JP2002038150A - 真空紫外線励起蛍光体およびそれを用いた発光装置 - Google Patents

真空紫外線励起蛍光体およびそれを用いた発光装置

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JP2002038150A
JP2002038150A JP2000225831A JP2000225831A JP2002038150A JP 2002038150 A JP2002038150 A JP 2002038150A JP 2000225831 A JP2000225831 A JP 2000225831A JP 2000225831 A JP2000225831 A JP 2000225831A JP 2002038150 A JP2002038150 A JP 2002038150A
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light
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excited
europium
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Nobuyuki Yokozawa
信幸 横沢
Futoshi Yoshimura
太志 吉村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDPなどの真空紫外線励起の発光装置に用
いられる赤色発光蛍光体において、輝度特性および色純
度を共に向上させる。 【解決手段】 平均一次粒子径が1μm未満の微粒子状の
ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体からなる赤色発光
の真空紫外線励起蛍光体である。このような微粒子状の
ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体は単独で、PDP
のような発光装置の発光層に用いられる。微粒子状のユ
ーロピウム付活希土類酸化物蛍光体は、粗粒子状のユー
ロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体との混合蛍光体として
用いてもよい。さらに、ユーロピウム付活希土類硼酸塩
蛍光体の粒子表面をユーロピウム付活希土類酸化物蛍光
体の被膜でコーティングしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤色発光の真空紫
外線励起蛍光体とそれを用いた発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、希ガス放電により放射される短波
長の真空紫外線を、蛍光体の励起源とする発光装置が開
発されている。このような発光装置では、真空紫外線を
励起源として発光する蛍光体、すなわち真空紫外線励起
蛍光体が用いられる。真空紫外線励起の発光装置を利用
した表示装置としては、プラズマディスプレイパネル
(PDP)がよく知られている。
【0003】PDPはマルチメディア時代の到来に伴っ
て、デジタルネットワークのコア機器となるディスプレ
イに求められている、大画面でかつ薄型でデジタル表示
が可能であるというような特性を備えている。すなわ
ち、PDPは様々な情報を緻密で高精細に映し出すこと
ができ、かつ大画面化および薄型化が可能なデジタルデ
ィスプレイデバイスとして注目されている。
【0004】真空紫外線で蛍光体を励起して発光を得る
装置としては、PDPのような表示装置のみならず、キ
セノン(Xe)などの希ガスによる放電発光を利用した
希ガス放電ランプも知られている。Xe放電ランプなど
の希ガス放電ランプは、従来の水銀(Hg)放電ランプ
に代えて、車載用液晶ディスプレイのバックライトをは
じめとする、安全性などが求められる用途に使用される
ようになってきている。希ガス放電ランプは有害な水銀
を使用しないことから、環境安全性に優れる放電ランプ
としても注目されている。
【0005】上述したような真空紫外線励起タイプの発
光装置に共通することは、蛍光体の励起源として、従来
の電子線や水銀からの紫外線(波長:254nm)に代えて、
希ガス放電により放射される波長147nm、172nmなどの真
空紫外線を用いていることにある。このような真空紫外
領域で蛍光体を発光させる研究は少ないことから、真空
紫外線励起タイプの発光装置では、従来から既知の蛍光
体の中から真空紫外線による発光特性に比較的優れたも
のを経験的に選択して使用している。
【0006】例えば、PDPでフルカラー表示を実現す
るためには、赤色、緑色、青色の各色に発光する蛍光体
が必要となる。そこで、従来のフルカラーPDPでは、
赤色発光蛍光体として(Y,Gd)BO3:Eu蛍光
体、Y2O3:Eu蛍光体、(Y,Gd)2O3:Eu蛍光
体などが用いられており、また緑色発光蛍光体としては
Zn2SiO4:Mn蛍光体やBaMgAl10O17:Mn
蛍光体などが、青色発光蛍光体としてはBaMgAl10
O17:Eu蛍光体などが使用されている。また、希ガス
放電ランプでは、上記した各色発光の蛍光体を混合した
ものが一般的に使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の真空紫外線励起用の赤色発光蛍光体としては、(Y,
Gd)BO3:Euのようなユーロピウム付活希土類硼
酸塩蛍光体、あるいはY2O3:Euや(Y,Gd)2O
3:Euなどのユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体が
用いられている。
【0008】これらのうち、現状では輝度特性などの点
からユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体が、主として
赤色発光の真空紫外線励起蛍光体として用いられてい
る。しかしながら、ユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光
体では、色純度の点で十分に満足した特性が得られてお
らず、PDPの表示特性などの改善を図る上で、赤色発
光蛍光体の色純度の向上が望まれている。
【0009】一方、ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光
体は、ユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体と比べて色
純度に優れている反面、輝度特性に劣るという問題を有
している。例えば、特開平10-195432号公報には、Y2O
3:EuにGdを固溶させることで輝度や色純度を改善
した赤色発光の真空紫外線励起蛍光体が記載されている
が、高輝度な発光装置を実現する上で、波長147nm、172
nmなどの真空紫外線で励起した際の輝度(発光効率)を
より一層高めることが強く望まれている。
【0010】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体
の優れた色純度を維持しつつ、輝度特性の向上を図った
真空紫外線励起蛍光体を提供することを目的としてい
る。また、ユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体が有す
る輝度特性を維持しつつ、色純度を向上させた赤色発光
の真空紫外線励起蛍光体を提供することを目的としてい
る。さらに、そのような赤色発光の真空紫外線励起蛍光
体を用いることによって、輝度特性や表示特性などを向
上させた発光装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記した目
的を達成するために、種々の赤色発光の真空紫外線励起
蛍光体について検討を重ねた結果、ユーロピウム付活希
土類酸化物蛍光体の作製に水溶液からの合成法を適用す
ることによって、平均一次粒子径が1μm未満という微粒
子蛍光体が得られ、このようなユーロピウム付活希土類
酸化物の微粒子蛍光体により色純度を維持しつつ、輝度
を高めることが可能であることを見出した。
【0012】また、(Y,Gd)BO3:Euのような
ユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体とY2O3:Euや
(Y,Gd)2O3:Euなどのユーロピウム付活希土類
酸化物蛍光体とを混合して使用することによって、各赤
色発光蛍光体の長所を活かして、目的とする赤色発光の
真空紫外線励起蛍光体の輝度や色度に対する自由度を高
めることができることを見出した。
【0013】さらに、ユーロピウム付活希土類酸化物蛍
光体に上記したような微粒子蛍光体を用いることによっ
て、ユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体の粒子表面に
ユーロピウム付活希土類酸化物の微粒子蛍光体を付着さ
せることができ、またさらには粒子表面をユーロピウム
付活希土類酸化物蛍光体の被膜でコーティングすること
が可能である。これらによれば、赤色発光の真空紫外線
励起蛍光体の輝度と純度をより有効に高めることができ
る。
【0014】本発明はこのような知見に基づいて成され
たものであり、本発明における第1の真空紫外線励起蛍
光体は請求項1に記載したように、ユーロピウム付活希
土類酸化物蛍光体からなる赤色発光の真空紫外線励起蛍
光体であって、前記ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光
体は平均一次粒子径が1μm未満の微粒子により構成され
ていることを特徴としている。
【0015】本発明における第2の真空紫外線励起蛍光
体は、請求項3に記載したように、ユーロピウム付活希
土類硼酸塩蛍光体からなる第1の赤色発光蛍光体と、ユ
ーロピウム付活希土類酸化物蛍光体からなる第2の赤色
発光蛍光体との混合物を具備することを特徴としてい
る。
【0016】第2の真空紫外線励起蛍光体の具体的な形
態としては、請求項5に記載したように、第1の赤色発
光蛍光体として平均一次粒子径が1〜3μmの範囲の粗粒
子蛍光体を用いると共に、第2の赤色発光蛍光体として
平均一次粒子径が1μm未満の微粒子蛍光体を用い、かつ
第2の赤色発光蛍光体を構成する微粒子蛍光体を第1の
赤色発光蛍光体を構成する粗粒子蛍光体の表面に付着さ
せた形態が挙げられる。あるいは、請求項6に記載した
ように、第1の赤色発光蛍光体からなる蛍光体粒子の表
面に、第2の赤色発光蛍光体からなる蛍光体被膜をコー
ティングした形態が挙げられる。
【0017】本発明の発光装置は、請求項10に記載し
たように、上記した本発明の赤色発光の真空紫外線励起
蛍光体を含む発光層を具備することを特徴としている。
本発明の発光装置の具体的な形態としては、例えば請求
項11に記載したように、赤色発光の真空紫外線励起蛍
光体に加えて、青色発光および緑色発光の真空紫外線励
起蛍光体を含む発光層と、この発光層に真空紫外線を照
射する手段とを具備し、プラズマディスプレイパネルの
表示部を構成する発光装置が挙げられる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0019】本発明の第1の真空紫外線励起蛍光体は、
真空紫外線を照射した際に赤色に発光する蛍光体であっ
て、ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体からなるもの
である。ここで、本発明で対象としている真空紫外線と
は、例えば波長が200nm以下の短波長の紫外線であり、
Xeガス、Xe−Neガスなどの希ガスを用いた放電
(希ガス放電)により放射される紫外線である。実用的
には、波長147nmの真空紫外線や波長172nmの真空紫外線
などが用いられる。
【0020】ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体とし
ては、 一般式:(Y1-xGdx)2O3:Eu …(1) (式中、xは0≦x≦1を満足する数である)で実質的に
表される組成を有する蛍光体が挙げられる。xの値は0
≦x≦1の範囲で適宜に設定可能であるが、輝度や色純
度の向上などを図る上で0.1〜0.5の範囲とすることが好
ましい。また、Euの付活量は真空紫外線励起の赤色発
光蛍光体として良好な発光色度や輝度を得る上で、蛍光
体母体((Y1-xGdx)2O3)に対して1〜10mol%の範
囲とすることが好ましい。
【0021】本発明の第1の真空紫外線励起蛍光体は、
上記したユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体の平均一
次粒子径を1μm未満としたものであり、平均一次粒子径
が1μm未満の微粒子蛍光体の集合体を有するものであ
る。このような微粒子化されたユーロピウム付活希土類
酸化物蛍光体は、後に詳述する水溶液からの合成法を適
用することによって再現性よく得ることができる。
【0022】このように、ユーロピウム付活希土類酸化
物蛍光体の平均一次粒子径を1μm未満と微粒子化するこ
とによって、本来の良好な色純度(発光色度)を維持し
つつ、輝度の向上を図ることができる。すなわち、平均
一次粒子径が1μm未満の微粒子蛍光体によれば、それを
用いた蛍光体層(発光層)の密度を高めることが可能で
あることから、この蛍光体層の高密度化に基づいて輝度
の向上を図ることができる。
【0023】本発明によるユーロピウム付活希土類酸化
物蛍光体の平均一次粒子径はさらに0.5μm以下とするこ
とが好ましい。また、ユーロピウム付活希土類酸化物蛍
光体は、一次粒子径が1μm未満の微粒子を80質量%以上
含むことが好ましい。このようなユーロピウム付活希土
類酸化物蛍光体によれば、発光輝度の向上効果をより顕
著に得ることができる。
【0024】ここで、本発明におけるユーロピウム付活
希土類酸化物蛍光体の平均一次粒子径は、ブレーン法に
より測定した値を示すものとする。具体的には、具体的
には、図1に示すような器具を用い、まずセル内に蛍光
体を詰めて、プランジャで一定の圧力で圧縮する。ある
一定の空隙と圧縮体が形成されたセルをマノメータに密
着させ、アスピレータでマノメータ内の液面をAまで上
げる。アスピレータを切り、液面がBからCまで降下す
る時間を測定し、下記の(1)式に基づいて比表面積Sを
算出し、得られた比表面積Sから下記の(2)式に基づい
て平均粒子径Dを算出する。
【0025】S=S0(ρ0/ρ)(t/t0)1/2・(1
−e0)/e03/2 ・e3/2/(1−e) …(1) D=6/(ρ・S) …(2) (式中、Sは未知試料の比表面積、ρは未知試料の比
重、eは未知試料の空隙率、tは未知試料の液面降下時
間、S0は標準試料の比表面積、ρ0は標準試料の比重、
e0は標準試料の空隙率、t0は標準試料の液面降下時
間、Dは平均粒子径である) また、一次粒子径が1μm未満の微粒子の比率は、例えば
走査電子顕微鏡(SEM)写真から求めるものとする。
【0026】なお、上記した微粒子化されたユーロピウ
ム付活希土類酸化物蛍光体(微粒子蛍光体)は、場合に
よっては通常の焼成法により得たユーロピウム付活希土
類酸化物蛍光体(粗粒子蛍光体)と一部混合して用いて
もよい。
【0027】本発明の第1の真空紫外線励起蛍光体(微
粒子蛍光体)は、例えば以下のようにして製造すること
ができる。
【0028】すなわち、水溶性の希土類化合物を所定の
比率で含む水溶液を調製する。具体的には、Y、Gd、
Euの塩化物や硝酸塩などの水中で容易にこれらの元素
のイオンとなる水溶性化合物を、(Y1-xGdx)2O3:
Euの組成式を満たすように所定量秤量し、これらを60
〜90℃程度に加温された純水中に投入し、よく撹拌して
溶解させる。
【0029】次に、上記した水溶液に例えばNH4OH
やNaOHを添加して、水溶液のpHを7〜9の範囲に調整
する。このpH調整によって、水溶液は白濁する。これを
例えば2〜4時間撹拌する。撹拌後の水溶液をろ過、乾燥
する。乾燥物は白色の粉体である。この乾燥物を大気雰
囲気中にて例えば800〜1100℃×3〜6時間の条件で焼成
することによって、平均一次粒子径が1μm未満のユーロ
ピウム付活希土類酸化物蛍光体(微粒子蛍光体)を再現
性よく得ることができる。
【0030】次に、本発明の第2の真空紫外線励起蛍光
体について詳述する。本発明の第2の真空紫外線励起蛍
光体は、ユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体からなる
第1の赤色発光蛍光体と、ユーロピウム付活希土類酸化
物蛍光体からなる第2の赤色発光蛍光体との混合物を具
備するものである。
【0031】上記した第1の赤色発光蛍光体を構成する
ユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体としては、 一般式:(Y1-yGdy)BO3:Eu …(2) (式中、xは0≦y≦1を満足する数である)で実質的に
表される組成を有する蛍光体が挙げられる。
【0032】上記した(2)式において、yの値は0≦x≦
1の範囲で適宜に設定可能であるが、輝度の向上などを
図る上で0.3〜0.6の範囲とすることが好ましい。また、
Euの付活量は真空紫外線励起の赤色発光蛍光体として
良好な発光色度や輝度を得る上で、蛍光体母体((Y1-
yGdy)BO3)に対して1〜10mol%の範囲とすることが
好ましい。第2の赤色発光蛍光体を構成するユーロピウ
ム付活希土類酸化物蛍光体については、前述した(1)式
に示した通りである。
【0033】第1の赤色発光蛍光体としてのユーロピウ
ム付活希土類硼酸塩蛍光体は、輝度に優れている反面、
色純度が劣るという特性を有する。このようなユーロピ
ウム付活希土類硼酸塩蛍光体を、輝度は劣るものの色純
度に優れるユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体(第2
の赤色発光蛍光体)と混合して使用することによって、
赤色発光蛍光体の色純度や輝度を使用目的に応じて調整
することができる。すなわち、色純度と輝度が共に優れ
る赤色発光蛍光体を得ることが可能となる。
【0034】上述した第1の赤色発光蛍光体と第2の赤
色発光蛍光体との混合比率は、質量比で99:1〜5:95の
範囲とすることが好ましい。第2の赤色発光蛍光体(ユ
ーロピウム付活希土類酸化物蛍光体)の比率が少なすぎ
ると、色純度の向上効果を十分に得ることができないお
それがある。一方、第2の赤色発光蛍光体の比率が多す
ぎると、第1の赤色発光蛍光体が相対的に減少すること
で輝度の劣化が大きくなる。第1の赤色発光蛍光体と第
2の赤色発光蛍光体との混合比率は、さらに質量比で9
0:10〜50:50の範囲とすることが望ましい。
【0035】上述した第1の赤色発光蛍光体と第2の赤
色発光蛍光体との混合物は、同程度の粒子径を有する粉
体同士を混合したものであってもよいが、特に第1の赤
色発光蛍光体に粗粒子蛍光体を用いると共に、第2の赤
色発光蛍光体に微粒子蛍光体を用いることによって、第
1の赤色発光蛍光体(粗粒子蛍光体)の粒子表面に第2
の赤色発光蛍光体(微粒子蛍光体)を付着させて使用す
ることが好ましい。
【0036】このように、第2の赤色発光蛍光体(ユー
ロピウム付活希土類酸化物蛍光体)の微粒子を第1の赤
色発光蛍光体(ユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体)
の粒子表面に付着させることによって、ユーロピウム付
活希土類硼酸塩蛍光体の良好な輝度を維持しつつ、色純
度をより一層効果的に向上させることができる。
【0037】上述したように、第2の赤色発光蛍光体の
微粒子を第1の赤色発光蛍光体の粒子表面に付着させる
場合、第2の赤色発光蛍光体は平均一次粒子径が1μm未
満の微粒子蛍光体を有することが好ましく、また第1の
赤色発光蛍光体は平均一次粒子径が1〜3μmの範囲の粗
粒子蛍光体を有することが好ましい。このような粒子径
を有する微粒子蛍光体と粗粒子蛍光体を用いることによ
って、良好な付着状態(付着による混合状態)を得るこ
とができる。
【0038】第2の赤色発光蛍光体の微粒子を第1の赤
色発光蛍光体の粒子表面に付着させる場合には、例えば
純水中に粗粒子状のユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光
体(平均一次粒子径:1〜3μm)を分散させた後、同様
に純水中に分散させた微粒子状のユーロピウム付活希土
類酸化物蛍光体(平均一次粒子径:1μm未満)を添加
し、例えば1時間程度撹拌する。これをろ過、乾燥させ
ることによって、粗粒子蛍光体の粒子表面に微粒子蛍光
体を付着させた赤色発光蛍光体が得られる。
【0039】平均一次粒子径が1μm未満の微粒子の集合
体からなるユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体は、上
述したように水溶液からの合成法を適用することによっ
て再現性よく得ることができる。このような微粒子状の
ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体は、上記した付着
状態をもたらす混合法に好適である。さらに、粗粒子状
のユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体の粒子表面で直
接的に上記した合成反応を行わせることによって、ユー
ロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体の粒子表面を微粒子状
のユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体でコーティング
することができる。
【0040】すなわち、第1の赤色発光蛍光体からなる
蛍光体粒子の表面を、第2の赤色発光蛍光体からなる蛍
光体被膜でコーティングした赤色発光蛍光体が得られ
る。この際、第2の赤色発光蛍光体からなる蛍光体被膜
は、微視的に見ると平均一次粒子径が1μm未満の微粒子
からなるものである。第2の赤色発光蛍光体を蛍光体被
膜として使用する場合、その被膜量は上記した混合比率
に準じるものとするが、特に蛍光体被膜量を第1の赤色
発光蛍光体に対して0.1〜10質量%の範囲とすることが好
ましい。
【0041】ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体の被
膜(蛍光体被膜)でコーティングした赤色発光蛍光体
は、例えば以下のようにして得ることができる。すなわ
ち、上記した微粒子状のユーロピウム付活希土類酸化物
蛍光体の合成反応において、Y、Gd、Euの塩化物や
硝酸塩などの水溶性化合物を含む水溶液に、予めユーロ
ピウム付活希土類硼酸塩蛍光体粒子を分散させておき、
これにNH4OHやNaOHを添加して水溶液のpHを7〜
9の範囲に調整した後、例えば2〜4時間撹拌する。撹拌
後の水溶液をろ過、乾燥し、さらに大気雰囲気中で焼成
することによって、ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光
体の被膜でコーティングしたユーロピウム付活希土類硼
酸塩蛍光体が得られる。
【0042】このようなユーロピウム付活希土類硼酸塩
蛍光体からなる蛍光体粒子の表面を、蛍光体被膜(ユー
ロピウム付活希土類酸化物蛍光体の被膜)でコーティン
グした赤色発光蛍光体によれば、ユーロピウム付活希土
類硼酸塩蛍光体の輝度に優れるという特性を維持しつ
つ、色純度を高めることができる。さらに、蛍光体被膜
自体も微粒子状のユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体
に基づいて輝度に優れることから、より一層赤色発光蛍
光体の輝度を高めることができる。
【0043】本発明の真空紫外線励起蛍光体(赤色発光
蛍光体)は、波長147nmや波長172nmなどの真空紫外線を
蛍光体の励起源とする発光装置、具体的にはプラズマデ
ィスプレイパネル(PDP)の表示部やXe放電ランプ
のような希ガス放電ランプの発光源として使用される。
【0044】本発明の赤色発光蛍光体をフルカラーPD
Pの表示部に適用する場合、本発明による赤色発光蛍光
体(赤色発光の真空紫外線励起蛍光体)と、公知の青色
および緑色発光の真空紫外線励起蛍光体とを有する発光
層(蛍光体層)を、マトリック状に配列された電極群を
有する一対の基板の一方に形成し、これら基板間をXe
などの希ガスを封入した状態で気密封止する。一対の基
板の電極間で希ガス放電を生じさせ、この希ガス放電に
より生じる真空紫外線で蛍光体層を発光させる。これら
によって、プラズマディスプレイパネルの表示部が構成
される。
【0045】また、本発明の真空紫外線励起蛍光体を希
ガス放電ランプに適用する場合には、本発明による赤色
発光蛍光体と公知の青色および緑色発光蛍光体とを混合
し、この混合蛍光体(三波長形白色発光蛍光体など)を
ガラスバルブの内面に塗布して発光層(蛍光体層)を形
成する。このガラスバルブの両端に電極を取付け、さら
にバルブ内にXeガスなどの希ガスを充填した状態で封
止する。そして、両端の電極間に電圧を印加して希ガス
放電を生じさせ、この希ガス放電により生じる真空紫外
線で蛍光体層を発光させる。これらによって、希ガス放
電ランプが構成される。
【0046】本発明の発光装置は上述したような構成を
有するものであり、具体的にはプラズマディスプレイパ
ネルの表示部や希ガス放電ランプとして用いられるもの
である。本発明の赤色発光の真空紫外線励起蛍光体は輝
度および色純度に優れることから、プラズマディスプレ
イパネルの表示部用として好適であり、プラズマディス
プレイパネルの表示特性の向上に寄与するものである。
【0047】なお、青色および緑色発光の真空紫外線励
起蛍光体には、各種公知のものを使用することができ、
特にこれらに限定されるものではないが、例えば青色発
光の真空紫外線励起蛍光体としてはBaMgAl10O1
7:Eu蛍光体などを、また緑色発光の真空紫外線励起
蛍光体としてはZn2SiO4:Mn蛍光体やBaMgA
l10O17:Mn蛍光体などを用いることができる。
【0048】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0049】実施例1、比較例1 まず、Y(NO3)3・6H2Oを9.4×10-2mol、Gd(N
O3)3・5H2Oを8.0×10-2mol、Eu(NO3)3・6H2
Oを2.6×10-2molの量で秤量し、これらを60℃に加温さ
れた500ccの純水(DW)に溶解させた。次に、この水
溶液に純水で希釈したNH4OH水溶液を少しずつ添加
して、水溶液のpHを8に調整した。pH調整後、水溶液を3
時間撹拌した。この間、水温は60℃に保持した。
【0050】撹拌後の水溶液を静置した後に、ろ過、乾
燥した。この乾燥物を一旦篩別した後、大気雰囲気中に
て1000℃×4時間の条件で焼成することによって、目的
とする(Y0.47Gd0.4Eu0.13)2O3蛍光体を得た。
得られた(Y0.47Gd0.4Eu0.13)2O3蛍光体の平均
一次粒子径を前述したブレーン法により測定したとこ
ろ、0.57μmという値を示した。また、この(Y0.47G
d0.4Eu0.13)2O3蛍光体粒子をSEMにて観察した
ところ、ほぼ全ての蛍光体粒子の一次粒子径が1μm未満
であることが確認された。
【0051】次に、得られた(Y0.47Gd0.4Eu0.1
3)2O3蛍光体に波長147nmの真空紫外線を照射し、その
際の発光輝度および発光色度を測定した。発光輝度は、
従来からの製造法により作製した(Y,Gd)BO3:
Eu蛍光体(比較例1)の輝度を100としたときの相対
輝度として求めた。その結果、この実施例1により得た
微粒子状の(Y0.47Gd0.4Eu0.13)2O3蛍光体の発
光輝度は95%であり、発光色度はCIE色度値の(x,
y)の値として(0.65,0.34)であった。
【0052】また、上記した実施例1および比較例1の
赤色発光蛍光体を用いてそれぞれPDPを構成し、各P
DPを点灯させた際の発光輝度と発光色度をそれぞれ測
定した。その結果、実施例1の蛍光体を用いたPDPの
発光輝度は、比較例1の蛍光体を用いたPDPの発光輝
度を100としたときに102%であり、また発光色度は
(x,y)=(0.65,0.34)であった。実施例1による
輝度の向上は、蛍光体の微粒子化により蛍光膜が緻密化
したことによるものである。
【0053】実施例2 まず、Y(NO3)3・6H2Oを1.0×10-1mol、Gd(N
O3)3・5H2Oを6.0×10-2mol、Eu(NO3)3・6H2
Oを3.6×10-2molの量で使用する以外は、実施例1と同
様にして(Y,Gd)2O3:Eu蛍光体を作製した。得
られた(Y,Gd)2O3:Eu蛍光体の平均一次粒子径
を測定した後に、この(Y,Gd)2O3:Eu蛍光体に
真空紫外線を照射した際の発光輝度と発光色度、またこ
の蛍光体を用いて作製したPDPの発光輝度と発光色度
を、実施例1と同様にして測定した。それらの結果を表
1に示す。
【0054】実施例3〜5 Y量、Gd量およびEu量を変化させる以外は、実施例
1と同様にして(Y,Gd)2O3:Eu蛍光体をそれぞ
れ作製した。得られた各(Y,Gd)2O3:Eu蛍光体
の平均一次粒子径を測定した後に、これら(Y,Gd)
2O3:Eu蛍光体に真空紫外線を照射した際の発光輝度
と発光色度、またこれら各蛍光体を用いて作製したPD
Pの発光輝度と発光色度を、実施例1と同様にして測定
した。それらの結果を表1に示す。
【0055】なお、表1に示す比較例2は、従来の焼成
法で作製した(Y,Gd)2O3:Eu蛍光体(平均一次
粒子径:2.0μm)である。この(Y,Gd)2O3:Eu
蛍光体についても真空紫外線を照射した際の発光輝度と
発光色度、またこの蛍光体を用いて作製したPDPの発
光輝度と発光色度を、実施例1と同様にして測定した。
それらの結果を表1に併せて示す。
【0056】
【表1】 表1から明らかなように、本発明による微粒子状の
(Y,Gd)2O3:Eu蛍光体は、色純度に優れるだけ
でなく、それを用いて作製したPDPなどの輝度の向上
に寄与していることが分かる。従って、PDPの表示部
のような発光装置の発光特性および表示特性を向上させ
ることが可能となる。
【0057】実施例6 まず、実施例1と同一条件で、平均一次粒子径が0.57μ
mの(Y,Gd)2O3:Eu蛍光体を作製し、この微粒
子状の(Y,Gd)2O3:Eu蛍光体(第2の赤色発光
蛍光体)15gを100ccの純水中に分散させた。一方、平均
一次粒子径が2.0μmの(Y,Gd)BO3:Eu蛍光体
(第1の赤色発光蛍光体)285gを1900ccの純水中に分散
させた。この粗粒子蛍光体を含む分散液中に、微粒子蛍
光体を含む分散液を添加し、1時間撹拌した。撹拌後、
ろ過、乾燥することによって、(Y,Gd)BO3:E
u蛍光体(95%)と(Y,Gd)2O3:Eu蛍光体(5
%)との混合蛍光体を得た。
【0058】このようにして得た混合蛍光体の状態を走
査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、(Y,G
d)BO3:Eu蛍光体の粒子表面に(Y,Gd)2O
3:Eu蛍光体微粒子が付着していることが確認され
た。次に、得られた混合蛍光体に波長147nmの真空紫外
線を照射し、その際の発光輝度および発光色度を測定し
た。発光輝度は(Y,Gd)BO3:Eu単独の蛍光体
(比較例1)の輝度を100としたときの相対輝度として
求めた。その結果、この実施例6により得た(Y,G
d)BO3:Euと(Y,Gd)2O3:Euとの混合蛍
光体の発光輝度は100%であり、発光色度はCIE色度値
の(x,y)の値として(0.64,0.36)であった。
【0059】また、上記した実施例6および比較例1の
蛍光体を用いてPDPをそれぞれ構成し、各PDPを点
灯させた際の発光輝度と発光色度をそれぞれ測定した。
その結果、実施例1の蛍光体を用いたPDPの発光輝度
は、比較例1の蛍光体を用いたPDPの発光輝度を100
としたときに102%であり、発光色度は(x,y)=(0.
64,0.36)であった。
【0060】実施例7〜12 平均一次粒子径が2.0μmの(Y,Gd)BO3:Eu蛍
光体(第1の赤色発光蛍光体)と平均一次粒子径が0.57
μmの(Y,Gd)2O3:Eu蛍光体との混合比を変え
る以外は、実施例6と同様にして(Y,Gd)BO3:
Euと(Y,Gd)2O3:Euとの混合蛍光体をそれぞ
れ作製した。
【0061】このようにして得た各混合蛍光体に真空紫
外線を照射した際の発光輝度および発光色度、さらには
この混合蛍光体を用いて作製したPDPの発光輝度と発
光色度を、実施例6と同様にして測定した。それらの結
果を表2に示す。
【0062】
【表2】 表1から明らかなように、本発明の混合蛍光体によれ
ば、(Y,Gd)BO3:Euと(Y,Gd)2O3:E
uとの混合比率によって、種々の特性を有する赤色発光
蛍光体を得ることができる。そして、この混合比率を適
宜に設定することによって、発光色度および発光輝度が
共に優れ、PDPの表示部のような発光装置に好適な真
空紫外線励起の赤色発光蛍光体を得ることができる。
【0063】実施例13 まず、平均一次粒子径が2.0μmの(Y,Gd)BO3:
Eu蛍光体100gを300ccの純水(温度60℃)中に分散さ
せ、この分散液に4×10-3molのY(NO3)3および3×1
0-4molのEu(NO3)3を添加し溶解させた。次いで、
純水で希釈したNH4OH水溶液を少しずつ添加し、分
散液のpHを9に調整した。pH調整後、分散液を3時間撹拌
した。このとき、分散液の温度は60℃に保持した。撹拌
後の分散液を静置した後に、ろ過、乾燥した。この乾燥
物を一旦篩別した後、大気雰囲気中にて1000℃×4時間
の条件で焼成することによって、目的とする混合蛍光体
を得た。
【0064】このようにして得た混合蛍光体の状態を走
査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、(Y,G
d)BO3:Eu蛍光体の粒子表面がY2O3:Eu蛍光
体被膜によりコーティングされていることが確認され
た。蛍光体被膜の量は0.5質量%に相当する。
【0065】次に、得られた蛍光体被膜を有する赤色発
光蛍光体に波長147nmの真空紫外線を照射し、その際の
発光輝度および発光色度を測定した。発光輝度は(Y,
Gd)BO3:Eu単独の蛍光体(比較例1)の輝度を1
00としたときの相対輝度として求めた。その結果、この
実施例13の蛍光体被膜を有する赤色発光蛍光体の発光
輝度は100%であり、発光色度はCIE色度値の(x,
y)の値として(0.64,0.35)であった。
【0066】また、上記した実施例13および比較例1
の蛍光体を用いてPDPをそれぞれ構成し、各PDPを
点灯させた際の発光輝度と発光色度をそれぞれ測定し
た。その結果、実施例1の蛍光体を用いたPDPの発光
輝度は、比較例1の蛍光体を用いたPDPの発光輝度を
100としたときに100%であり、発光色度は(x,y)=
(0.64,0.36)であった。
【0067】実施例14 まず、平均一次粒子径が2.0μmの(Y,Gd)BO3:
Eu蛍光体100gを300ccの純水(温度60℃)中に分散さ
せ、この分散液に3×10-3molのGd(NO3)3および3
×10-4molのEu(NO3)3を添加し溶解させた。次い
で、純水で希釈したNH4OH水溶液を少しずつ添加
し、分散液のpHを9に調整した。pH調整後、分散液を3時
間撹拌した。このとき、分散液の温度は60℃に保持し
た。撹拌後の分散液を静置した後に、ろ過、乾燥した。
この乾燥物を一旦篩別した後、大気雰囲気中にて1000℃
×4時間の条件で焼成することによって、目的とする混
合蛍光体を得た。
【0068】このようにして得た混合蛍光体の状態を走
査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、(Y,G
d)BO3:Eu蛍光体の粒子表面がGd2O3:Eu蛍
光体被膜によりコーティングされていることが確認され
た。蛍光体被膜の量は0.5質量%に相当する。次に、得ら
れた蛍光体被膜を有する赤色発光蛍光体の発光輝度と発
光色度、さらにはこの蛍光体を用いて作製したPDPの
発光輝度と発光色度を、実施例13と同様にして測定し
た。それらの結果を表3に示す。
【0069】実施例15〜19 平均一次粒子径が2.0μmの(Y,Gd)BO3:Eu蛍
光体を含む分散液に、種々の量でY(NO3)3、Gd
(NO3)3、およびEu(NO3)3を添加する以外は、
実施例13と同様にして、蛍光体被膜を有する赤色発光
蛍光体をそれぞれ作製した。
【0070】このようにして得た各蛍光体に真空紫外線
を照射した際の発光輝度および発光色度、さらにはこれ
ら各蛍光体を用いて作製したPDPの発光輝度と発光色
度を、実施例13と同様にして測定した。それらの結果
を表3に示す。
【0071】
【表3】 表3から明らかなように、本発明の蛍光体被膜を有する
赤色発光蛍光体は、真空紫外線で励起した際の輝度が高
く、また色純度に優れることが分かる。従って、このよ
うな赤色発光蛍光体を用いてPDPの表示部のような発
光装置を構成することによって、その発光特性および表
示特性を向上させることが可能となる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば輝
度および色純度に優れる赤色発光の真空紫外線励起蛍光
体を提供することができる。従って、このような赤色発
光の真空紫外線励起蛍光体をPDPのような発光装置に
用いることによって、発光特性や表示特性に優れた発光
装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブレーン法による粉体の平均粒子径Dの測定
方法を説明するための図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体か
    らなる赤色発光の真空紫外線励起蛍光体であって、前記
    ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体は平均一次粒子径
    が1μm未満の微粒子により構成されていることを特徴と
    する真空紫外線励起蛍光体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の真空紫外線励起蛍光体に
    おいて、 前記ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体は一次粒子径
    が1μm未満の微粒子を80質量%以上含むことを特徴とす
    る真空紫外線励起蛍光体。
  3. 【請求項3】 ユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体か
    らなる第1の赤色発光蛍光体と、ユーロピウム付活希土
    類酸化物蛍光体からなる第2の赤色発光蛍光体との混合
    物を具備することを特徴とする真空紫外線励起蛍光体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の真空紫外線励起蛍光体に
    おいて、 前記第1の赤色発光蛍光体と前記第2の赤色発光蛍光体
    との混合比率が質量比で99:1〜5:95の範囲であること
    を特徴とする真空紫外線励起蛍光体。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4記載の真空紫外
    線励起蛍光体において、 前記第1の赤色発光蛍光体は平均一次粒子径が1〜3μm
    の範囲の粗粒子蛍光体を有すると共に、前記第2の赤色
    発光蛍光体は平均一次粒子径が1μm未満の微粒子蛍光体
    を有し、かつ前記第2の赤色発光蛍光体を構成する微粒
    子蛍光体は前記第1の赤色発光蛍光体を構成する粗粒子
    蛍光体の表面に付着していることを特徴とする真空紫外
    線励起蛍光体。
  6. 【請求項6】 請求項3または請求項4記載の真空紫外
    線励起蛍光体において、 前記第1の赤色発光蛍光体からなる蛍光体粒子と、前記
    蛍光体粒子の表面にコーティングされ、前記第2の赤色
    発光蛍光体からなる蛍光体被膜とを具備することを特徴
    とする真空紫外線励起蛍光体。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    記載の真空紫外線励起蛍光体において、 前記ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体は、 一般式:(Y1-xGdx)2O3:Eu (式中、xは0≦x≦1を満足する数である)で実質的に
    表される組成を有することを特徴とする真空紫外線励起
    蛍光体。
  8. 【請求項8】 請求項3ないし請求項7のいずれか1項
    記載の真空紫外線励起蛍光体において、 前記ユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体は、 一般式:(Y1-yGdy)BO3:Eu (式中、xは0≦y≦1を満足する数である)で実質的に
    表される組成を有することを特徴とする真空紫外線励起
    蛍光体。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれか1項
    記載の真空紫外線励起蛍光体において、 プラズマディスプレイパネル用の赤色発光蛍光体として
    用いられることを特徴とする真空紫外線励起蛍光体。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項記載の赤色発光の真空紫外線励起蛍光体を含む発光層
    を具備することを特徴とする発光装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の発光装置において、 前記赤色発光の真空紫外線励起蛍光体に加えて、青色発
    光および緑色発光の真空紫外線励起蛍光体を含む前記発
    光層と、前記発光層に真空紫外線を照射する手段とを具
    備し、プラズマディスプレイパネルの表示部を構成する
    ことを特徴とする発光装置。
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