JP2002037921A - ポリ乳酸製成型品の分解方法 - Google Patents

ポリ乳酸製成型品の分解方法

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Toshihide Yamane
俊秀 山根
Hideaki Hayashi
英明 林
Yoshihiko Tanide
喜彦 谷出
Hiroshi Nishimura
弘 西村
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Unitika Ltd
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用済のプラスチック製品の処理問題を解決
し、耐久性を向上させたポリ乳酸製成型品においても、
使用後には速やかに分解させることができるポリ乳酸製
成型品の分解方法を提供する。 【解決手段】 ポリ乳酸を主成分とする成型品に対して
0.1〜100質量倍のアルカリ性物質および/または
その溶液をこの成型品に散布するか、または、pHが9
以上のアルカリ性物質溶液にこの成型品を浸漬して、こ
の成型品をアルカリ性物質により分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリ乳酸製のフィル
ム、不織布、紐、バンド、シート、網、発泡体等のポリ
乳酸製成型品の分解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック製品は、日常生活の
みならず、あらゆる産業資材に用いられており、その用
途は拡大するばかりである。また、これに伴い、使用済
みプラスチック製品がゴミ処理場だけでなく自然環境に
溢れるようになり、深刻な環境問題を引き起こしてい
る。このため、使用済みプラスチック製品の処理対策の
要望は高まる一方である。
【0003】現代農業では、消費者のニーズに応えるた
めに、高品質な農作物を低コストで栽培することが以前
にも増して重要になっている。このため、安価でかつ高
機能を有するプラスチック製の農業資材が種々大量に使
用されており、必要不可欠なものとなっている。これら
のプラスチック製農業資材は、農作物の収穫後の回収が
煩雑であり、また回収したとしても土、農薬、肥料等と
いった多くのものが付着しており、リサイクルに供し得
るものではない。さらに、これらのプラスチック製農業
資材の多くは、ポリ塩化ビニル製、ポリエチレン製、ポ
リプロピレン製、ポリスチレン製、ポリエステル製等の
ものが多く、農地に放置した場合は永久的に残存し、土
壌に悪影響を与えるだけでなく、農作業の妨げにもな
る。このため、これらのプラスチック製農業資材の多く
は、使用後は農地で野焼きされており、ダイオキシン等
を排出し環境問題を引き起こしているのが現状である。
【0004】このような廃棄処理問題に対応するため、
農業資材に生分解性樹脂であるポリ乳酸を用いることが
試みられている。生分解性樹脂を農業資材に用いる場
合、作物栽培時には通常の使用に耐えられることが要求
されるため、これには一定の耐久性、耐候性が付与され
ている。このため、使用済みのポリ乳酸成型品が自然環
境中で分解するには長時間を要し、農地に放置した場合
には、次の作物の植え付け時に至っても分解されていな
いので、作業前にこれらを取り除き分解するまで放置し
ておく必要があり、廃棄物処理問題の根本的な解決にな
っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
に現在問題となっている使用後のプラスチック製品の廃
棄物処理問題を解決し、耐久性を向上させたポリ乳酸製
成型品においても、使用後には速やかに分解させること
ができるポリ乳酸製成型品の分解方法を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、使用後のポリ乳酸製農業資材を、土壌中及
び土壌表面に放置しこれにアルカリ性物質を散布する
か、または、使用後のポリ乳酸製農業資材を、アルカリ
性物質溶液に浸漬することにより、上記課題が解決でき
ることを見出し本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、ポリ乳酸を主成分と
する成型品に対して0.1〜100質量倍のアルカリ性
物質および/またはその溶液をこの成型品に散布する
か、または、pHが9以上のアルカリ性物質溶液にこの
成型品を浸漬して、この成型品をアルカリ性物質により
分解することを特徴とするポリ乳酸製成型品の分解方法
を要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。ポリ乳酸は、通常の使用環境下では合成樹脂と同
等の特性を有し、使用状態も変わらないが、廃棄環境下
において分解性を示す。ポリ乳酸の分解機構は、一般に
2段階で行われると言われている。すなわち、初期段階
としての加水分解による単純な分子切断による分子量低
下と、後期段階としての微生物存在下での酵素分解によ
る炭酸ガスと水への分解である。しかし、初期段階の加
水分解による低分子量化を十分行っていないと後期段階
の酵素分解はほとんど進行しないと言われている。した
がって、ポリ乳酸を分解させるために最も重要なこと
は、初期段階の低分子量化を進行させる加水分解をいか
に効率よく行うかである。本発明では、ポリエステルの
一種であるポリ乳酸製の成型品に0.1〜100質量倍
のアルカリ性物質および/またはその溶液を直接散布す
るか、またはpHが9以上のアルカリ性物質溶液にポリ
乳酸製の成型品を浸漬することにより、その加水分解性
をより加速させることが可能となる。
【0009】本発明に用いられるアルカリ性物質は、そ
の飽和水溶液のpHが9以上を示す物質が好ましく、1
0以上を示す物質がさらに好ましい。pHが9未満のも
のは、加水分解速度の促進効果が低く好ましくない。
【0010】アルカリ性物質の具体例としては、アルカ
リ金属の酸化物、水酸化物、フッ化物、過酸化物、炭酸
塩、重炭酸塩、硝酸塩およびアルカリ土類金属の酸化
物、水酸化物であり、これらは固体状あるいは水溶液、
アルコール溶液等の溶液状で用いられる。この中でも、
KOH、K2O、K22、K2CO3、Na22、Na2
3、NaOH、NaHCO3、CaO、Ca(O
H)2、CaCO3、MgO、Mg(OH)2が好まし
く、CaO、Ca(OH)2が特に好ましい。その理由
は、CaO、Ca(OH)2は土壌改質剤として散布さ
れる消石灰の主成分で安価で入手することができるため
である。また、これらは水に触れることで表面が強アル
カリ性となるが、水への溶解度が低く長期間土壌に残留
するため、雨等によりポリ乳酸製成型品に付着したアル
カリ性溶液が流されても、すぐに補給することができる
ためである。このため、ポリ乳酸製成型品を強アルカリ
性物質に長期間接触させることができ、ポリ乳酸製成型
品の加水分解速度を長期間維持することができるため効
率的である。
【0011】また本発明によれば、散布した後のアルカ
リ性物質が、ポリ乳酸製成型品の表面上でpH9以上を
示すことが好ましく、pH10以上を示すことがさらに
好ましい。成型品の表面上でpH9未満であると、加水
分解速度の促進効果が低くなる傾向にある。
【0012】これらのアルカリ性物質は、一種あるいは
二種以上のものを混合してもよい。また、pHを高く保
ちやすい物質と混合してもよい。pHを高く保ちやすい
物質としては、SiO2等の無機物質および水溶性有機
物質等が挙げられる。
【0013】また、多くの植物はアルカリ性の土壌を好
み、酸性の土壌では植物の生育に障害をもたらすと言わ
れている。一方、現在の農地を含む自然環境の土壌は酸
性雨の影響により酸性化する方向に向かっており、地球
の生態系が崩れる恐れがある。このような自然環境にア
ルカリ性物質を散布することは、使用済みのポリ乳酸製
成型品を速やかに分解させるだけでなく、健全な土壌を
保つ上でも非常に有益である。
【0014】また、本発明に用いられるアルカリ性物質
の構成成分であるアルカリ金属およびアルカリ土類金属
は、植物の生育には不可欠の物質であり、多くの場合こ
れらの化合物が肥料として土壌に散布されているもので
あり、適度な散布は植物にとって最も好ましいものであ
る。
【0015】アルカリ性物質の散布方法はいかなる方法
でも構わないが、通常は粉体状のものを直接ポリ乳酸製
成型品に散布する方法や、溶液状のものを噴霧器等で散
布する方法が採られる。本発明の分解方法を農業資材と
してのポリ乳酸製成型品に適用する場合は、農閑期に使
用済みのポリ乳酸成型品を農業用地内で分解するため
に、この期間は農業用地が強アルカリ性を保持すること
が必要であるが、農繁期はポリ乳酸成型品を資材として
使用するため、この期間は中性もしくは弱アルカリ性で
なければ、使用中にポリ乳酸成型品の分解が進行し耐久
性が減少する。したがってその散布量は、土壌の酸性度
および被分解物であるポリ乳酸製成型品の被分解能にも
よるが、ポリ乳酸成型品に対して、0.1〜100倍の
質量のアルカリ性物質を散布することが必要であり、
0.3〜30質量倍であることが好ましい。散布量が
0.1質量倍未満ではアルカリ性物質が雨などに流され
やすく、ポリ乳酸製成型品の分解がほとんど進行しな
い。反対に100質量倍を超えるとアルカリ性物質が1
0ヵ月以上残存することになり、次にポリ乳酸成型品を
使用する時の耐久性が減少する。また、これらアルカリ
性物質の散布は、1回でも複数回でもよいが、複数回散
布する方がより効果的である。
【0016】本発明において、アルカリ性物質溶液に成
型品を浸漬する方法は、いかなる方法でもよい。しか
し、浸漬する際の溶液のpHは9以上である必要があ
り、好ましくは、10以上である。溶液のpHが9以下
では、ポリ乳酸製成型品の分解がほとんど進行しない。
【0017】本発明において、ポリ乳酸とは、乳酸を主
要成分とする重合体からなるものをいい、ポリL−乳酸
やポリD−乳酸等のホモポリマー、ポリL/D−乳酸共
重合体、及びこれらに他のポリマーを共重合させたポリ
乳酸共重合体、そして上記ポリマー間、および他の成分
ポリマーとのブレンド体を含み、重合体中の乳酸成分の
質量比率が20%以上であるものをいう。
【0018】また、本発明における成型品は、フィル
ム、不織布、シート、紐、バンド、フィラメント、発泡
体等に成型加工を施されたもの、およびこれらから成る
複合体をいう。これらの成型品は、農業資材、工業資
材、食品資材、建築資材、土木資材等いかなる用途に使
用されるものでも構わないが、本発明は農業用途に用い
られる農業資材に好適に実施することができる。農業資
材としては、マルチフィルム、べた掛け、紐、ネット、
育苗シート、育苗ネット、各種留め具等があるが、いか
なる形態のものでも構わない。
【0019】また、上記成型品をアルカリ性物質で分解
するに際して、予め一般に用いられる粉砕機により30
mm2以下の断片に粉砕しておくことが、アルカリ性物
質との接触面積が大きくなり効率的に分解が促進される
ため、好ましい。
【0020】マルチフィルム、トンネルマルチおよびべ
た掛けは、多種の作物の栽培に使用されており、多くの
場合風で捲れないように四辺が土中に鋤き込まれてい
る。通常作物の収穫後には手作業で回収されるが、本発
明ではマルチフィルムを回収する必要が無く、これにア
ルカリ性物質を散布することで速やかに分解させること
ができる。また、ネットや紐および留め具は多くの場
合、蔓植物の栽培に誘引および結束の目的として使用さ
れるが、収穫後は紐に蔓が巻付いており手作業での回収
に困難を強いるものである。本発明ではこれらを選別回
収する必要が無く、蔓が巻き付いた状態のまま、アルカ
リ性物質を散布するか、またはアルカリ性物質溶液に浸
漬することで、速やかに分解することができる。さら
に、シートおよび容器としては、発泡体、成型品、不織
布状のものが、育苗ポットおよび育苗シートとして使用
されているが、これらは従来は収穫後に手作業で土中か
ら回収されている。本発明では、これらを回収せずにア
ルカリ性物質を散布するか、または回収してアルカリ性
物質溶液に浸漬することで、速やかに分解させることが
できる。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (成型品の製造) 成型品1 D−乳酸を1.2モル%含有し、数平均分子量が140
000である結晶性ポリ乳酸(カーギル ダウ ポリマ
ーズ社製、ECOPLA;融点170℃、相対粘度2.
295)を、コートハンガータイプのTダイを具備した
50mmφ押出機を使用して、滞留時間5分、Tダイ温
度230℃で溶融押出し、25℃に制御されたキャスト
ロールに密着急冷して、厚さ80μmの未延伸シートを
得た。得られた未延伸シートを、150mm幅にスリッ
トした後、温度200℃の予熱炉内でロール延伸方式に
よりMD方向に7.0倍延伸し、さらに撚り加工を施し
て、13500dtexのポリ乳酸製の紐を得た。 成型品2 D−乳酸を5.6モル%含有し、数平均分子量が100
000である結晶性ポリ乳酸(カーギル ダウ ポリマ
ーズ社製;融点150℃、相対粘度2.315)と、ビ
オノーレ(昭和高分子社製 ♯3001)と、アセチル
クエン酸トリブチル(三建化工社製)と、シリカとを、
69.1:12.2:16.3:2.4の質量比で混合
した組成物を用いた。そして、この組成物を、コートハ
ンガータイプのTダイを具備した50mmφ押出機を使
用して、滞留時間5分、Tダイ温度230℃で溶融押出
し、25℃に制御されたキャストロールに密着させて急
冷し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。得られた
未延伸シートを、予熱ロール温度60℃、延伸ロール温
度70℃でMD方向に3.0倍延伸し、次いで延伸温度
80℃でTD方向に3.5倍延伸した後、横方向の弛緩
率を5%として150℃で熱処理を施した。そして、こ
れを切り出し、幅300mm、長さ350mm、厚さ1
5μmのフィルムを得た。 成型品3 成型品2の製造に使用した組成物を用いて、65mmφ
のダイスとスリット式一段の冷却環を備えた40mmφ
の押出し機とによって、押出温度210℃でインフレー
ション加工を施した。そしてその後に切り出し、幅30
0mm、長さ350mm、厚さ30μmのポリ乳酸製の
フィルムを得た。 成型品4 D−乳酸含有量が1モル%で数平均分子量が10000
0のポリ乳酸(カーギル ダウ ポリマーズ社製)を、
シリンダー直径40mm、L/D=36の単軸押出機に
て190℃で溶融混合した後、Tダイより200℃で押
出し、厚さ2mm、幅380mmのシートを得た。そし
て、冷却を施した後、得られたシートを幅350mm、
長さ400mmの寸法に切出し、これを凸状の金型を有
する真空成型機にて140℃で成型加工し、幅300m
m、長さ350mm、深さ30mmのポリ乳酸製の容器
を得た。 成型品5 D−乳酸含有量が8モル%で数平均分子量が10000
0のポリ乳酸(カーギル ダウ ポリマーズ社製、EC
OPLA)と、架橋剤としてジ−t−ブチルパーオキサ
イド2質量%と、架橋促進剤としてジメチルアニリン5質
量%とを含む組成物を、シリンダー直径40mm、L/
D=36の単軸押出機にて190℃で溶融混合した。そし
て、バレル途中から発泡剤としてブタンを10質量%圧
入した後、190℃でTダイより押し出し、厚さ2m
m、幅380mmの発泡シートを得た。これを冷却した
後、得られた発泡シートを幅350mm、長さ400m
mの寸法に切出し、これを凸状の金型を有する真空成型
機にて90℃で成型加工し、幅300mm、長さ350
mm、深さ30mmのポリ乳酸製の発泡緩衝容器を得
た。 (成型品の分解性の評価)試験開始後から3カ月後のポ
リ乳酸製成型品において、原型を留めない程分解してい
るものを◎、3カ月後には手で容易に砕ける程分解して
いるものを○、5カ月後には手で容易に砕ける程分解し
ているものを△、5カ月以上経過しても全く分解してい
ないものを×と評価した。 (実施例・比較例) 実施例1〜5 土壌表面1m2に10g相当量の成型品1〜5を置き、
50gのCaO(飽和水溶液のpHは12)を散布し
た。そのときの試験結果を表1に示す。 実施例6〜10 土壌表面1m2に10g相当量の成型品1〜5を置き、
20gのCaOを散布した後、14日後にさらに同量のC
aOを散布した。そのときの結果を表1に示す。 実施例11〜15 土壌表面1m2に50gのCaOを散布した後、その表
面から深さ20cmまでの土をかき混ぜ、その土壌の中
に10g相当量の成型品1〜5を埋設した。そのときの
結果を表1に示す。 実施例16〜20 土壌表面1m2に10g相当量の成型品1〜5を置き、
20gのCa(OH)2(飽和水溶液のpHは12)を
散布した。そのときの結果を表1に示す。 実施例21〜25 土壌表面1m2に10g相当量の成型品1〜5を置き、
10gのCaCO3(飽和水溶液のpHは9)を散布
し、14日後と28日後にさらに同量のCaCO3をそ
れぞれ散布した。そのときの結果を表1に示す。 実施例26〜30 成型品1〜5をCa(OH)2の0.2質量%水溶液
(pH12)に浸漬した。そのときの結果を表1に示
す。 比較例1〜5 実施例1〜5と同様に土壌表面1m2に10g相当量の
成型品1〜5を置いたが、CaOを散布することなく放
置した。そのときの結果を表1に示す。 比較例6〜10 実施例11〜15と同様に土壌表面から深さ20cmま
での土をかき混ぜたが、CaOを散布することなく、そ
の土壌の中に10g相当量の成型品1〜5を埋設した。
そのときの結果を表1に示す。
【0022】
【表1】 実施例1〜20では、土壌表面および土壌中での3カ月
後のポリ乳酸製成型品は手で簡単に砕ける程に分解が進
んでおり、十分な分解速度を呈した。また、実施例21
〜25では土壌表面のポリ乳酸製成型品は5カ月後には
手で簡単に砕ける程に分解が進んでおり十分な分解速度
を呈した。さらに、実施例26〜30では浸漬後のポリ
乳酸成型品は数時間後に完全に分解した。
【0023】これに対し比較例1〜10では5カ月経過
後も全く分解しておらず、これでは農作業等の妨げにな
るため、農作業を開始する前に成型品を除去する必要が
あった。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、たとえばポリ乳酸製成
型品が農業資材である場合には、使用後のポリ乳酸製成
型品にアルカリ性物質を散布し土壌表面および土壌中で
放置することで、そのポリ乳酸製成型品は5カ月の期間
で分解するので、成型品を除去する手間が省け、農作業
や土木作業等の妨げにならず、経済的利点が多い。しか
も、酸性雨等により酸性化した土壌をアルカリ性の土壌
に改質することが出来るため、農地を含む自然環境を健
全な状態に維持できるので、非常に環境に優しいポリ乳
酸製成型品の分解方法であると言える。
フロントページの続き (72)発明者 林 英明 神奈川県平塚市東八幡5丁目5番1号 全 国農業協同組合連合会 営農・技術センタ ー内 (72)発明者 谷出 喜彦 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 西村 弘 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4F301 AA25 CA09 CA23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸を主成分とする成型品に対して
    0.1〜100質量倍のアルカリ性物質および/または
    その溶液をこの成型品に散布するか、または、pHが9
    以上のアルカリ性物質溶液にこの成型品を浸漬して、こ
    の成型品をアルカリ性物質により分解することを特徴と
    するポリ乳酸製成型品の分解方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ性物質が、その飽和水溶液のp
    Hが9以上を示す物質であることを特徴とする請求項1
    記載のポリ乳酸製成型品の分解方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ性物質がCaOおよび/または
    Ca(OH)2を主成分とすることを特徴とする請求項
    1または2記載のポリ乳酸製成型品の分解方法。
  4. 【請求項4】 ポリ乳酸を主成分とする成型品が農業資
    材であることを特徴とする請求項1から3までのいずれ
    か1項記載のポリ乳酸製成型品の分解方法。
  5. 【請求項5】 農業資材が、マルチフィルム、トンネル
    マルチ、べた掛け、誘引紐、結束紐、留め具、育苗シー
    ト、育苗ポット、結束バンドのいずれかであることを特
    徴とする請求項4記載のポリ乳酸製成型品の分解方法。
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