JP2002038305A - 肌 着 - Google Patents

肌 着

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JP2002038305A
JP2002038305A JP2000229888A JP2000229888A JP2002038305A JP 2002038305 A JP2002038305 A JP 2002038305A JP 2000229888 A JP2000229888 A JP 2000229888A JP 2000229888 A JP2000229888 A JP 2000229888A JP 2002038305 A JP2002038305 A JP 2002038305A
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heater
underwear
crimp
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JP2000229888A
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Sumi Nakamura
寿美 中村
Yasunori Yuki
康式 結城
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面形態が平滑で適度なバルキー性と伸縮性
を持つ布帛からなる肌着やパンツ類であって、身体への
適度なフィット感と運動追随性を有しながら、窮屈でな
く、しかも柔らかくふんわりとした風合いで、肌触りの
良い、着心地に優れた肌着やパンツ類を提供する。 【解決手段】 ポリトリメチレンテレフタレート繊維で
構成された仮撚糸であって、該仮撚糸の捲縮伸長率が5
〜100%、捲縮数が2〜10個/cm、沸水収縮率が
0〜5%である仮撚糸を含むことを特徴とする肌着。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肌触りや手触りが
柔らかく、ソフトなストレッチ性を有する肌着に関す
る。より詳細には、柔らかな風合い、適度なバルキー
性、及び良好な捲縮形態を持ち、極めて表面平滑性に優
れた、ポリトリメチレンテレフタレートから主としてな
る仮撚糸を含む肌着に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活スタイルの変化に伴い、身体
への適度なフィット感と運動追随性を有しながら、窮屈
でなく、しかも肌触りの良い、肌着やパンツ類が望まれ
ている。長繊維の仮撚糸を用いた布帛は、適度な伸縮性
と、バルキー感を持つため、身体への適度なフィット感
と運動追随性を有しながら、窮屈でない、肌着やパンツ
類を得られることから各種開発されてきた。特にポリエ
ステル系長繊維の仮撚加工糸は各種の方法が可能なた
め、種々の製造方法で製造されている。
【0003】従来のポリエチレンテレフタレートを主た
る成分とするポリエステル系繊維を1段のヒーターで仮
撚加工した1ヒーター仮撚糸は、非常に大きな捲縮性と
沸水収縮率を有する。そのため該仮撚糸を用いた布帛
は、バルキー性はあるものの、がさつき感が強くソフト
な風合いに欠け、肌着やパンツ類とした場合には着心地
が悪く不十分なものであった。そこで、1段ヒーター仮
撚に連続して、仮撚糸をセットヒーターで弛緩熱処理す
る2ヒーター仮撚法を適用して、仮撚糸の捲縮性と沸水
収縮率を低下させた2ヒーター仮撚糸が開発されてい
る。2ヒーター仮撚糸を用いた布帛は、1ヒーター仮撚
糸を用いた布帛に比較するとがさつき感がやや低減する
ものの、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル繊
維は繊維自体のヤング率が高いため、2ヒーター仮撚糸
を用いた布帛であっても依然硬い肌触りである。肌着や
パンツ類に用いた場合には、やはり着心地が悪く不十分
なものであった。
【0004】ナイロン繊維の仮撚糸の場合は、熱セット
性に劣るため、セットヒーターで熱弛緩処理を行っても
捲縮が減殺されにくく、熱的寸法安定性も十分には得ら
れない。このため、現在は1ヒーター仮撚糸の生産が主
流を占めている。ナイロン繊維の仮撚糸を用いた布帛
は、バルキー性は高いが、捲縮によるがさつきが強く、
ナイロン繊維が本来もっている低ヤング率を十分に活か
した柔らかな肌触りの肌着やパンツ類は得られていな
い。ポリトリメチレンテレフタレート繊維はヤング率が
低く、熱セット性に優れる繊維である。ヤング率が低い
ことからナイロン繊維に匹敵する柔らかさをもち、仮撚
加工による捲縮の熱セット性に優れ、バルキー性に富む
仮撚加工糸が得られることが期待されており、肌着やパ
ンツ類に適する布帛を得られる可能性がある。
【0005】特開平9−78373号公報には、ポリト
リメチレンテレフタレート繊維の1ヒーター仮撚法によ
る仮撚糸が開示されている。この仮撚糸は、ヤング率は
26cN/dtexと低いが、捲縮形態が粗く、捲縮の
均一性が不十分であり、残留トルクが大きい。該仮撚糸
を用いた布帛は、表面に著しい凹凸が発現し表面の平滑
性、風合い、外観品位が悪い。また、該仮撚糸は沸水収
縮率が大きいため、布帛の染色時に大きく目が詰まり、
布帛内での糸の自由度が小さくなるため、風合いが硬く
なる。即ち、ポリトリメチレンテレフタレートの1ヒー
ター仮撚糸からなる布帛は、表面の凹凸が大きく平滑性
に欠き、肌触りや手触りが悪く、肌着やパンツ類として
は適さないと考えられる。
【0006】本出願人は、特開平11−172536号
公報でポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いた2
ヒーター仮撚糸を開示している。この仮撚糸を用いた布
帛は、1ヒーター仮撚糸を用いた布帛に比較して、柔ら
かな風合いと適度なバルキー性を持つが、肌着やパンツ
類とした場合には、依然、肌触りが不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面形態が
平滑で適度なバルキー性と伸縮性を持つ布帛からなる肌
着やパンツ類であって、身体への適度なフィット感と運
動追随性を有しながら、窮屈でなく、しかも柔らかくふ
わりとした風合いで、肌触りの良い、着心地に優れた肌
着やパンツ類を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意検討の結果、ポリトリメチレンテレ
フタレート系繊維からなり、捲縮伸長率、捲縮数、沸水
収縮率を特定値とした仮撚糸を用いることにより、従来
にない身体への適度なフィット感と運動追随性を有しな
がら窮屈でなく、しかも肌触りの良い、着心地に優れた
肌着やパンツ類が得られることを見出し、本発明をなす
に至った。すなわち、本発明は、ポリトリメチレンテレ
フタレート繊維で構成された仮撚糸であって、該仮撚糸
の捲縮伸長率が5〜100%、捲縮数が2〜10個/c
m、沸水収縮率が0〜5%である仮撚糸を含むことを特
徴とする肌着やパンツ類である。
【0009】本発明における捲縮伸長率(%)、捲縮数
(個/cm)、沸水収縮率(%)は、次の方法で測定し
たものである。 (1)捲縮伸長率:試料糸の総繊度をD(dtex)と
し、枠周1mの検尺機を用い120回/minの速度で
1/(0.0003×D/1.1)回巻き返す。得られ
たかせに荷重2g(2.6×10-4cN/dtexに相
当)を懸けて垂下し、90℃で15分間処理する。次に
処理したかせのいろいろな個所から、できるだけ捲縮を
伸ばさないように約30cmの糸を試料として採取す
る。まず、初荷重として1.8×10-3cN/dtex
を懸けて垂下し、30秒後に試料に20cm間隔のマー
クを入れる。マーク間の長さをK0(cm)とする。初
荷重をはずし、次に8.8×10-2cN/dtexの荷
重を懸けて垂下し、30秒後にマーク間の長さK(c
m)を読み取る。かせのいろいろな個所から採取した5
本の試料について各々同様に測定し、下記式による計算
値を捲縮伸長率(%)とし、5本の平均値で示す。 [(K−K0)/K0]×100(%)
【0010】(2)捲縮数:試料糸を(1)捲縮伸長率
測定の場合と同様にして、2.6×10-4cN/dte
xの荷重下で乾熱90℃×15分処理を行う。次にかせ
のいろいろな個所から、できるだけ捲縮を伸ばさないよ
うに糸を採取し、1.8×10 -3cN/dtexの荷重
を懸けて垂下し、30秒後に試料に25mm間隔のマー
クを入れる。試料糸中の任意のフィラメント1本につい
て、25mmあたりの捲縮の山と谷の数を数えて合計
し、1/2倍したものを捲縮数とする。かせのいろいろ
な個所から採取した5本の試料について同様に測定し、
5本の平均値(個/cm)で示す。
【0011】(3)沸水収縮率(%):JIS−L−1
090 熱水収縮率試験方法(B法)に準じて沸水収縮
率(%)の測定を行い、5回の平均値を算出する。
【0012】本発明では、ポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維を用いることが必要である。ポリトリメチレン
テレフタレート繊維は、ヤング率が低いため非常に柔ら
かく、バルキー性に富む仮撚加工糸を得ることが可能で
あるという特徴を有している。また、熱セット性が良好
なため、2ヒーター仮撚法による適切な条件下で熱セッ
トを実施することにより、捲縮形態を制御し、表面が平
滑な布帛を得ることができる仮撚糸を製造することが可
能である。
【0013】本発明において、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を
主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、ト
リメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好
ましくは70モル%以上、さらには80モル%以上、さ
らに好ましくは、90モル%以上のものをいう。従っ
て、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成
分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル
%以下、さらには20モル%以下、さらに好ましくは1
0モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレ
フタレートを包含する。
【0014】ポリエステルは、テレフタル酸又は例えば
テレフタル酸ジメチルなどのその機能的誘導体と、トリ
メチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の
存在下で、適当な反応条件下に縮合せしめることにより
合成される。この合成過程において、適当な一種又は二
種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとして
もよいし、又、ポリエチレンテレフタレート等のポリト
リメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ナイロ
ンとポリトリメチレンテレフタレートを別個に合成した
後、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイ
ド等)してもよい。
【0015】添加することができる第三成分として、脂
肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族
ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香
族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフ
タル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコ
ール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノ
ール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビ
ス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエー
テルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オ
キシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オ
キシ安息香酸等)等が挙げられる。又、1個又は3個以
上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等
又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲
内で用いることもできる。
【0016】ポリトリメチレンテレフタレート繊維に
は、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒド
ロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク
等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフ
ェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、
蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等の改質剤添加によ
り含有されていてもよい。ポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維は、対数粘度(ηsp/c、o−クロロフェノ
ールのポリマー1g/デシリットル溶液の粘度をホスワ
ルド粘度管を用いて35℃で測定して算出)が0.4〜
2.5、好ましくは0.7〜1.8の前記のポリエステ
ルを溶融紡糸して、1500m/分程度の巻取り速度で
未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法、
紡糸−延伸工程を直結した直延法(スピンドロー法)、
巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法(スピンテ
イクアップ法)により得られる長繊維である。溶融紡糸
において、2000m/分、好ましくは2500〜40
00m/分の巻取り速度で引取って得られる部分配向未
延伸糸を用いることもできる。この場合には、仮撚加工
は当然のことながら延伸同時仮撚法が適用される。
【0017】本発明で用いられるポリトリメチレンテレ
フタレート繊維の形態は、代表的には複数の単糸からな
る連続フィラメント糸、つまり長繊維である。繊維は、
その単糸の断面が長さ方向に均一なものや太細のあるも
のでもよく、断面が丸型、三角、L型、T型、Y型、W
型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉
型、中空型や不定形なものでもよい。単糸デニールは、
0.1〜5dtex程度とするのが好ましい。単糸繊度
が0.1dtexよりも小さい場合には仮撚加工する際
に、糸切れや毛羽が発生して加工性が悪化し、5dte
xよりも大きい場合は得られた布帛の風合いが硬くな
る。
【0018】本発明で用いられる仮撚糸は、糸に捲縮を
付与した嵩高加工糸をいう。仮撚加工の方法としては、
一般に用いられているピンタイプ、フリクションタイ
プ、ニップベルトタイプ、エアー加撚タイプ等いかなる
方法によるものでも適用可能である。仮撚加工時の仮撚
数Tは、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル繊
維の仮撚加工で通常に用いられる範囲でよく、次式で計
算される。この場合、仮撚数の係数Kの値が18500
〜37000の範囲であることが好ましく、仮撚糸の全
繊度によって好ましい仮撚数Tが決定される。 T(T/m)=K/(仮撚加工糸の全繊度(dtex))
1/2
【0019】本発明で用いられる仮撚糸は、2ヒーター
仮撚糸であることが好ましい。ここでいう2ヒーター仮
撚糸とは、繊維を一対のフィードローラーに供給し、仮
撚装置により加撚された状態で第1ヒーターおよび冷却
ゾーンを通過させることにより加撚ひずみを加え、次い
で第1デリベリローラー、第2ヒーター、第2デリベリ
ローラーを通過させることにより解撚、熱弛緩処理を行
う方法で仮撚された仮撚糸である。ポリトリメチレンテ
レフタレート2ヒーター仮撚糸は、1ヒーター糸に比較
すると、捲縮が若干低下しバルキー性がやや低下するも
のの、肌着やパンツ類とした場合、実用上十分なバルキ
ー性を維持することができる。また、布帛の表面平滑性
が向上して、がさつき感、ふかつき感が消失し、ポリト
リメチレンテレフタレート繊維自身の持つソフトな風合
いを充分に発現させることができ、肌着やパンツ類とし
て特に好ましい。
【0020】ここで第1ヒーター(加熱ヒーター)は、
接触式ヒーター、非接触式ヒーターのいずれであっても
よいが、第2ヒーターについては熱セット斑を避けるた
めに非接触式ヒーターの使用が好ましい。また、本発明
で用いられる仮撚糸は、第1ヒーターの出口直後の糸条
温度が130℃以上180℃以下、好ましくは150℃
以上180℃以下、第2ヒーター温度が150℃以上2
20℃以下でかつ第1ヒーターの出口直後の糸条温度に
対して−30℃以上+90℃以下、好ましくは+25℃
以上+70℃以下、第2ヒーター内のフィード率が+5
%以上+30%以下、好ましくは+15%以上+30%
以下の条件で仮撚することが好ましい。
【0021】第1ヒーターの出口直後の糸条温度が13
0℃より低いと捲縮が十分に付与されず、仮撚糸はバル
キー性に劣ったものになる。第1ヒーターの出口直後の
糸条温度が180℃よりも高いと、加工性が著しく低下
し、糸切れが増加したり、仮撚糸強度が低下したりする
ので好ましくない。第2ヒーター温度は150℃以上2
20℃以下で、かつ第1ヒーターの出口直後の糸条温度
に対して−30℃以上+90℃以下の範囲とするのが好
ましく、より好ましくは第1ヒーターの出口直後の糸条
温度に対して+25℃以上+70℃以下の範囲とするの
が好ましい。第2ヒーターで熱セットすることにより、
仮撚糸はがさつき感、ふかつき感が減少してポリトリメ
チレンテレフタレート繊維自身が本来持っているソフト
風合いが現われてくるが、第2ヒーター温度が第1ヒー
ターの出口直後の糸条温度−30℃よりも低いと、捲縮
数が多く、かつ捲縮形態が粗いために織編物の表面はや
や凹凸感のあるものになり、目的とする表面平滑性の優
れた織編物は得られない。第2ヒーター温度が高すぎる
と、仮撚捲縮が過度に消失してしまうためにバルキー性
に欠けたフィラメントタッチの仮撚糸になる。
【0022】第2ヒーター内のフィード率は、+5%以
上+30%以下、より好ましくは+15%以上+30%
以下とするのが好ましい。フィード率が+5%以下では
がさつき感、ふかつき感を十分に減殺することができ
ず、捲縮形態が粗く、熱水収縮率や160℃乾熱収縮率
も大きすぎるために表面平滑性の優れた織編物は得られ
ない。フィード率が+30%を超えると糸の走行状態が
不安定となって熱セット斑を起こすために好ましくな
い。
【0023】本発明で用いられる仮撚糸の捲縮伸長率
は、5%以上100%以下であり、好ましくは8%以上
50%以下、より好ましくは10%以上25%以下であ
る。捲縮伸長率が5%未満では、肌着やパンツ類に必要
なバルキー性が不足し、柔らかな肌触りのものが得られ
ない。100%を越えると、糸の捲縮によるがさつきが
強すぎ、布帛表面の凹凸も大きく、ポリトリメチレンテ
レフタレート繊維自身のもつ柔らかな風合いを十分に活
かした肌着やパンツ類が得られず、ざらざらした着心地
の悪いものになる。
【0024】また、本発明で用いられる仮撚糸の捲縮弾
性率は80%以上であることが好ましく、90%以上で
あることがより好ましい。捲縮弾性率は仮撚糸を伸ばし
た時の戻り易さを表す指標であり、80%以上である
と、肌着やパンツ類とした場合に身体への適度なフィッ
ト感を保持することができる。また、本発明で用いられ
る仮撚糸の捲縮数は2〜10個/cm、好ましくは3〜
8個/cmである。捲縮数が2個/cm未満では、捲縮
が少なすぎるため実用的なバルキー性が不足し、柔らか
な肌触りのものが得られない。10個/cmを越える
と、布帛の表面の凹凸が大きくなり表面平滑性が損なわ
れ、肌着やパンツ類とした場合に、ざらつきが出て、着
心地が悪い。
【0025】また、本発明で用いられる仮撚糸の沸水収
縮率は0〜5%であり、好ましくは0〜3%である。沸
水収縮率が5%を越えると、晒し工程、漂白工程、染色
工程等での布帛の収縮が大きく、目が詰まることにより
布帛内での糸の自由度が小さくなり、肌触りが硬くな
る。また布帛表面の凹凸も大きくなり、ざらざらした着
心地の悪いものになる。本発明に用いられる仮撚糸は、
必要に応じて、ポリトリメチレンテレフタレート繊維同
志や他の繊維糸条と同時仮撚、位相差仮撚、伸度差仮撚
等公知の複合仮撚手段によって複合仮撚糸となしてもよ
い。又、本発明の仮撚糸同士や本発明の仮撚糸と各種原
糸、加工糸、紡績糸等とインターレース交絡したり、流
体攪乱加工をしたり、さらには交撚等の手段によって複
合糸としてもよい。さらには、本発明の仮撚糸や上記の
複合糸を撚糸して用いてもよい。
【0026】次に本発明でいう肌着とは、上半身及び下
半身の肌に直接触れる衣料であって、いわゆる下着とし
ての機能を有するものであり、肌着、シャツ、タンクト
ップ、パンツ、ブリーフ、トランクス、ズボン下等など
称されるものである。但し、必ずしも外から見えない形
で着衣されるとは限らず、外から見える形で着衣されて
もかまわない。布帛の形態としては、編物、織物のいず
れにも限定するものではないが、適度なフィット感と運
動追随性を有しながら、窮屈でない着心地を得るために
は、編物であることが好ましい。編組織としては、フラ
イス、スムース、天竺、鹿の子や、これらの変形組織が
可能である。
【0027】また、本発明に用いられる布帛は、スパン
デックス糸と交編、交織されたものであってもかまわな
い。スパンデックスを交編、交織する場合には、スパン
デックスの伸縮力により着衣した時の圧迫感が強くなり
すぎないように、スパンデックスの種類、布帛の組織、
交編、交織時のドラフト率に留意することが好ましい。
即ち、交編時のドラフト率は3%を越えないことが好ま
しい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例で具体的に
説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるもの
ではない。尚、実施例中に示す特性値の測定は、以下の
方法で実施した。 (1)捲縮伸長率:前述と同様 (2)捲縮数:前述と同様 (3)沸水収縮率:前述と同様 (4)捲縮弾性率:試料糸の総デニールをD(dte
x)とし、枠周1mの検尺機を用い120回/minの
速度で1/(0.0003×D/1.1)回巻き返す。
得られたかせに荷重2g(2.6×10-4cN/dte
xに相当)を懸けて垂下し、90℃で15分間処理す
る。次に処理したかせのいろいろな個所から、できるだ
け捲縮を伸ばさないように約30cmの糸を試料として
採取する。まず、初荷重として1.8×10-3cN/d
texを懸けて垂下し、30秒後に試料に20cm間隔
のマークを入れる。マーク間の長さをK0(cm)とす
る。初荷重をはずし、次に8.8×10-2cN/dte
xの荷重を懸けて垂下し、30秒後にマーク間の長さK
(cm)を読み取る。読み取り後、速やかに除重し、2
分間静置する。続いて、再び初荷重1.8×10-3cN
/dtexを懸けて垂下し、30秒後のマーク間の距離
K1を読み取る。かせのいろいろな個所から採取した5
本の試料について各々同様に測定し、下記式を捲縮弾性
率(%)とし、5本の平均値で示す。 [(K−K1)/(K−K0)]×100(%)
【0029】
【実施例1】ηsp/c=0.8のポリトリメチレンテ
レフタレートを紡糸温度265℃、紡糸速度1200m
/分で未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60
℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸
速度800m/分で延撚して、84dtex/36fの
延伸糸を得た。延伸糸の強伸度、弾性率並びに10%伸
長時の弾性回復率は、各々3.2cN/dtex、44
%、26.5cN/dtex並びに98%であった。
【0030】得られた延伸糸84dtex/36fを石
川製作所製IVF−338仮撚加工機用いて、スピンド
ル回転数613700rpm、仮撚数3230T/m、
加工速度190m/min、第1フィード率−1%、第
1ヒーター温度170℃、第2ヒーター温度190℃、
第2フィード率+18%で2ヒーター仮撚加工を行っ
た。得られた仮撚加工糸の捲縮伸長率は23%、捲縮弾
性率は96%、捲縮数は5個/cm、沸水収縮率は1.
3%であった。
【0031】次に得られた仮撚糸84dtex/36f
を2本引き揃えて、福原精機製作所製ダブル丸編み機F
RS−L(20ゲージ、53.3cm(21インチ)
径、各ベッドの針本数は1320本)を用いて、編込糸
長680cm/1320ウェールの条件で、フライス編
地を編成した。次に得られた編地を、液流染色機を用い
て精錬剤と過酸化水素で80〜90℃×30分間晒し
後、PH調整、水洗、ボイル100℃×20分、水洗、
サクションドラム乾燥、スチーム枠セット170℃×1
minを行った。次に得られた加工後の編地をバンドナ
イフで着分に裁断後、肩継ぎは2本針オーバーロック、
裾始末は1本針オーバーロック、衿ぐりバインダーは平
2本針、袖付けはオーバーロックにて、本発明の実施例
1の半袖丸首の肌着を作成した。
【0032】
【実施例2】実施例1と同様のポリトリメチレンテレフ
タレート延伸糸84dtex/36fを用いて、第2フ
ィード率を12%にした他は、同様の条件で仮撚加工を
行った。得られた仮撚加工糸の捲縮伸長率は11%、捲
縮弾性率は93%、捲縮数は3個/cm、沸水収縮率は
1.5%であった。得られた仮撚糸を実施例1と同様に
して、実施例2の肌着を得た。
【0033】
【実施例3】実施例1と同様のポリトリメチレンテレフ
タレート延伸糸84dtex/36fを用いて、第2ヒ
ーター210℃、第2フィード率を25%にした他は、
同様の条件で仮撚加工を行った。得られた仮撚加工糸の
捲縮伸長率は24%、捲縮弾性率は99%、捲縮数は7
個/cm、沸水収縮率は1.2%であった。得られた仮
撚糸を実施例1と同様にして、実施例3の肌着を得た。
【0034】
【比較例1】実施例1と同じ延伸糸を用い、第2ヒータ
ー190℃、第2フィード率0%の条件で2ヒーター仮
撚加工を行った他は、実施例1と同様にして仮撚加工を
実施した。得られた仮撚加工糸の捲縮伸長率は124
%、捲縮弾性率は95%、捲縮数は14コ/cm、沸水
収縮率は8.9%であった。得られた仮撚糸を実施例1
と同様にして、比較例1の肌着を得た
【0035】
【比較例2】実施例1と同じ延伸糸を用い、第2ヒータ
ー210℃、第2フィード率10%で2ヒーター仮撚加
工を行った他は、実施例1と同様にして仮撚加工を実施
した。得られた仮撚加工糸の捲縮伸長率は2.4%、捲
縮弾性率は99%、捲縮数は2コ/cm、沸水収縮率は
1.4%であった。得られた仮撚糸を実施例1と同様に
して、比較例2の肌着を得た
【0036】
【比較例3】84dtex/36fのポリエチレンテレ
フタレート系ポリエステル繊維を、石川製作所製IVF
−338仮撚加工機を用いて、スピンドル回転数613
700rpm、仮撚数3230T/m、加工速度190
m/min、第1フィード率1%で、第1ヒーター温度
210℃、第2ヒーター温度190℃、第2フィード率
+10%の条件で2ヒーター仮撚加工を行い、捲縮伸長
率13%、捲縮弾性率95%、捲縮数11個/cm、沸
水収縮率2.1%の仮撚糸を得た。続いて実施例1と同
様にして比較例3の肌着を得た。
【0037】得られた実施例1〜3、比較例1〜3の肌
着を、5人のパネラー(20〜30代男性)で、着用試
験を約4ヶ月(11月から翌年2月まで)実施し、フィ
ット感、運動追随性、窮屈感、着脱時の肌触り、着用中
の肌触りについて、―3〜3までの7段階評定法で評価
し、その平均値を表に示した。なお、数字が大きい方が
優秀であることを示す。実施例1〜3の肌着は、いずれ
も身体へのフィット感に優れ、運動追随性に優れ、窮屈
さがなく、肌触りが柔らかくふんわりして良好であっ
た。
【0038】比較例1は、着脱時にざらざらした肌触り
であり、着用中もがさがさ感があり肌触りが悪く、身体
へのフィット感や運動追随性も劣った。比較例2は、身
体へのフィット感に劣った。比較例3は、ざらつきがあ
り着脱時及び着用時の肌触りが悪かった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の肌着やパンツ類は、表面形態が
平滑で適度なバルキー性と伸縮性を持ち、身体への適度
なフィット感と運動追随性を有しながら、窮屈でなく、
しかも柔らかくふんわりとした風合いで、肌触りの良い
優れた肌着やパンツ類である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリトリメチレンテレフタレート繊維で構
    成された仮撚糸であって、該仮撚糸の捲縮伸長率が5〜
    100%、捲縮数が2〜10個/cm、沸水収縮率が0
    〜5%である仮撚糸を含むことを特徴とする肌着。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010150675A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Toyobo Specialties Trading Co Ltd 保温編地

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010150675A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Toyobo Specialties Trading Co Ltd 保温編地

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