JP2002035683A - 被覆物の形成方法 - Google Patents

被覆物の形成方法

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JP2002035683A
JP2002035683A JP2000224964A JP2000224964A JP2002035683A JP 2002035683 A JP2002035683 A JP 2002035683A JP 2000224964 A JP2000224964 A JP 2000224964A JP 2000224964 A JP2000224964 A JP 2000224964A JP 2002035683 A JP2002035683 A JP 2002035683A
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JP
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substrate
coating
coating layer
thermosetting
paint
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Pending
Application number
JP2000224964A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ishimori
敬司 石森
Takahiro Kuriyama
貴弘 栗山
Takashi Koide
崇志 小出
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Sekisui Jushi Corp
Original Assignee
Sekisui Jushi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材に熱的な悪影響を及ぼすことなく、基材上
に熱硬化性塗料による被覆物を形成する方法を提供す
る。 【解決手段】基材上に塗布された光透過性の熱硬化性塗
料に近赤外線を照射して硬化反応させることで、被覆層
のみを完全硬化温度に到達させることができ、硬化反応
の際、基材に熱による悪影響を及ぼすことがなくなる。
また熱硬化性塗料は光透過性のものであり、顔料が近赤
外線の透過を妨げることがなく被覆層全体を加熱できる
ことから、被覆層内部に未硬化部分は残存しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材を熱硬化性の
光透過性塗料を用いて被覆物を形成する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】塗料の塗布後、熱風により乾燥させる方
法は広く一般に用いられており、溶媒を効率的に揮発さ
せるとともに、熱により塗膜を硬化させることができる
ことから、該方法は塗料を塗布後に硬化乾燥させて塗膜
を形成する過程において最も確実な方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱風に
よる塗膜を硬化乾燥させる方法は、被覆対象物の大小に
かかわらず大掛かりで煩雑な装置及び工程を必要とし、
また炉内においての温度差が生じる可能性もある。更に
比較的基材の温度上昇速度が小さく、塗膜が熱により十
分に硬化するのに非常に時間を要する。
【0004】予め溶媒を揮発させ乾燥をさせているか、
若しくは必要でないところの熱硬化性塗料の場合、溶媒
の乾燥が重要でないことから熱風により硬化反応させる
利点は大幅に縮小される。
【0005】更に熱風による塗膜の硬化反応では、被覆
層のみならず基材までもが同時に加熱される方法であ
り、十分な硬化反応をさせるには概ね熱硬化性塗料の完
全硬化温度にまで基材の温度も上昇する。熱硬化性塗料
の完全硬化温度が比較的高い場合、かような方法では、
基材によってはそれ自体に悪影響を及ぼされる場合があ
る。
【0006】例えば基材にSUSを用いる場合、SUS
の炭素量により異なるが、粒界腐食を起こす鋭敏化域が
あり、基材がその温度に到達すると加熱前と比較して著
しく耐食性が低下する。熱硬化性塗料を用いる場合で、
その完全反応温度が前記鋭敏化域にあるとき、熱風炉を
用いる方法では完全反応させる温度まで加熱した場合、
前記の如き耐食性の低下が生じる恐れがある。かような
弊害を回避するには温度を下げざるを得ず、そうなると
今度は未反応部分が残存する可能性が高くなる。
【0007】また合成樹脂を基材として用いた場合、1
00℃程度で基材の変形が起こることから、SUS以上
に熱により有害な影響が生じる可能性は高い。
【0008】そこで本発明は、短時間で、基材に熱によ
る悪影響を及ぼすことなく、基材を熱硬化性の光透過性
塗料により被覆する被覆物の形成方法を提供するもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材上に塗布
した熱硬化性の光透過性塗料を、近赤外線を照射して硬
化反応させることを特徴とするものである。
【0010】近赤外線がその輻射熱にて短時間で基材上
の被覆層を含めた表面近傍のみを加熱して硬化反応させ
る。また被覆層は光透過性塗料であることから、顔料が
近赤外線の透過を阻害して被覆層内面の輻射熱の発生が
不足するという現象がなくなり、被覆層全体の均一な加
熱が可能となることで未硬化反応部分の残存を防ぐこと
ができる。
【0011】赤外線は0.8μmから1mm程度の波長
を持つ電磁波であり、可視光線より輻射による熱効果が
大きいことが知られている。その内2.5μm以下の波
長を近赤外線、25μm以上の波長を遠赤外線と呼称す
る。どちらの赤外線を用いても熱硬化性塗料を硬化させ
ることは可能であるが、近赤外線の方がより輻射による
熱効果が高く被照射体の温度上昇速度が大きいため、硬
化反応には近赤外線を用いるのが好ましい。
【0012】前記の如く、遠赤外線と較べ近赤外線は短
時間で被覆層を加熱するには適するが、遠赤外線と較べ
波長が短いために塗料中に顔料が含有されている場合は
顔料の粒子に反射若しくは吸収され易い特性があり、そ
の場合被覆層内部に到達し輻射熱を発生すべき近赤外線
が不足する可能性がある。従って被覆層内部まで十分に
近赤外線が到達し輻射熱を発生させるには熱硬化性の光
透過性塗料を用いるのが好ましい。また熱硬化性塗料は
光透過性であることから、基材より反射する近赤外線も
併せて活用することができ、より硬化反応の効率は向上
する。
【0013】近赤外線の照射は、近赤外線ヒーターを用
いて前記近赤外線を照射する方法で、ランプ同様、ヒー
ターと加熱する基材の距離により基材の熱吸収に差が生
じる。そのため基材がある程度大きいものである場合
は、照射する際にコンベアのような搬送装置を用い基材
を動かし、熱履歴を一定にして照射してもよい。
【0014】また、近赤外線の強度を測定する検知手段
と、その検知手段により測定された赤外線強度に合わせ
て基材と近赤外線ヒーターとの距離を調節する手段を設
けて、基材に照射される近赤外線の強度を一定に保つ方
法を用いてもよい。
【0015】熱硬化性の光透過性塗料の塗布方法は、フ
ローコート、ディップコート、スピンコート、スプレー
コート等、特に限定するものではなく塗料の特性に合わ
せて適宜選択してよい。
【0016】光透過性塗料としては、基材に対し密着性
を有するものであれば特に限定するものではなく、フッ
素系塗料、アクリル系塗料等でもよいが、耐久性、密着
性等の優れたシリコン系のものが好ましい。
【0017】基材は、用いる熱硬化性の光透過性塗料が
密着するのであれば特に限定されるものではないが、あ
まりに低温度域で温度による悪影響が生じるものは好ま
しくない。このことから、金属、ガラス等が好適である
が、熱硬化性の光透過性塗料の硬化温度が比較的低い場
合であれば合成樹脂等を用いてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を以下に示
す。
【0019】(実施例)表面が平滑となされたSUS基
材を中性洗剤にて脱脂洗浄し、純水にて濯ぎイオンブロ
ーにて脱塵を行う。該SUS基材の粒界腐食を起こす鋭
敏化域は450℃〜700℃である
【0020】基材の外面に以下のシリコン系の熱硬化性
の光透過性塗料を塗布した。ペルヒドロポリシラザンを
o−キシレンに溶解し、固形分1〜40wt%の範囲で
溶液を作成し、その溶液10gを常温で撹拌しながら、
トリ−n−ペンチルアミン10〜400mgを徐々に添
加しポリシラザン又はその変成物を主成分とする塗膜形
成用組成物を得た。これを常温、大気圧中で硬化反応後
の被覆層厚が約300nmになるように塗布し、併せて
溶媒を揮発させ乾燥させる。該熱硬化性の光透過性塗料
の完全反応温度は450℃である。
【0021】出力5.6kW、有効長1100mmの近
赤外線ヒーターを50mmピッチで並べた硬化反応炉中
にチェーンコンベアにて搬送し、約3分間近赤外線を照
射して硬化反応させ、硬化反応炉から出た後、ファンに
て冷却させる。
【0022】(比較例)実施例と比較して、近赤外線の
代わりに熱風炉を使用し、その雰囲気温度は400℃、
炉内での乾燥時間は30分であり、他は実施例と同様で
ある。雰囲気温度400℃の設定は、該SUS基材の粒
界腐食を起こす鋭敏化域を回避するためのものである。
【0023】35℃温水を240時間連続噴霧し、その
後蛍光X線測定器にてケイ素量を定量して、35℃温水
噴霧前のケイ素量と比較して塗膜硬化度合いを確認した
ところ、比較例の約60%に対し、実施例は約95%で
あり実施例は未硬化部分がほとんど残存していない。
【0024】また、加熱時間が短縮されたこと、基材ま
で加熱する必要がないこと等から、実施例のエネルギー
消費量は比較例の場合と較べ約50%となっている。
【0025】
【発明の効果】近赤外線がその輻射熱にて短時間で基材
上の被覆層を含めた表面近傍のみを加熱して硬化反応さ
せる。また被覆層は光透過性塗料であることから、顔料
が近赤外線の透過を阻害して被覆層内面の輻射熱の発生
が不足するという現象がなくなり、被覆層全体の均一な
加熱が可能となることで未硬化反応部分の残存を防ぐこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 BB37Z EA19 EB42 4J038 CD091 CG001 DL001 NA12 NA27 PA17 PC02 PC03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性の光透過性塗料を基材上に塗布
    し、次いで近赤外線を照射して硬化反応をさせることを
    特徴とする被覆物の形成方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性の光透過性塗料は、シリコン系
    のものであることを特徴とする請求項1に記載の被覆物
    の形成方法。
JP2000224964A 2000-07-26 2000-07-26 被覆物の形成方法 Pending JP2002035683A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009107768A1 (ja) * 2008-02-29 2009-09-03 Azエレクトロニックマテリアルズ株式会社 シリカ質膜の形成方法およびそれにより形成されたシリカ質膜
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