JP2002043519A - 半導体集積回路及びその製造方法 - Google Patents

半導体集積回路及びその製造方法

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JP2002043519A JP2000222848A JP2000222848A JP2002043519A JP 2002043519 A JP2002043519 A JP 2002043519A JP 2000222848 A JP2000222848 A JP 2000222848A JP 2000222848 A JP2000222848 A JP 2000222848A JP 2002043519 A JP2002043519 A JP 2002043519A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数個のMOS FETが必要であり、かつ
各々のMOS FETに要求される特性(例えば、最大
ドレイン電流定格)が異なる場合、一つのパッケージ内
に複数個のMOS FETを有し、かつ複数個ある MO
S FETの特性をそれぞれ異なる仕様に容易にカスタ
マイズできる半導体集積回路を提供する。 【解決手段】 複数のMOS FET基本セル14a〜
14hを自由に並列接続できる構造とし、一つのパッケ
ージ内に複数個の特性の異なる仕様のMOS FET群
を構成するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路に
関し、特に基本セルをアレイ状に配列した基本セル領域
をチップ内に有する半導体集積回路及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体集積回路は、最大ドレイン
電流定格など所望の特性を得るために、nチャネル又は
pチャネルMOS FET基本セルのサイズを変更して
いた。複数のMOS FET基本セルを一つの半導体回
路のなかに納めた物もあるが、複数個あるMOS FE
T基本セルの特性は全て同一であった。また、所定の機
能を持つ基本セルの接続に関連する従来技術としては例
えば、特開平11−8371号公報、特開平6−163
860号公報等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、例え
ばある回路装置においてMOS FET ICの特性の一
つである最大ドレイン電流定格に対し、所望する最大ド
レイン電流の値が複数あるような場合、それぞれの要求
にあった最大ドレイン電流定格をもつMOS FET I
Cを個別に必要数準備するか、所望する最大ドレイン電
流定格の内、最も大きい定格にあわせて多チャンネルを
一つのパッケージに納めたMOS FET ICを選定す
るか、もしくは、所望する最大ドレイン電流にあったM
OS FET ICを専用に再設計する必要があった。前
者の場合、部品の実装占有面積が大きくなるという問題
があり、次者の場合、所望する定格に対し過剰な定格と
なりコスト過多になるという問題があり、後者の場合、
専用設計となるため、開発及び製作期間が長くなりコス
トも増大するという問題があった。
【0004】本発明は、ユーザーが使用するアプリケー
ションにおいて、複数個のMOSFETが必要であり、
かつ各々のMOS FETに要求される特性(例えば、
最大ドレイン電流定格)が異なる場合、一つのパッケー
ジ内に複数個のMOS FETを有し、かつ複数個ある
MOS FETの特性(例えば、最大ドレイン電流)を
それぞれ異なる仕様に容易にカスタマイズできる半導体
集積回路を提供することを目的とし、さらに部品点数の
削減による部品占有面積の低減、所望する定格の最適化
によるコストの低減、かつ完全な専用設計に対し、開発
及び製作期間を短縮し得る半導体集積回路及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の半導体集積回路は、半導体チップ上に配列
された素子単位群にnチャネル又はpチャネルMOS
FET基本セルを各々完全に絶縁した状態で配置し、前
記MOS FET基本セルにはそれぞれソース、ゲー
ト、ドレインに相当する電極に金属配線可能なコンタク
トを設け、それぞれのコンタクトを金属配線で並列接続
し得る構造とすることで、例えば、MOSFET基本セ
ルの最大ドレイン電流のn倍の最大ドレイン電流を得よ
うとする場合、n個のMOS FET基本セルのソー
ス、ゲート、ドレインのコンタクトをそれぞれ金属配線
で並列接続することで、容易にMOS FET基本セル
のn倍の最大ドレイン電流の素子(デバイス)を得るこ
とができる。また、例えば、一つのパッケージの中に、
2個、3個、4個…n個のようにMOS FET基本セ
ルの並列接続数を変えたMOS FET基本セル群(デ
バイス)を複数個設置することで、それぞれのMOS
FET基本セル群(デバイス)の最大ドレイン電流定格
をそれぞれ2倍、3倍、4倍、…、n倍のようにMOS
FET基本セル単体の最大ドレイン電流のn倍の定格
を自由に得ることができる。
【0006】前記手段を用いることにより、ユーザーが
使用するアプリケーションにおいて、複数個のMOS
FETが必要であり、かつ各々のMOS FETに要求
される特性(例えば、最大ドレイン電流定格)が異なる
場合においても、一つもしくは最適なパッケージ数でユ
ーザーが要求する複数個のMOS FET群(デバイ
ス)を確保することができ、かつ複数個あるMOS F
ET群(デバイス)の各々の特性(例えば、最大ドレイ
ン電流)をそれぞれ最適な仕様に容易にカスタマイズ可
能となり、さらに部品点数の削減による部品占有面積の
低減、所望する定格の最適化によるコストの低減が可能
な半導体集積回路を提供できる。
【0007】すなわち、本発明による半導体集積回路
は、MOS FET基本セルを複数個並列接続して構成
されたデバイスを備え、MOS FET基本セルの並列
接続数に比例する異なる電流定格を有する複数のデバイ
スが1チップ上に設けられていることを特徴とする。
【0008】具体的には、MOS FET基本セル群は
互いに絶縁されている構成であり、MOS FET基本
セルは、ソース、ゲート、ドレインに相当する端子に金
属配線が可能なコンタクトを有し、MOS FET基本
セル群に設けられたソース群、ゲート群、ドレイン群を
各々n個並列接続するようにそれぞれのコンタクト間を
金属配線することで、エンドユーザーが要求する特性
(例えば、ドレイン電流)をMOS FET基本セルの
特性のn倍の形で得ることが可能になっている。
【0009】前記半導体集積回路の、MOS FET基
本セルを複数個並列接続して構成されたデバイスは、並
列に接続されたMOS FET基本セルのうちの1個の
みが所定の保護機能(例えば、過電流保護、過電圧保
護、過熱保護)を有するように構成することができる。
【0010】また、前記半導体集積回路の、MOS F
ET基本セルを複数個並列接続して構成された前記デバ
イスは、並列に接続されたMOS FET基本セルのう
ちの1個のみが所定の診断機能(例えば、過電流検出、
負荷オープン検出、負荷ショート検出、負荷レアショー
ト検出)を有するように構成することができる。
【0011】前記半導体集積回路は、複数個のMOS
FET基本セルが配置された素子単位群層と、MOS
FET基本セルのソース、ゲート、ドレインに各々設け
られたコンタクト間を配線するための前記素子単位群層
と絶縁された配線層とを含み、前記配線層は上部にコン
タクトと(例えば大電流経路のような)前記コンタクト
に配線可能な主要な電流経路とを有し、素子単位群層に
設けられたソース、ゲート、ドレインのコンタクトの一
部が配線層の上部に設けられたコンタクトと(例えば接
続孔等の電気的に導通可能な接続手法により)該配線層
を貫通して接続されているように構成することができ
る。
【0012】本発明による半導体装置は、複数個のMO
S FET基本セルが配置され、各MOS FET基本セ
ルのソース、ゲート、ドレインに各々電気的に接続可能
なコンタクトが設けられた半導体集積回路と、半導体集
積回路を実装する配線基板とを含み、配線基板は半導体
集積回路のコンタクトと該配線基板上に設けられた外部
と接続可能なコンタクトとの間を電気的に接続すること
を特徴とする。
【0013】本発明による、同じ最大ドレイン電流定格
を有するMOS FET基本セルが複数個配列されたチ
ップ上に電流定格の異なる複数の電流ドライバを構成す
る方法は、MOS FET基本セルをn個並列接続する
ことにより1個のMOS FET基本セルの最大ドレイ
ン電流定格のn倍の電流定格を有する電流ドライバを構
成することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。以下の図において、理解を容易に
するため、同じ要素部分には同一の符号を付して説明す
る。図1は、本発明による半導体集積回路の一例を示す
説明図である。半導体集積回路11は、半導体単結晶の
基板から成る半導体チップ12と、半導体集積回路11
の内部と外部とを接続する端子13a,13b,13
c,…から構成されている。半導体チップ12上には、
nチャネル又はpチャネルMOSFET基本セル14
a,14b,14c,…が複数個配列されている。な
お、本実施の形態においては、MOS FET基本セル
14a,14b,14c,…はnチャネルであるとして
以下説明する。半導体チップ12上に複数個配列された
MOS FET基本セル14a,14b,14c,…
は、互いに半導体チップ12のアイソレーション領域に
よって電気的に分離絶縁されている。また、MOS F
ET基本セル14a,14b,14c,…は、ソース、
ゲート、ドレインに相当する端子にそれぞれ電気的に導
通である金属配線15a,15b,15c,…が接続可
能な接点であるドレイン用コンタクト16a〜16h、
ゲート用コンタクト17a〜17h、ソース用コンタク
ト18a〜18hが設けられた構成となっている。金属
配線15a,15b,15c,…は、MOS FET基
本セル14a,14b,14c,…に各々設けられたド
レイン用コンタクト16a〜16h、ゲート用コンタク
ト17a〜17h、ソース用コンタクト18a〜18
h、及び端子13a,13b,13c,…間を配線し、
電気的に接続することが可能な構成となっている。
【0015】次に、図1に示した半導体集積回路11の
使用例について説明する。予め定められた条件により所
定の演算処理を行い、所定の制御信号24,25,26
を各々独立したタイミング、周期で出力できるCPU2
3、及びMOS FETのドレイン電流で動作するイン
ダクタンス成分とインピーダンス成分を持つコイル負荷
20,21,22を半導体集積回路11に接続する。制
御信号24,25,26は半導体制御回路装置11の端
子13a,13b,13cを介し、MOS FET基本
セル14a,14b,14c,…のゲートへ供給され
る。なお、コイル負荷20,21,22は各々特性が異
なるものとし、本実施の形態においてはインピーダンス
成分がコイル負荷20が最も小さく、コイル負荷22が
最も大きく、コイル負荷21はその中間程度と仮定す
る。電源19は、コイル負荷20,21,22に電力を
供給する電源である。
【0016】MOS FET基本セル14a,14b,
14c,…の特性の一つに最大ドレイン電流がある。一
般にMOS FETを用いてある所定のインピーダンス
成分を持つ負荷に電流を流す場合、オームの法則より、
負荷に流れる最大電流は“電源電圧÷負荷のインピーダ
ンス”と求められる。負荷に流れる最大電流=MOSF
ETに求められる最大ドレイン電流となり、負荷に流れ
る最大電流の値から、それ以上の電流が流せるMOS
FETを選定する必要がある。いま、MOSFET基本
セル14a,14b,14c,…の最大ドレイン電流を
ID27とし、コイル負荷20,21,22に流れる最
大電流をそれぞれ、コイル負荷20はドレイン電流ID
27の3倍以下、コイル負荷21はドレイン電流IDの
2倍以下、コイル負荷22はドレイン電流ID27の1
倍以下とすると、以下の方法で解決することができる。
【0017】本実施の形態では、一つの半導体集積回路
11の中に8個のMOS FET基本セル14a〜14
hが配列されている。まず、負荷20を駆動し得る回路
を考える。負荷20はMOS FET基本セル14a〜
14hのドレイン電流IDに対し、最大で3倍のドレイ
ン電流が流れる。そこで、MOS FET基本セル14
a〜14cのそれぞれのドレイン用コンタクト16a〜
16cまでを金属配線15aで並列に接続し、かつ、端
子13dへ接続する。端子13dはコイル負荷20の一
方に接続され、もう一方は電源19に接続される。同様
にMOS FET基本セル14a〜14cのそれぞれの
ソース用コンタクト18a〜18cまでを金属配線15
gで並列に接続し、かつ、端子13gへ接続する。前記
端子13gはGNDに接続する。また、同様に前記MO
S FET基本セル14a〜14cのそれぞれのゲート
用コンタクト17a〜17cまでを金属配線15dで並
列に接続し、かつ、端子13aへ接続する。端子13a
はCPU23と接続する。
【0018】CPU23からある任意の周期の制御信号
24が送られると、端子13a、金属配線15dを介
し、MOS FET基本セル14a〜14cのゲート1
7a〜17cに印加される。その結果、MOS FET
基本セル14a〜14cのゲート17a〜17cがON
し、各MOS FET基本セル14a〜14cにドレイ
ン電流ID27a,27b,27cが流れる。その結
果、コイル負荷20には、ドレイン電流IDの3倍のド
レイン電流28が流れる。そのIDの3倍のドレイン電
流28は金属配線15g、端子13gを介し、GNDへ
流れる。
【0019】同様に、負荷21を駆動し得る回路を考え
る。負荷21には、MOS FET基本セル14a〜1
4hのドレイン電流ID27a〜27hに対し、最大で
2倍のドレイン電流が流れる。そこで、本実施の形態で
は、MOS FET基本セル14d,14eのそれぞれ
のドレイン用コンタクト16d,16eを金属配線15
bで並列に接続し、かつ、端子13eへ接続する。端子
13eはコイル負荷21の一方に接続され、もう一方は
電源19に接続される。同様にMOS FET基本セル
14d,14eのそれぞれのソース用コンタクト18
d,18eを金属配線15gで並列に接続し、かつ、端
子13gへ接続する。端子13gはGNDに接続する。
また、同様にMOS FET基本セル14d,14eの
それぞれのゲート用コンタクト17d,17eを金属配
線15eで並列に接続し、かつ、端子13bへ接続す
る。端子13bはCPU23と接続する。
【0020】CPU23からある任意の周期の制御信号
25が送られると、端子13b、金属配線15eを介
し、MOS FET基本セル14d,14eのゲート1
7d,17eに印加される。その結果、MOS FET
基本セル14d,14eのゲート17d,17eがON
し、おのおのMOS FET基本セル14dから14e
にドレイン電流27d,27eが流れる。その結果、コ
イル負荷21には、ドレイン電流IDの2倍のドレイン
電流29が流れる。このIDの2倍のドレイン電流29
は金属配線15g、端子13gを介し、GNDへ流れ
る。
【0021】また、同様に、負荷22を駆動し得る回路
を考える。負荷22はMOS FET基本セル14fの
ドレイン電流ID27fに対し、最大で1倍のドレイン
電流が流れる。そこで、本実施の形態では、MOS F
ET基本セル14fのドレイン用コンタクト16fを金
属配線15cで接続し、かつ、端子13fへ接続する。
端子13fはコイル負荷22の一方に接続され、もう一
方は電源19に接続される。同様にMOS FET基本
セル14fのソース用コンタクト18fを金属配線15
gで接続し、端子13gへ接続する。端子13gはGN
Dに接続する。また、同様にMOS FET基本セル1
4fのゲート用コンタクト17fを金属配線15fで接
続し、端子13cへ接続する。端子13cはCPU23
と接続する。
【0022】CPU23からある任意の周期の制御信号
26が送られると、端子13c、金属配線15fを介
し、MOS FET基本セル14fのゲート17fに印
加される。その結果、MOS FET基本セル14fの
ゲート17fがONし、MOSFET基本セル14fに
ドレイン電流27fが流れる。その結果、コイル負荷2
1には、ドレイン電流IDの1倍のドレイン電流27f
が流れる。ドレイン電流27fは金属配線15g、端子
13gを介し、GNDへ流れる。
【0023】以上の方法により、一つの半導体集積回路
11で、異なる定格の複数の負荷20,21,22をそ
れぞれ最適な定格のMOS FETで駆動することがで
きる。また、予めMOS FET基本のセルの配列まで
の基本マスクを準備しておき、金属配線のマスクのみ要
求の仕様のものを作成することで、コストの低減、製作
期間の短縮が可能になる効果がある。
【0024】本実施の形態では、半導体集積回路11の
中に8個のMOS FET基本セル14a〜14hを設
け、6個のみ使用したため、2個あまっている。実際に
本半導体集積回路を使用する場合、MOS FET基本
セルの配列数が異なるパターンの半導体集積回路を数種
類準備しておき、ユーザーが使用するうえで最適な物を
選択可能にしておくことで、無駄を最小とした半導体集
積回路を提供できることはいうまでもない。また、本実
施の形態においては、MOS FET基本セル14a〜
14hをnチャネルとし、負荷20,21,22の下流
を制御する形態で説明したが、MOS FET基本セル
をpチャネルとし、負荷の上流を制御する形態において
も適用できるのは明白である。
【0025】本発明の第2の実施の形態を図2により説
明する。本実施の形態における半導体集積回路31は、
第1の実施の形態の半導体集積回路11に対し、所定の
ドレイン電流が流れたとき出力を制限もしくは止める過
電流保護、MOS FETのジャンクション温度が所定
の温度以上になったとき出力を制限もしくは止める過熱
保護機能などの保護機能を有する保護機能付きMOS
FET基本セル30a,30b,30cを複数個有する
構成である。
【0026】第1の実施の形態では、なんらかの理由に
より、コイル負荷20,21,22のいずれかがショー
トし過電流が流れたり、MOS FET基本セルのジャ
ンクション温度が異常に上昇したり、電源19が逆接さ
れたり、といった不測の事態が生じたとき、前記半導体
集積回路11や負荷20,21,22に耐え得る以上の
負荷が印加され最悪の場合には破損する恐れがある。以
上のような事態を回避するため、従来のMOS FET
ICでは過電流保護、過電圧保護、過熱保護などの保護
機能を設けることが一般的に知られている。
【0027】本発明では、MOS FET基本セルをn
個並列接続し、一つのMOS FET基本セル群とみな
している。したがって、半導体集積回路31上に配列さ
れる全てのMOS FET基本セルに保護機能を設ける
必要はなく、n個並列接続されたMOS FET基本セ
ルの内、1個のMOS FET基本セルにのみ前述の過
電流保護、過電圧保護、過熱保護機能を持たせることで
十分に保護機能が動作するので、チップサイズの小型化
やコストの低減の効果がある。図示の例では、例えば3
個のMOS FET基本セル30a,14b,14cを
並列接続したデバイスでは、その内の1個のMOS F
ET基本セル30aにのみ保護機能を持たせている。ま
た、2個のMOS FET基本セル30b,14eを並
列接続したデバイスでは、その内の1個のMOS FE
T基本セル30bにのみ保護機能を持たせている。
【0028】なお、本実施の形態においては、MOS
FET基本セル14a〜14hをnチャネルとし、負荷
20,21,22の下流を制御する形態で説明したが、
MOS FET基本セルをpチャネルとし、負荷の上流
を制御する形態においても適用できるのは明白である。
【0029】本発明の第3の実施の形態を図3により説
明する。本実施の形態における半導体集積回路34は、
第1の実施の形態の半導体集積回路11に対し、所定以
上のドレイン電流が流れたときに過電流を検出し信号を
出力する、MOS FETのジャンクション温度が所定
以上の温度になったときに過熱を検出し信号を出力す
る、負荷がオープンになったときにオープンを検出し信
号を出力するなどの診断出力信号33a,33b,33
cを出力する診断機能を有する診断機能付きMOS F
ET基本セル32a,32b,32cを複数個有する構
成である。
【0030】第2の実施の形態では、なんらかの理由に
より、負荷20,21,22のいずれかがショートし過
電流が流れたり、MOS FET基本セルのジャンクシ
ョン温度が異常に上昇したり、負荷がオープンになった
りといった不測の事態が生じたとき、CPU23になん
ら情報が伝達されず適切な処理が行われないため、ユー
ザーの使用システムにおいて予想しえない現象が生じ、
悪影響を及ぼす恐れがある。以上のような事態を回避す
るため、従来のMOS FET ICでは過電流検出、過
熱検出、負荷オープン検出などの診断機能を設けること
が一般的に知られている。本発明では、MOS FET
基本セルをn個並列接続し、一つのMOS FET基本
セル群とみなしている。したがって、半導体集積回路1
2上に配列される全てのMOS FET基本セルに診断
機能を設ける必要はなく、n個並列接続されたMOS
FET基本セルの内、1個のMOS FET基本セルに
のみ前述の過電流検出、過熱検出、負荷オープン検出な
どの診断機能を持たせることで、十分診断できるので、
チップサイズの小型化やコストの低減の効果がある。図
示の例では、例えば3個のMOS FET基本セル32
a,14b,14cを並列接続したデバイスでは、その
内の1個のMOS FET基本セル32aにのみ保護機
能を持たせている。また、2個のMOS FET基本セ
ル32b,14eを並列接続したデバイスでは、その内
の1個のMOS FET基本セル32bにのみ保護機能
を持たせている。
【0031】なお、本実施の形態においては、MOS
FET基本セル14a〜14hをnチャネルとし、負荷
20,21,22の下流を制御する形態で説明したが、
MOS FET基本セルをP−CHとし、負荷の上流を
制御する形態においても適用できるのは明白である。
【0032】本発明の第4の実施の形態を図4により説
明する。ソース用コンタクト42、ドレイン用コンタク
ト43、ゲート用コンタクト44が設けられたMOS
FET基本セル41が複数個配列されている素子単位群
層47と、大電流を流すため太めのライン幅で構成され
ている大電流用金属配線46a,46b、制御信号用電
流を流すための制御信号用金属配線46cで構成されて
いる配線層48がある。
【0033】配線層48は素子単位群層47の上方に位
置し、素子単位群層47に配列されているMOS FE
T基本セル41のソース、ドレイン、ゲートの各々のコ
ンタクト42,43,44は接続孔45を介し、配線層
48上に配列されている配線層ソース用コンタクト47
a、配線層ドレイン用コンタクト47b、配線層ゲート
用コンタクト47cで構成されている配線層48と電気
的に接続される。配線層ソース用コンタクト47a、配
線層ドレイン用コンタクト47b、配線層ゲート用コン
タクト47cは金属配線49で大電流用金属配線46
a,46bに電気的に接続できる。
【0034】前述の実施の形態1,2,3において、M
OS FET基本セルをn個並列接続し、n倍のドレイ
ン電流を流す場合、電源に接続されたソース側の金属配
線と、負荷に接続されたドレイン側の金属配線に大電流
が流れる。通常、大電流を流すためには、金属配線を太
いパターンにして導体のインピーダンスを下げる必要が
ある。このような処置を実施しないと、金属配線に異常
発熱が生じ、最悪断線する恐れがある。本実施の形態に
おいては、金属配線層48にあらかじめ、大電流を流し
得る太い金属配線のパターンを持つ大電流用金属配線4
6a,46bを設けておき、配線層48上に露出してい
る配線層ソース用コンタクト47a、配線層ドレイン用
コンタクト47bをそれぞれ必要に応じて前記大電流用
金属配線46a,46bに簡単に金属配線49で接続で
きる構造としておくことで、配線層48が作りやすくな
り、製作期間の短縮、コストの低減の効果がある。
【0035】本発明の第5の実施の形態を図5により説
明する。MOS FET基本セル51が複数個配列され
た半導体集積回路52は、各々のMOS FET基本セ
ルのソース、ドレイン、ゲート端子から外部と接続可能
な各々のソース用外部接続コンタクト53、ドレイン用
外部接続コンタクト54、ゲート用外部接続コンタクト
55が設けられたベアチップの構造となっている。中間
配線基板56は半導体集積回路52を実装し電気的な接
続が可能であり、かつ中間配線基板56自体にも外部と
接続可能なコンタクト57を有する構造となっている。
中間配線板56にて所望の仕様に配線し、半導体集積回
路52を実装後、例えば、金線ボンディング58等の電
気的な接続をすることで容易に求める仕様を得ることが
できる。通常、前記半導体集積回路52部、及び金線ボ
ンディング58等の電気的接続部は保護のために、樹脂
材等非導通材59でコーティングする。
【0036】本実施の形態によれば、ユーザーは中間配
線基板56を設計製作し、半導体集積回路製造メーカー
から半導体集積回路52を購入後、中間配線基板56に
実装するだけで、容易に求める仕様を得ることができ、
かつユーザーサイドの変更が容易になる。本実施の形態
では、半導体集積回路52と中間配線基板56の電気的
な接続方法の一例として金線ボンディング58を用いた
が、ボールバンプ等のCCBの接合技術を用いても実施
可能であることは言うまでもない。
【0037】次に、複数のコイル負荷をパワーMOS
FETで駆動制御するシステムを従来技術で実現する場
合と、本発明によって実現する場合とを比較して説明す
る。ここで想定するのは、駆動電流が1A必要なコイル
負荷64とコイル負荷65、駆動電流が2A必要なコイ
ル負荷66、駆動電流が3A必要なコイル負荷67を駆
動する駆動制御システムである。図6は、従来の技術を
用いた場合の構成図であり、図7は本発明による構成図
である。
【0038】従来技術によると、この駆動制御システム
は図6に図示するように、コイル負荷64及びコイル負
荷65を駆動するドレイン電流定格が1AのパワーMO
SFETが2ch入っているIC61、コイル負荷66
を駆動するドレイン電流定格が2AのパワーMOS F
ET62、コイル負荷67を駆動するドレイン電流定格
が3AのパワーMOS FET63、上記パワーMOS
FETのON/OFFを御御する制御信号68a〜68
dを出力するCPU23によって構成される。
【0039】パワーMOS FETに異なる複数のドレ
イン電流定格が要求された場合、各コイル負荷を駆動す
るのに最適なドレイン電流定格をもつパワーMOS F
ETを選定し適用する必要がある。しかし、従来技術で
は一般に、異なるドレイン電流定格のパワーMOS F
ETが一つのパッケージで構成されることはないので、
各々のコイル負荷に最適なドレイン電流定格を持つパワ
ーMOS FETを各々のコイル負荷に割り当てる必要
があり、複数個のパワーMOS FETが必要になる。
その結果、実装効率の低下、素子数の増加によるコスト
アップ等の問題が生じる。もちろん、要求される複数の
異なるドレイン電流定格の中で、最も高いドレイン電流
定格に合わせて1種類のパワーMOS FETで構成す
る方法も考えられるが、この場合、本来必要なドレイン
電流定格に対し、過剰なスペックとなる箇所が発生し、
コストアップ要因となる。
【0040】図7は、複数のコイル負荷をパワーMOS
FETで駆動制御するシステムに本発明を適用した場
合の構成の一例を示す図である。この駆動制御システム
は、ドレイン電流定格が1AであるMOS FET基本
セル71a〜71hを8ケ内蔵した半導体集積回路l
l、上記MOS FET基本セル71a〜71hのON
/OFFを制御する制御信号68a〜68dを出力する
CPU23によって構成される。
【0041】この例では、駆動電流が1A必要なコイル
負荷64及びコイル負荷65を駆動するため、ドレイン
電流定格が1AであるMOS FET基本セル71a及
びMOS FET基本セル71bを使用している。同様
に、駆動電流が2A必要なコイル負荷66を駆動するた
め、MOS FET基本セル71dと71eを2ヶ並列
接続し、ドレイン電流定格を2Aとして適用している。
さらに、駆動電流が3A必要なコイル負荷67を駆動す
るため、MOS FET基本セル71f〜71hを3ヶ
並列接続し、ドレイン電流定格を3Aとして適用してい
る。この結果、一つの半導体集積回路11のみで複数の
異なる駆動電流をもつコイル負荷を駆動可能となり、図
6のような従来技術を用いた方法に対し、実装効率の向
上、素子数削減によるコスト低減の効果を得られること
が明らかである。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、特にMOS FETを
用いた半導体集積回路において、一つのパッケージで異
なる仕様をもつ複数のMOS FETを低コストでかつ
短い期間で製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体集積回路の一例を示す構成
図。
【図2】本発明による半導体集積回路の他の例を示す構
成図。
【図3】本発明による半導体集積回路の他の例を示す構
成図。
【図4】本発明による半導体集積回路の製造方法の一例
を示す図。
【図5】本発明による半導体集積回路の製造方法の他の
例を示す図。
【図6】従来技術による複数負荷駆動制御システムの構
成図。
【図7】本発明による複数負荷駆動制御システムの一例
の構成図。
【符号の説明】
11…半導体集積回路、12…半導体チップ、13a〜
13g…端子、14a〜14h…MOS FET基本セ
ル、15a〜15g…金属配線、16a〜16h…ドレ
イン用コンタクト、17a〜17h…ゲート用コンタク
ト、18a〜18h…ソース用コンタクト、19…電
源、20〜22…コイル負荷、23…CPU、24〜2
6…制御信号、27a〜27f…ドレイン電流ID、2
8…ドレイン電流3ID、29…ドレイン電流2ID、
30a〜30c…保護機能付きMOS FET基本セ
ル、31…半導体集積回路、32a〜32c…診断機能
付きMOS FET基本セル、33a〜33c…診断出
力信号、34…半導体集積回路、41…MOS FET
基本セル、42…ソース用コンタクト、43…ドレイン
用コンタクト、44…ゲート用コンタクト、45…接続
孔、46a,46b…大電流用金属配線、46c…制御
信号用金属配線、47…素子単位群層、47a…配線層
ソース用コンタクト、47b…配線層ドレイン用コンタ
クト、47c…配線層ゲート用コンタクト、48…配線
層、49…金属配線、51…MOS FET基本セル、
52…半導体集積回路、53…ソース用外部接続コンタ
クト、54…ドレイン用外部接続コンタクト、55…ゲ
ート用外部接続コンタクト、56…中間配線基板、57
…コンタクト、58…金線ボンディング、59…非導通
材、61…IC、62,63…パワーMOS FET、
64〜67…コイル負荷、68a〜68d…制御信号、
71a〜71h…MOS FET基本セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F038 AV06 AZ04 AZ07 BH07 BH14 BH15 BH16 BH20 CA02 EZ20 5F048 AA01 AA02 AA09 AB02 AB10 AC01 BF00 BF16 CC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MOS FET基本セルを複数個並列接
    続して構成されたデバイスを備え、前記MOS FET
    基本セルの並列接続数に比例する異なる電流定格を有す
    る複数のデバイスが1チップ上に設けられていることを
    特徴とする半導体集積回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体集積回路におい
    て、MOS FET基本セルを複数個並列接続して構成
    された前記デバイスは、並列に接続されたMOS FE
    T基本セルのうちの1個のみが所定の保護機能を有する
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体集積回路におい
    て、MOS FET基本セルを複数個並列接続して構成
    された前記デバイスは、並列に接続されたMOS FE
    T基本セルのうちの1個のみが所定の診断機能を有する
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3のいずれかに記載の
    半導体集積回路において、複数個のMOS FET基本
    セルが配置された素子単位群層と、前記MOS FET
    基本セルのソース、ゲート、ドレインに各々設けられた
    コンタクト間を配線するための前記素子単位群層と絶縁
    された配線層とを含み、前記配線層は上部にコンタクト
    と前記コンタクトに配線可能な主要な電流経路とを有
    し、前記素子単位群層に設けられたソース、ゲート、ド
    レインのコンタクトの一部が前記配線層の上部に設けら
    れたコンタクトと該配線層を貫通して接続されているこ
    とを特徴とする半導体集積回路。
  5. 【請求項5】 複数個のMOS FET基本セルが配置
    され、各MOS FET基本セルのソース、ゲート、ド
    レインに各々電気的に接続可能なコンタクトが設けられ
    た半導体集積回路と、 前記半導体集積回路を実装する配線基板とを含み、 前記配線基板は前記半導体集積回路のコンタクトと該配
    線基板上に設けられた外部と接続可能なコンタクトとの
    間を電気的に接続することを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 同じ最大ドレイン電流定格を有するMO
    S FET基本セルが複数個配列されたチップ上に電流
    定格の異なる複数の電流ドライバを構成する方法であっ
    て、 前記MOS FET基本セルをn個並列接続することに
    より1個のMOS FET基本セルの最大ドレイン電流
    定格のn倍の電流定格を有する電流ドライバを構成する
    ことを特徴とする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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