JP2002031689A

JP2002031689A - 人体検出センサ

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Publication number: JP2002031689A
Application number: JP2000213591A
Authority: JP
Inventors: Kenji Kawai; 健児河井
Original assignee: Noritz Corp
Current assignee: Noritz Corp
Priority date: 2000-07-14
Filing date: 2000-07-14
Publication date: 2002-01-31

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、人体検出センサにおける設置位置
の確認に際して、モニター等を使用することなく簡単に
行なうことのできる人体検出センサを提供することを課
題とする。【解決手段】人体の動きを撮像して画像処理する人体
検出センサにおいて該人体検出センサには取付方向を可
変できる手段を設け、かつ、人体検出センサには光源を
設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は浴室等における人体
の動きを撮像して画像処理する人体検出センサに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、出願人は人体の動きを検出する人
体検出センサを浴室の天井等に設置して、浴室内におけ
る人体検出を迅速かつ確実に行なえる技術内容を既に提
案した（特願２０００―１２１１４５）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、人体検出セン
サはその検知領域が特定されその領域内のみ画像処理す
るようになっており、センサが適正な検知領域に入るよ
うにセンサの取付位置、取付方向を調整しなければなら
ない。ところが、この調整作業が正しく行われているか
否かを外部から確認するには、人体検出センサが検出し
た撮像画像のデータを別途出力して、パソコン等の外部
モニター画面で目視しなければならず、確認用のモニタ
ーのみならず画像出力用のＩＣが別途必要となり、また
通信線の数が増加して回路が煩雑となる問題を有してい
た。

【０００４】本発明は上記問題に鑑み、人体検出センサ
における設置位置の確認に際して、前記モニター等を使
用することなく簡単に行なうことのできる人体検出セン
サを提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の人体検出センサは、人体の動きを撮像して
画像処理する人体検出センサにおいて該人体検出センサ
には取付方向を可変できる手段を設け、かつ、人体検出
センサには光源を設けたことを第１の特徴としている。
この第１の特徴によれば、センサに設けた光源の光線に
よる方向を見ればよく、人体検出センサの設置取付位置
の目視確認が容易となり、また可変手段によりセンサ自
体の取付方向を光線を見ながら適正位置に調整すること
が可能となる。

【０００６】また、本発明の人体検出センサは、人体の
動きを撮像して画像処理する人体検出センサにおいて該
人体検出センサには取付方向を可変できる手段を設け、
かつ、人体検出センサには撮像レンズを挟んで２個の光
源を設けたことを第２の特徴としている。この第２の特
徴によれば、撮像レンズを挟んで２個の光源を設けるこ
とで、放射された２点間を結べば人体検出センサ本体の
画像取り込み位置を特定することができ、人体検出セン
サの設置位置の確認が容易に行なえる利点がある。

【０００７】さらに、本発明の人体検出センサは、人体
の動きを撮像して画像処理する人体検出センサにおいて
該人体検出センサには取付方向を可変できる手段を設
け、かつ、人体検出センサには撮像レンズを挟んで複数
個の光源を設け、該光源は可視光線を発光するランプで
構成したことを第３の特徴としている。この第３の特徴
によれば、センサが適正に取り付けられているか否かに
ついて目視による確認が容易となり、また設置方向の調
整も容易となる。

【０００８】さらに、本発明の人体検出センサは、人体
の動きを撮像して画像処理する人体検出センサにおいて
該人体検出センサには取付方向を可変できる手段を設
け、かつ、人体検出センサには撮像レンズを挟んで２個
の光源を設け、該光源は可視光線を発光するランプで構
成し、それぞれの光源色を相違させたことを第４の特徴
としている。この第４の特徴によれば、光源色を相違さ
せることで、方向性すなわち正逆方向の判定が容易とな
り、施工ミス等による逆転設置の防止を図ることができ
る。

【０００９】さらに、本発明の人体検出センサは、人体
の動きを撮像して画像処理する人体検出センサにおいて
該人体検出センサには取付方向を可変できる手段を設
け、かつ、人体検出センサには撮像レンズを挟んで複数
個の光源を設け、該光源は可視光線を発光するランプで
構成し、光線が浴槽と洗場との境界に位置するように取
付方向を調整するようにしたことを第５の特徴としてい
る。この第５の特徴によれば、光線が浴槽と洗場との境
界に位置するように取付方向を調整することで、設置位
置調整を確実に行なうことができる。

【００１０】加えて、本発明の人体検出センサは、人体
の動きを撮像して画像処理する人体検出センサにおい
て、該人体検出センサの検知領域を浴槽領域と洗場領域
とに分割し、人体検出センサには取付方向を可変できる
手段を設け、かつ、人体検出センサには撮像レンズを挟
んで複数個の光源を設け、該光源は可視光線を発光する
ランプで構成し、光線が浴槽と洗場との境界に位置する
ように取付方向を調整するようにしたことを第６の特徴
としている。この第６の特徴によれば、設置位置の確
認、適正位置への調整を確実に行なうことができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。図１は本発明の人体検
出センサを取り付けた浴室の全体構成図である。図２は
本発明の一実施形態を示す天井側から見たセンサと検知
領域との関係を示す説明図である。図３は本発明の他実
施形態を示す浴室のセンサと検知領域との関係を示す説
明図である。図４は本発明の一実施形態を示す電気回路
のブロック図である。図５は人体検出センサの画像検出
部の１画素を構成する画像コア回路の構成を示す回路図
である。図６はセンサの撮像範囲と検知範囲及び検知領
域との関係を示す説明図である。図７は制御フローチャ
ートである。図８は人体検出センサの設置状態を示す断
面図である。図９は人体検出センサを下方から見た底面
図である。

【００１２】図１は浴室１を側方から見た断面図であ
り、本発明の一実施形態の概略を示すものであって、シ
ステムバスルームを示す浴室１内部には浴槽２及び洗場
３を設けてある。４は浴室への入口である。そして、浴
室１の天井には人体センサ５が設置されている。天井の
人体センサ５は、人工網膜を利用した撮像装置を有し浴
室における人体の動きを撮像して画像処理する人体検出
センサ５１で構成してあるが、赤外線検知センサ５２を
併設して構成してもよい。また人体センサ５は浴室１の
内壁面上部に取り付けてもよい。また、ドーム型天井の
場合にはドーム型天井の側面である半円形部に取り付け
てもよい。

【００１３】人体検知センサ５の出力は、図示しない信
号線を通じて浴室用リモコンや台所用リモコンへ接続さ
れる。そして、給湯器を制御するリモコンには浴室１に
入浴者がいることを知らせるランプ等の表示部を有して
おり、人体センサ５が入浴者を検知して信号線から検知
信号を出力すると表示部が点灯等するようになってい
る。

【００１４】図４は低解像度の人工網膜チップを利用し
た人体検出センサ５１、赤外線センサ５２とからなる人
体センサ５の構成を示したものである。人体検出センサ
５１は人体を検出すると共に検出した画像を処理する撮
像装置６と、撮像装置６に制御信号を与えると共に処理
情報を判定する制御装置７とから構成されている。そし
て、人体検出センサ５１の他に赤外線センサ５２を同一
のケース内に設け、その制御装置７を共用し浴室１が暗
い場合の監視の補填を行なうようにしてある。

【００１５】前記撮像装置６の撮像部８は、縦３２×横
３２画素（＝１０２４画素）からなる低解像度の画像検
出部９の他、結像レンズ１０、スキャナ１１、マルチプ
レクサ１２及びスキャナ駆動制御部１３から構成されて
いる。画像検出部９の画素はそれぞれモノクロ２５６階
調「レベル０（黒）〜２５５（白）の２５６階調」で表
現される。なお、撮像部はカラー表現にて構成してもよ
い。

【００１６】そして、撮像部８においては、浴室内の画
像は、結像レンズ１０によって画像検出部９に結像され
る。スキャナ１１は、スキャナ駆動制御部１３によって
駆動制御されており、画像検出部９の各画素列を順次一
定周期毎に受光状態（オン状態）となるように制御して
いる。受光状態となった１列の各画素から同時に出力さ
れた光電流は、マルチプレクサ１２によってアナログデ
ータからシリアルデータに変換され、増幅器１４で増幅
された後、画像処理部１５へ入力される。なお、アナロ
グデータからシリアルデータへの変換等は外部に設けた
制御装置７部あるいは別途設けたＩＣにより行っても良
い。また、画像検出部９の各画素は、図５に示すように
画素コア回路１７によって構成されている。画素コア回
路１７は受光素子１８、電荷蓄積回路１９、感度可変回
路２０から構成されており、感度可変端子２１及びリセ
ット端子２２がスキャナ１１に接続され、光電流出力端
子２３がマルチプレクサ１２に接続されている。

【００１７】図４においてゲイン調整部１６は、画像処
理部１５における画像平均値（画像の明るさ）をチェッ
クし、画像平均値が適切な範囲から外れていれば、増幅
器１４によって撮像装置６のゲインを調整すると共にス
キャナ駆動制御部１３によって画像検出部９の蓄積時間
を調整し、適正な明るさの画像が得られるように調光し
てある。

【００１８】人工網膜を用いた撮像装置６では、画像平
均値は、画像検出部９を構成する３２×３２個の全画素
における階調（０階調（黒）〜２５５階調（白）の２５
６階調）の平均値であり、０〜２５５の値で表わさせ
る。この画像平均値は増幅器１４のゲインと画像検出部
９の蓄積時間によって決定される。ここで、ゲインはカ
メラの絞りに相当し、蓄積時間はカメラのシャッタース
ピードに相当する。従って、撮像装置６の適正な画像平
均値を得ようとすれば、適当なゲインに固定しておき、
蓄積時間を調整すればよい。あるいは、適当な蓄積時間
を固定しておき、ゲインを調整すればよい。

【００１９】そして、図４において少なくとも撮像をお
こなう画像検出部９と画像処理を行なう画像処理部１５
とは１チップで構成されている。このチップは人工網膜
チップと称される。また、このチップの裏面位置には、
制御装置７を設けてあり、制御装置７はマイクロコンピ
ュータからなり、この内部には人体検出センサに５１よ
る検知処理を行なう検知領域を複数の領域に分割する領
域分割手段２４をソフトウエアとして組込んである。

【００２０】具体的には、図６に示すように、画像処理
部１５に入力された画像情報を処理するためのポイント
テーブル２５を複数域に分割するものである。すなわち
人体検出センサによる検出可能な撮像能力範囲（ポイン
トテーブル２５全体に相当）を、まず画像処理の必要な
検知領域２６と、画像処理を行なわない非検知領域２７
とに区画している。すなわち、撮像能力範囲のすべてを
検知領域とはしていない。これにより検出処理可能な検
出処理領域のうちの一部を、実際に検知し処理するセン
サ検知領域として使用することで画像の処理範囲を限定
して、画像処理の速度を早めている。さらに前記の検知
領域２６を、洗場領域３０及び浴槽領域３１の２つの領
域に分割したものである。また、洗場領域３０と浴槽領
域３１との間の領域を無効領域とし、この無効領域は画
像の処理をしない非検知領域としてもよい。

【００２１】そして、人体検出センサ５１には可視光線
を発光するランプ、例えば電球、蛍光燈、発光ダイオー
ド等からなる光源５３を内蔵してある。この光源５３は
赤外線による光源であってもよく、また、制御装置７内
に設けた時限点灯手段５４によりセンサへの電源投入時
に投入後数分間のみ点灯し、その後は自動的に消灯する
ようにプログラムされてある。これにより、人体検出セ
ンサ５１の設置位置確認のために必要な時間のみ点灯さ
せて、電気代の節約を図ることができる。なお、上記点
灯のプログラムは人体検出センサの図示しないリモコン
の制御部に設けて、人体検出センサの取付施工時に点灯
するようにしてもよい。

【００２２】光源５３は具体的には図８、図９に示され
るように人体検出センサの撮像レンズ１０を挟んでセン
サケースの底面に２個取付けてある。挟んで２個取付け
ることで、光線の到達点を結ぶことにより人体検出セン
サの位置合わせを目視で行なうことができ、設置位置の
確認が容易となる。光源５３の取り付け位置は撮像レン
ズ１０を中心にして左右対象となるように配置してあ
る。この光源５３は、指向性を高くして、しかも光量が
浴室の床面に達する程度にしておくことが望ましい。ま
た、光源５３の数は直線状に３個以上の複数個でもよ
く、またセンサケースにスペースがない場合には、１個
でもよい。

【００２３】また人体検出センサ５１の取り付け方向
は、図２のように浴室１の浴室カウンタ８０から見て右
側に浴槽２、左側に洗場３が施工されている場合には、
人体センサ５の取付方向は浴室カウンタ８０から見て浴
槽２が右側となるように取り付けられる。ここに浴室カ
ウンタとは、水栓を取付けたり、洗面器を載置したりす
る台をいう。かならずしも浴室１の全長に亘って設ける
必要はなく洗場のみに設けてもよい。また、図示しては
いないが、浴室１の浴室カウンタ８０から見て左側に浴
槽、右側に洗場が施工されている場合には、人体検出セ
ンサ５１の取付方向は浴室カウンタ８０に向かって浴槽
２が右側となるように取り付けられる。

【００２４】取付方向を明確にするため、本実施例では
光源５３の光源色を相違させることで解決している。す
なわち、例えば２個の光源５３の一方を白色（Ａ）、他
方を赤色（Ｂ）とすることで、浴室カウンタ８０から見
て浴槽２が右側にある場合は、光源の光線が浴室カウン
タ８０から見て手前側から白色（Ａ）、赤色（Ｂ）の順
序となるように人体検出センサ５１を天井等に取り付け
設置すればよく、これとは逆に浴室カウンタ８０から見
て浴槽２が左側にある場合は、光源の光線が浴室カウン
タ８０から見て手前側から赤色（Ｂ）、白色（Ａ）の順
序となるように人体検出センサ５１を天井等に取り付け
設置すればよい。

【００２５】これにより、人体検出センサ５１の取り付
け方向を１８０度変更すればいずれの場合も、人体検出
センサ５１の取り付け方向に対して浴槽２が特定側とな
るため、画像処理に際して浴槽領域３１を特定すること
ができ、この特定により画像処理部１５に入力された画
像情報を処理するためのポイントテーブル２５を特定す
ることが可能となって同一のソフトウエアで処理するこ
とができる。前記光源色は白と赤とに限られず、緑と赤
でもよく、また他の異なる光源色であってもよい。

【００２６】そして、人体検出センサ５１を構成する結
像レンズ１０と撮像装置６と制御装置７とは、前記人体
検知センサ５２と共に１つのケースに納められ、人体セ
ンサセットとして浴室１の天井あるいは壁面に取り付け
られる。図８はその具体的な取り付け状態を示すもので
あり、人体センサ５を回動自在に収納した取付枠体８１
をネジ等の取付具８２により浴室１の天井８３に固定し
てある。６１は赤外線センサの入口部６０の近傍に設け
た調整板であり、枠体６２の内部に設けてある。７０は
結像レンズ１０をカバーする透明板からなるカバー体で
ある。人体センサ５のケース外形の一部は、取付枠体８
１の曲部状内面８４と形状的に一致させてあり、枠体内
に対して回動自在とすることで、手動により取り付けの
方向を任意に可変することができる。

【００２７】また、人体センサ５を有する取付枠体８１
を取付具８２により固定するようにしてあるので、人体
検出センサ５１の取付位置を任意に可変することもでき
る。また、人体検出センサ５１の取り付け方向を可変す
るには、上記の例に限られず、例えばセンサを球状にし
て吊るすようにしてもよく、また、センサを歯車に歯合
させて回動するようにしてもよい。

【００２８】図２において、人体検出センサ５１は、浴
室１の洗場領域３０と浴槽領域３１との境界位置に取り
付けられる。標準的な浴室におけるこのセンサの撮像エ
リアは、図２に示されるような範囲となることが実験に
より確認された。標準的に人体検出センサ５１は浴室カ
ウンタ８０から見て浴槽２が右側に存在するので、光源
色が手前側から見て白色（Ａ）、赤色（Ｂ）の順序とな
るように人体検出センサ５１を設置すればよく、設置後
人体検出センサ５１に通電することで光線が放射されて
この光線の放射位置を目視する。光源色が逆になってい
る場合には、手動により人体検出センサ５１を取付枠体
８１内を１８０度回動させて、適正位置に位置させれば
よい。このとき、撮像レンズ１０を挟んで２個の異なる
光源色を設けることで、目視による取付方向の確認がし
易くなる。光源は赤外線でもよいが、可視光線を発光す
るランプで構成することにより、目視確認の確実化を期
することとなる。

【００２９】また放射点の２点間を結ぶことで、センサ
本体への画像の取り込み、すなわち浴室１のほぼ中央部
にセンサ位置を位置させることができることとなる。特
に、光線が浴槽２と洗場３との境界に位置するように取
り付け方向を調整することで、取り付け後の調整が可能
となる。例えば、図３のように人体検出センサ５１の取
付け位置が洗場３側に若干ずれたとしても、人体検出セ
ンサ５１を手動により回動して、光源５３の光線が浴槽
と洗場の境界に位置するように調整することにより、予
め定められている画像処理のためのポイントテーブル２
５をそのまま使用して画像を処理することが可能とな
る。これにより、従来のようなモニターを使用すること
なく、人体検出センサ５１を画像処理のための適正位置
に調整することができる。

【００３０】そして、撮像装置６の検知出力と赤外線セ
ンサ５２の検知出力はそれぞれ判定手段３２へ出力され
る。判定手段３２は撮像装置６からの出力と赤外線セン
サ５２からの出力に基づき、浴室１における入浴者の有
無や入浴者の動きなどを総合的に判断する。

【００３１】人工網膜により検出した画像は次のように
画像処理される。画像処理部１５は、画像検出部９を構
成する全画素から画像情報を一定時間毎に受信する。画
像処理部１５は、一定時間毎に画像情報を受け取ると、
該画像情報を処理し、判定手段３２に出力して入浴者の
動きを監視するのである。

【００３２】具体的には、まず画像検出部９で検出した
一定時間前の画像（前画像）と現時点での画像（現画
像）との受光量の差（差分）を画像処理部１５で演算す
る。差分が正の画素は＋で表わし、負の画素は−で表わ
し、差が０の画素は０で表わす。対象物の動きは画像の
境界によって判定できるので、画像の境界の移動はそこ
での差分の正または負となって表れる。これにより画像
境界の移動の方向が推定される。そして差分の総和を見
ることで大まかな人の動きが把握できる。また、上記解
析方法を２次元の画像に適用して、具体的には画素上の
方向を縦方向、横方向、右上がり斜め方向、右下がり斜
め方向の４つに分けて、この４つの方向毎に現画像と前
画像との差分（スカラー）を求めて、この差分の画像か
ら各方向ごとの動きを判定し、各方向の差分をベクトル
として表わすようにしてもよい。そして該画素とその周
辺の３×３画素の差分ベクトルを平均化することで（オ
プチカルフロー）、浴室における人の存在や人の動きを
検知することができる。

【００３３】図６に示すように人体検出センサ５１の検
知領域２６は、洗場領域３０、浴槽領域３１の２つのエ
リアに分け、各エリア毎に前記差分の総和または動き量
を検知している。ここで、動き量とは、各領域３０、３
１毎に各画素のオプチカルフローのスカラー量を平均し
たもの（スカラー平均）、もしくはスカラー量の和(ス
カラー和)である。特に、本実施例では人体検出センサ
５１の検知領域２６を洗場領域３０と浴槽領域３１の２
つのエリアに分け、ランプの光線が浴槽２と洗場３との
境界に位置するように取付方向を調整するようにしたこ
とにより、人体検出センサ５１を適正な検知領域に入る
ように位置させることができる。しかも、検知方向を各
領域の境界位置に位置するように微調整することで、人
体検出センサ５１の取付位置が若干境界位置からずれた
としても、適正位置に調節でき、境界付近における人の
移動を捉え易くなる。

【００３４】次に、人体検出センサ５１を取り付けた後
において、浴室１に人が入室したか否か等の判別につい
て説明する。図７において、人が浴室に入り始めると、
まず待機状態にある赤外線センサ５２が人体を検知して
オンとなる（ステップＳ１）と共にタイマセットされ
（ステップＳ２）、人体検出センサ５１が一定時間内に
洗場において人を検知すると（ステップＳ３）、入室し
たものと判断する（ステップＳ４）。この入室判定にお
いて、人体検出センサ５１による人体検知には撮像及び
動き量の演算等に時間を要すること、あるいは浴室が暗
い場合には監視感度が鈍いことから、赤外線センサ５２
を併用し、赤外線センサ５２が検出した後人体検出セン
サ５１が共に人を検出することで、人体検出センサ５１
の弱点を補い、入室の確実を期しているものである。な
お、通常の検出時においては、光源５３は消灯し、点灯
していない。

【００３５】また、浴室からの退出時においても、赤外
線センサ５２がオフとなった場合（ステップＳ５におい
てノーの場合）で、かつ、人体検出センサ５１が動き量
を検知しない場合（ステップＳ６においてノーの場合）
に浴室から退出したものと判断させている。赤外線セン
サ５２では浴槽湯温を人体温度と誤って判断することが
有り得るので、この赤外線センサ５２の弱点を他のセン
サを使用することで補完している。

【００３６】そして、人体検出センサ５１が洗場におい
て人を検知しなかった場合（ステップＳ３でノーの場
合）でも、浴槽において人を検知すると（ステップＳ
８）、所定時間内に赤外線センサ５２及び人体検出セン
サ５１が共に人を検知している場合には（ステップＳ
９、Ｓ１０）、入室しているものと判断することとして
いる（ステップＳ４）。なお、浴槽２内部は洗場に比べ
て一般に暗色であるため、本実施例ではセンサの感度を
上げることを目的として浴室内を浴槽領域と洗場領域と
を分割区分して、それぞれの領域毎に調光して、調光後
に画像処理するようにしてある。従って、人体検出セン
サ５１は適正な検知領域に入るように取付ける必要があ
り、取付時において取り付け方向を調整できるようにし
ているので、後刻に調光上の問題が生じるおそれもない
ものである。なお、入室したものと判定したのちはセン
サの検知継続時間を平均的な入浴時間に見合うようにタ
イマセット（ステップＳ１１）している。このタイマセ
ット時間は、浴室１に人が居ることを検知して延長する
ようにしてもよい。

【００３７】また、人体検出センサ５１の取り付けは、
浴室１の天井であって、浴室の洗場領域３０と浴槽領域
３１との境界位置に取付けられる。この位置は標準的な
浴室において洗場３及び浴槽２を設けた浴室内の人の動
きを監視できる最適位置である。特に、浴槽２と洗場３
との境界に取付けることで、浴槽２及び洗場３での人の
動きに対して、境界が明確化できる。人体検出センサ５
１には取付方向を可変できる可変手段を設け、例えば人
体センサを取付枠内で回動自在とすることで、かつ、人
体検出センサ５１に自ら発光する光源５３を設けること
で、取付位置調整が容易となり、調整後人の検出が確実
となった。人体センサ５を構成する人体検出センサ５１
と赤外線センサ５２とは１つのケース内に収納すること
で、取付け易く、点検も容易となる。

【００３８】また、ユニットバス等からなるシステムバ
スルームの場合には、バスルームの天井にその点検用の
点検口が位置しており、この点検蓋である点検口に前記
人体センサ５を取り付けてもよい。また、照明器具の近
傍の壁面に取付てもよい。

【００３９】なお、上述した実施形態は本発明の好適な
実施形態を示すものであって、本発明はこれに限定され
ることなく、その範囲内で各種設計変更可能である。例
えば、本実施形態ではシステムバスルームについて説明
したが、この例に限られることなくこれ以外の既存の浴
室、洗面所、トイレ、台所等にも設置できるものであ
る。

【００４０】

【発明の効果】本発明は以上の構成、作用からなり、請
求項１に記載の人体検出センサによれば、センサに設け
た光源の光線による方向を見ればよく、人体検出センサ
の設置取付位置の目視確認が容易となり、また可変手段
によりセンサ自体の取付方向を光線を見ながら適正位置
に調整することが可能となる。また、本発明の人体検出
センサによれば、撮像レンズを挟んで２個の光源を設け
ることで、放射された２点間を結べば人体検出センサ本
体の画像取り込み位置を特定することができ、人体検出
センサの設置位置の確認が容易に行なえる利点がある。
さらに、本発明の人体検出センサによれば、センサが適
正に取り付けられているか否かについて目視による確認
が容易となり、また設置方向の調整も容易となる。さら
に、本発明の人体検出センサによれば、光源色を相違さ
せることで、方向性すなわち正逆方向の判定が容易とな
り、施工ミス等による逆転設置の防止を図ることができ
る。さらに、本発明の人体検出センサによれば、光線が
浴槽と洗場との境界に位置するように取付方向を調整す
ることで、設置位置調整を確実に行なうことができる。
さらに、本発明の人体検出センサによれば、設置位置の
確認、適正位置への調整を確実に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施形態である浴室の全体構
成図である。

【図２】図２は本発明の一実施形態を示す天井側から見
たセンサと検知領域との関係を示す説明図である。

【図３】図３は本発明の他実施形態を示す浴室のセンサ
と検知領域との関係を示す説明図である。

【図４】図４は本発明の一実施形態を示す電気回路のブ
ロック図である。

【図５】図５は人体検出センサの画像検出部の１画素を
構成する画像コア回路の構成を示す回路図である。

【図６】図６はセンサの撮像範囲と検知範囲及び検知領
域との関係を示す説明図である。

【図７】図７は本発明の一実施形態を示すフローチャー
トである。

【図８】図８は人体検出センサの設置状態を示す断面図
である。

【図９】図９は人体検出センサを下方から見た底面図で
ある。

【符号の説明】

１浴室２浴槽３洗場４入口５人体センサ６撮像装置７制御装置９画像検出部１５画像処理部１７画像コア回路２４領域分割手段２６検知領域３０洗場領域３１浴槽領域３２判定手段５１人体検出センサ５３光源８１取付枠体８２取付具８３天井８４曲部状内面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｇ０１Ｖ 9/04 Ｕ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】人体の動きを撮像して画像処理する人体
検出センサにおいて該人体検出センサには取付方向を可
変できる手段を設け、かつ、人体検出センサには光源を
設けたことを特徴とする人体検出センサ。
【請求項２】人体の動きを撮像して画像処理する人体
検出センサにおいて該人体検出センサには取付方向を可
変できる手段を設け、かつ、人体検出センサには撮像レ
ンズを挟んで２個の光源を設けたことを特徴とする人体
検出センサ。
【請求項３】人体の動きを撮像して画像処理する人体
検出センサにおいて該人体検出センサには取付方向を可
変できる手段を設け、かつ、人体検出センサには撮像レ
ンズを挟んで複数個の光源を設け、該光源は可視光線を
発光するランプで構成したことを特徴とする人体検出セ
ンサ。
【請求項４】人体の動きを撮像して画像処理する人体
検出センサにおいて該人体検出センサには取付方向を可
変できる手段を設け、かつ、人体検出センサには撮像レ
ンズを挟んで２個の光源を設け、該光源は可視光線を発
光するランプで構成し、それぞれの光源色を相違させた
ことを特徴とする人体検出センサ。
【請求項５】人体の動きを撮像して画像処理する人体
検出センサにおいて該人体検出センサには取付方向を可
変できる手段を設け、かつ、人体検出センサには撮像レ
ンズを挟んで複数個の光源を設け、該光源は可視光線を
発光するランプで構成し、光線が浴槽と洗場との境界に
位置するように取付方向を調整するようにしたことを特
徴とする人体検出センサ。
【請求項６】人体の動きを撮像して画像処理する人体
検出センサにおいて、該人体検出センサの検知領域を浴
槽領域と洗場領域とに分割し、人体検出センサには取付
方向を可変できる手段を設け、かつ、人体検出センサに
は撮像レンズを挟んで複数個の光源を設け、該光源は可
視光線を発光するランプで構成し、光線が浴槽と洗場と
の境界に位置するように取付方向を調整するようにした
ことを特徴とする人体検出センサ。