JP2653576B2 - 低圧水銀蒸気放電ランプ - Google Patents
低圧水銀蒸気放電ランプInfo
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Description
難く、光束の低下率の少ない働程特性にすぐれた低圧水
銀蒸気放電ランプに関する。
は、一般照明をはじめとして、最近ではOA機器用光
源、巨大画面用の画素光源、液晶ディスプレイのバック
ライトなどに広範囲に利用されている光源である。その
理由は、低圧水銀蒸気放電ランプは供給された電力を非
常に効率良く放射に変換するからである。
壁面に蛍光層が設けられたガラス管内に、水銀および1
種または2種以上の希ガスを含む混合ガスが充填され、
この混合ガス中で陽光柱放電が生ずるように構成されて
いる。
エネルギーを混合ガスに供給することによって保たれ
る。この放電によって、主に紫外線が発生し、その大半
は185nmと254nmの波長を有しており、185
/254の紫外線強度比率は通常0.2〜0.4であ
る。この紫外線は、ガラス管内壁面に形成された蛍光層
によって、長い波長の放射に変換される。この波長は蛍
光層に含まれる蛍光体粒子の種類に依存し、近紫外〜可
視〜近赤外までのものが得られている。低圧水銀蒸気放
電ランプの最も一般的な種類の1つは、全長が1200
mm、ガラス管の内径が約37mmの直管型40Wタイ
プのものである。このランプの管壁負荷は約300W/
m2程度である。
らず、円形状、U形状、くら形状などとすることがで
き、最近では小型化が進み、形状も複雑なものが多くな
ってきている。
い、比較的狭帯域の発光スペクトル分布を有する青色、
緑色、赤色の発光を示す蛍光体を用いた三波長形蛍光ラ
ンプも知られている。この三波長形蛍光ランプの場合
は、その全光束(発光出力)に対して、緑色成分光束の
占める割合が高いため、緑色発光蛍光体の特性が重視さ
れる。このような蛍光体としては、たとえばセリウムお
よびテルビュウムで付活された緑色発光形希土類アルミ
ン酸・珪酸・燐酸塩蛍光体、希土類硼酸・珪酸・燐酸塩
蛍光体、希土類正燐酸塩蛍光体、希土類アルミン酸・硼
酸・燐酸塩蛍光体などが知られている。
電ランプの高管壁負荷化ないし小型化が進むにつれて、
管壁負荷はさらに高くなる傾向にある。かなり高い管壁
負荷の低圧水銀蒸気放電ランプとしては、たとえばドイ
ツ国公開公報2109898号など、いくつかが開示さ
れている。しかし、これらの比較的高い管壁負荷を有す
るランプは、通常のものに比べてランプ効率が低く、ま
た光束の低下率が大きく、ランプが黒化する現象が早期
に発生し易いこと、および点灯直後の光束立上がりが遅
いなどの欠点があった。
は、光束の低下率が小さい蛍光層を形成する蛍光体粒子
として、蛍光体粒子の陽イオンの結合が1.4以下の電
気陰性度を有するものを用いたランプが開示されてい
る。しかし、上記公報に記載されているような一義的な
条件では、実際には光束の低下率を説明することはでき
ない。
管端黒化、斑点状黒化、全面黒化などの原因としては、
フィラメントやカソード物質、有機物バインダーの残留
物質などの影響も考えられるが、水銀やその化合物がガ
ラス管内壁面に塗布した蛍光体粒子(蛍光体層)を汚染
する可能性もある。
水銀蒸気放電ランプにおいては、ランプの製造プロセス
や構造が同じでも、蛍光体粒子(蛍光物質)の種類、さ
らには同種の蛍光体粒子であってもその製造ロットなど
によって、黒化の程度に差が生ずることがあるなど、品
質にバラツキが発生しやすいという欠点を有している。
特に、前記希土類緑色発光蛍光体の場合は、赤色発光蛍
光体などに較べて、水銀やその化合物による汚染に起因
する着色現象が発生し易く、この緑色発光蛍光体の状態
がその特性に大きく影響する三波長形蛍光ランプでは、
上記のような問題の発生が著しくなるという難点が認め
られる。
の高い管壁負荷を有する低圧水銀蒸気放電ランプ、すな
わち小型でコンパクトな低圧水銀蒸気放電ランプは、発
光効率が低い、黒化現象が早期に発生し易い、光束の低
下率が大きいこと、および点灯直後の光束の立上がりが
遅いことなどの欠点を有している。しかも、これら欠点
の発生にバラツキが生じ易く、品質面での再現性が乏し
いという難点を有していた。
ヘの水銀の吸着が考えられる。特に管壁負荷が高くなれ
ば、電流密度の増加に伴い水銀イオンが蛍光体粒子表面
で電子と再結合して水銀原子となる確率が高くなる。そ
して、前記水銀原子は、ランプ点灯中は勿論、消灯中も
蛍光体膜中に吸着され、再点灯すると先ずこの吸着され
ている水銀が放出され、次いでランプ最冷部に凝集して
いる水銀が徐々に放出され、管内の水銀蒸気圧に依存し
て光束が立上る。図19は光束比と点灯時間との関係を
示すもので、曲線(イ)はランプの管壁負荷が比較的低
い直管形40Wタイプの光束立上を、曲線(ロ)は三波
長域発光蛍光体を用いた管壁負荷500W/m2以上の
光束立上をそれぞれ示したものである。なお、図19に
おいてx部分は蛍光体層に吸着されていた水銀が放出さ
れるときを、またy部分はランプ最冷部に凝集している
水銀が徐々に放出されるときをそれぞれ示す。
なされたものであり、高い管壁負荷の下で、黒化の発生
を抑制し、光束の低下率が小さい低圧水銀蒸気放電ラン
プの提供を目的としている。
電ランプ水銀および希ガスを含む封入ガスが充填された
光透過性ガラス管と、この光透過性ガラス管内壁面に設
けられた蛍光体粒子を含む蛍光層と、前記封入ガス中で
陽光柱放電を維持するための手段とを具備する低圧水銀
蒸気放電ランプにおいて、前記蛍光層を形成する蛍光体
粒子は、その粒子表面に金属酸化物(無機化合物)の少
なくとも1種が付着し、かつその帯電傾向が金属イオン
の電気陰性度7.0の金属酸化物より負の側にあり、金
属イオンの電気陰性度11.8の金属酸化物より正の側
にあることを特徴とする。なお、金属イオンの電気陰性
度および接触帯電にっいては後述する。
体粒子は、粒径200μm〜500μmのソーダ石灰ガ
ラスビーズとの接触時に、1gあたり3.0μC(マイ
クロクーロン)以下の正電荷を帯電するか、もしくは粒
径44μm〜74μmの還元鉄粉との接触時に、1gあ
たり−0.5μC(マイクロクーロン)を超える電荷を
帯電することを特徴とし、要すればある種の所定量の酸
化物で蛍光体粒子面を付着して、前記の帯電性を付与な
いし保持せしめたものである。
0W/m2の範囲である高負荷型の低圧水銀蒸気放電ラ
ンプに対して特に有効である。すなわち、低圧水銀蒸気
放電ランプ、特に高負荷型のものにおいては、水銀吸着
による黒化の発生の度合いが、蛍光層を構成する蛍光体
粒子(処理剤を含む)表面の帯電傾向に相関のあること
を見出だし、本発明はこのような知見に基づいて成され
たものである。
ぞれの物質の表面に等量の正と負の電荷が生じる。ここ
で、正の電荷を生じる物質は正の帯電傾向があり、負の
電荷を生じる物質は負の帯電傾向にあるといわれる。そ
して、帯電傾向を調べ、どのような物質に対しても正に
帯電する物質を最上位に、逆にどのような物質に対して
も負に帯電する物質を最下位として順に並べた列を帯電
序列という。このような帯電序列は、天然物や有機物に
ついて幾つか知られており、序列中の任意の2種類の物
質を接触させたとき、序列が上の物質は正に、序列が下
の物質は負にそれぞれ帯電し、また序列が上の物質ほど
正に帯電する傾向が強いとされる。
蛍光体(Zn2SiO4:Mn)は黒化が生じ易いと言
われている。ランプ用蛍光体の中でも、Zn2Si
O4:Mnは、特異的に負帯電する傾向の強いことが分
かった。一方、光透過性ガラス管内に充填された水銀
は、ランプ中の構成物質から放出されるガス(CO2な
ど)や不純物と反応してHgOとなる。この水銀化合物
であるHgOは、Zn2SiO4:Mnよりも強く正帯
電する傾向を示すことが分かった。したがって、Zn2
SiO4:MnがHgOを吸着した場合、Zn2SiO
4:MnとHgOとの接触表面にそれぞれ負と正の電荷
が生じ、さらにこれに伴う静電引力によって脱離しにく
いため、蛍光層の黒化が生ずるものと考えられる。すな
わち、HgOに較べて帯電傾向の差が大きいほど蛍光層
の黒化が出易いと考えられる。こうしたことは、付着物
の分析結果などからも確認されている。なお、Zn2S
iO4:MnにおけるZnOとSiO2の組成比率は、
化学量論組成で2:1であるが、通常のものではこの比
率が正確に2:1のものは少なく、ZnOがSiO2に
対して1.5〜2.2の値をとる場合が多い。
は上記した如く、強く負帯電する傾向にある、ZnOが
SiO2に対して2.0以下の組成比になると負帯電が
さらに強くなる傾向を示し、一方、ZnOがSiO2に
対して2.0以上になると逆に負帯電が弱くなる傾向が
現われる。このように、蛍光体の一般的な化学式だけ
で、その物質の帯電特性を判断することは難しいことも
分った。また、このような化学量論組成からのずれ以外
にも、帯電特性の評価結果にバラツキを与える要因が種
々存在している。本発明の低圧水銀蒸気放電ランプにお
いては、蛍光層を形成する蛍光体粒子(物質)は、その
帯電傾向が金属イオンの電気陰性度7.0の金属酸化物
より負の側にあり、金属イオンの電気陰性度11.8の
金属酸化物より正の側にある蛍光体粒子(何等かの形で
処理されているものを含む)であり、さらに具体的に
は、たとえばファラデーケージを用いたブローオフ粉体
帯電測定装置を用いた特定の測定方法によって、粒径2
00μm〜500μmのソーダ石灰ガラスビーズとの接
触時に1gあたりの帯電量が3.0μC以下と判定され
た蛍光体粒子、もしくは粒径44μm〜74μmの還元
鉄粉との接触時に1gあたりの帯電量が−0.5μCを
超えると判定された蛍光体粒子を使用することにより、
黒化の発生を確実に再現性よく抑制している。
粒子の帯電特性(帯電傾向)の測定方法は、以下の通り
である。
ラデーケージの構造を模式的に示す図である。ファラデ
ーケージ1の一端には、金網2が取付けられており、他
端にはノズル3が取付けられている。そして、金網2の
目開きよりも小さい粒径の試料粉体4と、目開きよりも
大きい粒径のキャリア粉体5とを混合してケージ1に入
れ、ノズル3から圧縮ガス(たとえば窒素ガス)を吹付
ける。試料粉体4のみが金網2を通過してケージ1外に
吹飛ばされる。このとき、ケージ1内に残ったキャリア
5には、試料粉体4が持ち去ったのと等量で、逆符号の
電荷Qが残るので、これをケージ1に接続したコンデン
サ6の容量Cと電圧V、およびQ=C・Vの関係から求
めることができる。吹飛ばした試料粉体4の重量mを用
いれば、単位重量あたりの粉体帯電量は、−Q/m(ク
ーロン/グラム)として得られる。
ッシュよりも粗い粉体を用いる。ここでは、200メッ
シュを通過しない粒径のキャリア(ソーダ石灰ガラスビ
ーズ)を用いた。また、試料粉体4としては、400メ
ッシュよりも細かい蛍光体粒子(粉体)を用いた。
その一例を述べる。
を化学天秤にて正確に秤量し、メノウ乳鉢に移して、あ
まり力を加えずに乳棒でよく混合する。次に、全量を1
00mlのポリエチレン広口ビンに移し、混合機(シェ
ーカ)にて5分間混合して試料を作製する。このキャリ
ア粉体と蛍光体粉体との混合粉体を0.2g正確に秤量
して、ブローオフ粉体帯電量測定用の試料とする。図2
(a),(b)にキャリア粉体とブローオフ用測定試料
(キャリアと混合後)のモデルを示す。キャリア粉体5
(図2(a))と蛍光体粉体とを混合することにより、
キャリア粉体5表面に蛍光体粉体4が担持されたブロー
オフ用測定試料(図2(b))となる。
よる各種蛍光体の帯電特性の評価結果について説明す
る。まず、初めに各種のキャリアを用いて、主要な蛍光
体の帯電の序列を求めた。その結果を図3に示す。この
帯電序列は、任意の2種類の物質を接触させたとき、上
方の物質は正に、下方の物質は負にそれぞれ帯電するこ
とを意味する。図3において、HgOに近い位置にある
ほど蛍光体粒子(粉末)は、HgOの吸着が少なく、離
れた位置にあるほど蛍光体粒子(粉末)は、HgOの吸
着が多いと予測される。しかし、図3は単なる序列に過
ぎず、実際どの程度まで離れた場合に、黒化が生じるか
の定量的な帯電傾向の差が示されていないので、試行し
てみないと分からない。
μm〜500μmのソーダ石灰ガラスビーズ(東芝バロ
ディーニ株式会社製、GBシリーズのガラスビーズ)を
使用して、主要な蛍光体の接触帯電量を測定したとこ
ろ、大部分の蛍光体は(+)に帯電し、かつ0.1〜3
μc/gの電荷を有することが分かった。一方、(−)
に帯電するものは比較的少ないことも分かった。しかし
ながら、この測定において、蛍光体粒子の粒径がそれぞ
れ異なることや、製造工程などの違いによるロット間の
品質のバラツキ、前述した化学量論組成からのズレなど
に起因して、測定値にバラツキが生ずることが判明し
た。これらの要因の中では、試料粉体(蛍光体)の粒径
のファクタが、表面積に大きな差が出ることから、一番
大きく影響する。図4に帯電量と粒径との関係の一例を
示す。
体の粒径を規格化し、測定を実施することとする。具体
的には、本発明においては蛍光体の帯電量を測定するに
あたり、粒径は5±2μmに統一することとする。この
ような条件の下で測定した結果を表1に示す。
によって、HgOを含む単純酸化物の帯電傾向の測定結
果を示したものである(ジャーナル・オブ・エレクトロ
ケミカル・ソシエティ、第133巻,842頁(198
6)参照)。ここでは、粒径の揃った微粒子酸化物の鉄
粉に対する帯電量と各酸化物の比重の積が縦軸にとられ
ているので、帯電量の値は大きく表示されている。
帯電量は、酸化物を構成する金属イオンの電気陰性度
(xi=(1+2z)xo…(zは価数、xoはポーリ
ングの元素の電気陰性度を表す))と非常に良い相関が
見られ、xiが小さいほど正帯電の傾向にあり、xiが
大きいほど負帯電の傾向にある。HgOはY2O3と同
程度の帯電傾向を有するので、Y2O3を主成分とする
蛍光体には吸着しにくく、HgOから離れた帯電傾向の
蛍光体粒子には吸着しにくいといえる。そして、具体的
にどの程度の帯電傾向の差間で許容されるか実験的に確
認したところ、上記測定方法にしたがって、帯電量が3
μC/g以下の蛍光体を使用することにより、黒化の発
生を抑制することが可能となった。帯電量が3μC/g
を超えると、上述したようにHgOとの帯電量の差が大
きくなりすぎて、黒化の発生度合いが高くなる。より好
ましい帯電量は、0.5μC/g〜2.5μC/gの範
囲である。
定粒径のガラスビーズを用いて各種の蛍光体の帯電量を
測定したが、粒径44μm〜74μmの還元鉄粉をキャ
リアとして用いた場合も、同様な結果が認められた。た
だし、この場合の好ましい帯電量は−0.5μC/g〜
2.5μC/g程度であった。
すものであるが、粒子でなく板状物質の帯電傾向位置を
同じ図に図示することができる。すなわち板状物質を傾
斜させ、この斜面を各種の酸化物粒子を転がし、受け皿
でこれらの粒子の帯電符号を調べることにより、板状物
質の帯電傾向位置を知ることができる。このようにして
求めたニッケル,クロム,タンタルなどの金属板の帯電
傾向位置を図5に併せて示した。さらに、帯電傾向位置
の分かった金属板を傾斜させ、この傾斜面に蛍光体粒子
を転がし、受け皿でこれら蛍光体粒子の帯電符号を調べ
ることにより、粒子径の異なる蛍光体粒子でもその帯電
傾向を、前記図5で比較できる。ブローオフ粉体帯電測
定装置において、所定粒径のガラスビーズをキャリアと
し、5±2μmの蛍光体粒子で得られた0.5μC/g
〜2.5μC/gの帯電量は、図5において金属タンタ
ルよりも正の側でニッケルよりやや高い位置よりも負の
側の帯電傾向を意味した。そして、この値は図5の金属
イオンの電気陰性度の値で7.0〜11.8の範囲に入
る。
具体例としては、BaMg2Al16O27:E
u2+、Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+、(S
r,Ca)10(PO4)6Cl2:Eu2+、(S
r,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+、
(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu
2+などの2価のユーロピウム付活青色蛍光体;La2
O3・0.2SiO2・0.9P2O5:Ce,Tb、
LaPO4:Ce,Tb、Y2SiO5:Ce,Tb、
CeMgAl11O19:Tb、Zn2SiO4:Mn
などの緑色蛍光体;Y2O3:Eu3+、YVO4:E
u3+、Y(P,V)O4:Eu3+、Y2O2S:E
u3+などの3価のユーロピウム付活赤色蛍光体、その
他の希土類蛍光体などが例示され、上記帯電特性を満足
するものが使用される。また、上記青色蛍光体、緑色蛍
光体および赤色蛍光体を、発光色の色温度が2800K
〜10000Kになるように混合した物質を用いること
も可能であり、この場合も上記帯電特性を満足させたも
のとする。また、前記図5に示した無機化合物の帯電特
性を考慮すると、HgOと帯電特性(符号および帯電
量)が近似した無機化合物、たとえばAl2O3のよう
な酸化物や、Ca2P2O7、Sr2P2O7、Ba2
P2O7などのアルカリ土類金属化合物を蛍光体粒子表
面に付着することによって、帯電特性を本発明の範囲内
にコントロールすることも可能である。
光体粒子を調製する際には、無機化合物が0.01〜
5.0重量%の範囲、好ましくは0.01〜3.0重量
%の範囲となるように混合することが望ましい。表2
に、上述したような無機化合物を表面に付着(混合)し
た蛍光体の帯電特性の測定結果(上記したブローオフ粉
体帯電測定装置による測定)を示す。表2では、たとえ
ば試料17は試料7を、試料18は試料6をそれぞれ表
面処理したものであるが、表2から明らかなように、前
記表1に示した蛍光体単独の測定結果と比較して、表面
処理された蛍光体は その特性の異なっていることが分か
る。
2O3:Eu)に対し、0.1〜0.5重量%のMgO
もしくはSiO2を、表面付着(コーティング)して調
製した試料について、前記ガラスビーズもしくは還元鉄
粉をキャリヤとしてそれぞれ測定した場合の帯電量は、
図6に示すような関係が認められた。つまり、キャリア
の相違によっても測定値に相違がでる。
合物としては、MgO,CaO,SrO,BaOおよび
ZnOの群れから選ばれた金属酸化物がより好ましい。
その理由は金属イオンの電気陰性度が7以下(正帯電)
であり、表面の帯電傾向がHgOより適度の範囲で正の
方向にあることから、少量の付着量で蛍光体表面の帯電
傾向を正の方向に移動でき、これによりHgOとの反応
を防止することが可能で黒化をより効果的に抑制し得
る。また、前記付着する無機化合物は化学的安定性、紫
外線や発光の吸収能など帯電傾向以外の因子も考慮して
選択されるが、一般にアルカリ土類元素、イットリウム
を含む希土類元素、アルミニウムやガリウムなど電気陰
性度が11以下の金属酸化物は、還元鉄粉を用いた帯電
傾向もしくは帯電量の測定時においてこれらの金属酸化
物を付着することにより蛍光体を正の方向にシフトさせ
得るし、またチタン、タンタル、リンなど電気陰性度が
11以上の金属酸化物は、帯電還元鉄粉を用いた帯電傾
向もしくは帯電量の測定時においてこれらの金属酸化物
を付着することにより蛍光体を負の方向にシフトさせ得
る。換言すると、金属酸化物を付着させて蛍光体の帯電
傾向もしくは帯電量を上記のような所定範囲に制御する
ことが可能である。勿論これらを混合した形で用いるこ
とも可能である。
面に対する付着量は、蛍光体粒子に対し0.01〜3.
0重量%の範囲で選ばれる。つまり、付着量が0.01
重量%未満では帯電傾向の制御効果が十分に得られず、
3.0重量%を超えると蛍光体の発光効率が低下する傾
向が認められるからである。
に500〜2000W/m2の管壁負荷を有する高負荷
型のランプにおいては、発光層を構成する蛍光物質の帯
電特性が、200〜500μmのガラスビーズとの接触
時に、1gあたり3.0μC以下の正電荷の帯電を有す
ることによって、水銀の吸着による黒化を確実にかつ再
現性よく抑制することが可能となる。
と、表2に示した試料番号16〜25の蛍光体表面に無
機化合物を付着した蛍光物質の中から選択した蛍 光体粉
体を、バインダを溶解した溶媒に分散させてスラリーを
各々作製した。
管11の内壁面に、上記蛍光物質を含むスラリーをそれ
ぞれ塗布し、乾燥後、バインダーを除去するベーキング
工程および排気工程を行った後、水銀と封入ガスを充填
して封止し、さらにエージング工程を経て、700W/
m2の管壁負荷を有する管径25mm、管長1200m
m、両端部に点灯回路が内蔵された口金12を有する直
管型低圧水銀蒸気放電ランプ13をそれぞれ作製し、後
述する特性評価に供した。図7において14は蛍光体層
を示す。
って、図8に示すように、U字形状のガラス管15を用
いた管壁負荷1000W/m2、管長410mm、管径
20mmのU字型低圧水銀蒸気放電ランプ16を作製
し、後述する特性評価に供した。
って、図9に示すように、屈曲形状のガラス管17を用
いた管壁負荷1500W/m2のコンパクト型低圧水銀
蒸気放電ランプ18を作製し、後述する特性評価に供し
た。なお、図中、12aは電子点灯回路、12bは電源
ケース、12cは断熱基板である。
働程中におけるHgの吸着による黒化の発生を調べるた
めに、JISに定められた寿命試験(JIS C 76
01参照)により、高負荷による、すなわち30秒のO
N−OFFサイクルによる強制点灯試験を行った。な
お、この30秒のON−OFFサイクルでの試験では、
通常の1000時間〜2000時間の点灯試験がおよそ
10時間に促進できる。
灯直後(0時間)の黒化のないものを10点とし、所定
時間点灯したものについて、実用的な見地から10段階
で点数を付けた。なお、評価時間の0時間において、黒
化が発生しているものとは、点灯前すなわちエージング
の段階において、すでに黒化が発生しているものをさ
す。以下に、おおまかな基準を示す。
り。
た結果を第3表〜第5表に示す。
料番号1〜15の各蛍光体および表2に示した試料番号
16〜25の各蛍光物質の中から、負帯電傾向の蛍光物
質やHgOとの帯電序列の差の大きい蛍光物質を選択
し、上記実施例と同一条件で作製した低圧水銀蒸気放電
ランプであり、これらについても同様に黒化の程度を評
価し、その結果も表3、表4および表5に併せて示す。
に、負帯電傾向の蛍光物質やHgOとの帯電序列の差の
大きい蛍光物質を使用した低圧水銀蒸気放電ランプは、
黒化が発生し易かったのに対し、蛍光物質の表面の帯電
特性を制御したもの、すなわち帯電特性を本発明の範囲
内とした蛍光物質を使用した低圧水銀蒸気放電ランプ
は、長期間にわたって黒化の発生が抑制され、かつその
結果として光束の低下率も少なくできることが判る。
O3)2]を1.10g溶解する。次に、セリウムとテ
ルビウムとで付活された希土類アルミン酸・珪酸・燐酸
塩緑色発光蛍光体[(La0.06Ce0.25Tb
0.15)2O3・0.003Al2O3・0.000
5SiO2・1.003P2O5]を100g添加し、
充分に撹拌する。
H]を用いてpHをアルカリ領域に調整する。すると、
水酸化マグネシウムのゲル状物質が生成する。この状態
の下で、撹拌をさらに十分に行った後、純水にて数回洗
浄を行い、その懸濁液を吸引▲ろ▼過する。この後、得
られた▲ろ▼過ケーキを300℃〜400℃で乾燥す
る。
が0.3重量%のMgO微粒子によって付着されたもの
であった。
に従って、前記図7に示すような4Wの蛍光ランプ・F
L4(15.5mmφ、管壁負荷:1100W/m2)
を作製し、初期発光出力、および1000時間点灯後の
発光出力と蛍光層の着色(薄茶褐色)状態を測定、評価
した。蛍光ランプ13は、ガラスバルブ11の内面に蛍
光膜14が付着され、さらに所定圧の放電用ガス、すな
わち水銀と、アルゴンのような希ガスとの混合ガスが封
入されて構成されている。そして、ガラスバルブ11の
両端部に図示されていない電極が取付けられ、この電極
に口金12を介して所定電圧を印加することにより励起
源によって蛍光膜14が発光するように構成されてるい
る。
したセリウムとテルビウムとで付活された希土類アルミ
ン酸・珪酸・燐酸塩緑色発光蛍光体を金属酸化物を付着
させることなく用い、同様の蛍光ランプを作製し、実施
例と同一条件で特性を測定した。 なお測定結果は、初
期発光出力および1000時間点灯後の発光出力共に、
比較試料の蛍光体の値を100%としたときの相対値で
示した。また、蛍光ランプのバルブの着色の程度は10
点を最高とし、着色の少ないものほど高い点数で示し
た。
料の蛍光体に対して、実施例の蛍光体は110%であ
り、蛍光ランプのバルブの着色の度合いは、比較試料の
蛍光体では6.0であったのに対し、実施例の蛍光体は
9.0と高く、品質の向上が達成された。また、初期発
光出力にも大きな低下は認められず、比較試料の蛍光体
とほぼ同等の値を維持していた。
(粒径0.05μm前後)を入れ十分に懸濁させる。次
に、セリウムとテルビウムとで付活された希土類珪酸・
硼酸・燐酸塩緑色発光蛍光体[(La0.04Ce
0.45Tb0.15)2O3・0001SiO2・
0.988P2O5・0.0005B2O5]を100
g添加し、充分に撹拌する。その後、0.1gのアクリ
ルエマルジョンと0.05gのポリアクリル酸アンモニ
ウムを順次添加し、均一に分散させた後、その懸濁液を
吸引▲ろ▼過し、得られた▲ろ▼過ケーキを120℃前
後で乾燥する。こうして得られた蛍光体粒子は、その表
面が1.0重量%のZnO微粒子層によって被覆された
ものであった。
合と同様に蛍光ランプを作製し、同一条件で特性を測
定、評価した。その結果を表6に示す。
子の付着を行わない以外は、実施例と同一条件で作製し
た蛍光ランプの測定結果である。
る金属酸化物の種類および付着量を変化させ、実施例4
の場合と同様に緑色発光蛍光体を調製した。また、得ら
れた緑色発光蛍光体を用いて蛍光ランプを作製し、同様
に特性評価を行った。これらの結果をまとめて表6に示
す。
体をそれぞれ使用し、金属酸化物微粒子の付着量を本発
明の範囲外とする以外は、実施例4の場合と同様に緑色
発光蛍光体を調製した。また、得られた緑色発光蛍光体
を用いて蛍光ランプを作製し、同様に特性評価を行っ
た。
蛍光体を用いた高負荷型蛍光ランプ(500W/m 2 以
上)によれば、初期発光出力を従来のものとほぼ同等に
維持しつつ、長時間点灯後の発光出力の低下を抑え、蛍
光ランプの着色現象を低減することができることが分
る。
ム付活酸化イットリウム蛍光体100gを純水中に懸濁
させ、これに1重量%の酸化マグネシウム(バイコフス
キー社製、バイカロックスM120)を純水に懸濁させ
た液1mlを加え、30分以上撹拌した後に吸引▲ろ▼
過し、125℃で乾燥する。さらに、これを空気中にて
350℃、5時間の条件で仮焼する。
したところ、コロイド粒子が蛍光体粒子表面によく分散
して付着していることを確認した。
4μm〜44μmの還元鉄粉(日本鉄粉社製、TEF
V)20gとを混合し、ブローオフ装置により鉄粉に対
する蛍光体1gあたりの接触帯電量を求めたところ、+
090μC/gであった。
トロセルロースバインダを溶解した溶媒に分散させてス
ラリーを調合した。次に、内径10mmの直管型ガラス
管の内壁に、上記蛍光体を含むスラリーを一定の膜厚と
なるように塗布し、乾燥後バインダを除去するベイキン
グ工程を行い、次いで水銀と封入ガスを充填し、極間長
300mmの直管型低圧水銀蒸気放電ランプを作製し
た。なお、点灯中の余剰の水銀は、全てランプの最冷部
である細管に凝集する構造とした。
定常値に達した。また、点灯後300時間の光束を初期
値に対して測定し、光束維持率を求めたところ、90%
であった。
lのアンモニウム水溶液と0.1モル/lの硫酸亜鉛水
溶液とを加えて生成せしめた0.2gの水酸化亜鉛コロ
イドを、赤色発光のユーロピウム付活酸化イットリウム
蛍光体の粒子表面に付着させた。実施例16の場合と同
じ手順の乾燥によって、水酸化亜鉛コロイドは酸化亜鉛
コロイドに変化した。
施例16の場合と同様にして測定した後、実施例16と
同様の手順で蛍光ランプを作製し、実施例16と同様に
して評価した結果を表7に示す。
酸化イットリウム蛍光体を用い、実施例16の場合と同
様の手順で蛍光ランプを作製した。蛍光体の鉄粉に対す
る接触帯電量は、0.3μC/gであり、光束維持率は
87%であった。
ド(日本エアロジル社製、OX−50)をユーロピウム
付活酸化イットリウム蛍光体の粒子表面に付着させた試
料について、実施例16の場合と同様の手順で蛍光ラン
プを作製した。そして、実施例16の場合と同様にして
蛍光体の接触帯電量および蛍光ランプの特性を評価し
た。その結果を表7に示す。
灯後に光束が定常値に達するまでに5〜6分要した。
活珪酸亜鉛蛍光体粒子表面に、実施例16〜17の場合
と同様の手順で酸化マグネシウムあるいは酸化亜鉛を付
着させた。また、これらの蛍光体を用いて、実施例16
の場合と同様の手順で蛍光ランプを作製し、同様に蛍光
体の接触帯電量および蛍光ランプの特性を評価した。そ
の結果を表7に示す。
面に、最初に酸化マグネシウムコロイドを0.5重量%
付着させた試料を作製し、次いでこの試料に0.2重量
%のシリカコロイドを付着させた。この蛍光体を用い
て、実施例16の場合と同様の手順で蛍光ランプを作製
し、同様に蛍光体の接触帯電量および蛍光ランプの特性
を評価した。その結果を表7に示す。
びその表面にシリカコロイドを付着させ、鉄に対する接
触帯電量を本発明の範囲外とした試料について、実施例
16の場合と同様の手順で蛍光ランプを作製した。そし
て、実施例16の場合と同様にして蛍光体の接触帯電量
および蛍光ランプの特性を評価した。その結果を表7に
示す。
面に金属酸化物微粒子を付着させ、粒子径44μm〜7
4μmの還元鉄粉との接触帯電量が−0.5μC/g〜
1.5μC/gの範囲の電荷を帯電するように、蛍光体
の帯電傾向を制御すれば、高負荷ランプの黒化と光束低
下を抑制することができることが分る。
蛍光体として、鉄粉に対して正に帯電するユーロピウム
付活酸化イットリウムと、鉄粉に対して負に帯電するマ
ンガン付活珪酸亜鉛の例を挙げ、また表面付着金属酸化
物として、鉄粉に対して正に帯電する酸化マグネシウム
と、鉄粉に対して負に帯電する酸化珪素(シリカ)の例
を挙げた。これらの例から、それぞれの蛍光体の帯電傾
向が表面付着金属酸化物の方向に変えられること、すな
わち表面付着金属酸化物の種類と量とによって、蛍光体
の帯電傾向を制御することが可能であることが理解され
よう。
Si)O4とZn2SiO4:Mnとを選び、また正に
帯電する金属酸化物としてMgOとZnO、負に帯電す
る金属酸化物としてSiO2をそれぞれ選び、蛍光体の
懸濁液に金属酸化物の懸濁液を加え、攪拌した後、吸引
▲ろ▼過し125℃以上の温度で乾燥してから、350
℃で焼成して200メッシュ篩を通した。こうして得た
蛍光体粒子について、前記のブローオフ帯電測定装置を
用い、還元鉄粉をキャリヤとして帯電量を測定した結果
を図10および図11に示す。図10は(La,Ce,
Tb)(P,Si)O4の場合を、図11はZn2Si
O4:Mnの場合である。各図から分かるように金属酸
化物の表面付着によって、蛍光体の帯電傾向をかなりの
範囲で制御し得る。
より高付加形の蛍光ランプをそれぞれ作製し、100時
間点灯してから1昼夜消灯した後、ランプの光束立上が
りを測定した結果を図12および図13にそれぞれ示
す。図12は(La,Ce,Tb)(P,Si)O4の
場合を、図13はZn2SiO4:Mnの場合である。
分後における光束比と帯電傾向の関係を測定したとこ
ろ、図14および図15にそれぞれ示すごとくであっ
た。図14は(La,Ce,Tb)(P,Si)O4の
場合を、図15はZn2SiO4:Mnの場合である。
子の帯電傾向で、光束立上がりのベストの条件が存在
し、この実施例の場合は還元鉄粉に対する帯電傾向が、
0〜+1μC/gのときベストの条件であった。
Euを用いた他は同様にして構成した蛍光ランプについ
て、300時間点灯後における光束比と点灯時間との関
係を評価したところ、図16に示すような傾向が認めら
れた。すなわち、光束は最初A点まで立上がった後に一
旦B点まで低下し、次いで安定なC点に上昇する。A点
からB点までの低下率に、蛍光体の帯電傾向に対する依
存性が認められる。図17は、蛍光体Y2O3:Euの
還元鉄粉に対する帯電傾向と光束減衰率の関係を示す特
性図であり、光束減衰率は、図16に図示する特性曲線
の(A−B)÷A×100%で表される。ここで、A,
Bは図16のA点とB点の光束比を示す。
4粒子表面を、0.1重量%のMgOを付着して所要の
帯電特性を付与した蛍光体粒子を用い、前記図9に図示
した構成の管壁負荷750W/m2の蛍光ランプを作製
した。この蛍光ランプについて点灯試験を行ったとこ
ろ、光束立上がり特性など、従来の蛍光ランプに較べて
大幅に改善された機能を保持していた。
2O3:Eu、緑色発光の蛍光体(La,Ce,Tb)
(P,Si)O4、青色発光の蛍光体BaMgO2Al
11O27:Euの2種以上の混合系を用いて構成した
場合も、同様な結果が得られた。図18は3元混合系の
蛍光体を用いて構成した場合の光束減衰率と帯電傾向の
関係を示す特性図である。
気放電ランプは、働程中の黒化の発生を確実に、再現性
よく抑制することができ、長時間点灯中の光束の低下率
も低減し得る。また点灯後の光束立上がり特性の改善を
容易に、かつ再現性よく図り得る。このようなランプ
は、小型で高負荷仕様のものに好適で、その工業的価値
は極めて大きい。
フ粉体帯電量測定装置のファラデーケージの構造を模式
的に示す図。
ャリア粉体と測定用試料とを混合した状態のモデル図。
を示す図。
図。
化合物の帯電量と電気陰性度との相関関係図。
しくは還元鉄粉を用いたときの帯電量値の関連性を例示
した対比図。
を示す図。
造例を示す図。
造例を示す図。
鉄粉を用いたときの鉄粉に対する帯電量を示す説明図。
鉄粉を用いたときの鉄粉に対する帯電量を示す説明図。
点灯時間の関係を示す特性図。
点灯時間の関係を示す特性図。
光体の帯電傾向との関係を示す特性図。
光体の帯電傾向との関係を示す特性図。
特性図。
との関係を示す特性図。
との関係を示す特性図。
を示す特性図。
4…試料粉体 5…キャリア粉体 11、15、1
7…ガラス管 12…口金 12a…電子点灯回路
12b…電源ケース 12c…断熱基板 1
3、16、18…低圧水銀蒸気放電ランプ 14…蛍
光体層
Claims (8)
- 【請求項1】 水銀および希ガスを含む封入ガスが充填
された光透過性ガラス管と、この光透過性ガラス管内壁
面に設けられた蛍光体粒子を含む蛍光層と、前記封入ガ
ス中で陽光柱放電を維持するための手段とを具備する低
圧水銀蒸気放電ランプにおいて、 前記蛍光層を形成する蛍光体粒子は、その粒子表面に金
属酸化物(無機化合物)の少なくとも1種が付着し、か
つその帯電傾向が金属イオンの電気陰性度7.0の金属
酸化物より負の側にあり、金属イオンの電気陰性度1
1.8の金属酸化物より正の側にあることを特徴とする
低圧水銀蒸気放電ランプ。 - 【請求項2】 水銀および希ガスを含む封入ガスが充填
された光透過性ガラス管と、この光透過性ガラス管内壁
面に設けられた蛍光体粒子を含む蛍光層と、前記封入ガ
ス中で陽光柱放電を維持するための手段とを具備する低
圧水銀蒸気放電ランプにおいて、 前記蛍光層を形成する蛍光体粒子は、その粒子表面に金
属酸化物(無機化合物)の少なくとも1種が付着し、か
つファラデーケージを用いたブローオフ粉体帯電測定装
置による測定で、粒径200μm〜500μmのソーダ
石灰ガラスビーズとの接触時に、1gあたり3.0μC
以下の正電荷を帯電することを特徴とする低圧水銀蒸気
放電ランプ。 - 【請求項3】 水銀および希ガスを含む封入ガスが充填
された光透過性ガラス管と、この光透過性ガラス管内壁
面に設けられた蛍光体粒子を含む蛍光層と、前記封入ガ
ス中で陽光柱放電を維持するための手段とを具備する低
圧水銀蒸気放電ランプにおいて、 前記蛍光層を形成する蛍光体粒子は、その粒子表面に金
属酸化物(無機化合物)の少なくとも1種が付着し、か
つファラデーケージを用いたブローオフ粉体帯電測定装
置による測定で、粒径44μm〜74μmの還元鉄粉と
の接触時に、1gあたり−0.5μCを超えた正側の電
荷を帯電することを特徴とする低圧水銀蒸気放電ラン
プ。 - 【請求項4】 請求項1、2もしくは3記載の低圧水銀
蒸気放電ランプにおいて、 前記陽光柱放電の動作中に消費される電力が、管壁負荷
の値で500〜2000W/m2の範囲であることを特
徴とする低圧水銀蒸気放電ランプ。 - 【請求項5】 請求項1、2もしくは3記載の低圧水銀
蒸気放電ランプにおいて、 蛍光体粒子表面に付着する金属酸化物の微粒子もしくは
膜は、Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Al,Y,希土
類元素,P,Ta,Ti,Siの中から選ばれた少なく
とも1種の金属酸化物であることを特徴とする低圧水銀
蒸気放電ランプ。 - 【請求項6】 請求項5記載の低圧水銀蒸気放電ランプ
において、 蛍光体粒子表面に付着する金属元素の酸化物微粒子もし
くは膜は、重量比で0.01〜3.0%であることを特
徴とする低圧水銀蒸気放電ランプ。 - 【請求項7】 請求項5記載の低圧水銀蒸気放電ランプ
において、金属元素の酸化物微粒子もしくは膜が表面に付着してい
る 蛍光体粒子は、CeおよびTbで付活された緑色発光
形希土類アルミン酸・珪酸・燐酸塩蛍光体、希土類硼酸
・珪酸・燐酸塩蛍光体、希土類正燐酸塩蛍光体、希土類
アルミン酸・硼酸・燐酸塩蛍光体であることを特徴とす
る低圧水銀蒸気放電ランプ。 - 【請求項8】 請求項5記載の低圧水銀蒸気放電ランプ
において、金属元素の酸化物微粒子もしくは膜が表面に付着してい
る 蛍光体粒子は、三波長域発光希土類混合蛍光体である
ことを特徴とする低圧水銀蒸気放電ランプ。
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