JP2002034100A - 音響効果装置 - Google Patents

音響効果装置

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JP2002034100A
JP2002034100A JP2000213636A JP2000213636A JP2002034100A JP 2002034100 A JP2002034100 A JP 2002034100A JP 2000213636 A JP2000213636 A JP 2000213636A JP 2000213636 A JP2000213636 A JP 2000213636A JP 2002034100 A JP2002034100 A JP 2002034100A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クロストーク打ち消し手段の遅延時間を切り換
えることなしに、クロストーク成分をキャンセルする効
果が得られる受聴位置を拡大することができ、それによ
り音場を拡大する効果を得ることができるようにした音
響効果装置を提供する。 【解決手段】入力されたオーディオ信号に残響効果を付
加して左チャンネル・オーディオ信号と右チャンネル・
オーディオ信号との2チャンネル・オーディオ信号とし
て出力する残響効果付加手段と、上記残響効果付加手段
から出力された2チャンネル・オーディオ信号を入力
し、それぞれ異なる複数の受聴位置における左スピーカ
ーから右耳へのクロストークと右スピーカーから左耳へ
のクロストークとをそれぞれキャンセルする演算処理を
施した、複数のそれぞれ異なる遅延時間の2チャンネル
遅延信号を出力する演算処理手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響効果装置に関
し、さらに詳細には、オーディオ信号に残響効果を付加
する音響効果装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ステレオ信号などの左チャン
ネルの左チャンネル・オーディオ信号と右チャンネルの
右チャンネル・オーディオ信号との2チャンネルのオー
ディオ信号(2チャンネル・オーディオ信号)を2つの
スピーカーで再生する際に、音場をより広く再生できる
ようにするために、クロストークを打ち消す手段を備え
るようにすることがしばしば行われている。
【0003】ここで、上記したクロストークとは、左チ
ャンネルの左チャンネル・オーディオ信号と右チャンネ
ルの右チャンネル・オーディオ信号との左右の2チャン
ネルのオーディオ信号を左右の2つのスピーカーで再生
する際における、右側スピーカーから左側の耳に達する
オーディオ信号ならびに左側スピーカーから右側の耳に
達するオーディオ信号を意味する。
【0004】ところで、このようなクロストーク打ち消
し手段は、ある一点を受聴位置と想定して処理されるも
のであるので、クロストークを打ち消す効果が得られる
範囲は狭いものであった。
【0005】その結果として、音場を拡大する効果が得
られる受聴位置が非常に狭いという問題点があった。
【0006】そこで、上記したようなクロストークを打
ち消す効果が得られる範囲が狭いという問題点を解決す
るためのものとして、例えば、特開平2−260800
号公報に開示された発明が提案されていた。
【0007】即ち、この特開平2−260800号公報
には、クロストーク成分を打ち消す効果が得られる受聴
位置を拡大して、立体音効果の得られる受聴位置を拡大
した立体音再生装置に係る発明が開示されている。具体
的には、受聴位置を複数箇所形成するようにして、キャ
ンセル信号形成手段における遅延量を切り換えるように
構成されている。
【0008】しかしながら、上記した特開平2−260
800号公報に開示された立体音再生装置に係る発明よ
っては、実際には良好な出力信号を得ることができない
ものであった。
【0009】即ち、キャンセル信号形成手段における遅
延量を切り換えると、波形信号が不連続になってノイズ
が発生してしまうため、ノイズが発生しないようにクロ
スフェード処理を施す必要があるが、クロスフェード処
理をしてもクロスフェード処理部の不自然な変調音が生
じてしまうという不具合があった。
【0010】また、遅延時間を時間経過で変化させる
と、再生信号の音高の変化や信号同士の干渉により、音
色の変化が生じてしまうという不具合があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、クロストーク打ち消し
手段の遅延時間を切り換えることなしに、クロストーク
成分をキャンセルする効果が得られる受聴位置を拡大す
ることができ、それにより音場を拡大する効果を得るこ
とができるようにした音響効果装置を提供しようとする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に記載の発明は、入力された
オーディオ信号に残響効果を付加して左チャンネル・オ
ーディオ信号と右チャンネル・オーディオ信号との2チ
ャンネル・オーディオ信号として出力する残響効果付加
手段と、上記残響効果付加手段から出力された2チャン
ネル・オーディオ信号を入力し、それぞれ異なる複数の
受聴位置における左スピーカーから右耳へのクロストー
クと右スピーカーから左耳へのクロストークとをそれぞ
れキャンセルする演算処理を施した、複数のそれぞれ異
なる遅延時間の2チャンネル遅延信号を出力する演算処
理手段とを有するようにしたものである。
【0013】即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明
は、入力されたオーディオ信号に残響効果を付加する残
響効果付加手段と、クロストーク打ち消し演算処理を施
す演算処理手段と有して構成され、該クロストーク打ち
消し演算処理は、それぞれ異なる受聴位置に対応してク
ロストーク打ち消し演算が施され、時間差を有した複数
の2チャンネル・オーディオ信号を発音するようにし
て、クロストーク打ち消し効果が得られる受聴位置を広
くするようにしたものである。
【0014】従って、本発明のうち請求項1に記載の発
明によれば、クロストーク打ち消し手段の遅延時間を切
り換えることなく、クロストーク成分をキャンセルする
効果が得られる受聴位置を拡大することができる。その
結果、音場が拡大する効果を得ることができる受聴範囲
が拡大することができる。
【0015】ただし、その構成上、受聴位置を拡大する
ために、出力信号には遅延が付加されている。しかし、
残響効果を付与する音響効果装置として使用することに
より、受聴位置を拡大するための遅延は残響効果にマス
キングされて聴感上問題になることはない。
【0016】また、本発明のうち請求項1に記載の発明
によれば、大きな音場の残響効果を得ることができる受
聴位置が従来の音響効果装置よりも拡大する。
【0017】ここで、本発明のうち請求項2に記載の発
明のように、本発明のうち請求項1に記載の発明におい
て、上記演算処理手段は、上記残響効果付加手段より出
力される2チャンネル・オーディオ信号を入力して、複
数の異なる遅延時間の2チャンネル遅延信号を出力する
遅延手段と、上記遅延手段から出力された2チャンネル
遅延信号をそれぞれ人力し、それぞれ異なる所定の受聴
位置における左スピーカーから右耳へのクロストークと
右スピーカーから左耳へのクロストークとをキャンセル
する演算処理を施す複数のクロストーク打ち消し演算手
段とを有するようにしてもよい。
【0018】また、本発明のうち請求項3に記載の発明
のように、本発明のうち請求項1に記載の発明におい
て、上記演算処理手段は、上記残響効果付加手段より出
力される2チャンネル・オーディオ信号を入力して周波
数特性変化を付加するフィルタ手段と、上記複数の異な
る遅延時間の遅延と、それぞれの異なる所定の受聴位置
における左スピーカーから右耳へのクロストークと右ス
ピーカーから左耳へのクロストークとをキャンセルする
演算処理に使用する遅延との合成遅延を付与する遅延手
段とを有するようにしてもよい。
【0019】さらに、本発明のうち請求項4に記載の発
明は、入力されたオーディオ信号に残響効果を付加して
左チャンネル・オーディオ信号と右チャンネル・オーデ
ィオ信号との2チャンネル・オーディオ信号として出力
する残響効果付加手段と、上記残響効果付加手段から出
力された2チャンネル・オーディオ信号を入力し、それ
ぞれ異なる複数の受聴位置における左スピーカーから右
耳へのクロストークと右スピーカーから左耳へのクロス
トークとをそれぞれキャンセルする演算処理を施すため
の演算処理手段であって、入力された左チャンネル・オ
ーディオ信号を入力し遅延を付加して左出力信号とす
る、遅延時間D1の第1遅延手段を有した第1閉ループ
手段と、入力された右チャンネル・オーディオ信号を入
力し遅延を付加して右出力信号とする、遅延時間D2の
第2遅延手段を有した第2閉ループ手段と、上記入力さ
れた右チャンネル・オーディオ信号に周波数特性変化を
付加する第1フィルタ手段と、上記第1フィルタ手段に
より周波数特性変化が付加された右チャンネル・オーデ
ィオ信号に遅延を付加して上記左出力信号に合成する、
遅延時間D3の第3遅延手段を有した第3閉ループ手段
と、上記入力された左チャンネル・オーディオ信号に周
波数特性変化を付加する第2フィルタ手段と、上記第2
フィルタ手段により周波数特性変化が付加された左チャ
ンネル・オーディオ信号に遅延を付加して上記右出力信
号に合成する、遅延時間D4の第4遅延手段を有した第
4閉ループ手段とを有して構成され、上記各遅延手段の
各遅延時間は、D4>D1=D2>D3 または D3
>D1=D2>D4である演算処理手段とを有するよう
にしたものである。
【0020】即ち、本発明のうち請求項4に記載の発明
は、演算処理手段におけるクロストーク打ち消し演算処
理の手段として、「発明の実施の形態」の項において説
明する図8に示すように、遅延手段と乗算手段とを有し
た閉ループ手段で構成することにより、本発明のうち請
求項1に記載の発明の演算処理手段に比較して簡単な構
成とすることができる。
【0021】また、この本発明のうち請求項4に記載の
発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明と同様に、
残響効果を付与する音響効果装置として使用することに
より、受聴位置を拡大する処理における遅延は残響効果
にマスキングされて聴感上問題になることはない。
【0022】また、本発明のうち請求項4に記載の発明
によれば、大きな音場の残響効果を得ることができる受
聴位置が従来の音響効果装置よりも拡大する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しなが
ら、本発明による音響効果装置の実施の形態の一例を詳
細に説明する。
【0024】なお、以下に説明する各図においてそれぞ
れ共通して使用される符号(参照数字や各種の記号を含
む。)は、それぞれ同一の内容を意味するものとする。
【0025】図1は、本発明による音響効果装置の実施
の形態の一例の全体の構成を示すブロック構成図であ
る。
【0026】即ち、この音響効果装置10は、残響効果
付加手段12と、演算処理手段14と、左スピーカー1
6と、右スピーカー18とを有して構成されている。
【0027】なお、上記した残響効果付加手段12と演
算処理手段14とは、デジタル・シグナル・プロセッサ
(DSP)により構成されるものであり、本発明による
音響効果装置は、ソフトウェアにより実現されるもので
ある。
【0028】図1において、符号PLは左チャンネル・
オーディオ信号を表し、符号PRは右チャンネル・オー
ディオ信号を表し、符号SLはクロストーク打ち消し手
段から出力される左チャンネルの左チャンネル・オーデ
ィオ信号を表し、符号SRは右チャンネルの右チャンネ
ル・オーディオ信号を表している。
【0029】ここで、本発明の理解を容易にするため
に、図2乃至図3を参照しながら、従来より公知のクロ
ストーク打ち消し演算の一例を説明する。なお、図2
は、従来より公知のクロストーク打ち消し演算手段によ
るクロストーク打ち消し処理の原理を示す説明図であ
り、また、図3は、図2に示すクロストーク打ち消し演
算手段の具体的な構成を示すブロック構成図である。
【0030】なお、「HEL」は、左スピーカー402
を含め受聴位置LPに存在する受聴者Mの左耳までの伝
達関数であり、また、「HXL」は、左スピーカー40
2を含め受聴位置LPに存在する受聴者Mの右耳までの
伝達関数であり、また、「HXR」は、右スピーカー4
04を含め受聴位置LPに存在する受聴者Mの左耳まで
の伝達関数であり、また、「HER」は、右スピーカー
404を含め受聴位置LPに存在する受聴者Mの右耳ま
での伝達関数である。
【0031】即ち、従来より公知のクロストーク打ち消
し演算においては、図2示すように、受聴位置LPを予
め決定しておき、2チャンネル・ステレオ信号(ダミー
ヘッドを使って録音したようなバイノーラル信号も含
む。)である左チャンネル・オーディオ信号PLと右チ
ャンネル・オーディオ信号PRとを、左スピーカーと右
スピーカーとの2つのスピーカーで再生したときに、右
スピーカーから左の耳に伝達関数HXLで達するオーデ
ィオ信号および左スピーカーから右の耳に伝達関数HX
Rで達するオーディオ信号を打ち消す処理を行うもので
ある。
【0032】つまり、クロストーク打ち消し演算手段4
00において左チャンネル・オーディオ信号SLおよび
右チャンネル・オーディオ信号SRを生成し、左スピー
カー402と右スピーカー404とを介して放音する
と、予め決められた受聴位置LPではクロストーク成分
が打ち消される。
【0033】次に、図4には、本発明による音響効果装
置における受聴位置の変化の例を示している。
【0034】この図4に示す説明図は、クロストーク打
ち消し演算が干渉しない程度の短い遅延時間で、受聴位
置を各受聴位置LP0,LP1,LP2,・・・と左か
ら右に順次移動させる状態を示している。
【0035】図4においては、受聴位置をLP0〜LP
4の5点しか示していないが、実際にはもっと多くの受
聴位置を設定しても良い。
【0036】次に、図5には、本発明による音響効果装
置10における演算処理手段14の第1の構成例を表す
ブロック構成図が示されている。
【0037】即ち、この第1の構成例においては、演算
処理手段14は、受聴位置LP0,LP1,・・・,L
Pnに対応したクロストーク打ち消し演算手段XTC
0,XTC1,・・・,XTCnを備えている(nは、
「0」を含む正の整数である。)。
【0038】これらクロストーク打ち消し演算手段XT
C0,XTC1,・・・,XTCnの前段には、左チャ
ンネル・オーディオ信号PLが入力される第1遅延手段
101と、右チャンネル・オーディオ信号PRが入力さ
れる第2遅延手段102とが設けられている。
【0039】そして、なお、第1遅延手段101は各受
聴位置毎に遅延dL0,dL1,・・・dLnを付加
し、第2遅延手段102は各受聴位置毎に遅延dR0,
dR1・・・,dRnを付加している。
【0040】なお、受聴位置によっては、「−HXRn
/HELn」、「一HXLn/HERn」の遅延が負に
なる場合があるので、その場合はバイパス経路の遅延d
BL0,・・・,dBLnならびに遅延dBR0,・・
・,dBRnを挿入する。
【0041】ここで、各遅延時間は、「dL0=dR
0」、「dL1=dR1」,・・・,「dLn=dR
n」に設定されている。
【0042】なお、受聴位置は、図4を参照しながら左
から右に順次移動するものとして説明したが、クロスト
ーク打ち消し演算手段XTC0,・・・XTCnはそれ
ぞれ独立して設けられているため、図4のように受聴位
置が順番に隣に変化するものでなくても良い。即ち、受
聴位置は、任意の順番および位置に変化させることがで
きるものである。
【0043】次に、図6に示す本発明による音響効果装
置10における動作を示すタイミングチャートを参照し
ながら、音響効果装置10における動作を詳細に説明す
る。
【0044】まず、打ち消し信号が無い場合の各スピー
カーからの出力が示されている。図6(a)には左スピ
ーカー16の出力が示されており、図6(c)には右ス
ピーカー18の出力が示されている。
【0045】ここで、受聴位置がD1(=D2)の時間
間隔で図4に示すようにLP0,LP1,LP2,・・
・と順次移動した場合に、インパルスをD1(=D2)
の遅延で順次繰り返し発音するとき、左耳で受ける音信
号は図6(e)に示すようなものとなり、右耳で受ける
音信号は図6(f)に示すようなものになる。
【0046】図6(e)に示す音信号のうち、R0,R
1,R2,R3,R4がクロストーク信号である。ま
た、図6(f)に示す音信号のうち、L0,L1,L
2,L3,L4がクロストーク信号である。
【0047】これらのクロストーク信号を打ち消すため
には、左耳打ち消し信号として図6(b)に示すような
信号の逆の位相の信号を左スピーカーから出力するとと
もに、右耳打ち消し信号として図6(d)に示すような
信号の逆の位相の信号を右スピーカーから出力するよう
にすればよい。
【0048】次に、図7には、本発明による音響効果装
置10における演算処理手段14の第2の構成例を表す
ブロック構成図が示されている。
【0049】即ち、この第2の構成例においては、演算
処理手段14は、残響効果付加手段12から出力された
右チャンネル・オーディオ信号PRを入力し、当該入力
した右チャンネル・オーディオ信号PRに「−HXR/
HEL」により決定される周波数特性の変化を付加する
−HXR/HELのフィルタ部201と、残響効果付加
手段12から出力された左チャンネル・オーディオ信号
PLを入力し、当該入力した左チャンネル・オーディオ
信号PLに「−HXL/HER」により決定される周波
数特性の変化を付加する−HXL/HERのフィルタ部
202と、左チャンネル・オーディオ信号PLが入力さ
れる第1遅延手段211と、右チャンネル・オーディオ
信号PRが入力される第2遅延手段212と、−HXR
/HELのフィルタ部201から出力された信号が入力
される第3遅延手段213と、−HXL/HERのフィ
ルタ部202から出力された信号が入力される第4遅延
手段214とを有している。
【0050】なお、第1遅延手段211は各受聴位置毎
に遅延dl0,dl1,・・・dlnを付加し、第2遅
延手段212は各受聴位置毎に遅延dr0,dr1,・
・・drnを付加し、第3遅延手段213は各受聴位置
毎に遅延dxl0,dxl1・・・,dxlnを付加
し、第4遅延手段214は各受聴位置毎に遅延dxr
0,dxr1・・・,dxrnを付加している。
【0051】ここで、受聴位置による音色変化を付与す
る−HXR/HELのフィルタ部201ならびに−HX
L/HERのフィルタ部202に関しては、ある一点の
値で代表させておき(従って、この構成によれば受聴位
置による音色変化は付与されない。)、クロストーク打
ち消し演算は遅延成分のみに基づいて行うようにして、
処理を簡略化している。
【0052】この図7に示す演算処理手段14の第2の
構成例によれば、上記したような図6(a)に示す信号
と図6(b)に示す信号の逆の位相の信号とを合成した
信号を左スピーカー16から出力することができ、ま
た、図6(c)に示す信号と図6(d)に示す信号の逆
の位相の信号とを合成した信号を右スピーカー18から
出力できるようになる。
【0053】ここで、各遅延手段における出力への乗数
は、遅延時間が大きくなるに連れて小さくなるようにす
れば、時間経過で次第に音量が小さくなる自然な信号を
得ることができる。そして、これら乗数は、適宜に実験
などを行って、最も好ましい値を決定すればよい。
【0054】なお、上記した説明においては、受聴位置
が左から右に移動するように設定しているが、受聴位置
が右から左に移動するように設定してもよい。
【0055】次に、図8には、本発明による音響効果装
置10における演算処理手段14の第3の構成例を表す
ブロック構成図が示されている。
【0056】即ち、この第3の構成例においては、演算
処理手段14は、残響効果付加手段12から出力された
右チャンネル・オーディオ信号PRを入力し、当該入力
した右チャンネル・オーディオ信号PRに「−HXR/
HEL」により決定される周波数特性の変化を付加する
−HXR/HELのフィルタ部301と、残響効果付加
手段12から出力された左チャンネル・オーディオ信号
PLを入力し、当該入力した左チャンネル・オーディオ
信号PLに「−HXL/HER」により決定される周波
数特性の変化を付加する−HXL/HERのフィルタ部
302と、左チャンネル・オーディオ信号PLが入力さ
れる第1遅延手段311を備えた第1閉ループ321
と、右チャンネル・オーディオ信号PRが入力される第
2遅延手段312を備えた第2閉ループ322と、−H
XR/HELのフィルタ部301から出力された信号が
入力される第3遅延手段313を備えた第3閉ループ3
23と、−HXL/HERのフィルタ部302から出力
された信号が入力される第4遅延手段314を備えた第
4閉ループ324とを有している。
【0057】このこの第3の構成例においても、上記し
た第2の構成例と同様に、受聴位置による音色変化を付
与する−HXR/HELのフィルタ部301ならびに−
HXL/HERのフィルタ部302に関しては、ある一
点の値で代表させておき(従って、この構成によれば受
聴位置による音色変化は付与されない。)、クロストー
ク打ち消し演算は遅延成分のみに基づいて行うようにし
て、処理を簡略化している。
【0058】ただし、第1遅延手段311を備えた第1
閉ループ321、第2遅延手段312を備えた第2閉ル
ープ322、第3遅延手段313を備えた第3閉ループ
323ならびに第4遅延手段314を備えた第4閉ルー
プ324を使用することにより、図7に示す第1遅延手
段211乃至第4遅延手段214より小さな構成の遅延
手段によって演算処理手段14を構成することができ、
演算処理手段14の構成が簡単になる。
【0059】この図8に示す演算処理手段14の第3の
構成例によれば、上記したような図6(a)に示す信号
と図6(b)に示す信号の逆の位相の信号とを合成した
信号を左スピーカー16から出力することができ、ま
た、図6(c)に示す信号と図6(d)に示す信号の逆
の位相の信号とを合成した信号を右スピーカー18から
出力できるようになる。
【0060】ここで、図6(a)に示す左スピーカー出
力が時間D1の周期で発生され、図6(c)に示す右ス
ピーカー出力が時間D2の周期で発生され、図6(b)
に示す左耳打ち消し信号が時間D3の周期で発生され、
図6(d)に示す右耳打ち消し信号が時間D4の周期で
発生されるように構成されている。
【0061】さらに、受聴位置LPが左から右に移動す
る場合には、それぞれの遅延時間は、 D4>D1=D2>D3 のような関係に設定される。
【0062】また、受聴位置LPが右から左に移動する
場合には、それぞれの遅延時間は、 D3>D1=D2>D4 のような関係に設定される。
【0063】なお、図8に示すように遅延手段を閉ルー
プで構成する場合には、図6(b)におけるXL0,X
L1,XL2,・・・は時間D3の周期で、また、図6
(d)におけるXR0,XR1,XR2,・・・は時間
D4の周期で、それぞれ周期的な関係で信号が出力され
ることになるが、このような関係となるのは受聴位置L
Pがある特定の経路で特定の移動をする場合である。以
下、その一例について、さらに詳細に説明する。
【0064】まず、図9において、受聴位置LPは頭部
の真中であるとし、頭部の径に比べてスピーカーまでの
距離が十分大きいと仮定すると、スピーカーからの音波
は平面波とすることができる。
【0065】また、左耳と右耳とのそれぞれと頭部の中
心との距離をRhとし、正面方向を基準として、スピー
カーからの音波の入射を左方向が正で右方向が負の値で
あるφとし、スピーカーから受聴位置LPまでの距離を
rとすると、スピーカーから左耳までの距離rLLは、 rLL=r−Rh×sin(φ) となり、スピーカーから右耳までの距離rLRは、 rLR=r+Rh×sin(φ) となる。
【0066】ここで、図10に示すように、受聴位置L
Pは、間隔Lsを開けて配置された左スピーカー16と
右スピーカー18とを通る円周上を移動するものとす
る。
【0067】また、頭部は、左スピーカー16と右スピ
ーカー18とを通る線分の垂直二等分線(以下、「中心
線」と適宜に称する。)と、左スピーカー16と右スピ
ーカー18とを通る線分を境界として受聴位置LPが位
置する側とは反対側の円周との交点の方向を向いている
ものとし、頭部の方向と中心線とのなす角度をαとす
る。そして、図10において、受聴位置LPが中心線の
左側に位置する場合のαを正とし、受聴位置LPが中心
線の右側に位置する場合のαを負として表す。
【0068】このとき、受聴位置LPでのスピーカーと
の角度φは、正弦定理よりαが変化しても変化しない。
【0069】余弦定理を用いて、左スピーカー16から
受聴位置LPまでの距離rLを求めると、 rL=Ls×cos(π/2−φ+α)+rR×cos
(2φ) となり、同様にして、右スピーカー18から受聴位置L
Pまでの距離rRを求めると、 rR=Ls×cos(π/2−φ−α)+rL×cos
(2φ) となる。
【0070】上記した各式より、左スピーカー16から
左耳までの距離rLLは、 rLL=rL−Rh×sin(φ) となり、同様にして、左スピーカー16から右耳までの
距離rLRは、 rLR=rL+Rh×sin(φ) となり、同様にして、右スピーカー18から右耳までの
距離rRRは、 rRR=rR−Rh×sin(φ) となり、同様にして、右スピーカー18から左耳までの
距離rRLは、 rRL=rR+Rh×sin(φ) となる。
【0071】上記した式より、右スピーカー18から左
耳へのクロストーク信号のキャンセル信号を生成するた
めの遅延値に当る距離となる(rRL−rLL)を求め
ると、 rRL−rLL=rR+Rh×sin(φ)−rL+Rh×sin(φ) =rR−rL+2×Rh×sin(φ) =Ls×cos(π/2−φ−α)−Ls×cos(π/2 −φ+α)}/{1+cos(2φ)}+2×Rh×sin(φ) =Ls×{sin(φ+α)−sin(φ−α)}/{1+ cos(2φ)}+2×Rh×sin(φ) =2×Ls×sin(α)×cos(φ)/{1+cos( 2φ)}+2×Rh×sin(φ) となる。
【0072】この遅延成分は、図3に示すブロック構成
図においては、右スピーカー18から左耳へのクロスト
ーク信号のキャンセル信号を生成する伝達関数−HXR
/HELの部分に相当する。そして、この遅延成分をD
3とする。
【0073】即ち、 D3=2×Ls×sin(α)×cos(φ)/{1+cos(2φ)}+ 2×Rh×sin(φ) ・・・ 式(1) とする。
【0074】同様に、左スピーカー16から右耳へのク
ロストーク信号のキャンセル信号を生成するための遅延
値に当る距離となる(rLR−rRR)を求めると、 rLR−rRR=rL+Rh×sin(φ)−rR+Rh×sin(φ) =rL−rR+2×Rh×sin(φ) ={Ls×cos(π/2−φ+α)−Ls×cos(π/ 2−φ−α)}/{1+cos(2φ)}+2×Rh×sin(φ) =Ls×{sin(φ−α)−sin(φ+α)}/{1+ cos(2φ)}+2×Rh×sin(φ) =−2×Ls×sin(α)×cos(φ)/{1+cos (2φ)}+2×Rh×sin(φ) となる。
【0075】この遅延成分は、図3に示すブロック構成
図においては、左スピーカー16から右耳へのクロスト
ーク信号のキャンセル信号を生成する伝達関数−HXL
/HERの部分に相当する。そして、この遅延成分をD
4とする。
【0076】即ち、 D4=−2×Ls×sin(α)×cos(φ)/{1+cos(2φ)} +2×Rh×sin(φ) ・・・ 式(2) とする。
【0077】次に、上記した式(1)ならびに式(2)
の右辺におけるsin(α)以外の項が定数なので、定
数Aと定数Bとで置き換えると、 D3=A×sin(α)+B D4=−A×sin(α)+B となる。
【0078】それぞれの受聴位置LP0,LP1,LP
2,LP3,LP4における角度αをそれぞれでα0,
α1,α2,α3,α4とすると、各受聴位置での遅延
は、以下に示すようになる。
【0079】即ち、 (1)受聴位置LP0での遅延 D3(0)=A×sin(α0)+B D4(0)=−A×sin(α0)+B (2)受聴位置LP1での遅延 D3(1)=A×sin(α1)+B D4(1)=−A×sin(α1)+B (3)受聴位置LP2での遅延 D3(2)=A×sin(α2)+B D4(2)=−A×sin(α2)+B (4)受聴位置LP3での遅延 D3(3)=A×sin(α3)+B D4(3)=−A×sin(α3)+B (5)受聴位置LP4での遅延 D3(4)=A×sin(α4)+B D4(4)=−A×sin(α4)+B となる。
【0080】同時に、それぞれの受聴位置毎に同じ遅延
時間Dごと増加する遅延を付加するものとし、図3にお
いて、入力信号(左チャンネル・オーディオ信号PL)
から出力信号(左チャンネル・オーディオ信号SL)へ
付加する遅延をD1とし、入力信号(右チャンネル・オ
ーディオ信号PR)から出力信号(右チャンネル・オー
ディオ信号SR)へ付加する遅延をD2とすると、 (1)受聴位置LP0での遅延 D1(0)=0 D3(0)=A×sin(α0)+B D4(0)=−A×sin(α0)+B D2(0)=0 (2)受聴位置LP1での遅延 D1(1)=D D3(1)=A×sin(α1)+B+D D4(1)=−A×sin(α1)+B+D D2(1)=D (3)受聴位置LP2での遅延 D1(2)=D+D D3(2)=A×sin(α2)+B+D+D D4(2)=−A×sin(α2)+B+D+D D2(2)=D+D (4)受聴位置LP3での遅延 D1(3)=D+D+D D3(3)=A×sin(α3)+B+D+D+D D4(3)=−A×sin(α3)+B+D+D+D D2(3)=D+D+D (5)受聴位置LP4での遅延 D1(4)=D+D+D+D D3(4)=A×sin(α4)+B+D+D+D+D D4(4)=−A×sin(α4)+B+D+D+D+
D D2(4)=D+D+D+D となる。
【0081】以上に説明したことから、D1とD2とに
関しては、次に示すように遅延時間が変化するものであ
る。
【0082】D1(n)=D2(n)=n×D (n
は、「0」を含む正の整数である。)。
【0083】また、D3については、 D3(1)−D3(0)=A{sin(α1)−sin(α0)}+D D3(2)−D3(1)=A{sin(α2)−sin(α1)}+D D3(3)−D3(2)=A{sin(α3)−sin(α2)}+D D3(4)−D3(3)=A{sin(α4)−sin(α3)}+D となる。
【0084】そこで、 sin(α1)−sin(α0)=sin(α2)−s
in(α1)=sin(α3)−sin(α2)=si
n(α4)−sin(α3)=K (Kは定数) と、一定値Kで変化するように各αnを設定すると、 D3(n)={A×sin(α0)+B}+n(A×K
+D) と式を変形できる。
【0085】さらに、D4については、 D4(1)−D4(0)=A{sin(α0)−sin(α1)}+D D4(2)−D4(1)=A{sin(α1)−sin(α2)}+D D4(3)−D4(2)=A{sin(α2)−sin(α3)}+D D4(4)−D4(3)=A{sin(α3)−sin(α4)}+D となる。
【0086】そこで、 sin(α0)−sin(α1)=sin(α1)−s
in(α2)=sin(α2)−sin(α3)=si
n(α3)一sin(α4)=−K (Kは定数) と、一定値Kで変化するように各αnを設定すると、 D4(n)={−A×sin(α0)+B}+n{A×
(−K)+D} と式を変形することができる。
【0087】以上において説明したことから、nが1増
加する毎に等差で変化しており、遅延手段を備えた閉ル
ープで構成することができることが分かるものである。
【0088】ここで、nを閉ループを巡回する回数と
し、図8において、閉ループの遅延D1,D2の遅延値
をDになるようにし、遅延D3の遅延を(A×K+D)
になるようにし、遅延D4の遅延を{A×(−K)+
D}になるようにすると、図10の円周上の受聴位置L
Pnが順次移動するようなクロスフェード打ち消し演算
手段を形成することができる。
【0089】なお、遅延D1,D2は、「n=0」のと
きは便宜的に0としたが、受聴位置LP0によってはD
3(0)またはD4(0)が負になる場合が有るので、
その場合はD3(0)またはD4(0)が正になるよう
D1,D2,D3,D4に一定値を加算する。つまり、
遅延手段の中間タップから出力するようにすればよい。
【0090】なお、特開平2−260800号公報に開
示されたものは、音高が変化したり不自然な変調音が生
じるものであるが、図1の残響効果付加手段12の代わ
りにコーラス効果を付加する効果手段など、変調による
効果を付加するものとすると、上記した欠点はそれほど
気にならなくなる。そのときは、演算処理手段14は、
図11に示すような構成としてもよい。
【0091】そして、変調波発生手段より発生される変
調信号により、遅延や係数を変調することにより受聴位
置を変化させている。
【0092】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、クロストーク打ち消し手段の遅延時間を切
り換えることなしに、クロストーク成分をキャンセルす
る効果が得られる受聴位置を拡大することができ、それ
により音場を拡大する効果を得ることができるようにし
た音響効果装置を提供することができるという優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による音響効果装置の実施の形態の一例
の全体の構成を示すブロック構成図である。
【図2】従来より公知のクロストーク打ち消し演算手段
によるクロストーク打ち消し処理の原理を示す説明図で
ある。
【図3】図2に示すクロストーク打ち消し演算手段の具
体的な構成を示すブロック構成図である。
【図4】本発明による音響効果装置における受聴位置の
変化の例を示す説明図である。
【図5】本発明による音響効果装置における演算処理手
段の第1の構成例を表すブロック構成図である。
【図6】本発明による音響効果装置における動作を示す
タイミングチャートである。
【図7】本発明による音響効果装置における演算処理手
段の第2の構成例を表すブロック構成図である。
【図8】本発明による音響効果装置における演算処理手
段の第3の構成例を表すブロック構成図である。
【図9】受聴位置とスピーカーとの位置関係を説明する
ための説明図である。
【図10】受聴位置とスピーカーとの位置関係を説明す
るための説明図である。
【図11】本発明による音響効果装置における演算処理
手段の他の構成例を表すブロック構成図である。
【符号の説明】
10 音響効果装置 12 残響効果付加手段 14 演算処理手段 16、402 左スピーカー 18、404 右スピーカー 101 第1遅延手段 102 第2遅延手段 201、301 −HXR/HELのフィルタ部 202、302 −HXL/HERのフィルタ部 211、311 第1遅延手段 212、312 第2遅延手段 213、313 第3遅延手段 214、314 第4遅延手段 321 第1閉ループ 322 第2閉ループ 323 第3閉ループ 324 第4閉ループ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたオーディオ信号に残響効果を
    付加して左チャンネル・オーディオ信号と右チャンネル
    ・オーディオ信号との2チャンネル・オーディオ信号と
    して出力する残響効果付加手段と、 前記残響効果付加手段から出力された2チャンネル・オ
    ーディオ信号を入力し、それぞれ異なる複数の受聴位置
    における左スピーカーから右耳へのクロストークと右ス
    ピーカーから左耳へのクロストークとをそれぞれキャン
    セルする演算処理を施した、複数のそれぞれ異なる遅延
    時間の2チャンネル遅延信号を出力する演算処理手段と
    を有する音響効果装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の音響効果装置におい
    て、 前記演算処理手段は、 前記残響効果付加手段より出力される2チャンネル・オ
    ーディオ信号を入力して、複数の異なる遅延時間の2チ
    ャンネル遅延信号を出力する遅延手段と、 前記遅延手段から出力された2チャンネル遅延信号をそ
    れぞれ人力し、それぞれ異なる所定の受聴位置における
    左スピーカーから右耳へのクロストークと右スピーカー
    から左耳へのクロストークとをキャンセルする演算処理
    を施す複数のクロストーク打ち消し演算手段とを有する
    音響効果装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の音響効果装置におい
    て、 前記演算処理手段は、 前記残響効果付加手段より出力される2チャンネル・オ
    ーディオ信号を入力して周波数特性変化を付加するフィ
    ルタ手段と、 前記複数の異なる遅延時間の遅延と、それぞれの異なる
    所定の受聴位置における左スピーカーから右耳へのクロ
    ストークと右スピーカーから左耳へのクロストークとを
    キャンセルする演算処理に使用する遅延との合成遅延を
    付与する遅延手段とを有する音響効果装置。
  4. 【請求項4】 入力されたオーディオ信号に残響効果を
    付加して左チャンネル・オーディオ信号と右チャンネル
    ・オーディオ信号との2チャンネル・オーディオ信号と
    して出力する残響効果付加手段と、 前記残響効果付加手段から出力された2チャンネル・オ
    ーディオ信号を入力し、それぞれ異なる複数の受聴位置
    における左スピーカーから右耳へのクロストークと右ス
    ピーカーから左耳へのクロストークとをそれぞれキャン
    セルする演算処理を施すための演算処理手段であって、 入力された左チャンネル・オーディオ信号を入力し遅延
    を付加して左出力信号とする、遅延時間D1の第1遅延
    手段を有した第1閉ループ手段と、 入力された右チャンネル・オーディオ信号を入力し遅延
    を付加して右出力信号とする、遅延時間D2の第2遅延
    手段を有した第2閉ループ手段と、 前記入力された右チャンネル・オーディオ信号に周波数
    特性変化を付加する第1フィルタ手段と、前記第1フィ
    ルタ手段により周波数特性変化が付加された右チャンネ
    ル・オーディオ信号に遅延を付加して前記左出力信号に
    合成する、遅延時間D3の第3遅延手段を有した第3閉
    ループ手段と、 前記入力された左チャンネル・オーディオ信号に周波数
    特性変化を付加する第2フィルタ手段と、前記第2フィ
    ルタ手段により周波数特性変化が付加された左チャンネ
    ル・オーディオ信号に遅延を付加して前記右出力信号に
    合成する、遅延時間D4の第4遅延手段を有した第4閉
    ループ手段とを有して構成され、前記各遅延手段の各遅
    延時間は、 D4>D1=D2>D3 または D3>D1=D2>
    D4 である演算処理手段とを有する音響効果装置。
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