JP2002037600A - 作業用車両の安全装置 - Google Patents

作業用車両の安全装置

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JP2002037600A
JP2002037600A JP2000225043A JP2000225043A JP2002037600A JP 2002037600 A JP2002037600 A JP 2002037600A JP 2000225043 A JP2000225043 A JP 2000225043A JP 2000225043 A JP2000225043 A JP 2000225043A JP 2002037600 A JP2002037600 A JP 2002037600A
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JP2000225043A
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Shunichi Nakazawa
俊一 中澤
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Aichi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁比例弁の作動制御回路の異常を確実且つ
的確に検出する作業用車両の安全装置を提供する。 【解決手段】 比例弁作動制御回路は、電磁比例弁41
に制御電流を出力してバルブ開度を制御し作業装置の作
動を制御する制御回路である。電流制御回路311は指
令信号に対応した目標制御電流を設定し、スイッチ回路
312はこの設定信号に応じて電源Bから供給される電
力を調整して制御電流を電磁比例弁41に出力する。電
磁比例弁41からの戻り電流はライン415を介してグ
ランドGNDに戻る。出力回路には出力電流検出回路3
13が、戻り回路には戻り電流検出回路314が設けら
れており、電流制御回路311は検出される出力電流値
と戻り電流値のうち少なくとも一方が目標制御電流値と
異なるときに警報信号を出力して警報作動を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行可能な車両上
に、作業装置とこの作業装置に配設された電磁比例弁に
制御電流を出力して作業装置の作動を制御する作動制御
装置と、作業者の作動操作に基づいて作動制御装置に操
作信号を出力し操作信号に対応した制御電流を出力させ
て電磁比例弁を作動させる操作装置とを有してなる作業
用車両に関する。
【0002】
【従来の技術】このような作業用車両として、例えば高
所作業車がある。高所作業車は走行可能なトラック等の
車両上に、旋回、起伏、伸縮等が自在なブームを配設
し、このブームの先端部に作業者が搭乗する作業台を取
り付けて構成されている。ブームを旋回動、起伏動、伸
縮動させる作動源としては一般的に油圧シリンダや油圧
モータ等の油圧アクチュエータが広く用いられており、
その作動制御には制御電流を変化させることによりバル
ブ開度を変化させる電磁比例弁が多く利用されている。
【0003】作業台にはブーム操作装置が取り付けられ
ており、ブーム操作装置からの操作信号は上記各アクチ
ュエータの作動を制御する作動制御装置に出力されてい
る。作動制御装置は操作信号を受けると操作信号に対応
した制御電流を対応する電磁比例弁に出力してバルブ開
度を制御し、これにより例えば旋回モータや起伏シリン
ダ等の作業者の操作意思に対応した油圧アクチュエータ
を操作方向及び操作量に対応した作動方向及び作動速度
で作動させる。このため、作業者は作業台に搭乗してブ
ーム操作装置を操作することにより、ブームを旋回動、
起伏動、伸縮動等させて作業台を所望の高所に移動させ
て作業を行うことができる。
【0004】作動制御装置には、ブーム操作装置から入
力される操作信号に対して電磁比例弁に出力すべき目標
制御電流値が予め設定されるとともに、この目標制御電
流値と現実に電磁比例弁に流れている制御電流値とを比
較してフィードバック制御するフィードバック制御回路
を有するものがある。また、目標制御電流値に対して検
出される制御電流値とが所定以上異なるときに、作動制
御装置に異常があると判断して警報作動を行う警報手段
を備える高所作業車がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高所作業車において電磁比例弁に流れる制御電流値を検
出するのは、被制御機器である電磁比例弁を高精度にフ
ィードバック制御して作業台の移動を高速高精度に制御
するという点に主眼がおかれて構成されており、電磁比
例弁に流れる制御電流を検出する検出回路は、制御電流
を出力する出力回路と電磁比例弁との間、または電磁比
例弁から戻る接地回路のいずれか一方にしか設けられて
いなかった。
【0006】このため、電磁比例弁の制御回路が正常で
あるときには何等の問題なく高精度なフィードバック制
御が可能であるが、当該電磁比例弁や当該電磁比例弁と
作動制御装置との間を繋ぐハーネス等に短絡等の異常が
発生したときに、適正なフィードバック制御を行うこと
ができなくなったり、異常発生を検出して警報発生する
ことができないという課題があった。例えば、制御電流
を検出する検出回路が制御電流を出力する出力回路と電
磁比例弁との間に配設されている場合において、電磁比
例弁から戻る戻り側ハーネスが筐体(GND)に短絡した
ときには、この異常を検出することができなかった。逆
に、制御電流を検出する検出回路が電磁比例弁から戻る
接地回路に配設されている場合において、出力側ハーネ
スが途中で電源に短絡したときには、この異常を検出す
ることができなかった。そしてこれ等の異常状態では、
例えばインチング操作などが成されたときに適正なフィ
ードバック制御を行うことができなかった。
【0007】本発明は上記のような課題に鑑みて成され
たものであり、電磁比例制御弁を含む作動制御回路に異
常が発生したときにこの異常を確実に検出するととも
に、その異常発生の部位を特定して適切な警報作動を行
うことができる信頼性の高い安全装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明は、走行可能な車両上に配設されて所定の作業を行
う作業装置と、この作業装置に配設された電磁比例弁に
制御電流を出力してバルブ開度を制御し作業装置の作動
を制御する作動制御装置と、作業者の作動操作に基づい
て作動制御装置に操作信号を出力し操作信号に対応した
制御電流を出力させて電磁比例弁を作動させる操作装置
とを有してなる作業用車両の安全装置である。そのうえ
で、この安全装置には、作動制御装置における制御電流
の出力回路(例えば実施形態におけるPWMスイッチ回
路)と電磁比例弁との間に配設されて電磁比例弁への出
力電流を検出する第1電流検出手段と、電磁比例弁と作
動制御装置の接地回路(例えば実施形態におけるライン
415)との間に配設されて電磁比例弁からの戻り電流
を検出する第2電流検出手段と、第1電流検出手段によ
り検出された出力電流値と第2電流検出手段により検出
された戻り電流値とが異なるときに警報作動を行う警報
手段とが備えられて構成されている。
【0009】作業装置に配設された電磁比例弁に制御電
流を出力してバルブ開度を制御し作業装置の作動を制御
する作動制御装置において、電磁比例弁に流れる制御電
流は作動制御装置から出力される出力電流値と、電磁比
例弁から作動制御装置に戻る戻り電流値とが同一でなけ
ればならず、これ等が同一でない場合(正常視できる極
微量の電流値差を除いた有意な差異がある場合)には電
磁比例弁を含む制御回路中に何らかの異常が発生してい
る。
【0010】本発明の安全装置では、このように本来的
に同一である電磁比例弁への出力電流と戻り電流とを第
1電流検出手段と第2電流検出手段とでそれぞれ検出
し、警報手段は検出された出力電流値と戻り電流値とを
比較してこれ等の値が異なるときに異常であると判断し
て警報作動を行う。ここで、本明細書にいう「警報作
動」とは警報ランプや警報ブザー等を用いて警報を行う
作動や、作業装置の作動を規制する作動を含めた作動を
意味する。このため、例えば出力側ハーネスや戻り側ハ
ーネスのいずれかが短絡した場合など、従来では検出で
きなかった異常状態を検出して安全確保ができるため、
異常検出の検出精度を向上させて信頼性の高い安全装置
を提供することができる。
【0011】なお、作動制御装置に、操作装置からの操
作信号に対応して設定された目標制御電流値と第1電流
検出手段により検出された出力電流値とを比較して制御
電流をフィードバック制御する第1フィードバック制御
手段と、目標制御電流値と第2電流検出手段により検出
された戻り電流値とを比較して制御電流をフィードバッ
ク制御する第2フィードバック制御手段とを設け、警報
手段は上記出力電流値または戻り電流値のうち少なくと
も一方が目標制御電流値と異なるときに警報作動を行う
ように安全装置を構成することが好ましい。
【0012】作動制御装置には操作装置から入力される
操作信号に対応して出力すべき目標制御電流値が予め規
定されており、作動制御装置は操作信号に対応した制御
電流を目標制御電流値として設定して出力回路から出力
させる。第1フィードバック制御手段と第2フィードバ
ック制御手段は、このように設定された目標制御電流値
とそれぞれ検出される出力電流値または戻り電流値とを
比較して偏差電流を求め電磁比例弁に流れる制御電流を
フィードバック制御する。ここで、前述したように電磁
比例弁の制御回路が正常な場合には、第1電流検出手段
で検出される出力電流値と、第2電流検出手段で検出さ
れる戻り電流値とが本来的に同一であり、これ等の電流
値は所定の応答性を考慮した上で目標制御電流値と同一
になる。
【0013】逆に、設定された目標制御電流値に対して
出力電流値または戻り電流値の少なくとも一方が異なる
場合には、電磁比例弁を含む制御回路に何らかの異常が
発生したと判断できる。本発明における警報手段は、出
力電流値または戻り電流値のうち少なくとも一方が目標
制御電流値と異なるときに警報作動を行うように構成さ
れており、出力電流値と戻り電流値が同一であっても両
者が目標制御電流値と異なる場合の制御回路の異常を検
出することができる。さらに、出力電流値と戻り電流値
とが異なる場合において、いずれの電流値が目標制御電
流値に対し異なっているかを検出することができ、これ
によりどの領域で異常が発生しているかを判別して警報
作動を行うことができる。従って、前述した効果に加
え、さらに異常検出の検出精度を向上させて、信頼性の
高い安全装置を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について図面を参照して説明する。本発明に係る安全装
置を備えた作業用車両の一例として、図2に高所作業車
を示している。この高所作業車1はトラックシャーシを
ベースとして構成されており、運転キャビンを有して走
行自在に構成された車両の車体2に、旋回モータ51の
作動により車体2に対して水平旋回自在に構成された旋
回台3が配設されており、この旋回台3の上端部には、
起伏シリンダ52の伸縮作動により車体2に対して垂直
面内に起伏動自在にブーム4が枢着されている。
【0015】ブーム4は旋回台3の上端部に枢着された
基端ブーム4aと、基端ブーム内に摺動自在に順次テレ
スコープ状に嵌挿された中間ブーム4b、先端ブーム4
cからなり、ブーム4の内部に配設された伸縮シリンダ
53を伸縮作動させることにより伸縮動自在に取り付け
られている。先端ブーム4cの先端部には図示しないレ
ベリングシリンダの作動によりブーム4の起伏角度によ
らず常時垂直を維持する垂直ポスト6が配設され、さら
に、この垂直ポスト6に内蔵された首振りモータ54の
作動により垂直ポスト6廻りに水平旋回(首振りとい
う)自在な首振りアーム7を介して作業台(バケットと
も称する)8が取り付けられている。
【0016】垂直ポスト6の上端部には高所作業時に重
量物を吊り上げたり、吊り下ろしたりする作業を容易化
するウィンチ装置18が取り付けられている。また、車
体2の前後左右には、ブーム4を起伏、伸長等させたと
き、あるいはウィンチ装置18で重量物を吊り上げたと
きなどに車体2に作用して車両を転倒させようとする転
倒モーメントに抗して車体2を安定支持するため、作業
者のジャッキ操作に基づいて張り出され車体2を持ち上
げ支持するジャッキ17,17…が配設されている。
【0017】作業台8には上部操作装置20が設けら
れ、車体2の後部には下部操作装置21が設けられてい
る。このため、作業台8に搭乗する作業者が上部操作装
置20を操作して旋回台3の旋回作動、ブーム4の起
伏、伸縮作動、作業台8の首振り作動等の作動操作を行
うことができ、地上の作業者が下部操作装置21を操作
して同様な作動操作を行うことができる。上部操作装置
20では上記作動操作の他ウィンチ装置18の旋回作
動、起伏作動、巻き上げ・繰り出し作動等の作動操作を
行うことができ、車体2に設けられたジャッキ操作装置
22でジャッキの作動操作を行うことができる。
【0018】各操作装置20,21,22は、作動操作
が成されると操作内容に応じた操作信号を作動制御装置
に出力する。例えば、ブームの旋回操作が成されたとき
には旋回操作であること及びその操作方向(旋回方向)並
びに操作量(旋回速度)に対応した操作信号が出力され
る。下部操作装置に隣接して安全装置を含む作動制御装
置が設けられており、この作動制御装置の概要構成を図
2を参照して説明する。作動制御装置には、上部操作装
置20、下部操作装置21、ジャッキ操作装置22から
操作信号を受けるコントロールユニット30を有してい
る。
【0019】コントロールユニット30は、操作信号を
受けると操作信号に対応した指令信号をユニット内の比
例弁制御回路300に出力し、指令信号に基づいた制御
電流を油圧ユニット40内の対応する電磁比例弁に出力
させて当該バルブを制御し、旋回モータ51、起伏シリ
ンダ52、伸縮シリンダ53等の油圧アクチュエータの
作動を制御する。例えば、コントロールユニット30に
ブームの旋回操作信号が入力されると、コントロールユ
ニット30は旋回モータ51の比例弁作動制御回路(3
10)に指令信号を出力し、指令信号に基づいた制御電
流をSOL1(旋回モータの電磁比例弁)41に出力さ
せてこの電磁比例弁のスプール移動方向及びバルブ開度
を制御し、旋回モータ51への油圧供給方向及び供給量
を制御して旋回モータ51による旋回台3の旋回作動を
制御する。
【0020】このため、作業者は上部操作装置20や下
部操作装置21を操作することにより、旋回モータ51
による旋回台3の旋回作動、起伏シリンダ52によるブ
ーム4の起伏作動、伸縮シリンダ53によるブーム4の
伸縮作動、首振りモータ54による作業台8の首振り作
動などを行わせることができる。また作業台8に搭乗す
る作業者は、上部操作装置20を操作してウィンチモー
タ55によるウィンチワイヤーの巻き取り・繰り出し作
動、ウィンチ旋回モータやウィンチ起伏シリンダ(とも
に不図示)によるウィンチアームの旋回作動、起伏作動
などを行わせることができる。さらに、地上の作業者は
下部操作装置22を操作することによりジャッキシリン
ダ5nによるジャッキ装置17の作動を行わせることが
できる。
【0021】コントロールユニット30から指令信号を
受けて電磁比例弁に制御電流を出力する比例弁作動制御
回路300は、上記各電磁比例弁SOL1〜SOLnの
それぞれに対応して設けられた制御回路310,32
0,330…3n0からなる。各比例弁作動制御回路
は、その代表例として旋回モータの比例弁作動制御回路
310を図1に示すように構成されており、以下この図
を参照して説明する。
【0022】比例弁作動制御回路310は、電流制御回
路311、PWMスイッチ回路312、出力電流検出回
路313、戻り電流検出回路314及びこれ等を繋ぐワ
イヤーハーネス(ライン411,412,413,41
4,415)などから構成されている。ライン411に
は車体に搭載されたバッテリBのプラス極が接続されて
おり、PWMスイッチ回路312でパルス幅変調された
制御電流がライン413を介してSOL1(旋回モータ
制御用電磁比例弁)41のコイルに供給される。SOL
1を励磁した制御電流はライン414を介して比例弁作
動制御回路310に戻り、ライン415を介してグラン
ドGND(車体)に接地される。
【0023】電流制御回路311は、コントロールユニ
ット30から指令信号を受けると、この指令信号に対応
する目標制御電流を出力させるコントロール信号をPW
Mスイッチ回路312に出力し、PWMスイッチ回路3
12はこのコントロール信号に基づいて、ライン411
に供給される直流電流をスイッチング素子を用いてパル
ス幅変調し、目標制御電流に相当する制御電流を出力電
流としてライン414に出力する。
【0024】出力電流検出回路313は、このようにし
てPWMスイッチ回路312で調整された出力電流の電
流値を検出する検出回路であり、例えばシャント抵抗を
用いて抵抗の前後の電圧差から電流値を検出する等によ
り構成される。出力電流検出回路313は検出した出力
電流値を電流制御回路311に出力する。戻り電流検出
回路314も上記同様に構成されており、検出された戻
り電流値は電流制御回路311に出力される。
【0025】電流制御回路311には、目標制御電流値
と出力電流値及び目標制御電流値と戻り電流値とを比較
してそれぞれの電流偏差を求める比較回路と、この電流
偏差に基づいてPWMスイッチ回路312へのコントロ
ール信号をフィードバックするフィードバック制御回路
とが設けられている。前述したように、電磁比例弁SO
L1を含む比例弁作動制御回路310が正常な場合に
は、出力電流値と戻り電流値とは原則的に同一であり、
かつこれ等の電流値は所定の応答性を考慮した上で目標
制御電流値と同一になる。
【0026】比較回路では出力側の電流偏差と戻り側の
電流偏差とがともに所定範囲内にあるときには、例え
ば、これ等の電流偏差を平均化した値を電流偏差として
フィードバック制御回路に出力し、フィードバック制御
回路はこの平均化された電流偏差に基づいてフィードバ
ック制御を行う。あるいは出力側電流偏差または戻り側
電流偏差のいずれかをフィードバック制御回路に出力し
これに基づいてフィードバック制御を行う。
【0027】一方、比較回路において求められる出力側
の電流偏差と戻り側の電流偏差のうち、少なくとも一方
が予め設定された所定範囲を越えているときには、SO
L1を含む比例弁作動制御回路310のいずれかに異常
があり、電流制御回路311はフィードバック制御を停
止させるとともに、警報信号をコントロールユニット3
0に出力する。
【0028】例えば、目標制御電流値に対して出力電流
値、戻り電流値がともに大きく、両電流偏差がともにプ
ラス側に過大であるときには、PWMスイッチ回路31
2の故障やライン411とライン412との短絡などの
異常が想定され、逆に、目標制御電流値に対して出力電
流値、戻り電流値がともに小さく、両電流偏差がともに
マイナス側に過大であるときには、PWMスイッチ回路
312の故障、SOL1コイルやライン411〜415
の断線などの異常が想定される。
【0029】また、例えば、目標制御電流値に対して出
力電流値は正常だが戻り電流値が検出されない(戻り側
の電流偏差のみがマイナス側に過大である)ときには、
戻り電流検出器314の故障やライン414が車体GN
Dに短絡している等の異常が想定され、これと逆に出力
側電流偏差のみがマイナス側に過大であるときには、出
力電流検出器313の故障やライン412とライン41
3との短絡等の異常が想定される。
【0030】さらに、例えば、出力側電流偏差がプラス
側に過大で(目標制御電流値に対して出力電流値が大き
く)、戻り側電流偏差がマイナス側に過大(目標制御電
流値に対して戻り電流値が小さい)場合にはライン41
3が車体GNDに短絡している異常が想定され、これと
逆に出力側電流偏差がマイナス側に過大で戻り側電流偏
差がプラス側に過大である場合にはライン411とライ
ン413とが短絡している異常が想定される。
【0031】電流制御回路311がフィードバック制御
を停止させ、警報信号がコントロールユニット30に入
力されると、コントロールユニット30はアラーム60
により音声警報(異常内容を音声で知らせたり、警報ブ
ザーを鳴動させたりする警報)を行わせたり、表示警報
(ディスプレイ上に異常内容を表示させたり、警報ラン
プを点灯させたりする警報)を行わせたりする。また、
上記のような異常を有したまま作業を行わせることは好
ましくないため、コントロールユニット30は各指令信
号をリセットして各油圧アクチュエータ51〜5nの作
動を規制し、上部操作装置20、下部操作装置21、ジ
ャッキ操作装置22の操作に対して各油圧アクチュエー
タを作動させないように規制する。
【0032】なお、上記警報作動においては、例えば表
示警報で異常発生の比例弁作動制御回路を特定して表示
させたり、電流偏差の発生状況から想定される異常発生
の部位及びその内容を特定して表示させることができ
る。さらに、このような異常内容をアラーム履歴として
コントロールユニット30に記憶させることにより、後
日のメインテナンスを容易化することができる。
【0033】また、警報作動において一旦全油圧アクチ
ュエータの作動を停止させた後には、アラームリセット
後に異常のない電磁比例弁の作動制御回路について作動
規制を解除したり、異常があると判断された制御回路に
ついても異常内容が軽微である場合(例えば二つの電流
検出回路の一方のみが故障しており他方が正常に機能し
ている場合など)にはブームを格納する方向への作動を
許容するようにコントロールユニット30を構成するこ
とができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、車体上
の作業装置に配設された電磁比例弁に制御電流を出力し
てバルブ開度を制御し作業装置の作動を制御する作動制
御装置と、作業者の作動操作に基づいた操作信号を作動
制御装置に出力して操作信号に対応した制御電流を出力
させて電磁比例弁を作動させる操作装置とを有してなる
作業用車両において、作動制御装置における制御電流の
出力回路と電磁比例弁との間に電磁比例弁への出力電流
を検出する第1電流検出手段を配設し、電磁比例弁と作
動制御装置の接地回路との間に電磁比例弁からの戻り電
流を検出する第2電流検出手段を配設し、これ等二つの
電流検出手段で検出された出力電流値と戻り電流値とが
異なるときに警報作動を行う警報手段を備えて作業用車
両の安全装置を構成する。このため、出力側または戻り
側のみに電流検出手段を有する従来の作業用車両では検
出できなかった異常状態を検出して安全確保ができるた
め、異常検出の検出精度を向上させて信頼性の高い安全
装置を提供することができる。
【0035】また、作動制御装置に、操作装置からの操
作信号に対応して設定された目標制御電流値と第1電流
検出手段により検出された出力電流値とを比較して制御
電流をフィードバック制御する第1フィードバック制御
手段と、目標制御電流値と第2電流検出手段により検出
された戻り電流値とを比較して制御電流をフィードバッ
ク制御する第2フィードバック制御手段とを設け、警報
手段は出力電流値または戻り電流値のうち少なくとも一
方が目標制御電流値と異なるときに警報作動を行うよう
に安全装置を構成する。このような構成では、出力電流
値と戻り電流値が同一であっても両者が目標制御電流値
と異なるような異常を検出することができる。さらに、
出力電流値と戻り電流値とが異なる場合においても、い
ずれの制御電流値が目標制御電流値に対し異なっている
かを検出することができ、これによりどの領域で異常が
発生しているかを判別して警報作動を行うことができ
る。従って、前述した効果に加え、さらに異常検出の検
出精度を向上させて、信頼性の高い安全装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る安全装置における比例弁作動制御
回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る安全装置を含む制御装置の構成を
示すブロック図である。
【図3】上記安全装置を備える高所作業車の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 高所作業車(作業用車両) 3〜8 高所作業装置(作業装置) 3 旋回台 4 ブーム 8 作業台 20 上部操作装置(操作装置) 21 下部操作装置(操作装置) 22 ジャッキ操作装置(操作装置) 30 コントロールユニット(作動制御装置、警報手
段) 41〜4n 電磁比例弁 60 アラーム(警報手段) 300 比例弁作動制御回路(作動制御装置) 312 PWMスイッチ回路(制御電流の出力回路) 313 出力電流検出回路(第1電流検出手段) 314 戻り電流検出回路(第2電流検出手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行可能な車両に配設されて所定の作業
    を行う作業装置と、前記作業装置に配設された電磁比例
    弁に制御電流を出力してバルブ開度を制御し前記作業装
    置の作動を制御する作動制御装置と、作業者の作動操作
    に基づいて前記作動制御装置に操作信号を出力し前記操
    作信号に対応した前記制御電流を出力させて前記電磁比
    例弁を作動させる操作装置とを有してなる作業用車両の
    安全装置であって、 前記作動制御装置における制御電流の出力回路と前記電
    磁比例弁との間に配設されて前記電磁比例弁への出力電
    流を検出する第1電流検出手段と、前記電磁比例弁と前
    記作動制御装置の接地回路との間に配設されて前記電磁
    比例弁からの戻り電流を検出する第2電流検出手段と、 前記第1電流検出手段により検出された出力電流値と前
    記第2電流検出手段により検出された戻り電流値とが異
    なるときに警報作動を行う警報手段とを備えたことを特
    徴とする作業用車両の安全装置。
  2. 【請求項2】 前記作動制御装置には、 前記操作装置からの操作信号に対応して設定された目標
    制御電流値と前記第1電流検出手段により検出された出
    力電流値とを比較して前記制御電流をフィードバック制
    御する第1フィードバック制御手段と、 前記目標制御電流値と前記第2電流検出手段により検出
    された戻り電流値とを比較して前記制御電流をフィード
    バック制御する第2フィードバック制御手段とを有し、 前記警報手段は、前記出力電流値または前記戻り電流値
    のうち少なくとも一方が前記目標制御電流値と異なると
    きに警報作動を行うことを特徴とする請求項1に記載の
    作業用車両の安全装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007126238A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Aichi Corp 作業車の安全装置
JP2008185065A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Toyota Motor Corp シフト切換機構の制御装置
CN102674205A (zh) * 2012-06-11 2012-09-19 林培祥 一种多功能吊机

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