手段を介する
    ことにより上記当て板を上記定盤に取り付けていること
    を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の丸鋸の平行
    度微調整装置。
  7. 【請求項7】 丸鋸の定盤にガイドバーを介して定規が
    取り付けられ、この定規の案内面による案内方向と丸鋸
    の鋸刃による鋸挽き方向とを平行にする微調整手段がこ
    の定規と上記ガイドバーとの間又は上記定盤と上記ガイ
    ドバーとの間に設けられていることを特徴とする丸鋸の
    平行度微調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102039637A (zh) * 2009-10-15 2011-05-04 雷誉(上海)包装制品有限公司 一种圆盘锯导向装置

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