JP2002038044A - 蛍光着色剤 - Google Patents

蛍光着色剤

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JP2002038044A
JP2002038044A JP2000230268A JP2000230268A JP2002038044A JP 2002038044 A JP2002038044 A JP 2002038044A JP 2000230268 A JP2000230268 A JP 2000230268A JP 2000230268 A JP2000230268 A JP 2000230268A JP 2002038044 A JP2002038044 A JP 2002038044A
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resin
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fluorescent
compound
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JP2000230268A
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English (en)
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Michiko Tamano
美智子 玉野
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】樹脂などへの相溶性、耐光性に関する前記の課
題を同時に解決する優れた蛍光着色剤を提供する。 【解決手段】下記一般式で示される化合物を含む蛍光着
色剤。 一般式 [式中、Aは、縮合多環系有機化合物の残基であり、B
は、それぞれ独立に、炭素数4から50の有機残基を表
す。nは、1から8の整数である。]具体例を下記に示
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光着色剤に関
し、各種樹脂成形物、塗料、インキ等に使用される蛍光
着色剤に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光染料は一般に反応性に富み、光に対
する堅牢性に劣る。その対策として、蛍光染料を合成樹
脂に溶解した着色剤粉末として、これを形成物に練り込
む方法や塗料化して塗装する方法がある。これらの着色
剤は、蛍光染料を直接形成物に練り込んだ場合に較べる
と、耐光性が向上し、野外使用に耐える様になってきた
が、未だ満足すべきものではない。
【0003】一方、キナクリドンを代表とする縮合多環
系有機化合物は、耐光性、耐熱性、耐溶剤性に優れた特
性を持ち、自動車用塗料などの各種塗料、高分子材料の
着色剤、印刷インキなど広く活用されている。これらの
縮合多環系有機化合物は、スタッキングもしくは分子間
水素結合により強固に結合しており、その結果、濃度消
光などの原因により、一般的には蛍光が見られないか、
極めて弱い蛍光しか観測されなかった。また、有機溶剤
に溶解しないか、もしくは極めて難溶性であり、蛍光を
有するものであっても、樹脂などへの分散、相溶性が悪
いという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂などへ
の相溶性、耐光性に関する前記の課題を同時に解決する
優れた蛍光着色剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】蛍光が見られないか、極
めて弱い蛍光しか観測されない前記縮合多環系有機化合
物に炭素数4から50の有機残基を導入することによ
り、蛍光を示すようになることを見出した。また、当該
化合物が樹脂、溶剤に対する分散、溶解性が極めて向上
することを見出した。
【0006】すなわち、本発明は、下記一般式[1]で
示される化合物からなる蛍光着色剤に関する。 一般式[1]
【0007】
【化2】
【0008】[式中、Aは、縮合多環系有機化合物の残
基であり、Bは、それぞれ独立に、炭素数4から50の
有機残基を表す。nは、1から8の整数である。] 更に本発明は、一般式[1]で示される化合物が、トル
エンに室温で0.1重量%以上の濃度で溶解することを
特徴とする上記蛍光着色剤に関する。
【0009】更に本発明は、上記蛍光着色剤が、架橋し
た微粒子状の樹脂中に含有している蛍光着色体に関す
る。
【0010】更に本発明は、上記蛍光着色体を樹脂中に
分散させてなる蛍光着色樹脂成形物に関する。
【0011】更に本発明は、上記蛍光着色剤と塗料用樹
脂を含む蛍光着色塗料組成物に関する。 更に本発明
は、上記蛍光着色剤とインキ用樹脂を含む蛍光着色イン
キ組成物に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における一般式[1]で示
される化合物のAは、縮合多環系有機化合物の残基であ
る。その具体例としては、キナクリドン、トリフェノジ
オキサジン、トリフェノジチアジン、ペリノン、アント
ラキノン、ペリレン、テリレン、ペリノン、フルオラビ
ン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリン、イソイ
ンドリノン、ジケトピロロピロール、フタロシアニン、
またはアゾ系等の一般的に有機顔料もしくは色素と呼ば
れる化合物の残基である。更に、これらの残基は、炭素
数1から3のアルキル基、アルコキシル基、更に、ハロ
ゲン原子など、B以外の置換基で置換されても良い。
【0013】以下に、本発明における縮合多環系有機化
合物の具体例を、表1に例示するが、これらに限定され
るものでは無い。本発明の一般式[1]の化合物は、こ
れらの水素原子が置換基Bで置換されたものに相当す
る。
【0014】
【表1】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】本発明における一般式[1]の化合物の置
換基Bは、それぞれ独立に、炭素数4から50の有機残
基を表し、その具体例は、置換もしくは未置換のアルキ
ル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしく
は未置換のチオアルコキシ基、置換もしくは未置換のア
リール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置
換もしくは未置換のアリールチオキシ基、または、これ
ら官能基の組み合わせからなる基を表す。
【0024】置換もしくは未置換のアルキル基として
は、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ドデシル基、テトラデシル基、エオシル基、ヘプタ
デシル基、ヘキサデシル基、シクロヘキシル基、オクタ
デシル基、ステアリル基等の炭素数4〜50の未置換ア
ルキル基の他、2−フェニルイソブチル基、トリフルオ
ロペンチル基、ヘキサフルオロペンチル基、ベンジル
基、α−フェノキシベンジル基、α,α−ジメチルベン
ジル基、α,α−メチルフェニルベンジル基、α,α−
ジトリフルオロメチルベンジル基、トリフェニルメチル
基、α−ベンジルオキシベンジル基等の炭素数4〜50
の置換アルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシル
基としては、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−オ
クチルオキシ基、t−オクチルオキシ基等の炭素数4〜
50の未置換アルコキシ基の他、1,1,1−テトラフ
ルオロブトキシ基、ベンジルオキシ基等炭素数4〜50
の置換アルコキシ基があり、置換もしくは未置換のチオ
アルコキシル基としては、チオn−ブトキシ基、チオ−
t−ブトキシ基、チオ−n−オクチルオキシ基、チオ−
t−オクチルオキシ基等の炭素数4〜50の未置換チオ
アルコキシ基の他、1,1,1−テトラフルオロチオブ
トキシ基、ベンジルオキシ基等炭素数4〜50の置換チ
オアルコキシ基があり、置換もしくは未置換のアリール
基としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−
メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチル
フェニル基、ビフェニル基、4−メチルビフェニル基、
4−エチルビフェニル基、4−シクロヘキシルビフェニ
ル基、ターフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、
ナフチル基、5−メチルナフチル基、アントリル基、ピ
レニル基等があり、置換もしくは未置換のアリールオキ
シ基としては、フェノキシ基、4−エチルフェノキシ
基、4−プロピルフェノキシ基、4−n−ブチルフェノ
キシ基、4−t−ブトキシフェノキシ基、2−n−オク
チルフェノキシ基、3−t−オクチルフェノキシ基等の
炭素数4〜50の未置換アリールオキシ基の他、1,
1,1−テトラフルオロフェノキシ基、ビフェニルオキ
シ基等炭素数4〜50の置換アリールオキシ基があり、
置換もしくは未置換のアリールチオキシ基としては、チ
オフェニルオキシ基、2−メチルチオフェニルオキシ
基、3−メチルチオフェニルオキシ基、4−メチルチオ
フェニルオキシ基、4−エチルチオフェニルオキシ基、
チオビフェニルオキシ基、4−メチルチオビフェニルオ
キシ基、4−エチルチオビフェニルオキシ基、4−シク
ロヘキシルチオビフェニルオキシ基、チオターフェニオ
キシル基、3,5−ジクロロチオフェニルオキシ基、チ
オナフチルオキシ基、5−メチルチオナフチル基オキ
シ、チオアントリルオキシ基、チオピレニルオキシ基等
がある。
【0025】有機残基Bが、結合しても良い置換基の具
体例としては、上記Bに示した置換基の他に、ハロゲン
原子としては弗素、塩素、臭素、ヨウ素があり、置換も
しくは未置換のアミノ基としては、アミノ基、ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキル置換アミノ
基の他、フェニルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ
基、ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基等がある。
また、隣接する置換基同士で、それぞれ互いに結合し
て、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル
基等の環を形成しても良い。
【0026】本発明における一般式[1]の化合物の置
換基Bが、縮合多環系有機化合物の残基Aに結合しても
良い位置は特に限定されない。しかし、縮合多環系有機
化合物が分子間水素結合可能な活性水素を有する酸素原
子もしくは窒素原子が含む構造の場合、分子間水素結合
を切断する目的で、当該活性水素原子を置換基Bに置き
換えるのが好ましい。また、さらに、当該化合物のスタ
ッキングを阻害する位置が好ましい。一般的に、縮合多
環系有機化合物は有機溶剤に難溶性であり、その汎用性
溶剤に対する溶解度は室温で0.1重量%未満である。
例えば、2,9−ジメチルキナクリドンは、汎用性有機
溶剤、特にトルエンに全く溶解しない。また、N,N−
ジメチルキナクリドンも、その溶解度は極めて悪く、
0.01重量%程度である。これに対して、本発明の一
般式[1]の化合物であるN,N−ジベンジル−2,9
−ジフェノキシ−キナクリドン:化合物(1)は、トル
エンに、1重量%以上の濃度で溶解する。本発明の特徴
の一つである一般式[1]の化合物の有する高い相溶性
は、トルエンに対して室温で0.1重量%以上溶解する
ことをもって特定することができる。
【0027】本発明の一般式[1]の化合物は、市販の
縮合多環系有機化合物に置換基Bを導入することによ
り、合成可能である。もしくは、一般式[1]の化合物
の合成時、その原料となる化合物にあらかじめ置換基B
を導入しても、合成可能である。
【0028】以下に、本発明の一般式[1]の化合物の
具体例を、表2に例示する。
【0029】
【表2】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】本発明の一般式[1]の化合物は、固体状
態においても強い、紫外光、可視光、または赤外光の蛍
光を有し、かつ、高い融点を示す。このため、本発明の
一般式[1]の化合物をそのまま蛍光着色剤として使用
することができるが、汎用の下記樹脂に直接分散して使
用することも可能である。
【0034】さらに、本発明の蛍光着色剤を架橋性の樹
脂中に分散した後、硬化させて、これを微粒子に粉砕し
たものを蛍光着色体として使用することができる。ま
た、本発明の蛍光着色剤を水性樹脂とともに乳化剤や安
定剤を使用し水系でエマルジョン化した後に、硬化して
球状微粒子としたものを蛍光着色体として使用すること
ができる。上記架橋性の樹脂としては、アクリル樹脂、
スチレン樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、エポキシ樹
脂、アルキッド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベン
ゾグアナミン樹脂、アクリルウレタン樹脂およびそれら
の共重合体、共縮合樹脂等を挙げることができる。上記
樹脂とともに紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素ク
エンチャー、ヒンダードアミン系光安定剤、その他の安
定剤、添加剤を配合することができる。
【0035】微粒子の平均粒子径は0.1〜100μ
m、好ましくは1〜20μmである。微粒子の樹脂に配
合する化合物の濃度は樹脂全体に対して0.01〜20
重量%、好ましくは0.05〜10重量%である。0.
01重量%より低濃度であると蛍光強度が弱くなって好
ましくない。
【0036】微粒子状の樹脂からなる蛍光着色体のより
具体的な製造法としては、例えば、ベンゾグアナミンや
メラミン等のアミノ化合物とホルマリンとの混合物をP
Hが5〜10の範囲となるように調整した後、50〜1
00℃の温度で反応させ、得られたアミノ樹脂の初期反
応物に、本発明の蛍光性化合物をアミノ樹脂100重量
部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜1
0重量部添加し、これをポリビニルアルコール等の保護
コロイド剤をアミノ樹脂100重量部に対して1〜30
重量部の範囲で含む水溶液に攪拌下、投入してアミノ樹
脂の懸濁液を得、ついでこれに鉱酸や有機酸等の硬化触
媒をアミノ樹脂100重量部に対して0.01〜10重
量部の範囲で加えて40〜100℃で重縮合硬化を行
い、得られた硬化樹脂を濾別し、加熱乾燥してから破砕
する。
【0037】本発明の蛍光着色剤、または蛍光着色体
は、成形用樹脂に配合することができる。この際、ベー
ス樹脂および金属セッケン、ワックス等の分散剤からな
る組成物に、本発明の蛍光着色剤、または蛍光着色体を
高濃度に配合して、例えば、ペレット状に押し出し成形
してマスターバッチとすることができる。成形用樹脂と
しては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポ
リオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、PVC樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、アクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹
脂等がある。これらの熱可塑性樹脂は、インフレーショ
ン成形、カレンダー成形、その他の方法により樹脂成形
物とする。また、本発明の蛍光着色剤または蛍光着色体
は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等
の熱硬化性樹脂に配合することができる。
【0038】本発明の蛍光着色剤は、ロジン酸石鹸、ス
テアリン酸石鹸、オレイン酸石鹸、Na−ジ−β−ナフ
チルメタンジサルファート、Na−ラウリルサルフェー
ト、Na−ジエチルヘキシルスルフォクシネート、Na
−ジオクチルスルフォクシネート等の界面活性剤で分散
して塗料またはインキ用等の蛍光着色剤組成物とするこ
とができる。
【0039】本発明の一般式[1]の化合物は有機溶剤
に可溶であり、これをそのまま、あるいは、樹脂の微粒
子からなる溶剤不溶性の蛍光着色剤として、塗料または
インキ等に配合することができる。インキとして、オフ
セット印刷インキ、グラビア印刷インキ、シルクスクリ
ーン等の印刷インキ、インクジェット用インキ、筆記用
インキ等がある。塗料用樹脂およびインキ用樹脂として
は、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレー
ト、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアクリレー
ト等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、塩
化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビ
ニルホルマール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
エステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコー
ン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンビニル
アルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニリデン
樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリアミド樹脂、セロハン、エチルセルロース、ニ
トロセルロース、アルキッド樹脂、ロジン変性アルキッ
ド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂などの軟
質、硬質樹脂等を挙げることができる。
【0040】本発明の蛍光着色剤の配合割合は、塗料組
成物またはインキ組成物全体に対して0.1〜20重量
%、好ましくは0.5〜10重量%である。
【0041】本発明の蛍光着色剤を紫外線吸収剤ととも
に使用することにより耐光安定性を向上させることがで
きる。紫外線吸収剤は、o−ヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等の
ベンゾフェノン系、2−(2’−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール等のベンゾトリアゾール、エチル−2−シア
ノ−3,3−ジフェニルアクリレート、5−エチルヘキ
シル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等
のシアノアクリレート系、フェニルサルチレート、4−
t−ブチルフェニルサルチレート等のサルチル酸系、2
−エチル−5’−t−ブチル−2’−エトキシ−N,
N’−ジフェニロキサルアミド等のシュウ酸アニリド
系、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の超微
粒子無機系などを使用することができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。例中、部は重量部を表す。 実施例1(化合物(1)の合成) ジオキサン300部中に、スクシニルコハク酸ジメチル
24部、4−アミノ−ジフェニルエーテル50部、およ
び35%塩酸1.5部を入れ、95℃にて3時間加熱撹
拌した。その後、500部のメタノール水で希釈し、希
水酸化ナトリウム水溶液で中和した。析出した黄色固体
を吸引濾別し、さらにメタノール500部にて洗浄し
た。得られた黄色固体を70℃にて乾燥し、黄色の蛍光
を有する針状結晶53部を得た。この黄色針状結晶50
部を、1−メチルナフタレン300部と共に、窒素気流
下、250℃にて、10時間加熱攪拌を行なった。その
後、メタノール300部を加え、析出した橙色の固体を
吸引濾別した。メタノール300部で洗浄し、得られた
橙色固体を70℃にて乾燥し、白っぽい橙色の蛍光を有
する淡橙色粉末28部を得た。この淡橙色結晶20部
を、フタル酸ジブチル200部と共に、空気気流下、2
80℃にて、10分間加熱攪拌を行なった。その後、メ
タノール300部を加え、析出した紫色の固体を吸引濾
別した。メタノール300部で洗浄し、得られた紫色固
体を70℃にて乾燥し、橙色の蛍光を有する紫色粉末1
8部を得た。この紫色粉末18部を、ジクロロベンゼン
400部、50%カセイソーダ水溶液1000部、ベン
ジルトリエチルアンモニウムクロリド9部、ベンジルブ
ロミド160部と共に、100℃にて、10時間加熱攪
拌を行なった。その後、クロロホルム300部を加え、
反応生成物を抽出した。このクロロホルム層を中性にな
るまで水で洗浄し、乾燥後濃縮し、シリカゲルを用いた
カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、メタノー
ルで再沈澱をして橙色の蛍光を有する粉末8部を得た。
分子量分析の結果、化合物(1)であることを確認し
た。以下に生成物の蛍光スペクトルを示す。尚、この化
合物は、トルエンに室温で0.5重量%以上の濃度で溶
解した。
【0043】実施例2(化合物(3)の合成) キナクリドン7部、ベンゼン140部、50%カセイソ
ーダ水溶液500部、ベンジルトリエチルアンモニウム
クロリド6部および1−ブロモデカン14部を、フラス
コ中、80℃にて30時間激しく加熱撹拌した。その
後、固体部分をデカンテーションにより分離し、500
部の水で洗浄し、クロロホルムで抽出をおこなった。こ
のクロロホルム層を濃縮し、赤色の固体8部を得た。シ
リカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製
を行い、メタノールで再沈澱をして黄色の蛍光を有する
粉末3部を得た。分子量分析の結果、化合物(3)であ
ることを確認した。以下に生成物の蛍光スペクトルを示
す。尚、この化合物は、トルエンに室温で0.5重量%
以上の濃度で溶解した。
【0044】実施例3(化合物(6)の合成) ジオキサン300部中に、スクシニルコハク酸ジメチル
30部、2−n−ブチル−アニリン50部、および35
%塩酸2.0部を入れ、95℃にて3時間加熱撹拌し
た。その後、500部のメタノール水で希釈し、希水酸
化ナトリウム水溶液で中和した。析出した黄色固体を吸
引濾別し、さらにメタノール500部にて洗浄した。得
られた黄色固体を70℃にて乾燥し、黄色の蛍光を有す
る針状結晶57部を得た。この黄色針状結晶50部を、
1−メチルナフタレン300部と共に、窒素気流下、2
50℃にて、10時間加熱攪拌を行なった。その後、メ
タノール300部を加え、析出した橙色の固体を吸引濾
別した。メタノール300部で洗浄し、得られた橙色固
体を70℃にて乾燥し、白っぽい橙色の蛍光を有する淡
橙色粉末20部を得た。この淡橙色結晶20部を、フタ
ル酸ジブチル200部と共に、空気気流下、280℃に
て、10分間加熱攪拌を行なった。その後、メタノール
300部を加え、析出した赤紫色の固体を吸引濾別し
た。メタノール300部で洗浄し、得られた赤紫色固体
を70℃にて乾燥し、橙色の蛍光を有する赤紫色粉末1
6部を得た。この紫色粉末16部を、ジクロロベンゼン
400部、50%カセイソーダ水溶液1000部、ベン
ジルトリエチルアンモニウムクロリド9部、1−ブロモ
ヘキサデカン150部と共に、100℃にて、10時間
加熱攪拌を行なった。その後、クロロホルム300部を
加え、反応生成物を抽出した。このクロロホルム層を中
性になるまで水で洗浄し、乾燥後濃縮し、シリカゲルを
用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、メ
タノールで再沈澱をして橙色の蛍光を有する粉末5部を
得た。分子量分析の結果、化合物(6)であることを確
認した。以下に生成物の蛍光スペクトルを示す。尚、こ
の化合物は、トルエンに室温で1.0重量%以上の濃度
で溶解した。
【0045】実施例7 実施例1で得られた化合物(1)の粉末30部、ポリエ
チレン(住友化学工業社製商品名「スミカセンG−80
8」30部、およびポリエチレンワックス(三洋化学工
業社製商品名「サンワックス131P」40部をニーダ
ーで混練後、押出機でペレット化しマスターバーチを得
た。このマスターバッチ4部を高密度ポリエチレン(三
井石油化学工業社製商品名「ハイゼックス2208」1
00部と混合し、押出成形によって樹脂成形物を得た。
これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせ
ずに48時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結
果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0046】実施例8 実施例7において化合物(1)を化合物(3)に変えて
実施例7と同様の操作を繰り返したところ、同じ結果を
得た。
【0047】実施例9 実施例7において化合物(1)に代えて化合物(6)を
使用して同様にしてマスターバーチを得た。このマスタ
ーバッチ4部をABS樹脂(住友ノーガタック社製商品
名「クララスチックMH」100部と混合し、押出成形
によって樹脂成形物を得た。これをサンシャインウエザ
ーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退
色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の
変化は認められなかった。
【0048】実施例10 実施例9において化合物(6)を化合物(8)を代えて
実施例9と同様の操作を繰り返したところ、同じ結果を
得た。
【0049】実施例11 フラスコ中に、メラミン10部、パラホルムアルデヒド
60部、p−トルエンスルホンアミド40部を仕込み、
50〜100℃にて溶融させる。実施例3で得られた化
合物(6)を10部加え、さらに120〜150℃で3
0分、加熱攪拌を行い、メラミン樹脂蛍光着色物を得
た。この蛍光着色物を乳鉢で軽く粉砕し、さらにボール
ミルで1時間粉砕することにより、鮮明な黄色を有する
蛍光着色剤の粉末を得た。この蛍光着色剤は108℃の
恒温層で2時間保存しても蛍光の低下、着色の変化が認
められなかった。
【0050】次に、ポリ塩化ビニル100部にジオクチ
ルフタレート40部、および安定剤5部を加え、常法に
より処理した塩ビパウダー50部に、実施例7で得た蛍
光着色剤をそれぞれ1部加え均一に混合した後、2本ロ
ールにて160℃で10分間練り黄色の着色塩化ビニル
シートを得た。この着色塩化ビニルシートを鏡面板にの
せて、厚み0.1mm、縦100mm、横100mmの
スペーサーを用い160℃の温度でプレス成形し、黄色
の着色フイルム状成形体を得た。これをサンシャインウ
エザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後
の退色の変化を目視にて観察した結果、100時間の経
過後も蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0051】実施例12 実施例11において化合物(1)を化合物(11)に代
えて実施例11と同様の操作を繰り返したところ、同様
の結果を得た。
【0052】実施例13 フラスコ中に、メラミン10部、パラホルムアルデヒド
60部、p−トルエンスルホンアミド40部を仕込み、
50〜100℃にて溶融させた。実施例2で得られた化
合物(6)を10部加え、さらに120〜150℃で3
0分、加熱攪拌を行い、メラミン樹脂着色物を得た。こ
の蛍光着色剤は108℃の恒温層で2時間保存しても蛍
光の低下、着色の変化が認められなかった。
【0053】実施例14 実施例13において化合物(6)を化合物(10)に代
えて実施例13と同様の操作を繰り返したところ、同様
の結果を得た。
【0054】実施例15 フラスコ中に、メチルメタクリレート80部、ジビニル
ベンゼン20部、アゾビスイソブチロニトリル0.8部
を仕込み、50〜100℃にて溶融させる。これに化合
物(9)を10部加え、さらにポリビニルアルコール3
部、水200部を加え攪拌を行い、黄色に着色された単
量体の蛍光着色物の懸濁液を得た。この懸濁液を加熱し
て重合反応を行い、重合硬化させた。懸濁液から蛍光着
色剤を分離し、乾燥後、ボールミルで1時間粉砕して鮮
明な黄色を有する蛍光着色剤の粉末を得た。この蛍光着
色剤は108℃の恒温層で2時間保存しても蛍光の低
下、着色の変化が認められなかった。
【0055】実施例16 実施例12で製造した蛍光着色剤5部、アルキド樹脂分
散物[アルキド樹脂固形分60%)55部、メラミン樹
脂(固形分50%)35部、キシレン2部、メチルグリ
コール(2−メトキシエタノール)2部]、8mmΦの
セラミックボール230部を400mlのガラスジャー
に入れ、120rpmの回転速度において30分間分散
させた。得られた分散物を金属板に塗布し、180℃で
3分間焼き付けて塗装板を得た。これをサンシャインウ
エザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後
の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着
色の変化は認められなかった。
【0056】実施例17 化合物(2)を1.0部、水性グラビア用ワニス(スチ
レンアクリル酸タイプ)49部、3mmΦガラスビーズ
150部を225mlのマヨネーズビンに入れ、ペイン
トコンデショナーで90分分散後、追加用ワニス35部
を加え、さらに10分間ペイントコンデイショナーで分
散し、ガラスビーズを濾別し、蛍光水性グラビアインキ
を得た。このインキをマニラボード紙に#3バーコータ
ーで展色し、これをサンシャインウエザーメーターに
て、水噴射をせずに48時間露光後の退色の変化を、色
差計にて測定し、デルタEを求めた結果、2.3とな
り、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0057】実施例18 化合物(3)を0.5部、ロジンフェノール樹脂系オフ
セット用ワニス50部を、フーバー式マーラーで100
回転、150lbs、4回転練り肉してインキを調整
し、これを小型輪転印刷機(RIテスター)を用いてア
ート紙に展色した。これをサンシャインウエザーメータ
ーにて、水噴射をせずに48時間露光後の退色の変化を
色差計にて測定し、デルタEを求めた結果、2.1とな
り、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0058】実施例19 化合物(3)を0.3部、石油系溶剤(シェル化学製、
シェルゾールAB)30.7部、ジメチルスルホキシド
15部、N−メチル−2−ピロリドン54部を20分
間、攪拌混合し、0.45μのメンブランフイルターで
濾別して記録液を作り、ピエゾ方式のプリンターを用い
て、普通紙に記録した。これをサンシャインウエザーメ
ーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の
変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化
は認められなかった。
【0059】
【発明の効果】本発明の蛍光着色剤は、樹脂成形物、塗
料組成物、インキ組成物等に配合することよって、華麗
な蛍光色を与え、しかも、従来知られている蛍光着色剤
に比較して樹脂溶剤に対する相溶性、耐光性に同時に優
れるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物(1)の蛍光スペクトル
【図2】化合物(3)の蛍光スペクトル
【図3】化合物(6)の蛍光スペクトル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1]で示される化合物を含
    む蛍光着色剤。 一般式[1] 【化1】 [式中、Aは、縮合多環系有機化合物の残基であり、B
    は、それぞれ独立に、炭素数4から50の有機残基を表
    す。nは、1から8の整数である。]
  2. 【請求項2】 一般式[1]で示される化合物が、トル
    エンに室温で0.1重量%以上の濃度で溶解することを
    特徴とする請求項1記載の蛍光着色剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の蛍光着色剤が、架橋した
    微粒子状の樹脂中に含有している蛍光着色体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の蛍光着色体を樹脂中に分
    散させてなる蛍光着色樹脂成形物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の蛍光着色剤と塗料用樹脂
    とを含む蛍光着色塗料組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の蛍光着色剤とインキ用樹
    脂とを含む蛍光着色インキ組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007138161A (ja) * 2005-10-20 2007-06-07 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 画像記録用着色組成物、画像記録用インキおよび画像記録方法
US20200199367A1 (en) * 2017-08-08 2020-06-25 Lleaf Pty Ltd Compounds as potential dye molecules

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007138161A (ja) * 2005-10-20 2007-06-07 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 画像記録用着色組成物、画像記録用インキおよび画像記録方法
US20200199367A1 (en) * 2017-08-08 2020-06-25 Lleaf Pty Ltd Compounds as potential dye molecules
US10995217B2 (en) * 2017-08-08 2021-05-04 Lleaf Pty Ltd Compounds as potential dye molecules

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