JP2002040148A - 散乱線吸収グリッドの製造方法 - Google Patents

散乱線吸収グリッドの製造方法

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JP2002040148A JP2000222039A JP2000222039A JP2002040148A JP 2002040148 A JP2002040148 A JP 2002040148A JP 2000222039 A JP2000222039 A JP 2000222039A JP 2000222039 A JP2000222039 A JP 2000222039A JP 2002040148 A JP2002040148 A JP 2002040148A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 散乱線吸収グリッドの製造方法において、製
造工程を単純化し作業効率を高める。 【解決手段】 放射線吸収材料からなるグリッド用板材
10と、一定の形状を有する弾性材料からなるスペーサ
20とを交互に多数、全体としてグリッド用板材10の
面に垂直な方向に延びた平板状のブロック体30を形成
するように接着剤を介して隣接させて配列し、接着剤を
硬化させた後、平板状のブロック体30をグリッド用板
材10の長さ方向と平行な軸を持つ円筒面状に変形さ
せ、この変形させたブロック体30をグリッド用板材1
0を横切る方向に延びる平板状に切り出し、その後、こ
の平板状に切り出したブロック体にこのブロック体を平
板状に維持する部材を固着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線撮影装置に
使用される散乱線吸収グリッドの製造方法に関し、詳し
くは、グリッドを構成する板材が放射線の放射方向に傾
いて並んだ散乱線吸収グリッドの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】放射線撮影装置によって撮影を行なうと
きに被写体と放射線検出器との間に配置され、被写体に
よって散乱された散乱線を吸収してS/Nの高い放射線
を得るための散乱線吸収グリッドが知られている。
【0003】この散乱線吸収グリッドは、放射線を吸収
する細長い薄板からなるグリッド用板材を多数、間隔を
おいて並べて全体として平板状に形成されたものであ
り、被写体によって散乱されて斜めに進む散乱放射線を
吸収し、放射線源から被写体を通して直線的に放射線検
出器に入射する放射線のみを効果的に透過させることに
より、検出された被写体の画像に混入する散乱放射線に
よるノイズを低減させるものである。
【0004】この平板状に形成されたグリッドを構成す
る板材は、放射線源から発せられた、被写体を透過して
直線的に放射線検出器に入射する放射線の進行を妨げな
いように、この放射線源に向けて整列させ、すなわち放
射線の放射方向に向かって並ぶように、ブロックの中央
から両端部に向かうほど傾斜角度が大きくなるように配
列させるのが、より高いS/Nを得るために好ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この効
率の良い散乱線吸収グリッドを製造するには、グリッド
用板材の傾斜角度を少しずつ変化させて配列させるた
め、例えば形状が異なる複数種類のスペーサを板材の間
に介在させて配することが必要となり、さらにこれらの
形状が少しずつ異なる多数のスペーサとグリッド用板材
とを予め決められた順番に交互に配列する製造工程が必
要となる。従って、この散乱線吸収グリッドの製造工程
は、作業効率(生産性)が悪いものとなり、この型のグ
リッドのコストを高くしている。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、製造工程が単純化された作業効率、すなわち生産
性の高い散乱線吸収グリッドの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の散乱線吸
収グリッドの製造方法は、放射線吸収材料からなるグリ
ッド用板材と、一定の形状を有する弾性材料からなるス
ペーサとを交互に多数、全体として前記グリッド用板材
の面に垂直な方向に延びた平板状のブロック体を形成す
るように接着剤を介して隣接させて配列し、接着剤を硬
化させた後、この平板状のブロック体をグリッド用板材
の長さ方向と平行な軸を持つ円筒面状に変形させ、変形
させたブロック体をグリッド用板材を横切る方向に延び
る平板状に切り出し、その後、ブロック体にこのブロッ
ク体を平板状に維持する部材を固着することを特徴とす
る。
【0008】本発明の第2の散乱線吸収グリッドの製造
方法は、放射線吸収材料からなるグリッド用板材と、一
定の形状を有する弾性材料からなるスペーサとを交互に
多数、全体として前記グリッド用板材の面に垂直な方向
に延びた平板状のブロック体を形成するように接着剤を
介して隣接させて配列し、接着剤を硬化させた後、この
平板状のブロック体をグリッド用板材の長さ方向と平行
な軸を持つ円筒面状に変形させ、変形させたブロック体
の表裏両面の一方の面に、伸縮し難い可撓性材料からな
る間隔保持用フィルムを接着し、その後、該ブロック体
を平板状に変形させ、ブロック体にこのブロック体を平
板状に維持する部材を固着することを特徴とする。
【0009】前記各散乱線吸収グリッドの製造方法は、
接着剤を硬化させた後、前記変形の前に、ブロック体の
表裏両面の少なくとも一方に、伸縮可能な均一なヤング
率を有する放射線透過部材からなるフィルムを接着する
ことができる。
【0010】なお、前記一定の形状を有するスペーサと
は、一種類の同じ大きさの断面形状を有するスペーサを
意味し、例えば1方向に長く伸びた直方体等の柱状体を
スペーサとして用いるのが適当である。
【0011】また、前記グリッド用板材としては、1方
向に長く伸びた細長い薄板等を用いるのが適切である。
【0012】また、前記弾性材料からなるスペーサと
は、必ずしも広範囲の変形に対して正確に弾性変形する
材料に限らず、小さな変形範囲において概略弾性的な変
形をする材料、例えば発泡材、樹脂、紙、布、不織布、
木等からなるスペーサであってもよい。
【0013】また、「円筒面状」とは、完全な円筒面を
含みほぼ円筒面状であることを意味し、例えば楕円形状
の断面輪郭を持つ筒面や、場所によって曲率の異なる断
面輪郭を持つ筒面をも含む形状を意味する。
【0014】前記、ブロック体を平板状に維持する部材
とは、ブロック体に固着されたときブロック体を平板状
に維持するものであればどのような部材をどのように配
設してもよく、例えばブロック体の表裏両面の少なくと
もいずれか一方に、剛性の高い平板または、格子状ある
いはストライプ状の桟を接着したり、ブロック体のグリ
ッド用板材の長さ方向における端面に各グリッド用板材
を平板状に並んだ位置に固定する部材を配設したり、上
記両者を組み合わせてブロック体を平板状に維持しても
よい。
【0015】また、前記フィルムは、プラスチックフィ
ルム、複数の薄膜を積層した積層フィルム等、比較的大
きな均一なヤング率を有するものであればどのようなフ
ィルムであってもよい。
【0016】また、前記「伸縮可能な均一なヤング率を
有する放射線透過部材からなるフィルムを接着する」と
は、このフィルムを単に接着することに限らず、フィル
ムを前記スペーサとグリッド用板材との配列方向に伸張
させた状態にして前記ブロック体に接着することをも意
味する。
【0017】
【発明の効果】本発明の第1の散乱線吸収グリッドの製
造方法によれば、一定の形状を有する弾性材料からなる
スペーサとグリッド用板材とを交互に多数配列させるこ
とによりブロック体を形成するようにしたので、複数種
類の異なる形状を持つスペーサを用意して、これらのス
ペーサを決められた場所に決められた順番で配列する従
来の複雑な工程に比して材料コストが安価である上、作
業効率を向上させることができ、製造コストを大幅に下
げることができる。
【0018】また、スペーサの弾性変形によりブロック
体をを円筒面状に変形させて各グリッド用板材に傾斜を
与えた後、この変形させたブロック体を平板状に切り出
すようにしたので、放射線源から発せられた放射線を効
率良く透過させることができるようにグリッド用板材が
略放射線の放射方向に傾いて並んだ散乱線吸収グリッド
を安価に製造することができる。
【0019】本発明の第2の散乱線吸収グリッドの製造
方法によれば、平板状のブロック体をグリッド用板材の
長さ方向と平行な軸を持つ円筒面状に変形させ、この変
形させたブロック体の表裏両面の一方の面に、伸縮し難
い可撓性材料からなる間隔保持用フィルムを接着し、そ
の後、ブロック体を平板状に変形させるようにしたの
で、ブロック体を変形させる工程のみによってグリッド
用板材を概略放射線源の方向に向かうように並べること
ができ、放射線源から発せられた放射線を効率良く透過
させることができるようにグリッド用板材が略放射線の
放射方向に傾いて並んだ散乱線吸収グリッドを安価に製
造することができる。
【0020】なお、前記接着剤を硬化させた後、前記変
形の前に、前記ブロック体の表裏両面の少なくとも一方
に、一般に板材等より均一なヤング率を有するフィルム
を接着すれば、平板状のブロック体を変形させるとき
に、この変形に応じてフィルムが均一に伸縮するので、
各グリッド用板材を上記変形に応じた間隔に定めるとき
にバラツキを小さく抑えて定めることができ、より正確
にグリッド用板材を配列させることができる。また、前
記フィルムを前記スペーサとグリッド用板材との配列方
向に伸張させた状態にして接着するようにすれば、この
フィルムをブロック体の表裏面の変形により追従させて
伸縮させることができ、ブロック体の表裏両面の一方が
収縮面となるような場合においても、その収縮に追従し
て弾性変形させることができるので、上記と同様にグリ
ッド用板材の間隔をバラツキなく略等しい間隔に定め、
正確にグリッド用板材を配列させる効果が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の散乱線吸収グリッ
ドの製造方法の具体的な実施の形態について、図面を用
いて説明する。図1は、本発明の散乱線吸収グリッドの
製造方法を適用して製造した散乱線吸収グリッドの概略
構成を示す図である。
【0022】図1に示すように散乱線吸収グリッド10
0は、細長い薄板状の放射線吸収材料からなる多数のグ
リッド用板材10(図2参照)と細長い直方体状の弾性
材料からなるスペーサ20(図3参照)とが交互に多
数、配列された平板状のブロック体30を、第1の天板
40Aと第2の天板40Bとの間に配置したものであ
る。
【0023】なお、このグリッド用板材10は、放射線
撮影を行うときに想定される放射線源の位置200(図
6参照)に向かうように整列されており、中心部Cから
両端部E1およびE2に向かうほどその傾斜角度が大き
くなっている。
【0024】グリッド用板材10は、図2に示すように
厚さt1が0.1mm程度、幅が2〜15mm程度、長
さが450mm程度の細長い薄板であり、粉体状の単
体、または粉体状の鉛酸化物、ビスマス化合物、あるい
は他の重金属化合物などを溶液に混合して有機ポリマー
を結合材(バインダ)とする溶液にして、この溶液を平
面上に塗布して薄板状に形成した材料や、鉛箔、ビスマ
ス、タンタル等の薄板状の単体材料によって形成されて
いる。
【0025】スペーサ20は、一定の形状からなり、図
3に示すような細長い直方体形状で幅と長さがグリッド
用板材10と概略等しく、厚さt2が0.2mmから
1.0mm程度の放射線が吸収されにくい弾性材料、例
えば発泡ポリマー(例えば、発泡ポリスチレン、発泡ポ
リプロポピレン、発泡ウレタン)等によって形成されて
いる。
【0026】第1の天板40Aおよび第2の天板40B
は、アルミニウム板やFRP(繊維強化プラスチック)
板等の放射線透過材料によって形成されている。
【0027】次に、本発明の第1の実施の形態の製造工
程について説明する。
【0028】工程1として、図4に示すように放射線吸
収材料からなるグリッド用板材10と、弾性材料からな
るスペーサ20とを交互に多数、全体としてグリッド用
板材10の面に垂直な方向に延びた平板状のブロック体
30を形成するように接着剤21を介して隣接させて配
列する。このとき多数のスペーサ20は一定の形状を有
するので(一種類の同じ大きさの断面形状を有するスペ
ーサなので)、どのスペーサをどの位置に配列させても
かまわない。なお、グリッド用板材10とスペーサ20
とは規則正しく交互に配列する。
【0029】工程2として、工程1において各グリッド
用板材10とスペーサ20との間に介した接着剤21を
硬化させる。接着剤の硬化のさせ方は接着剤21の種類
によるが、例えば熱を加えて硬化させたり、放置して時
間の経過と共に化学反応を進めることによって硬化させ
たりすることができる。
【0030】工程3として、上記接着剤21が硬化され
た後、図5に示すように、ブロック体30の表裏両面の
一方の面であるブロック面30Aに、伸縮可能な均一な
ヤング率を有する放射線透過部材からなるフィルム50
を接着する。(なお、フィルムはブロック体30の表裏
両面に接着してもよい。さらに、このフィルムを接着す
る工程は必ずしも必要ない。) 工程4として、図6に示すように、平板状のブロック体
30を前記グリッド用板材10の長さ方向と平行な軸を
持つ円筒面状に変形させる。
【0031】このとき、フィルム50を接着したブロッ
ク面30Aの反対側の面であるブロック面30Bを、一
定の曲率を持つ円筒面板60上に載せることにより、ブ
ロック体30を構成するスペーサ20が弾性変形され、
ブロック体30が平板状から一定の曲率を持つ円筒面状
に撓む。この円筒面状に撓んだブロック体30の曲率が
大きくなった方の面であるブロック面30Aにおいて
は、このブロック面30Aを構成する各スペーサ20の
スペーサ面20Aがフィルム50と共に伸張され互いに
隣り合うグリッド用板材10の間隔が広がる。一方、ブ
ロック体30の曲率が小さい方(円筒面板60に面して
いる側)の面であるブロック面30Bにおいては、この
ブロック面30Aを構成する各スペーサ20のスペーサ
面20Bが収縮されるので、各グリッド用板材10が概
略円筒面板60の曲率中心P(すなわち想定される放射
線源200)の方向に向かって整列される。これによ
り、各グリッド用板材10が放射線源200の位置から
発せられた放射線を効率良く透過させることができる傾
きに整列される。
【0032】工程5として、工程4において円筒面板6
0上に載せられ変形れたブロック体30を、図7に示す
ように、グリッド用板材10を横切る方向に延びる平板
状に切り出す。このような、弾性材料と金属材料とを含
む複合材料の切り出しはワイヤカット加工等により実施
することができる。
【0033】工程6として、図8に示すように、平板状
に切り出されたブロック体30に、このブロック体を平
板状に維持する部材である天板40Aおよび40Bを固
着する。なお、これらの天板40Aおよび40Bは必ず
しも平板でなくてもよく格子状の部材等であってもよ
い。(この工程においては、必ずしもブロック体の両面
に天板を固着する必要はなく、片面だけに固着してもよ
い) 工程7として、図9に示すように天板が接着されたブロ
ック体30の前後両端を天板40Aおよび天板40Bと
共に切断して、散乱線吸収グリッド100を得る(この
工程は必ずしも必要ない)。
【0034】次に、本発明の第2の実施の形態の散乱線
吸収グリッドの製造工程について図10から図13を用
いて説明する。なお、以下の図中第1の実施の形態と同
様の構成については第1の実施の形態と同一の符号を用
いて示し、その説明の一部を省略する。
【0035】工程1および工程2は第1の実施の形態と
同様である。ただし、第2の実施の形態においては、第
1の実施の形態のブロック体を切り出す工程がないの
で、始めにブロック体を形成するときに配列するスペー
サおよびグリッド用板材の幅は、散乱線吸収グリッドが
完成したときの幅とほぼ等しくなる。
【0036】工程3として、図10に示すように、ブロ
ック体30の表裏両面であるブロック面30Aおよびブ
ロック面30B、に伸縮可能な均一なヤング率を有する
放射線透過部材からなるフィルム50Aおよび50Bを
接着する。このときフィルムをスペーサ20とグリッド
用板材10との配列方向に伸張させた状態にして接着す
る。このフィルムの接着後、フィルムを伸張させていた
力を開放すると、このフィルムの収縮により各スペーサ
20は厚さ方向に収縮されブロック体30の全体の長さ
も短かくなるが、フィルムは完全に元の寸法にもどるわ
けではないので、上記配列方向に伸張させたときの伸張
力が残留される。
【0037】工程4は、フィルム50Aおよび50Bが
表面に接着された平板状のブロック体30をグリッド用
板材10の長さ方向と平行な軸を持つ円筒面状に変形さ
せる。
【0038】このとき、フィルム50Bを接着したブロ
ック体30を、ブロック面30Bを下に向けて、図11
に示すような、中心面C上に曲率中心を持ち、この中心
面Cを挟んで左右対称に両端に向かうほど曲率が小さく
なる円筒面板60´上に載せる。これにより、ブロック
体30を構成するスペーサ20およびフィルム50が弾
性変形され、ブロック体30が、中心面Cを挟んで左右
対称で平板状から両端に向かうほど曲率が小さくなるよ
うに円筒面板60´に沿って撓む(すなわち、両端に向
かうほどブロック面30Bの曲率中心の位置がP1、P
2、P3と移動し上記面の曲率が小さくなる)。円筒面
状に撓んだブロック体30の、曲率が大きくなった方の
面であるブロック面30Aにおいては、このブロック面
30Aを構成する各スペーサ20のスペーサ面20Aが
フィルム50Aと共に伸張されることにより互いに隣り
合う各グリッド用板材10の間隔が広がる。一方、ブロ
ック体30の曲率が小さい方(円筒面板60´上に面し
ている側)の面であるブロック面30Bにおいては、こ
のブロック面30Bを構成する各スペーサ20のスペー
サ面20Bが収縮され、ブロック面30Bに接着され伸
張力が残留しているフィルム50Bもこの収縮に追従し
て収縮する。これにより、グリッド用板材10は中心面
Cを挟んで左右対称に両端に向かうほど曲率が小さくな
るように整列される。
【0039】工程5として、図12に示すように、円筒
面状に変形されたブロック体のブロック面30Aに、フ
ィルム50Aを介して伸縮し難い可撓性材料からなる間
隔保持用フィルム70を接着する。
【0040】工程6として、図13に示すように、間隔
保持用フィルム70が接着されたブロック体30を平板
状に変形させ、このブロック体30にブロック体を平板
状に維持する部材である天板40Aおよび40Bを固着
する。ここで、工程4において伸張された各グリッド用
板材10の間隔は、工程6においてブロック体30が平
板状に変形されても間隔保持用フィルム70が接着され
ているのでそのままの間隔が維持され、両端に向かうほ
どその間隔は広がる。一方、ブロック面30Bの各グリ
ッド用板材10の間隔は、ブロック体30が平板状に変
形されるとほぼ等間隔になるので、各グリッド用板材1
0は想定される放射線源200の方向に向かって整列さ
れる。これにより、各グリッド用板材10が放射線源の
位置から発せられた放射線を効率良く透過させることが
できる傾きに整列される。
【0041】工程7としては、図14に示すようにブロ
ック体30の前後両端を、フィルム50A、フィルム5
0Bおよび間隔保持用フィルム70を介して接着された
天板40Aおよび天板40Bと共に切断して、散乱線吸
収グリッド100を得る(この工程は必ずしも必要な
い)。
【0042】上記のように本発明によれば、一定の形状
を有するスペーサを用いることにより製造工程が単純化
され作業効率を向上させることができる。また、スペー
サを弾性変形させることによりグリッド用板材を傾斜さ
せて配列させるようにしたので、放射線源から発せられ
た放射線を効率良く透過させることができる散乱線吸収
グリッドを安価に製造することができる。
【0043】なお、グリッド用板材は、想定される放射
線源の方向に完全に沿うように配列させることはできな
いが(厳密には放射線源を頂点とする円錐状でなければ
放射線源の方向にに一致しないが)、グリッド用板材の
傾きを外側へ向かうほど大きくすれば、このグリッド用
板材が平面状であっても、グリッド用板材が傾いていな
いものに比べれば放射線源の方向にその傾きを、より沿
わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって製造した散乱線吸収
グリッドを示す図
【図2】グリッド用板材の概略形状を示す図
【図3】スペーサの概略形状を示す図
【図4】第1の実施の形態の工程1においてグリッド用
板材とスペーサとを交互に配列する様子を示す図
【図5】工程3においてブロック体にフィルムを接着す
る様子を示す図
【図6】工程4においてブロック体を円筒面板に載せる
様子を示す図
【図7】工程5においてブロック体を平板状に切り出す
様子を示す図
【図8】工程6においてブロック体に天板を接着する様
子を示す図
【図9】工程7においてブロック体の両端を切断する様
子を示す図
【図10】第2の実施の形態の工程3においてブロック
体にフィルムを接着する様子を示す図
【図11】工程4においてブロック体を円筒面板に載せ
る様子を示す図
【図12】工程5においてブロック体に間隔保持用フィ
ルムを接着しする様子を示す図
【図13】工程6においてブロック体を平板状に変形さ
せて天板を接着する様子を示す図
【図14】工程7においてブロック体の両端を切断する
様子を示す図
【符号の説明】
10 グリッド用板材 20 スペーサ 30 ブロック体 40A、B 第1の天板、第2の天板 50 フィルム 60 円筒面板 200 放射線源 P 曲率中心

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線吸収材料からなるグリッド用板材
    と、一定の形状を有する弾性材料からなるスペーサとを
    交互に多数、全体として前記グリッド用板材の面に垂直
    な方向に延びた平板状のブロック体を形成するように接
    着剤を介して隣接させて配列し、 前記接着剤を硬化させた後、 該平板状のブロック体を前記グリッド用板材の長さ方向
    と平行な軸を持つ円筒面状に変形させ、 該変形させたブロック体を前記グリッド用板材を横切る
    方向に延びる平板状に切り出し、 その後、該ブロック体に該ブロック体を平板状に維持す
    る部材を固着することを特徴とする散乱線吸収グリッド
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 放射線吸収材料からなるグリッド用板材
    と、一定の形状を有する弾性材料からなるスペーサとを
    交互に多数、全体として前記グリッド用板材の面に垂直
    な方向に延びた平板状のブロック体を形成するように接
    着剤を介して隣接させて配列し、 前記接着剤を硬化させた後、 該平板状のブロック体を前記グリッド用板材の長さ方向
    と平行な軸を持つ円筒面状に変形させ、 該変形させたブロック体の表裏両面の一方の面に、伸縮
    し難い可撓性材料からなる間隔保持用フィルムを接着
    し、 その後、該ブロック体を平板状に変形させ、該ブロック
    体に該ブロック体を平板状に維持する部材を固着するこ
    とを特徴とする散乱線吸収グリッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記接着剤を硬化させた後、前記変形の
    前に、前記ブロック体の表裏両面の少なくとも一方に、
    伸縮可能な均一なヤング率を有する放射線透過部材から
    なるフィルムを接着することを特徴とする請求項1また
    は2記載の散乱線吸収グリッドの製造方法。
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