JP3740729B2 - 蛍光着色剤 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、9,10−ジ置換アミノアントラセン蛍光着色剤に関し、各種プラスチック成形物、塗料、インキ等に使用される蛍光着色剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光染料は一般に反応性に富み、光に対する堅牢性に劣る。その対策として、蛍光染料を合成樹脂に溶解した着色剤粉末として、これを形成物に練り込む方法や塗料化して塗装する方法がある。これらの着色剤は、蛍光染料を形成物に練り込んだ場合に較べると、耐候性が向上し、野外使用に耐える様になってきたが、未だ満足すべきものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性、耐溶剤性および耐光性に優れた蛍光着色剤および該蛍光着色剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式[1]で示される化合物からなる蛍光着色剤に関する。
一般式[1]
【0005】
【化4】
【0006】
[式中、A1 〜A4 は、置換もしくは未置換の炭素数6〜16の芳香族環基を表し、R1 〜R8 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。]
【0007】
更に本発明は、一般式[1]で示される化合物が下記一般式[2]で示される化合物である蛍光着色剤に関する。
一般式[2]
【0008】
【化5】
【0009】
[式中、R1 〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。]
【0010】
更に本発明は、一般式[2]で示される化合物が下記一般式[3]で示される化合物である蛍光着色剤に関する。
一般式[3]
【0011】
【化6】
【0012】
[式中、X1 〜X4 は、それぞれ独立に、O、S、C=O、SO2 、(CH2 )x−O−(CH2 )y (ただし、xおよびyは、それぞれ0〜20の整数を表すが、x+y=0となることはない。)、置換もしくは未置換のアルキレン基、2価の脂肪族環残基を表す。)]
【0013】
更に本発明は、上記蛍光着色剤を架橋した微粒子状の樹脂中に含有させてなる蛍光着色剤に関する。
更に本発明は、上記蛍光着色剤を蛍光着色剤をプラスチック中に分散させてなるプラスチック成形物に関する。
更に本発明は、上記蛍光着色剤と塗料用バインダーとからなる塗料組成物に関する。
更に本発明は、上記蛍光着色剤とインキバインダーとからなるインキ組成物に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における一般式[1]で示される化合物のA1 〜A4 の具体例は、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基等のアリール基であり、それぞれのアリール基は置換基を有していても良い。
【0015】
本発明における一般式[2]の化合物の置換基R1 〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
【0016】
A1 〜A4 の有する置換基、およびR1 〜R28の具体例は、ハロゲン原子としては弗素、塩素、臭素、ヨウ素があり、、置換もしくは未置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基等の炭素数1〜20の未置換アルキル基の他、2−フェニルイソプロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、α−フェノキシベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−メチルフェニルベンジル基、α,α−ジトリフルオロメチルベンジル基、トリフェニルメチル基、α−ベンジルオキシベンジル基等の炭素数1〜20の置換アルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基等の炭素数1〜20の未置換アルコキシ基の他、1,1,1−テトラフルオロエトキシ基、ベンジルオキシ基等炭素数1〜20の置換アルコキシ基があり、置換もしくは未置換のアリール基としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、ビフェニル基、4−メチルビフェニル基、4−エチルビフェニル基、4−シクロヘキシルビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、ナフチル基、5−メチルナフチル基、アントリル基、ピレニル基等があり、置換もしくは未置換のアミノ基としては、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキル置換アミノ基の他、フェニルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基等がある。また、隣接する置換基同士で、それぞれ互いに結合して、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基等を形成しても良い。
一般式[3]中のX1 〜X4 は、それぞれ独立に、O、S、C=O、SO2 、(CH2 )x−O−(CH2 )y (ただし、xおよびyは、それぞれ0〜20の整数を表すが、x+y=0となることはない。)、ジメチルメチレン基、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基等の置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキレン基、シクロペンチル環残基、シクロヘキシル環残基等の2価の脂肪族環残基を表す。なおXの置換位置はアミノ基を構成する窒素への結合に対してパラ位が好ましい。
【0017】
本発明の化合物は、9,10−ジハロゲノアントラセン、置換基を有しても良いアミン誘導体、炭酸カリウムおよび触媒を溶媒中で反応させて合成することができる。アントラセン誘導体に代えてアントラキノン誘導体からも合成することができる。炭酸カリウムに代えて、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたはアンモニア水等を使用することができる。触媒としては、銅紛、塩化第一銅、スズ、塩化第一スズ、ピリジン、三塩化アルミニウムまたは四塩化チタンがある。溶媒は、ベンゼン、トルエンまたはキシレンがある。以上の合成法は、限定されるものではない。
以下に、本発明の化合物の具体例を、表1に例示する。
【0018】
【表1】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
本発明の蛍光性化合物は、固体状態において強い蛍光を有し、かつ、高い融点を示す。このため、本発明の化合物をそのまま蛍光着色剤として使用することができるが、本発明の蛍光性化合物を架橋性の樹脂中に分散した後、硬化させて、これを微粒子に粉砕したものを蛍光着色剤として使用することもできる。また、本発明の化合物を水性樹脂とともに乳化剤や安定剤を使用し水系でエマルジョン化した後に、硬化して球状微粒子としたものを蛍光着色剤として使用することができる。
上記架橋性の樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アクリルウレタン樹脂およびそれらの共重合体、共縮合樹脂等を挙げることができる。
上記樹脂とともに紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー、ヒンダードアミン系光安定剤、その他の安定剤、添加剤を配合することができる。
【0030】
微粒子の平均粒子径は0.1〜100μm、好ましくは1〜20μmである。微粒子の樹脂に配合する化合物の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%である。0.01重量%より低濃度であると蛍光強度が弱くなって好ましくない。
【0031】
微粒子状の樹脂からなる蛍光着色剤のより具体的な製造法としては、例えば、ベンゾグアナミンやメラミン等のアミノ化合物とホルマリンとの混合物をPHが5〜10の範囲となるように調整した後、50〜100℃の温度で反応させ、得られたアミノ樹脂の初期反応物に、本発明の蛍光性化合物をアミノ樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部添加し、これをポリビニルアルコール等の保護コロイド剤をアミノ樹脂100重量部に対して1〜30重量部の範囲で含む水溶液に攪拌下、投入してアミノ樹脂の懸濁液を得、ついでこれに鉱酸や有機酸等の硬化触媒をアミノ樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲で加えて40〜100℃で重縮合硬化を行い、得られた硬化樹脂を濾別し、加熱乾燥してから破砕する。
【0032】
本発明の蛍光性化合物または微粒子の架橋樹脂からなる蛍光着色剤は、成形プラスチックに配合することができる。この際、ベース樹脂および金属セッケン、ワックス等の分散剤からなる組成物に、本発明の蛍光性化合物または蛍光着色剤を高濃度に配合して、例えば、ペレット状に押し出し成形してマスターバッチとすることができる。
成形プラスチック用樹の樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、PVC樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂等がある。これらの熱可塑性樹脂は、インフレーション成形、カレンダー成形、その他の方法によりプラスチック成形物とする。
本発明の蛍光着色剤は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の熱硬化性プラスチックに配合することができる。
【0033】
本発明の蛍光性化合物または蛍光着色剤は、ロジン酸石鹸、ステアリン酸石鹸、オレイン酸石鹸、Na−ジ−β−ナフチルメタンジサルファート、Na−ラウリルサルフェート、Na−ジエチルヘキシルスルフォクシネート、Na−ジオクチルスルフォクシネート等の界面活性剤で分散して塗料またはインキ用等の着色剤組成物とすることができる。
【0034】
本発明の蛍光性化合物は有機溶剤に可溶であり、これをそのまま、あるいは、樹脂の微粒子からなる溶剤不溶性の蛍光着色剤として、塗料またはインキ等に配合することができる。
インキとして、オフセット印刷インキ、グラビア印刷インキ、シルクスクリーン等の印刷インキ、インクジェット用インキ、筆記用インキ等がある。
塗料用樹脂およびインキ用樹脂としては、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアクリレート等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルホルマール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、セロハン、エチルセルロース、ニトロセルロースなどの軟質、硬質樹脂等を挙げることができる。
蛍光性化合物または蛍光着色剤の配合割合は、塗料組成物またはインキ組成物に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
【0035】
蛍光性組成物または蛍光着色剤を紫外線吸収剤とともに使用することにより耐光安定性を向上させることができる。
紫外線吸収剤は、o−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、5−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系、フェニルサルチレート、4−t−ブチルフェニルサルチレート等のサルチル酸系、2−エチル−5’−t−ブチル−2’−エトキシ−N,N’−ジフェニロキサルアミド等のシュウ酸アニリド系、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の超微粒子無機系などを使用することができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。例中、部は重量部を表す。
実施例1(化合物(1)の合成)
ベンゼン200部中に、アントラキノン10部、ジフェニルアミン35部、およびピリジン15部を入れ、10℃にて四塩化チタン40部を滴下し、20時間室温で撹拌した。その後、500部の水で希釈し、希水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この後、酢酸エチルで抽出を行い、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して黄色の蛍光を有する針状結晶8部を得た。分子量分析の結果、化合物(1)であることを確認した。以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C38H28N2 として
計算値(%):C:89.06 H:5.47 N:5.47
実測値(%):C:89.11 H:5.55 N:5.34
【0037】
実施例2(化合物(3)の合成)
9,10−ジブロモアントラセン5部、4,4−ジ−メチルジフェニルアミン28部、および炭酸カリウム20部、銅粉末0.5部、塩化第一銅0.5部を入れ、ニトロベンゼン50部中で210℃にて30時間加熱撹拌した。その後、500部の水で希釈し、クロロホルムで抽出をおこなった。このクロロホルム層を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、n−ヘキサンで再沈澱をして黄色の蛍光を有する粉末28部を得た。分子量分析の結果、化合物(3)であることを確認した。
以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C42H36N2 として
計算値(%):C:88.73 H:6.37 N:4.90
実測値(%):C:88.61 H:9.42 N:4.97
【0038】
実施例3(化合物(6)の合成)
9,10−ジブロモアントラセン25部、4,4−ジ−n−オクチルジフェニルアミン100部、および炭酸カリウム40部、銅粉末2部、塩化第一銅2部を入れ、ニトロベンゼン80部中で210℃にて30時間加熱撹拌した。その後、500部の水で希釈し、クロロホルムで抽出をおこなった。このクロロホルム層を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、n−ヘキサンで再沈澱をして黄色の蛍光を有する粉末28部を得た。分子量分析の結果、化合物(6)であることを確認した。
以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C70H92N2 として
計算値(%):C:87.50 H:9.58 N:2.92
実測値(%):C:87.52 H:9.53 N:2.95
【0039】
実施例4(化合物(10)の合成)
9,10−ジブロモアントラセン12部、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン18.5部、および炭酸カリウム16部、銅粉末0.2部を入れ、ニトロベンゼン10部中で210℃にて30時間加熱撹拌した。その後、100部の水で希釈し、クロロホルムで抽出をおこなった。このクロロホルム層を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、n−ヘキサンで再沈澱をして黄色の蛍光を有する粉末5部を得た。分子量分析の結果、化合物(10)であることを確認した。
以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C42N36N2 O2 として
計算値(%):C:84.00 H:6.00 N:4.67
実測値(%):C:84.28 H:6.07 N:4.45
【0040】
実施例5(化合物(23)の合成)
9,10−ジヨードアントラセン15部、4,4−ジイソプロピル(2−フェニル)ジフェニルアミン27部、および炭酸カリウム12部、銅粉末0.8部を入れ、200℃にて30時間加熱撹拌した。その後、500部の水で希釈し、クロロホルムを用いて、抽出をおこなった。このクロロホルム層を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、n−ヘキサンで再沈澱をして黄色の蛍光を有する粉末18部を得た。分子量分析の結果、化合物(23)であることを確認した。
以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C74H68N2 として
計算値(%):C:90.24 H:6.91 N:2.85
実測値(%):C:90.59 H:6.81 N:2.60
【0041】
実施例6(化合物(33)の合成)
9,10−ジヨードアントラセン12部、1−ナフチル−フェニルアミン25部、および炭酸カリウム20部、銅粉末0.6部を入れ、200℃にて30時間加熱撹拌した。その後、600部の水で希釈し、クロロホルムを用いて、抽出をおこなった。このクロロホルム層を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、n−ヘキサンで再結晶をして黄色の蛍光を有する針条結晶27部を得た。分子量分析の結果、化合物(33)であることを確認した。以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C46H32N2 として
計算値(%):C:90.20 H:5.23 N:4.57
実測値(%):C:90.39 H:5.31 N:4.30
【0042】
実施例7
実施例1で得られた化合物(1)の粉末30部、ポリエチレン(住友化学工業社製商品名「スミカセンG−808」30部、およびポリエチレンワックス(三洋化学工業社製商品名「サンワックス131P」40部をニーダーで混練後、押出機でペレット化しマスターバーチを得た。
このマスターバッチ4部を高密度ポリエチレン(三井石油化学工業社製商品名「ハイゼックス2208」100部と混合し、押出成形によって樹脂成形物を得た。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0043】
実施例8
実施例7において化合物(1)を化合物(3)に変えて実施例7と同様の操作を繰り返したところ、同じ結果を得た。
【0044】
実施例9
実施例7において化合物(1)に代えて化合物(23)を使用して同様にしてマスターバーチを得た。このマスターバッチ4部をABS樹脂(住友ノーガタック社製商品名「クララスチックMH」100部と混合し、押出成形によって樹脂成形物を得た。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
実施例10
実施例9において化合物(23)を化合物(33)を代えて実施例9と同様の操作を繰り返したところ、同じ結果を得た。
【0045】
実施例11
フラスコ中に、メラミン10部、パラホルムアルデヒド60部、p−トルエンスルホンアミド40部を仕込み、50〜100℃にて溶融させる。実施例3で得られた化合物(6)を10部加え、さらに120〜150℃で30分、加熱攪拌を行い、メラミン樹脂蛍光着色物を得た。この蛍光着色物を乳鉢で軽く粉砕し、さらにボールミルで1時間粉砕することにより、鮮明な黄色を有する蛍光着色剤の粉末を得た。この蛍光着色剤は108℃の恒温層で2時間保存しても蛍光の低下、着色の変化が認められなかった。
【0046】
次に、ポリ塩化ビニル100部にジオクチルフタレート40部、および安定剤5部を加え、常法により処理した塩ビパウダー50部に、実施例7で得た蛍光着色剤をそれぞれ1部加え均一に混合した後、2本ロールにて160℃で10分間練り黄色の着色塩化ビニルシートを得た。この着色塩化ビニルシートを鏡面板にのせて、厚み0.1mm、縦100mm、横100mmのスペーサーを用い160℃の温度でプレス成形し、黄色の着色フイルム状成形体を得た。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、100時間の経過後も蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0047】
実施例12
実施例11において化合物(1)を化合物(23)に代えて実施例11と同様の操作を繰り返したところ、同様の結果を得た。
【0048】
実施例13
フラスコ中に、メラミン10部、パラホルムアルデヒド60部、p−トルエンスルホンアミド40部を仕込み、50〜100℃にて溶融させた。実施例2で得られた化合物(6)を10部加え、さらに120〜150℃で30分、加熱攪拌を行い、メラミン樹脂着色物を得た。この蛍光着色剤は108℃の恒温層で2時間保存しても蛍光の低下、着色の変化が認められなかった。
実施例14
実施例13において化合物(6)を化合物(10)に代えて実施例13と同様の操作を繰り返したところ、同様の結果を得た。
【0049】
実施例15
フラスコ中に、メチルメタクリレート80部、ジビニルベンゼン20部、アゾビスイソブチロニトリル0.8部を仕込み、50〜100℃にて溶融させる。これに化合物(23)を10部加え、さらにポリビニルアルコール3部、水200部を加え攪拌を行い、黄色に着色された単量体の蛍光着色物の懸濁液を得た。この懸濁液を加熱して重合反応を行い、重合硬化させた。懸濁液から蛍光着色剤を分離し、乾燥後、ボールミルで1時間粉砕して鮮明な黄色を有する蛍光着色剤の粉末を得た。この蛍光着色剤は108℃の恒温層で2時間保存しても蛍光の低下、着色の変化が認められなかった。
【0050】
実施例16
実施例12で製造した蛍光着色剤5部、アルキド樹脂分散物[アルキド樹脂固形分60%)55部、メラミン樹脂(固形分50%)35部、キシレン2部、メチルグリコール(2−メトキシエタノール)2部]、8mmΦのセラミックボール230部を400mlのガラスジャーに入れ、120rpmの回転速度において30分間分散させた。得られた分散物を金属板に塗布し、180℃で3分間焼き付けて塗装板を得た。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0051】
実施例17
化合物(2)を9部、水性グラビア用ワニス(スチレンアクリル酸タイプ)49部、3mmΦガラスビーズ150部を225mlのマヨネーズビンに入れ、ペイントコンデショナーで90分分散後、追加用ワニス35部を加え、さらに10分間ペイントコンデイショナーで分散し、ガラスビーズを濾別し、蛍光水性グラビアインキを得た。このインキをマニラボード紙に#3バーコーターで展色し、これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0052】
実施例18
化合物(23)を0.5部、ロジンフェノール樹脂系オフセット用ワニス2部を、フーバー式マーラーで100回転、150lbs、4回転練り肉してインキを調整し、これを小型輪転印刷機(RIテスター)を用いてアート紙に展色した。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0053】
実施例19
化合物(33)を0.3部、石油系溶剤(シェル化学製、シェルゾールAB)30.7部、ジメチルスルホキシド15部、N−メチル−2−ピロリドン54部を20分間、攪拌混合し、0.45μのメンブランフイルターで濾別して記録液を作り、ピエゾ方式のプリンターを用いて、普通紙に記録した。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【発明の効果】
本発明の蛍光性化合物または蛍光着色剤は、プラスチック成形物、塗料組成物、インキ組成物等に配合することよって、華麗な蛍光色を与え、しかも、従来知られている蛍光着色剤に比較して耐熱製、耐光性に優れるという特徴がある。
【発明の属する技術分野】
本発明は、9,10−ジ置換アミノアントラセン蛍光着色剤に関し、各種プラスチック成形物、塗料、インキ等に使用される蛍光着色剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光染料は一般に反応性に富み、光に対する堅牢性に劣る。その対策として、蛍光染料を合成樹脂に溶解した着色剤粉末として、これを形成物に練り込む方法や塗料化して塗装する方法がある。これらの着色剤は、蛍光染料を形成物に練り込んだ場合に較べると、耐候性が向上し、野外使用に耐える様になってきたが、未だ満足すべきものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性、耐溶剤性および耐光性に優れた蛍光着色剤および該蛍光着色剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式[1]で示される化合物からなる蛍光着色剤に関する。
一般式[1]
【0005】
【化4】
【0006】
[式中、A1 〜A4 は、置換もしくは未置換の炭素数6〜16の芳香族環基を表し、R1 〜R8 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。]
【0007】
更に本発明は、一般式[1]で示される化合物が下記一般式[2]で示される化合物である蛍光着色剤に関する。
一般式[2]
【0008】
【化5】
【0009】
[式中、R1 〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。]
【0010】
更に本発明は、一般式[2]で示される化合物が下記一般式[3]で示される化合物である蛍光着色剤に関する。
一般式[3]
【0011】
【化6】
【0012】
[式中、X1 〜X4 は、それぞれ独立に、O、S、C=O、SO2 、(CH2 )x−O−(CH2 )y (ただし、xおよびyは、それぞれ0〜20の整数を表すが、x+y=0となることはない。)、置換もしくは未置換のアルキレン基、2価の脂肪族環残基を表す。)]
【0013】
更に本発明は、上記蛍光着色剤を架橋した微粒子状の樹脂中に含有させてなる蛍光着色剤に関する。
更に本発明は、上記蛍光着色剤を蛍光着色剤をプラスチック中に分散させてなるプラスチック成形物に関する。
更に本発明は、上記蛍光着色剤と塗料用バインダーとからなる塗料組成物に関する。
更に本発明は、上記蛍光着色剤とインキバインダーとからなるインキ組成物に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における一般式[1]で示される化合物のA1 〜A4 の具体例は、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基等のアリール基であり、それぞれのアリール基は置換基を有していても良い。
【0015】
本発明における一般式[2]の化合物の置換基R1 〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
【0016】
A1 〜A4 の有する置換基、およびR1 〜R28の具体例は、ハロゲン原子としては弗素、塩素、臭素、ヨウ素があり、、置換もしくは未置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基等の炭素数1〜20の未置換アルキル基の他、2−フェニルイソプロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、α−フェノキシベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−メチルフェニルベンジル基、α,α−ジトリフルオロメチルベンジル基、トリフェニルメチル基、α−ベンジルオキシベンジル基等の炭素数1〜20の置換アルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基等の炭素数1〜20の未置換アルコキシ基の他、1,1,1−テトラフルオロエトキシ基、ベンジルオキシ基等炭素数1〜20の置換アルコキシ基があり、置換もしくは未置換のアリール基としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、ビフェニル基、4−メチルビフェニル基、4−エチルビフェニル基、4−シクロヘキシルビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、ナフチル基、5−メチルナフチル基、アントリル基、ピレニル基等があり、置換もしくは未置換のアミノ基としては、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキル置換アミノ基の他、フェニルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基等がある。また、隣接する置換基同士で、それぞれ互いに結合して、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基等を形成しても良い。
一般式[3]中のX1 〜X4 は、それぞれ独立に、O、S、C=O、SO2 、(CH2 )x−O−(CH2 )y (ただし、xおよびyは、それぞれ0〜20の整数を表すが、x+y=0となることはない。)、ジメチルメチレン基、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基等の置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキレン基、シクロペンチル環残基、シクロヘキシル環残基等の2価の脂肪族環残基を表す。なおXの置換位置はアミノ基を構成する窒素への結合に対してパラ位が好ましい。
【0017】
本発明の化合物は、9,10−ジハロゲノアントラセン、置換基を有しても良いアミン誘導体、炭酸カリウムおよび触媒を溶媒中で反応させて合成することができる。アントラセン誘導体に代えてアントラキノン誘導体からも合成することができる。炭酸カリウムに代えて、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたはアンモニア水等を使用することができる。触媒としては、銅紛、塩化第一銅、スズ、塩化第一スズ、ピリジン、三塩化アルミニウムまたは四塩化チタンがある。溶媒は、ベンゼン、トルエンまたはキシレンがある。以上の合成法は、限定されるものではない。
以下に、本発明の化合物の具体例を、表1に例示する。
【0018】
【表1】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
本発明の蛍光性化合物は、固体状態において強い蛍光を有し、かつ、高い融点を示す。このため、本発明の化合物をそのまま蛍光着色剤として使用することができるが、本発明の蛍光性化合物を架橋性の樹脂中に分散した後、硬化させて、これを微粒子に粉砕したものを蛍光着色剤として使用することもできる。また、本発明の化合物を水性樹脂とともに乳化剤や安定剤を使用し水系でエマルジョン化した後に、硬化して球状微粒子としたものを蛍光着色剤として使用することができる。
上記架橋性の樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アクリルウレタン樹脂およびそれらの共重合体、共縮合樹脂等を挙げることができる。
上記樹脂とともに紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー、ヒンダードアミン系光安定剤、その他の安定剤、添加剤を配合することができる。
【0030】
微粒子の平均粒子径は0.1〜100μm、好ましくは1〜20μmである。微粒子の樹脂に配合する化合物の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%である。0.01重量%より低濃度であると蛍光強度が弱くなって好ましくない。
【0031】
微粒子状の樹脂からなる蛍光着色剤のより具体的な製造法としては、例えば、ベンゾグアナミンやメラミン等のアミノ化合物とホルマリンとの混合物をPHが5〜10の範囲となるように調整した後、50〜100℃の温度で反応させ、得られたアミノ樹脂の初期反応物に、本発明の蛍光性化合物をアミノ樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部添加し、これをポリビニルアルコール等の保護コロイド剤をアミノ樹脂100重量部に対して1〜30重量部の範囲で含む水溶液に攪拌下、投入してアミノ樹脂の懸濁液を得、ついでこれに鉱酸や有機酸等の硬化触媒をアミノ樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲で加えて40〜100℃で重縮合硬化を行い、得られた硬化樹脂を濾別し、加熱乾燥してから破砕する。
【0032】
本発明の蛍光性化合物または微粒子の架橋樹脂からなる蛍光着色剤は、成形プラスチックに配合することができる。この際、ベース樹脂および金属セッケン、ワックス等の分散剤からなる組成物に、本発明の蛍光性化合物または蛍光着色剤を高濃度に配合して、例えば、ペレット状に押し出し成形してマスターバッチとすることができる。
成形プラスチック用樹の樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、PVC樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂等がある。これらの熱可塑性樹脂は、インフレーション成形、カレンダー成形、その他の方法によりプラスチック成形物とする。
本発明の蛍光着色剤は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の熱硬化性プラスチックに配合することができる。
【0033】
本発明の蛍光性化合物または蛍光着色剤は、ロジン酸石鹸、ステアリン酸石鹸、オレイン酸石鹸、Na−ジ−β−ナフチルメタンジサルファート、Na−ラウリルサルフェート、Na−ジエチルヘキシルスルフォクシネート、Na−ジオクチルスルフォクシネート等の界面活性剤で分散して塗料またはインキ用等の着色剤組成物とすることができる。
【0034】
本発明の蛍光性化合物は有機溶剤に可溶であり、これをそのまま、あるいは、樹脂の微粒子からなる溶剤不溶性の蛍光着色剤として、塗料またはインキ等に配合することができる。
インキとして、オフセット印刷インキ、グラビア印刷インキ、シルクスクリーン等の印刷インキ、インクジェット用インキ、筆記用インキ等がある。
塗料用樹脂およびインキ用樹脂としては、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアクリレート等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルホルマール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、セロハン、エチルセルロース、ニトロセルロースなどの軟質、硬質樹脂等を挙げることができる。
蛍光性化合物または蛍光着色剤の配合割合は、塗料組成物またはインキ組成物に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
【0035】
蛍光性組成物または蛍光着色剤を紫外線吸収剤とともに使用することにより耐光安定性を向上させることができる。
紫外線吸収剤は、o−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、5−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系、フェニルサルチレート、4−t−ブチルフェニルサルチレート等のサルチル酸系、2−エチル−5’−t−ブチル−2’−エトキシ−N,N’−ジフェニロキサルアミド等のシュウ酸アニリド系、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の超微粒子無機系などを使用することができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。例中、部は重量部を表す。
実施例1(化合物(1)の合成)
ベンゼン200部中に、アントラキノン10部、ジフェニルアミン35部、およびピリジン15部を入れ、10℃にて四塩化チタン40部を滴下し、20時間室温で撹拌した。その後、500部の水で希釈し、希水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この後、酢酸エチルで抽出を行い、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して黄色の蛍光を有する針状結晶8部を得た。分子量分析の結果、化合物(1)であることを確認した。以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C38H28N2 として
計算値(%):C:89.06 H:5.47 N:5.47
実測値(%):C:89.11 H:5.55 N:5.34
【0037】
実施例2(化合物(3)の合成)
9,10−ジブロモアントラセン5部、4,4−ジ−メチルジフェニルアミン28部、および炭酸カリウム20部、銅粉末0.5部、塩化第一銅0.5部を入れ、ニトロベンゼン50部中で210℃にて30時間加熱撹拌した。その後、500部の水で希釈し、クロロホルムで抽出をおこなった。このクロロホルム層を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、n−ヘキサンで再沈澱をして黄色の蛍光を有する粉末28部を得た。分子量分析の結果、化合物(3)であることを確認した。
以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C42H36N2 として
計算値(%):C:88.73 H:6.37 N:4.90
実測値(%):C:88.61 H:9.42 N:4.97
【0038】
実施例3(化合物(6)の合成)
9,10−ジブロモアントラセン25部、4,4−ジ−n−オクチルジフェニルアミン100部、および炭酸カリウム40部、銅粉末2部、塩化第一銅2部を入れ、ニトロベンゼン80部中で210℃にて30時間加熱撹拌した。その後、500部の水で希釈し、クロロホルムで抽出をおこなった。このクロロホルム層を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、n−ヘキサンで再沈澱をして黄色の蛍光を有する粉末28部を得た。分子量分析の結果、化合物(6)であることを確認した。
以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C70H92N2 として
計算値(%):C:87.50 H:9.58 N:2.92
実測値(%):C:87.52 H:9.53 N:2.95
【0039】
実施例4(化合物(10)の合成)
9,10−ジブロモアントラセン12部、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン18.5部、および炭酸カリウム16部、銅粉末0.2部を入れ、ニトロベンゼン10部中で210℃にて30時間加熱撹拌した。その後、100部の水で希釈し、クロロホルムで抽出をおこなった。このクロロホルム層を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、n−ヘキサンで再沈澱をして黄色の蛍光を有する粉末5部を得た。分子量分析の結果、化合物(10)であることを確認した。
以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C42N36N2 O2 として
計算値(%):C:84.00 H:6.00 N:4.67
実測値(%):C:84.28 H:6.07 N:4.45
【0040】
実施例5(化合物(23)の合成)
9,10−ジヨードアントラセン15部、4,4−ジイソプロピル(2−フェニル)ジフェニルアミン27部、および炭酸カリウム12部、銅粉末0.8部を入れ、200℃にて30時間加熱撹拌した。その後、500部の水で希釈し、クロロホルムを用いて、抽出をおこなった。このクロロホルム層を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、n−ヘキサンで再沈澱をして黄色の蛍光を有する粉末18部を得た。分子量分析の結果、化合物(23)であることを確認した。
以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C74H68N2 として
計算値(%):C:90.24 H:6.91 N:2.85
実測値(%):C:90.59 H:6.81 N:2.60
【0041】
実施例6(化合物(33)の合成)
9,10−ジヨードアントラセン12部、1−ナフチル−フェニルアミン25部、および炭酸カリウム20部、銅粉末0.6部を入れ、200℃にて30時間加熱撹拌した。その後、600部の水で希釈し、クロロホルムを用いて、抽出をおこなった。このクロロホルム層を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、n−ヘキサンで再結晶をして黄色の蛍光を有する針条結晶27部を得た。分子量分析の結果、化合物(33)であることを確認した。以下に生成物の元素分析結果を示す。
元素分析結果
C46H32N2 として
計算値(%):C:90.20 H:5.23 N:4.57
実測値(%):C:90.39 H:5.31 N:4.30
【0042】
実施例7
実施例1で得られた化合物(1)の粉末30部、ポリエチレン(住友化学工業社製商品名「スミカセンG−808」30部、およびポリエチレンワックス(三洋化学工業社製商品名「サンワックス131P」40部をニーダーで混練後、押出機でペレット化しマスターバーチを得た。
このマスターバッチ4部を高密度ポリエチレン(三井石油化学工業社製商品名「ハイゼックス2208」100部と混合し、押出成形によって樹脂成形物を得た。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0043】
実施例8
実施例7において化合物(1)を化合物(3)に変えて実施例7と同様の操作を繰り返したところ、同じ結果を得た。
【0044】
実施例9
実施例7において化合物(1)に代えて化合物(23)を使用して同様にしてマスターバーチを得た。このマスターバッチ4部をABS樹脂(住友ノーガタック社製商品名「クララスチックMH」100部と混合し、押出成形によって樹脂成形物を得た。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
実施例10
実施例9において化合物(23)を化合物(33)を代えて実施例9と同様の操作を繰り返したところ、同じ結果を得た。
【0045】
実施例11
フラスコ中に、メラミン10部、パラホルムアルデヒド60部、p−トルエンスルホンアミド40部を仕込み、50〜100℃にて溶融させる。実施例3で得られた化合物(6)を10部加え、さらに120〜150℃で30分、加熱攪拌を行い、メラミン樹脂蛍光着色物を得た。この蛍光着色物を乳鉢で軽く粉砕し、さらにボールミルで1時間粉砕することにより、鮮明な黄色を有する蛍光着色剤の粉末を得た。この蛍光着色剤は108℃の恒温層で2時間保存しても蛍光の低下、着色の変化が認められなかった。
【0046】
次に、ポリ塩化ビニル100部にジオクチルフタレート40部、および安定剤5部を加え、常法により処理した塩ビパウダー50部に、実施例7で得た蛍光着色剤をそれぞれ1部加え均一に混合した後、2本ロールにて160℃で10分間練り黄色の着色塩化ビニルシートを得た。この着色塩化ビニルシートを鏡面板にのせて、厚み0.1mm、縦100mm、横100mmのスペーサーを用い160℃の温度でプレス成形し、黄色の着色フイルム状成形体を得た。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、100時間の経過後も蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0047】
実施例12
実施例11において化合物(1)を化合物(23)に代えて実施例11と同様の操作を繰り返したところ、同様の結果を得た。
【0048】
実施例13
フラスコ中に、メラミン10部、パラホルムアルデヒド60部、p−トルエンスルホンアミド40部を仕込み、50〜100℃にて溶融させた。実施例2で得られた化合物(6)を10部加え、さらに120〜150℃で30分、加熱攪拌を行い、メラミン樹脂着色物を得た。この蛍光着色剤は108℃の恒温層で2時間保存しても蛍光の低下、着色の変化が認められなかった。
実施例14
実施例13において化合物(6)を化合物(10)に代えて実施例13と同様の操作を繰り返したところ、同様の結果を得た。
【0049】
実施例15
フラスコ中に、メチルメタクリレート80部、ジビニルベンゼン20部、アゾビスイソブチロニトリル0.8部を仕込み、50〜100℃にて溶融させる。これに化合物(23)を10部加え、さらにポリビニルアルコール3部、水200部を加え攪拌を行い、黄色に着色された単量体の蛍光着色物の懸濁液を得た。この懸濁液を加熱して重合反応を行い、重合硬化させた。懸濁液から蛍光着色剤を分離し、乾燥後、ボールミルで1時間粉砕して鮮明な黄色を有する蛍光着色剤の粉末を得た。この蛍光着色剤は108℃の恒温層で2時間保存しても蛍光の低下、着色の変化が認められなかった。
【0050】
実施例16
実施例12で製造した蛍光着色剤5部、アルキド樹脂分散物[アルキド樹脂固形分60%)55部、メラミン樹脂(固形分50%)35部、キシレン2部、メチルグリコール(2−メトキシエタノール)2部]、8mmΦのセラミックボール230部を400mlのガラスジャーに入れ、120rpmの回転速度において30分間分散させた。得られた分散物を金属板に塗布し、180℃で3分間焼き付けて塗装板を得た。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0051】
実施例17
化合物(2)を9部、水性グラビア用ワニス(スチレンアクリル酸タイプ)49部、3mmΦガラスビーズ150部を225mlのマヨネーズビンに入れ、ペイントコンデショナーで90分分散後、追加用ワニス35部を加え、さらに10分間ペイントコンデイショナーで分散し、ガラスビーズを濾別し、蛍光水性グラビアインキを得た。このインキをマニラボード紙に#3バーコーターで展色し、これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0052】
実施例18
化合物(23)を0.5部、ロジンフェノール樹脂系オフセット用ワニス2部を、フーバー式マーラーで100回転、150lbs、4回転練り肉してインキを調整し、これを小型輪転印刷機(RIテスター)を用いてアート紙に展色した。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【0053】
実施例19
化合物(33)を0.3部、石油系溶剤(シェル化学製、シェルゾールAB)30.7部、ジメチルスルホキシド15部、N−メチル−2−ピロリドン54部を20分間、攪拌混合し、0.45μのメンブランフイルターで濾別して記録液を作り、ピエゾ方式のプリンターを用いて、普通紙に記録した。これをサンシャインウエザーメーターにて、水噴射をせずに100時間露光後の退色の変化を目視にて観察した結果、蛍光の低下、着色の変化は認められなかった。
【発明の効果】
本発明の蛍光性化合物または蛍光着色剤は、プラスチック成形物、塗料組成物、インキ組成物等に配合することよって、華麗な蛍光色を与え、しかも、従来知られている蛍光着色剤に比較して耐熱製、耐光性に優れるという特徴がある。
Claims (7)
- 請求項1ないし3記載の蛍光着色剤を架橋した微粒子状の樹脂中に含有させてなる蛍光着色剤。
- 請求項1ないし4記載の蛍光着色剤をプラスチック中に分散させてなるプラスチック成形物。
- 請求項1ないし4記載の蛍光着色剤と塗料用バインダーとからなる塗料組成物。
- 請求項1ないし4記載の蛍光着色剤とインキバインダーとからなるインキ組成物。
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