JP2002038247A

JP2002038247A - 溶融メッキ処理方法及び装置

Info

Publication number: JP2002038247A
Application number: JP2000226798A
Authority: JP
Inventors: Hiroki Ueda; 宏樹上田; Hideo Utsuno; 秀夫宇津野; Kazunori Hanada; 和範花田; Shoji Miyake; 昭二三宅
Original assignee: Kobe Steel Ltd
Current assignee: Kobe Steel Ltd
Priority date: 2000-07-27
Filing date: 2000-07-27
Publication date: 2002-02-06

Abstract

(57)【要約】【課題】操業上で板の品質を劣化させたり、亜鉛付着
量の差が十分改善されなかったりすることなく、ガスワ
イパ部での板振動を低減させ得る溶融メッキ処理方法を
提供する。【解決手段】ターンダウンロール、シンクロール、ガ
スワイパ部、タッチロールの順に通板して被処理板に溶
融メッキを施してなる溶融メッキ処理方法において、前
記ガスワイパ部における通板中の板の振動振幅が零又は
小さくなるように、メッキ浴を出た後の板を支持する支
持ロールを板の振動振幅方向に進退駆動させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、溶融メッキ処理方
法及び装置に関し、詳細には、溶融メッキラインでガス
ワイピングによりメッキ厚さを調整する工程における被
処理板を搬送させるシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板に代表され
るように、溶融亜鉛の浴中に鋼板を連続通板させ、その
表面に付着した亜鉛をガスワイパにより所定付着量まで
除去する溶融亜鉛メッキ方法がある。

【０００３】上記溶融亜鉛メッキ方法に適用される溶融
亜鉛メッキ装置のメッキ工程は、大略図５に示す構成か
らなる。この工程では、巻戻された鋼板１がターンダウ
ンロール２から亜鉛浴３中に連続通板され、シンクロー
ル４からサポートロール５を介してガスワイパ部６を通
過し、更にタッチロール７で支持される構成になってい
る。そして、ガスワイパ部６を通過する過程で鋼板１の
表面に付着した亜鉛を所定付着量まで除去して溶融亜鉛
メッキがなされている。

【０００４】上記メッキ工程において鋼板１を通板させ
ると、亜鉛浴３中のロール４，５が回転するが、これら
浴中のロール４，５は、通常、耐久性の観点からラジア
ル軸受けが使われ、この軸受けにガタがあるため、ロー
ル４，５が振動し、ロール４，５と接触している亜鉛浴
３中での鋼板１が加振され、振動を起こす。

【０００５】上記鋼板１に発生する振動は、図６にガス
ワイパ部における鋼板１の振動状態を模式的に示すよう
に、ガスワイパ部６付近で大きな振動になっており、こ
のガスワイパ部６での鋼板１の振動により、鋼板１とガ
スワイパノズル８との距離が周期的に変動する。そし
て、前記変動により、鋼板１に付着した亜鉛表面でのガ
ス流速が変化するので亜鉛付着量に変動が発生するとい
った問題があった。

【０００６】従来、このような亜鉛付着量の変動を抑制
するため、通板させる時の鋼板にかける張力を高め、
板の振動を抑制する方法、鋼板の断面形状を反り形状
にし板の断面二次モーメントを高めることにより、板の
曲げ剛性を高め、振動を低減させる方法、特許第２５
７０９２４号公報に提案されているように、通板される
鋼板に対して鋼板面に平行な高周波電流導通路を鋼板面
に近接配置するとともに、鋼板の幅方向に磁石を配置
し、高周波電流導通路の高周波電流と鋼板に誘導される
誘導電流とで鋼板に磁気圧力を発生させることにより、
鋼板の振動を低減させる方法がある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たの通板時の板張力を高める方法は、張力を高め過ぎ
ると板に塑性絞りが発生するといった問題がある。ま
た、の板形状を反り形状にし板の曲げ剛性を高める方
法は、板形状を反らせることにより、対向するガスワイ
パノズルと鋼板との距離が異なるのでそれぞれの面で亜
鉛付着量に差が出てしまうといった問題がある。また、
の特許第２５７０９２４号公報に提案の方法では、ガ
スワイパ付近は溶融金属の輻射熱により非常に高温であ
るため、高温下での磁石の冷却が必要となってくる。ま
た、高周波を用いているが鋼板は電磁石による磁場を通
過するため、若干の磁化は避けられない。そして、磁化
することによる鉄粉の吸引、付着の問題が懸念される。

【０００８】そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、操
業上で板の品質を劣化させたり、亜鉛付着量の差が十分
改善されなかったりすることなく、ガスワイパ部での板
振動を低減させ得る溶融メッキ処理方法及び装置を提供
することを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明（請求項１）に係る溶融メッキ処理方法
は、ターンダウンロール、シンクロール、ガスワイパ
部、タッチロールの順に通板して被処理板にメッキ浴に
よる溶融メッキを施してなる溶融メッキ処理方法におい
て、前記ガスワイパ部における通板中の前記被処理板の
振動振幅が零又は小さくなるように、前記メッキ浴を出
た後の前記被処理板を支持する支持ロールを前記被処理
板の振動振幅方向に進退駆動させるものである。すなわ
ち、例えば図１に示すように、メッキ浴３中のサポート
ロール５とメッキ浴３を出た後のタッチロール７とで支
持された板１において、ガスワイパ部６における板１の
振れる方向と逆の方向にタッチロール７を振る（進退さ
せる）ことで、ガスワイパ部６における板１の振れを小
さくする。従って、本発明では、上記乃至のような
操業上で板の品質を劣化させたり、亜鉛付着量の差が十
分改善されなかったりすることなく、ガスワイパ部での
板振動を低減させることができる。なお、メッキ浴３と
タッチロール７との間に板１の支持ロールを設け、この
支持ロールを進退させてもよい。

【００１０】また、本発明（請求項３）に係る溶融メッ
キ処理装置は、ターンダウンロール、シンクロール、ガ
スワイパ部、タッチロールの順に通板して被処理板にメ
ッキ浴による溶融メッキを施す溶融メッキ処理装置にお
いて、前記メッキ浴を出た後の前記被処理板を支持する
支持ロールと、この支持ロールを前記被処理板の振動振
幅方向に進退駆動させる駆動手段と、前記ガスワイパ部
を通板する前記被処理板の振動振幅を検出する非接触変
位計と、この非接触変位計からの検出信号を基に前記支
持ロールの進退周波数と振幅、位相を演算する演算部
と、この演算部からの出力信号で前記駆動手段を制御駆
動する制御装置とを備えてなるものである。つまり、板
振動を非接触変位計で検出し、検出信号を演算器で演算
することにより、ガスワイパ部における板振動を最も小
さくするように板を支持するロールを板振動振幅方向に
進退駆動させるもので、このように操作することで、上
記乃至のような操業上で板の品質を劣化させたり、
亜鉛付着量の差が十分改善されなかったりすることな
く、ガスワイパ部での板振動を低減させることができ
る。

【００１１】また、本発明（請求項４）に係る溶融メッ
キ処理装置は、ターンダウンロール、シンクロール、ガ
スワイパ部、タッチロールの順に通板して被処理板にメ
ッキ浴による溶融メッキを施す溶融メッキ処理装置にお
いて、前記メッキ浴を出た後の前記被処理板を支持する
支持ロールと、この支持ロールを前記被処理板の振動振
幅方向に進退駆動させる駆動手段と、前記ガスワイパ部
を通板する前記被処理板の振動振幅を撮像するビデオカ
メラと、このビデオカメラの撮像による前記被処理板の
振動振幅を観察チェックするビデオカメラモニタと、前
記駆動手段を制御駆動する制御装置とを備えてなるもの
である。このように構成しても、上記乃至のような
操業上で板の品質を劣化させたり、亜鉛付着量の差が十
分改善されなかったりすることなく、ガスワイパ部での
板振動を低減させることができる。

【００１２】また更に、上記請求項４に記載の溶融メッ
キ処理装置においては、ターンダウンロールの軸受けに
設けられた荷重検出器と、この荷重検出器で検出される
荷重変動を基に張力変動更には張力変動の周波数成分を
演算する演算部とを備えてあってもよい（請求項５）。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図２は、本発明（請求項３）に係る
溶融亜鉛メッキ装置の概要図である。なお、図におい
て、従来技術と同じ部位は同じ符号（１〜８）をもって
示す。この例におけるタッチロール７は水平方向に進退
駆動可能に設置されている。

【００１４】符号９はリニアアクチュエータであって、
このリニアアクチュエータ９は、制御装置１０に接続さ
れるとともに、タッチロール７に連結され、制御装置１
０の出力信号によりタッチロール７を水平方向に進退駆
動する。

【００１５】符号１１は非接触変位計であって、この非
接触変位計１１は、ガスワイパ部６付近に設置されると
ともに、演算器１２に接続されている。また、演算器１
２は上記制御装置１０に接続されている。

【００１６】上記構成の装置によるメッキ操業は、従来
同様、鋼板１を通板させて行なわれる。この操業におい
て、非接触変位計１１がガスワイパ部６の板振動を検出
し、その検出信号を演算器１２に転送する。演算器１２
では前記検出信号をリニアアクチュエータ９の制御信号
として演算し、制御装置１０を介してリニアアクチュエ
ータ９に出力する。この出力信号でリニアアクチュエー
タ９が作動し、タッチロール７が、ガスワイパ部６にお
ける鋼板１の振れる方向とは逆の方向に振られ、ガスワ
イパ部６における鋼板１の振れを小さくする。このよう
にして鋼板１の振れを小さくするので、操業上で鋼板１
の品質を劣化させることはなく、また亜鉛付着量の差の
ないメッキが施せる。

【００１７】なお、上記例においては、演算器１２への
検出信号は変位信号であり、その変位信号を微分した速
度信号と共にリニアアクチュエータ９に負帰還させる。
また、演算器１２では高速フーリエ変換プログラムを用
いることができる。この高速フーリエ変換プログラムを
用いた場合には、ガスワイパ部６における板振動周波数
を抽出する。そして、この周波数でリニアアクチュエー
タ９を駆動させると共に振幅と位相を調整し、ガスワイ
パ部６における鋼板１の振動が最も小さくなるように設
定するとよい。また、上記例における非接触変位計１１
としては、渦電流式変位計もしくは光学式変位計を用い
ることができる。

【００１８】図３は、本発明（請求項４）に係る溶融亜
鉛メッキ装置の概要図である。なお、図において、従来
技術と同じ部位は同じ符号（１〜８）をもって示す。こ
の例におけるタッチロール７は水平方向に進退駆動可能
に設置されている。

【００１９】リニアアクチュエータ９は、上記の例と同
様に、制御装置１０に接続されるとともに、タッチロー
ル７に連結され、制御装置１０の出力信号によりタッチ
ロール７を水平方向に進退駆動する。

【００２０】符号１３はビデオカメラであって、このビ
デオカメラ１３は、ガスワイパ部６付近に設置されると
ともに、ビデオカメラモニタ１４が接続されている。

【００２１】上記構成の装置によるメッキ操業は、従来
同様、鋼板１を通板させて行なわれる。この操業におい
て、ビデオカメラ１３がガスワイパ部６の板振動状態を
撮像し、その映像をビデオカメラモニタ１４で観察チェ
ックし、そのチェック結果を制御装置１０に設定する。
制御装置１０では制御信号に変換してリニアアクチュエ
ータ９に出力し、この出力信号でリニアアクチュエータ
９が作動し、タッチロール７が、ガスワイパ部６におけ
る板１の振れる方向とは逆の方向に振られ、ガスワイパ
部６における鋼板１の振れを小さくする。このようにし
て鋼板１の振れを小さくするので、操業上で鋼板１の品
質を劣化させることはなく、また亜鉛付着量の差のない
メッキが施せる。

【００２２】図４は、本発明（請求項５）に係る溶融亜
鉛メッキ装置の概要図であって、上記図３に示す構成の
溶融亜鉛メッキ装置において、更にターンダウンロール
２の軸受けにロードセル１５を設けるとともに、このロ
ードセル１５に演算器１６を接続した構成としたもので
ある。

【００２３】上記構成の装置によるメッキ操業は、従来
同様、鋼板１を通板させて行なわれる。この操業におい
ては、ラジアル軸受けで支持されているシンクロール
４、サポートロール５が回転することにより発生する鋼
板１の振動で発生する張力変動を、ターンダウンロール
２の軸受けに設けたロードセル１５で荷重変動として検
出し、その検出信号を演算器１６に転送する。演算器１
６では荷重変動に含まれている各ロール４，５の周波数
成分から張力変動の周波数成分を高速フーリエ変換プロ
グラムを用いて求め、その張力変動周波数成分の内、ガ
スワイパ部６の鋼板１の振動に影響の大きいサポートロ
ール５の回転周波数による鋼板振動を抽出し、その周波
数を制御装置１０に設定する。制御装置１０では制御信
号に変換してリニアアクチュエータ９に出力し、この出
力信号でリニアアクチュエータ９が作動し、タッチロー
ル７が、ガスワイパ部６における鋼板１の振れる方向と
は逆の方向に振られ、ガスワイパ部６における鋼板１の
振れを小さくする。

【００２４】そして一方、上記のように制御した後のガ
スワイパ部６における鋼板１の振動状態を含めて鋼板１
の振動状態をビデオカメラ１３で撮像し、その映像をビ
デオカメラモニタ１４で観察チェックする。必要であれ
ば、そのチェック結果を制御装置１０に設定する。この
ようにして鋼板１の振れを小さくするので、操業上で鋼
板１の品質を劣化させることはなく、また亜鉛付着量の
差のないメッキが施せる。

【００２５】なお、上記図３及び図４の例におけるビデ
オカメラモニタ１４の観察チェック結果の制御装置１０
への設定、あるいは演算器１６で演算された鋼板振動に
影響する周波数の制御装置１０への設定は、人為的に設
定してもよいし、信号にして自動的に設定されるように
してもよい。また、非接触変位計１１及びビデオカメラ
１３の設置位置は、ガスワイパ部６よりも前（図２乃至
図４では下側）でもよい。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る溶融
メッキ処理方法及び装置によれば、操業上で板の品質を
劣化させることなく、ガスワイパ部での板振動を低減さ
せることができる。また、このようにガスワイパ部での
板振動を低減させることができることから、亜鉛付着量
の変動も抑制され、亜鉛付着量の差のないメッキが行な
える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る溶融亜鉛メッキ方法を適用した場
合のガスワイパ部における板の振動状態の概念図であ
る。

【図２】本発明に係る溶融亜鉛メッキ装置の実施形態の
概要図である。

【図３】本発明に係る溶融亜鉛メッキ装置の別の実施形
態の概要図である。

【図４】本発明に係る溶融亜鉛メッキ装置の別の実施形
態の概要図である。

【図５】従来の溶融亜鉛メッキ装置の概要図である。

【図６】ガスワイパ部における板の振動状態を示す模式
図である。

【符号の説明】

１：鋼板２：ターンダウンロール
３：亜鉛浴４：シンクロール５：サポートロール
６：ガスワイパ部７：タッチロール８：ガスワイパノズル９：リニアアクチュエータ１
０：制御装置１１：非接触変位計１２：演算器１
３：ビデオカメラ１４：ビデオカメラモニタ１
５：ロードセル１６：演算器

フロントページの続き (72)発明者花田和範兵庫県加古川市金沢町１番地株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者三宅昭二兵庫県加古川市金沢町１番地株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所内Ｆターム(参考） 4K027 AA02 AA22 AB42 AC52 AD08 AD11 AD16 AD17 AE15 AE24

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ターンダウンロール、シンクロール、ガ
スワイパ部、タッチロールの順に通板して被処理板にメ
ッキ浴による溶融メッキを施してなる溶融メッキ処理方
法において、前記ガスワイパ部における通板中の前記被
処理板の振動振幅が零又は小さくなるように、前記メッ
キ浴を出た後の前記被処理板を支持する支持ロールを前
記被処理板の振動振幅方向に進退駆動させることを特徴
とする溶融メッキ処理方法。
【請求項２】前記メッキ浴を出た後の被処理板を支持
する前記支持ロールが前記タッチロールである請求項１
に記載の溶融メッキ処理方法。
【請求項３】ターンダウンロール、シンクロール、ガ
スワイパ部、タッチロールの順に通板して被処理板にメ
ッキ浴による溶融メッキを施す溶融メッキ処理装置にお
いて、前記メッキ浴を出た後の前記被処理板を支持する
支持ロールと、この支持ロールを前記被処理板の振動振
幅方向に進退駆動させる駆動手段と、前記ガスワイパ部
を通板する前記被処理板の振動振幅を検出する非接触変
位計と、この非接触変位計からの検出信号を基に前記支
持ロールの進退周波数と振幅、位相を演算する演算部
と、この演算部からの出力信号で前記駆動手段を制御駆
動する制御装置とを備えてなることを特徴とする溶融メ
ッキ処理装置。
【請求項４】ターンダウンロール、シンクロール、ガ
スワイパ部、タッチロールの順に通板して被処理板にメ
ッキ浴による溶融メッキを施す溶融メッキ処理装置にお
いて、前記メッキ浴を出た後の前記被処理板を支持する
支持ロールと、この支持ロールを前記被処理板の振動振
幅方向に進退駆動させる駆動手段と、前記ガスワイパ部
を通板する前記被処理板の振動振幅を撮像するビデオカ
メラと、このビデオカメラの撮像による前記被処理板の
振動振幅を観察チェックするビデオカメラモニタと、前
記駆動手段を制御駆動する制御装置とを備えてなること
を特徴とする溶融メッキ処理装置。
【請求項５】請求項４に記載の溶融メッキ処理装置に
おいて、前記ターンダウンロールの軸受けに設けられた
荷重検出器と、この荷重検出器で検出される荷重変動を
基に張力変動更には張力変動の周波数成分を演算する演
算部とを備えてなる溶融メッキ処理装置。
【請求項６】前記メッキ浴を出た後の被処理板を支持
する支持ロールが前記タッチロールである請求項３〜５
に記載の溶融メッキ処理装置。