JP2002036234A - 再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成形品の製造方法および再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成形品 - Google Patents

再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成形品の製造方法および再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成形品

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JP2002036234A
JP2002036234A JP2000230926A JP2000230926A JP2002036234A JP 2002036234 A JP2002036234 A JP 2002036234A JP 2000230926 A JP2000230926 A JP 2000230926A JP 2000230926 A JP2000230926 A JP 2000230926A JP 2002036234 A JP2002036234 A JP 2002036234A
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polyethylene terephthalate
thermoplastic resin
resin
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JP2000230926A
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Minoru Hayashi
稔 林
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥工程におけるブロック化を防止し、溶融
混練工程を経ることなく低コストな再生ポリエチレンテ
レフタレート樹脂成形品を製造する。 【解決手段】 ペレットあるいはフレーク状の再生ポリ
エチレンテレフタレート樹脂とペレットあるいはフレー
ク状の熱可塑性樹脂組成物を混合して再生ポリエチレン
テレフタレート基混合物を得る混合工程と、該再生ポリ
エチレンテレフタレート基混合物を乾燥する乾燥工程
と、乾燥した前記再生ポリエチレンテレフタレート基混
合物を射出する射出成形工程からなることを特徴とする
再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成形品の製造方法
およびその製造方法で製造した再生ポリエチレンテレフ
タレート樹脂成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は再生ポリエチレンテ
レフタレート樹脂成形品の製造方法および再生ポリエチ
レンテレフタレート樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】容器包装リサイクル法の施行に伴い、飲
料ボトル、醤油容器などに用いられているポリエチレン
テレフタレート樹脂(以後、PETと称する)製のボト
ル、カップの回収が進み、回収量が膨大な量になってい
くなか、回収されたPETの利用先を見つけることが社
会的に重要となっている。
【0003】PETボトルの再生方法としては、PET
樹脂をモノマーに分解して再利用するケミカルリサイク
ル、粉砕して再生PET樹脂として再利用するマテリア
ルリサイクル、焼却時の熱を利用するサーマルリサイク
ルなどが挙げられるが、ケミカルリサイクル、サーマル
リサイクルは不経済であることが指摘されており、再生
PET樹脂として再利用するマテリアルリサイクルが現
在のところ最も望ましいと考えられている。
【0004】マテリアルリサイクルでは、通常、粉砕、
風力選別によりラベルを除去、洗浄、比重差による他材
料の分離除去、乾燥により再生PET樹脂フレークがで
き上がり、更に加熱溶融してフィルターを通すことで純
度を上げ、押出し機を通してペレット化し、再生PET
樹脂ペレットができ上がる。再生PET樹脂の利用先と
しては、衣服類、カーペットなどの繊維製品がほとんど
であるが、今後更にPETボトルの回収は増大すること
が予想されるため、成形品としての利用拡大が要望され
ている。
【0005】しかし、再生PET樹脂は特殊な熱処理を
行わない限り非結晶状態であり、加熱温度がガラス転移
温度を越えると軟化して融着性を有するようになるた
め、ホッパードライヤーなどの乾燥機を用い130〜1
40℃で3〜4時間程度の乾燥を行った場合に粒子同士
が付着してブロック化しておこし状になり、乾燥機から
射出成形機内への材料の送り出しが困難になる。また、
再生PET樹脂単体では、機械的な強度、耐熱性などが
不足しており、他の樹脂材料や強化剤、添加剤等を配合
することが望ましい。
【0006】従来技術1として、一般的に非結晶のPE
T樹脂に熱処理等を行い、表面を結晶化させることによ
り乾燥時のブロック化を防止した結晶化PET樹脂にし
てから射出成形して再生PET樹脂成形品を製造する方
法が行われている。
【0007】従来技術2として、特開平7−27645
0号公報には、スクリュー溝断面積を工夫したベント式
射出成形機を用いて再生PET樹脂成形品を製造する方
法が開示されている。
【0008】従来技術3として、特開平7−11851
6号公報には、再生PET樹脂とポリフェニリンエーテ
ル樹脂、エラストマー、相溶化剤を溶融混練した熱可塑
性樹脂組成物が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1は、再生PET樹脂を結晶化する工程が必要である
ので、未結晶のPET樹脂と比べコスト高となる問題点
がある。
【0010】従来技術2は、予備乾燥なしに再生PET
樹脂成形品を製造できるとされているので、ブロック化
が生じないが、特殊な射出成形機が必要でありコスト高
をなる問題点がある。
【0011】従来技術3は、溶融混練工程が必要である
ので、コスト高になる問題点がある。また、このような
材料の配合は一般に、材料混練を専門とするメーカーに
おいて溶融混練によりペレット化し、それを購入して射
出成形する必要があるので、成形メーカーとして自由に
配合したり、少量生産できないし、材料費としてはコス
ト高となる問題点がある。
【0012】本発明は上記課題を解決したもので、乾燥
工程におけるブロック化を防止し、溶融混練工程を経る
ことなく低コストな再生ポリエチレンテレフタレート樹
脂成形品を製造できる再生ポリエチレンテレフタレート
樹脂成形品の製造方法および低コストな再生ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂成形品を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、ペレットあ
るいはフレーク状の再生ポリエチレンテレフタレート樹
脂とペレットあるいはフレーク状の熱可塑性樹脂組成物
を混合して再生ポリエチレンテレフタレート基混合物を
得る混合工程と、該再生ポリエチレンテレフタレート基
混合物を乾燥する乾燥工程と、乾燥した前記再生ポリエ
チレンテレフタレート基混合物を射出する射出成形工程
からなることを特徴とする再生ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂成形品の製造方法である。
【0014】上記第1の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0015】すなわち、再生ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂と融着しにくい熱可塑性樹脂組成物を混合するこ
とにより、再生ポリエチレンテレフタレート樹脂と熱可
塑性樹脂組成物の接触部から容易に崩れることができる
ため、乾燥工程のペレットがブロック化することを防止
できる。この結果、溶融混練工程や特殊な射出成形機が
必要ないので、低コストの再生PET樹脂成形品が製造
できる。また成形メーカー独自で再生PET樹脂を再利
用でき、配合の自由度が増し、少量生産にも適している
ので、再生PET樹脂の用途を拡大でき、リサイクル化
を促進できる。
【0016】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記再生ポリエチレンテレフ
タレート樹脂対前記熱可塑性樹脂組成物の混合比が70
対30から10対90の重量比であることを特徴とする
請求項1記載の再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成
形品の製造方法である。
【0017】上記第2の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0018】すなわち、再生ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂対熱可塑性樹脂組成物の混合比が70対30の重
量比以下であることにより確実にブロック化を防止で
き、10対90の重量比以上であることにより再生ポリ
エチレンテレフタレート樹脂の利用率を高め、ポリエチ
レンテレフタレートのリサイクルを促進できる。
【0019】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、前記熱可塑性樹脂組成物があ
らかじめ強化剤を溶融混練しペレット化した強化熱可塑
性樹脂組成物であり、前記再生ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂対前記強化熱可塑性樹脂組成物の混合比が80
対20から10対90の重量比であることを特徴とする
請求項1記載の再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成
形品の製造方法である。
【0020】上記第3の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0021】すなわち、再生ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂対強化熱可塑性樹脂組成物の混合比が80対20
の重量比以下であることにより確実にブロック化を防止
でき、10対90の重量比以上であることにより再生ポ
リエチレンテレフタレート樹脂の利用率を高め、ポリエ
チレンテレフタレートのリサイクルを促進できる。強化
剤をあらかじめ配合された強化熱可塑性樹脂組成物を用
いているので、再生ポリエチレンテレフタレート樹脂と
熱可塑性樹脂組成物の接触部の融着防止能力が高く、熱
可塑性樹脂組成物少量でブロック化を防ぐことができる
とともに、機械的強度に優れた成形品を得ることができ
る。
【0022】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項4において講じた技術的手段(以下、第4の技
術的手段と称する。)は、前記熱可塑性樹脂組成物がポ
リブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂
の少なくとも一方を主成分とする熱可塑性樹脂組成物で
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成形品の製造方法
である。
【0023】上記第4の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0024】すなわち、ポリブチレンテレフタレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂は再生ポリブチレンテレフタ
レート樹脂と部分的な相溶性があるので、再生ポリエチ
レンテレフタレート樹脂成形品の強度低下を防ぐことが
できる。
【0025】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項5において講じた技術的手段(以下、第5の技
術的手段と称する。)は、請求項1〜4の再生ポリエチ
レンテレフタレート樹脂成形品の製造方法を用いて製造
したことを特徴とする再生ポリエチレンテレフタレート
樹脂成形品である。
【0026】上記第5の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0027】すなわち、乾燥時のブロック化を防止でき
る製造方法で製造するので、溶融混練工程や特殊な射出
成形機が必要なく低コストの再生PET樹脂成形品が得
られる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明は、再生PET樹脂の用途
を拡大するために再生PET樹脂を経済的に優れた方法
で活用し、表面外観性、機械的強度、耐薬品性、低そり
性、耐熱性など諸特性に優れた成形品を得ることができ
るようにしたもので、自動車部品や家電部品、事務機、
OA機器など幅広い分野に応用できるものである。
【0029】再生PET樹脂の用途を拡大するために、
本発明は成形メーカーが特殊な成形機を用いることな
く、社内において再生PET樹脂を用いて再生PET樹
脂成形品を製造するものである。そのために溶融混練を
経ることなく、乾燥工程でブロック化が生じない製造方
法を発明するに至った。
【0030】すなわち、フレーク状あるいはペレット状
にした未結晶の再生PET樹脂を、他の熱可塑性樹脂組
成物とペレット同士で混合した後乾燥し、射出成形機に
供給して成形することにより、再生PET樹脂が乾燥機
の中でおこし状に融着し射出成形機に供給できなくなる
ことを防ぐことができるようにするとともに、混合する
相手の熱可塑性樹脂組成物として、あらかじめ強化剤や
添加剤などを添加したものを用いることで、機械的強
度、耐熱性など諸特性に優れた成形品を得るものであ
る。
【0031】本発明に使用できる再生PET樹脂として
は、PETボトルから再生されたものが代表的である
が、それに限定されるものではなく、フィルムや繊維な
どPET樹脂が使用されているものであれば利用するこ
とが可能であり、また、市場から回収されたもの以外で
も、例えば製造工程で生じるバリ、耳、不良品なども利
用することが可能である。また、本発明の特性を害さな
い程度で他の成分が含まれていても差し支えない。
【0032】本発明の強化剤としては、成形品の強度、
剛性、耐熱性、寸法安定性など諸特性を向上させるため
のものであり、無機あるいは有機フィラーとして通常使
用されているものである。具体的には、ガラス繊維、ガ
ラスビーズ、タルク、マイカ、ワラストナイト、炭酸カ
ルシウム、炭素繊維、グラファイトなどの無機フィラ
ー、あるいは木粉、ケナフ繊維などの天然物や、芳香族
ポリアミド繊維等の有機フィラーが例示され、これらの
有機あるいは無機フィラーを一種あるいは二種以上を混
合して用いることができる。
【0033】これ以外にも本発明の特性を害さない範囲
で例えば酸化防止剤、熱劣化防止剤、光安定剤、紫外線
吸収剤、滑剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤などの添加
剤や他の樹脂成分や充填剤を含んでもよい。
【0034】以下、本発明の実施例について説明する。
【0035】(実施例1〜4、比較例1)熱可塑性樹脂
組成物としてワラストナイト13%を配合したポリカー
ボネートを用いた。ワラストナイトは良好な外観を保持
しながら強度・剛性を向上させるための強化剤である。
【0036】図1に実施例・比較例の製造方法を説明す
る説明図である。再生PET樹脂供給部1に保管されて
いる再生PET樹脂(結晶化開始温度約110℃)のペ
レットと熱可塑性樹脂組成物供給部2に保管されている
ワラストナイト(強化剤)13%を配合したポリカーボ
ネート樹脂のペレットを計量器3を用いて、再生PET
樹脂対熱可塑性樹脂組成物の混合比が80対20、60
対40、40対60、20対80、100対0の重量比
になるように計量した。
【0037】計量されたペレットをリボン型混合機4に
投入し固体状態で混合し再生PET基混合物を作製した
(混合工程)。この再生PET基混合物を130℃に設
定したホッパードライヤー(乾燥機)5に投入し3時間
の乾燥を行った(乾燥工程)。乾燥終了後、射出成形機
10のシリンダ6内への送り出しが可能かどうかの評価
を行った。
【0038】(実施例5〜7、比較例2、3)熱可塑性
樹脂組成物としてポリブチレンテレフタレート(以後、
PBTと称する)樹脂を用いた以外、実施例1〜4、比
較例1と同様な方法で再生PET基混合物を作製、乾燥
し、乾燥終了後、射出成形機6内への送り出しが可能か
どうかの評価を行った。
【0039】(実施例8〜11、比較例4)熱可塑性樹
脂組成物としてガラス繊維45%を配合したPBT樹脂
を用いた以外、実施例1〜4、比較例1と同様な方法で
再生PET基混合物を作製、乾燥し、乾燥終了後、射出
成形機6内への送り出しが可能かどうかの評価を行っ
た。ガラス繊維は強度・剛性を大幅に向上させるための
強化剤である。
【0040】(評価結果)表1に実施例1〜4、比較例
1の評価結果をを示す。再生PET樹脂だけの比較例1
の場合は、ホッパードライヤー5からの送り出しができ
なかった。ワラストナイト13%を配合したポリカーボ
ネート樹脂が20重量%以上含まれている実施例1〜4
の場合は、ホッパードライヤー5からの送り出しが可能
であった。
【0041】
【表1】 表2に実施例5〜7、比較例2、3の評価結果を示す。
PBT樹脂が20重量%以下の比較例2、3の場合は、
ホッパードライヤー5からの送り出しができなかった。
一方、PBT樹脂が20重量%より多い実施例5〜7の
場合は、ホッパードライヤー5からの送り出しが可能で
あった。
【0042】
【表2】 表3に実施例8〜11、比較例4の評価結果を示す。再
生PET樹脂だけの比較例4の場合は、ホッパードライ
ヤー5からの送り出しができなかった。ガラス繊維45
%を配合したPBT樹脂が20重量%以上含まれている
実施例1〜4の場合は、ホッパードライヤー5からの送
り出しが可能であった。
【0043】
【表3】 図2は実施例2のホッパードライヤー5内のペレットを
様子を示した模式図であり、図3は比較例1のホッパー
ドライヤー5内のペレットを様子を示した模式図であ
る。実施例2のペレットは、再生PET樹脂11とワラ
ストナイト13%を配合したポリカーボネート樹脂12
が混合されている。比較例1のペレットは、再生PET
樹脂11だけから構成されている。
【0044】再生PET樹脂11だけのペレットの比較
例1の場合、再生PET樹脂11は乾燥工程の熱により
その表面が軟化し、再生PET樹脂間接触部13で互い
に融着されるため、ブロック化しおこし状になりホッパ
ードライヤー5から送り出すことができなくなった。
【0045】一方、ワラストナイト(強化剤)を配合し
たポリカーボネート樹脂12が再生PET基混合物に含
まれている実施例2の場合、再生PET樹脂11同士は
再生PET樹脂間接触部13で互いに融着されが、再生
PET樹脂11とポリカーボネート樹脂12の接触部1
4での融着は起こらないか、融着が起こってもその接着
力は非常に小さい。この状態でホッパードライヤー5の
下部が開くと、再生PET基混合物の自重による力がか
かり接触部14からくずれていき、再生PET基混合物
のペレットがホッパードライヤー5から送り出される。
【0046】このように再生PET樹脂に熱可塑性樹脂
組成物を配合することにより乾燥工程におけるブロック
化を防止できる。これにより溶融混練工程を経ることな
く再生PET樹脂成形品が製造できる。このため溶融混
練工程や特殊な射出成形機が必要ないので、低コストの
再生PET樹脂成形品が製造できる。また成形メーカー
独自で再生PET樹脂を再利用でき、配合の自由度が増
し、少量生産にも適しているので、再生PET樹脂の用
途を拡大でき、リサイクル化を促進できる。
【0047】ブロック化を防止できるために必要な熱可
塑性樹脂組成物の配合量は、熱可塑性樹脂組成物の種類
により適宜選択できる。実施例1〜4、実施例8〜11
のように、熱可塑性樹脂に強化剤が配合されている強化
熱可塑性樹脂組成物を使用した場合、再生PET樹脂対
強化熱可塑性樹脂組成物の混合比を80対20から10
対90の重量比で選択することによりブロック化を防止
できる。この混合比が10対90より小さいと再生PE
T樹脂の利用量が少なすぎて再生PET樹脂のリサイク
ルの役目を果たさない。
【0048】リサイクル量を増やすために、再生PET
樹脂対強化熱可塑性樹脂組成物の混合比が20対80よ
り大きいことが望ましい。またブロック化を確実に防止
するために、再生PET樹脂対強化熱可塑性樹脂組成物
の混合比が70対30より小さいことが望ましい。さら
に望ましくは再生PET樹脂対強化熱可塑性樹脂組成物
の混合比が60対40より小さいことがよい。
【0049】実施例5〜7のように、熱可塑性樹脂に強
化剤が配合されていない熱可塑性樹脂組成物を使用した
場合、再生PET樹脂対熱可塑性樹脂組成物の混合比を
70対30から10対90の重量比で選択することによ
りブロック化を防止できる。この混合比が10対90よ
り小さいと再生PET樹脂の利用量が少なすぎて再生P
ET樹脂のリサイクルの役目を果たさない。
【0050】リサイクル量を増やすために、再生PET
樹脂対熱可塑性樹脂組成物の混合比が20対80より大
きいことが望ましい。またブロック化を確実に防止する
ために、再生PET樹脂対熱可塑性樹脂組成物の混合比
が60対40より小さいことが望ましい。さらに望まし
くは再生PET樹脂対熱可塑性樹脂組成物の混合比が5
5対45より小さいことがよい。
【0051】熱可塑性樹脂に強化剤が配合されていない
非強化熱可塑性樹脂組成物を使用した場合の方が、強化
剤を配合した強化熱可塑性樹脂組成物を使用した場合よ
り多くの熱可塑性樹脂組成物を使用しないとブロック化
が防止できない理由は、熱変形温度の差にあると考えら
れる。
【0052】実施例1〜11、比較例1〜4に使用した
樹脂材料の特性を表4に示す。1.84MPaの応力を
かけたときの熱変形温度は、強化熱可塑性樹脂組成物の
方が非強化熱可塑性樹脂組成物よりはるかに高い。この
結果、強化熱可塑性樹脂組成物では再生PET樹脂との
接触部の融着がほとんど起こらず、少量の配合でブロッ
ク化を防止できたと考えられる。
【0053】
【表4】 実施例3の材料を用いて、再生PET基混合物を作製、
乾燥後、シリンダ6(シリンダ温度265℃)で溶融混
練して金型7(金型温度70℃)内に射出し自動車用外
装部品であるセンターピラーモールおよびアウトサイド
ハンドルを成形した(射出成形工程)。いずれも外観、
物性ともに良好な成形品が得られた。ポリカーボネート
樹脂は再生PET樹脂と部分的な相溶性があるので、再
生PET樹脂成形品の強度低下を防ぐことができ、物性
の良好な成形品が得られた。PBT樹脂を用いた場合
も、再生PET樹脂と部分的な相溶性があるので、ポリ
カーボネート樹脂と同様に物性の良好な成形品が得られ
た。
【0054】なお、実施例の乾燥工程で使用したホッパ
ードライヤー5は射出成形機10に付属したものである
が、射出成形機と別体の乾燥機を使用してもかまわな
い。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明は、ペレットある
いはフレーク状の再生ポリエチレンテレフタレート樹脂
とペレットあるいはフレーク状の熱可塑性樹脂組成物を
混合して再生ポリエチレンテレフタレート基混合物を得
る混合工程と、該再生ポリエチレンテレフタレート基混
合物を乾燥する乾燥工程と、乾燥した前記再生ポリエチ
レンテレフタレート基混合物を射出する射出成形工程か
らなることを特徴とする再生ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂成形品の製造方法およびその製造方法で製造した
再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成形品であるの
で、乾燥工程におけるブロック化を防止し、溶融混練工
程を経ることなく低コストな再生ポリエチレンテレフタ
レート樹脂成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例・比較例の製造方法を説明する説明図
【図2】実施例2のホッパードライヤー5内のペレット
を様子を示した模式図
【図3】比較例1のホッパードライヤー5内のペレット
を様子を示した模式図
【符号の説明】
4…リボン型混合機 5…ホッパードライヤー(乾燥機) 10…射出成形機 11…再生ポリエチレンテレフタレート樹脂 12…ワラストナイト13%を配合したポリカーボネー
ト樹脂(強化熱可塑性樹脂組成物)(熱可塑性樹脂組成
物)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/02 ZAB C08L 67/02 ZAB 69/00 69/00 101/00 101/00 // B29K 67:00 B29K 67:00 69:00 69:00 Fターム(参考) 4F070 AA47 AA50 AB26 AC22 AC28 AD02 AE01 FA01 FA17 FB06 FC02 4F071 AA02 AA45 AA46 AA50 AB26 AB28 AD01 AD05 AE17 AG34 BA01 BB05 BC07 4F201 AA24 AA25 AA28 AB11 AC01 AH18 AH33 BA01 BK01 BK12 BK33 BN21 BQ07 4F206 AA24 AA25 AA28 AB11 AC01 AH18 AH33 JA07 JF51 JQ81 4J002 AA01X AH003 CF06W CF07X CG00X CL003 DA016 DA026 DE236 DJ006 DJ046 DJ056 DL006 FA01W FA01X FA046 FA086 FD013 FD016

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペレットあるいはフレーク状の再生ポリ
    エチレンテレフタレート樹脂とペレットあるいはフレー
    ク状の熱可塑性樹脂組成物を混合して再生ポリエチレン
    テレフタレート基混合物を得る混合工程と、該再生ポリ
    エチレンテレフタレート基混合物を乾燥する乾燥工程
    と、乾燥した前記再生ポリエチレンテレフタレート基混
    合物を射出する射出成形工程からなることを特徴とする
    再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成形品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記再生ポリエチレンテレフタレート樹
    脂対前記熱可塑性樹脂組成物の混合比が70対30から
    10対90の重量比であることを特徴とする請求項1記
    載の再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成形品の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂組成物があらかじめ強
    化剤を溶融混練しペレット化した強化熱可塑性樹脂組成
    物であり、前記再生ポリエチレンテレフタレート樹脂対
    前記強化熱可塑性樹脂組成物の混合比が80対20から
    10対90の重量比であることを特徴とする請求項1記
    載の再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成形品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂組成物がポリブチレン
    テレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂の少なくと
    も一方を主成分とする熱可塑性樹脂組成物であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の再生ポリエ
    チレンテレフタレート樹脂成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の再生ポリエチレンテレフ
    タレート樹脂成形品の製造方法を用いて製造したことを
    特徴とする再生ポリエチレンテレフタレート樹脂成形
    品。
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