JP2002036722A - 感熱記録媒体および感熱記録媒体の製造方法 - Google Patents
感熱記録媒体および感熱記録媒体の製造方法Info
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Abstract
性、発色防止を向上させることのできる感熱記録媒体お
よびこのような感熱記録媒体の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 基材と、感熱記録層と、印刷層とが設け
られた感熱記録媒体であって、前記感熱記録層は、発色
剤と顕色剤と滑剤とを有することを特徴とする。
Description
び感熱記録媒体の製造方法に関し、さらに詳細には、耐
傷性の高い感熱記録媒体および感熱記録媒体の製造方法
に関する。
熱記録層がロイコ系色素と、顕色剤とを有し、これに、
バインダー樹脂および炭酸カルシウムなどの添加剤が含
まれているものが知られている。このような感熱記録層
を有する感熱記録媒体を製造するには、基材上に感熱記
録層を形成し、さらに文字等の印刷層を基材裏面側およ
び/または感熱記録層側に形成し、その上に保護層を設
けることが一般的であり、また、効率的に大量生産を行
うには、ロールシートの状態でいわゆるロ−ルツウロー
ル(roll to roll)で全工程を行うことが望ましい。し
かし、実際には、絵柄や文字等の印刷層は顧客や用途毎
に異なる内容のものを施す必要があるため、共通する構
成である基材上に感熱記録層を形成する工程までをロー
ルの状態で行い、次にこれをシートカットして顧客や用
途に応じたロット毎にそれぞれの印刷層を施す工程が採
用されていた。この際、感熱記録層はシートカットする
工程やその後の搬送工程、積み重ねる工程等で傷が発生
しやすく、これが原因で発色性や耐アルコール性などの
性能が低下するおそれが高かった。また、こうした感熱
記録層への傷の発生あるいは付着を防止するため、感熱
記録層上に予め中間保護層を形成した後、シートカット
して、その後の印刷層や保護層の形成を行うことも考え
られるが、この場合には工程が1以上増加してしまい、
効率的に生産することが妨げられていた。
少ロットで生産する際の感熱記録媒体の耐傷性、発色防
止を向上させることのできる感熱記録媒体を提供するこ
とを目的としている。また、本発明は、このような感熱
記録媒体の製造方法を提供することを目的としている。
録媒体の発明は、基材と、感熱記録層と、印刷層とが設
けられた感熱記録媒体であって、前記感熱記録層は、発
色剤と顕色剤と滑剤とを有することを特徴とする。
請求項1において、前記感熱記録層の滑剤含量が、0.
8〜6.5重量%であることを特徴とする。
請求項1または2において、JISK 5400で測定
した前記滑剤の分散度が2〜45であることを特徴とす
る。
請求項1〜3のいずれか1項において、前記感熱記録媒
体は、感熱記録層上に直接印刷層を設けることを特徴と
する。
の発明は、基材と、感熱記録層と、印刷層とを有する感
熱記録媒体の製造方法であって、前記方法は、基材上に
直接または他の層を介して滑剤を含有した感熱記録層を
形成した後に、感熱記録層上に保護層を介さずに印刷層
を設けることを特徴とする。
の発明は、基材と、感熱記録層と、印刷層とを有する感
熱記録媒体の製造方法であって、前記方法は、基材上に
直接または他の層を介して滑剤を含有した感熱記録層を
形成して得られた感熱記録媒体形成用シートをシートカ
ットした後に印刷層を設けることを特徴とする。
の発明は、基材と、感熱記録層と、印刷層とを有する感
熱記録媒体の製造方法であって、前記方法は、基材上に
直接または他の層を介して滑剤を含有した感熱記録層を
形成して得られた感熱記録媒体形成用シートをシートカ
ットした後に感熱記録層上に印刷層を設けることを特徴
とする。
感熱記録媒体の製造方法について、図面を参照しつつ、
順に説明する。本発明に係る感熱記録媒体は、たとえば
図1に示すように、基材3と、感熱記録層1と、印刷層
2とを有している。
ニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコ
ール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共
重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポリ塩化
ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩
化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体など、ポリエ
ステル樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、あ
るいはテレフタール酸またはイソフタール酸などの酸成
分と、エチレングリコールまたはシクロヘキサンジメタ
ノールなどのアルコール成分との縮合エステル樹脂(た
とえばPETG:イーストマンケミカル社の商標)な
ど、生分解性プラスチック樹脂;ポリ乳酸系樹脂、デン
プンと変性ポリビニールアルコール等とからなる天然高
分子系樹脂、β―ヒドロキシ酪酸とβ―ヒドロキシ吉草
酸とからなる微生物産生の樹脂等。さらにポリアセテー
ト、ポリスチレン(PS)、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)及びポリカーボネート(PC)、ポリア
ミド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の合成樹脂
シートまたは合成紙等が挙げられ、これら上記材料を適
宜組合せてもよく、これら上記の材料を積層したもので
もよい。これら基材の厚さは通常、10〜50μm程度
であってもよい。このような基材3の厚さは限定されな
いが、通常、50〜300μm程度である。
体に使用される感熱記録層2は、ロイコ系色素と顕色剤
とを有している。他に、バインダー樹脂を有することが
できる。このような感熱記録媒体を発色させるには、サ
ーマルヘッド等の加熱手段を用いることができる。
ロイコ染料としては、クリスタルバイオレットラクト
ン、3−インドリノ−3−p−ジメチルアミノフェニル
−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−
7−クロロフルオラン、2−(2−クロルフェニルアミ
ン)−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−フルオロ
フェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−n−ブチ
ルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−シクロ
ヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−
メチル−7−t−ブチルフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−p−ブチルアニリノフルオ
ラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p
−トルイジノ)−フルオラン、3−ピロリジノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−7−
シクロヘキシルアミノフルオラン、3−N−メチルシク
ロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−エチルペンチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン等を挙げることができる。
としての電子供与性染料前駆体は、1種使用してもよ
く、または2種以上を混合して使用してもよい。
野で用いられる公知の顕色剤が使用できるが、このよう
な顕色剤として、たとえば、ビス−(3−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)−スルフォン、2,4−ジヒドロ
キシジフェニルスルフォン、4,4' −イソプロピリデ
ンフェノール、ベンジル−p−ヒドロキシベンゾエー
ト、4,4' −ジヒドロキシ−3,5' −ジアリルジフ
ェニルスルフォン、メチルービス(ヒドロキシフェニ
ル)アセテート、没食子酸エステル、p−フェニルフェ
ノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、4−ヒドロキシ−4' −イソプロポキシ−ジフェ
ニルスルフォン等が挙げられる。
色素と顕色剤の他に、滑剤が含まれている。このような
本発明で使用される滑材としては、ポリエチレンワック
ス、酸化ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、
シリコーンなどのワックス類が挙げられる。さらに、木
ろう、シェラックみつろう、ラノリン、モンタンワック
ス、セレシンワックス、牛脂、椰子油および上記したワ
ックスの誘導体なども含まれる。このような滑剤の中
で、本発明に使用される滑剤としてワックス類が好まし
く、この中でも、JIS K 5400に規定される分
散度が2〜45であり、4〜45の固形のものが好まし
く、特に、前記分散度が7〜40の固形のワックス類が
好ましい。このような分散度の範囲内にあれば、得られ
た感熱記録媒体の感熱記録層は、耐傷性に優れ(傷が付
きにくい)、また、印字の際の発色特性およびアルコー
ル試験などの物理特性に優れている。このような分散度
が前記値より小さい場合には、耐傷性が低下するため好
ましくなく、また、分散度が前記値を越える場合には、
発色特性が低下しアルコール試験などの物理特性が低下
するため、好ましくない。このような感熱記録層におけ
る滑剤の添加量は、固形分換算で、0.8〜6.5重量
%、好ましくは、1.2〜6重量%程度含まれることが
好ましい。
染料と、顕色剤および滑剤の他に、バインダ樹脂を用い
ていてもよい。このようなバインダ樹脂としては、感熱
記録材料に使用される公知のバインダ樹脂が用いられる
が、たとえば、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸
アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミ
ド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、
スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチ
レン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性
高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル
酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブ
タジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等の
ラテックスなどがあげられ、特にロイコ系染料および顕
色剤の分散性にすぐれ、耐久性にすぐれた感熱記録層1
が得られるため、熱可塑性樹脂の分子内に二重結合を導
入して、紫外線または電子線硬化性とした樹脂として、
塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体に
アクリル酸またはメタクリル酸をエステル重合させた樹
脂を使用することもできる。これらの上記樹脂は単独
で、または2種以上混合して使用することができる。
層1は上記した材料を用い、溶媒あるいは分散媒を用い
て公知の混合法により混合し、塗工した後乾燥して得ら
れる。この際に採用される塗工方法は、公知の方法、た
とえばオフセット印刷、スクリーン印刷や、グラビアコ
ーター、バーコーター、ナイフコーター等により、層状
に形成することができる。これら感熱記録層1は、基材
上の片面あるいは両面の一部あるいは全面に形成され
る。この際に、基材面に直接あるいは他の層を介して感
熱記録層を設けることができる。本発明では、前記他の
層は特に限定されない。すなわち、以下に記載する各層
のうちから、適宜選択可能であり、また、以下の説明に
限定されず、感熱記録媒体として公知の層を用いること
もできる。このような感熱記録層1は、たとえば3〜6
μm程度の厚さに形成される。
は、上記したような感熱記録層を有することが好ましい
が、例えば、長鎖アルキル基を有するフェノール性化合
物等の顕色剤(顕減色剤)とすることにより、感熱記録
層1を、加熱温度または加熱時間の違いにより発色と消
色とを繰り返すことのできる可逆性感熱記録層とするこ
ともでき、さらに感熱記録層と、可逆性感熱記録層とを
設けることもできる。また、前記可逆性感熱記録層に使
用する顕色剤(顕減色剤)として、当該分野で公知の材
料として一般的に使用されているものを用いることがで
きる。
通常絵柄層あるいは印刷層として用いられているものが
使用される。このような印刷層2は、いわゆる地紋など
の画像情報および/または印字情報などあらゆる情報等
を、適宜選択しあるいは組み合わせ、これらを印刷する
ことによって得ることができる。このような印刷層2
は、たとえば色彩、濃淡、反射度の違いなどの光学的な
変化を示すように形成することもできる。本発明に係る
感熱記録媒体は、このような印刷層2を含んでいればよ
く、たとえば上記感熱記録層1上に印刷層2を設けるこ
ともできる。
することもできる。磁気記録層4 磁気記録層4は、従来の磁気記録媒体において磁気記録
層として一般に用いられているものを用いることが出来
る。例えば、磁性材料として粒径10μm以下好ましく
は0.01〜5μmのBa−フェライト、Sr−フェラ
イト、Co被着γ−Fe2 O3 、γ−Fe2 O3 、針状
鉄粉、CrO2 などが挙げられる。このような磁性材料
の他に、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ビニ
ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂又はそれらの混合樹脂を
バインダー樹脂として用いることが出来る。バインダー
樹脂と磁性材料との混合比は、基材2との接着性や塗膜
強度及び磁気ヘッドによる検出電圧等を考慮して適宜設
定される。このようなバインダー樹脂と磁性材料との混
合比は通常、重量比で、バインダー樹脂/磁性材料=1
/1〜1/10の範囲、好ましくは1/2〜1/8程度
である。磁気記録層を含む場合には、この磁気記録層の
厚さは通常、5〜20μm程度である。
共に感熱記録層1の発色の色彩に対し十分なコントラス
トを付与するような色彩を有する。本発明においては、
隠蔽層5は、アルミニウムペースト等の金属粒子や酸化
チタン等の金属酸化物粒子により着色して形成すること
ができる。
ルミニウム、亜鉛または銅等が挙げられ、金属酸化物粒
子としては酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これ
らは樹脂溶液中に分散した状態で用いることができ、塗
工して隠蔽層5を形成する。また隠蔽層5として金属蒸
着層を用いる場合は、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケ
ル、金、銀、スズ等を蒸着により形成することもでき
る。このような隠蔽層5の厚さは例えば1〜5μm程度
である。なお本発明では、前記隠蔽層に接着機能を付与
した隠蔽接着層とすることができる。このような接着機
能を付与する方法としては、上記したバインダ樹脂を着
色して形成することができる。
うように設けることができる。このような保護層として
は、通常保護層8として使用されているものであれば特
に制限なく用いられるが、好ましくは、紫外線硬化型樹
脂を用いて構成することができ、この保護層には、シリ
カ等の充填材が含有されていてもよく、また、必要に応
じて、さらに、分散剤、フッ素系などの界面活性剤、導
電剤、充填剤、シリコーンなどの滑剤、酸化防止剤、光
安定化剤、紫外線吸収剤、発色安定化剤、消色促進剤な
どを含むこともできる。
る層であり、各層間にアンカー層を適宜設けることがで
きる。このようなアンカー層を構成する樹脂としては、
具体的には、ポリエステル樹脂、ウレタンアクリレート
系樹脂、不飽和ポリエステルアクリレート系樹脂などが
挙げられる。なお前記したアクリレート系樹脂は、紫外
線硬化性樹脂であっても良い。
と、感熱記録層と、印刷層とを有していればよいが、さ
らに、磁気記録層4などの層を設けることもできる。こ
のような層の順番は任意であってもよいが、本発明では
層の積層例として、たとえば基材3/磁気記録層4/隠
蔽層5/感熱記録層1/印刷層2/保護層とが設けられ
る構成の感熱記録媒体、あるいは基材3/磁気記録層4
/隠蔽層5/感熱記録層1/保護層/印刷層2の感熱記
録媒体とすることもでき、さらに、図2に示すように、
印刷層2/感熱記録層1/基材3/磁気記録層4/隠蔽
層5/感熱記録層1/印刷層2とする構成を採用するこ
とができる。なお上記層構成において、最上層あるいは
最下層に保護層を設けるかあるいは省略することも適宜
変更可能である。
うな層を基材上の片面または両面の一部もしくはこれら
の面全面に、積層することによって得られる。基材上に
層を形成する方法としては、オフセット印刷、スクリー
ン印刷などの印刷法や、グラビアコーター、バーコータ
ー、ナイフコーター等を用いて公知の方法により作製す
ることができる。
造方法としては、特に、基材上に特定の滑剤を特定量含
む感熱記録層を形成した後に、この感熱記録層上に保護
を目的とする層を形成せずに、印刷層を直接形成するこ
とができる。また本発明では、図3に示すように、ロー
ル状態で基材を搬送させながら特定の滑剤を特定量含む
感熱記録層形成用塗料を塗布乾燥して感熱記録層を形成
した後にシートカットし、その後、印刷層を常法に従い
形成した後に保護層を形成して感熱記録媒体を製造する
ことを特徴とする。この感熱記録層形成用塗料を調製す
る際に使用されるロイコ染料、顕色剤、滑剤およびバイ
ンダーの混合する順序は問わず任意であり、あるいは同
時に混合してもよく、また混合方法は、攪拌などの公知
の方法が広く採用できる。
囲の温度、気圧、湿度および乾燥炉の大きさ(乾燥炉
長)により多少変化するが、概ね40〜100℃の範囲
で、好ましくは60℃〜100℃の範囲で行われる。な
お使用される滑剤が常温で固形であり、融点を有する場
合には、上記温度は、概ね40〜融点未満の温度で、好
ましくは40〜100℃の範囲で、より好ましくは60
℃〜100℃の範囲で行われる。このように融点を有す
る滑剤を用いた場合には、融点以下の温度で乾燥するこ
とにより、滑剤の分散度が実質的に変化せず、得られる
感熱記録層およびこのような感熱記録層を有する感熱記
録媒体は、耐傷性に優れ、発色性、物理的特性にも優れ
る。このような乾燥工程により基材上に感熱記録層が設
けられた感熱記録形成用シートは、滑剤が感熱記録層上
に密集等して形成されると推測され、このような基材上
に感熱記録層が形成されたシートは、滑り性が向上して
傷が付きにくくなるものと推定される。
に感熱記録層を形成して得られた感熱記録媒体用シート
をシートカットする前に、感熱記録層に搬送時あるいは
シートカット時に傷の発生を防止するために、保護層を
設ける工程を省略することが可能となる。このような本
発明に係る感熱記録媒体の製造方法によって、製造工程
の一部が省略可能となり、得られる感熱記録媒体の歩留
まりの向上がさらに図れる。なお本発明では、基材上に
磁気記録層を介して感熱記録層を形成する場合には、基
材上に磁気塗工を常法に従い形成した後エージング処理
して隠蔽層を形成し、その後、隠蔽層上に感熱記録層を
前記同様にして形成し、その後、前記同様にしてシート
カット等することによって、感熱記録媒体が製造され
る。
に説明するが、本発明は、これら実施例に拘束されて解
釈すべきものではない。
に、下記の組成の感熱記録層形成用塗料を塗工して、乾
燥膜厚が4〜5μmの感熱記録層を形成した。
をシートカットし、シートカットした感熱記録層上に、
紫外線硬化性インキを用いて、絵柄、文字等の印刷を行
った。その後、紫外線硬化型塗料を塗工し、紫外線照射
により硬化させて乾燥膜厚が1μmの保護層を形成して
図1に示す感熱記録媒体を作製した。得られた感熱記録
媒体を、以下の試験により評価した。
評価を行った。 ○:4/5以上合格(傷無し) △:2/5以上合格
×:全て傷あり 発色性試験 熱傾斜試験機を用い、140℃、1秒、200g/cm
2の印字条件で、マクベス濃度計RD918による濃度
値を測定して評価した。 ○:1.5以上 △:1.5未満 ×:スティ
キング測定不能
放置後、ガーゼでふき取り外観を目視により以下の基準
で評価した。 ○:変化無し △:若干曇りあり ×:感熱記
録層が発色 このような評価法により、得られた感熱記録媒体を評価
した。結果を表1に示す。
以外は、実施例1と同様にして感熱記録媒体を作製し
た。得られた感熱記録媒体を実施例1と同様にして試験
を行った。結果を表1に示す。
は、実施例1と同様にして感熱記録媒体を作製した。得
られた感熱記録媒体を実施例1と同様にして試験を行っ
た。結果を表1に示す。
と、比較例1はワックスが感熱記録層に配合されていな
い例であり、得られた感熱記録媒体の耐傷性が劣ってい
た。比較例2は、感熱記録層に用いられた滑剤の量が
8.99重量%(固形分換算)と多く用いた場合の例で
あり、この感熱記録媒体は、発色特性および物理特性が
劣っていた。比較例3は感熱記録層に用いられた滑剤の
量が0.47重量%(固形分換算)と少ない例であり、
得られた感熱記録媒体は、耐傷性が劣っていた。比較例
4は分散度が本発明の範囲を越えた例であり、得られた
感熱記録媒体は、発色性が多少悪く、特に物理特性に劣
っていた。これに対し、実施例1〜9は本発明に係る感
熱記録媒体であり、耐傷性、発色性および物理特性がと
もにバランスよく、ワックス含量が0.8〜6.5重量
%であり分散度が2〜45程度の組み合わせのものを使
用することで、耐傷性、発色性および物理特性がともに
バランスのよい感熱記録媒体が製造される。好ましく
は、使用されるワックスが固形分換算で0.8〜6重量
%の範囲であり、分散度が2〜45であり、特に好まし
くは、使用されるワックスが固形分換算で1.2〜3重
量%の範囲であり、かつ分散度が8〜25程度のものが
最も望ましい。このような範囲の特定のワックスを用い
ることにより、特に、耐傷性、発色性および物理特性が
ともにバランスのよい感熱記録媒体が製造される。
表面(おもてめん)上に、下記の組成の磁気層形成用塗
布液を用いて磁気塗工した。
m)上に、下記の組成の隠蔽層形成用塗布液を用いて塗
工し乾燥して、1〜2μmの厚さに隠蔽層を形成した。 隠蔽層形成用塗布液 アルミニウムペースト(旭化成製) 100重量部 バインダー樹脂(DIC製、ポリオール) 200重量部 MEK 60重量部 トルエン 100重量部
の裏面上の双方に、乾燥膜厚が5〜10μmの感熱記録
層となるように、下記の感熱記録形成用塗布液を塗工し
た。
をシートカットし、表面(おもて面)全面に紫外線硬化
性アンカー層用塗料を塗工した後紫外線を照射して乾燥
膜厚が1〜3μmのアンカー層を形成した後、裏面に
も、同様にしてアンカー層を形成した。次に裏面にスミ
インキを用いて1〜3μmの厚さに文字等を印刷して印
刷層を形成し、次いでおもて面に印刷層を形成した後、
印刷層が設けられた基材のおもて面および裏面上に紫外
線硬化型樹脂塗料を塗工後、紫外線を照射して1〜3μ
mの厚さに保護層を形成した。次ぎに抜き工程により所
定の大きさに打抜いて感熱記録媒体を作製した。得られ
た感熱記録媒体を実施例1と同様に評価したところ、両
面とも実施例1と同様の良好な試験結果が得られた。な
お本感熱記録媒体の製造において、おもて面に保護層と
印刷層を設けているが、その積層の順番を換えてもよ
く、また、裏面の保護層と印刷層の積層の順番も前記同
様に換えてもよい。また、この実施例10では、基材の
両面にそれぞれアンカー層を形成した後、それぞれ印刷
層を形成後、保護層を形成しているが、いずれか一方の
面に、アンカー層、印刷層および保護層を形成した後、
これらの層を形成した面と反対面に、前記同様に、アン
カー層、印刷層および保護層を形成してもよい。
設けられた感熱記録層上に印刷層が設けられこの感熱記
録媒体中の感熱記録層は、発色剤と顕色剤と滑剤とを有
しているので、耐傷性、発色性および物理特性がともに
バランスに優れており、アルコール等の極性溶媒に侵食
されない。
法は、基材上に感熱記録層を形成した後に、感熱記録層
上に保護層を介さずに印刷層を設けることを特徴として
おり、保護層を設けずに印刷層が形成できるため、工程
を簡略化でき、コストの低減化並びに得られる感熱記録
媒体の歩留まりを上げることができる。
は、基材上に感熱記録層を形成して得られた感熱記録媒
体形成用シートをシートカットした後に印刷層を設ける
ことができ、前記同様の効果が得られる。
は、基材上に感熱記録層を形成して得られた感熱記録媒
体形成用シートをシートカットした後に感熱記録層上に
印刷層を直接設けることができ、前記同様の効果が得ら
れる。
す図である。
す図である。
概略的に示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 基材と、感熱記録層と、印刷層とが設け
られた感熱記録媒体であって、 前記感熱記録層は、発色剤と顕色剤と滑剤とを有するこ
とを特徴とする感熱記録媒体。 - 【請求項2】 前記感熱記録層の滑剤含量が、0.8〜
6.5重量%であることを特徴とする請求項1に記載の
感熱記録媒体。 - 【請求項3】 JIS K 5400で測定した前記滑
剤の分散度が2〜45であることを特徴とする請求項1
または2に記載の感熱記録媒体。 - 【請求項4】 前記感熱記録媒体は、感熱記録層上に直
接印刷層を設けることを特徴とする請求項1〜3のいず
れか1項に記載の感熱記録媒体。 - 【請求項5】 基材と、感熱記録層と、印刷層とを有す
る感熱記録媒体の製造方法であって、 前記方法は、基材上に直接または他の層を介して滑剤を
含有した感熱記録層を形成した後に、感熱記録層上に保
護層を介さずに印刷層を設けることを特徴とする感熱記
録媒体の製造方法。 - 【請求項6】 基材と、感熱記録層と、印刷層とを有す
る感熱記録媒体の製造方法であって、 前記方法は、基材上に直接または他の層を介して滑剤を
含有した感熱記録層を形成して得られた感熱記録媒体形
成用シートをシートカットした後に印刷層を設けること
を特徴とする感熱記録媒体の製造方法。 - 【請求項7】 基材と、感熱記録層と、印刷層とを有す
る感熱記録媒体の製造方法であって、 前記方法は、基材上に直接または他の層を介して滑剤を
含有した感熱記録層を形成して得られた感熱記録媒体形
成用シートをシートカットした後に感熱記録層上に印刷
層を設けることを特徴とする感熱記録媒体の製造方法。
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