JP2002043112A - 希土類系磁石粉末の製造方法 - Google Patents

希土類系磁石粉末の製造方法

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JP2002043112A JP2001179942A JP2001179942A JP2002043112A JP 2002043112 A JP2002043112 A JP 2002043112A JP 2001179942 A JP2001179942 A JP 2001179942A JP 2001179942 A JP2001179942 A JP 2001179942A JP 2002043112 A JP2002043112 A JP 2002043112A
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rare earth
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reaction tube
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Yoshinobu Motokura
義信 本蔵
Hiroshige Mitarai
浩成 御手洗
Giichi Amahiro
義一 天弘
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁石原料の水素処理において磁石原料の温度の
均一化を図り得、磁気特性のバラツキ回避に有利な希土
類系磁石粉末の製造方法を提供すること。 【解決手段】希土類系磁石粉末に対して水素処理を行う
希土類磁石粉末の製造方法であって、希土類系磁石原料
を分割してお互いに離間して保持する複数の反応管内に
充填する工程と、該反応管内の該希土類磁石原料に対し
て該水素処理を実行する工程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は希土類系磁石原料に水素
を吸蔵させた後、磁石原料から水素を放出させて希土類
系磁石粉末を得る希土類系磁石粉末の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、永久磁石として、磁気特性が優れ
ている希土類系元素を含む希土類系磁石粉末の使用が盛
んとなっている。希土類系磁石粉末を製造する技術とし
て、希土類系磁石原料を高温域例えば750〜950°
Cに加熱しつつ磁石原料に水素を吸蔵させ、その後、磁
石原料から水素を強制的に放出させる水素処理を行い、
これにより磁気特性が良好な希土類系磁石粉末を得るも
のが知られている。この磁石原料は、水素の吸蔵に伴い
発熱し水素の放出に伴い吸熱するため、水素処理におい
て磁石原料の温度の均一化を図るのは容易ではない。従
って製造された希土類系磁石粉末の磁気特性のバラツキ
を招来する。
【0003】そこで水素の吸蔵、放出を行う水素処理の
際に蓄熱材を磁石原料に接触させることにより、温度の
均一化を図ることにしている。しかし全ての磁石原料を
蓄熱材に接触させることは困難であり、蓄熱材に接触し
ていない磁石原料では温度の均一化が充分ではない。従
って水素処理における磁石原料の温度のバラツキ、磁気
特性のバラツキを招来する。更に磁石原料に蓄熱材が混
入することがあり、この意味でも磁気特性のバラツキを
招来する。
【0004】また特開平5−163510号公報には、
磁石原料を高温域に加熱する際において磁石原料の温度
の均一化を図るため、輻射熱で磁石原料を加熱する真空
加熱炉を用いて水素処理を行う技術が開示されている。
しかしこのものでも磁石原料の量が増すと、水素処理の
際における磁石原料の温度の均一化には充分ではなく、
水素処理温度のバラツキに起因する磁気特性のバラツキ
を招来する。
【0005】また特開平5−171203号公報、特開
平5−171204号公報には、希土類系磁石を高温域
で水素処理する際において水素ガスの供給源として水素
吸蔵合金を採用した技術が開示されている。このもので
は、水素処理を行う水素ガスの高純度化を図れるので、
水素ガスに含まれている不純物により磁石原料が汚染さ
れることを回避でき、不純物汚染による磁気特性のバラ
ツキを回避できる。しかしこの公報の技術においても水
素処理の際における磁石原料の温度の均一化には充分で
はなく、水素処理温度のバラツキに起因する磁気特性の
低下を招来する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した実情
に鑑みなされたものであり、その目的は、磁石原料を高
温域において保持しつつ水素を吸蔵させた後、放出させ
る水素処理において、磁石原料の温度の均一化、安定化
を図り得、希土類系磁石粉末における磁気特性のバラツ
キ回避に有利であり、これにより希土類系磁石粉末の量
産化、工業化に適する希土類系磁石粉末の製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の永久磁石用希
土類系磁石粉末の製造方法は、希土類系磁石原料に対し
て水素処理を行う希土類系磁石粉末の製造方法であっ
て、希土類系磁石原料を分割してお互いに離間している
複数の反応管内に充填する工程と、該反応管内の該希土
類磁石原料に対して該水素処理を実行する工程と、を包
含することを特徴とするものである。請求項2の永久磁
石用希土類系磁石粉末の製造方法は、希土類系磁石粉末
に対して水素処理を行う希土類磁石粉末の製造方法であ
って、希土類系磁石原料を分割して1個の反応管あたり
0.5〜5kgとし、該希土類系磁石原料を、お互いに
離間している複数の反応管内に充填する工程と、 該反
応管内の該希土類磁石原料に対して該水素処理を実行す
る工程と、を包含することを特徴とするものである。請
求項3の永久磁石用希土類系磁石粉末の製造方法は、希
土類系磁石粉末に対して水素処理を行う希土類磁石粉末
の製造方法であって、希土類系磁石原料を分割して1個
の反応管あたり0.5〜5kgとし、対向間隔を所定距
離になるように配列された複数の反応管の側面部と、該
複数の側面部の一端を相互に連結する底面部とを備えた
該反応管内に希土類磁石原料を充填する工程と、該反応
管内の該希土類磁石原料に対して該水素処理を実行する
工程と、を包含することを特徴とするものである。請求
項4の永久磁石用希土類系磁石粉末の製造方法は、希土
類系磁石粉末に対して水素処理を行う希土類磁石粉末の
製造方法であって、希土類系磁石原料を分割して1個の
反応管あたり0.5〜5kgとし、対向間隔を所定距離
になるように配列された複数の反応管の側面部と、該複
数の側面部の一端を相互に連結する底面部と、排気装置
に連結時に閉じられる該底面部に対向する該反応管の開
口部とを備えた該反応管内に希土類磁石原料を充填する
工程と、該反応管内の該希土類磁石原料に対して該水素
処理を実行する工程と、を包含することを特徴とするも
のである。請求項5の永久磁石用希土類系磁石粉末の製
造方法は、該水素処理を実行する工程は、該希土類磁石
原料に対して加熱しつつ水素を吸蔵させる工程と、該希
土類磁石原料に対して加熱しつつ水素を放出させる工程
とを包含することを特徴とするものである。本発明の希
土類系磁石粉末の製造装置は、希土類系磁石原料を保持
する原料保持部と、原料保持部に保持した磁石原料を加
熱する加熱室を備えた加熱装置と、加熱室に水素ガスを
送給する水素ガス送給装置と、加熱室内を減圧する排気
装置と、加熱装置、水素ガス送給装置及び排気装置の少
なくとも一方を制御する制御装置とで構成され、加熱室
で磁石原料を加熱しつつ磁石原料に水素を吸蔵させた
後、磁石原料から水素を放出させる水素処理を行う希土
類系磁石粉末を得る製造装置において、原料保持部は、
磁石原料を分割して互いに離間して保持する複数個の反
応管で構成されていることを特徴とするものである。
【0008】さらに、本発明の希土類系磁石粉末の製造
装置では、各反応管は、周方向において所定間隔でリン
グ状に配置されており、その内周側には内側発熱体が、
その外周側には外側発熱体が装備されていることを特徴
とするものである。また、本発明の希土類系磁石粉末の
製造装置では、各反応管を回転させる回転手段が装備さ
れていることを特徴とするものである。
【0009】本発明の希土類系磁石粉末の製造装置で
は、制御装置は、各反応管の水素吸蔵及び水素放出、加
熱及び冷却を同期させて行うことを特徴とするものであ
る。加熱装置、水素ガス送給装置、排気装置は従来と同
様なものを採用できる。原料保持部は、磁石原料を分割
して互いに離間して保持する複数個の反応管で構成され
ている。反応管は一般的には試験管状の多数個の管体や
多数個の容器を採用できる。反応管の数は適宜選択でき
るが、例えば3個、4個、5個それ以上にできる。数1
0個、数100個でも良い。反応管は熱伝導性が良く且
つ熱容量の小さい材料、好ましくはステンレス鋼などの
金属で形成することが好ましい。磁石原料の均熱化に有
利だからである。
【0010】制御装置は、各反応管の水素吸蔵及び水素
放出、加熱及び冷却を同期させて行うことが好ましい。
制御装置は、アナログ制御方式で構成しても良いし、マ
イクロコンピュータを利用してソフト的に構成しても良
い。希土類系磁石原料は、水素を吸蔵した後に水素を放
出する水素処理により磁気特性が向上するものであれば
よい。一般的にはR−T−ボロン系、R−T−M系を採
用できる。Rは希土類元素の意味であり、Y、La、C
e、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Luを採用できる。Nd及びPrのうち1種
または2種がRのうち50at%含むことができる。T
は鉄族元素の意味であり、Fe、Co、Niの少なくと
も1種を採用できるが、FeをTのうち50at%含む
ことができる。Mは正方晶ThMn12型化合物を生成
するための元素であり、Ti、V、Cr、Moを採用で
きる。
【0011】具体的にはNd−Co−Ga−B−Fe
系、Nd−Fe−Ti系、Nd−Fe−Ti−C系、N
d−Fe−V−C系等を採用できる。
【0012】
【作用】加熱室において反応管内の磁石原料を加熱つつ
つ反応管内の磁石原料に水素を吸蔵させる。その後、磁
石原料から水素を強制的に放出させ、これにより希土類
系磁石粉末が得られる。水素の吸蔵、放出により希土類
系磁石粉末の磁気特性が向上する。
【0013】水素の吸蔵に伴い磁石原料は発熱し、水素
の放出に伴い磁石原料は吸熱するため、上記した水素処
理において磁石原料の温度が均一化しにくいおそれがあ
る。この点本願発明では、水素処理を行う磁石原料を分
割して複数個の反応管に保持するので、分割された磁石
原料は互いに離間している。そのため隣設する磁石原料
間において、互いに発熱や吸熱は影響しにくい。
【0014】本発明では、各反応管は、周方向において
所定間隔でリング状に配置されており、その内周側には
内側発熱体が、その外周側には外側発熱体が装備されて
いるので、各反応管は内側と外側の双方から加熱され、
磁石原料は均一加熱され易い。また本発明では、各反応
管を回転させる回転手段が装備されているので、加熱の
際に回転させれば、磁石原料の温度は均一化し易い。
【0015】また本発明では、制御装置が各反応管の水
素吸蔵及び水素放出、加熱及び冷却を同期させて行うの
で、各反応管における水素処理が同期する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を説明する。この
例の原理図を図1に示す。図1に示す様に原料保持部1
は、磁石原料2を分割して互いに離間して保持する複数
個の反応管10で構成されている。分岐装置3は、各反
応管10に装入された多数個の分岐管30と、各分岐管
30を結合する集中管31とで構成されている。この例
では、反応管10における水素処理の同期性を確保すべ
く、各反応管10の材質、径、長さ、容積等は均等にさ
れており、更に、各分岐管30の流路径、流路長さも等
しくされている。
【0017】更に加熱装置4は発熱体を装備した加熱室
40を備えている。加熱室40の温度は温度制御装置4
5で制御される。水素ガス送給装置5は、水素ボンベ5
0と、切り替えバルブ51と、水素ボンベ50から切り
替えバルブ51に至る送給管52と、水素ガスの不純物
を除去する精製器53と、アキュムレータ54とを備え
ている。切り替えバルブ51には分岐装置3の集中管3
1が接続されている。排気装置6は加熱装置4の反応管
10内を減圧するものであり、真空ポンプ60と、切り
替えバルブ51につながる排気管61とで構成されてい
る。
【0018】上記した温度制御装置45の作動、切り替
えバルブ51の切り替え、真空ポンプ60の作動は、図
略の制御装置により信号線を介して制御される。従って
この制御装置は、各反応管10の水素吸蔵及び水素放
出、加熱及び冷却を同期させて行う。さて使用の際には
所要量の磁石原料2を各反応管10に均等に保持する。
1個の反応管10あたりの磁石原料2の保持量は適宜選
択できるが、一般的には0.5〜5kg程度にできる。
磁石原料2はNd−Co−Ga−B−Fe系であり、そ
の組成は具体的にはat%でNdが12.3%、Coが
20.0%、Bが6.0%、Gaが1.7%、不可避の
不純物、残部実質的にFeである。磁石原料2は基本的
には約30mm角形状である。
【0019】磁石原料2を均等に保持した状態の各反応
管10を加熱装置4の加熱室40に装入する。この状態
で切り替えバルブ51を操作して送給管52と集中管3
1とを連通させると共に、排気管61と集中管31とを
非連通とする。これにより水素ガス送給装置5により水
素ガスを各反応管10に送給する。このとき各反応管1
0には水素ガスが均等に送給されることになる。同時に
加熱装置4により反応管10内の磁石原料2を加熱す
る。磁石原料2の温度は磁石原料2に装入した熱電対4
iにより測温する(図2参照)。
【0020】上記の様に加熱しつつ磁石原料2に水素を
吸蔵させる。この様な水素吸蔵工程において、水素を吸
蔵させる際の磁石原料2の温度は約800°C、吸蔵時
間は約3時間である。また水素の圧力は1.2〜1.5
atmに設定されている。このとき各反応管10におけ
る水素吸蔵処理は均等に行われる様になる。上記の様に
水素吸蔵工程を終了したら、切り替えバルブ51を操作
して送給管52と集中管31とを非連通とするととも
に、集中管31と排気管61とを連通させ、その状態で
真空ポンプ60を作動して反応管10内を減圧して真空
(例えば10−5〜10 −9 Torr)とし、磁石原
料2に吸蔵されている水素を強制的に放出する水素放出
工程を行う。水素放出工程における温度は775〜85
0°Cとし、時間は約30分間とする。各反応管10に
おける水素放出処理は均等に行われる。
【0021】その後、磁石原料2を急冷する急冷工程を
行う。急冷工程はアルゴンガス等の冷却ガスや冷却水と
磁石原料2とを接触させたりして行う。冷却ガスや冷却
水と反応管10とを接触させて冷却させても良い。急冷
工程も各反応管10において均等に行われる。この様に
水素吸蔵工程、水素放出工程、急冷工程を経た磁石原料
2は粉粒状となる。この様な水素の吸蔵工程、放出工程
を経た磁石原料2は、磁気特性(最大磁気エネルギ積、
残留磁束密度、保磁力など)が向上する。
【0022】ところで加熱装置4における加熱を温度制
御装置45で制御し、反応管10内の磁石原料2の温度
ができるだけ均一する様にしているものの、水素の吸蔵
に伴い磁石原料2は発熱し、水素の放出に伴い磁石原料
2は吸熱するため、磁石原料2の温度の均一化は容易で
はなく、温度がバラツクおそれがある。この場合従来技
術と同様に希土類系磁石粉末の磁気特性のバラツキを招
来する。この点本実施例では前述した様に、水素処理を
行う磁石原料2を複数個の反応管10に分割して保持す
るので、分割された磁石原料2は互いに離間しており、
そのため磁石原料2の発熱や吸熱は隣設する磁石原料2
に影響しにくくなる。よって局部的な発熱や吸熱を抑制
でき、磁石原料2の温度の均一化、安定化に有利であ
る。
【0023】即ち、本実施例では水素吸蔵工程において
磁石原料2が発熱しても磁石原料2の温度の均一化、安
定化を図り得る。水素放出工程において磁石原料2が吸
熱しても磁石原料2の温度の均一化、安定化を図り得
る。従って希土類系磁石粉末の水素処理における温度の
均一化、安定化を図り得、希土類系磁石粉末の磁気特性
の局部的なバラツキを回避でき、希土類系磁石粉末の品
質の安定化に貢献できる。
【0024】特に本実施例では、制御装置が水素ガスの
送給、排出、更には加熱及び冷却を各反応管10におい
て同期させて行うので、各反応管10における水素吸蔵
工程及び水素放出工程が同期して実行される。即ち、多
数個の反応管10における水素処理が同期し、希土類系
磁石粉末を製造する生産性が向上し、量産化に適する。
【0025】更に本実施例では従来技術とは異なり、蓄
熱材を用いないため、蓄熱材の混入も回避できることは
勿論である。加えて水素吸蔵工程において水素の圧力を
1.2〜1.5atmに設定する本実施例では、後述す
る試験例に示す様に希土類系磁石粉末の磁気特性の向上
に一層有利である。
【0026】(他の例)図3は第2実施例を模式的に示
したものである。この例は基本的には前記した第1実施
例と同様な構成である。但し加熱室40は各反応管10
に対応する様な個別方式とされており、加熱装置4に多
数個並設されている。この例においても前記した第1実
施例と基本的には同様に、磁石原料2の水素処理におけ
る温度の均一化、安定化を図り得、希土類系磁石粉末の
磁気特性の局部的なバラツキを回避できる。
【0027】図4は第3実施例を模式的に示したもので
ある。この例は基本的には前記した第1実施例と同様な
構成である。但し各反応管10は互いに並列に配置され
ており、更に各反応管10に対応する個別の加熱装置4
が装備されている。この例では、反応管10は加熱装置
4の加熱室40にそれぞれ個別に装入される。各加熱装
置4は温度制御装置45により制御される。この例にお
いても前記した第1実施例と基本的には同様な作用効果
が得られ、希土類系磁石粉末の水素処理における温度の
均一化、安定化を図り得、磁石原料2の磁気特性の局部
的なバラツキを回避できる。
【0028】(適用例)本発明装置の適用例を図5に示
す。図5に示す様に外殻7は、急冷室70を構成する上
外殻71と、加熱室40を構成する下外殻72とを備え
ている。下外殻72の底部には走行車輪77が装備され
ており、下外殻72は図5の紙面の手前側及び向こう側
にレール77iにそって走行し得る様にされている。急
冷室70にはモータ76fを備えた急冷ファン76が取
付けられ、加熱室40には、軸線P1に対して同軸的な
内筒発熱体46及び外筒発熱体47が取付けられ、更に
給電用の電極48が装備されている。エア式のシリンダ
80が作動すると、断熱性材料で形成された仕切り板8
1が矢印F1、F2方向に移動して急冷室70と加熱室
40との仕切り及び仕切り解除が実行される。
【0029】水素ガス送給装置5はアキュムレータ54
を備えている。排気装置6は排気管6b、ロータリ真空
ポンプ6c、ターボ分子真空ポンプ6d、図略のブース
ター真空ポンプを備えている。排気管6bの先端には矢
印Y1、Y2方向に昇降可能でかつ矢印E1方向に回転
可能な回転管6tが装備されている。回転管6tは回転
手段として機能する。
【0030】回転管6tの下端部にはホルダ90が装備
されている。ここで、磁石原料2をセットするに際して
は、磁石原料2を保持した駕籠状の多数個の小容器91
をホルダ90の係合部に係止して吊持する。更に下殻体
72をレール77iにそって走行させて上殻体71の下
面開口を開放させた状態で、反応管10の上部をホルダ
90に保持し、これにより反応管10をホルダ90に取
付ける。反応管10はステンレス鋼製また耐熱合金(例
えばインコネル)製であり、有底状で上面開口をなす。
この様に反応管10をホルダ90に取付けた状態では、
各反応管10はホルダ90の軸芯P2の回りの周方向に
おいてリング状に配置されている。
【0031】水素吸蔵工程を行う場合には図略の駆動シ
リンダを駆動させて回転管6tをターボ分子真空ポンプ
6d等と共に矢印Y2方向に下降させて反応管10を加
熱室40に配置する。この状態では、リング状に配置さ
れた各反応管10の内周側には内筒発熱体46が配置さ
れ、各反応管10の外周側には外筒発熱体47が配置さ
れている。更に排気装置6を作動させて急冷室70及び
加熱室40内を減圧する。このとき急冷室70及び加熱
室40内は10−3Torr程度の真空度とされる。こ
の状態で回転管6tを所定速度で回転させ、かつ、回転
管6tから水素を反応管10内に送給すると共に、内筒
発熱体46及び外筒発熱体47を発熱させ、これにより
前述した様に水素吸蔵工程を行う。
【0032】水素吸蔵工程を終えたら、その後水素放出
工程を行う。このとき急冷室70及び加熱室40内は1
−3Torr程度の真空度とされると共に、回転管6
tからの排気により、反応管10内も10−8Torr
程度の高い真空度とされる。従って水素放出工程では加
熱室40及び急冷室70が真空である他に、反応管10
内が高真空に維持されるため、加熱の際における対流に
よる熱伝導を一層確実に回避でき、反応管10内におけ
る磁石原料2の温度の均一化、安定化に有利である。
【0033】ところで伝熱形態では対流は上部が高温、
下部が低温となる傾向にあり温度ムラを生じやすい。こ
の点この例では加熱室40及び急冷室70は真空のた
め、対流による熱伝導を実質的に回避でき、熱輻射を主
として利用できる。従って水素吸蔵工程、水素放出工程
における加熱の際に、反応管10内における磁石原料2
の温度の均一化、安定化に有利である。
【0034】更にこの例では内筒発熱体46及び外筒発
熱体47が同軸的に配置されているので、リング状に配
置された各反応管10の内周側及び外周側の双方から反
応管10内の磁石原料2は加熱され、磁石原料2の均一
加熱性を向上させ得、磁気特性のバラツキ回避に一層有
利である。しかもこの例では水素吸蔵工程、水素放出工
程において加熱する際には回転管6tが回転するので、
この意味でも磁石原料2の温度の均一化に一層有利であ
る。
【0035】上記の様にして水素吸蔵工程及び水素放出
工程を行ったら、回転管6tを矢印Y1方向に上昇させ
て各反応管10を急冷室70に配置すると共に、シリン
ダ80を作動させて仕切り板81を矢印F1方向に移動
させて加熱室40と急冷室70とを仕切り、加熱室40
の熱が急冷室70に極力移行しない様にする。その状態
でアルゴンガスを急冷室70に送給しつつ急冷ファン7
6で攪拌する。これにより磁石原料2の急冷が良好に行
なわれ、磁石原料2の磁気特性の向上に有利である。ま
た必要によっては反応管10内にも冷却ガスとしてのア
ルゴンガスを直接導入して磁石原料2の急冷を促進させ
ても良い。
【0036】(試験例)上記した実施例及び適用例では
水素吸蔵工程においても水素放出工程においても磁石原
料2の温度の均一化、安定化を図り得るので、希土類系
磁石粉末の磁気特性のバラツキを回避できる効果が得ら
れる。このことを確認するために、水素処理における代
表的な工程である水素放出工程における処理温度T℃
(図6参照)を種々に変化させた場合において、希土類
系磁石粉末の磁気特性を調べる試験を行った。
【0037】この試験では上記した第1実施例で製造し
た希土類系磁石粉末を用い、この希土類系磁石粉末を更
に機械的に粉砕し、74〜105μmの粒径のものを選
択し、この希土類系磁石粉末の磁気特性と水素放出工程
における処理温度との関係を調べた。試験結果を図7〜
図12に示す。図7の特性線A1は最大磁気エネルギ積
BHmaxと水素放出工程における処理温度との関係を
示す。特性線A1に示す様に処理温度が775〜850
°C、特に800〜825°Cのとき最大磁気エネルギ
積BHmaxは最大となり、処理温度が800〜825
°Cから降温しても昇温しても最大磁気エネルギ積BH
maxは低下することがわかる。
【0038】図8の特性線B1は残留磁束密度Brと水
素放出工程における処理温度との関係を示す。特性線B
1に示す様に処理温度が800〜840°Cとき残留磁
束密度Brは高くなり、処理温度が800よりも降温す
ると残留磁束密度Brは低下する傾向にあることがわか
る。図9の特性線C1は保磁力iHcと水素放出工程に
おける処理温度との関係を示す。特性線C1に示す様に
処理温度が800°Cとき保磁力iHcは最大となり、
処理温度が800°Cよりも降温しても昇温しても保磁
力iHcは低下する傾向にあることがわかる。
【0039】上記した図7〜図9に示す試験結果から理
解できる様に、水素放出工程における処理温度のバラツ
キは、希土類系磁石粉末の磁気特性に大きな影響を与え
るものであり、この意味で、上記した本実施例では磁石
原料2の温度の均一化、安定化を図り得るので、希土類
系磁石粉末の磁気特性のバラツキを回避できるものであ
る。
【0040】
【発明の効果】請求項1〜4の製造方法によれば、 水
素の吸蔵に伴い磁石原料は発熱し、水素の放出に伴い磁
石原料は吸熱するため、上記した水素処理において磁石
原料の温度が均一化しにくいという問題点を、水素処理
を行う希土類系磁石原料を分割し、さらには、1個の反
応管あたり0.5〜5kgとし、その分割した希土類系
磁石原料を複数個の反応管に保持するので、隣設する磁
石原料間において、互いに発熱や吸熱は影響しにくくな
るため、局所的な発熱や吸熱を抑制でき、希土類系磁石
原料の温度の均一化、安定化を図り得る。従って、製造
された希土類系磁石粉末の磁気特性のバラツキを回避で
き、希土類系磁石粉末の品質の安定化に貢献できる。よ
って希土類系磁石粉末の量産化、工業化に適する。
【0041】本発明の装置によれば、磁石原料を高温域
において水素を吸蔵、放出させ水素処理において、磁石
原料の温度の安定化を図り得る。従って、製造された希
土類系磁石粉末の磁気特性のバラツキを回避でき、希土
類系磁石粉末の品質の安定化に貢献できる。よって希土
類系磁石粉末の量産化、工業化に適する。また、本発明
の装置によれば、水素処理における磁石原料の温度の安
定化を一層図り得、希土類系磁石粉末の磁気特性のバラ
ツキ回避、希土類系磁石粉末の品質の安定化に一層貢献
できる。さらに本発明の装置によれば、制御装置が各反
応管の水素吸蔵及び水素放出、加熱及び冷却を同期させ
て行うので、各反応管における水素処理が同期し、生産
性が向上するので、希土類系磁石粉末の量産化、工業化
に一層適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の装置の概念を示す模式図である。
【図2】反応管内の磁石原料に熱電対を装入している状
態を示す模式図である。
【図3】第2実施例の装置の概念を示す模式図である。
【図4】第3実施例の装置の概念を示す模式図である。
【図5】適用例を示す断面図である。
【図6】水素処理工程における温度形態を示すグラフで
ある。
【図7】最大磁気エネルギ積と水素放出工程における処
理温度との関係を示すグラフである。
【図8】残留磁束密度と水素放出工程における処理温度
との関係を示すグラフである。
【図9】保磁力と水素放出工程における処理温度との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
図中、1は原料保持部、10は反応管、2は磁石原料、
4は加熱装置、40は加熱室、45は温度制御装置、4
6は内筒発熱体(内側発熱体)、47は外筒発熱体(外
側発熱体)、5は水素ガス送給装置、6は排気装置、6
tは回転管(回転手段)、60は真空ポンプを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K017 AA01 BA03 BA06 BB09 BB12 BB13 DA04 EA03 EA09 FA29 5E040 AA04 CA01 HB17 5E062 CC05 CD04 CG03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類系磁石原料に対して水素処理を
    行う希土類系磁石粉末の製造方法であって、 希土類系磁石原料を分割してお互いに離間している複数
    の反応管内に充填する工程と、 該反応管内の該希土類磁石原料に対して該水素処理を実
    行する工程と、を包含する永久磁石用希土類系磁石粉末
    の製造方法
  2. 【請求項2】 希土類系磁石原料に対して水素処理を
    行う希土類系磁石粉末の製造方法であって、 希土類系磁石原料を分割して1個の反応管あたり0.5
    〜5kgとし、該希土類系磁石原料を、お互いに離間し
    ている複数の反応管内に充填する工程と、 該反応管内の該希土類磁石原料に対して該水素処理を実
    行する工程と、を包含する永久磁石用希土類系磁石粉末
    の製造方法
  3. 【請求項3】 希土類系磁石粉末に対して水素処理を行
    う希土類磁石粉末の製造方法であって、 希土類系磁石原料を分割して1個の反応管あたり0.5
    〜5kgとし、対向間隔を所定距離になるように配列さ
    れた複数の反応管の側面部と、該複数の側面部の一端を
    相互に連結する底面部とを備えた該反応管内に希土類磁
    石原料を充填する工程と、該反応管内の該希土類磁石原
    料に対して該水素処理を実行する工程と、を包含する永
    久磁石用希土類系磁石粉末の製造方法
  4. 【請求項4】 希土類系磁石粉末に対して水素処理を行
    う希土類磁石粉末の製造方法であって、 希土類系磁石原料を分割して1個の反応管あたり0.5
    〜5kgとし、対向間隔を所定距離になるように配列さ
    れた複数の反応管の側面部と、該複数の側面部の一端を
    相互に連結する底面部と、排気装置に連結時に閉じられ
    る該底面部に対向する該反応管の開口部とを備えた該反
    応管内に希土類磁石原料を充填する工程と、該反応管内
    の該希土類磁石原料に対して該水素処理を実行する工程
    と、を包含する永久磁石用希土類系磁石粉末の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 該水素処理を実行する工程は、該希土類
    磁石原料に対して加熱しつつ水素を吸蔵させる工程と、
    該希土類磁石原料に対して加熱しつつ水素を放出させる
    工程とを包含する請求項1〜3の何れか一つに記載の永
    久磁石用希土類系磁石粉末の製造方法
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WO2004064085A1 (ja) * 2003-01-16 2004-07-29 Aichi Steel Corporation 異方性磁石粉末の製造方法
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