JPH09263700A - ヤシ殻繊維粉末混合生分解性プラスチック成形品 - Google Patents
ヤシ殻繊維粉末混合生分解性プラスチック成形品Info
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Abstract
ラスチックと共に工業材料として活用し、製品廃棄時に
は自然環境に還元できるヤシ殻繊維粉末混合生分解性プ
ラスチック成形品を提供する。 【解決手段】 生分解性プラスチック1に、ヤシ殻を真
水に晒して得た中果皮の繊維質の乾燥粉末5を、重量比
で10ないし40%となるように配合した原料4を以て
成形品を構成する。あるいは、生分解性プラスチック1
とヤシ殻乾燥粉末5に非生分解性プラスチックを生分解
速度調制剤として配合した原料4′を以て成形品を構成
する。また成形加工性を高めるための界面活性剤を、ま
た商品効果を上げるための着色剤を、あるいは害虫忌避
のための防虫剤を必要に応じて添加配合して構成する。
Description
から繊維質を取り出し、その粉末を配合した生分解性プ
ラスチックより得られる成形品に係り、使用後は土壌等
の中で自然還元が可能なヤシ殻繊維粉末混合生分解性プ
ラスチック成形品(以下、本発明成形品という)に関す
るものである。
ラスチックは、でんぷん等の多糖類を利用した天然ポリ
マ−系、微生物の働きを利用した微生物ポリエステル
系、汎用プラスチックに分解促進用添加剤を加えたブレ
ンド系、及び脂肪族ポリエステルを含む化学合成系等に
大別され、それぞれの素材に応じてフィルム、シ−ト、
ボトル、ポット、袋、培地などの農業用品を始め、その
他、トレイ、ケ−ス、ストロ−、などの日常用品や飲食
用具、あるいは一部の医療資材、スポ−ツ用品など、使
い捨て用商品や荷重条件を余り必要としない製品の原材
料となっているが、まだその生分解性の効果および用途
は限定されている。
帯地方に広く産する果実で、従来から多様に利用されて
きた。すなわち図2(A)に示すように、ヤシ2の果実
の10ないし20mm厚の胚2cはヤシ油や食用、ある
いは薬用原料などに活用され、2ないし6mm厚の堅い
木質の内果皮2bから生産するヤシ殻活性炭は、優良な
工業材料である。ところがその大部分を占める30ない
し40mm厚の中果皮2aは、それに含まれる繊維(以
下、ココヤシ繊維という)から綱、紐が編まれる程度
で、他に利用されることがない。
図に示すように、内腔膜3aに、のこ歯状突起3bと貫
通する細胞膜の孔を持つ長さ約0.7mm、幅約20μ
mの厚膜繊維構造を成して、軽くて堅く弾力性があり、
熱の不良導体で空気や水に対する耐久性を備えたもので
ある(資料1:永井彰一郎編「無機有機工業材料便覧」
p788.他(S35.3.20)初版、東洋経済新報
社発行)。さらにこれを圧縮すると、水分を加えたと
き、体積が5〜6倍に膨張する性質を有する。この現象
は、圧縮した乾燥繊維が自然状態にあったときの形状を
記憶して、細胞レベルの内腔膜保持状態に復元すること
により生ずるものと推量される。
ラスチックは、土壌中等で分解して自然に還元する点に
おいて、使用後の汎用プラスチックの処理問題に光明を
点じるものであるが、構成成分の種類や比率、あるいは
放置する環境等の相違により生分解の速度が劣り、また
製品の肉厚が増すに伴って生分解機能が発揮できない、
あるいは最終加工品が昆虫の被害によって寿命が短縮さ
れる等の問題点があった。本発明は、従来の生分解性プ
ラスチックの生分解性能を向上させると共に、最終加工
品の生分解速度調整を可能にすると共に、用途が少なく
大部分が無駄に廃棄されるココヤシ繊維を工業生産レベ
ルで活用することを目的とするものである。
解性プラスチック、95ないし60重量%にココヤシの
中果皮に含まれる繊維の乾燥圧縮粉末(以下、ココナツ
パウダ−と呼ぶ)を5ないし40重量%含有させて成形
品に構成するものである。そして、望ましくは上記混合
物に、1〜2重量%の界面活性剤および、または5〜1
0重量%の着色剤を添加して構成する。また、農業用フ
ィルム等の原料としては、上記各混合物に1〜2重量%
の防虫剤を添加すればさらに良い。さらに必要に応じて
上記各混合物に非生分解性プラスチックを10ないし4
0重量%含有させることにより成形品の生分解速度を調
整するものである。
る。図1(A)は本発明成形品の原料構成を示すブロッ
ク図、同図(B)はその原料製造法を示すブロック図で
ある。原料製造法は、ヤシ殻中果皮2aの処理、ココナ
ツパウダ−5にする処理、成形品加工用混合物4、4′
のペレット化処理の3工程から成っている。すなわち、
ココヤシ2の中果皮2a(以下、ヤシ殻という)を、1
2〜16ヶ月間、真水に晒し肉質を溶解後、繊維のみを
採取し、これを天日に3年以上晒して含有する塩分やタ
ンニンを除き、さらに熱風による強制乾燥を約8時間行
って水分含有率を10%にまで低下させた上、これを用
いた綱等加工時に出る残り粕である微細成分、または強
制裁断により得られる微細繊維質分を収集し、これを一
旦圧縮した後、加工により長さ80〜10μmのココナ
ツパウダ−5を得る。次にこのココナツパウダ−5を7
0゜Cで5〜8時間、熱風乾燥し含水率をさらに2〜3
%に下げた上、生分解性プラスチック1に対し全重量比
で5〜40%となるよう配合し、次に実線矢印で示すよ
うに、150〜200゜Cで加熱、溶融後、冷却してペ
レット4とする。
要に応じて1〜10重量%の補助剤を選択して添加混入
する。すなわち配合原料どうしの混合および成形時の離
型を良好にするために界面活性剤を、また製品別に色分
けした本発明成形品を得るため所望の着色剤を、あるい
は最終成形品が土壌中の細菌等の害を避けるために防虫
剤を、また混合成分の均一化を計るための分散剤をそれ
ぞれ配合する。
料を用いて製品の種類、形状、膜厚等に応じてフィル
ム、シ−ト、板状品、型製品、包装材、被覆材として農
漁業用、日常用を始め、建築用、医療衛生用あるいはス
ポ−ツ用等、各方面の資材を製造する事が出来る。製造
に当たっては、加熱温度140〜200゜Cの下に、射
出成形、押し出し成形を始め、カレンダ−成形、注型加
工あるいはブロ−成形、真空成形、裏打ち加工等の加工
法を用いる。
は、これを使用後に土壌、汚泥、堆肥あるいは微生物の
棲む水中に放置した時、その生分解性はそれぞれの生分
解性プラスチック1単独で用いた場合に較べて、格段に
向上する。
ってひび割れを生じると、そこから水分が浸透し、圧縮
されているココナツパウダ−が、その水分を吸収して大
きく膨張することにより内部崩壊圧力を発生、この内部
応力が成形品を破壊し、その隙間から侵入した微生物が
分解を促進し、これがプラスチック成分に対する他の微
生物の活動をも活溌にする状況を作り出す結果と思われ
る。また、ココナツパウダ−5が、天然の有機質素材で
あるため、これを好む微生物がプラスチック成分を好む
微生物に較べて特に多く、これがプラスチック成分の分
解に先立って、先ずココナツパウダ−成分を分解して全
体の形象を崩すことも分解促進の原因となっていると考
えられる。
は、長さ20〜80μmのココナツパウダ−5を重量構
成比でそれぞれ10%及び20%にして、グリコ−ルと
脂肪族カルボン酸とを30:70の重量%で合成した生
分解性脂肪族ポリエステル1に混合し、射出成形機によ
って140〜200゜Cで肉厚0.5mmの育苗ポット
に成形して、試験サンプルを作成し、実施例3は、40
重量%のココナツパウダ−5を、デンプン15、炭酸カ
ルシュ−ム45、ポリカプロラクトン40の各重量%で
合成した生分解性脂肪族ポリエステル1に混合して、実
施例1、2と同様にして試験サンプルを作成して試験を
行った結果を表1に示し、また比較例1では、実施例1
及び2に使用した生分解性脂肪族ポリエステル1を単独
使用して、同厚、同大きさに作成した試験サンプルを用
いた。
及び比較例の経時的生分解状態を示す。すなわち、実施
例は何れも比較例より生分解速度が早く、また、実施例
中でもココヤシパウダ−の混合比率の多い方が生分解性
が良好であった。また、図4に土壌の種類別の実施例2
の生分解の経過を比較例と共に示した。
ト4を用いた場合に、生分解が短時間で進む結果、成形
品の種類によっては支障を生じることがある。
は、単独では非生分解性である汎用プラスチックを混入
することにより分解速度を調整し、所要の期間、原形を
保つようにした。すなわち、図1(B)に示すペレット
化処理工程において、波線矢印で示すように、生分解性
プラスチック1とココナツパウダ−5との混合物4に対
して、5ないし40重量%の非生分解性プラスチック6
を混入して、その配合物をペレット4と同様な工程によ
りペレット4′に加工するものとする。これは、特に厚
さ0.1mm以下の製品に対して有効であり、余剰汎用
プラスチックの利用に道を開くと共に、製品のコスト低
下にも役立つものとなる。
みによって加工したものと生分解速度を遅くするため
に、非生分解性成分を混合して加工したものを同一条件
によって製造して生分解特性を比較して、その結果を示
した。ここに試験サンプルの加工も試験条件も、生分解
性成分も、表1に用いたものと同一であり、非生分解性
成分は、汎用プラスチックであるポリエチレンを用い
た。すなわち、非生分解性成分混合の度合および成形品
の厚みによって、分解速度を+20%以上にわたって、
適宜遅くできることを示している。
フィルムを用いて、いわゆるマルチと呼ばれる図5に示
すような被覆7を用いる場合、その接地部分7aのみが
早期に分解破損してそこから野菜の害菌が侵入すること
を防ぐため、上記の方法を以て分解速度を調整すると共
に、1〜2重量%の防虫剤を混入することにより、批判
の多い農薬撒布の問題を解決する。
ラスチック成形品は、熱帯地方に多量に産出して、未だ
工業化されていないココヤシ繊維より成る生分解の速い
ココナツパウダ−を生分解性プラスチックに混合するこ
とにより、その生分解性を高めて製品の厚肉化も可能と
する外、ココナツパウダ−の持つ高硬度、高弾力性、高
吸水性等のため機械的剛性の強い成形品を得ることがで
き、生分解性プラスチックの分解性能を増進させる点と
共に、非生分解性プラスチックである汎用プラスチック
を分解速度調制剤として採用できることを示した点にお
いて極めて有効な技術手段である。
の製造法の構成を示すブロック図である。
(A)はココヤシの側断面図、(B)はココヤシ繊維の
拡大断面図である。
的生分解状態を示す図である。
である。
培用被覆の接地状況を示す図である。
物(ペレット) 4′ ヤシ殻繊維粉末と生分解性および非生分解性プ
ラスチックの混合物(ペレット) 5 ココナツパウダ− 6 非生分解性プラスチック 7 被覆 7a 接地部分
解性プラスチック95〜60重量%と、ココヤシの中果
皮に含まれる繊維の乾燥圧縮粉末(以下、ココナツパウ
ダ−と呼ぶ)5〜40重量%の混合物より成形した成形
品に構成するものである。そして、望ましくは上記混合
物に、1〜2重量%の界面活性剤および、または5〜1
0重量%の着色剤を添加し、それらの添加量に相当する
重量%を、生分解性プラスチックまたはヤシ殻繊維圧縮
乾燥粉末のいずれかの重量%、若しくはその両者それぞ
れの重量%から減じて成る混合物より成形して構成す
る。また、農業用フィルム等の原料としては、上記混合
物に1〜2重量%の防虫剤を添加して、前記同様に減量
処理した混合物によって成形すればさらに良い。さらに
必要に応じて、90〜20重量%の生分解性プラスチッ
クと、5〜40重量%のヤシ殻繊維の圧縮乾燥粉末の混
合物に、非生分解性プラスチックを5〜40重量%を含
有させて成形して構成することにより成形品の生分解速
度を調整するものである。そしてさらに、生分解性プラ
スチック、非生分解性プラスチック又はヤシ殻繊維圧縮
乾燥粉末から成る上記混合物に、1〜2重量%の界面活
性剤、5〜10重量%の着色剤および、または1〜2重
量%の防虫剤を添加し、それらの添加合計量に相当する
重量%を、上記混合物のいずれか一の重量%、またはそ
の中の二者若しくは三者それぞれの重量%から減じて成
る混合物より成形すればなお良好である。 ─────────────────────────────────────────────────────
解性プラスチック95〜60重量%と、ココヤシの中果
皮に含まれる繊維の乾燥圧縮粉末(以下、ココナツパウ
ダ−と呼ぶ)5〜40重量%の混合物より成形するもの
である。そして、望ましくは上記混合物に、1〜2重量
%の界面活性剤および、または5〜10重量%の着色剤
を添加し、それらの添加量に相当する重量%を、生分解
性プラスチックまたはヤシ殻繊維圧縮乾燥粉末のいずれ
かの重量%、若しくはその両者それぞれの重量%から減
じて成る混合物より成形する。また、農業用フィルム等
の原料としては、上記各混合物に1〜2重量%の防虫剤
を添加して、前記同様に減量処理した混合物によって成
形すればさらに良い。さらに必要に応じて、90〜20
重量%の生分解性プラスチックと、5〜40重量%のヤ
シ殻繊維の圧縮乾燥粉末の混合物に、非生分解性プラス
チックを5〜40重量%を含有させて成形して構成する
ことにより成形品の生分解速度を調整するものである。
そしてさらに、生分解性プラスチック、または、生分解
性プラスチックと非生分解性プラスチック及びヤシ殻繊
維圧縮乾燥粉末から成る上記混合物に、1〜2重量%の
界面活性剤及び防虫剤、5〜10重量%の着色剤の一以
上を添加し、それらの添加合計量に相当する重量%を、
上記混合物のいずれか一の重量%、またはその中の二者
若しくは三者それぞれの重量%から減じて成る混合物よ
り成形すればなお良好である。
Claims (6)
- 【請求項1】 生分解性プラスチック90ないし60重
量%に、ヤシの中果皮に含まれる繊維の乾燥粉末を、1
0ないし40重量%配合して構成することを特徴とする
ヤシ殻繊維粉末混合生分解性プラスチック成形品。 - 【請求項2】 生分解性プラスチック89ないし58重
量%に、ヤシ殻繊維の乾燥粉末10ないし40重量%
と、成形時の離型を円滑にするための界面活性剤1ない
し2重量%を配合して構成することを特徴とするヤシ殻
繊維粉末混合生分解性プラスチック成形品。 - 【請求項3】 生分解性プラスチック85ないし50重
量%に、ヤシ殻繊維の乾燥粉末10ないし40重量%
と、製品別の識別性を明らかにするための着色剤5ない
し10重量%を配合して構成することを特徴とするヤシ
殻繊維粉末混合生分解性プラスチック成形品。 - 【請求項4】 生分解性プラスチック95ないし60重
量%に、ヤシの中果皮に含まれる繊維の乾燥粉末を、5
ないし40重量%配合して構成することを特徴とする請
求項1ないし3記載のヤシ殻繊維粉末混合生分解性プラ
スチック成形品。 - 【請求項5】 生分解性プラスチック90ないし20重
量%と非生分解性プラスチック5ないし40重量%に、
ヤシ殻繊維の乾燥粉末5ないし40重量%を配合して構
成することを特徴とするヤシ殻繊維粉末混合生分解性プ
ラスチック成形品。 - 【請求項6】 防虫剤1ないし2重量%を配合して構成
することを特徴とする請求項1ないし5記載のヤシ殻繊
維粉末混合生分解性プラスチック成形品。
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JPH09263700A (ja) |
KR (1) | KR100291545B1 (ja) |
DE (1) | DE69633050T2 (ja) |
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