JP2002046019A - ガイド付き回転切削工具 - Google Patents
ガイド付き回転切削工具Info
- Publication number
- JP2002046019A JP2002046019A JP2000238211A JP2000238211A JP2002046019A JP 2002046019 A JP2002046019 A JP 2002046019A JP 2000238211 A JP2000238211 A JP 2000238211A JP 2000238211 A JP2000238211 A JP 2000238211A JP 2002046019 A JP2002046019 A JP 2002046019A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- guide
- pad
- tool
- brazing
- diamond
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Milling, Broaching, Filing, Reaming, And Others (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ガイド付き回転切削工具の高性能化と耐久性
向上を、製品を歪ませたり、本体の硬度低下やコスト上
昇等を招いたりせずに実現する。 【解決手段】 工具本体1の外周にガイドパッド5を鑞
付けして取付け、その後、このパッド5の表面に、低い
温度での成膜が可能なDLC(ダイヤモンドライクカー
ボン)膜6をコーティングして設けたのである。
向上を、製品を歪ませたり、本体の硬度低下やコスト上
昇等を招いたりせずに実現する。 【解決手段】 工具本体1の外周にガイドパッド5を鑞
付けして取付け、その後、このパッド5の表面に、低い
温度での成膜が可能なDLC(ダイヤモンドライクカー
ボン)膜6をコーティングして設けたのである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガイド付きリー
マ等のガイド付き回転切削工具に関する。
マ等のガイド付き回転切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】工具本体の外周にガイドを設け、そのガ
イドを加工穴の穴面に接触させて加工中の工具の振れや
直進性の悪化を防止する技術は、リーマなどによく採用
されている。そのガイド付きリーマなどのガイド付き回
転切削工具は、工具本体とは別体のガイドパッドを鑞付
けするなどして取付けたものがパッドを耐摩耗性の高い
材料で形成でき、パッド交換によるガイドの機能再生も
行えて好ましい。
イドを加工穴の穴面に接触させて加工中の工具の振れや
直進性の悪化を防止する技術は、リーマなどによく採用
されている。そのガイド付きリーマなどのガイド付き回
転切削工具は、工具本体とは別体のガイドパッドを鑞付
けするなどして取付けたものがパッドを耐摩耗性の高い
材料で形成でき、パッド交換によるガイドの機能再生も
行えて好ましい。
【0003】この種の工具のガイドパッドは、通常超硬
合金で形成されるが、パッドの更なる摩耗抑制と溶着防
止を目的として、単刃型リーマのガイドについて、ガイ
ド面(加工穴との接触面)の少なくとも一部をダイヤモ
ンドで形成することが特開平6−8043号公報で提案
されている。
合金で形成されるが、パッドの更なる摩耗抑制と溶着防
止を目的として、単刃型リーマのガイドについて、ガイ
ド面(加工穴との接触面)の少なくとも一部をダイヤモ
ンドで形成することが特開平6−8043号公報で提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の公報では、ガイ
ド面を形成するダイヤモンドとして塊状のものや気相合
成法で得られるコーティング膜を挙げている。ところ
が、塊状の焼結ダイヤモンドを用いると、素材コストが
高価な上に加工性も悪いため、工具費が高くつく。
ド面を形成するダイヤモンドとして塊状のものや気相合
成法で得られるコーティング膜を挙げている。ところ
が、塊状の焼結ダイヤモンドを用いると、素材コストが
高価な上に加工性も悪いため、工具費が高くつく。
【0005】また、コーティングダイヤモンド膜は、焼
結ダイヤモンドに比べて安価な反面、下記の不具合を生
じる。即ち、ガイドパッドを工具本体に鑞付けする前に
そのパッドにダイヤモンドのコーティング膜を設ける
と、通常の鑞付け法によるパッドの接合が行えない。
結ダイヤモンドに比べて安価な反面、下記の不具合を生
じる。即ち、ガイドパッドを工具本体に鑞付けする前に
そのパッドにダイヤモンドのコーティング膜を設ける
と、通常の鑞付け法によるパッドの接合が行えない。
【0006】一方、その不具合の回避策として、パッド
鑞付け後にコーティングを行うと、ダイヤモンド膜の成
膜温度がパッドの鑞付け温度とほぼ等しい(約700
℃)ことから、コーティング時にガイドパッドが外れた
り、ずれたりする。
鑞付け後にコーティングを行うと、ダイヤモンド膜の成
膜温度がパッドの鑞付け温度とほぼ等しい(約700
℃)ことから、コーティング時にガイドパッドが外れた
り、ずれたりする。
【0007】また、鑞付け時の熱歪によって発生した残
留応力がコーティング熱によって解放され、製品に歪が
生じる。
留応力がコーティング熱によって解放され、製品に歪が
生じる。
【0008】更に、成膜温度は、鋼の焼き鈍し温度とも
ほぼ等しく、鋼製工具本体の硬度低下の原因ともなって
本体の耐久性も低下する。
ほぼ等しく、鋼製工具本体の硬度低下の原因ともなって
本体の耐久性も低下する。
【0009】これに加え、ダイヤモンドのコーティング
膜は、多結晶構造のため、表面粗さがRmax1μm程
度と粗く、そのために加工穴の面粗さも粗くなり、高品
質の加工面が得られない。
膜は、多結晶構造のため、表面粗さがRmax1μm程
度と粗く、そのために加工穴の面粗さも粗くなり、高品
質の加工面が得られない。
【0010】そこで、この発明は、工具の歪や、硬度低
下、加工面粗さの低下を招かずにガイドの溶着防止や耐
摩耗性向上を図ることを課題としている。
下、加工面粗さの低下を招かずにガイドの溶着防止や耐
摩耗性向上を図ることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、工具本体の外周に設けるガイ
ド部のガイド面にダイヤモンドライクカーボン(以下D
LCと記す)膜をコーティングして設けたのである。
め、この発明においては、工具本体の外周に設けるガイ
ド部のガイド面にダイヤモンドライクカーボン(以下D
LCと記す)膜をコーティングして設けたのである。
【0012】そのDLC膜は、工具本体に一体に形成さ
れたガイド部にも勿論設けることができるが、ガイド部
が、工具本体にガイドパッドを鑞付けして形成され、そ
の鑞付け後に、コーティングを施してガイドパッドの露
出した表面にコーティングを行う工具に設けると、発明
の効果が顕著に引き出される。
れたガイド部にも勿論設けることができるが、ガイド部
が、工具本体にガイドパッドを鑞付けして形成され、そ
の鑞付け後に、コーティングを施してガイドパッドの露
出した表面にコーティングを行う工具に設けると、発明
の効果が顕著に引き出される。
【0013】
【作用】DLC膜の成膜温度は200℃以下であるの
で、ガイドパッドを鑞付けする工具に対して鑞付け後に
コーティングを施しても、パッドの外れやずれ、残留応
力の解放、鋼製本体の硬度低下が起こらない。
で、ガイドパッドを鑞付けする工具に対して鑞付け後に
コーティングを施しても、パッドの外れやずれ、残留応
力の解放、鋼製本体の硬度低下が起こらない。
【0014】また、DLC膜は摩擦係数がダイヤモンド
と同等で、平滑性はコーティングによる多結晶ダイヤモ
ンドに勝り、相手攻撃性は低く、硬度もダイヤモンドに
は及ばないが他の硬質コーティング膜に比べてひけをと
らず、しかも、科学的に不活性と云う優れた特性をも
つ。そのDLC膜の優れた特性によってガイド部への被
削材の溶着と加工面の品質低下を無くし、ガイドの耐摩
耗性も高めることができる。
と同等で、平滑性はコーティングによる多結晶ダイヤモ
ンドに勝り、相手攻撃性は低く、硬度もダイヤモンドに
は及ばないが他の硬質コーティング膜に比べてひけをと
らず、しかも、科学的に不活性と云う優れた特性をも
つ。そのDLC膜の優れた特性によってガイド部への被
削材の溶着と加工面の品質低下を無くし、ガイドの耐摩
耗性も高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1乃至図3に、この発明の切削
工具の実施形態を示す。例示の工具は、1ブレード、3
ガイドタイプのスローアウェイ式リーマであり、鋼製工
具本体1の先端外周にブレード2を皿ネジ3でロックし
て取付けている。また、工具本体1の先端側外周3箇所
に工具軸方向に延びる座溝4を設け、各座溝にガイドパ
ッド5を鑞付けして取付けている。
工具の実施形態を示す。例示の工具は、1ブレード、3
ガイドタイプのスローアウェイ式リーマであり、鋼製工
具本体1の先端外周にブレード2を皿ネジ3でロックし
て取付けている。また、工具本体1の先端側外周3箇所
に工具軸方向に延びる座溝4を設け、各座溝にガイドパ
ッド5を鑞付けして取付けている。
【0016】ガイドパッド5は、超硬合金で形成されて
おり、そのパッド5の表面に、図4に示すDLC膜6が
設けられている。
おり、そのパッド5の表面に、図4に示すDLC膜6が
設けられている。
【0017】DLC膜6は、ガイドパッド5を工具本体
1に鑞付けした後に、メタン(CH 4 )ガスなどを原料
に、プラズマCVD法やイオンプレーティング法などで
形成している。従って、ガイドパッド5の鑞付けは従前
の方法で支障無く行える。
1に鑞付けした後に、メタン(CH 4 )ガスなどを原料
に、プラズマCVD法やイオンプレーティング法などで
形成している。従って、ガイドパッド5の鑞付けは従前
の方法で支障無く行える。
【0018】また、DLC膜6の成膜は室温で行え、パ
ッドを接合した鑞材の軟化、溶融や工具本体の硬度低
下、残留応力の解放等が起こらない。
ッドを接合した鑞材の軟化、溶融や工具本体の硬度低
下、残留応力の解放等が起こらない。
【0019】ガイドパッド5の表面に設けたDLC膜6
は、ヌープ硬度が1500〜3000で、パッド母材の
超硬合金(ヌープ硬度1500)よりも硬く、そのた
め、ガイドパッドの耐摩耗性が向上する。
は、ヌープ硬度が1500〜3000で、パッド母材の
超硬合金(ヌープ硬度1500)よりも硬く、そのた
め、ガイドパッドの耐摩耗性が向上する。
【0020】また、DLC膜は、科学的に不活性で摩擦
係数は0.05〜0.20と非常に小さく、そのために
被削材との溶着が無くなる。
係数は0.05〜0.20と非常に小さく、そのために
被削材との溶着が無くなる。
【0021】さらに、DLC膜は相手攻撃性が低く、表
面粗さもRmax0.1μm(コーティングダイヤモン
ド膜の表面粗さの約1/10)と非常に細かいため、加
工穴面を荒らすことがない。
面粗さもRmax0.1μm(コーティングダイヤモン
ド膜の表面粗さの約1/10)と非常に細かいため、加
工穴面を荒らすことがない。
【0022】但し、DLC膜は、酸化開始温度が300
〜400℃であるので、発熱量が多くなる加工では、ガ
イドパッドをクーラント液で冷却するなどの注意が必要
である。使用するクーラント液は、DLC膜による摺動
性能の向上効果が得られるので潤滑性能の低いもの(油
剤濃度の低いもの)でよい。
〜400℃であるので、発熱量が多くなる加工では、ガ
イドパッドをクーラント液で冷却するなどの注意が必要
である。使用するクーラント液は、DLC膜による摺動
性能の向上効果が得られるので潤滑性能の低いもの(油
剤濃度の低いもの)でよい。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の切削工具
は、ガイド部のガイド面にDLC膜を設けたので、ガイ
ド部の溶着防止、加工面の品質向上、耐摩耗性の向上に
よる長寿命化が図れ、焼結ダイヤモンドを用いる場合の
著しいコストアップも回避できる。
は、ガイド部のガイド面にDLC膜を設けたので、ガイ
ド部の溶着防止、加工面の品質向上、耐摩耗性の向上に
よる長寿命化が図れ、焼結ダイヤモンドを用いる場合の
著しいコストアップも回避できる。
【0024】また、DLC膜をガイドパッド鑞付け後に
コーティングしても、パッドの外れやずれ、残留応力の
解放による歪、本体の硬度低下が起こらず、高性能、高
信頼性を確保できる。
コーティングしても、パッドの外れやずれ、残留応力の
解放による歪、本体の硬度低下が起こらず、高性能、高
信頼性を確保できる。
【0025】このほか、加工時に使用する切削油剤の濃
度を下げても性能低下を来たさず、環境に優しく、切削
油剤コストの低減なども図れる。
度を下げても性能低下を来たさず、環境に優しく、切削
油剤コストの低減なども図れる。
【図1】実施形態の切削工具の側面図
【図2】同上の工具を90°回転させて見た側面図
【図3】同上の工具の拡大正面図
【図4】要部の拡大断面図
1 工具本体 2 ブレード 3 皿ネジ 4 座溝 5 ガイドパッド 6 DLC膜
Claims (2)
- 【請求項1】 工具本体の外周に、加工穴の内面に接す
るガイド部を設けたガイド付き回転切削工具において、
前記ガイド部のガイド面に、ダイヤモンドライクカーボ
ン膜を設けたことを特徴とするガイド付き回転切削工
具。 - 【請求項2】 前記ガイド部が、工具本体にガイドパッ
ドを鑞付けして形成され、その鑞付け後に、コーティン
グを施してガイドパッドの露出した表面に前記ダイヤモ
ンドライクカーボン膜を設けた請求項1記載のガイド付
き回転切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000238211A JP2002046019A (ja) | 2000-08-07 | 2000-08-07 | ガイド付き回転切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000238211A JP2002046019A (ja) | 2000-08-07 | 2000-08-07 | ガイド付き回転切削工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002046019A true JP2002046019A (ja) | 2002-02-12 |
Family
ID=18729949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000238211A Pending JP2002046019A (ja) | 2000-08-07 | 2000-08-07 | ガイド付き回転切削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002046019A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120070243A1 (en) * | 2009-05-29 | 2012-03-22 | Tungaloy Corporation | Reamer |
JP2017154218A (ja) * | 2016-03-03 | 2017-09-07 | 富士精工株式会社 | ボーリング工具 |
-
2000
- 2000-08-07 JP JP2000238211A patent/JP2002046019A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120070243A1 (en) * | 2009-05-29 | 2012-03-22 | Tungaloy Corporation | Reamer |
US8770896B2 (en) * | 2009-05-29 | 2014-07-08 | Tungaloy Corporation | Reamer |
JP2017154218A (ja) * | 2016-03-03 | 2017-09-07 | 富士精工株式会社 | ボーリング工具 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040109 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040824 |