JP2002035476A - 洗濯機給水口用の粉石鹸収容袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】洗濯槽に粉石鹸を投入する際に発生する粉石鹸
の未溶解残分をなくして，洗濯開始直後から粉石鹸が完
全に溶解して十分な洗濯効果を発揮できる洗濯水を洗濯
槽内に供給する。 【解決手段】粉石鹸を装入した通水性があり粉石鹸が通
過しない布目の粉石鹸収容袋に洗濯機の給水口からの水
を通過させ，粉石鹸収容袋内で給水の撹拌水圧を利用し
て粉石鹸の撹拌溶解を行い十分に粉石鹸が溶解した洗濯
水を洗濯槽に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は洗濯機への給水過程
中に粉石鹸を給水に十分溶解させ、粉石鹸の未溶解分の
ない良好な洗濯液を洗濯槽へ供給するための粉石鹸収容
袋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来は洗濯槽へ粉石鹸を直接投入し，投
入した粉石鹸を溶解するために洗濯槽への給水を少量行
い洗濯槽を数分回転させるか又は粉石鹸袋に粉石鹸を入
れ洗濯槽に投入して粉石鹸を溶解させている。外に洗濯
機の給水口に粉末洗剤としてコンパクト洗剤の投入口を
設けているものもある。又，最近では粉末洗剤用の溶解
装置を有する洗濯機も市販されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術に
は次のような問題があった。

【０００４】粉石鹸に改良された溶解しやすい中空粒状
のものを使用した場合でも，洗濯槽に直接に投入すると
未溶解分が洗濯槽底部に溶け寄り集まって団子状になっ
てしまい，洗濯槽の回転とともに溶け寄った団子状未溶
解分として洗濯物の繊維間や洗濯物の隅部に付着し洗濯
後に残ることが多く，特に寒冷期の低水温状態では未溶
解分が増加し、この傾向が顕著になる。

【０００５】洗濯槽内に浮遊させて使用する従来の粉石
鹸袋に粉石鹸を入れて溶解させる場合でも，洗濯槽への
給水過程では粉石鹸袋内部での溶解は十分に進行できず
未溶解分が粉石鹸袋内で溶け寄り集まって団子状にな
り，以降の溶解の進行は洗濯槽の回転とともに緩慢に進
行するため洗濯開始時には洗濯水の洗濯能力は至って低
い状態となる。

【０００６】洗濯機に洗剤投入容器が設けてある場合は
容器隅部に未溶解洗剤の凝固付着が生じ，濯ぎ水の給水
時にこの未溶解分が再溶解して濯ぎ水に混入してしまい
濯ぎ洗いの障害となる。

【０００７】洗濯機本体に電気的機械的装置を付属させ
石鹸及び洗剤の撹拌溶解を促進する特別の装置を付属さ
せる場合もあるが，洗濯機製造時に余分な費用が必要で
ある。 本発明は，以上の欠点や不便を解決するために
なされたものである。

【０００８】

【問題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために次の技術的手段を講じた。

【０００９】洗濯機給水口下部に粉石鹸を装入した粉石
鹸収容袋を吊り下げ，給水流を粉石鹸収容袋を通して洗
濯槽に流入させる。粉石鹸は粉石鹸収容袋内で一時的に
滞留した給水の循環流水圧により撹拌され給水中に効率
的に短時間で溶解される。又、粉石鹸が水分に凝集して
溶け寄り団子状になることは強制的な撹拌作用によって
抑制される。循環流により未溶解の粉石鹸が粉石鹸収容
袋より飛散したり溢れ出したりすることは，開口部を閉
塞できる蓋によって防止される。

【００１０】粉石鹸が供給水により凝結して塊状になり
溶解が遅延するのをさらに確実に防ぐためには，請求項
２に示したより孔サイズの大きい第二の粉石鹸収容袋を
入れ子状態に挿入して，粉石鹸を混合しやすい状態に維
持して溶解を促進する。

【００１１】粉石鹸収容袋は洗濯機に装着した吊り下げ
具に吊り下げた状態で使用し，給水流は粉石鹸収容袋の
内部を通過して洗濯槽に供給されるが、その吊り下げ高
さを洗濯槽内への給水が完了した場合に洗濯水面に粉石
鹸収容袋が接するようにして，洗濯水の回転運動ととも
に粉石鹸収容袋が吊り下げ具から離脱して洗濯水ととも
に浮遊移動する様に設定する。離脱した粉石鹸収容袋は
洗濯槽内でさらに洗濯水と接触し微量の粉石鹸残留分も
完全に溶解される。

【００１２】粉石鹸収容袋内部に洗濯水に近い比重をも
つ発泡樹脂などのブロック状固体を装入しておけば，流
水の循環流とともにブロック状固体が浮遊移動して粉石
鹸の混合溶解を一層促進させることもできる。本発明は
以上の構成によりなる洗濯機給水口用の粉石鹸収容袋で
ある。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下，本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００１４】図１は洗濯機の給水口下部に粉石鹸収容袋
を吊下げた状態を示した立体図である。図３は請求項１
に示す粉石鹸収容袋の立体図である。洗濯水を洗濯槽に
供給する前に所定量の粉石鹸７を装入した粉石鹸収容袋
２を，粉石鹸収容袋掛留め紐４を介して洗濯機給水口１
の付近に設置した粉石鹸収容袋掛留め固定器具３に吊り
下げる。給水は給水口１から出た後に通水性のある粉石
鹸収容袋開口部蓋５を通して粉石鹸収容袋２内に供給さ
れ一時的に滞留して粉石鹸を撹拌溶解した後に石鹸水と
なって洗濯槽に流入する。粉石鹸収容袋２の上部には洗
濯水のオーバフローによって粉石鹸が流出するのを防止
する蓋５が設けられているため，未溶解の粉石鹸が溢れ
出して未溶解状態で洗濯槽に流出することはない。この
粉石鹸溶解過程では比較的流速の遅い流水中に粉石鹸が
接触した場合に起こりやすい，粉石鹸集合塊の表面のみ
が湿潤状態になって粘性が高い膜が表面全体を覆ってし
まい内部の粉石鹸が水分と接触することが阻止される現
象が生じない。そのため一部の粉石鹸が溶解せず残留す
ることが避けられる。

【００１５】図６は粉石鹸収容袋２の内部に入れ子状に
第二の粉石鹸収容袋８を挿入した場合の断面図である。
この場合は第二の粉石鹸収容袋８の内側及び外側の双方
に粉石鹸が存在するため，粉石鹸が団子状に凝集するこ
とがより確実に防止できる。又，流水により第二の粉石
鹸収容袋８が運動するため粉石鹸の撹拌が粉石鹸内部か
らも発生し撹拌溶解が一層効率的に進行する。

【００１６】図７は請求項２に示す粉石鹸収容袋の内部
にブロック状固体９を装入して供給水を充満させた状態
の請求項３に示す粉石鹸収容袋２、８の断面図である。
この場合はブロック状固体９が供給水の流動とともに粉
石鹸収容袋内で激しく運動するため，粉石鹸はさらに強
く撹拌され溶解が促進され給水過程中に粉石鹸が溶解す
る作用をさらに確実にできる。

【００１７】以上，本発明の実施形態について説明した
が，本発明は上記実施形態に限定されるものではなく，
本発明の要旨範囲において適宜変形実施可能である。

【００１８】例えば，粉石鹸収容袋２、８は布製の袋で
なく粉石鹸を通さないサイズの孔を設けた多孔質のプラ
スチック，ゴムなどの弾性体性の収容体でもよい。又，
粉石鹸収容袋２、８は給水口１の下部に吊り下げる方式
ではなく，図２に示すように給水口１を粉石鹸収容袋
２、８で覆い粉石鹸収容袋の内部に給水を通過させる様
にして固定してもよい。入れ子状に装入するより孔サイ
ズの大きい第二の粉石鹸収容袋８は多層構造のものでも
よい。粉石鹸に替えて粉末状洗剤を使用する場合にもこ
の粉石鹸収容袋２、８は同様な効果を発揮できる。

【００１９】

【発明の効果】

【００２０】請求項１記載の粉石鹸収容袋によれば次の
ような効果が得られる。粉石鹸収容袋は洗濯槽への給水
流を収容袋内に一時的に滞留できる材料で構成されてお
り，収容袋内側は給水中に給水流圧の作用で粉石鹸の撹
拌溶解を効率的に実施できるため，洗濯槽に良好な洗濯
水を供給できる。この結果，洗濯槽の始動直後より十分
な洗濯効果が得られる。給水終了後，粉石鹸収容袋は洗
濯槽の回転作用により洗濯槽内に落下して，未溶解粉石
鹸が収容袋中にわずかに残留した場合でも収容袋内の粉
石鹸は洗濯物とともに揉まれて完全に溶解される。

【００２１】請求項２記載の粉石鹸収容袋によれば次の
ような効果が得られる。請求項１の粉石鹸収容袋内の粉
石鹸層内に第二の入れ子状粉石鹸収容袋が介在するた
め，粉石鹸の凝集が阻止できる。又，入れ子状に装入し
た第二の粉石鹸収容袋が給水流圧により内部で運動する
ため撹拌作用が増大し，装入された粉石鹸の溶解が一層
促進される。

【００２２】請求項３記載の粉石鹸収容袋によれば次の
ような効果が得られる。粉石鹸収容袋内の浮遊ブロック
状固体が給水流により粉石鹸収容袋内で転動し撹拌作用
を助長するため粉石鹸の溶解がさらに促進される。

【００２３】請求項４記載の粉石鹸収容袋によれば次の
ような効果が得られる。給水が終了して洗濯が開始され
ると、洗濯水の回転運動により洗濯水に接触している粉
石鹸収容袋は洗濯水と共に移動するため、粉石鹸収容袋
は粉石鹸収容袋掛留め器具より離脱落下して洗濯水とと
もに撹拌され、粉石鹸収容袋内に残留した微量の粉石鹸
未溶解残分も完全に洗濯水中に溶解される。

【００２４】各請求項に共通な効果を以下に示す。 （イ）洗濯機の洗濯槽への給水口下部に給水を一時的に
滞留させるために粉石鹸が透過しない布目を持ち粉石鹸
を装入した粉石鹸収容袋を設置し，粉石鹸収容袋内で給
水流及び給水圧による撹拌溶解作用により粉石鹸の溶解
を行い，洗濯槽には粉石鹸の溶解が終了した洗濯水を供
給して，洗濯開始時より効率的な洗濯を可能にする。 （ロ）給水過程で溶解が完全に終了しない溶解残分が発
生した場合でも，粉石鹸収容袋が洗濯槽に落下した後に
洗濯槽内で粉石鹸収容袋が撹拌され残分が完全に洗濯水
に溶解できる。 （ハ）溶解しにくく水分により凝集しやすい粉石鹸で
も，本発明の粉石鹸収容袋を使用して粉石鹸の凝集を阻
止して均一に溶解した石鹸水を洗濯槽に供給できる。 （ニ）本発明の粉石鹸収容袋を使用すると，以上の粉石
鹸溶解を促進させて良好な洗濯水を洗濯開始直後より得
る効果が，簡単で経済的に達成できる。

【００２５】

【図面の簡単な説明】

【図１】洗濯機の給水口下部に粉石鹸収容袋を吊下げた
状態を示した立体図である。

【図２】洗濯機の給水口に粉石鹸収容袋を覆い被せた状
態の立体図である。

【図３】請求項１に示す粉石鹸収容袋の立体図である。

【図４】請求項１に示す粉石鹸収容袋の断面図である。

【図５】請求項１に示す粉石鹸収容袋の平面図である。

【図６】請求項１に示す粉石鹸収容袋内に入れ子状の第
二の粉石鹸収容袋を挿入した請求項２に示す粉石鹸収容
袋の断面図である。

【図７】請求項２に示す粉石鹸収容袋の内部にブロック
状固体を装入して供給水を充満させた状態の請求項３に
示す粉石鹸収容袋の断面図である。

【符号の説明】

１ 洗濯機給水口 ２ 粉石鹸収容袋 ３ 粉石鹸収容袋掛留め固定器具 ４ 粉石鹸収容袋掛留め紐 ５ 粉石鹸収容袋開口部蓋 ６ 粉石鹸収容袋開口部蓋の閉塞具 ７ 粉石鹸収容袋内に装入した溶解前の粉石
鹸 ８ 粉石鹸収容袋内の入れ子状粉石鹸収容袋 ９ 粉石鹸溶解促進用ブロック固体

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯用の粉石鹸を通さない程度のサイズ
   の多数の孔を有する多孔質体又は繊維製品にて形成され
   た粉石鹸収容袋であって，その収容袋の上部には粉石鹸
   を装入するための開口部及び開口部を閉じるための開閉
   可能な通水性のある材質で構成される蓋を設け，洗濯機
   の給水口下に吊り下げて蓋を通して流入した給水流を一
   時的に滞留させると同時に，流水の流動作用で粉石鹸収
   容袋内に装入した粉石鹸を自動的に撹拌溶解できる機能
   を持つ洗濯機給水口用の粉石鹸収容袋。
2. 【請求項２】 請求項１の粉石鹸収容袋の内部に入れ子
   状態でより孔サイズの大きい第二の粉石鹸収容袋を内包
   する粉石鹸収容袋。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２の粉石鹸収容袋の
   内部に、給水圧による撹拌作用を促進するための粉石鹸
   溶解促進材として水中で浮遊できるブロック状固体を装
   入した粉石鹸収容袋。
4. 【請求項４】 請求項１、２及び３の粉石鹸収容袋の吊
   り下げ紐を洗濯機給水口付近の粉石鹸収容袋掛留め器具
   に吊り下げて、洗濯槽への給水終了後の洗濯槽の回転開
   始時に洗濯水流の回転作用により粉石鹸収容袋が水流の
   抵抗力でその掛留め器具より自動的に離脱落下して、洗
   濯槽内で洗濯水とともに撹拌される粉石鹸収容袋。