JP2002040684A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2002040684A
JP2002040684A JP2000228838A JP2000228838A JP2002040684A JP 2002040684 A JP2002040684 A JP 2002040684A JP 2000228838 A JP2000228838 A JP 2000228838A JP 2000228838 A JP2000228838 A JP 2000228838A JP 2002040684 A JP2002040684 A JP 2002040684A
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Japan
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fluororesin powder
charge transport
transport layer
resin
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JP2000228838A
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English (en)
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Shigeaki Tokutake
重明 徳竹
Keiichi Inagaki
圭一 稲垣
Sadako Edo
貞子 江戸
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたって良好な耐摩耗性と離型性を維
持する、製造容易性に優れた電子写真感光体を提供する
こと。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層を有
する電子写真感光体において、最表面層が一般式
(I); 【化1】 (式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原
子、塩素原子、または炭素原子数1または2のフッ素原子
置換アルキル基である;但し、R1〜R4のうち少なくとも
1つはフッ素原子を含む)で表される1またはそれ以上の
モノマーを重合してなる、数平均分子量10万から100万
のフッ素樹脂粉体を含むことを特徴とする電子写真感光
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体に関
する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置に適用される感光体として
は一般に導電性支持体上に少なくとも有機系の感光層を
有する電子写真感光体が知られている。従来からの感光
体においては、長期にわたる使用に伴って感光層が摩耗
するという耐摩耗性の問題が生じていた。
【0003】そこで、感光層にフッ素樹脂粒子を添加す
る技術が知られている(例えば、特開平8-6366号公報、
特開平8-87125号公報および特開平8-15877号公報参
照)。しかしながら、いずれの技術においても、感光層
の摩耗量を低減できるものの、十分な耐摩耗性を得るこ
とはできなかった。さらには、長期にわたる使用に伴っ
て、感光体上に形成されたトナー像を良好に転写できな
くなり、画像の一部が転写されない中抜けが発生すると
いう離型性の問題が生じていた。特に、感光体上に形成
されたトナー像を一旦、中間転写体上に転写し、その後
紙等の被転写体に転写するフルカラー画像形成装置にお
いては、上記離型性の問題は顕著であった。
【0004】さらには、フッ素樹脂粒子の感光層塗布液
中での分散性が悪いため、フッ素樹脂粒子を含む感光層
塗布液を保存したとき凝集物が生成し、使用前に再度分
散させなけらばならないという新たな問題も生じていた
(製造容易性)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、長期にわた
って良好な耐摩耗性と離型性を維持する電子写真感光体
を提供することを目的とする。
【0006】本発明はまた、長期にわたって良好な耐摩
耗性と離型性を維持する、製造容易性に優れた電子写真
感光体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体におい
て、最表面層が一般式(I);
【化2】 (式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原
子、塩素原子、または炭素原子数1または2のフッ素原子
置換アルキル基である;但し、R1〜R4のうち少なくとも
1つはフッ素原子を含む)で表される1またはそれ以上の
モノマーを重合してなる、数平均分子量10万から100万
のフッ素樹脂粉体を含むことを特徴とする電子写真感光
体に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真感光体は導電性
支持体上に少なくとも感光層を有してなり、感光層の最
表面層に特定のフッ素樹脂粉体が分散されてなる。感光
層の最表面層とは感光層表面を形成する層、すなわち感
光層を構成する最外層を意味する。
【0009】本発明の感光層の構成は、最表面層に特定
のフッ素樹脂粉体が分散されていれば特に制限されず、
例えば、感光層が電荷発生層および電荷輸送層を順次
積層した構成であっても、感光層が電荷輸送材料と電
荷発生材料とを含む単層型の構成であっても、感光層
が電荷発生層、電荷輸送層および表面保護層を順次積層
した構成であっても、感光層が電荷輸送材料と電荷発
生材料とを含む層および表面保護層を順次積層した構成
であっても、感光層が電荷輸送層および電荷発生層を
順次積層した構成であっても、感光層が電荷輸送層、
電荷発生層および表面保護層を順次積層した構成であっ
てもよい。感光層がいずれの構成を有する場合であって
もフッ素樹脂粉体は最表面層に分散され、詳しくはフッ
素樹脂粉体は、上記の構成の場合は電荷輸送層に、上
記の構成の場合は電荷輸送材料と電荷発生材料とを含
む層に、上記、およびの構成の場合は表面保護層
に、上記の構成の場合は電荷発生層に分散される。な
お、いずれの感光層構成を有していても、本発明の感光
体は導電性支持体に、感光層の形成に先だって、下引層
が形成されていてもよい。
【0010】以下、感光層が電荷発生層および電荷輸送
層を順次積層した構成を有するときの本発明の感光体に
ついて説明するが、感光層が上記他の構成を有するとき
の本発明の感光体についての説明は、各層の形成順序、
および/または各層を構成する材料の組み合わせ等が異
なること以外、以下の説明と同様である。
【0011】まず、導電性支持体上に電荷発生層が形成
される。電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着する
か、電荷発生材料をアミン系溶媒に溶解させて塗布し、
乾燥させるか、あるいは電荷発生材料を適当な溶媒もし
くは必要であれば結着樹脂を溶解させた溶液中に分散さ
せて作製した塗布液を塗布し、乾燥させることにより形
成される。電荷発生層の厚さは0.01〜5μm、好ましく
は0.1〜2μmであることが望ましい。
【0012】導電性支持体としては、銅、アルミニウ
ム、鉄、ニッケル等の箔あるいは板をドラム状にしたも
のが使用される。また、これらの金属をプラスチックフ
ィルム等に真空蒸着、スパッタリング、無電解メッキし
たもの、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム、酸
化スズ等の導電性化合物の層を、紙あるいはプラスチッ
クフィルム上に塗布もしくは蒸着、スパッタリングによ
って設けたものも使用可能である。一般的に円筒状のア
ルミニウムが使用されるが、具体的には例えば、押出加
工後、冷間引き抜き加工したもの(ED管)、押し出し加
工後、引き抜き加工を施したアルミニウムパイプを切断
し、その外表面をダイヤモンドバイト等の切削工具を用
いて約0.2〜0.3mmで切削し仕上げたもの(切削管)、ア
ルミニウム円板をインパクト加工してカップ状とした
後、外表面をしごき加工により仕上げたもの(EI管)、
アルミニウム円板を深絞り加工した後、外表面をしごき
加工により仕上げたもの(DI管)等が挙げられる。ま
た、これらの表面をさらに切削したもの、陽極酸化処理
したもの、陽極酸化処理後、さらに封孔処理したものを
用いてもよい。
【0013】このような導電性支持体上には電荷発生層
の形成に先だって、導電性支持体からの電荷注入の防止
の目的から下引層が形成されていてもよい。
【0014】下引層を設ける場合、その材料としてはポ
リアミド、ポリビニルアルコール、共重合ナイロン、メ
トキシメチル化ナイロン、ポリビニルブチラール、ポリ
アクリレート等の水あるいはアルコール可溶性樹脂、ポ
リウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹
脂、エポキシ樹脂等の硬化型樹脂、または酸化スズや酸
化インジウムなどの低抵抗化合物を分散させたもの、ま
たは酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素などの蒸
着膜等が適当である。この場合、下引層の膜厚は1μm以
下であることが望ましい。
【0015】電荷発生材料としては、例えば、ビスアゾ
系顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、
オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色
素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、アゾ系染料、
キナクリドリン系染料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔
料、多環キノン系顔料、ベンゾイミダゾール系顔料、イ
ンダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシア
ニン系顔料等が挙げられる。この他、光を吸収して極め
て高い効率で電荷担体を発生する材料であれば、単独も
しくは2種以上を併用して用いることができる。
【0016】電荷発生層が電荷発生材料を結着樹脂中に
分散させてなっている場合、当該層における電荷発生材
料の含有量は結着樹脂100重量部に対して10〜400重量
部、好ましくは50〜250重量部が好適である。
【0017】次いで、電荷輸送層が形成される。電荷輸
送層はフッ素樹脂粉体、電荷輸送材料および結着樹脂を
含む塗布液を、上記電荷発生層上に塗布し、乾燥させる
ことにより形成される。電荷輸送層の厚さは5〜50μm
であることが望ましい。
【0018】本発明においてフッ素樹脂粉体は、一般式
(I);
【化3】 で表される1またはそれ以上のモノマーを重合してなる
単独重合体または共重合体である。
【0019】式(I)中、R1〜R4はそれぞれ独立して水
素原子、フッ素原子、塩素原子、または炭素原子数1ま
たは2のフッ素原子置換アルキル基である。但し、R1〜R
4のうち少なくとも1つはフッ素原子を含む基、すなわち
フッ素原子または炭素原子数1または2のフッ素原子置換
アルキル基である。
【0020】そのようなフッ素樹脂粉体の具体例として
は、例えば、テトラフルオロエチレン、ビニリデンフル
オライド、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロク
ロロエチレン、フッ化ビニル、3-フルオロプロピレン、
1-クロロ-3-フルオロエチレンからなる群から選択され
る1またはそれ以上のモノマーを重合してなる単独重合
体または共重合体等が挙げられる。
【0021】好ましくは式(I)中、R1〜R4はそれぞれ
独立して水素原子、フッ素原子、またはトリフルオロメ
チル基である。但し、R1〜R4のうち少なくとも2つ、好
ましくはR1およびR2はそれぞれ独立してフッ素原子また
はトリフルオロメチル基である。
【0022】そのような好ましいフッ素樹脂粉体の具体
例としては、例えば、テトラフルオロエチレン、ビニリ
デンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、トリフ
ルオロクロロエチレンからなる群から選択される1また
はそれ以上のモノマーを重合してなる単独重合体または
共重合体等が挙げられる。耐摩耗性および離型性のさら
なる向上の観点から、フッ素樹脂粉体はポリテトラフル
オロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリヘキ
サフルオロプロピレンであることがより好ましく、さら
に好ましくはポリテトラフルオロエチレンである。
【0023】フッ素樹脂粉体の数平均分子量は10万から
100万である。数平均分子量が10万未満であると、十分
な耐摩耗性が得られず、長期にわたる使用によって離型
性が低下し、画像ノイズ、特に中抜けが発生する。ま
た、フッ素樹脂粉体の凝集を起こすことなく、当該粉体
を含む塗布液を長時間保存することが困難なため、感光
体の製造容易性が低下する。一方、数平均分子量が100
万を越えると、塗布液中のフッ素樹脂粉体の分散性が顕
著に低下するため、保存だけでなく、均一な層の形成も
困難になる。
【0024】本発明において使用されるフッ素樹脂粉体
の数平均分子量は当該粉体の融点と相関する。フッ素樹
脂粉体の融点は325〜335℃である。融点は熱分析装置DS
C6200(セイコーインスツルメンツ社製)によって測定
された値を用いているが、上記装置によって測定されな
ければならないというわけでなく、上記装置と同様の原
理に従って測定できる装置であれば、いかなる装置によ
って測定されてもよい。
【0025】上記のようなフッ素樹脂粉体の平均粒径
は、画像ノイズおよび感光体の感度劣化の抑制の観点か
ら、0.01〜2μm、好ましくは0.05〜1.0μmであること
が望ましい。本明細書中、フッ素樹脂粉体の平均粒径は
平均1次粒径を意味し、粒度分布測定装置LA 920(堀場
製作所製)によって測定された値を用いている。
【0026】本発明で使用されるフッ素樹脂粉体の製造
方法は、上記範囲内の数平均分子量を有するフッ素樹脂
粉体が得られれば特に制限されず、公知の方法を採用す
ることができる。例えば、上記の所望のモノマーを水性
媒体中、乳化させ、重合させることによって容易に得る
ことができる。このとき、重合時間、重合温度、触媒等
を適宜選択することによってフッ素樹脂粉体の分子量を
容易に制御することができる。また、分子量は、一旦、
比較的大きな分子量を有する樹脂、例えば、数平均分子
量500万から900万の樹脂を製造した後で、当該樹脂の粉
体にγ線を照射して分子を適宜切断することによっても
制御することができる。乳化重合によって樹脂粉体を得
る場合においては、系中において乳化されたモノマー液
滴の粒径を制御することによって、得られる樹脂粉体の
平均粒径を制御することもできる。
【0027】フッ素樹脂粉体の含有量は当該粉体が分散
される最表面層(ここでは電荷輸送層)全量の1〜40重
量%、好ましくは3〜30重量%が好適である。フッ素樹
脂粉体は2種以上組みあわせて用いてもよく、その場合
それらの合計量が上記範囲内であればよい。含有量が1
重量%未満では得られる層中で当該粉体が均一に分散さ
れ難いため、所望の離型性を長期にわたって維持するこ
とが困難になる。一方、含有量が40重量%を越えると、
感光体の感度が劣る。
【0028】電荷輸送材料としては、例えば、ヒドラゾ
ン化合物、スチリル化合物、トリフェニルメタン化合
物、オキサジアゾール化合物、カルバゾール化合物、ス
チルベン化合物、エンミン化合物、オキサゾール化合
物、トリフェニルアミン化合物、テトラフェニルベンジ
ジン化合物、アジン化合物等が挙げられる。単独もしく
は2種以上を併用して用いることができる。電荷輸送材
料の含有量は結着樹脂100重量部に対して2〜200重量
部、好ましくは50〜120重量部が好適である。
【0029】電荷発生層および電荷輸送層の形成に用い
られる結着樹脂としては、単独で測定して1×1012Ω・cm
以上の体積抵抗を有するものが望ましく、例えば、ブチ
ラール樹脂(ポリビニルブチラール)、フェノキシ樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリア
ミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリイミド樹
脂、セルロールエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化型アクリル
樹脂等の熱硬化性樹脂、ならびにポリビニルカルバゾー
ル、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリ
ビニルピロール等の光導電性樹脂が挙げられる。単独も
しくは2種以上の組み合せで使用することができる。
【0030】本発明の電荷発生層および/または電荷輸
送層には結着樹脂とともに、ハロゲン化パラフィン、ポ
リ塩化ビフェニル、ジメチルナフタレン、ジブチルフタ
レート、O−ターフェニル等の可塑剤、クロラニエル、
テトラシアノエチレン、2,4,7-トリニトロフルオレン、
5,6-ジシアノベンゾキノン、3,5-ジニトロ安息香酸等の
電子吸引性物質、ならびにシアニン染料、ピリリウム
塩、チアピリリウム塩、ローダミン−B等の増感剤、フ
ェノール系、アミン系、有機リン系、有機イオウ系酸化
防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベ
ンゾエート系紫外線吸収剤等を添加してもよい。
【0031】電荷発生層および電荷輸送層を形成するた
めの塗布液の調製に際しては、サンドミル、ボールミ
ル、ホモジナイザー、ペイントシェイカー、ナノマイザ
ー等の公知の混合機を使用することができる。特に、電
荷輸送層のための塗布液の調製に際してはフッ素樹脂粉
体を均一に分散できればよく、好ましくは超音波を印加
しながら上記混合機によって混合する。
【0032】塗布液の塗布は公知の塗布方法を採用する
ことができ、例えば、ロール塗布法、浸漬塗布法、噴霧
塗布法、リング塗布法等を採用することができる。
【0033】本発明の感光体においては、最表面層をフ
ッ素樹脂粉体の有無が異なる2層(第1最表面層および第
2最表面層)から構成させ、当該2層のうちの最外層(第
2最表面層)をフッ素樹脂粉体を分散させた層で構成さ
せてもよい。例えば、本発明の感光体の感光層が電荷発
生層および電荷輸送層を順次形成した構成を有する場
合、電荷輸送層を第1電荷輸送層および第2電荷輸送層か
ら構成させ、最外層としての第2電荷輸送層にフッ素樹
脂粉体を分散させてもよい。このような構成とすること
によって耐摩耗性および離型性により優れた感光体を有
効に得ることができる。
【0034】本発明の感光体が電荷発生層、第1電荷輸
送層および第2電荷輸送層を順次形成してなる構成を有
する場合、電荷発生層は前記と同様にして形成され得
る。第1電荷輸送層および第2電荷輸送層の組成(例え
ば、電荷輸送材料の種類および使用量、フッ素樹脂粉体
の種類および使用量ならびに結着樹脂の種類等)および
形成方法は、第1電荷輸送層にフッ素樹脂粉体が含有さ
れないこと以外、前記電荷輸送層の組成および形成方法
と同様である。また、第1電荷輸送層の組成および形成
方法は、第1電荷輸送層にフッ素樹脂粉体が含まれない
こと以外、第2電荷輸送層の組成および形成方法と同様
であることが好ましいが、前記電荷輸送層の組成および
形成方法の範囲内で第1電荷輸送層の組成および形成方
法が、第2電荷輸送層におけるフッ素樹脂粉体以外の組
成および形成方法と異なることを妨げるものではない。
【0035】第1電荷輸送層の厚さは4〜50μm、好まし
くは5〜20μmであることが望ましく、第2電荷輸送層の
厚さは0.1〜15μm、好ましくは0.5〜8μmであること
が望ましい。
【0036】第2電荷輸送層にフッ素樹脂粉体を分散さ
せる場合において、フッ素樹脂粉体の含有量は、トナー
の離型性の持続と感光体の感度の劣化の観点から、第2
電荷輸送層全量の1〜40重量%、好ましくは3〜30重量%
が好適である。
【0037】なお、フッ素樹脂粉体が表面保護層に分散
される場合において、当該表面保護層は、オルガノシラ
ン等の公知のポリシロキサン原料とフッ素樹脂粉体を含
む塗布液を塗布し、加熱することにより得ることもでき
る。以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明す
る。特記しない限り、「部」は「重量部」を意味するも
のとする。
【0038】
【実施例】実施例1 JIS5657円筒状のアルミニウム合金(外径100mm、長さ35
0mm、厚さ2mm)の表面を切り刃に天然ダイヤモンドを用
いたバイトで切削加工した。これを、脱脂剤として界面
活性剤トップアルクリーン161(奥野製薬工業社製)30g
/lを用いて60±5℃で5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄
した。100g/lの硝酸溶液に6分間浸漬し、エッチング処
理を行った後、流水で洗浄した。次に、電解液として15
0g/lの硫酸を用いて、電流密度1(A/dm2)、液温20℃で
15分間陽極酸化処理を行い、厚さ8μmの陽極酸化層を形
成した。これを、純水にて流水洗浄した後、酢酸ニッケ
ル含有の封孔剤(シーリングソルトAS;クラリアントジ
ャパン社製)を8g/lとした水溶液を用いて90℃、30分間
封孔処理を行った。次に、このようにして陽極酸化層を
封孔処理した感光体基体上に、以下のようにして感光層
を形成した。
【0039】X型フタロシアニン(8120B;大日本イン
キ工業社製)4.5部とブチラール樹脂(エスレックBH-
3;積水化学社製)2.5部およびフェノキシ樹脂(PKHH;
ユニオンカーバイド社製)2.5部をジクロロエタン500部
とともにサンドミルにより分散した。得られた分散液を
上記感光体基体上に、乾燥後の膜厚が0.3μmになるよう
に塗布し電荷発生層を形成した。その後、下記で示され
るスチリル化合物40部とポリカーボネート樹脂(K140
0;三菱エンジニアプラスチック社製)60部とフェノー
ル化合物ブチルヒドロキシトルエン(特級;東京化成社
製)2部およびフッ素樹脂粉体としてポリテトラフルオ
ロエチレン(9207;3M社製、数平均分子量;10万〜100
万、融点;331℃、平均粒径;0.12μm)40部をテトラ
ヒドロフラン400部に溶解させてなる塗布液を、上記電
荷発生層上に塗布し、120℃30分乾燥させて厚さ20μmの
電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0040】
【化4】
【0041】実施例2 実施例1において、電荷輸送層を以下のように形成する
以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。フ
ッ素樹脂粉体としてポリテトラフルオロエチレン(KTL-
500F;喜多村社製、数平均分子量;数10万、融点;329
℃、平均粒径;0.5μm)、ポリカーボネート樹脂とし
てTS-2050(帝人化成社製)を用いたこと以外、実施例
1と同様にして厚さ20μmの電荷輸送層を形成した。
【0042】実施例3 実施例1において、電荷輸送層を以下のように形成する
以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。ま
ずフッ素樹脂粉体を含有しない電荷輸送層の塗布液を塗
布し、80℃10分乾燥させたこと以外、実施例1と同様に
して、電荷輸送層(第1の電荷輸送層;厚さ15μm)を
形成した。次に、第1の電荷輸送層の塗布液において、
フッ素樹脂粉体としてポリテトラフルオロエチレン(KD
-600AS;喜多村社製、トルエン30wt%溶液、数平均分子
量;数10万、融点;328℃、平均粒径;0.2μm)200部
を添加したこと、およびポリカーボネート樹脂としてG3
00(出光興産社製)を用いたこと以外、第1の電荷輸送
層の塗布液の調製法と同様にして、第2の電荷輸送層の
塗布液を調製した。得られた第2の電荷輸送層の塗布液
を上記第1の電荷輸送層上にリング塗布し、層の厚さが2
μmとなるように120℃、10分間乾燥させて第2の電荷輸
送層を形成して、本発明の電子写真感光体を作成した。
【0043】比較例1 実施例1においてフッ素樹脂粉体を添加しない以外は実
施例1と同様にして電子写真感光体を形成した。比較例2 実施例1において、フッ素樹脂粉体をポリテトラフルオ
ロエチレン(テフロン6J;三井・デュポン社製、数平均
分子量;500万〜800万、融点;340℃、平均粒径;0.4μ
m)に変える以外は実施例1と同様にして電子写真感光
体を形成した。
【0044】比較例3 実施例3において、フッ素樹脂粉体をポリテトラフルオ
ロエチレン(ルブロンL-2;ダイキン工業社製、数平均
分子量;数万、融点;323℃、平均粒径;0.3μm)に変
える以外は実施例3と同様にして、電子写真感光体を形
成した。。比較例4 実施例3において、フッ素樹脂粉体をポリテトラフルオ
ロエチレン(セントラルループV;セントラル硝子社
製、数平均分子量;数1000、融点;260℃、平均粒径;
0.8μm)に変える以外は実施例3と同様にして、電子
写真感光体を形成した。
【0045】(評価)得られた感光体を市販の電子写真
複写機(CF900;ミノルタ社製)に搭載して評価した。 ・摩耗量は、連続コピー10000枚後において、感光体に
おける上中下の3点を平均して求めた。
【0046】・画像ノイズは、初期および連続コピー10
000枚後において、複写画像の中抜け率に基づいて評価
を行った。中抜け率は、1辺の長さが1、2、3、4、5mm
となる正三角形各20ケ(合計100ケ)のベタ画像を印字
した時に、目視にて欠損部分が発生した割合を表す。 中抜け率 ○:20%未満; △:20%以上40%未満; ×:40%以上60%未満; ××:60%以上。
【0047】・塗布液分散性は、フッ素樹脂粉体を含む
塗布液を調製した初日と1週間後において、凝集物の個
数で評価した。 凝集物 ○:なし; △:9個以下; ×:10個以上。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の感光体は優れた耐摩耗性と離型
性を長期にわたって維持できる。また、本発明の感光体
を製造するに際しての塗布液は、フッ素樹脂粉体を含有
させても、凝集が起こり難く保存性に優れているため、
本発明の感光体を容易に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江戸 貞子 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA06 AA14 BB31 BB52 BB55

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層を有
    する電子写真感光体において、最表面層が一般式
    (I); 【化1】 (式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原
    子、塩素原子、または炭素原子数1または2のフッ素原子
    置換アルキル基である;但し、R1〜R4のうち少なくとも
    1つはフッ素原子を含む)で表される1またはそれ以上の
    モノマーを重合してなる、数平均分子量10万から100万
    のフッ素樹脂粉体を含むことを特徴とする電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 前記フッ素樹脂粉体の融点が325℃から3
    35℃である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記フッ素樹脂粉体として、テトラフル
    オロエチレン、ビニリデンフルオライド、およびヘキサ
    フルオロプロピレンからなる群から選択される1または
    それ以上のモノマーを重合してなる単独重合体および/
    または共重合体を用いる請求項1または2に記載の電子写
    真感光体。
  4. 【請求項4】 前記フッ素樹脂粉体の平均粒径が0.05μ
    mから2μmである請求項1〜3いずれかに記載の電子写真
    感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004109607A (ja) * 2002-09-19 2004-04-08 Canon Inc 電子写真装置およびプロセスカートリッジ
JP2004252066A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Minolta Co Ltd 有機感光体

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