JP2002045029A - コンバイン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 送風搬送によってオーガ排出時の脱ぷ又は汚
粒、損傷を防止するとともにグレンタンクをオープン可
能に構成したコンバインを提供する。 【解決手段】 脱穀した穀物を貯留するグレンタンク４
と、該グレンタンク４より穀物を風量型ファン９による
搬送によって機外へ排出するためのオーガ５を備え、グ
レンタンク４を手前にオープン可能に構成するととも
に、このグレンタンク４のオープンと連動して上記風量
型ファン９の伝動がオフ・オンする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀した穀物を貯
留するグレンタンクより穀物を送風搬送により機外へ排
出するコンバインに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のコンバインは、刈取部で刈取った
穀稈を搬送しながら脱穀機に供給し、脱穀機で脱穀した
穀物はグレンタンクに貯留し、次いで貯留した穀物をオ
ーガにより機外へ排出するようにしている。ところで、
従来は、グレンタンクに貯留した穀物の機外への排出は
ラセン搬送によって行なっていたが、ラセン搬送で行な
うと、例えば大豆のような作物の場合は脱ぷ又は汚粒、
損傷が起こりやすいという問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、送風搬送によってオーガ排出時の脱ぷ又は汚粒、損
傷を防止するとともにグレンタンクをオープン可能に構
成したコンバインを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に係る発明は、コンバインにおける脱穀し
た穀物を貯留するグレンタンクと、該グレンタンクより
穀物を送風手段による搬送によって機外へ排出するため
のオーガを備え、前記グレンタンクをオープン可能に構
成するとともに、このグレンタンクのオープンと連動し
て前記送風手段の伝動がオフ・オンするコンバインであ
る。請求項２に係る発明は、コンバインにおける脱穀し
た穀物を貯留するグレンタンクと、該グレンタンクより
穀物を送風手段による搬送によって機外へ排出するため
のオーガを備え、前記グレンタンクをオープン可能に構
成するとともに、このグレンタンクのオープンと連動し
て穀物を搬送する管路がグレンタンク下方で開放するコ
ンバインである。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施の形態について説明する。図１は本発明に係るコン
バインの全体側面図である。本発明に係るコンバイン１
は、コンバインのクローラ２と、刈取部３と、刈取った
穀稈を搬送しながら脱穀部に供給するフィーダーケース
と、脱穀部と、脱穀した穀物を貯留するグレンタンク４
と、貯留した穀物を機外へ排出するオーガ５とを有して
いる。

【０００６】本発明に係るコンバイン１は、グレンタン
ク４に貯留した穀物を送風搬送（エア搬送）によって機
外へ排出するようにしている。すなわち、グレンタンク
４の底部４ｂは、穀粒が滑り落ちる角度（安息角）で形
成されており、その最下点の排出口４ａに取付けたシャ
ッタ６によって排出量を規制している。そして、グレン
タンク４の排出口４ａの下に臨む位置に設けた繰出しフ
ィーダ７は、複数枚の羽根板７ａを水平方向の回転軸に
等角度間隔で取付けた回転体であり、モータ８の駆動に
よって反時計方向（図示矢印方向）に回転する。

【０００７】一方、グレンタンク４の前部下方には送風
手段である風量型ファン（ブロア）９を配置しており、
その送風方向はグレンタンク４の後部側（図１の左側）
に向いている。上記グレンタンク４の排出口４ａより落
下した穀粒は上記繰出しフィーダ７に取り込まれ、繰出
しフィーダ７の回転にしたがって下方に搬送され、そこ
で重力により落下する。落下した穀粒は、配管１２を通
って送られてくる上記風量型ファン９からの送風（搬送
エア）によってチューブ１０内を水平方向に搬送され、
さらにチューブ１０内を上方へ搬送され、再び水平方向
に搬送されて、オーガ５によって機外に排出される。こ
のように、グレンタンク４に貯留した穀物を送風搬送
（エア搬送）によって機外へ排出するため、大豆のよう
な作物の場合も脱ぷ又は汚粒、損傷を防止できる。

【０００８】ところで、本発明のコンバインは、上記グ
レンタンク４をオープン可能に構成するとともに、この
グレンタンク４のオープンと連動して上記風量型ファン
９の伝動がオフ・オンするように構成している。図２は
これらの構成を説明するための概略的な平面図である
が、同図に示すように、グレンタンク４はその左側手前
のヒンジ１３を回動支点として手前にオープン可能にな
っており、またグレンタンク４下部の繰出しフィーダ
７、風量型ファン９、これに付随する穀粒搬送路（管
路）等はグレンタンク４と一体的に回動する。

【０００９】そして、グレンタンク４の近傍に搭載した
エンジン１４の駆動をプーリ１５、プーリ１７、これら
に掛け渡された無端ベルト１６を介し、さらにプーリ１
７と同軸に取付けた噛合クラッチ１８ａと、風量型ファ
ン９の回転軸と同軸に取付けた噛合クラッチ１８ｂとの
着脱によって、風量型ファン９の伝動がオン・オフする
ようになっている。ここで、上記噛合クラッチ１８ａと
１８ｂの着脱は、上記グレンタンク４のオープンと連動
しており、通常は噛合クラッチ１８ａと１８ｂがオンで
風量型ファン９の伝動が入である。そして、グレンタン
ク４をオープンにすると、これに連動して噛合クラッチ
１８ａと１８ｂとが外れてオフになり、風量型ファン９
の伝動が切れてオフとなる。

【００１０】このように、エンジンとの着脱を噛合クラ
ッチによって行うことで、グレンタンク４のオープンと
連動して風量型ファン９の伝動がオフ・オンするように
構成したので、伝動構造をきわめて簡単にしてグレンタ
ンク４のオープンが可能になる。また、グレンタンク４
をオープンするときに、たとえばプーリ間のベルトを外
して伝動を断つような手間は要らない。

【００１１】また、上記風量型ファン９と繰出しフィー
ダ７の伝動をベルト回転あるいはチェーン回転によって
連動させることで、繰出しフィーダ７駆動用のモータ８
が不要になり、さらに両者の複雑な回転数制御も要らな
くなる。

【００１２】また、図３は図１のＡ部の拡大平断面図で
あるが、上述のごとくグレンタンク４をオープン可能と
する場合の穀粒が搬送される管路（通路）の構成を示し
ている。すなわち、グレンタンク４下部の管路１２Ａと
旋回フレーム（縦オーガ）下部の管路１２Ｂとは別体構
成であり、通常はシール・クッション材１９を介して管
路１２Ａと管路１２Ｂとは連続している。そして、グレ
ンタンク４をオープンにすると、グレンタンク４と一体
のフレーム１１のところで管路１２Ａと１２Ｂが分断さ
れて管路が開放する。このように、グレンタンク４のオ
ープンと連動して、穀粒が搬送される管路が開放する構
成とすることで、穀粒搬送通路の構造を簡素化してグレ
ンタンク４のオープンが可能になる。

【００１３】次に、前記シャッタ６の取付構造について
説明する。図４はシャッタ近傍の側面図、図５はシャッ
タの平面図である。なお、前述の図１とはシャッタ６及
びモータ８の向きが異なっているが、実質的な差はな
い。同図に示すように、シャッタ６は、グレンタンク４
の排出口と繰出しフィーダ７との間に設けられ、繰出し
フィーダ７に送る穀粒の量を規制している。このシャッ
タ６は、その両側をスライドアーム２２に取付け、この
スライドアーム２２に取付けたノブボルト２１とグレン
タンク４下部のフレーム２０に設けた長孔２０ａとの組
合せで、シャッタ６をスライド出し入れできるように構
成されている。このようなシャッタ６の取付構造とする
ことにより、グレンタンク４の外側からシャッタ６の位
置を調節でき、ゆえに穀粒の排出途中でもシャッタ６を
調節可能である。また、調節する際はノブボルト２１を
ゆるめ、調節後はノブボルト２１で固定するので、工具
無しでも調節が可能である。

【００１４】次に、本発明に関連して、オーガの構造に
ついて説明する。図６はオーガ近傍の構成を示す概略的
な側面図である。オーガ５の旋回フレーム２３と上下フ
レーム２４はいずれもパイプ状に形成されており、これ
らのフレームの内部に穀粒搬送チューブ１０を通してい
る。そして、旋回フレーム２３と上下フレーム２４との
接続部分には、下方向が開放したコ字状の接続フレーム
２６を設け、接続フレーム２６の一端は旋回フレーム２
３の上部と固定され、他端は上下フレーム２４と連結し
ている。また、上下フレーム２４先端の穀粒搬送チュー
ブ１０の出口前方には、先端が下に向いて且つ背面側２
５ａが開放したガイド２５を設けている。このようなオ
ーガ構造とすることにより、穀粒はガイド２５に沿って
下方向に飛散し、排気風はガイド２５の開放部から逃が
すことができる。この場合、穀粒搬送チューブ１０内に
背圧がかからないため、穀粒排出時間の低下を招くこと
がなく、さらにガイド２５の開放部によって穀粒の排出
スピードが減速されることで大豆等の損傷を防ぐことが
可能となる。

【００１５】また、図７はオーガ近傍の概略平面図であ
るが、同図に示すように、上下フレーム２４を接続フレ
ーム２６と連続する方向よりもやや操作席側に折り曲げ
て（向きを変えて）配置することにより、操作席とも干
渉することなく機体内にうまく収めることができ、走行
中や作業中に上下フレーム２４を周囲に衝突させること
がなくなる。

【００１６】次に、本発明に関連して、燃料タンクおよ
びバッテリーの設置構造について説明する。図８はグレ
ンタンク下方の構成を示す側面図、図９はその平面図で
あるが、同図に示すように、前述の旋回フレーム２３の
後部左側であってグレンタンク４下方のスペースに燃料
タンク２７を設けるとともに、該燃料タンク２７の右側
にバッテリー２８を設ける。そして、バッテリー２８の
右側面にカバー２９を、燃料タンク２７の後部にカバー
３０をそれぞれ設け、右側面のカバー２９は、ワンタッ
チノブ３２を掴んで、３１を支点としてオープン可能と
し、後部のカバー３０は、ワンタッチノブ３４を掴ん
で、３３を支点としてオープン可能とする。このような
設置構造とすることで、グレンタンク４下方のスペース
を有効利用することができるので、機体のコンパクト化
を図ることが可能になる。さらに、右側面のカバー２９
は右側にオープンし、後部のカバー３０は後ろ側にオー
プンすることで、バッテリー２８の点検は右側面から、
燃料の給油は後部から可能になり、メンテナンスの向上
につながる。

【００１７】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るコンバインは、グレンタンクより穀物を送風手段によ
る搬送によって機外へ排出するためのオーガを備え、上
記グレンタンクをオープン可能に構成するとともに、こ
のグレンタンクのオープンと連動して上記送風手段の伝
動がオフ・オンするようにしたので、送風搬送（エア搬
送）により大豆のような作物の場合でも脱ぷ又は汚粒、
損傷を防止するとともに、送風手段の伝動構造をきわめ
て簡単にしてグレンタンクのオープンが可能になる。

【００１８】また、本発明に係るコンバインは、グレン
タンクのオープンと連動して穀物を搬送する管路がグレ
ンタンク下方で開放するようにしたので、穀粒搬送通路
の構造を簡素化してグレンタンクのオープンが可能にな
り、またメンテナンス性が良好である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わるコンバインの全体側面図であ
る。

【図２】送風手段の伝動機構を示す概略的な平面図であ
る。

【図３】図１のＡ部の概略的な拡大平面図である。

【図４】シャッタ近傍の側面図である。

【図５】シャッタの平面図である。

【図６】オーガ近傍の構成を示す概略的な側面図であ
る。

【図７】その平面図である。

【図８】グレンタンク下方の構成を示す側面図である。

【図９】その平面図である。

【符号の説明】

１ コンバイン ２ クローラ ３ 刈取部 ４ グレンタンク ５ オーガ ６ シャッタ ７ 繰出しフィーダ ９ 風量型ファン １０ 穀粒搬送チューブ １１ 構成フレーム １２ 管路 １８ａ、１８ｂ 噛合クラッチ ２３ 旋回フレーム ２４ 上下フレーム ２５ ガイド ２７ 燃料タンク ２８ バッテリー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大崎 正美 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 Ｆターム(参考） 2B092 AA01 AB04 CA40 CA62 2B396 JA04 JC07 KE02 KE03 KE04 KE06 LA13 LR02 LR07 MA02 MA07 MC02 MC07 MC13 ME04 ME26 MG05 ML06

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンバインにおける脱穀した穀物を貯留
   するグレンタンクと、該グレンタンクより穀物を送風手
   段による搬送によって機外へ排出するためのオーガを備
   え、前記グレンタンクをオープン可能に構成するととも
   に、このグレンタンクのオープンと連動して前記送風手
   段の伝動がオフ・オンすることを特徴とするコンバイ
   ン。
2. 【請求項２】 コンバインにおける脱穀した穀物を貯留
   するグレンタンクと、該グレンタンクより穀物を送風手
   段による搬送によって機外へ排出するためのオーガを備
   え、前記グレンタンクをオープン可能に構成するととも
   に、このグレンタンクのオープンと連動して穀物を搬送
   する管路がグレンタンク下方で開放することを特徴とす
   るコンバイン。