JP2005022071A - 硬質膜被覆ドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】主に鋼、鋳鉄、非鉄金属などの各種金属材料の高能率加工、高速度加工、深穴加工において、長寿命を実現する硬質膜被覆ドリルを提供する。
【解決手段】硬質膜被覆ドリルの硬質膜が十分にその機能を発揮することが重要である。そのため、硬質膜を被覆した被覆ドリルにおいて、マージン部の硬質膜の膜厚T(m)が1.0〜4.0μmであり、溝部の硬質膜の膜厚T(f)が0.3〜3.2μmであり、切れ刃に設けられたホーニング部の硬質膜の膜厚T(p)が1.5〜8.0μmであることを特徴とする硬質膜被覆ドリルは、高能率加工、高速度加工、深穴加工において、長寿命を実現する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、硬質膜を被覆した硬質膜被覆ドリルに関する。その中でも特に金属の穴明け加工に用いる硬質膜被覆ドリルに関する。
近年、高能率加工、寿命の延長などを目的とし、高速度鋼、超硬合金等の基材の表面に硬質膜を被覆した硬質膜被覆ドリルが実用化され広範囲に用いられている。更に最近では、従来よりも高速度加工や深穴加工への要求が高まってきている。このような硬質膜被覆ドリルが前記目的を達成する為には、硬質膜が十分にその機能を発揮することが重要である。硬質膜被覆ドリルの従来技術として、硬質被覆層膜の厚みがドリル側面部で薄く、ドリル先端部で厚い表面被覆ドリルがある(例えば、特許文献1参照。)。また、被覆層の厚みをすくい面とマージン部において厚くし、すくい面と逃げ面との境界のホーニング部において薄くする表面被覆ドリルがある(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭61−288910号公報 特開2000−167706号公報
特許文献1や特許文献2に記載された従来の表面被覆ドリルは、高速高送り加工や深穴加工など、加工条件が厳しくなるほど、すくい面と逃げ面との境界に設けられたホーニング部の異常損耗により寿命に達したり、マージン部のチッピングあるいは溝部での切り屑詰まりによるトルク上昇、更には表面被覆ドリルの折損が生じるなど、硬質膜の機能が生かされているとは言い難かった。本発明は、硬質膜の機能を十分発揮させ、高能率加工、高速度加工、深穴加工において長寿命を実現する硬質膜被覆ドリルを提供することを目的とする。
本発明者らは、長年に亘り、硬質膜被覆ドリルの寿命を延長させる方法について検討していた所、硬質膜が切削中に剥離しないこと、硬質膜が破壊されずに擦り摩耗により徐々に損耗していくことが必要であるとの結論に達した。
更に切削に供した多数の硬質膜被覆ドリルの損傷状態を仔細に観察したところ、硬質膜被覆ドリルは通常切れ刃損耗による刃先後退により寿命に至っているが、場合によっては、マージン部の切削抵抗増加による折損あるいはチッピングの発生、あるいは切り屑の詰まりによるトルク上昇などから早期に寿命に至っていることから、ドリルの各部位により硬質膜に求められる機能が異なっていることを見出した。
即ち、マージン部においては耐摩耗性と被削材との摩擦係数を小さくし切削抵抗を減少させると共にトルクが作用しても靭性が向上するような機能が求められる。また、ドリル先端部では、すくい面と逃げ面との交線の切れ刃に設けられたホーニング部の硬質膜の摩滅あるいは被削材の溶着による異常損耗が、すくい面あるいは逃げ面にまで及んで寿命に至るため、上記のすくい面と逃げ面との境界に設けられたホーニング部には耐摩耗性と耐溶着性の両方が求められる。更に、穴あけ加工により生じた切り屑を穴外に排出する為の溝部においては、耐摩耗性は必要最低限確保されればよく、むしろ切り屑を滞りなく排出する為に被削材との摩擦係数を小さくし、かつ表面が円滑であること、更に、基材が露出しないように耐剥離性と硬質膜の破損による脱離が発生しないことが求められる。特に高速加工や深穴加工など切削条件が厳しくなるほど、溝部の切り屑処理性とホーニング部の耐摩耗性が重要になってくる。
このようにドリルの各部位毎に被覆する硬質膜の機能を生かす為の方法として、各部位毎に求められる機能に応じた各種の硬質膜を被覆することが考えられるが、被覆する硬質膜の種類に応じて複数回の被覆を行い、しかも所望の部位以外に被覆されないようにしなければならないなど、工業上有用であるとは言い難い。
本発明者らは前記の問題を解決する為に、硬質膜の膜厚に着目した。ドリルなど切削工具への被覆方法として、化学蒸着法(以降、CVD法と称す。)と物理蒸着法(以降、PVD法と称す。)が知られている。ドリルへの被覆方法としては、CVD法は工具の変形による寸法精度の問題や被覆工具の強度低下の問題があり、PVD法が好ましい。PVD法では硬質膜に圧縮応力が残留する。硬質膜に圧縮応力が残留すると、強度低下が抑制されるが、残留応力が大きすぎると硬質膜の破損が発生しやすくなり、実用上好ましくない。また、硬質膜の残留応力は膜厚が厚くなるほど大きくなる傾向がある。更に膜厚が厚くなると表面粗度が大きくなる。一方、耐摩耗性については膜厚が厚いほど有利であることは説明に難くない。
このようなことから、硬質膜被覆ドリルの各部位における硬質膜の膜厚を適正に配置することによって、硬質膜の機能を如何なく発揮させることが可能であるとの見地に至った。更にこの方法によれば、硬質膜の本来持つ材料的な特性は維持されたまま、ドリルによる穴あけ加工で求められる機能を付与できる。
本発明の硬質膜被覆ドリルは、ドリルの基材に硬質膜が被覆された硬質膜被覆ドリルであって、マージン部の硬質膜の膜厚T(m)が1.0〜4.0μmであり、溝部の硬質膜の膜厚T(f)が0.3〜3.2μmであり、切れ刃に設けられたホーニング部の硬質膜の膜厚T(p)が1.5〜8.0μmであることを特徴とする。
本発明の硬質膜被覆ドリルにおいて、すくい面と逃げ面との交線である切れ刃に設けられたホーニング部の硬質膜は、十分な耐摩耗性を確保する為にマージン部よりも厚くする必要があり、T(p)を1.5〜8.0μmとした。1.5μm未満では十分な耐摩耗性が得られず、8.0μmを超えると、硬質膜の内部応力過多による自己破壊から異常損耗が生じるためである。T(p)の測定位置としては、ホーニング部における外周コーナから切れ刃長の1/4〜3/4ドリル先端側の位置が好ましい。
ランド上の二番取りをしていない円筒面部分であるマージン部にあっては、耐摩耗性と共に工具損壊を生じないように靭性を確保するため、T(m)を1.0〜4.0μmとした。1.0μm未満では耐摩耗性が十分でなく、4.0μmを超えると靭性が十分でないためである。T(m)の測定位置としては、ドリル先端からシャンク方向へ工具直径の1.5〜2.0倍の位置のマージン部における外周エッジから100〜200μmの位置が好ましい。
また、溝部にあっては、硬質膜表面の面粗度を損なわずかつ耐剥離性が確保されるように、マージン部よりも薄くする必要があり、T(f)を0.3〜3.2μmとした。0.3μm未満では硬質膜被覆の効果が得られず、3.2μmを超えると表面が粗くなり切り屑の排出を阻害するためである。T(f)の測定位置としては、ドリル先端からシャンク方向へ工具直径の1.5〜2.0倍の位置の溝部における基材の肉厚が最も薄くなる位置が好ましい。
更に、マージン部の膜厚に対する溝部の膜厚の割合を示す膜厚比T(f)/T(m)が0.3〜0.8であり、マージン部の膜厚に対する逃げ面とすくい面との境界に設けられたホーニング部の膜厚の割合を示す膜厚比T(p)/T(m)が1.5〜2.0とであると、それぞれの部位で偏りなく機能を発揮し、結果として更なる長寿命を達成することが可能となる。
本発明の硬質膜被覆ドリルの硬質膜は、金属化合物、ダイヤモンド、DLCなどの硬質材料からなるが、その中でも、周期律表の4a、5a、6a族元素、Al、Siの炭化物、窒化物、酸化物、硼化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた1種以上でなる単層または多層であると耐摩耗性に優れるため好ましい。具体的には、TiN、TiCN、TiC、TiAlNを挙げることができる。硬質膜の各層は、単一相膜、2種以上の硬質材料が混合した混合体膜、2種以上の硬質材料成分が傾斜して含まれる傾斜組成膜であっても良い。
本発明の硬質膜被覆ドリルの基材は、従来から工具材料として用いられている超硬合金、サーメット、セラミックス、立方晶窒化硼素焼結体、高速度鋼および金型鋼などであり、いずれの基材でも効果があるものである。
本発明の硬質膜被覆ドリルの基材の構造はマージン部、ホーニング部および溝部を有するドリル全般を対象としたもので、ボデーとシャンクを一体の工具材料で作ったソリッドドリル、ボデーとシャンクとを突き合わせて溶接した溶接ドリル、切れ刃として超硬合金その他の材料のチップをろう付けした付け刃ドリル、ボデーの先端からある長さの部分だけを超硬合金その他の材料で作った先むくドリル、ボデーをシャンクに差し込んで、ろう付け、圧入などの方法で接合した差込みドリルを挙げることができる。これらの中でもボデーとシャンクが一体となったソリッドドリルは、高い抗折力強度を有し、耐久性にも優れるため好ましい。
本発明の硬質膜被覆ドリルの被覆方法としては、PVD法、その中でも、イオンプレーティング法またはスパッタリング法が、緻密で均質な膜が比較的容易に得られるため好ましい。その中でも硬質膜密着性の高いアークイオンプレーティング法が特に好ましい。
以下、本発明の硬質膜被覆ドリルの構成を、ドリルの側面図を示す図1と、図1のA−A´線の断面図を示す図2と、ドリル先端部の俯瞰図を示す図3とを参照しながら例示する。符号1は硬質膜被覆ドリルのドリル本体であって、ドリル1はシャンク部と加工に要する切れ刃部とが一体で構成されている。マージン部2における硬質膜の膜厚T(m)よりも溝部3における硬質膜の膜厚T(f)が薄く設定されていると共に、マージン部2よりも逃げ面4とすくい面5の境界に設けられたホーニング部8の硬質膜の膜厚T(p)が厚く設定されている。また、マージン部2の硬質膜の膜厚T(m)は1.0〜4.0μmに設定されていると共に、溝部3の硬質膜の膜厚T(f)は0.3〜3.2μmに、ホーニング部8の硬質膜の膜厚T(p)は1.5〜8.0μmにそれぞれ設定されている。更にマージン部2の硬質膜の膜厚T(m)に対する溝部3の硬質膜の膜厚T(f)の割合を示す膜厚比T(f)/T(m)が0.3〜0.8であると共に、マージン部2の硬質膜の膜厚T(m)に対する逃げ面4とすくい面5の境界に設けられたホーニング部8の硬質膜の膜厚T(p)の割合を示す膜厚比T(p)/ T(m)が1.5〜2.0に設定されている。なお、ドリル先端6はドリル1の最も先端を示しており、リーディングエッジ7はマージン部2と溝部3の交わる稜線を示している。外周コーナ9はホーニング部8とリーディングエッジ7の交わる箇所を示している。また、符号Dは工具直径を示している。
本発明の硬質膜被覆ドリルは、ドリルの各部位毎に硬質膜の膜厚を制御するものであるが、PVD法を用いた製造方法においては、イオンの動きを制御することにより、ドリルの各部位の硬質膜の膜厚を制御することができる。例えば、平面に近い形態のマージン部2よりも比較的鋭角であるホーニング部8は、電界の集中により、より多くのイオンを引き付けるため、膜厚が厚くなる。印加するバイアス電圧を上げることにより、この傾向はより顕著となるため、バイアス電圧を適切な値とすることにより各部位毎に膜厚を制御することが可能となる。具体的には、バイアス電圧を高くすると、溝部3の膜厚T(f)とホーニング部8の膜厚T(p)がマージン部2の膜厚T(m)よりも厚くなるとともに、T(f)/T(m)よりもT(p)/T(m)が大となる。
また、成膜時の真空槽内の圧力を変化させることにより、イオンが他のイオンまたは分子に衝突する頻度が変化し、結果としてホーニング部8とマージン部2、溝部3のそれぞれに到達するイオンの量が変化するため、ドリル各部位における膜厚の制御が可能である。具体的には、圧力を高くすると、溝部の膜厚T(f)は、マージン部の膜厚T(m)よりも薄くなるとともに、T(f)/T(m)よりもT(p)/T(m)が大となる。
更に、硬質膜の成膜速度は、ターゲットと基材との距離によって変化するため、ターゲットと基材の距離により硬質膜の膜厚を制御することが可能となる。本発明に係るドリルの場合、工具直径は大きくとも20mm程度である。一般に工業的に用いられるPVD装置ではターゲットと基材の距離は数百mmになり、ターゲットとドリル各部位との距離の差が小さくなるとともにドリル各部位の硬質膜の膜厚への影響が小さくなる。そこでターゲットと基材との間の基材に充分近い位置に一定の大きさの開口部をもつ絞りを設置し、ターゲットと絞りとの距離を一定にする。このように絞りを通過する分子およびイオンの量を一定にした状態で絞りと基材の距離を変えることで、ドリル各部位の硬質膜の膜厚を制御することができる。具体的には、絞りと基材の距離が近くなると、溝部3の膜厚T(f)とホーニング部8の膜厚T(p)が、マージン部2の膜厚T(m)よりも薄くなるとともに、T(f)/T(m)よりもT(p)/T(m)が大となる。
以上のように、基材に印加するバイアス電圧と真空槽内の圧力ならびにターゲットと基材の間に設けた絞りと基材の距離を調節することで、ドリル各部位における硬質膜の膜厚の制御が可能となる。
なお、本発明の硬質膜被覆ドリルの用途の一つとしては、金属の穴明け加工を挙げることができる。
本発明の硬質膜被覆ドリルは、ドリルの特定部位の膜厚を適正にすることにより硬質膜の機能を如何なく発揮させる。本発明の硬質膜被覆ドリルの効果の一つとしては、寿命の向上が挙げられる。特に深穴加工の厳しい加工条件において寿命向上の効果が顕著に示された。
基材として、市販されている工具直径8.8mm、組成90%WC−10%Co(以上重量%)、硬さHRA=91.5の超硬合金製ソリッドツイストドリル(以降、基材aと表記する。)と、市販されている工具直径8.0mm、組成90%WC−1%Cr32−9%Co(以上重量%)、硬さHRA=91.7の超硬合金製内部給油式ソリッドツイストドリル(以降、基材bと表記する。)の2種類を用意する。まず、基材aと基材bを有機溶剤による超音波洗浄により清浄にした後、アークイオンプレーティング装置内に挿入した。基材aと基材bはターゲットに対向するように垂直に保持する。このとき、基材aと基材bのドリル回転軸とターゲット面は平行になる。基材とターゲットとの間、ターゲットから200mmの位置に基材と平行な10mm×120mmの開口部を持つ絞りを設置し、絞りの開口部を通してのみ基材へターゲット材料が到達するようにした。1×10-3Paの真空とした後、773Kに加熱してArガスを導入し0.1Paとし、基材に−500Vのバイアス電圧を印加して10分間のArイオンスパッタにより表面を清浄にした。次いで、表1に示したターゲット種類、ガス種類、圧力、バイアス電圧、絞り−基材間距離で被覆処理を行うことによって、基材aと基材bについて、本発明品1〜9と比較品10〜19を得た。
Figure 2005022071
同一被覆条件において、基材aに被覆した硬質膜の膜厚と、基材bに被覆した硬質膜の膜厚は、同一であった。作製した本発明品および比較品の硬質膜の膜厚を測定した。具体的には、T(m)はドリル先端からシャンク方向へ工具直径Dの1.7倍の位置のマージン部2におけるリーディングエッジ7から150μmの位置にて測定し、T(f)はドリル先端2からシャンク方向へ工具直径Dの1.7倍の位置の溝部3における基材の肉厚の最も薄くなる位置にて測定し、T(p)はホーニング部8における外周コーナ9から切れ刃長の1/3ドリル先端側の位置にて測定した。このとき、それぞれの測定個所において表面に対して垂直になるように切断し、切断面を1000#のダイヤモンド砥石で研削し、粒径1μmのダイヤモンドペーストでラップ仕上げした後、電界放射型走査電子顕微鏡を用いて断面観察し、基材表面に被覆された硬質膜の膜厚を測定した。その結果を表2に示した。
Figure 2005022071
基材aの本発明品1〜9と比較品10〜19を用いて、被削材:S45C、切削外周速度80m/min、穴深さ44mm(工具径の5倍)、乾式加工の条件で連続して穴あけ加工する穴あけ試験1を行った。刃先損耗の増大により加工が不可能となったとき、あるいは、チッピングの発生、折損、切り屑詰まりによる急激なトルク上昇などの異常が発生するのを工具寿命とした。寿命までの加工穴数と寿命判定の理由について表3に示す。
次に、基材bの本発明品1〜9と比較品10〜19を用いて、被削材:SCM440、切削外周速度100m/min、穴深さ64mm(工具径の8倍)、湿式加工(内部給油)の条件で連続して穴あけ加工する穴あけ試験2を行った。刃先損耗の増大により加工が不可能となったとき、あるいはチッピングの発生、折損、切り屑詰まりによる急激なトルク上昇などの異常が発生するのを工具寿命とした。寿命までの加工穴数と寿命判定の理由について表3に併記する。
Figure 2005022071
以上の実施例で示されたように、本発明の硬質膜被覆ドリルは、ドリルの特定部位の膜厚を適正にすることにより硬質膜の機能を如何なく発揮し、本発明の範囲外である比較品と比較して長寿命化を達成した。特に深穴加工の厳しい加工条件で効果が顕著に示された。
本発明に係る硬質膜被覆ドリルのボデー部分の側面図である。 本発明に係る硬質膜被覆ドリルの図1のA−A’線における断面図である。 本発明に係る硬質膜被覆ドリル先端部分の俯瞰図である。
符号の説明
1 ドリル本体
2 マージン部
3 溝部
4 逃げ面
5 すくい面
6 ドリル先端
7 リーディングエッジ
8 ホーニング部
9 外周コーナ
10 ヒール
11 二番取り
D 工具直径

Claims (3)

  1. ドリルの基材に硬質膜が被覆された硬質膜被覆ドリルであって、マージン部の硬質膜の膜厚T(m)が1.0〜4.0μmであり、溝部の硬質膜の膜厚T(f)が0.3〜3.2μmであり、切れ刃に設けられたホーニング部の硬質膜の膜厚T(p)が1.5〜8.0μmであることを特徴とする硬質膜被覆ドリル。
  2. マージン部の硬質膜の膜厚T(m)に対する溝部の硬質膜の膜厚T(f)の割合を示す膜厚比T(f)/T(m)が0.3〜0.8であり、マージン部の硬質膜の膜厚T(m)に対するホーニング部の硬質膜の膜厚T(p)の割合を示す膜厚比T(p)/ T(m)が1.5〜2.0であることを特徴とする請求項1に記載の硬質膜被覆ドリル。
  3. 硬質膜が周期律表の4a、5a、6a族元素、Al、Siの炭化物、窒化物、酸化物、硼化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた1種以上でなる単層または多層で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の硬質膜被覆ドリル。
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