JP2002037882A - ポリグリセリンのアクリル酸エステル、その製法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化樹脂組成物 - Google Patents

ポリグリセリンのアクリル酸エステル、その製法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化樹脂組成物

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JP2002037882A
JP2002037882A JP2000223193A JP2000223193A JP2002037882A JP 2002037882 A JP2002037882 A JP 2002037882A JP 2000223193 A JP2000223193 A JP 2000223193A JP 2000223193 A JP2000223193 A JP 2000223193A JP 2002037882 A JP2002037882 A JP 2002037882A
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Tomoo Fukuura
朝生 福浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化性の高い多官能の水溶性アクリル酸エス
テルを提供すること。 【解決手段】 平均繰り返し単位が4以上、20以下の
ポリグリセリンとアクリル酸を脱水縮合させて生成する
ポリグリセリンのアクリル酸エステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性エネルギー線
硬化性化合物として有用な水溶性アクリル酸エステル、
その製法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸エステルは、単独であるいは
他の重合性単量体、オリゴマー、ポリマー、染料、顔
料、無機充填剤と混合し、紫外線・放射線照射等の活性
エネルギー線照射による分解等によって生じるラジカル
によって容易に重合し、機械的特性、耐熱性、耐候性、
耐酸化性等に優れたポリマーを生成する。
【0003】また、アクリル酸エステルは、炭素−炭素
二重結合を有する種々の化合物と容易に共重合し、用途
に応じて種々のアクリル酸エステルを選択することによ
って、ポリマーの特性を調節することができるため、イ
ンキ、塗料、コーティング剤、接着剤、粘着剤、樹脂、
ゴム、光学材料等の原料として広範な分野に利用されて
いる。
【0004】インキの分野においては、紫外線硬化型イ
ンキとしてこのようなアクリル酸エステルを利用したオ
フセットインキ及びスクリーンインキが多くのメーカー
から市販されている。
【0005】特に今日、環境保全の視点から、印刷イン
キ、塗料等の水性化が進められているが、このような水
性の活性エネルギー線硬化性樹脂に用いることが可能な
アクリル酸エステル化合物は、現在のところ、多くの企
業で開発が進められているものの、それぞれ一長一短が
あり、特に、紫外線硬化型オフセットインキに用いられ
ているジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのよ
うな速硬化性のアクリル酸エステルは得られていない。
【0006】水溶性のアクリル酸エステルとして入手可
能なものは、ポリエチレングリコール及びポリプロピレ
ングリコールのアクリル酸エステルがあるが、低粘度で
あるために、単独でバインダーを構成することは困難で
ある。また、ポリエチレングリコールのアクリル酸エス
テルは1分子当たり2個しかアクリロイル基を持ってい
ないため、速硬化性の点からも不十分である。さらに、
硬化物は、物性面で満足できるものではない。このポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコールのアク
リル酸エステルに、粘度調整、硬化物の物性を調整する
ために、他の水溶性材料を加えるとしても、硬化性の低
下が著しくなる。
【0007】水性化という視点からは、分子中にカルボ
キシル基を付けて、アルカリ水溶液に溶解するようにし
たアクリル酸エステルがある。例えば、特公平7-2101
5、特公平7-21016においては、無水マレイン酸とビニル
化合物の共重合体に、水酸基含有アクリレートを反応さ
せた化合物が開示されている。特開平6-298851において
は、酸無水物基を有する化合物(具体的には不飽和酸無
水物とこれと共重合可能なラジカル重合性モノマーを重
合することによって得られるポリマー、共役二重結合に
無水マレイン酸を付加した化合物、酸無水物基を2個以
上有する化合物とポリヒドロキシ化合物を酸無水物基が
過剰になるように反応させたもの)にヒドロキシエチル
アクリレートを反応させ、生成するカルボキシル基を三
級アミンで中和する水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂
が開示されている。特開平5-140251、特開平6-16751に
は、エポキシアクリレートに多塩基酸無水物を反応させ
て得られるカルボキシル基含有アクリレートを中和し水
溶性にした樹脂が開示されている。また、ノボラック型
エポキシ樹脂にアクリル酸を反応させたのち、生成する
水酸基に酸無水物を反応させ、カルボキシル基を生じさ
せた活性エネルギー線硬化型樹脂が知られている。これ
を発展させ、水酸基の一部をウレタン結合を介して高分
子量化を図ったものが特開平6-93082に開示されてい
る。ノボラック型エポキシとは異なるが、ポリウレタン
樹脂に陰イオン性親水基を含有するように製造し、三級
アミンで中和した水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂が
特開平7-102037に開示されている。さらに、特開平6-93
065、特開平6-157691、特開平6-157695には、四級アン
モニウムハライドを有するポリオール化合物と水酸基含
有アクリレートをポリイソシアネート化合物で結合させ
たウレタンアクリレートが開示されている。特開平10-1
95361には、カルボキシル基を有する数平均分子量1,000
〜15,000のポリマーに、エポキシ環構造を有する(メ
タ)アクリレートを一部付加したアクリル酸エステルが
開示されている。これらのアクリル酸エステルは、目的
とする、粘度、硬化物の物性を調整するために、種々の
材料を選択可能であるが、単位重量当たりのアクリロイ
ル官能基濃度があまり高くなく、やはり、速硬化性の点
からは不十分である。
【0008】カルボキシル基等のアミンで中和できる基
を含まない水溶性アクリル酸エステルとしては、サイク
ロデキストリンのアクリル酸エステルが特開平10-25920
2に開示されている。しかし、この材料は、常温におい
て固体で、インキ用バインダーの主たる構成材料として
は使用できるものではない。
【0009】インキ用ビヒクルの構成材料として使用可
能な、カルボキシル基等のアミンで中和できる基を含ま
ない水溶性アクリル酸エステルとしては、ポリグリセリ
ンポリグリシジルエーテルにアクリル酸を反応させたエ
ポキシアクリレートが市販されている。例えば、新中村
化学工業のNKオリゴEA-5323である。しかし、この材料
は、単位重量当たりのアクリロイル基濃度があまり高く
ないために、速硬化性の点では不十分な場合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから、本発
明は前述した問題点を解決することを目的としたもの
で、印刷インキ用ビヒクルの構成要素として使用可能
な、活性エネルギー線に対する硬化性に優れる水溶性ア
クリル酸エステル、その製法及びそれを用いた活性エネ
ルギー線硬化樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、以上のよう
な実状に鑑み鋭意検討した結果、一分子中に多数の水酸
基を有するポリグリセリンとアクリル酸の縮合によって
製造するアクリル酸エステルが水溶性で、活性エネルギ
ー線硬化性が高く、他の水溶性アクリル酸エステルで希
釈した組成物にした場合、ノボラックエポキシアクリレ
ートの酸無水物変性物と同程度の硬化物物性が得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明は、ポリグリセリンの平均繰り返
し単位数が4以上、20以下であることを特徴とするポ
リグリセリンのアクリル酸エステルである。
【0013】また、本発明は、一分子中にアクリロイ
ル基、4個以上、22個以下であることを特徴とする
記載のポリグリセリンのアクリル酸エステルである。
【0014】また、本発明は、ポリグリセリンとアク
リル酸を脱水縮合させて製造することを特徴とする記
載のアクリル酸エステルの製法である。
【0015】また、本発明は、記載の脱水縮合反応
の脱水縮合触媒がp−トルエンスルホン酸であることを
特徴とするアクリル酸エステルの製法である。
【0016】また、本発明は、記載のアクリル酸エ
ステルを必須成分とする水溶性活性エネルギー線硬化樹
脂組成物である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の製法で使用するポリグリ
セリンは、グリセリンが縮合した、一分子中に水酸基を
6個以上有する化合物であり、水酸基を6〜12個有する
ポリグリセリンは市販されている。このポリグリセリン
の脂肪酸エステルは、食品添加物として認可された界面
活性剤として知られており、主として食品用乳化剤や可
溶化剤として用いられている。ポリグリセリンの脂肪酸
エステルは、一般にアルカリ触媒存在下でポリグリセリ
ンと脂肪酸を130℃以上、通常180〜270℃に加熱縮合さ
せることによって製造される。
【0018】一方、活性エネルギー線で硬化しうるアク
リル酸エステルのうち、水酸基を有する化合物とアクリ
ル酸から得られるアクリル酸エステルでは、通常硫酸等
の酸触媒存在下で、80〜130℃に加熱することにより、
縮合させ製造される。
【0019】本発明のポリグリセリンのアクリル酸エス
テルは、ポリグリセリンとアクリル酸の縮合反応を用い
て製造することを特微とする。ポリグリセリンのアクリ
ル酸エステルのポリグリセリンの繰り返し単位数は4以
上、20以下で、好ましくは6以上、20以下である。
ポリグリセリンの繰り返し単位数が3以下では水溶性が
高くなく、ポリグリセリンの繰り返し単位数が20を超
えると粘度が高くなりすぎ、粘度調整に必要な希釈アク
リル酸エステルが増加し、硬化性が悪化するために好ま
しくない。また、繰り返し単位数が4以上、20以下の
ポリグリセリンとアクリル酸を縮合させた場合、十分な
硬化性が得られるエステル化率60%〜100%まで反
応させると、ポリグリセリン1分子当たり4〜22個の
範囲のアクリロイル基を有するポリグリセリンのアクリ
ル酸エステルが得られる。本縮合反応は、アルカリ触媒
の場合では反応温度が高すぎ、高温においてはアクリル
酸及び生成するアクリル酸エステルが重合してしまうた
めに、通常のアクリル酸エステル製造と同様に、酸触媒
を用い、生成する水を系外へ留去させることによって行
う。
【0020】本発明の縮合反応に用いるアクリル酸の使
用量は、希望するアクリロイル基の置換数に応じて、ポ
リグリセリンの水酸基1モル当量に対して、0.5〜2.0モ
ルの範囲で選択するが、より硬化性が高くなるようにエ
ステル化率を上げるために、1.0〜2.0モルの範囲で選択
することがより好ましい。
【0021】酸触媒は通常アクリル酸エステルを製造す
る場合、硫酸やp−トルエンスルホン酸が用いられる
が、本発明のポリグリセリンとアクリル酸の縮合反応に
おいては、硫酸触媒ではゲル化しやすいため、p−トル
エンスルホン酸を用いる方が好ましい。触媒の使用量
は、用いるポリグリセリン100重量部に対して、1〜5
重量部の範囲が好ましい。
【0022】本発明の縮合反応は、通常、反応によって
副生する水を系外に留去させることにより、反応を容易
に進行させることができるが、留去の方法は特に制限さ
れない。例えば、副生する水のみを系外に留去させても
良いし、溶媒例えばベンゼンと共沸させて、一緒に留去
させても良いが、より低温で反応させるためには、ベン
ゼンと共沸させる方法が好ましい。
【0023】また、縮合反応は、常圧下でも減圧下でも
同様に行なうことができる。常圧下においては、生成物
及びアクリル酸が重合を起こさないように、空気を継続
的に吹き込みながら実施するのは、他のアクリル酸エス
テルの製造方法と同様である。常圧下での反応温度は、
ベンゼンを共沸溶媒として選択した場合、共沸温度であ
る約72℃以上にする必要があり、80〜110℃が望まし
い。その場合の反応時間は、通常、10〜20時間であり、
反応時間及び反応温度によってエステル化率が異なって
くる。
【0024】縮合反応終了後、ポリグリセリンのアクリ
ル酸エステルを得るための後処理操作は、特に制限され
るものではないが、通常、反応終了後、原料の未反応の
アクリル酸と溶媒を減圧下で留去し、触媒として用いた
p−トルエンスルホン酸と留去しきれなかったアクリル
酸を水酸化ナトリウム等のアルカリで中和し、0.5〜10%
の塩水溶液で洗浄する方法を用いる。洗浄後、ポリグリ
セリンのアクリル酸エステルは水分を多く含んでいるた
め、減圧下で加熱することにより水分を除く。この時ア
クリル酸エステル中に無機塩が含まれる場合があり、イ
ンキ用としては、希釈アクリルートで粘度調整後、遠心
分離を施すだけでも、十分使用可能である。
【0025】また、ポリグリセリンのアクリル酸エステ
ルの製造においては、重合禁止剤の存在下に反応を実施
することが必要である。
【0026】本発明の縮合反応に用いる重合禁止剤とし
ては、例えば、ハイドロキノン、パラメトキシフェノー
ル、tert-ブチルカテコール等のフェノール系化合物、
フェノチアジン、ジフェニルアミン等のアミン系化合物
等が挙げられる。
【0027】以上の製法により、一分子中にアクリロイ
ル基、4個以上、22個以下を有するポリグリセリンの
アクリル酸エステルが得られる。
【0028】また、本発明のポリグリセリンのアクリル
酸エステルの製法は、前述の、ポリグリセリンとアクリ
ル酸を、酸触媒を用いて反応させる縮合反応が好ましい
が、縮合法に限定されるものではなく、その製法は問わ
ない。
【0029】縮合以外のエステル化法としては、例え
ば、アクリル酸ハライドとポリグリセリンとの間の脱ハ
ロゲン化水素反応によるエステル化法や、アクリル酸の
低級アルコールエステルとポリグリセリンのエステル交
換法等が挙げられる。
【0030】本発明のポリグリセリンのアクリル酸エス
テルを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、
必要に応じて、本発明のポリグリセリンのアクリル酸エ
ステル以外の他の重合性単量体、オリゴマー類、重合開
始剤、及び各種の添加剤を配合することができる。
【0031】他の重合性単量体としては、公知の1〜6官
能の各種アクリレート、メタクリレートが使用できる
が、本発明の目的の一つが水溶性であることから、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレートや酸官能基を有するアクリレー
トが好ましい。
【0032】オリゴマー類としては、例えば、ウレタン
アクリレート類、エポキシアクリレート類、ポリエステ
ルジオールのアクリレート類等が挙げられるが、水溶性
の目的では、前述した、カルボキシル基を有するアクリ
レートオリゴマー類及び水溶性エポキシアクリレートが
好ましい。
【0033】これらの重合性単量体及びオリゴマー類
は、必要に応じて、単独で、あるいは2種以上を任意の
割合で混合して使用することができる。
【0034】本発明のポリグリセリンのアクリル酸エス
テルを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬
化に用いられる活性エネルギー線としては、例えば、電
子線、X線、紫外線、可視光線等が挙げられるが、これ
らの中でも、特に、紫外線を用いて硬化するのが好まし
い。
【0035】紫外線の光源としては、例えば、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられ
る。
【0036】また、紫外線を用いて樹脂を硬化させる場
合は、通常、硬化性樹脂組成物中に光重合開始剤を添加
する。光重合開始剤としては、例えば、開裂型のベンゾ
イン、ベンゾインエーテル等、水素引き抜き型のベンジ
ル、ベンゾフェノン等が挙げられる。これらの光重合開
始剤は単独で、又は2種以上を混合して使用することが
できる。また、その使用量は、その種類や重合条件等に
より異なる。また、必要に応じて、光重合開始剤と併用
して、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルア
ミノ安息香酸イソアミル等の光重合開始助剤を用いるこ
ともできる。必要により、水溶性光重合開始剤を用いる
ことも可能である。水溶性又は親水性光重合開始剤とし
ては、カンタキュア ABQ、カンタキュアQTX(シェル化学
株製)やイルガキュア2959(チバスペシャリティケミカ
ル株製)が挙げられる。
【0037】活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有
される各種の添加剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂組
成物の用途によって異なるが、必要に応じて有機又は無
機顔料、可塑剤、界面活性剤、熱重合禁止剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
【0038】本発明のポリグリセリンのアクリル酸エス
テルを含有する硬化性樹脂組成物は、塗料、被覆材料、
繊維処理剤、紙加工剤等のコーティング材料、インキ、
接着剤、シーリング剤、光学材料、フォトレジスト、写
真材料、電気絶縁材料、成形樹脂用原料等として利用す
ることができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限
定されるものではない。
【0040】<実施例1>空気導入管、温度計及び撹拌機
を備えたガラス製セパラブルフラスコに、ポリグリセリ
ン#750(阪本薬品工業製)150g、アクリル酸(大阪有機化
学工業製)225ml、メチルヒドロキノン0.38g、p−トル
エンスルホン酸5g、ベンゼン200mlを仕込んだ。次に、
この混合溶液に空気を吹き込みながら撹拌し、80℃に加
熱した。脱水反応によって生じる水は、ベンゼンと共に
流出してくるので、水分受け器で受けてオーバーフロー
したベンゼンは反応系内に戻すようにした。16時間反応
後、減圧にして、ベンゼンとアクリル酸を除去した。冷
却後、酸価を測定し、中和に必要な水酸化ナトリウムを
300mlの水に溶解したアルカリ水溶液を徐々に滴下し
た。有機層を分取後、有機層の酸価が、3mgKOH/g以下に
なるまで水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。さらに、
硫酸ナトリウム水溶液で2回洗浄した。得られた水を多
量に含んだポリグリセリンのアクリル酸エステルから減
圧下で水を除去し、230gのアクリル酸エステルが得られ
た。このようにして得たポリグリセリンのアクリル酸エ
ステルのエステル化率は、原料と生成物の水酸基価の測
定から、85%であった。
【0041】<実施例2>空気導入管、温度計及び撹拌機
を備えたガラス製セパラブルフラスコに、ポリグリセリ
ンPG06(ダイセル化学工業製)150g、アクリル酸(大阪有
機化学工業製)266ml、メチルヒドロキノン0.43g、p−
トルエンスルホン酸5g、ベンゼン200mlを仕込んだ。以
下は、実施例1と同様に行い、270gのアクリル酸エステ
ルが得られた。このようにして得たポリグリセリンのア
クリル酸エステルのエステル化率は、原料と生成物の水
酸基価の測定から、79%であった。
【0042】<比較例>フェノールノボラックエポキシ
樹脂EPPN-201(日本化薬製、エポキシ当量187)187gに
アクリル酸74g、ポリエチレングリコール400ジアクリレ
ート600g、メチルハイドロキノン0.1g、ジメチルベンジ
ルアミン0.6gを加え、110℃で13時間反応させ、酸価が
3.0以下になったことを確認後、30℃まで冷却し、テト
ラヒドロ無水フタル酸150gを加え、更に110℃で3時間
反応させ、比較混合物を得た。
【0043】<紫外線硬化性>実施例1及び実施例2によ
って得られたアクリル酸エステルをポリエチレングリコ
ール400ジアクリレートで希釈して粘度1.5Pa・s/30℃に
した。そのときのポリグリセリンのアクリル酸エステル
濃度はそれぞれ53、48%であった。比較混合物は予めポ
リエチレングリコール400ジアクリレートで希釈されて
おり、粘度1.5Pa・s/30℃になっている。これに重合開始
剤イルガキュア907(チバスペシャリティケミカル株
製)を3%加え、ガラス板上に約100μmの厚さで塗布し、
紫外線を照射し、硬化皮膜を作製した。この硬化皮膜の
メチルエチルケトンに溶解しない部分の割合(ゲル分
率)を求めた。その結果、20mJ/cm2の紫外線照射量で、
比較混合物はゲル分率が55〜60%に対して、ポリグリセ
リンのアクリル酸エステルではそれぞれ97%、97%のゲル
分率が得られ、高い紫外線硬化性を有することが分かっ
た。
【0044】<硬化物の物性>紫外線硬化性の測定と同様
にポリエチレングリコール400ジアクリレートで希釈し
て重合開始剤を加え、ガラス板上に100μmの厚さで塗布
し、380mJ/cm2の紫外線照射量で紫外線を照射し、硬化
皮膜を作製した。この皮膜を引張試験機で引張試験を実
施し、伸び率と引張強度を求めた。その結果、比較混合
物が伸び率7.0%、引張強度0.27kgf/mm2に対して、それ
ぞれ伸び率3.2%と4.4%、引張強度0.46kgf/mm2と0.46kgf
/mm2となり、比較混合物(クレゾールノボラックエポキ
シアクリレートの酸無水物付加物)に近い柔軟性、強度
の硬化物が得られた。
【0045】
【発明の効果】本発明のポリグリセリンのアクリル酸エ
ステルは、活性エネルギー線硬化性化合物として有用
で、硬化性、密着性等に優れ、かつ、水溶性であるアク
リル酸エステルを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 299/00 C08F 299/00 Fターム(参考) 4H006 AA01 BN10 4J005 AA21 BD02 4J011 QA03 QA04 QB14 QB15 QB16 QB19 SA22 SA32 SA42 UA01 UA03 UA04 UA06 WA01 WA02 WA03 WA06 WA07 4J027 AB01 AC01 AC03 AC04 AC06 AE01 AJ08 BA07 BA13 CB10 CC04 CC05 CC06 CC08 CD01 CD03 CD04 CD08 CD09 CD10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリグリセリンの平均繰り返し単位数が
    4以上、20以下であることを特徴とするポリグリセリ
    ンのアクリル酸エステル。
  2. 【請求項2】 一分子中にアクリロイル基、4個以上、
    22個以下であることを特徴とする請求項1記載のポリ
    グリセリンのアクリル酸エステル。
  3. 【請求項3】 ポリグリセリンとアクリル酸を脱水縮合
    させて製造することを特徴とする請求項1記載のアクリ
    ル酸エステルの製法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の脱水縮合反応の脱水縮合
    触媒がp−トルエンスルホン酸であることを特徴とする
    アクリル酸エステルの製法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のアクリル酸エステルを必
    須成分とする水溶性活性エネルギー線硬化樹脂組成物。
JP2000223193A 2000-07-25 2000-07-25 ポリグリセリンのアクリル酸エステル、その製法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化樹脂組成物 Pending JP2002037882A (ja)

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