JP2002042695A - 偏向ヨーク及び表示装置 - Google Patents

偏向ヨーク及び表示装置

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JP2002042695A
JP2002042695A JP2000226447A JP2000226447A JP2002042695A JP 2002042695 A JP2002042695 A JP 2002042695A JP 2000226447 A JP2000226447 A JP 2000226447A JP 2000226447 A JP2000226447 A JP 2000226447A JP 2002042695 A JP2002042695 A JP 2002042695A
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magnetic field
coil
vertical deflection
vertical
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Kyosuke Aoki
恭介 青木
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画面サイズを変化させることなく、上下画像
湾曲歪みを適切に補正できるようにする。 【解決手段】 偏向ヨークの構成として、互いに直列に
接続された一対の垂直偏向コイル17,17と、偏向ヨ
ークの後端側で電子ビームを垂直偏向させる補正磁界を
形成するとともに、一対の垂直偏向コイル17,17に
対して並列に接続された補正コイル21とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管(CR
T)を用いたテレビジョン受像機やコンピュータ用ディ
スプレイ等の表示装置に係り、特に、表示装置において
電子ビームを偏向する偏向ヨーク(Deflection Yoke;
DY)に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、陰極線管を用いた表示装置は、
電子銃から出射された電子ビームを上下左右に偏向する
偏向ヨークを備えている。偏向ヨークは、水平偏向コイ
ルと垂直偏向コイルとを有するもので、陰極線管に搭載
して用いられる。また、水平偏向コイルは、電子ビーム
を左右(水平方向)に偏向させる水平偏向磁界を形成
し、垂直偏向コイルは、電子ビームを上下(垂直方向)
に偏向させる垂直偏向磁界を形成する。
【0003】ところで、電子ビームが照射される陰極線
管の蛍光面は、周辺にいくほど偏向中心からの距離が大
きく、電子ビームを偏向させると最も距離のある四隅
(画面のコーナー部)で偏向のふれが最大となる。その
結果、電子ビームの水平及び垂直走査によって形成され
るラスター画像は、ピンクッション形(糸巻形)に歪む
ことになる。こうしたピンクッション形の画像歪みは、
画面上で縦線が湾曲して現れる左右ピンクッション歪み
と、画面上で横線が湾曲して現れる上下ピンクッション
歪みとに分けられ、それぞれ個別に補正されている。
【0004】このうち、上下ピンクッション歪みに対す
る補正手段としては、偏向ヨークの前端側(蛍光面に近
い側)に上下一対の補正マグネット(棒状の永久磁石)
を配置し、これら一対の補正マグネットによる磁界の作
用で上下ピンクッション歪みを補正する技術が知られて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記一
対の補正マグネットを用いた補正技術では、例えば、垂
直偏向コイルの巻線分布にバラツキがあったり、補正マ
グネット自体の特性にバラツキがあったりすると、上下
ピンクッション歪みに対する補正量に過不足が生じる場
合があった。これにより、補正量が少なすぎた場合は、
画面上で横線が内側に湾曲するピンクッション形の画像
歪みが残り、補正量が多すぎた場合は画面上で横線が外
側に湾曲するバレル形の画像歪みが残ってしまう。以
下、画面上で横線が湾曲するピンクッション形及びバレ
ル形の画像歪みを「上下画像湾曲歪み」と記す。
【0006】この対策としては、偏向ヨークの後端側
(電子銃に近い側)に補正コイルを付設し、この補正コ
イルに垂直偏向周期に対応した補正電流を流すことによ
り、上下画像湾曲歪みを解消する技術が提案されてい
る。
【0007】ここで、補正コイルを用いた上下画像湾曲
歪みの補正原理につき、図7を用いて説明する。この図
7においては、偏向ヨーク30にコア31及び垂直偏向
コイル32が設けられ、電子銃(不図示)から出射され
た電子ビームを垂直偏向させ、所定の軌道を描いて蛍光
面33に入射させるようになっている。そして、これら
コア31及び垂直偏向コイル32の電子銃側、即ち偏向
ヨーク30の後端側に補正コイル34が配設されてい
る。
【0008】いま、補正コイル34に垂直偏向周期の補
正電流を流さず、何らの補正磁界も発生させていない場
合に、電子ビームがK0の軌道を描いて蛍光面33に入
射するものとする。これに対して、補正コイル34に垂
直偏向周期に対応した補正電流を流すと、これによって
発生する補正磁界の向きに応じて電子ビームの軌道が次
のように変化する。即ち、垂直偏向コイル32による垂
直偏向磁界と同じ向きで補正磁界を発生させると、電子
ビームはK1の軌道を描いて蛍光面33に入射し、上記
垂直偏向磁界と反対の向きで補正磁界を発生させると、
電子ビームはK2の軌道を描いて蛍光面33に入射す
る。
【0009】このように補正コイル34が発生する補正
磁界によって電子ビームの軌道が変化すると、それに応
じて蛍光面33に対する電子ビームの入射角度θも変化
する。具体的には、電子ビームがK1の軌道を描く場
合、K0の軌道を描く場合及びK2の軌道を描く場合の
順で、入射角度θが相対的に小さくなる。
【0010】これに対して、上下画像湾曲歪みのうち、
ピンクッション形の画像歪みは、蛍光面33に対する電
子ビームの入射角度θが相対的に大きくなると歪み量が
小さくなり、逆に入射角度θが相対的に小さくなると歪
み量が大きくなる傾向にある。そのため、ピンクッショ
ン形の画像歪みが生じた場合は、補正コイル34による
補正磁界によって電子ビームの軌道をK0からK1に変
化させることにより、歪み量を小さくすることができ
る。また、バレル形の画像歪みが生じた場合は、補正コ
イル34による補正磁界によって電子ビームの軌道をK
0からK2に変化させることにより、歪み量を小さくす
ることができる。さらに、補正コイル34に流す電流の
量を制御して補正磁界の強さを調整することにより、ピ
ンクッション形及びバレル形の画像歪みをいずれも適切
に補正することが可能となる。
【0011】ところが、上記補正コイル34を用いた補
正技術においては、垂直偏向コイルに対して補正コイル
34を直列に接続することにより、垂直偏向コイルとは
分離したかたちで補正コイル34に鋸歯状波の補正電流
を流すようにしているため、補正の前後で画面サイズが
変化してしまうという不具合があった。
【0012】さらに詳述すると、ピンクッション形の画
像歪みを補正する場合は、補正コイル34による補正磁
界によって電子ビームの垂直偏向量が増加し、これによ
って画面全体が上下方向で引き伸ばされる。その結果、
図8(A),(B)に示すように、補正前の画面1のサ
イズ(縦サイズ)H1に比較して補正後の画面1のサイ
ズH2が大きくなってしまう。また、バレル形の画像歪
みを補正する場合は、補正コイル34による補正磁界に
よって電子ビームの垂直偏向量が減少し、これによって
画面全体が上下方向で縮められる。その結果、図8
(C),(D)に示すように、補正前の画面1のサイズ
(縦サイズ)H3に比較して補正後の画面1のサイズH
4が小さくなってしまう。そのため、上下画像湾曲歪み
を補正した後に、画面サイズを再調整する必要があっ
た。
【0013】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、画面サイズを変
化させることなく、上下画像湾曲歪みを適切に補正でき
るようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る偏向ヨーク
においては、互いに直列に接続された一対の垂直偏向コ
イルと、偏向ヨークの後端側で電子ビームを垂直偏向さ
せる補正磁界を形成するとともに、一対の垂直偏向コイ
ルに対して並列に接続された補正コイルとを備えた構成
となっている。また、本発明に係る表示装置において
は、上記構成の偏向ヨークを用いたものとなっている。
【0015】上記構成の偏向ヨーク及びこれを用いた表
示装置においては、一対の垂直偏向コイルに対して補正
コイルを並列に接続した構成となっているため、垂直偏
向時に垂直偏向回路等の電流供給系から供給される垂直
偏向電流が、一対の垂直偏向コイルと補正コイルとに分
流するようになる。これにより、偏向ヨークの後端側に
補正磁界が形成され、この補正磁界によって電子ビーム
が垂直偏向されることにより、上下画像湾曲歪みが補正
される。また、上下画像湾曲歪みを適切に補正するにあ
たって、補正コイルに流れる電流の割合を増減させる
と、それに相反するかたちで一対の垂直偏向コイルに流
れる電流の割合が増減する。そのため、補正の前後で画
面サイズが一定に維持される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、例えばインライン式陰極線
管を備えた表示装置とこの表示装置に用いられる偏向ヨ
ークに適用した場合の本発明の実施の形態につき、図面
を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】図1は本発明に係る陰極線管の全体像を示
す概略斜視図である。図1において、陰極線管バルブ
(陰極線管本体)10は、パネル部11、ファンネル部
12及びネック部13により構成されている。パネル部
11の内面には、赤,青,緑の各色蛍光体をパターン配
列した蛍光面(不図示)が形成されている。一方、ネッ
ク部13には、電子ビームの出射源となる電子銃14が
内装されている。また、ネック部13からファンネル部
12に至るコーン部には、電子ビームを偏向する偏向ヨ
ーク15が装着されている。この偏向ヨーク15は、当
該ヨーク中心軸が陰極線管バルブ10の中心軸に一致す
るように取り付け調整されている。
【0018】上記構成の陰極線管は、パネル部11内面
の蛍光面にカラー画像(又は白黒画像)を再現するのに
必要な各種の付属部品とともに図示せぬ筐体に組み込ま
れ、これによってテレビジョン受像機やコンピュータ用
ディスプレイ等の表示装置が構成される。
【0019】図2は本発明に係る偏向ヨークの一部破断
面を含む側面図である。図2において、偏向ヨーク15
には、水平偏向コイル16、垂直偏向コイル17、セパ
レータ18、DYコア19及びリングマグネット20等
の部品が装備されている。水平偏向コイル16はセパレ
ータ18の内周側に組み込まれ、垂直偏向コイル17は
セパレータ18の外周側に組み込まれている。セパレー
タ18は樹脂等の絶縁材料からなるもので、全体として
略ラッパ状に形成されている。
【0020】また、水平偏向コイル16は偏向ヨーク1
5の上下に対をなしてサドル形に巻線され、垂直偏向コ
イル17は偏向ヨーク15の左右に対をなしてサドル形
に巻線されている。そして、電子銃14から出射される
電子ビームの軌道上において、水平偏向コイル16は電
子ビームを左右(水平方向)に偏向する磁界(水平偏向
磁界)を発生し、垂直偏向コイル17は電子ビームを上
下(垂直方向)に偏向する磁界(垂直偏向磁界)を発生
する。なお、垂直偏向コイル17はDYコア19にトロ
イダル形に巻線される場合もある。
【0021】DYコア19はフェライト等の磁性材料か
らなるもので、ヨーク中心軸方向の一方を他方よりも大
きく開口した略円錐筒形状に形成されている。このDY
コア19は、水平偏向コイル16及び垂直偏向コイル1
7が発生する磁界の効力を高めるために、それらの偏向
コイル16,17を覆うように装着されている。リング
マグネット20は、電子銃14の組み立て誤差等による
電子ビームの軌道ずれを補正するために、偏向ヨーク1
5の後端部に取り付けられている。
【0022】さらに、偏向ヨーク15の後端側には、上
下画像湾曲歪みを補正するための補正コイル21が設け
られている。この補正コイル部21は、図3に示すよう
に、陰極線管のネック部13内を進行する3本の電子ビ
ームB,G,Rを垂直偏向させる補正磁界(後述)を形
成するもので、6つのコイルL1〜L6によって構成さ
れている。
【0023】上記6つのコイルL1〜L6は、ネック部
13の外側に配置された一対のC形磁性体22A,22
Bと一対のT形磁性体23A,23Bを用いて巻線され
ている。一対のC形磁性体22A,22Bは、偏向ヨー
ク15の垂直軸となるY軸上(上下)で互いに対向する
状態に配置されている。一対のT形磁性体23A,23
Bは、偏向ヨーク15の水平軸となるX軸上(左右)で
互いに対向する状態に配置されている。
【0024】これに対して、コイルL1はT形磁性体2
3Aの端部、コイルL2はC形磁性体22Bの一方(図
の左側)の端部、コイルL3はC形磁性体22Bの他方
(図の右側)の端部、コイルL4はT形磁性体23Bの
端部、コイルL5はC形磁性体22Aの一方(図の右
側)の端部、コイルL6はC形磁性体22Aの他方(図
の左側)の端部に、それぞれ巻線されている。
【0025】なお、コイルL1〜L6が巻線される磁性
体の形状としては、上記のC形、T形に限定されるもの
ではない。また、磁芯となる磁性体を用いることなく、
コイルL1〜L6を空芯コイルで構成することも可能で
ある。
【0026】図4は本発明の実施形態に係るコイル結線
状態を示す回路図である。図4において、一対の垂直偏
向コイル17,17は互いに直列に接続されている。こ
の一対の垂直偏向コイル17,17に対しては、図示し
ない垂直偏向回路から垂直偏向周期に対応した鋸歯状波
電流Ivが供給される構成となっている。この鋸歯状波
電流Ivは、垂直偏向周期に同期して一対の垂直偏向コ
イル17,17に与えられる電流、つまり垂直偏向電流
である。この垂直偏向電流Ivは、例えば、垂直偏向周
期の前半部分でプラス(正)の値、後半部分でマイナス
(負)の値をとるものとする。
【0027】上記一対の垂直偏向コイル17,17に対
しては、補正コイル21と可変抵抗VRを含む補正回路
24が並列に接続されている。この補正回路24は、一
対の垂直偏向コイル17,17の両端に接続点T1,T
3をもって並列に接続されている。また、補正回路24
内においては、補正コイル21を構成する6つのコイル
L1〜L6が互いに直列に接続されている。また、可変
抵抗VRは、補正コイル21の一端(図例ではコイルL
6側)に直列に接続されている。
【0028】なお、補正コイル21と可変抵抗VRを直
列に接続してなる補正回路24については、一対の垂直
偏向コイル17,17に並列に接続された他の回路(不
図示)を介して、一対の垂直偏向コイル17,17に対
し並列に接続されていても良い。また、可変抵抗VRに
ついては、補正コイル21の他端(図例ではコイルL1
側)に直列に接続されていても良いし、互いに隣り合う
2つのコイル間(例えば、コイルL3とコイルL4の
間)に直列に接続されていても良い。
【0029】上記の回路構成においては、図示しない垂
直偏向回路から一対の垂直偏向コイル17,17に対し
て垂直偏向電流Ivが供給される。この垂直偏向電流I
vの向き(極性)は、垂直偏向周期の前半部分と後半部
分で反転するものの、一対の垂直偏向コイル17,17
に流れる電流量と補正コイル21に流れる電流量は、垂
直偏向周期の中間点(垂直偏向電流Ivがゼロになる時
点)を境に前半部分と後半部分で対称性をもつ。そのた
め、回路的には電流の方向が反転するだけで同様の動作
となる。したがって、ここでは垂直偏向周期の前半部分
における回路動作を例に挙げて説明することとする。
【0030】先ず、図4の矢印で示す方向から垂直偏向
電流Ivが供給されると、接続点T1において垂直偏向
電流Ivがメイン偏向電流Imと補正電流Ihとに分流
される。これにより、一対の垂直偏向コイル17,17
に電流(以下、メイン偏向電流と記す)Imが流れる一
方、補正コイル21(コイルL1〜L6)に電流(以
下、補正電流と記す)Ihが流れる。このとき、可変抵
抗VRによる直流抵抗成分の付加によって、メイン偏向
電流Imの方が補正電流Ihよりも量的に多くなる。た
だし、メイン偏向電流Imと補正電流Ihの割合(電流
比)は、可変抵抗VRの抵抗値に依存したものとなる。
【0031】即ち、可変抵抗VRの摺動子Sをセンター
位置から一方側(図の左側)に移動させると、それにつ
れて可変抵抗VRの抵抗値が小さくなる。このため、補
正コイル21に流れる補正電流Ihの割合が増加し、そ
の分だけ一対の垂直偏向コイル17,17に流れるメイ
ン偏向電流Imの割合が低下する。また、これと反対
に、可変抵抗VRの摺動子Sをセンター位置から他方側
(図の右側)に移動させると、それにつれて可変抵抗V
Rの抵抗値が大きくなる。このため、一対の垂直偏向コ
イル17,17に流れるメイン偏向電流Imの割合が増
加し、その分だけ補正コイル21に流れる補正電流Ih
の割合が低下する。
【0032】続いて、補正コイル21に補正電流Ihが
流れた場合に形成される補正磁界について、図5及び図
6を用いて説明する。なお、図5及び図6は、いずれも
陰極線管のネック部13をパネル側から見た状態を示し
ている。
【0033】先ず、図5(A)に示すように、一対のC
形磁性体22A,22Bに巻線された4つのコイルL
2,L3,L5,L6に補正電流Ihが流れると、イン
ライン配列で出射された3本の電子ビームB,G,Rの
軌道上において、一対のC形磁性体22A,22Bの両
端部をそれぞれ磁極(N極、S極)とする4重極磁界φ
1が形成される。
【0034】この4重極磁界φ1は、一対のC形磁性体
22A,22Bの各一端をN極、各他端をS極としたピ
ンクッション形の磁界となる。そのため、3本の電子ビ
ームB,G,Rに対しては、これらを上側に垂直偏向さ
せるかたちで4重極磁界φ1が作用する。また、4重極
磁界φ1がピンクッション形をなすことから、両側のサ
イドビームB,Rに比較して中央のセンタービームGに
より強く磁界が作用する。
【0035】一方、図5(B)に示すように、一対のT
形磁性体23A,23Bに巻線された2つのコイルL
1,L4に補正電流Ihが流れると、上記3本の電子ビ
ームB,G,Rの軌道上において、一対のT形磁性体2
3A,23Bの各端部をそれぞれ磁極(N極、S極)と
する2重極磁界φ2が形成される。
【0036】この2重極磁界φ2は、一方のT形磁性体
23Aの端部をS極、他方のT形磁性体23Bの端部を
N極としたバレル形の磁界となる。そのため、3本の電
子ビームB,G,Rに対しては、これらを上側に垂直偏
向させるかたちで2重極磁界φ2が作用する。また、2
重極磁界φ2がバレル形をなすことから、中央のセンタ
ービームGに比較して両側のサイドビームB,Rにより
強く磁界が作用する。
【0037】ただし、実際の回路動作では、6つのコイ
ルL1〜L6に同時に補正電流Ihが流れるため、補正
コイル21によって形成される補正磁界は、上記4重極
磁界φ1と2重極磁界φ2を合成したものとなる。この
うち、4重極磁界φ1はピンクッション形をなし、2重
極磁界φ2はバレル形をなすため、これらを合成した磁
界は、各々の磁界φ1,φ2が3本の電子ビームB,
G,Rに及ぼす作用の強弱を補完し合うものとなる。
【0038】その結果、補正コイル21による補正磁界
は、図6に示すように3本の電子ビームB,G,Rを上
側に垂直偏向させる略斉一な磁界φ3となる。この補正
磁界φ3は、一方のサイドビームRに近い3つの磁極が
N極でかつ他方のサイドビームBに近い3つの磁極がS
をなす6重極の磁界となる。
【0039】これに対して、垂直偏向周期の後半部分で
は、垂直偏向電流Ivの方向(極性)が反転することか
ら、コイルL2,L3,L5,L6によって形成される
磁界は図5(A)に示す4重極磁界φ1と逆向きの4重
極磁界(ピンクッション形)となり、コイルL1,L4
によって形成される磁界は、図5(B)に示す2重極磁
界φ2と逆向きの2重極磁界(バレル形)となる。した
がって、補正コイル21によって形成される補正磁界
は、図6に示す補正磁界φ3と逆向きの6重極磁界(略
斉一な磁界)となり、この磁界作用によって3本の電子
ビームB,G,Rが下側に垂直偏向される。
【0040】ここで、本実施形態における回路構成(図
4)では、可変抵抗VRの摺動子Sをどのように移動さ
せても、補正コイル21に流れる補正電流Ihの量がゼ
ロにはならない。そのため、偏向ヨーク15の動作時に
は、補正コイル21による補正磁界が常に形成されるこ
とになる。
【0041】この点に関しては、偏向ヨーク15を設計
するうえで、可変抵抗VRの摺動子Sがセンター位置
(或いはその近傍)にあるとき、つまり可変抵抗VRに
よる調整範囲内において補正コイル21に流れる補正電
流Ihの割合が中間レベルにあるときに、一対の垂直偏
向コイル17,17による垂直偏向磁界と補正コイル2
1による補正磁界との相互作用によって上下画像湾曲歪
みの歪み量がほぼゼロとなるように設定すればよい。
【0042】このような設定条件の下で、可変抵抗VR
の摺動子Sがセンター位置(初期設定位置)にあるとき
に上下画像湾曲歪みが発生した場合は、その歪み形状が
ピンクッション形であるか、バレル形であるかによって
可変抵抗VRの摺動子Sを適宜移動させることになる。
【0043】具体的には、画面上に生じた上下画像湾曲
歪みがピンクッション形の画像歪みであった場合は、可
変抵抗VRの摺動子Sをセンター位置から一方側(図の
左側)に移動させる。これにより、可変抵抗VRの抵抗
値が小さくなって補正コイル21に流れる補正電流Ih
の割合が増加する。そのため、補正コイル21によって
形成される補正磁界が強まる。この補正磁界は、一対の
垂直偏向コイル17,17による垂直偏向磁界と同じ向
きで形成されるため、当該補正磁界が強まることで、蛍
光面に対する電子ビームの入射角度が相対的に大きくな
る。したがって、補正コイル21に流れる補正電流Ih
の割合(増加分)を画像歪みの度合いに応じて調整する
ことにより、ピンクッション形の画像歪みを適切に補正
することが可能となる。
【0044】これに対して、画面上に生じた上下画像湾
曲歪みがバレル形の画像歪みであった場合は、可変抵抗
VRの摺動子Sをセンター位置から他方側(図の右側)
に移動させる。これにより、可変抵抗VRの抵抗値が大
きくなって補正コイル21に流れる補正電流Ihの割合
が減少する。そのため、補正コイル21によって形成さ
れる補正磁界が弱まる。この補正磁界は、上記同様に一
対の垂直偏向コイル17,17による垂直偏向磁界と同
じ向きで形成されるため、当該補正磁界が弱まること
で、蛍光面に対する電子ビームの入射角度が相対的に小
さくなる。したがって、補正コイル21に流れる補正電
流Ihの割合(減少分)を画像歪みの度合いに応じて調
整することにより、バレル形の画像歪みを適切に補正す
ることが可能となる。
【0045】一方、画面サイズの観点から考えると、ピ
ンクッション形の画像歪みを補正するために可変抵抗V
Rの抵抗値を小さくした場合は、補正コイル21に流れ
る補正電流Ihの割合が増加することで補正磁界が強ま
り、これによって画面サイズが大きくなる方向で変化し
ようとする。ただし、補正電流Ihの割合が増加する
分、一対の垂直偏向コイル17,17に流れるメイン偏
向電流Imの割合が減少するため、これに伴う垂直偏向
磁界の弱まりによって画面サイズの変化(拡大)が抑制
される。
【0046】また、バレル形の画像歪みを補正するため
に可変抵抗VRの抵抗値を大きくした場合は、補正コイ
ル21に流れる補正電流Ihの割合が減少することで補
正磁界が弱まり、これによって画面サイズが小さくなる
方向で変化しようとする。ただし、補正電流Ihの割合
が減少する分、一対の垂直偏向コイル17,17に流れ
るメイン偏向電流Imの割合が増加するため、これに伴
う垂直偏向磁界の強まりによって画面サイズの変化(縮
小)が抑制される。
【0047】このように本実施形態においては、可変抵
抗VRの抵抗値を変えて上下画像湾曲歪みを補正するに
あたり、補正コイル21による補正磁界が画面サイズに
与える影響と、一対の垂直偏向コイル17,17による
垂直偏向磁界が画面サイズに与える影響が互いに打ち消
し合うため、補正の前後で画面サイズは一定に維持され
る。その結果、画面サイズを変化させることなく、上下
画像湾曲歪み(ピンクッション形及びバレル形の画像歪
み)を適切に補正することが可能となる。
【0048】このことは、電子ビームの垂直偏向時に供
給される垂直偏向電流Ivが、可変抵抗VRの抵抗値の
変化(摺動子Sの位置)に関係なく、一対の垂直偏向コ
イル17,17と補正コイル21とに分流し、これによ
ってIv=Im+Ihという関係式が成立することから
も容易に理解できる。
【0049】また、本実施形態においては、補正コイル
21を構成する6つのコイルL1〜L6のうち、コイル
L2,L3,L5,L6によってピンクッション形の4
重極磁界φ1を形成する一方、コイルL1,L2によっ
てバレル形の2重極磁界φ2を形成し、これによって略
斉一な補正磁界(6重極磁界)φ3を得るようにしたの
で、インライン配列で出射された3本の電子ビームB,
G,Rに対し、それぞれ均一に補正磁界φ3を作用させ
ることができる。その結果、コンバージェンスを変化さ
せることなく、上下画像湾曲歪みを補正することが可能
となる。
【0050】なお、本実施形態においては、補正コイル
21によって形成される補正磁界を、一対の垂直偏向コ
イル17,17による垂直偏向磁界と同じ向きで形成す
るものとしたが、これを逆向きで形成しても同様の効果
を得ることができる。
【0051】また、上記実施形態においては、補正コイ
ル21による補正磁界φ3を6重極として略斉一な磁界
を得るようにしたが、特に、6重極の磁界を採用しなく
ても、例えば極数を増やして8重極、10重極の磁界を
採用し、これによって完全な斉一に近い補正磁界を実現
することも可能である。ただし、ピンクッション形の磁
界とバレル形の磁界の組み合わせ(合成)によって略斉
一な磁界を得るには、6重極が最少の極数となるため、
回路構成を簡素化する観点からすると6重極を採用する
ことが望ましい。
【0052】さらに、一対のC形磁性体22A,22B
の各中間部(Y軸上)に、それぞれコイルL2,L3に
代わる一つのコイルと、コイルL5,L6に代わる一つ
のコイルを巻線することにより、コイル全体の個数を減
らしたうえで、略斉一な補正磁界(6重極磁界)を形成
することが可能となる。この場合、補正コイル21を構
成するコイルの個数は全部で4つになる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、偏
向ヨークの構成上、一対の垂直偏向コイルに対して補正
コイルを並列に接続しているため、垂直偏向時に供給さ
れる垂直偏向電流が補正コイルに分流して補正磁界が形
成され、この補正磁界によって上下画像湾曲歪みが補正
される。また、上下画像湾曲歪みを適切に補正するにあ
たって、補正コイルに流れる電流の割合を増減させる
と、これと相反するかたちで一対の垂直偏向コイルに流
れる電流の割合が増減するため、補正の前後で画面サイ
ズを一定に維持することができる。その結果、画面サイ
ズを変化させることなく、上下画像湾曲歪みを適切に補
正することが可能となる。これにより、上下画像湾曲歪
みを補正した後に、画面サイズを再調整する必要がなく
なるため、製造工程の簡素化が実現されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る陰極線管の全体像を示す概略斜視
図である。
【図2】本発明に係る偏向ヨークの一部破断面を含む側
面図である。
【図3】本発明の実施形態における補正コイルの配置状
態を示す図である。
【図4】本発明の実施形態におけるコイル結線状態を示
す回路図である。
【図5】補正コイルによって形成されるピンクッション
形及びバレル形の磁界を説明する図である。
【図6】補正コイルによって形成される補正磁界を説明
する図である。
【図7】補正コイルによる上下画像湾曲歪みの補正原理
を説明する図である。
【図8】上下画像湾曲歪みを補正する際の不具合を説明
する図である。
【符号の説明】
15…偏向ヨーク、17…垂直偏向コイル、21…補正
コイル、22A,22B…C形磁性体、23A,23B
…T形磁性体、24…補正回路、L1〜L6…コイル、
VR…可変抵抗

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに直列に接続された一対の垂直偏向
    コイルと、 偏向ヨークの後端側で電子ビームを垂直偏向させる補正
    磁界を形成するとともに、前記一対の垂直偏向コイルに
    対して並列に接続された補正コイルとを備えることを特
    徴とする偏向ヨーク。
  2. 【請求項2】 前記一対の垂直偏向コイルに流れる電流
    と前記補正コイルに流れる電流の割合を調整する電流調
    整手段を具備することを特徴とする請求項1記載の偏向
    ヨーク。
  3. 【請求項3】 前記補正コイルは、電子ビームを垂直偏
    向させるピンクッション形の磁界を形成するコイルと、
    電子ビームを垂直偏向させるバレル形の磁界を形成する
    コイルとによって構成されることを特徴とする請求項1
    記載の偏向ヨーク。
  4. 【請求項4】 前記電流調整手段による調整範囲内にお
    いて前記補正コイルに流れる電流の割合が中間レベルに
    あるときに、前記一対の垂直偏向コイルによる垂直偏向
    磁界と前記補正コイルによる補正磁界との相互作用によ
    って上下画像湾曲歪みの歪み量がほぼゼロとなるように
    設定してなることを特徴とする請求項2記載の偏向ヨー
    ク。
  5. 【請求項5】 互いに直列に接続された一対の垂直偏向
    コイルと、 偏向ヨークの後端側で電子ビームを垂直偏向させる補正
    磁界を形成するとともに、前記一対の垂直偏向コイルに
    対して並列に接続された補正コイルとを備える偏向ヨー
    クを用いたことを特徴とする表示装置。
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