JP2002032952A - モータ起動方法 - Google Patents

モータ起動方法

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JP2002032952A
JP2002032952A JP2000217095A JP2000217095A JP2002032952A JP 2002032952 A JP2002032952 A JP 2002032952A JP 2000217095 A JP2000217095 A JP 2000217095A JP 2000217095 A JP2000217095 A JP 2000217095A JP 2002032952 A JP2002032952 A JP 2002032952A
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rotation speed
motor
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JP2000217095A
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English (en)
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Yasuhiro Yoshioka
康裕 吉岡
Kazuhiko Kono
和彦 甲野
Tetsuhiko Kaneaki
哲彦 金秋
Masayuki Shibano
正行 芝野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピンドルモータの起動の信頼性を確保しつ
つ、消費電力を削減し、起動時の騒音を低減する。 【解決手段】 スピンドルモータの起動に最低限必要な
起動電流に対応する起動信号をスピンドルモータ駆動部
へ送信し、スピンドルモータを起動する。モータの回転
数が目標回転数より僅かに低い回転数になった時点で、
システム制御部から指令を送り、フィードバック制御へ
切換え、以後はフィードバック制御でスピンドルモータ
の回転数を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピンドルモータ
の起動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、CD(コンパクトディスク)、M
D(ミニディスク)、DVD(デジタルバーサタイルデ
ィスク)等に代表される光ディスクが特にオーディオの
記録媒体として急速に普及している。光ディスクはラン
ダムアクセスが可能であり、ディジタル処理によるすぐ
れた音質を有するとともに、長年使用しても音質劣化が
ないことが大きな特徴である。特にMDは、再生専用の
光ディスクであるCDとは異なり、一般のユーザによる
記録・再生が可能であるという特徴から若年層を中心に
幅広い市場で受け入れられつつある。MDのディスク径
はCDのディスク径120mmの約半分の64mmしか
ないという点から携帯型の再生装置に適しており、それ
らが最近急速に普及してきた。
【0003】携帯型の再生装置の開発で重要なポイント
になるのが省電力化である。携帯型の再生装置の主な電
源は電池であるため、電池から得られる限られた電力で
如何にして長時間の再生を実現するかが課題である。従
来のCDやMD等の携帯型再生装置における省電力化の
技術として、回路の集積化による回路規模の縮小や回路
の動作電圧の低電圧化等についての技術が開発されてい
る。
【0004】MDでは、CDの約半分の、ディスク径6
4mmの光ディスクにCDと同等な時間のオーディオ信
号を記録するため、圧縮技術によりオーディオ信号を約
1/4.8倍に圧縮し記録している。光ディスクから再
生されたデータは一時メモリに蓄積され、蓄積されたデ
ータを読出時に伸張してオーディオ信号を生成する。メ
モリに十分なデータが蓄積されている間は、新たに光デ
ィスクからデータを再生する必要はなく、光ディスクか
らデータを再生する回路を停止させてもよい。このと
き、スピンドルモータの回転速度を再生時の速度(再生
速度)より低い待機速度まで下げることでスピンドルモ
ータの消費電力を削減できる。メモリに蓄積されている
データが残り少なくなると、スピンドルモータの回転数
を再生速度まで上げ光ディスクから新たにデータを再生
してメモリに蓄積する。このようなデータ再生動作の停
止・再開を繰り返し行う「間欠駆動再生」により、再生
回路を間欠的に動作させて消費電力を削減することは光
ディスク装置の省電力化に大きく貢献している。
【0005】光ディスクのデータを再生する再生回路が
動作を停止しているとき、スピンドルモータを完全に停
止することによりさらに消費電力を削減できる。この場
合、スピンドルモータの回転を一旦完全に停止した後、
再び起動するという動作を音楽等の再生動作中に繰り返
すことになる。以下に、スピンドルモータを停止状態か
ら起動する場合の従来の一般的なモータ起動装置及び起
動方法について説明する。
【0006】図13は、MD再生装置のモータ制御部に
おける従来のモータ起動装置のブロック図である。図1
3において、光ディスク601を回転させるスピンドル
モータ602を駆動するために、スピンドルモータ駆動
部603は、入力された起動信号に応じた駆動電流をス
ピンドルモータ602に供給する。スピンドルモータ駆
動部603には、起動信号生成部608からの起動信号
及びスピンドル制御部605からの信号の内のどちらか
一方が駆動信号切換え部604で切換えられて入力され
る。スピンドル制御部605は回転数検出部607から
得られる回転数に応じたFG信号と、システム制御部6
06で設定した目標回転数に応じたFGref信号とを
比較し、回転数の誤差に応じた信号を出力する。システ
ム制御部606は駆動信号切換え部604、スピンドル
制御部605及び起動信号生成部608へ目的に応じて
指令を送る。回転数検出部607はスピンドルモータ6
02の回転数を検出する。光ピックアップ609は光デ
ィスク601にレーザ光を照射し、その反射光からRF
信号を検出する。復調回路610は光ピックアップ60
9で検出されたRF信号を復調して再生系へ送る。以上
のように構成された従来のモータ起動装置の動作を以下
に説明する。
【0007】スピンドルモータ602を停止している初
期状態から起動するとき、システム制御部606から駆
動信号切換え部604に切換信号を送り、スピンドルモ
ータ駆動部603を起動信号生成部608に接続する。
これにより起動信号生成部608で生成された所定の最
大レベルの起動電流に対応する信号がスピンドルモータ
駆動部603へ印加され、最大レベルの駆動電流が出力
される。駆動電流はスピンドルモータ602に印加さ
れ、スピンドルモータ602は回転を始める。回転して
いるスピンドルモータ602の回転数に対応する信号で
あるFG信号は回転数検出部607で検出される。スピ
ンドルモータ602の回転数が目標回転数に達するか、
又は図示を省略した回路により光ディスク601の再生
信号から回転数に応じた信号を検出して、スピンドルモ
ータ602の回転数が目標回転数に達したことが判定さ
れると、システム制御部606から切換信号が駆動信号
切換え部604に送られる。これにより駆動信号切換え
部604はスピンドルモータ駆動部603をスピンドル
制御部605へ切換え、フィードバック制御が開始され
る。
【0008】フィードバック制御時は、スピンドル制御
部605に、回転数検出部607の出力であるFG信号
とシステム制御部606の出力であるFG信号の目標値
のFGref信号とが入力される。そしてFG信号とF
Gref信号の周波数の差に応じた信号がスピンドルモ
ータ駆動部603へ送られる。スピンドルモータ駆動部
603はこの信号に応じた駆動電流をスピンドルモータ
602に与えて駆動する。これにより、スピンドルモー
タ602の回転数は所定の目標回転数に制御される。こ
のフィードバック制御時に、光ピックアップ609は回
転する光ディスク601にレーザ光を照射し、その反射
光から光ディスク601に記録されている信号を検出し
RF信号を出力する。復調回路610はRF信号を復調
し再生信号として出力する。
【0009】図14は、従来のモータ起動方法の動作を
示すフローチャートである。ステップ501で、所定の
最大レベルの起動信号をスピンドルモータ駆動部603
に印加する。ステップ502で、スピンドルモータの回
転数が目標回転数に到達したら、ステップ503でフィ
ードバック制御を開始する。
【0010】図15は、従来のモータ起動方法における
モータ駆動電流の変化を示す図であり、横軸は時間、縦
軸は駆動電流を示す。時刻t1で最大駆動電流Imax
がスピンドルモータに与えられる。時刻t2でスピンド
ルモータの回転数が目標回転数に到達してフィードバッ
ク制御に切換わると、駆動電流は、スピンドルモータが
定常回転するのに必要な定常電流Istまで急速に減少
する。斜線部の面積S9は、起動時に消費する起動電力
を表している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のモータ起動
方法では、起動時に最大駆動電流Imaxを印加してス
ピンドルモータを回転させるので、起動時の消費電力が
大きく騒音も大きいという問題があった。一般にモータ
が回転すると、コイルや磁気回路の熱損、鉄損、渦電流
損等の電気的な損失と電磁気的な損失が生じる。これら
の損失はすべてモータのコイルに流れる電流の大小に応
じて増減する。また、モータのシャフトのねじれやがた
などによる機械的な損失も起動時の印加電流の大小に応
じて増減する。上記の従来技術のように起動時に最大駆
動電流を与えて起動すると、起動電流が大きいために上
記要因による損失が増大し消費電力が増加する。起動電
流が大きいため、発生する起動トルクも大きくモータの
騒音も増大する。騒音を発生するために余分なエネルギ
ーを消費し、この騒音によるエネルギー損失がさらに消
費電力を増大させる。本発明はスピンドルモータの起動
時の消費電力をできるだけ削減し騒音を低減することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のモータ起動方法
は、入力された起動信号に対応した電流をスピンドルモ
ータに供給するスピンドルモータ駆動部を有し、情報媒
体ディスクを用いて情報信号の記録再生を行なうディス
ク装置の、前記ディスクを回転させるスピンドルモータ
の起動方法であって、前記スピンドルモータの起動に最
低限必要な大きさの電流のレベルに対応した起動用の信
号を前記スピンドルモータ駆動部に印加するステップ、
及び前記スピンドルモータの回転数が所定の回転数まで
上昇した後、前記スピンドルモータの回転数を所定の始
動時回転数より低い運転回転数に保つ信号に切り換え、
以後前記回転数を保つようフィードバック制御を行なう
ステップ、を有することを特徴とする。必要最小限の電
流で起動するので、起動電力が最少となり起動時の消費
電力を節減できる。本発明の他の観点のモータ起動方法
は、入力された起動信号に対応した電流をスピンドルモ
ータに供給するスピンドルモータ駆動部を有し、情報媒
体ディスクを用いて情報信号の記録、或いは再生を行な
うディスク装置の前記ディスクを回転させるスピンドル
モータの起動方法であって、起動時にスピンドルモータ
の起動に最低限必要なレベルより大きなレベルの起動電
流に対応した起動信号を前記スピンドルモータ駆動部に
印加し、所定時間後に、前記起動信号をより低減された
電流のレベルに対応する信号に切換するステップ、及
び、前記スピンドルモータの回転数が目標回転数近くま
で上昇した後に、前記スピンドルモータの回転数を所定
の目標回転数に保つようフィードバック制御を行なうス
テップ、を有することを特徴とする。必要最少源の電流
より大きい電流で起動するので、スピンドルモータの停
止中の静摩擦力に打ち勝って急速に起動させることがで
きる。本発明の他の観点のモータ起動方法は、入力され
た起動信号のレベルに対応した電流をスピンドルモータ
に供給するスピンドルモータ駆動部を有し、情報媒体デ
ィスクを用いて情報信号の記録再生を行なうディスク装
置の前記ディスクを回転させるスピンドルモータの起動
方法であって、前記起動信号をスピンドルモータの回転
数が目標回転数を僅かに下回る回転数に到達するよう設
定するステップ、及び目標回転数に接近した後はスピン
ドルモータの回転数が目標回転数を越えないようにフィ
ードバック制御するステップ、を有することを特徴とす
る。スピンドルモータの回転数が常に目標回転数を超え
ないように制御することにより、消費電力を最低限にす
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明のモータ起動方法の
好適な実施例について図1から図12を参照して説明す
る。本発明の各実施例のモータ起動方法を行う装置は、
前記従来の技術の項で説明した図13の装置と同じもの
を用いうる。従って装置についての重複する説明は省略
する。但し、起動信号として異なる種類の信号を用いる
ことも可能であるから、その例については実施例の中で
説明する。
【0014】《第1実施例》本発明の第1実施例のモー
タ起動方法を図1、図5及び図13を参照して説明す
る。図1は、第1実施例のモータ起動方法を示すフロー
チャートである。まず、ステップ101で、スピンドル
モータ602にその起動に最低限必要な最少起動電流I
minを供給するために、最低限必要なレベルの電流す
なわち最小起動電流に対応する信号をスピンドルモータ
駆動部603に印加する。このとき、図13の起動信号
生成部608で生成される信号は、製造誤差によるスピ
ンドルモータの特性のばらつきや温度特性、経時変化等
による起動電流のばらつき等を考慮して、確実にスピン
ドルモータ602を起動できる最低の起動電流値Imi
nに若干の余裕が得られるように設定される。スピンド
ルモータ駆動部603に印加される信号は、最も簡単に
はスピンドルモータ駆動部603からスピンドルモータ
駆動部603に供給する出力電流値に比例した大きさを
もつ連続的電流信号である。しかし信号の種類はこれに
限られるものではない。たとえば出力電流値に比例した
電圧信号であってもよい。更に出力電流値に比例した波
高値をもつパルス電流又はパルス電圧を用いることも可
能である。さらに出力電流値に比例したパルス幅をもつ
一定波高値又は変化する波高値のパルス信号でもよい。
さらに出力電流値に対応して変調したFM信号、PWM
信号を用いることもできる。ステップ102で、スピン
ドルモータ602の回転数がほぼ目標回転数に到達した
と判定されると、ステップ103に進み、運転状態がフ
ィードバック制御に切換えられる。フィードバック制御
ではスピンドルモータ602の回転数が所定の目標回転
数に保たれるように制御される。目標回転数に到達して
いないときはステップ101に戻ることを繰り返して目
標回転数に到達する。
【0015】図5は、第1実施例のモータ起動方法にお
けるモータ駆動電流の時間変化を示す図であり、横軸は
時間、縦軸は駆動電流を示す。横軸及び縦軸のそれぞれ
の単位長当たりの時間及び電流値は図15のものと同じ
である。時刻t1でスピンドルモータ駆動部603に起
動信号が印加され、駆動電流Iminが流れる。時刻t
2でフィードバック制御に切換わる。斜線部の面積S1
は、起動時に消費する起動電力に対応するが、面積S1
を従来のモータ駆動電流に対応する図15の斜線部の面
積S9と比較すると、面積S1が面積S9より小さいこ
とがわかる。すなわち、この実施例によると起動時の駆
動電流を必要最少限のレベルにしたことで起動に要する
時間は長くなるものの、起動時の電流が減り電気的及び
電磁気的な損失、機械的な損失、騒音発生による損失が
減少したことを示している。本実施例によると、スピン
ドルモータ602の起動時にに最低限必要なレベルに対
応する起動信号を印加することにより起動時の消費電力
を減らすとともに、騒音をも減らすことができる。
【0016】《第2実施例》本発明の第2実施例のモー
タ起動方法について図2、図5、図13及び図15を参
照して説明する。図2は、第2実施例のスピンドルモー
タの起動方法の動作を示すフローチャートである。本実
施例では、スピンドルモータ602の回転速度を、デー
タを再生中の回転速度である「再生速度」と再生をして
いない待機中の回転速度である「待機速度」との間又は
「再生速度」と「停止」との間で切換える「間欠駆動再
生」の動作のように、極力消費電力を削減したい場合、
消費電力を増やしてでも起動を速くしたい場合、あるい
はアクセスを速くしたい場合等、目的に応じてスピンド
ルモータ602の起動方法を変更することができる。
【0017】ステップ201で、装置の立上げ時、もし
くはアクセス時等、スピンドルモータ602を短時間で
起動する急速起動の場合か、そうでないかを判定する。
急速起動の場合はステップ203に進み、スピンドルモ
ータに最大駆動電流Imaxに対応する信号を与え急速
に起動する。すなわち図13のシステム制御部606か
ら起動指令を起動信号生成部608に印加し、設定して
いた最大レベルに対応する起動信号をスピンドルモータ
駆動部603へ印加する。ステップ205で、スピンド
ルモータの回転数を判定し、回転数が目標回転数に達し
たかどうかを判定する。目標回転数に達したときは、ス
テップ206に進み、フィードバック制御を行いスピン
ドルモータの回転数を所定の目標回転数になるように制
御する。この時のモータの駆動電流の時間的変化は、図
15に示すものと同様になる。
【0018】ステップ201で、急速起動でないと判定
されたときは、ステップ202に進み、起動信号発生部
68には最少起動電流値Iminに対応する信号を設定
する。これにより、最低限必要なレベルの起動電流に対
応する信号をスピンドルモータ駆動部603に印加し、
スピンドルモータを回転させる。このとき図13のシス
テム制御部606から駆動信号切換部604に起動指令
を送り、第1実施例と同様に予め起動信号生成部608
に設定していたモータ起動に最低限必要な値の最少起動
電流Iminに対応する信号をスピンドルモータへ入力
する。ステップ204で、スピンドルモータ602の回
転数がほぼ目標回転数に達したと判定されると、ステッ
プ206に進み、フィードバック制御を行い、スピンド
ルモータ602の回転数を所定の目標回転数になるよう
に制御する。モータ駆動電流の時間的変化は、図5と同
様になり、第1実施例と同様に起動電力を削減すること
ができる。第2実施例によると、装置の立上げ時又はア
クセス時等スピンドルモータ602を速く起動したい場
合と、多少時間がかかっても省電力を図りつつスピンド
ルモータ602を起動したい場合とのそれぞれの目的に
応じて起動方法を選択できる。
【0019】《第3実施例》本発明の第3実施例のモー
タ起動方法について図3、図6及び図13を参照して説
明する。図3は、第3実施例のモータ起動方法を示すフ
ローチャートである。図6は、第3実施例のモータ起動
方法のモータ駆動電流を示す図である。ステップ301
で、スピンドルモータ602に、その起動に最低限必要
なレベルより大きいレベルの起動電流を印加する(図6
のt1)。次に、ステップ302で起動からの時間を計
測し、所定時間経過したことが判定されると、ステップ
303に進み、最低起動電流Iminより小さい電流に
切換える(図6のt2)。ステップ304で、スピンド
ルモータの回転数を計測し、回転数が目標回転数に達し
たことが判定されると(図6のt3)、ステップ305
に進み、フィードバック制御を行い、スピンドルモータ
の回転数が所定の目標回転数になるように制御する。な
お、ステップ303において、最低起動電流Imin以
上の電流を印加してもよい。
【0020】第3実施例では図3のフローチャートに示
すように、起動電流を2段階に分けて印加する。すなわ
ちステップ301ではスピンドルモータの停止中の静摩
擦力に打ち勝つ大きさの起動電流を印加してモータを起
動させ、ステップ303では回転中の動摩擦力に対して
充分な駆動力を得る駆動電流を印加する。動摩擦力は静
摩擦力より小さいので最少起動電流Iminより少ない
駆動電流でスピンドルモータ602を目標回転数近くの
回転数に上げることができる。これにより、電気的、電
磁気的な損失、機械的な損失、騒音による損失を抑える
ことができる。図6の斜線部の面積S2は明らかに図5
の面積S1より少なく、第3実施例での起動電力は第2
実施例のものより少ないことを示している。第1実施例
では、最少起動電流Iminで起動するので、スピンド
ルモータ602の最少起動電流Iminが温度の変動な
どで変化すると、起動できなくなるおそれがある。そこ
で最少起動電流Iminは上記の変化(ばらつき)を考
慮に入れて少し高めに設定する必要がある。本実施例で
は時刻t1の起動電流は最少起動電流Iminより十分
大きいのでスピンドルモータ602の最少起動電流のば
らつきを考慮する必要がない。従って起動電流の設定が
容易となる。
【0021】図7は、第3実施例の他の例のモータ起動
方法における駆動電流の変化を示す図である。この例で
は、時刻t1で最少起動電流Iminより十分大きな起
動電流を印加して起動する。起動後時刻t2、t3、t
4、t5で順次階段状に電流を減らしてゆく。時刻t6
で目標回転数に達した後はフィードバック制御に切換え
る。図7の斜線部の面積S3は明らかに図5の面積S1
より少なく、起動電力がさらに削減されたことを示して
いる。この例ではスピンドルモータ602の最少起動電
流のばらつきを考慮する必要がないので、起動電流の設
定が容易になる。さらに、起動後所定時間おきに段階的
に駆動電流を低減するため、スピンドルモータ602の
起動時の不要な振動が低減され、装置の安定性を向上さ
せることができる。
【0022】図8は第3実施例のさらに他の例のモータ
起動時の電流の変化を示す図である。図8では、起動電
流の初期値を最少起動電流Iminより十分大きくし、
時間が経つにつれて一次関数で表される直線で定常電流
Istまで漸減させる。図8の斜線部の面積S4を図5
の斜線部の面積S1と比較すると、面積S4はS1より
少なく、起動電力が削減されたことを示している。起動
電流の初期値が最少起動電流Iminより十分大きいの
で起動電流のばらつきを考慮して電流レベルを設定しな
くてもよい。従ってスピンドルモータ602の起動電流
のばらつきに関係なく、スピンドルモータ602を確実
に起動できる。起動電流が一次関数に従って低減してい
るので、図7に示す階段状のものよりもなめらかな起動
が実現できる。
【0023】図9は、第3実施例のさらに他の例のモー
タ起動方法を示す電流の変化を示す図である。図9で
は、起動電流の初期値を最少起動電流Iminより十分
大きくし、時間が経つにつれて傾きが小さくなるような
関数で示される曲線に従って定常電流Istまで漸減さ
せる。図9の斜線部の面積S5を図5の面積S1と比較
すると、面積S5は面積S1より少なく、起動電力が削
減されたことを示している。この実施例では、起動電流
のばらつきを考慮して電流レベルを設定しないでよいた
め、起動電流のばらつきに関係なく、スピンドルモータ
を確実に起動できる。さらに、起動電流が減衰関数に従
って低減するので、図8のものよりさらになめらかな起
動を実現できる。以上の各例に示すように第3実施例で
は、スピンドルモータ602の停止中の静摩擦力に打ち
勝つような起動電流を印加した後に、最少起動電流Im
inよりも低いレベルの起動電流を印加することによ
り、起動時の消費電力と騒音をさらに削減できると共
に、起動電流のばらつきに影響されることなく安定かつ
なめらかな起動が可能となる。
【0024】《第4実施例》本発明の第4実施例のモー
タ起動方法を図4及び図10、図11及び図12を参照
して説明する。図4は、第4実施例によるモータ起動方
法の動作を示すフローチャートである。ステップ401
で、スピンドルモータ602に、その起動に最低限必要
な最少起動電流Iminに対応するレベルの起動信号を
印加し起動する(図10、図11、図12の時刻t
1)。時刻t1から所定時間後の時刻t2で、スピンド
ルモータの回転数が目標回転数を僅かに下回るある回転
数に到達するよう前記所定時間として起動信号の印加時
間Tを(T=t2−t1)で予め設定しておく。ステッ
プ402で時間を計測し、前記印加時間Tが経過したと
判定されると、ステップ403に進み、フィードバック
制御を行い、スピンドルモータの回転数を所定の回転数
に制御する。印加時間Tは、標準的なスピンドルモータ
の特性を想定して、時刻t2でスピンドルモータ602
の回転数が目標回転数に到達するように設定してあるの
で、スピンドルモータの特性のばらつきにより、印加時
間T後の回転数にもばらつきを生じる。
【0025】図10、図11及び図12は、第4実施例
のモータ起動方法におけるモータ駆動電流の時間的変化
を示す図である。図10は、スピンドルモータの起動時
の抵抗が大きく、起動信号の印加終了時刻t2におい
て、目標回転数よりも僅かに低い回転数でフィードバッ
ク制御へ切換えられたときの駆動電流の変化を示す。時
刻t2では目標回転数にまだ達していないため、フィー
ドバック制御により矢印Xで示すように駆動電流が増加
する。図11は、スピンドルモータの起動時の抵抗が目
標通りであったため、起動信号印加終了時刻t2に目標
回転数に一致した回転数でフィードバック制御へ切換え
られたときのモータ駆動電流波形である。図12は、ス
ピンドルモータの起動時の抵抗が目標より小さいため、
起動信号印加終了時刻t2に目標回転数よりも僅かに高
い回転数でフィードバック制御へ切換えられたときのモ
ータ駆動電流波形である。このとき、実はフィードバッ
ク制御へ切換わった直後の回転数が目標回転数よりも高
いため、フィードバック制御により矢印Yで示すように
モータの回転を減速させる方向の電流が流れ無駄な電力
を消費する。そこで、標準的なモータの場合には起動信
号の印加時間を図10の状態になるように、印加時間を
若干短めに設定する。このように設定すると、モータの
起動時の抵抗が最少の場合でも図12に矢印Yで示す電
流は流れず減速のための無駄な電力消費を防ぐことがで
きる。
【0026】以上のように、第4実施例では、起動信号
の印加時間を、信号印加終了時点での回転数が目標回転
数よりも僅かに低い回転数となるように設定する。これ
によりモータの起動時の抵抗にばらつきがあっても、フ
ィードバック制御時に回転数を減らす方向の電流が流れ
て無駄な電力が消費されるのを防止できる。この様式
で、目標回転数よりも僅かに低い回転数でフィードバッ
ク制御に切換えるモータ起動方法は、第1から第3の実
施例と組み合わせて実施できることはいうまでもない。
【0027】
【発明の効果】以上各実施例で詳細に説明したように、
本発明のモータの起動方法によれば、スピンドルモータ
の起動時に、起動に最低限必要な最少起動電流を印加す
ることにより消費電力を削減し騒音を低減できる。ま
た、スピンドルモータの起動時に最少起動電流又は最大
起動電流を必要に応じて選択して印加することにより、
高速起動もしくは、必要に応じて消費電力及び騒音を低
減できる。さらに、モータ起動時に最少起動電流より大
きな電流を印加し、その後電流値を漸減することによ
り、さらに消費電力を削減できるとともに、スピンドル
モータの最少起動電流にばらつきがあっても、安定かつ
なめらかな起動ができる。モータ回転数が目標回転数の
近傍あるいはそれを僅かに下回る時点でフィードバック
制御に切換え、回転数が目標回転数を越えないようにす
ることにより、減速力の発生を防ぎスピンドルモータの
ばらつきがあっても消費電力を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるモータ起動方法の動
作のフローチャートである。
【図2】本発明の第2実施例によるモータ起動方法の動
作のフローチャートである。
【図3】本発明の第3実施例によるモータ起動方法の動
作のフローチャートである。
【図4】本発明の第4実施例によるモータ起動方法の動
作のフローチャートである。
【図5】本発明の第1及び第2実施例のモータ起動方法
におけるモータ駆動電流の時間的変化を示す図である。
【図6】本発明の第3実施例のモータ起動方法における
モータ駆動電流の時間的変化を示す図である。
【図7】本発明の第3実施例の他のモータ起動方法にお
けるモータ駆動電流の時間的変化を示す図である。
【図8】本発明の第3実施例のさらに他のモータ起動方
法におけるモータ駆動電流の時間的変化を示す図であ
る。
【図9】本発明の第3実施例のさらに他の例のモータ起
動方法におけるモータ駆動電流の時間的変化を示す図で
ある。
【図10】本発明の第4実施例のモータ起動方法におけ
るモータ駆動電流の時間的変化を示す図である。
【図11】本発明の第4実施例のモータ起動方法におけ
るモータ駆動電流の時間的変化を示す図である。
【図12】本発明の第4実施例のモータ起動方法におけ
るモータ駆動電流の時間的変化を示す図である。
【図13】本発明の各実施例と従来例に共通のモータ起
動方法を行なう装置の要部のブロック図である。
【図14】従来のモータ起動方法の動作のフローチャー
トである。
【図15】従来のモータ起動方法のモータ駆動電流の変
化を示す図である。
【符号の説明】
601 光ディスク 602 スピンドルモータ 603 スピンドルモータ駆動部 604 駆動信号切換え部 605 スピンドル制御部 606 システム制御部 607 回転数検出部 608 起動信号生成部 609 光ピックアップ 610 復調回路
フロントページの続き (72)発明者 金秋 哲彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 芝野 正行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D109 EA01 EA13 KB05 KB23 KB25 KC04 KD05 5H001 AA03 AD01 AD02 5H560 HA10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された起動信号に対応した電流をス
    ピンドルモータに供給するスピンドルモータ駆動部を有
    し、情報媒体ディスクを用いて情報信号の記録再生を行
    なうディスク装置の、前記ディスクを回転させるスピン
    ドルモータの起動方法であって、 前記スピンドルモータの起動に最低限必要な大きさの電
    流のレベルに対応した起動用の信号を前記スピンドルモ
    ータ駆動部に印加するステップ、及び 前記スピンドルモータの回転数が所定の回転数まで上昇
    した後、前記スピンドルモータの回転数を所定の始動時
    回転数より低い運転回転数に保つ信号に切り換え、以後
    前記回転数を保つようフィードバック制御を行なうステ
    ップ、 を有することを特徴とするモータ起動方法。
  2. 【請求項2】 スピンドルモータの起動に最低限必要な
    電流レベルに対応する第1の起動信号、及び前記第1の
    起動信号より大きい電流レベルに対応する第2の起動信
    号の内のいずれか一方をあらかじめ定めた条件に基づい
    て選択するようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    モータ起動方法。
  3. 【請求項3】 前記あらかじめ定めた条件として、記録
    或いは再生動作を開始する立上げ動作時及びディスク上
    の記録或いは再生の場所を変更するアクセス動作時に、
    前記第2の起動信号を選択することを特徴とする請求項
    2記載のモータ起動方法。
  4. 【請求項4】 入力された起動信号に対応した電流をス
    ピンドルモータに供給するスピンドルモータ駆動部を有
    し、情報媒体ディスクを用いて情報信号の記録、或いは
    再生を行なうディスク装置の前記ディスクを回転させる
    スピンドルモータの起動方法であって、 起動時にスピンドルモータの起動に最低限必要なレベル
    より大きなレベルの起動電流に対応した起動信号を前記
    スピンドルモータ駆動部に印加し、所定時間後に、前記
    起動信号をより低減された電流のレベルに対応する信号
    に切換するステップ、及び、 前記スピンドルモータの回転数が目標回転数近くまで上
    昇した後に、前記スピンドルモータの回転数を所定の目
    標回転数に保つようフィードバック制御を行なうステッ
    プ、 を有することを特徴とするモータ起動方法。
  5. 【請求項5】 前記起動信号のレベルを複数の段階に分
    けて順次低減することを特徴とする請求項4記載のモー
    タ起動方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の段階は2段階であることを特
    徴とする請求項5記載のモータ起動方法。
  7. 【請求項7】 起動信号のレベルを所定の時間の関数の
    値に従って低減することを特徴とする請求項4記載のモ
    ータ起動方法。
  8. 【請求項8】 前記所定の時間の関数は、1次関数であ
    ることを特徴とする請求項7記載のモータ起動方法。
  9. 【請求項9】 起動信号の印加が終了した時点で、スピ
    ンドルモータの回転数が目標回転数に近い値に達するよ
    うに前記起動信号のレベルを設定することを特徴とする
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のモータ
    起動方法。
  10. 【請求項10】 入力された起動信号のレベルに対応し
    た電流をスピンドルモータに供給するスピンドルモータ
    駆動部を有し、情報媒体ディスクを用いて情報信号の記
    録再生を行なうディスク装置の前記ディスクを回転させ
    るスピンドルモータの起動方法であって、 前記起動信号をスピンドルモータの回転数が目標回転数
    を僅かに下回る回転数に到達するよう設定するステッ
    プ、及び目標回転数に接近した後はスピンドルモータの
    回転数が目標回転数を越えないようにフィードバック制
    御するステップ、 を有することを特徴とするモータ起動方法。
  11. 【請求項11】 起動信号のレベルをスピンドルモータ
    回転数が目標回転数を僅かに下回る回転数に到達するよ
    うに設定するステップ、及びフィードバック制御への移
    行後にはスピンドルモータ回転数が目標回転数を越えな
    いように制御するステップ、 を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、7又は8記載のモータ起動方法。
  12. 【請求項12】 目標回転数はディスクから読み出した
    アドレスに応じて定まる回転数であることを特徴とする
    請求項9、10又は11記載のモータ起動方法。
  13. 【請求項13】 前記起動信号は電流信号であることを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5、7、9、10又
    は11記載のモータ起動方法。
  14. 【請求項14】 前記起動信号は電圧信号であることを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5、7、9、10又
    は11記載のモータ起動方法。
  15. 【請求項15】 スピンドルモータが停止状態から起動
    されることを特徴とする請求項1、2、4、9、10又
    は11記載のモータ起動方法。
  16. 【請求項16】 スピンドルモータの回転数を、通常の
    回転数より低い回転数で回転中の待機状態から通常の回
    転数まで上昇させて起動することを特徴とする請求項
    1、2、4、9、10又は11記載のモータ起動方法。
  17. 【請求項17】 起動時の起動信号の印加時間をスピン
    ドルモータ回転数が目標回転数を僅かに下回る回転数に
    到達するように設定するステップ、及びフィードバック
    制御への移行後にはスピンドルモータ回転数が目標回転
    数を越えないように制御するステップ、 を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、7又は8記載のモータ起動方法。
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